JP4326740B2 - 逆円錐を備えたバルーン - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は一般に、医学的拡張およびステント配送術用のカテーテルバルーンに関する。詳細には、本発明は、逆円錐を形成するバルーン材料を選択的に折重ねることでバルーンの本体上にステントを固定するための、逆円錐の構成を有するバルーンの能力に関する。
【0002】
(発明の背景)
バルーンカテーテルは様々な病状の治療に使用されており、尿管の処置、胆管の処置および血管の処置に関して広範囲に使用されている。しかしながら、バルーンカテーテルがより頻繁に使用されるのは、末梢動脈および冠動脈の血管形成術においてである。
【0003】
血管形成術は、閉塞された動脈(狭窄)を拡張し、それにより血管構造の該部分を通る血流を改善する。通常の血管形成術では、バルーンカテーテルが、患者の動脈系に経皮的に挿入される。この経皮的挿入は、通常、大腿動脈を介する。バルーンカテーテルは、一旦患者の動脈系に入れられると、バルーンが存在するカテーテル先端部が閉塞部に隣接配置されるまで進められる。一旦狭窄部に隣接すると、バルーンは動脈の該狭窄部の領域を拡張するため、流体圧力下で膨張される。
【0004】
ステントおよびステント配送アセンブリは、血管形成術に関連して使用されている。拡張された狭窄は再び閉塞することが知られているので、血管の開通性を維持するためにステントがしばしば移植される。
【0005】
ステントは、バルーンカテーテルを介して身体の血管内腔に導入される、略円筒形のプロテーゼである。ステントは一般に直径を低減した形態でバルーン上に配置かつ固定される。一旦バルーンカテーテルが血管構造内の所望位置に隣接配置されると、バルーンは拡張される。このバルーン拡張に続いて、ステントの径方向の形態が、低減された直径(配送直径)から拡張された直径(展開配置直径)に増加される。拡張された形態において、ステントは、血管を開放された閉塞されていない形態で維持しつつ血管壁を支持および強化する。
【0006】
ステントの構造および機能についてはよく知られている。血管形成術に関して使用されるステントが、ポーター(Porter)への米国特許第5,064,435号;ターミン(Termin)らへの米国特許第5,071,407号;ターミン(Termin)らへの米国特許第5,221,261号;アンダーソン(Anderson)への米国特許第5,234,457号;サムソン(Samson)への米国特許第370,691号;ターミン(Termin)らへの米国特許第5,378,239号;シュヴァリエ ジュニア(Chevalier,Jr)らへの米国特許第5,401,257号;ブッシェミ(Buschemi)らへの米国特許第5,464,450号に示されており、上記文献の開示はすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
ステント間の顕著な特徴は、それらが自己拡張型であるかバルーンにより拡張されるかどうかである。自己拡張型ステントおよびバルーン拡張型ステントはいずれもよく知られており広く利用可能である。本発明は特に、ステントの固定の増強と、バルーン拡張型ステントの配送および展開配置時の安全なステント装荷とに関する。
【0008】
バルーン拡張型ステントは、カテーテルアセンブリのバルーン部分の周囲に低減された直径にクリンプされる(つまりひだを寄せて折り畳まれる)。ステントは、手でまたは工具を用いてバルーン上に穏やかにクリンプされる。一旦ステントが装着されれば、カテーテルシステムは配送の準備が調う。しかしながら、バルーンカテーテルにステントをクリンプするのに関連して、2つの複雑な問題が存在する。つまり、(1)過度にクリンプするとステント、バルーンまたはカテーテルの内部ルーメンが破損する可能性がある、(2)不適当な固定力により、人間の解剖構造内を進める間にステントが軸方向位置を維持できなくなる。
【0009】
