JP4326632B2 - 電気部品用ソケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ICパッケージや、ICパッケージを保持したICキャリア等を電気部品として着脱自在に保持する電気部品用ソケット、特に、その電気部品を押さえるラッチ部材が配設された電気部品用ソケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の「電気部品用ソケット」としては、「電気部品」であるICパッケージを保持したICキャリアを着脱自在に保持するICソケットがある。
【0003】
このICキャリアは、テープキャリア型ICパッケージを保持しており、このICパッケージの多数の端子から、テープ上に導電パターンが引き出されている。
【0004】
また、ICソケットには、ソケット本体にコンタクトピンが配設されると共に、前記ICキャリアを押さえるラッチ部材がソケット本体に回動自在に配設され、更に、そのラッチ部材を回動させると共に、コンタクトピンを変位させる操作部材が上下動自在に配設されている。
【0005】
そして、ICキャリアを搭載しようとする時には、操作部材を下降させることにより、コンタクトピンを下方に押圧して、このコンタクトピンのICパッケージの端子に接触する接触部を下方に変位させると共に、ラッチ部材を回動させて、ICキャリア挿入範囲から待避させる。
【0006】
この状態でICキャリアをソケット本体の上側に搭載させた後、操作部材を上昇させて行くと、ラッチ部材が元の位置に戻って行き、ICキャリアの上面に係止し、次いで、コンタクトピンも復帰して行くことにより、コンタクトピンの接触部がICキャリア下面の端子に接触し、電気的に接続され、例えばバーンインテスト等の性能試験が行われるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のものにあっては、ICパッケージの端子とコンタクトピンの接触部が所定の接触圧で接触され、ICキャリアがコンタクトピンの弾性力により、上方に付勢されているため、この付勢力がラッチ部材に作用し、このラッチ部材が逃げる方向に多少回動されてしまうおそれがある。かかる場合には、ICパッケージの端子とコンタクトピンの接触部との接触圧力が減少してしまう。
【0008】
また、ラッチ部材の逃げを防止すべく、このラッチ部材をICキャリアに係止する方向に付勢するバネ力を強くする方法も考えられるが、この場合には、ラッチ部材を回動させる操作部材の作動力を大きくしなければならない、という問題が生じる。
【0009】
そこで、この発明は、電気部品端子とコンタクトピンの接触圧を確保すると共に、操作部材の作動力を小さくすることができる電気部品用ソケットを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、ソケット本体に、電気部品の端子に離接可能なコンタクトピンが配設されると共に、前記電気部品の上面を押さえるラッチ部材が前記ソケット本体に回動自在に配設され、又、前記ソケット本体に対して往復動可能に操作部材が配設され、該操作部材を移動させることにより、前記コンタクトピンを変位させると共に、前記ラッチ部材を回動させる電気部品用ソケットにおいて、前記ラッチ部材の下端部を前記ソケット本体に回動自在に軸支すると共に、前記ラッチ部材の上端部に前記電気部品の上面に係止されるフック部を形成し、前記ラッチ部材の中間部に被押圧部を形成し、さらに前記ラッチ部材の前記フック部と前記被押圧部との間に被係止部を形成する一方、前記電気部品を搭載する搭載部を前記操作部材に一体に成形し、この搭載部の外端部を前記ラッチ部材の前記被押圧部と前記被係止部との間に介在させ、前記操作部材の下降時に前記ラッチ部材の前記被押圧部を前記外端部の下面側で押圧して前記ラッチ部材を押し開くと共に、前記操作部材の最上昇位置で、前記外端部に上方に突出して形成されたロック部を前記被係止部に係止させて前記ラッチ部材の開く方向への回動を規制するように構成した電気部品用ソケットとしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記コンタクトピンには、バネ部の内側に前記電気部品端子に接触する接触部が形成され、更に、該接触部の内側に前記搭載部下面にて押圧される被押圧部が形成されたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1乃至図6には、この発明の実施の形態を示す。
【0014】
まず構成を説明すると、図中符号11は、「電気部品用ソケット」としてのICソケットで、このICソケット11は、ICキャリア12に保持された「電気部品」であるICパッケージの性能試験を行うために、ICパッケージの端子(図示省略)と、測定器(テスター)のプリント配線板(図示省略)との電気的接続を図るものである。
【0015】
このICキャリア12は、テープキャリア型ICパッケージを保持しており、図示していないが、このICパッケージの多数の端子から、テープ上に導電パターンが引き出されている。
【0016】
