JP4326529B2 - 色調整装置および印刷システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の印刷機と複数の色調整装置とを備える印刷システムに関するものである。
枚葉印刷機や輪転印刷機等の印刷機では、インキ供給装置に備えられたインキキーとインキ元ローラとの隙間量(以下、「インキキー開度」という。)を調節することにより、インキ壷から印刷胴に供給するインキ供給量を調節している。
従来、上記インキ供給量は、オペレータが、印刷見本と実際に印刷された紙面との色調を目視にて確認することにより調節していた。また、近年では、インキキー開度を自動で調節することのできるインキ供給量の自動設定装置が開発され(特許文献1等)、オペレータの負担軽減や定量性の確保を容易にしている。
特許文献1の技術では、印刷シートの走行ライン上に設けられたラインセンサ型IRGB濃度計によって印刷シートのキーゾーン毎の実混色網濃度を計測し、実混色網濃度の計測結果に基づいて各インキ色の実単色網濃度を検出し、実単色網濃度が目標単色網濃度となるように、それぞれのキーゾーンに対応するインキキーの開度を調節するようにフィードバックを行っている。
また、上記特許文献1では、印刷機とは離れた場所に設置された演算装置において、印刷シートの各キーゾーン毎のインキキー開度を演算し、このインキキー開度をネットワークを介して印刷機に内蔵されている制御装置に対して送信している。
特開2004−106523号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来の色調整技術においては、離れた場所に設置された演算装置から印刷機に内蔵されている制御装置に対して、上記インキキー開度を高速にフィードバックすることが難しいという問題があった。
特に、多量の印刷を高速で行う新聞印刷等の場合には、色調整を迅速にフィードバックさせる必要があり、高速処理を可能とするシステム構築が望まれていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、インキ供給量等の印刷に関する制御量を高速にフィードバックさせることのできる色調整装置および印刷システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、印刷機が備えるインキ供給装置のインキ供給単位幅で印刷絵柄を分割したインキ供給領域毎に、インキ供給に関する制御量を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された制御量が前回の制御量と同じ値であるか否かを前記インキ供給単位領域毎に判断する判断手段と、前記演算手段により演算された前記制御量が前回の制御量と同じ値である前記インキ供給単位領域に対する制御指令として、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを採用し、前記制御量が前回の制御量と異なる値である前記インキ供給単位領域に対する制御指令として、前記演算手段によって演算された制御量からなる有効データを採用して、前記印刷機に関する全ての前記制御指令を1つのデータフレームとして作成するデータ作成手段と、前記データ作成手段により作成されたデータフレームを前記印刷機に送信する送信手段とを具備する色調整装置を提供する。
このような構成によれば、演算手段によってインキ供給領域毎に演算されたインキ供給量に関する制御量は、判断手段により前回の制御量とそれぞれ比較され、この比較結果に基づいて印刷機に送信するデータフレームがデータ作成手段により作成される。ここで、データ作成手段は、前回の制御量と今回演算された制御量とが同じ値であった場合、そのインキ供給領域に対する制御指令として、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを採用する。これにより、当該データフレームを受信した印刷機側では、制御指令として継続データが採用されているインキ供給領域に対しては、特に制御量を気にすることなく、現在行っている制御を継続して行えばよいこととなるので、処理負担の軽減等を図ることが可能となる。
本発明の色調整装置においては、前記印刷機が複数の印刷ユニットを備えている場合、前記データフレームが、複数のサブフレームに分割可能に構成され、各前記サブフレームは、各前記印刷ユニットに関する前記制御指令を構成要素データとするとともに、前記印刷ユニットのアドレスがそれぞれ付されていることが好ましい。
このような構成によれば、データフレームが各印刷ユニットに関するサブフレームに分割可能に構成されているので、このデータフレームを受信した印刷機側では、データフレームをサブフレームに分割して、各サブフレームをそれぞれの印刷ユニットに振り分けることが可能となる。これにより、各印刷ユニットは略同時にインキ供給量の調整を行うことができる。換言すると、インキ供給量の調整を印刷機単位で一括して行うことが可能となるので、印刷物の色調が除々に変化することを回避でき、安定した品質を保つことが可能となる。加えて、表裏両面の印刷を行う印刷機については、表裏の品質についても安定させることが可能となる。
本発明の色調整装置においては、ネットワークを介して複数の印刷機と接続されている場合、前記複数の印刷機のうち、自己の管理下にある前記印刷機に対して前記データフレームをそれぞれ個別に送信することが好ましい。
このような構成によれば、複数の印刷機とネットワークを介して接続されている場合には、自己の管理下にある印刷機に対してのみ、その印刷機に関するデータフレームを送信するので、関係のある印刷機に対してのみ効率よく情報を送信することが可能となる。
本発明の色調整装置においては、前記印刷機が複数の印刷ユニットを備えており、そのうちの一部の印刷ユニットが自己の管理下にある場合において、前記データ作成手段は、自己の管理下にない前記印刷ユニットに関する制御指令については前記継続データを採用して前記データフレームを作成することが好ましい。
このような構成によれば、1台の印刷機が備える複数の印刷ユニットに関するインキ供給量の調整を複数の色調整装置により管理する場合、各色調整装置は、自己の管理下にない印刷ユニットに関する制御指令については継続データを採用したデータフレームを作成して、印刷機に送信する。これにより、1台の印刷機が複数の色調整装置の管理下におかれた場合でも、常に同一形式のデータフレームにて取り扱うことが可能となる。