大半の拡張可能ステントは、最小圧縮直径を有する。最小圧縮直径は、ステントに破損をもたらさずにステントを低減することができる、最小の径方向の外形のことである。この破損はしばしば、血管壁の開通性を維持するステントの能力と同様、ステント拡張の機能性および信頼性を低下させる。更に、ステントは、展開配置時に血管壁に抗してステント全長を拡張するために拡張可能なバルーンの部分上にクリンプされなければならない。現行のバルーンの拡張可能部分は一般に、バルーンが折り畳まれて収縮された形態にあると、ステントを直接取り付けるには不十分な外径を有している。従って、この部分だけの上でステントをクリンプすると、人為的にバルーンの下で直径を増強するか、ステントのクリンプ用の嵩高い部分を形成する他の手段を用いるかを行わない限り、ステントが不都合に曲がったり、軸方向位置に十分に保持されなかったりする。
【0010】
展開配置部位までカテーテルを進めている間にステントを軸方向位置に維持することは重要である。ステントがバルーン上で十分に圧縮されない場合、ステントはカテーテルアセンブリに適切に固定され、人間の解剖構造内を進んでいる間にカテーテルから外れる恐れがある。従って、ステントがバルーンカテーテルアセンブリにしっかりと固定されるように、ステントを固定する位置が、ステントの最小圧縮直径よりも大きいかそれに等しい外径(折重ねられ収縮された形態で)を有することが重要である。バルーンカテーテルの周囲でステントを軸方向に固定維持するために使用される装置は数多く存在する。
【0011】
サヴィン(Savin)らへの米国特許第4,950,227号は、配送の間スリーブがステントの先端側または基端側縁部(または両縁部)にオーバーラップするステント搬送システムに関している。このスリーブは、カテーテルアセンブリを展開配置部位まで進めている間、ステントの軸方向位置を維持する。ステントを展開配置するために、ステントの縁部は保護スリーブから解放され、次にスリーブが除去用にデリバリーカテーテルに向かって折り畳まれる。
【0012】
1998年2月26日に公表されたPCT国際出願出願公開第WO98/07390号は、ステントの最小圧縮直径よりも大きい外径を有する装着体を使用するデリバリーカテーテルを開示している。装着体の外径はさらに、収縮されたバルーン直径よりも周が大きい。従ってステントはカテーテルの進行中に軸方向位置を確保するよう装着体の上でしっかりとクリンプされる。しかしながら、装着体の使用は、バルーン内の内部シャフトの可撓性に影響を及ぼし、望ましくない。上記の出願は参照により本明細書に組込まれる。
【0013】
(発明の要旨)
本発明は一般に、血管形成術を実行するのにおよび体腔にステントを配送するのに適したカテーテル装置に関する。詳細には、本発明は、逆円錐の構成を備えたバルーンを有するバルーンカテーテルに関する。この逆円錐の構成によって、ステントまたは他の移植可能な装置は、装着体のような追加の装置による必要、費用、または性能への有害な影響なく、しっかりとではあるが可逆的にカテーテルバルーンの本体に直接取り付けられる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態は、逆円錐部を備えるように形成されていないバルーン上にステントを固定するための、バルーン材料を選択的に折重ねる手段である。この実施形態は、特に当該技術分野で知られているバルーンカテーテルとステント間の配置の改善に向けられる。この実施形態は、追加の固定装置の必要なしでバルーンカテーテルにステントを可逆的に取付および固定する手段を教示している。この実施形態は特に、ステントを取り付けるための嵩高い塊部分として作用するプリーツ体の形成を示す。本発明のさらなる実施形態は、プリーツ体の所望の外径を得るために、逆円錐形態においてまたは当該技術分野において周知のバルーンにおいて、バルーン材料の密度を操作することである。
【0015】
本発明は、逆円錐バルーンの製造方法にも関する。該方法は、当該技術分野において周知のバルーンを逆円錐の形態を有するバルーンに変換するために特に使用される。
【0016】
(詳細な説明)