一方、ICソケット11は、大略すると、プリント配線板上に装着されるソケット本体13を有し、このソケット本体13には、前記ICパッケージの端子に離接されるコンタクトピン15が配設されると共に、ICキャリア12を押さえるラッチ部材16が回動自在に設けられ、更に、このラッチ部材16を回動させると共に、コンタクトピン15を変位させる操作部材18が配設されている。
【0017】
そのコンタクトピン15は、バネ性を有し、導電性に優れた板材がプレス加工により形成されている。
【0018】
詳しくは、コンタクトピン15は、主に図3に示すように、ベース部15aを有し、このベース部15aから下方に向けてリード部15bが延長され、このリード部15bが、ソケット本体13に形成された圧入孔13aに挿入されて下方に突出されて図示省略のプリント配線板の各貫通孔に挿通されて半田付けされることにより接続されるようになっている。また、そのベース部15aから上側には、円弧形状のバネ部15cが形成され、このバネ部15cの内側に上方に突出する三角形状の接触部15dが形成され、この接触部15dから内側に向けて前記操作部材18に押圧される「被押圧部」としての被押圧片15eが形成されている。そして、その接触部15dが前記ICパッケージの端子に接触されるように構成されている。
【0019】
また、ラッチ部材16は、門型を呈し、この門型の一対の脚部の下端部16aが軸19によりソケット本体13に回動自在に取り付けられると共に、スプリング20により内側に向けて付勢されている。しかも、このラッチ部材16には、上端部に前記ICキャリア12の上面12aに係止されるフック部16bが形成されると共に、中間部に前記操作部材18に押圧される被押圧部16cが形成されている。
【0020】
さらに、前記操作部材18は、図1に示すように、ICキャリア12が挿入可能な大きさの開口18gを有し、この開口18gを介してICキャリア12が挿入されて、この操作部材18に一体成形された搭載部18a上の所定位置に搭載されるようになっている。また、この操作部材18は、ソケット本体13に対して上下動(往復動)自在に配設され、図2に示すように、スプリング21により上方に付勢されると共に、最上昇位置でソケット本体13の被係止部13bに係止する係止片18bが形成されている。
【0021】
さらにまた、この操作部材18には、図3に示すように、前記コンタクトピン15の被押圧片15eを押圧する押圧部18cが前記搭載部18a下面に形成されると共に、操作部材18の下降時に前記ラッチ部材16の被押圧部16cを押圧してラッチ部材16を押し開く傾斜面部18dが形成されている。
【0022】
しかも、この操作部材18には、「ロック部」としてのロック爪18eが形成され、操作部材18最上昇位置でこのロック爪18eが前記ラッチ部材16に形成された「被係止部」としてのラッチロック用ボス16dに係止して、ラッチ部材16でICキャリア12を押圧した状態で、このラッチ部材16の外側(開く方向)への回動が阻止されるように構成されている。図3乃至図6から明らかなように、ラッチロック用ボス16dは、フック部16bと被押圧部16cとの間に形成されている。
【0023】
操作部材18の搭載部18aは、その外端部がラッチ部材16の被押圧部16cと被係止部16dとの間に介在しており、この外端部の下面に傾斜面部18dが形成され、外端部の上面にロック爪18eが上方に突出する形で形成されている。なお、図1及び図3中符号18fは、ICキャリア12を位置決めするガイドピンである。
【0024】
次に、作用について説明する。
【0025】
予め、プリント配線板上に配置された多数のICソケット11に、それぞれICキャリア12を自動機によりセットするには、まず、操作部材18を下方に押し下げる。すると、この操作部材18のロック爪18eが下降して、ラッチ部材16のラッチロック用ボス16dとの図3に示すような係止状態が図4に示すように外れ、ラッチロック状態が解除される。
【0026】
その後、図5に示すように、操作部材18の押圧部18cにより、コンタクトピン15の被押圧片15eが下方に向けて押されて、接触部15dが下降されると共に、操作部材18の外端部に形成された傾斜面部18dにより、ラッチ部材16の被押圧部16cが押されて、このラッチ部材16がスプリング20の付勢力に抗して外側に向けて開き始める。そして、図6に示すように、フック部16bがICキャリア12挿入範囲から待避された状態で、搭載部18a上にICキャリア12が搭載される。
【0027】
その後、操作部材18への押圧力を解除すると、この操作部材18がスプリング21の付勢力により上昇することにより、ラッチ部材16がスプリング20の付勢力により内側(閉じる方向)に向けて回動し、更に、搭載部18aの上昇により、コンタクトピン15の接触部15dが上昇する。
【0028】
そして、操作部材18が図3に示す最上昇位置に達すると、ラッチ部材16のフック部16bがICキャリア12の上面12aに係止されると共に、ラッチ部材16のラッチロック用ボス16dに操作部材18のロック爪18eが係止する。
【0029】