本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の色調整装置と、前記色調整装置とネットワークを介して接続される複数の印刷機とを備える印刷システムであって、前記色調整装置は、自己の管理下にある前記印刷機に対して前記データフレームをそれぞれ個別に送信する印刷システムを提供する。
本発明は、印刷機が備える複数の湿し装置についての湿し水供給量に関する制御量をそれぞれ演算する演算手段と、前記演算手段により演算された制御量が前回の制御量と同じ値であるか否かを前記湿し装置毎に判断する判断手段と、前記演算手段により演算された前記制御量が前回の制御量と同じ値である前記湿し装置に対する制御指令として、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを採用し、前記制御量が前回の制御量と異なる値である前記湿し装置に対する制御指令として、前記演算手段によって演算された制御量からなる有効データを採用して、前記印刷機に関する全ての前記制御指令を1つのデータフレームとして作成するデータ作成手段と、前記データ作成手段により作成されたデータフレームを前記印刷機に送信する送信手段とを具備する色調整装置を提供する。
本発明によれば、インキ供給量等の印刷に関する制御量を高速にフィードバックさせることができるという効果を奏する。
以下、本発明の印刷システムを新聞印刷に用いられる印刷システムに適用した場合の一実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷システムの概略構成を示した図である。この図に示すように、印刷システム1は、複数の輪転印刷機2a乃至2j(以下、各輪転印刷機を区別しない場合には単に符号「2」を付し、各輪転印刷機を区別して表現するときは符号「2a」、「2b」等を付す。以下、他の構成要素についても同様とする。)と、複数のターンバー列部3a、3bと、複数の折機4a、4bとを備えている。更に、印刷システム1は、各折機4a、4bに対応して設けられ、該折機4a、4bにそれぞれ連結される輪転印刷機2を支配下において制御する色調整装置50a、50bを備えている。また、色調整装置50a,50bのそれぞれに対応して遠隔操作卓51a、51bが設けられている。遠隔操作卓51a、51bは、例えば、オペレータが色調整に関する制御指令を入力するためのものである。
このような印刷システム1において、各折機4a,4bに連結される輪転印刷機2は、印刷内容によって任意に選択することが可能な構成とされている。例えば、図1では、連結の一態様として、輪転印刷機2a乃至2eを折機4aに、輪転印刷機2f乃至2jを折機4bに連結している。なお、連結方式については、主駆動モータによりラインシャフトを通じて各輪転印刷機、折機等を同期させながら駆動するシャフト駆動式のものでもよく、或いは、上述のラインシャフトではなく、それぞれ個別の電動モータによって互いに同期して作動するように駆動させるシャフトレス式のものであっても良い。
上記印刷システム1において、各輪転印刷機2は、給紙装置6と、印刷部7とを備えている。給紙装置6は、例えば、ウェブWがロール状に巻かれた巻取紙を回動自在に保持する3対のアームおよび紙継装置をそれぞれ備えている。印刷部7は、複数の印刷ユニット8がタワー状に積層された構造となっている。印刷部7が備える印刷ユニット8の台数は、印刷する色に応じて決定される。例えば、両面4色印刷を行なう場合には、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、及びK(ブラック)からなる4色をウェブWの表裏両面に印刷する必要があることから、印刷部7は、合計で8つの印刷ユニット8を備えることとなる。また、両面2色印刷を行う場合には、K(ブラック)ともう一色からなる2色をウェブWの表裏両面に印刷する必要があることから、印刷部7は、合計で4つの印刷ユニット8を備えることとなる。
図2は、対向配置された2つの印刷ユニットの概略構成を示す模式的な側面図である。図2に示すように、印刷ユニット8は、インキを供給するインキ供給装置11と、湿し水を供給する湿し装置(図示せず)と、インキ供給装置11および湿し装置に対向配置された版胴13と、この版胴13に対向配置されたゴム胴(ブランケット胴)14とを備えている。
以下、印刷ユニット8が備える各部について図3乃至図7を参照して説明する。
図3乃至図6は、インキ供給装置11を示す図であり、図3はインキ供給装置から版胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図、図4はウェブとインキキーユニットの関係を示す図、図5はインキキーユニットの概略構成を示す図、図6はインキキー開度を調整するインキキー開度調整装置の概略構成を示す図である。
インキ供給装置11は、図3に示すように、インキキーユニット20、インキ壷29、インキ元ローラ21、インキ移しローラ22、インキ練りローラ群23、揺動ローラ24、および印刷時に版胴13に対して接触する3本のインキ着けローラ25を備えている。
上記インキキーユニット20は、例えば、ウェブWに印刷するページ数に応じて設けられている。本実施形態では、輪転機システム1は、新聞印刷用のものである。したがって、図4に示すように、ウェブWは、4ページ分の印刷幅を有している。このため、インキ供給装置11は、インキ元ローラ21の回転軸方向に沿って並設された4つのインキキーユニット20を備えている。
各インキキーユニット20は、図5に示すように、8つのインキキー26a乃至26hを備えている。隣り合うインキキー26a乃至26h、並びに、端部のインキキー26aと側板27とは互いに摺接している。また、図6に示すように、各インキユニット20における各インキキー26a乃至26hは、支点軸28を中心にしてそれぞれ独立して揺動できるように構成されている。これにより、各インキキー26a乃至26hとインキ元ローラ21の周面との隙間、換言すると、インキキー開度を個別に調節できるようになっている。各インキキー26の下方には、インキキー開度を調節するための機構であるインキキー開度調節装置30がそれぞれ設けられている。