図1はバルーンカテーテルアセンブリ10の側面図である。バルーンカテーテルアセンブリ10は一般に、基端部14および先端部16を備えたカテーテルシャフト12を有する。カテーテルシャフト12は、カテーテルシャフト12内を延びる少なくとも2つのルーメンを好ましくは有する。少なくとも1つのルーメンは、好ましくはガイドワイヤルーメン18である。ガイドワイヤルーメン18は、カテーテルシャフト12の全長を延びる(例えばオーバーザワイヤ型カテーテル)か、カテーテルシャフト12の一部に沿って延び、先端部16でカテーテルシャフト12から出る(例えばシングルオペレータ交換型カテーテル)。
【0017】
本発明を可能にするのに必要な別のルーメンは膨張ルーメン20である。膨張ルーメン20は、膨張発生源と膨張可能バルーン22との間の流体連通(流体の行き来が可能であるように連絡していること)を許容する。一般に、膨張ルーメン20の基端部は膨張発生源に取り付けられると同時に、膨張ルーメン20の先端部は膨張可能バルーン22の内部と流体連通した状態にある。好ましい実施形態では、カテーテルシャフトの基端部14は多岐管を備えている。この多岐管の1つの枝は、膨張ルーメン20に膨張発生源を接続させ得る。従ってこの枝は、膨張ルーメン20が流体接続された膨張可能バルーン22を膨張させたり収縮させたりするために使用され得る。好ましい実施形態では、シャフトが、図1に示されたように、外側管状部材内に同軸方向に内側管状部材が配置された共軸の設計をしている。ガイドワイヤルーメン18が内側管状部材内にある一方で、膨張ルーメンは内側管状部材と外側管状部材の間の環状空隙によって形成される。代わりに、複数ルーメンを有する1つのシャフトを使用してもよい。
【0018】
カテーテルシャフト16の先端部は、バルーンカテーテルアセンブリ10のチップ部分(先の部分)を構成する。チップ部分の先端部には好ましくは軟らかい先端チップがある。この軟らかい先端チップは、動脈の曲折部を通る際の追従性を改善するために一般にポリマー材料より構成されている。
【0019】
カテーテルシャフトのチップ部分の付近には膨張可能バルーン22がある。好ましい実施形態では、バルーンの基端部が外側管状部材の先端部の付近で外側管状部材に密閉付着されると同時に、バルーンの先端部が、外側管状部材から先端側に延びた内側管状部材の先端部の付近で、内側管状部材に密閉付着される。血管壁の開通性を維持するための装置24が、膨張可能バルーン22を包囲している。この装置24は通常、膨張可能バルーン22と共に拡張可能である。バルーン拡張型ステントは、そのような装置の典型例である。
【0020】
図1のバルーンカテーテルアセンブリ10は様々な病状の治療に使用することができる。特に、バルーンカテーテルアセンブリ10は、尿管の処置、胆管の処置および血管の処置に関して使用され得る。他の処置も行えるが、本発明は、末梢動脈および冠動脈の血管形成術に関連して特に論じる。
【0021】
図2は当該技術分野において周知のバルーンの先端チップ部分の側断面図である。詳細には、図2は、カテーテルシャフトの先端チップ部分が基端部34および先端部36を有する、拡張された膨張可能バルーン32を示している。先端チップ部分の全体にわたって、ガイドワイヤを受取るための内部ルーメン38が存在する。先端チップ部分の基端部34には、内部ルーメン38の横に延びる膨張ルーメン40がある。膨張ルーメン40は、バルーン32の膨張状態を制御する膨張発生源と流体連通している。膨張ルーメン40は外部管状部材42の端部で膨張可能バルーン32に接続する。膨張可能バルーン32に膨張ルーメン40を流体接続させる手段は数多く存在する。図示した手段は限定的なものではなく、純粋に例証的なものである。図2の膨張可能バルーン32は少なくとも3つの性質の異なる部分を備えている。これらの部分は、区別したが、1つの連続するバルーンの一部である。それらの部分はバルーンの設計特徴を例証するだけのために区別される。
【0022】
第1の部分はバルーンの真ん中のセクション44(以下、中央セクションとする)である。中央セクション44は、膨張時、血管壁またはステントの内径と並行に延びそれと係合するバルーンの部分である。中央セクション44は膨張可能バルーン32の大部分を構成する。当該技術分野において周知の中央セクション44の長さは、通常、バルーンのウエスト部分48から離れて終端する。
