JP4325266B2 - 大気圧プラズマ処理方法及びそれに用いる装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、様々な基材の幅に対応して優位に製膜可能な大気圧プラズマ処理方法及びそれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスや表示、記録、光電変換のための各種のデバイスには、基材上に高機能性の薄膜を設けた、例えば、電極膜、誘電体保護膜、半導体膜、透明導電膜、反射防止膜、光学干渉膜、ハードコート膜、下引き膜、バリア膜等の各種の材料が用いられている。
【0003】
このような高機能性の薄膜形成においては、従来、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の真空を用いた乾式製膜法が用いられてきた。
【0004】
このような製膜方法は、真空設備を必要とする為、設備費用が高額となる、更に、連続生産が出来ず、製膜速度が低いことから、生産性が低いという課題を有していた。
【0005】
これらの真空装置を用いることによる低生産性のデメリットを克服する方法として、大気圧下で放電プラズマを発生させ、該放電プラズマにより高い処理効果を得る大気圧プラズマ処理方法が提案されている。大気圧プラズマ処理方法は、基材の表面に、均一な組成、物性、分布で製膜することができる。また、大気圧又は大気圧近傍下で処理を行うことができることから、真空設備を必要とせず、設備費用を抑えることができ、連続生産にも対応でき、製膜速度を速くすることができる。また、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成することが提案されている(特許文献1、2等参照。以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これら大気圧プラズマ法は、対向する電極間に、パルス化され、周波数が0.5〜100kHzであり、且つ、電界の強さが1〜100V/cmの電界を印加し、放電プラズマを発生させるというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−185362号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2000−147209号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2003−22899号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
例えばフィルム基材を用いる場合、様々な基材幅に対して放電ガス流又は放電プラズマ流を供給する開口の幅が固定の電極で製膜すると、基材の幅に適した製膜の幅でない場合、製膜の端部から基材のカールが大きく変化してしまう問題が有り、ロールトゥロールの連続製膜ではロールの巻形状の悪化や、搬送中の破断が生ずることが有る。
【0010】
製膜の幅を可変にする方法として、上記特許文献3において、上部電極及び下部電極が被処理基材処理面に平行、且つ被処理基材の搬送方向に対して可変にする装置が提案されている。
【0011】
しかしながら、この方法では、基材の一方の端部が先にプラズマ処理部に入るため、基材の幅方向での膜物性などの均一性に問題が生じ、筋故障や破断が多発する問題が有る。
【0012】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で様々な基材の幅に対応して、基材のカールの変化やロール巻形状の悪化、搬送中の破断といった問題を招かずに、均一な製膜が可能な大気圧プラズマ処理方法及びそれに用いる装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
1) 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成する大気圧プラズマ処理装置であって、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の開口面積を変更する手段として開口の端部に配置される部材を有する大気圧プラズマ処理装置、
2) 前記開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能である1)の大気圧プラズマ処理装置、
3) 1)に記載の大気圧プラズマ処理装置において、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口が基材の搬送方向に直交する方向(幅方向)で複数に分割され、分割口の少なくとも1つが供給するガスの条件が他と独立に変更可能なことを特徴とする大気圧プラズマ処理装置、
4) 1)に記載の大気圧プラズマ処理装置において、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の端部に、開口面積を変更する部材が配置されて基材に対向する開口が形成されることを特徴とする大気圧プラズマ処理装置、
5) 前記開口面積を変更する部材が、固体誘電体又は金属表面に固体誘電体被膜を有するものからなることを特徴とする4)に記載の大気圧プラズマ処理装置、
6) 前記開口の端部に配置される部材が、シート状部材であって、該シート状部材が長尺で、連続的に繰り出され、回収され得ることを特徴とする1)に記載の大気圧プラズマ処理装置、
7) 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成するにあたり、放電プラズマ発生部に供給する放電ガス流、又は放電プラズマ流の、基材の搬送方向に直交する方向(幅方向)の幅を、基材の幅に応じて変更することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法、
8) 放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の端部に配置される部材で該開口の開口面積を変更して前記放電ガス流又は放電プラズマ流の幅を変更することを特徴とする7)に記載の大気圧プラズマ処理方法、
9) 前記基材に対向する開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能であることを特徴とする8)に記載の大気圧プラズマ処理方法、
10) 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成するにあたり、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口を基材の搬送方向に直交する方向(幅方向)で複数に分割し、分割口の少なくとも1つに供給するガスの条件を独立に変更することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法、