インキキー開度調節装置30は、各インキキー26の先端下面に当接する押上金具31と、押上金具31に先端を当接し、前後方向に伸縮することにより押上金具31を揺動昇降させるプッシャ32と、動転駆動することによってプッシャ32を前進または後退させるように接続されたアクチュエータとしてのモータ33とを備えている。モータ33は、例えば、ステッピングモータ等である。このモータ33は、後述するローカルCPU38に電気的に接続されている。ローカルCPU38は、図1に示した色調整装置50a、50bからの制御指令(後述の「カラム調整データ」に相当する。)に基づいて、モータ33に励磁信号を出力することによりモータ33を駆動し、上述のインキキー開度をインキキー毎に独立に制御する構成とされている。
また、モータ33の回転軸はギアを介して駆動伝達可能に回転軸の回転角位置を検知するポテンショメータ34に接続されている。ポテンショメータ34によって検知されたモータ33の回転角はプッシャ32の前進後退位置すなわち、各インキキー26の揺動角度に対応しており、これによって各インキキー26のモータ開度を検知することができる。ポテンショメータ34は、ローカルCPU38に電気的に接続されている。これにより、ポテンショメータ34による検知結果がローカルCPU38に転送される構成となっている。
このように構成されたインキキー開度調節装置30においては、ローカルCPU38により各モータ33がそれぞれ独立して駆動される。この駆動状態に応じてプッシャ32は前後方向に伸縮し、押上金具31の先端が揺動昇降することとなる。これにより、各インキキー開度が個別に調節され、好適なインキ量がインキ壷からインキ元ローラ21の周面へ転写されることとなる。
次に、図2に示した本実施形態に係る印刷ユニットが備える湿し装置、版胴13、およびゴム胴14について図7を参照してそれぞれ説明する。図7は、インキ着けローラからゴム胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図である。
図7に示すように、湿し装置38は、水着ローラ40、水ライダローラ41、水揺動ローラ42などの複数のローラと印刷頁に応じたスプレーノズルを複数有するスプレーダンプナ39を備えており、印刷頁毎に個々に湿し水の量を調整して供給するようになっている。また、間欠式噴霧やその噴霧時間を制御することにより、印刷速度や絵柄に応じた水量調整を実現している。
版胴13は、印刷用画像が形成された刷版が外周に巻回されるように円筒状とされている。刷版は、印刷すべき画像毎に作成され、交換される。版胴13は、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、この位置45に、刷版の上流端である版頭および刷版の下流端である版尻を掴んで固定する版締め装置(図示せず)が設けられている。
ゴム胴14は、版胴13の刷版上のインキを受け取り、図2に示すように、互いに対抗配置された他のゴム胴14との間を通過するウェブWに対してインキを転移する。ゴム胴14の外周には、ブランケットとしてゴムが巻回されている。ゴム胴14は、図7に示すように、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、この位置46に、ゴムの上流端および下流端を掴んで固定するゴム締め装置(図示せず)が設けられている。ゴム胴14は、印刷を行わない非印刷時等には、版胴13及び対向配置されたゴム胴14から離間させる(胴抜き)ことができるようになっている。
上述したような種々の構成要素を備える輪転印刷機2においては、図1に示すように、給紙装置6から送り出されるウェブWは印刷部7に供給される。印刷部7では、図3および図6に示したように、各印刷ユニット8において、インキ供給装置11のインキキー開度がインキキー開度調節装置30により適度な開度に調節されることにより、適量のインキがインキ壷29からインキ元ローラ21の周面に供給される。インキ元ローラ21に供給されたインキは、図3に示すように、インキ移しローラ22を介してインキ練りローラ群23に供給され、インキ練りローラ群23の周面を通過する間に適度に練られる。続いて、インキ揺動ローラ24により、各キーゾーンの境界線におけるインキ膜厚についての極端なインキ膜厚変化が緩和された後に、インキ着けローラ25を介して版胴13の版面に供給され、版面13に付着したインキが、図7および図2に示すようにゴム胴14を介して絵柄としてウェブWに転写される。
このようにして、ウェブWは、図2に示すように、各印刷ユニット8の対抗配置されたゴム胴15の間を通過する際に、表面および裏面にゴム胴14から像がそれぞれ転写され、表面および裏面に4色または2色の印刷が施される。そして両面印刷が施されたウェブWは、図1に示すように、それぞれ連結されたターンバー列部3に供給される。
ターンバー列部3は、多数のターンバーを備えており、各輪転印刷機2からのウェブWの走行ルートを変更し、その重なり順番を変えられるように構成されている。このようにしてターンバー列部3から排出された各ウェブWは、連結される折機4に供給される。折機4では、ターンバー列部3から送られる複数のウェブWが重ねられた後、縦折り、縦切断、横折り、横切断等されて、所望の折帳とされ、排出される。
上記印刷システム1において、上記各輪転印刷機2とターンバー列部3との間には、各輪転印刷機2により印刷された各紙面の混色網濃度(以下、「実混色網濃度」という。)を計測するためのIRGB濃度計10が各輪転印刷機2に対応してそれぞれ設けられている。具体的には、IRGB濃度計10は、ウェブWの搬送経路を挟むようにして表裏両側に配置されているので、本実施形態に係る印刷システム1では、合計20個のIRGB濃度計10が配置されていることとなる。
このIRGB濃度計10は、ウェブW上に転写されたインキの反射光をI(赤外光)、R(赤)、G(緑)、B(青)の反射濃度として計測する計測器であり、ウェブWの全幅の実混色網濃度を計測するほか、任意の位置の実混色網濃度を計測することも可能な構成となっている。