【0023】
第2の部分は、バルーンの円錐セクション46である。円錐セクション46は、バルーンがシャフト12に接続できるようにバルーンを縮径するバルーンの部分である。
【0024】
第3の部分は、バルーンのウエスト48である。これらはカテーテルシャフト12と並行に延び、カテーテルシャフト12と重なり、カテーテルシャフト12に付着されるバルーンのセクションである。バルーンのウエスト48は膨張流体が漏れるのを防ぐために密閉封止される。好ましくは接着剤が、外側管状部材42に対してはバルーンの基端部で、内部ルーメン38の外径に対してはバルーン先端部で、バルーンのウエストセクション48を密閉する。ウエスト48を密閉する他の適切な方法としては、熱の適用、ポリマーオーバレイまたはその同等物が挙げられる。図2に示すように、バルーンは、1つの中央セクション、基端側の円錐セクション、先端側の円錐セクション、基端側のウエストおよび先端側のウエストを有している。
【0025】
バルーンの円錐セクションは、両側で、その直径がウエストの直径へと低減し、中央セクション44に対して図2に定義されるような角度(θ)または円錐角を形成する。バルーンの断面図において、図2で見られるように、中央セクション44と円錐セクション46の間に形成された内角(バルーン内の角度)が、バルーン32の円錐角θである。
【0026】
図2の先行技術バルーン32は、約120度の円錐角θを有する。本明細書で定義するように、当該技術分野において周知のほとんどのバルーンは90度よりも大きい円錐角θを有する。この円錐角では、図2に示されるように、バルーンの円錐セクション46は中央セクションからウエストまで、カテーテルシャフト12の端部に向かってテーパにならなければならない。
【0027】
拡張可能なステントおよび他の移植可能な装置は、カテーテルアセンブリに確実に固定されなければならない。しかしながら、大部分の拡張可能なステントは最小圧縮直径を有している。最小圧縮直径は、ステントまたはその機械的性質を破損せずにステントが低減され得る最小の径方向の外形である。圧縮が過度であると、血管壁の開通性を維持するステントの能力と同様、ステント拡張の機能性および信頼性を低下させる可能性がある。また、ステントが過度に圧縮されると、ステントはカテーテルアセンブリに適切に固定されないおそれがあり、これはステントをバルーン上で軸方向に移動させる可能性がある。従って、ステントを固定する位置が、ステントの最小圧縮直径よりも大きいかそれに等しい外径を有することが重要である。
【0028】
さらに、ステントはその全長にわたって、バルーンの拡張可能な部分上に装着されなければならない。このことは、ステント全体が配送の間に拡張され、血管壁とその全長にわたって接触するために必要である。従って、図2のバルーン上に装着されるステントは、中央セクションまたは拡張可能な部分を超えていずれの端部上に延びてもいけない。
【0029】
図2の先端チップ部分に特有なのは、装着体50を備えていることである。装着体50は、好ましくは、内部ルーメン38の上側かつバルーンの中央部分44の下側に配置されたリング状または圧縮可能な円筒状の要素である。装着体50の重要な点は、ステントの装着に適した直径の表面積を与えるべく、装着体50が内部ルーメン38から径方向に広がることである。従って、ステントは、ステントの最小圧縮直径を超えなくても、装着体50にしっかりとクリンプされる。本発明は、装着体50の必要を排除したバルーン設計である。
【0030】