このラッチロック用ボス16dとロック爪18eとの係止により、ラッチ部材16の開く方向への回動が規制される。
【0030】
これにより、コンタクトピン15のバネ部15cによる弾性力が接触部15dを介してICキャリア12に作用しても、ラッチ部材16の開きが規制され、いわゆる逃げを防止できるため、ICキャリア12が浮上り、接触圧が低減するのを防止することができる。
【0031】
従って、ラッチ部材16の逃げを防止すべく、このラッチ部材16のスプリング20のバネ力を強くする必要がないため、このラッチ部材16を回動させる操作部材18の作動力を大きくする必要がなく、操作力も小さくできる。
【0032】
なお、上記実施の形態では、「電気部品用ソケット」としてICソケット11に、この発明を適用したが、これに限らず、他の装置にも適用できることは勿論である。また、「電気部品」としてフラット型ICパッケージが保持されたICキャリア12を用いて説明したが、これに限定されるものでなく、キャリアに保持されていないICパッケージのICソケットにこの発明を適用できることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、各請求項に記載の発明によれば、電気部品を押さえるラッチ部材の下端部を前記ソケット本体に回動自在に軸支すると共に、前記ラッチ部材の上端部に前記電気部品の上面に係止されるフック部を形成し、前記ラッチ部材の中間部に被押圧部を形成し、さらに前記ラッチ部材の前記フック部と前記被押圧部との間に被係止部を形成する一方、前記電気部品を搭載する搭載部を操作部材に一体に成形し、この搭載部の外端部を前記ラッチ部材の前記被押圧部と前記被係止部との間に介在させ、前記操作部材の下降時に前記ラッチ部材の前記被押圧部を前記外端部の下面側で押圧して前記ラッチ部材を押し開くと共に、前記操作部材の最上昇位置で、前記外端部に上方に突出して形成されたロック部を前記被係止部に係止させて前記ラッチ部材の開く方向への回動を規制するように構成した電気部品用ソケットとしたため、コンタクトピンの弾性力が電気部品に作用しても、ラッチ部材の開きが規制されていることから、電気部品が浮上り、接触圧が低減するのを防止することができる。
【0034】
従って、ラッチ部材の逃げを防止すべく、このラッチ部材のスプリングのバネ力を強くする必要がないため、このラッチ部材を回動させる操作部材の作動力を大きくする必要がなく、操作力も小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るICソケットの平面図である。
【図2】同実施の形態に係るICソケットの半断面した正面図である。
【図3】同実施の形態に係るICソケットの、操作部材が最上昇位置にある断面図である。
【図4】同実施の形態に係るICソケットの、操作部材が図3より下降された状態を示す図3に相当する断面図である。
【図5】同実施の形態に係るICソケットの、操作部材が図4より下降された状態を示す図4に相当する断面図である。
【図6】同実施の形態に係るICソケットの、操作部材が図5より下降された最下降状態を示す図5に相当する断面図である。
【符号の説明】
11 ICソケット(電気部品用ソケット)
12 ICキャリア(電気部品)
13 ソケット本体
15 コンタクトピン
15c バネ部
15d 接触部
15e 被押圧片
16 ラッチ部材
16b フック部
16c 被押圧部
16d ラッチロック用ボス(被係止部)
18 操作部材
18a 搭載部
18c 押圧部
18d 傾斜面部
18e ロック爪(ロック部)

Claims (2)

  1. ケット本体に、電気部品の端子に離接可能なコンタクトピンが配設されると共に、前記電気部品の上面を押さえるラッチ部材が前記ソケット本体に回動自在に配設され、又、前記ソケット本体に対して往復動可能に操作部材が配設され、該操作部材を移動させることにより、前記コンタクトピンを変位させると共に、前記ラッチ部材を回動させる電気部品用ソケットにおいて、
    前記ラッチ部材の下端部を前記ソケット本体に回動自在に軸支すると共に、前記ラッチ部材の上端部に前記電気部品の上面に係止されるフック部を形成し、前記ラッチ部材の中間部に被押圧部を形成し、さらに前記ラッチ部材の前記フック部と前記被押圧部との間に被係止部を形成する一方、
    前記電気部品を搭載する搭載部を前記操作部材に一体に成形し、この搭載部の外端部を前記ラッチ部材の前記被押圧部と前記被係止部との間に介在させ、前記操作部材の下降時に前記ラッチ部材の前記被押圧部を前記外端部の下面側で押圧して前記ラッチ部材を押し開くと共に、前記操作部材の最上昇位置で、前記外端部に上方に突出して形成されたロック部を前記被係止部に係止させて前記ラッチ部材の開く方向への回動を規制するように構成したことを特徴とする電気部品用ソケット。
  2. 記コンタクトピンには、バネ部の内側に前記電気部品端子に接触する接触部が形成され、更に、該接触部の内側に前記搭載部下面にて押圧される被押圧部が形成されたことを特徴とする請求項1記載の電気部品用ソケット。
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