図8に示すように、上述した各IRGB濃度計10を備えるセンサ群52は、ネットワークを介して色調整装置50a、50bと接続されている。色調整装置50a、50bは、IRGB濃度計10により計測された各紙面のインキキーごとの実混色網濃度に基づいて各インキ色の実単色網濃度を検出し、実単色網濃度と目標単色網濃度とを比較することにより、自己の管理下におかれた各輪転印刷機2に対応するインキ供給量を調節するための色調整データを作成し、これら色調整データを各輪転印刷機2の制御装置に対してそれぞれ個別に出力することにより、各輪転印刷機2の自動色調整を実現させる。そして、このような処理を一定時間間隔で繰り返し行うことにより、色調整のフィードバック制御を実現させる。
次に、上述した輪転印刷機2におけるインキ供給量を制御するための制御システムについて図を参照して更に詳しく説明する。図8は、輪転印刷機2を制御する制御システムのネットワーク構成を示す図である。
図8に示すように、各輪転印刷機2a乃至2jにそれぞれ設けられたIRGB濃度計10等からなるセンサ群52は、データ伝送媒体(以下、「ネットワーク」という。)を介して色調整装置50a、50bとそれぞれ接続されている。更に、色調整装置50a、50bの各々は、輪転印刷機2a乃至2jの各々がそれぞれ備える制御装置35a乃至35jとネットワーク100を介して接続されている。更に、上記ネットワーク100には、オペレータが遠隔から色調整等を手動で行うための遠隔操作卓51a、51bが接続されている。
このように、本実施形態の印刷システム1においては、色調整装置50a,50b、遠隔操作卓51a、51b、ならびに全ての制御装置35a乃至35jの間において、双方向通信を可能とするネットワークが構築されている。上記ネットワークは、無線、有線のいずれでも良く、一例としてLAN、イーサネット(登録商標)等が挙げられる。
上記色調整装置50a、50bは、図9に示すように、演算部(演算手段)81と、判断部(判断手段)82と、データ作成部(データ作成手段)83と、送信部(送信手段)84とを備えている。
演算部81は、インキキー(インキ供給領域)毎に、インキ供給に関する制御量であるインキキー開度を演算する。具体的には、演算部81は、IRGB濃度計10により計測された各紙面のインキキーごとの実混色網濃度に基づいて各インキ色の実単色網濃度を検出し、実単色網濃度を予め保有している目標単色網濃度に一致させるためのインキキー開度を算出する。
ここで、輪転印刷機2が8台の印刷ユニット8を備える場合、図4乃至図5に示したように、各印刷ユニット8には、インキキーユニット20が4台設けられており、各インキキーユニット20は8本のインキキー26を備えているので、輪転印刷機2は合計で256本のインキキー26を備えていることとなる。従って、この場合、演算部81は、256本の各インキキー26に対応するインキキー開度をそれぞれ演算することとなる。
このようにして演算された256本のインキキー開度は、演算部81から判断部82に出力される。判断部82は、演算部81により前回演算されたインキキー開度を保持しており、演算部81から新しいインキキー開度を受け付けると、今回受け付けたインキキー開度(以下「最新のインキキー開度」という。)と前回のインキキー開度とが同じ値であるか否かをインキキー毎に判断する。そして、この判断結果をデータ作成部83に出力する。
データ作成部83は、判断部82による比較結果に基づいて輪転印刷機2に対して送信するデータフレーム(以下、このデータフレームを「色調整データ」という。)を作成する。図10は、8つの印刷ユニット8を備える輪転印刷機2に対して送信される色調整データの構造を模式的に示した図である。図10に示すように、色調整データは、8つの印刷ユニット用データ(サブフレーム)から構成されている。この印刷ユニット用データの各々は、4つのインキキーユニットデータから構成されており、更に、このインキキーユニットデータの各々は、8つのカラム調整データから構成されている。このカラム調整データは、インキキー26の一つ一つに対応するインキキー開度に関する制御指令である。
ここで、データ作成部83は、上記各インキキー開度に関する制御指令として、上述した判断部82による比較結果に応じたデータを採用する。具体的には、最新のインキキー開度と前回のインキキー開度とが同じ値であった場合には、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを当該インキキーに関する制御指令として採用する。つまり、図10に示したカラム調整データとして継続データを書き込む。この継続データは、後述する有効データとは決して混同しない値であり、例えば、有効データが「0000」乃至「0999」の範囲であった場合には、この範囲以外の値、例えば「8000」等が用いられる。
一方、最新のインキキー開度と前回のインキキー開度とが異なる値であった場合には、当該インキキーに関する制御指令として、最新のインキキー開度からなる有効データを採用する。つまり、図10に示したカラム調整データとして最新のインキキー開度を書き込む。
データ作成部83は、全てのカラム調整データに継続データまたは有効データを書き込むことにより色調整データを作成すると、この色調整データを送信部84に出力する。なお、上記色調整データにおいて、各カラム調整データには対応するインキキーの識別情報(例えば、アドレス等)が付加されており、同様に、インキキーユニット用データには、対応するインキキーユニット20の識別情報(例えば、アドレス等)が付加されており、また、印刷ユニット用データには、対応する印刷ユニットの識別情報(例えば、アドレス等)が付加されている。また、色調整データには、上述した合計256個のカラム調整データ、アドレス等の識別情報のほかに、スタート符号、アドレスデータ、訂正符号、エンド符号等からなるデータ通信を可能とする種々の情報が含まれている。
送信部84は、この色調整データを対応する輪転印刷機2に対してネットワーク100を介して出力する。
色調整装置50は、自己の管理下におかれた各輪転印刷機2に対して上述した処理を実行することにより、輪転印刷機2ごとにそれぞれ色調整データを作成し、これら色調整データを各輪転印刷機2の制御装置35に対してそれぞれ個別に出力することにより、各輪転印刷機2の自動色調整を実現させる。そして、このような処理を一定時間間隔で繰り返し行うことにより、色調整のフィードバック制御を実現させる。