ここで図3を参照すると、本発明のバルーンカテーテルアセンブリの好ましい先端チップ部分の断面図が、膨張可能バルーン62が拡張された状態で示されている。図3の膨張されたバルーン62は、好ましい逆円錐バルーンを示している。好ましい逆円錐バルーンの先端チップ部分は、当該技術分野において周知の基端部および先端部と類似した基端部64および先端部66を有している。先端チップ部分の全体にわたって、好ましくはガイドワイヤを受取るための内部ルーメン68が存在する。先端チップ部分の基端部64には、内部ルーメン68の横の環状空隙に形成された膨張ルーメン70がある。膨張ルーメン70は、逆円錐バルーン62の膨張状態を制御する膨張発生源と流体連通する。膨張ルーメン70は開口部72で逆円錐バルーン62に接続する。逆円錐バルーン62に膨張ルーメン70を流体接続させる手段は数多く存在する。図示した手段は限定的なものではなく、純粋に例証的なものである。
【0031】
当該技術分野において周知のバルーン32と同様に、好ましい逆円錐バルーン62は3つの性質の異なるの部分を備えている。図2のような当該技術分野において周知のバルーン32とは違い、好ましい逆円錐バルーン62は、装着体を使用せずにバルーン材料上にステントをクリンプするための嵩高い部分を与えるように機能する、固有の形状と構造を有するバルーンを形成するための固有の円錐角θを有している。
【0032】
好ましい逆円錐バルーン62の中央セクション74は、バルーンの基端および先端ウエスト部分78上を長手方向に延び、延長部分80を形成する。好ましい逆円錐バルーン62の中央セクション74のこの延長部分80は、収縮された状態にあるとき、バルーンのウエスト部分78にバルーン材料を載置させておくことを可能にする。バルーンのウエスト上に及ぶこのような追加の嵩高い部分は、プリーツ体100を形成する。プリーツ体100は、ステントの最小圧縮直径よりも大きいかそれに等しい有効なバルク外径を作成する。従って、プリーツ体100はステントのクリンピングを援助する。
【0033】
逆円錐バルーン62の中央セクション74は、バルーン78のウエスト上に長手方向80に延び、バルーン円錐角θは好ましくは90度未満である。中央セクションの延長部分80の下にバルーンのウエスト78を形成するためには、逆円錐バルーンの円錐セクション76をバルーン軸の中心に内方に向ける必要がある。円錐セクション76が内方に向けられるとき、円錐角θは90度未満でなければならない。図3は、円錐セクション76が逆円錐バルーン62の中心の方へおよびカテーテルシャフト12の方へ内方に向けられているところを示す。図3は、円錐セクション76に必要なピッチを得るために必要な、対応する円錐角θ(約45度)をさらに示している。図3の断面図は、膨張状態の90度未満の円錐角θが、好ましい逆円錐バルーン62の両端でS字形状を形成することをさらに示している。
【0034】
図4で見られるように、逆円錐のバルーン62が収縮されると、中央セクション74のバルーン材料の延長部分80は、バルーン78のウエスト上に折重なって、多層のプリーツ体100を形成する。プリーツ体100は逆円錐バルーン62の両端部に形成される。バルーンが収縮されているとき、バルーンのウエスト部分78上のプリーツ体100のこの追加の嵩高い部分は、そのような位置における周の直径を大いに増大する。増大される周の直径は、大半のステントの最小圧縮直径よりも大きいかそれと等しくなるように選択される。プリーツ体100は通常のステントの最小圧縮直径よりも径方向にさらに遠くに延びるので、ステント102はプリーツ体100および収縮された逆円錐バルーン62のウエスト上に安全に固定され得る。図4は、バルーンのウエスト78上に位置するプリーツ体100の上にしっかり取り付けられたステント102を示す。
【0035】
処置の際、ステント102がバルーン材料の上(特にウエスト上に折重ねられたプリーツ体100の上)に穏やかにクリンプされる箇所で、ステント102は逆円錐バルーン62上に配置される。このクリンピングは手でまたはクリンピング工具等を用いて行われ得る。ステント102がプリーツ体100にしっかりと固定されると、ステント102は血管構造内で配送される準備が調う。
好ましい逆円錐バルーン62がステント展開配置部位に配置されると、バルーンは径方向に拡張される。バルーンの径方向の拡張により、プリーツ体100が広がり、細長い中央セクション74を形成する。その後、ステント102が血管壁に達するまで、逆円錐バルーン62はステント102を拡張する。この位置で、ステント102は完全に展開配置され、血管壁の開通性を維持できる。最終的に、逆円錐のバルーン62は収縮され、血管構造から除去される。
【0036】
逆円錐バルーンのプリーツ体100は他の形状のバルーンにおいて折り曲げられてもよい。さらなる実施形態では、プリーツ体100が、90度以上の円錐角θに膨張可能なバルーン32において形成され得る(図2を参照)。
【0037】
膨張可能バルーン32は以下に記述されるような3つの性質の異なる部分をすべて有している。中央セクション44はすべて、カテーテルシャフトと共に長手方向に延びている。円錐セクション46は円錐角θに従って定められる。90度以上の円錐角θを有するバルーンでは、円錐セクション46は一般に、カテーテルシャフト12の端部に向かって定められる。
【0038】
このようなバルーンの形態でプリーツ体100を形成する場合、円錐セクション46は、バルーンのウエスト48上にバルーン材料を折重ねるか引き寄せるのを許容するのに十分な長さでなければならない。これを遂行できる範囲は、ウエスト直径に対する中央セクションの直径の関数である。バルーンのウエスト部分48上のプリーツ体100の追加の嵩高い部分は、そのような位置における周の直径を増大させる。この増大される周の直径は、大半のバルーン拡張式ステントの最小圧縮直径よりも好ましくは大きい。従って、プリーツ体100は通常のステントの最小圧縮直径よりも径方向にさらに遠くに延びるので、ステント102は90度以上の円錐角θを有する収縮されたバルーンのプリーツ体100上に安全に固定され得る。
【0039】
図3を参照すると、逆円錐バルーンのプリーツ体100を形成する折重なり部分は、従来のバルーン32(図2を参照)より一般に堅い。さらに、折重なり部分の長さは通常短い。これらの属性は、人間の解剖構造内の曲がりくねった曲折部を通る際にカテーテルが追従するのを援助する。
【0040】
論じた任意のカテーテルバルーンの実施形態におけるバルーン材料は、所望のバルーン材料のコンプライアンスに依存して変わる。一般に、上記実施形態に望ましいバルーン材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)またはポリエチレンのいずれかである。従順なバルーン材料が望まれる場合、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、ポリエチレン(高密度、低密度、中間密度、線形の低密度)や、ポリエチレン、イオノマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリエーテル−ポリエステルコポリマーおよびポリエーテルポリアミドコポリマーから成る種々のコポリマーならびにブレンド等の低圧で比較的軟性または可撓性のポリマー材料が好まれる。非従順なバルーン材料が望まれる場合、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレンおよび硬質ポリウレタンのような比較的剛性がある材料が望まれる。
【0041】
バルーン厚の変更は以下に論じる任意の実施形態に対して行い得る。バルーン厚を変える理由としては、特に、プリーツ体100の形成の促進、および/またはプリーツ体100が生じさせる周直径の増加、ならびに種々のバルーン圧力規格の達成が挙げられる。適切な折り重なりを達成するために、材料を添加したり、除去したり、組み合わせたりしてもよい。バルーン厚の増大に特に関連する領域は、バルーンの中央セクションの延長部分および円錐セクションである。
【0042】