次に、制御装置35について説明する。本実施形態に係る制御装置35は、主に、輪転印刷機2が備える各インキキー開度を制御するものであり、例えば、8台の印刷ユニット8を備える輪転印刷機2に対応する制御装置35においては、合計256本(印刷ユニット8の台数*各印刷ユニットが備えるインキユニット20の数*各インキユニット20が備えるインキキー26の本数=8*4*8=256)のインキキーの開度を制御する能力を備えている。
具体的には、制御装置35は、図11に示すように、色調整装置50とのインタフェース等として機能するリモートCPU36、および各印刷ユニット8に対応して設けられた印刷ユニット制御装置37を備えている。つまり、印刷ユニット8を8台備えてなる輪転印刷機2の場合、印刷ユニット制御装置37は8個設けられることとなる。この印刷ユニット制御装置37の各々は、自己の管理下にある32本のインキキーにそれぞれ対応するカラム調整データをそれぞれ書き込むための32個のメモリエリアを有している。これら各メモリエリアには、各インキキーを識別するための識別情報がアドレスとして付されている。また、この各メモリエリアには、初期値として継続データが書き込まれている。
このような印刷ユニット制御装置37の各々は、32個のローカルCPU38をそれぞれ管轄する。詳細には、このローカルCPU38は、各印刷ユニット8が備える32本のインキキーにそれぞれ対応して設けられている。各ローカルCPU38は、対応するインキキーのインキキー開度を制御する。具体的には、各インキキー26aから26hの個々に対応して設けられたインキキー調整装置30のモータ33に対して制御指令を与えることにより、インキキー開度を好適な値に調節する。
更に、各制御装置35には、各輪転印刷機2における色調整を手動で行うための操作パネル60が接続されている。この操作パネル60は、各制御装置35が備えるリモートCPU36に接続されている。
このような制御装置35は、上述の色調整装置から色調整データを受信すると、以下のように作動する。
まず、制御装置35のリモートCPU36は、色調整装置50から色調整データを受信すると、この色調整データを各印刷ユニット制御装置37に対して並行して出力する。
印刷ユニット制御装置37は、色調整データのうち、自分宛ての印刷ユニット用データのみを取り込み、更に、この印刷ユニット用データを分解することにより、各カラム調整データを取り出す。そして、取り出したカラム調整データを自己が備える各メモリエリアにそれぞれ書き込む。
このとき、印刷ユニット制御装置37は、カラム調整データとして継続データが書き込まれている場合には、対応するメモリエリアに対してデータの書き込みを行わず、一方、カラム調整データとして有効データが書き込まれている場合には、その対応メモリエリアに対して有効データの上書きを行う。
これにより、カラム調整データとして継続データが書き込まれているものに対してはそのメモリアドレスは前回の値が維持されることとなり、有効データの場合には新たな値が書き込まれることとなる。
続いて、印刷ユニット制御装置37は、書き換え後のメモリアドレスの値に基づいて、ローカルCPU送信用のデータフレームを作成し、このデータフレームを各ローカルCPU38に対して並行して出力する。
ローカルCPU38は、ローカルCPU送信用のデータフレームを受け取ると、このデータフレームから自分宛のデータのみを取り込む。そして、取り込んだデータのうち、有効データに対してのみインキ供給量の調整を行う。つまり、有効データに基づく励磁信号をモータ33に出力することにより、インキキー開度を目標値に一致させる。
一方、ローカルCPU38は、継続データが書き込まれているインキキーに対応するモータ33に対しては、現在の制御状態を維持する。つまり、あるインキキー開度に向けてモータを駆動している最中であれば、その駆動制御を引き続き行い、一方、モータが停止している場合には、停止状態を維持する。
そして、上述した処理が、色調整データを受信する度に行われることにより、色調整のフィードバック制御が自動的に実現されることとなる。
次に、上述した各構成要素を備える制御システムの作用について説明する。
まず、印刷を開始するに当たり、図示しない上位の装置から各色調整装置50a、50bに対して、管理下におかれる輪転印刷機2の情報が通知される。
ここで、色調整装置50a、50bの管理下に属する各輪転印刷機2は、色調整装置50a、50bと対をなして設置された折機4a、4bに連結されている輪転印刷機となる。本実施形態では、図1に示したように、色調整装置50aに対応する折機4aには、輪転印刷機2a乃至2eが連結されているので、色調整装置50aには、輪転印刷機2a乃至2eが管理下におかれる旨の情報が通知される。同様に、色調整装置50bに対しては、輪転印刷機2f乃至2jが管理下におかれる旨の情報が通知される。なお、この情報は、例えば、遠隔操作卓51a、51bからそれぞれ通知されるものでも良いし、図示しない上位のコンピュータから通知されるものでも良い。
このようにして、自己の管理下に置かれる輪転印刷機2の情報が通知されると、色調整装置50a,50bは、内蔵されたメモリ等にこの情報を保存することにより、当該情報を保持する。
続いて、色調整装置50a,50bは、自己の管理下であると通知された各輪転印刷機2の制御装置35に対して、データ伝送を行うための回線接続の要求を出力する。本実施形態では、図12に示すように、色調整装置50aは、輪転印刷機2a乃至2eの各制御装置35a乃至35eに対して回線#1乃至#5の接続要求をそれぞれ出力し、色調整装置50bは、輪転印刷機2f乃至2jの各制御装置35f乃至35jに対して回線#6乃至#10の接続要求を出力する。
この回線の接続要求を受け付けた各制御装置35a乃至35jは、この要求に応じることにより、色調整装置50aと各制御装置35a乃至35eとの間で1:5の通信回線が確立され、同様に、色調整装置50bと制御装置35f乃至35jとの間で1:5の通信回線が確立される。これにより、色調整装置50aは、各制御装置35a乃至35eに対して略同時にデータを送信することが可能であり、かつ、各制御装置35a乃至35eは、色調整装置50aに対してデータを送信することが可能となる。同様に、色調整装置50bは、各制御装置35f乃至35jに対して略同時にデータを送信することが可能であり、かつ、各制御装置35f乃至35jは色調整装置50bに対してデータを送信することが可能となる。