逆円錐の実施形態を製造するために、(図2におけるような)当該技術分野において周知の膨張可能バルーンが、従来の方法で成形される。その後、逆円錐形状にバルーンを改良するために、第2のプロセスが開始される。最初に、従来のバルーンが、逆円錐形状を有する型(モールド)の中央セクションに配置される。次にバルーンが、マンドレル上で型の中央セクションにおいて低圧で膨張させられる。その後、型の円錐の両端が、型を閉じるために進められる。次に、バルーンはより高圧に置かれ、成形後に円錐を永久に逆向けに設定するのに十分な温度まで型が加熱される。加熱は、直流電流(DC)、高周波(RF)、インダクタンスおよび赤外線(IR)を含むがそれらに限定されない当該技術分野で現在周知となっている任意の方法により達成される。逆円錐が形成された後、バルーンは冷却される。冷却は、通常、バルーンが型の中にあるか冷水浴の中に置かれている間に、バルーンを大気圧下に置くことにより、行われる。代わりに、第2の加熱成形を行わずに、バルーンを従来のようにブロー成形し、内部ルーメンおよび外側管状部材に接合される時に円錐を逆にすることもできる。
【0043】
一旦逆円錐バルーンが形成されると、バルーンはプリーツ体100を形成するように折重ねられる。プリーツ体100は、収縮された逆円錐をバルーンのウエスト48の上に配置することにより形成される。これは、バルーンのウエスト48上に収縮されたバルーン材料を折重ねて引き寄せることにより達成される。必要な折重なりの範囲は、使用されるステントの最小圧縮直径に依存する。プリーツ体100の折重なりはステントの最小圧縮直径の周直径よりも大きな周直径にしなければならない。最後に、ステント102がプリーツ体100に固定される。
【0044】
本文書によってカバーされる本発明の多くの特徴および利点を上記の説明で述べてきた。しかしながら、本開示は多くの点で例証にすぎないことが理解される。詳細、特に部分の形状、大きさおよび配置に関しては、本発明の範囲から逸脱することなく変更を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲を表現する文言で定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルーンカテーテルアセンブリの側面図。
【図2】内部ルーメン上に配置された装着体を有する先行技術で周知のバルーンの断面図。
【図3】逆円錐の形態を有し、拡張した状態にある、好ましいカテーテルバルーンの断面図。
【図4】ステントがカテーテルバルーンの本体にしっかりと取り付けられ、収縮した状態にある、好ましいカテーテルバルーン形態の断面図。

Claims (10)

  1. カテーテルバルーンであって、
    基端ウエストおよび先端ウエストを有する膨張可能部材と;使用の際に、カテーテルバルーンは前記両ウエストと並行に延びると共に前記両ウエストの上に重 なり、前記両ウエストはカテーテルバルーンの両端部の付近でカテーテルバルーンをカテーテルシャフトにしっかりと密閉することと;
    収縮された時に一部がバルーンの前記ウエスト上に延びる中央バルーンセクションと;
    基端および先端円錐セクションと;前記両円錐セクションはバルーンの前記両ウエストにカテーテルバルーンの中央セクションの各端部を接続し、前記バルー ンは膨張された時にカテーテルバルーンの中央セクションと円錐セクションの間に形成される内角によって定義される90度以下の円錐角を有し、両円錐セクションは、収縮された状態で、ステントまたはその機械的性質を破損せずにステントが低減され得る最小の径方向の外形よりも大きな外径を有することと;
    前記バルーンの前記両円錐セクション上に可逆的にクリンプされるステントと;
    を備えたカテーテルバルーン。
  2. カテーテルバルーンは従順なポリマー性のバルーン材料を有する、請求項1に記載のカテーテルバルーン。
  3. 従順なポリマーバルーン材料が、熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマー、ポリエチレンと、ポリエチレン、PEBAX(登録商標)、 イオノマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニルおよびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリ エーテル−ポリエステルコポリマーおよびポリエーテルポリアミドコポリマーから成る種々のコポリマーならびにブレンドから成る群より選択される、請求項2 に記載のカテーテルバルーン。
  4. カテーテルバルーンは非従順なポリマーバルーン材料から構成される、請求項1に記載のカテーテルバルーン。
  5. 非従順なポリマーバルーン材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレンおよび硬質ポリウレタンから成る群より選択される、請求項4に記載のカテーテルバルーン。
  6. カテーテルバルーンであって、
    中央セクションと;前記中央セクションは膨張された時に略円筒状の本体を形成し、カテーテルバルーンの中央セクションの少なくとも一部は、バルーンの基端ウエストおよび先端ウエストの一部と並行に延びると共に両ウエストの上に重なり、バルーンの前記両ウエストは、カテーテルバルーンの円錐セクションにより中央セクションに接続され、中央セクションと円錐セクションの間の内角によって定義される接続角は、カテーテルバルーンの膨張時の円錐角であることと;
    カテーテルバルーンの端部に形成されたプリーツ体と;前記プリーツ体は、収縮された状態でバルーンの対応するウエスト上に前記円錐セクションを折り重ねると共に引き寄せることで形成され、前記プリーツ体は、収縮された状態で、ステントまたはその機械的性質を破損せずにステントが低減され得る最小の径方向の外形よりも大きな外径を有することと;
    前記バルーンの前記円錐セクション上に可逆的にクリンプされるステントと;
    を備えたカテーテルバルーン。
  7. カテーテルバルーンはポリマー性のバルーン材料を有する、請求項6に記載のカテーテルバルーン。
  8. カテーテルバルーンの円錐角は90度以下である、請求項6に記載のカテーテルバルーン。
  9. ステント付きカテーテルバルーンであって、
    膨張された時に略円筒状の部分を形成する中央セクションを有するカテーテルバルーンと;カ テーテルバルーンの中央セクションの少なくとも一部は、バルーンの基端ウエストおよび先端ウエストと並行に延びると共に両ウエストの上に重なり、バルーン の前記両ウエストは、カテーテルバルーンの円錐セクションにより中央セクションに接続され、中央セクションと円錐セクションの間の内角によって定義される接続角は、膨張された時のカテーテルバルーンの円錐角であることと;
    カテーテルバルーンの端部に形成されたプリーツ体と;前記プリーツ体は、収縮された状態でバルーンの対応するウエスト上に前記円錐セクションを折り重ねると共に引き寄せることで形成されることと;バルーンのウエスト上のプリーツ体の組み合わせは、ステントまたはその機械的性質を破損せずにステントが低減され得る最小の径方向の外形よりも大きな径方向外径を有することと;
    前記バルーンのプリーツ体上に可逆的にクリンプされるステントと;
    を備えたステント付きカテーテルバルーン。
  10. ステント配送アセンブリであって、
    基端部および先端部を有し、膨張ルーメンが内部を延びるカテーテルシャフトと;
    カテーテルシャフトの先端部の付近に取り付けられたバルーンと;前記バルーンは、中央セクション、基端ウエスト、および先端ウエストを有し、カテーテル バルーンの中央セクションの少なくとも一部は、バルーンの前記両ウエストと並行に延びると共に両ウエストの上に重なり、バルーンの前記両ウエストは、カ テーテルバルーンの円錐セクションにより中央セクションに接続され、中央セクションと円錐セクションの間の内角によって定義される接続角は、カテーテルバルーンの膨張時の円錐角であり、バルーンは90度以下の円錐角を有し、円錐セクションは収縮された状態でバルーンの対応するウエスト上に折重ねられると共に引き寄せられ、カテーテルバルーンの両端部にプリーツ体を形成し、前記プリーツ体は、収縮された状態で、ステントまたはその機械的性質を破損せずにステントが低減され得る最小の径方向の外形よりも大きな外径を有することと;
    バルーンのプリーツ体上に可逆的にクリンプされるステントと;
    を備えたステント配送アセンブリ。
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