続いて、色調整装置50a、50bは、自己の管理下に置かれた輪転印刷機2ごとに、図10に示した色調整データを作成し、この色調整データを各輪転印刷機2に対して個別に送信する。これにより、色調整装置50aから各回線#1乃至#5を介して各制御装置35a乃至35eに色調整データがそれぞれ個別に送信され、同様に、色調整装置50bから各回線#6乃至#10を介して各制御装置35f乃至35jに色調整データがそれぞれ個別に送信される。
なお、ここで送信される色調整データは、初回のインキキー開度の制御指令に相当するので、図10に示した全てのカラム調整データとして、有効データが書き込まれていることとなる。
各制御装置35のリモートCPU36は、色調整データを受信すると、この色調整データに基づいて図4に示した各インキキー調整装置30を制御することにより、各インキキー開度を調節する。
具体的には、リモートCPU36は、色調整装置50から色調整データを受信すると、この色調整データを各印刷ユニット制御装置37に対して並行して出力する。印刷ユニット制御装置37は、色調整データのうち、自分宛ての印刷ユニット用データのみを取り込み、更に、この印刷ユニット用データを分解することにより、各カラム調整データを取り出す。そして、取り出したカラム調整データを自己が備える各メモリエリアにそれぞれ書き込む。初回の色調整データ受信の際には、全てのカラム調整データには有効データが書き込まれているので、印刷ユニット制御装置37は、各メモリエリアに対して対応する有効データをそれぞれ書き込む。続いて、印刷ユニット制御装置37は、書き換え後のメモリアドレスの値に基づいて、ローカルCPU送信用のデータフレームを作成し、このデータフレームを各ローカルCPU38に対して並行して出力する。
ローカルCPU38は、ローカルCPU送信用のデータフレームを受け取ると、このデータフレームから自分宛のデータのみを取り込む。そして、この有効データに基づく励磁信号をモータ33に与えることにより、各インキキー開度を目標値に設定する。
このようにして各インキキー開度が好適な値に設定されると、印刷が開始される。図1に示した各輪転印刷機2が備える給紙装置3からウェブWが繰り出され、各印刷部7において好適なインキ量による印刷が順次行われて、高品質な印刷物が折機4から排出されることとなる。
このようにして印刷が開始されると、各輪転印刷機2により印刷された印刷紙面の濃度が一定時間間隔でIRGB濃度計10によりそれぞれ計測され、この計測結果が色調整装置50にそれぞれ入力される。色調整装置50は、IRGB濃度計10から新たな計測結果が入力される度に、色調整データを作成して各輪転印刷機2へ個別に送信する。
制御装置35は、色調整装置50から色調整データを受信する度に、受信した色調整データのうち、有効データに基づいて各モータ33を調整する。
続いて、上述のような色調整のフィードバック制御が自動で行われている最中において、操作パネル60がオペレータにより操作された場合には、手動制御を通知する旨の信号が制御装置35のリモートCPU36に出力される。リモートCPU36は、当該信号を受け付けると、上述した色調整データに基づくインキキー開度の制御を停止し、操作パネル60から入力されたインキキー開度の制御指令(割込制御指令)に基づく制御を開始する。このとき、操作パネル60では、上述した色調整装置50と同様のデータ構造からなる色調整データを作成し、制御装置35のリモートCPU36に出力する。これにより、制御装置35は、上述した処理手順と同様にして、各インキキー開度を調整することが可能となる。
またこれと略同時に、色調整データの送信元である色調整装置50に対して、色調整データの送信停止要求を送信する。これにより、ネットワーク100を介して送信停止要求が自己を管理下としている色調整装置50に通知される。この送信停止要求を受け付けた色調整装置50は、送信停止要求の送信元に当たる制御装置35へのデータ伝送を停止する。
以上の処理が実施されることにより、色調整装置50からの色調整データに基づくインキキー開度の制御から操作パネル60から与えられた割込制御指令に基づくインキキー開度の制御へと速やかに移行することが可能となる。
また、同様に、遠隔操作卓51がオペレータにより操作され、所定の輪転印刷機2に対するインキキー開度の制御指令(割込制御指令)が入力された場合には、手動制御を通知する旨の信号が遠隔操作卓51から該当する輪転印刷機2の制御装置35に対してネットワーク100を介して送信される。
制御装置35は、当該信号を受け付けると、上述した色調整データに基づくインキキー開度の制御を停止し、遠隔操作卓51から送信されてくるインキキー開度の割込制御指令に基づく制御を開始する。このとき、遠隔操作卓51では、上述した色調整装置50と同様のデータ構造からなる色調整データを作成し、制御装置35のリモートCPU36に出力する。これにより、制御装置35は、上述した処理手順と同様にして、各インキキー開度を調整することが可能となる。
また、これと略同時に、色調整データの送信元である色調整装置50に対して色調整データの送信停止要求を送信する。これにより、色調整装置50によるデータ伝送が停止され、遠隔操作卓51からの割込制御指令に基づくインキキー開度の制御が行われる。
そして、オペレータによる操作パネルの操作、或いは、遠隔操作卓51といった遠隔操作装置の操作が終了したことにより、上述した操作卓60や遠隔操作卓51から手動色調整の終了通知が制御装置35にて受け付けられると、制御装置35のリモートCPU36は、自己を管理下におく色調整装置50に対して送信再開要求を送信する。これにより、色調整装置50による色調整データの送信処理が再開され、色調整データに基づくインキキー開度の制御が再開されることとなる。
そして、上述したように、印刷物の色濃度等が常に管理されながら、印刷が進められることにより、予定枚数の印刷が終了すると、その旨が上位装置等から色調整装置50へネットワーク100を介して通知される。
この印刷終了通知を受信した色調整装置50は、色調整処理を終了するとともに、今まで接続していた各制御装置35との回線接続を切断する。これにより、次の印刷が開始されるまで、ネットワーク資源は他の通信装置(図示せず)に対して開放されることとなる。
なお、回線接続の手順については、上述した印刷開始、終了を基準としたシーケンスに限られるものではなく、例えば、通常運転時の印刷機と折機の接続状態から印刷内容に応じて印刷機や折機の組み合わせを変更しその連結範囲を設定する運用を行う場合には、印刷が開始される前の連結範囲が決定され、どの印刷機や折機が管理下に置かれたかが判明した印刷開始前の段階で通信回線の接続要求を行い、その後、連結対象から印刷機または折機が外れその対象機が印刷終了後となった段階で通信回線の切断要求を出力するシーケンスを採用しても良い。
次に、上述とは異なる新聞を印刷するに当たり、その新聞の部数や種別に応じて折機に連結される輪転印刷機が変更され、例えば、図13に示すように、輪転印刷機2a乃至2gが折機4aに連結され、輪転印刷機2h乃至2gが折機4bに連結された場合には、色調整装置50aに対して輪転印刷機2a乃至2gが管理下になった旨が、色調整装置50bには、輪転印刷機2h乃至2gが管理下になった旨が上位装置等から通知される。これにより、各色調整装置50とその管理下に置かれた輪転印刷機2の制御装置35との回線がそれぞれ接続され、上述したような色調整データの送信処理が開始されることとなる。
更に、輪転印刷機2の連結状態として、図14に示すように、輪転印刷機の一部が他の折機4に連結される場合もある。例えば、図14では、輪転印刷機2が備える8つの印刷ユニット8のうち、上段の4つの印刷ユニットAが折機4aに連結され、下段の4つの印刷ユニットBが折機4bに連結される場合もある。このような場合には、各色調整装置50に対して、管理下におかれた輪転印刷機2の情報に加えて、管理下におかれた印刷ユニット8の情報が通知されることとなる。
このような場合、輪転印刷機2の単位で考えると、1つの輪転印刷機2が2つの色調整装置50a、50bの管理下におかれることとなる。この場合、輪転印刷機2の制御装置35は、2つの色調整装置50a、50bとの回線をそれぞれ個別に接続し、各色調整装置50a,50bの双方から色調整データを受信することとなる。
ここで、各色調整装置50は、自己の管理下に置かれていない印刷ユニットに関するカラム調整データには、継続データを書き込むことにより色調整データを作成する。具体的には、色調整装置50aは、印刷ユニットBが備えているインキキーに対応する全てのカラム調整データに継続データを書き込み、同様に、色調整装置50bは、印刷ユニットAが備えているインキキーに対応する全てのカラム調整データに継続データを書き込むことによりそれぞれ色調整データを作成する。
また、制御装置35は、複数台の色調整装置50から色調整データを受信した場合には、両者の色調整データを比較し、有効データが書き込まれているカラム調整データについては、有効データを優先して採用する。これにより、管理下にある色調整装置50からの制御指令を正確に採用することが可能となる。
このように、自己が管理しないインキキーに対しては継続データを書き込むことにより、各色調整装置50により出力された同一のインキキーに対する制御指令が混同することを回避することができ、常に、正しい制御指令に基づいてインキキー開度を調整することが可能となる。更に、このような連結態様においても、各色調整装置50から送信される色調整データのデータ構造が変わらないため、様々な連結態様に速やかに対応することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る印刷システムによれば、色調整装置50におけるデータ作成部83が、前回のインキキー開度と今回演算された最新のインキキー開度とが同じ値であった場合、そのインキキーに対する制御指令として、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを採用して色調整データを作成するので、当該データフレームを受信した印刷装置35では、制御指令として継続データが採用されているインキキーについては、特に制御量を気にすることなく、現在行っている制御を継続して行えばよいこととなる。これにより、処理負担の軽減等を図ることが可能となる。
そして、このように継続データを使用することにより、以下のようなデメリットを回避することができる。
例えば、上述のように継続データを使用せずに、全てのインキ調整データとして、演算部81により算出されたインキキー開度を有効データとして書き込んだ場合、色調整装置50は、常に、現在のインキキー開度を監視している必要が生ずる。このため、色調整装置50は、制御装置35からインキキー開度の現在値を高速で取得する必要があり、処理負担が増大する。
更に、上記現在のインキキー開度をアナログ検知している場合には、微小変動により生じるインキキー開度の制御指令が変動してしまうため、モータを動かす必要のない場合であってもモータを駆動してしまうことにより、インキキー開度調整装置30の寿命の短縮化を招くこととなる。
なお、上述した実施形態においては、操作パネル60或いは遠隔操作卓51から色調整に関する指令を受け付けた場合に、各色調整装置50に対して送信停止要求を送信していたが、送信停止要求を送信しない態様を取ることも可能である。この場合、制御装置35は、操作卓60或いは遠隔操作卓51からの制御指令を色調整装置50からの色調整データよりも優先させて採用することにより、インキキー開度の制御を円滑に行う。
また、他の態様として、色調整装置50は、上記送信停止要求を受信した場合に、自己が送信する色調整データにおける全てのカラム調整データとして継続データを書き込み、この色調整データを送信することとしても良い。このような場合には、制御装置35の印刷ユニット制御装置37が有効データを優先して採用することにより、操作卓60または遠隔操作卓51からの制御指令を優先させることができる。
また、上述した実施形態においては、色調整装置50からの色調整データに基づいてインキキー開度を制御する場合について述べたが、例えば、色調整装置50が印刷ユニット8の湿し水の供給量についても制御可能な構成としても良い。このような場合、色調整装置50からは上記カラム調整データに代えて、湿し水の供給量に関する制御指令、例えば、スプレーノズルからの単位時間あたりの噴出水量、噴出時間、噴出間隔、噴出ノズル数などの設定指令情報が送信されることになる。そして、制御装置35は、この設定指令情報に基づいて湿し水の供給量が好適な値に調整することができ、ひいては高品質な印刷を実現させることが可能となる。
また、図8に示した制御システムは、図15に示すように、各色調整装置50a,50bに対応してインタフェース装置70a,70bをそれぞれ有し、各色調整装置50a,50bがインタフェース装置70a,70bを介して管理下にある各制御装置35a乃至35jとデータの送受を行うようなネットワーク構成としても良い。ここで、インタフェース装置70は、色調整装置50と制御装置35との間にデータの互換性がない場合に設けられるものであり、色調整装置50から出力された色調整データを制御装置35に適応するデータ形式に変換して各制御装置35へ送信するものである。
このように、インタフェース装置70を設けることにより、自動色調整の適用範囲を拡大することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の一実施形態に係る印刷システムの概略構成を示した図である。 対向位置された2つの印刷ユニットの概略構成を示す模式的な側面図である。 インキ供給装置を示す図であり、インキ供給装置から版胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図である。 インキ供給装置を示す図であり、ウェブとインキキーユニットの関係を示す図である。 インキ供給装置を示す図であり、インキキーユニットの概略構成を示す図である。 インキ供給装置を示す図であり、インキキー開度を調整するインキキー開度調整装置の概略構成を示す図である。 インキ着けローラからゴム胴までのインキ供給に係る構成を示す模式的な側面図である。 輪転印刷機を制御する制御システムのネットワーク構成を示す図である。 色調整装置の概略構成を示したブロック図である。 8つの印刷ユニットを備える輪転印刷機に対して送信される色調整データの構造を模式的に示した図である。 制御装置の概略構成を示すブロック図である。 各色調整装置と各輪転印刷機との間で確立される通信回線の接続態様を示した図である。 輪転印刷機の連結状態の他の態様を示した図である。 輪転印刷機の連結状態の他の態様を示した図である。 図8に示した制御システムにインタフェース装置を更に追加した例を示した図である。
符号の説明
1 印刷システム
2a乃至2j 輪転印刷機
4 折機
8 印刷ユニット
10 IRGB濃度計
20 インキキーユニット
21 インキ元ローラ
26a乃至26h インキキー
30 インキキー開度調整装置
33 モータ
35 制御装置
36 リモートCPU
37 印刷ユニット制御装置
38 ローカルCPU
39 スプレーダンプナ
40 水着ローラ
41 水ライダローラ
42 水揺動ローラ
50a、50b 色調整装置
51a、51b 遠隔操作卓
60 操作パネル
81 演算部
82 判断部
83 データ作成部
84 送信部

Claims (6)

  1. 印刷機が備えるインキ供給装置のインキ供給単位幅で印刷絵柄を分割したインキ供給領域毎に、インキ供給に関する制御量を演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算された制御量が前回の制御量と同じ値であるか否かを前記インキ供給単位領域毎に判断する判断手段と、
    前記演算手段により演算された前記制御量が前回の制御量と同じ値である前記インキ供給単位領域に対する制御指令として、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを採用し、前記制御量が前回の制御量と異なる値である前記インキ供給単位領域に対する制御指令として、前記演算手段によって演算された制御量からなる有効データを採用して、前記印刷機に関する全ての前記制御指令を1つのデータフレームとして作成するデータ作成手段と、
    前記データ作成手段により作成されたデータフレームを前記印刷機に送信する送信手段と
    を具備する色調整装置。
  2. 前記印刷機が複数の印刷ユニットを備えている場合において、
    前記データフレームは複数のサブフレームに分割可能に構成され、
    各前記サブフレームは、各前記印刷ユニットに関する前記制御指令を構成要素データとするとともに、前記印刷ユニットのアドレスがそれぞれ付されている請求項1に記載の色調整装置。
  3. ネットワークを介して複数の印刷機と接続されている場合において、前記複数の印刷機のうち、自己の管理下にある前記印刷機に対して前記データフレームをそれぞれ個別に送信する請求項1または請求項2に記載の色調整装置。
  4. 前記印刷機が複数の印刷ユニットを備えており、そのうちの一部の印刷ユニットが自己の管理下にある場合において、
    前記データ作成手段は、自己の管理下にない前記印刷ユニットに関する制御指令については前記継続データを採用して前記データフレームを作成する請求項3に記載の色調整装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の色調整装置と、前記色調整装置とネットワークを介して接続される複数の印刷機とを備える印刷システムであって、
    前記色調整装置は、自己の管理下にある前記印刷機に対して前記データフレームをそれぞれ個別に送信する印刷システム。
  6. 印刷機が備える複数の湿し装置についての湿し水供給量に関する制御量をそれぞれ演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算された制御量が前回の制御量と同じ値であるか否かを前記湿し装置毎に判断する判断手段と、
    前記演算手段により演算された前記制御量が前回の制御量と同じ値である前記湿し装置に対する制御指令として、現在の制御状態を継続して行う旨を指示する継続データを採用し、前記制御量が前回の制御量と異なる値である前記湿し装置に対する制御指令として、前記演算手段によって演算された制御量からなる有効データを採用して、前記印刷機に関する全ての前記制御指令を1つのデータフレームとして作成するデータ作成手段と、
    前記データ作成手段により作成されたデータフレームを前記印刷機に送信する送信手段と
    を具備する色調整装置。
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