11) 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成するにあたり、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の端部に、開口面積を変更する部材を配置して基材に対向する開口を形成することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法、
12) 前記開口面積を変更する部材が、固体誘電体又は金属表面に固体誘電体被膜を有するものからなることを特徴とする11)に記載の大気圧プラズマ処理方法、
13) 放電部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の端部に配置されるシート状部材で該開口の開口面積を変更して、前記放電ガス流又は放電プラズマ流の幅を変更することを特徴とする7)に記載の大気圧プラズマ処理方法、
14) 前記シート状部材が長尺で、連続的に繰り出され、回収され得ることを特徴とする13)に記載の大気圧プラズマ処理方法、
によって達成される。
【0014】
即ち本発明者は、大気圧プラズマ処理装置が、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の開口面積を変更する手段を有する様に構成しようと考え、本発明に至った。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施形態について詳しく述べるが、本発明はこれに限定されない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な表現が含まれている場合があるが、本発明の好ましい例を示すものであって、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明に係る大気圧プラズマ処理方法の一例をモデル的に示す図である。
【0017】
1は薄膜を形成する基材で、本発明で用いることができる基材としては、フィルム状のもの、レンズ状等の立体形状のもの等、薄膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。基材の材質も特に限られるものではなく、ガラスや樹脂等を使用できるが、大気圧または大気圧近傍の圧力下であることと、低温のプラズマ放電であることから、樹脂を好ましく用いることができる。
【0018】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルローストリアセテート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムあるいはポリアリレート系フィルム等を挙げることができる。
【0019】
図1において、2は各々ガス供給部を有する印加電極であり、金属母材表面を誘電体被覆した誘電体被覆電極である。放電中は、図示しないが、その内部を恒温水等を流通させることにより、電極表面温度を一定に制御するのが好ましい。
【0020】
一方、上記印加電極に対向した基材保持用のアース電極としてのロール回転電極3が配置され、基材1が接触して図中矢印方向に搬送される。ロール回転電極3は、印加電極2と同様に、金属母材上に誘電体を被覆した誘電体被覆電極であり、同様に、その内部に恒温水等を流通し、電極表面温度を制御するのが好ましい。
【0021】
上記各電極において、金属母材としては、例えば、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からステンレスやチタンであることが好ましい。誘電体は、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、アルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
【0022】
図1において、4は印加電極とアース電極の間に高周波電圧を印加するための電圧印加手段としての高周波電源である。印加する高周波電圧は、1kHz〜150MHzが好ましく用いられるが、100kHzを越えていることが、高品位な膜を形成する上で好ましい。好ましくは上限値が150MHz以下である。高周波電源としては特に限定はないが、例えば、パール工業製高周波電源(200kHz)、同(800kHz)、同(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等を用いることができる。
【0023】
窒素を放電ガスとして用いる場合、パルス放電することもできる。また1〜100kHzと、800〜150MHzの範囲の2以上の異なる周波数の高周波電圧を印加する方法も好ましく用いることができる。
【0024】
また、電極間(放電空間)に導入する電圧の放電出力が、1W/cm2以上であることが同様に高品位な膜を形成する上で好ましく、より好ましくは1〜50W/cm2である。放電出力を上記で規定した範囲とすることにより、放電プラズマのプラズマ密度を上げることができる。
【0025】
図2に本発明に係る大気圧プラズマ処理方法の他の例をモデル的に示す。ここで、1はその表面に薄膜を形成するための基材であり、2は対向する2つの電極であり、4はこの電極間に所定の周波数の電圧を印加するための高周波電源である。
【0026】
この大気圧プラズマ処理装置は、電極間でプラズマ状態となった放電ガスが、電極近傍に設置した基材1に対して、新たに導入されるガスにより押し出され、吹き出すよう構成された、所謂プラズマジェット方式の装置である。図示のように、プラズマ状態となった混合ガスは基材1上の薄膜形成させたい部分に対し、略垂直方向から吹き出されるよう設置される。
【0027】
図3にガス供給部を有する電極20の1例を示す。
21が放電ガスの供給口、22が放電面、そして10が本発明に係る基材に対向する開口の端部に配置される部材である。基材に対向する開口21はスリット状であることが好ましく、前記端部に配置される部材10の材質は、固体誘電体又は金属の表面に固体誘電体被膜を有するものが好ましく、特にテフロン(R)が好ましい。なお図は電極の基材に対向する開口側から見ているので、基材の搬送方向は上側又は下側となる。
【0028】
基材に対向する開口端部に配置される部材10の形状は特に限定されないが、図3〜5に示す様に電極の放電面の形状に合わせることが好ましい。また部材10の配置は基材に対向する開口の少なくとも一方の端部で有れば良い。
【0029】
図6はスペーサ23と2つの電極201を組み上げて開口部を基材に対向する開口21とする電極20の例で、基材に対向する開口の端部に配置される部材10は、例えば図7〜9に示される如く配置される。なお図10は電極201で開口部を形成せずに基材に対向する開口21を形成する部材211を用いる例であり、その場合の基材に対向する開口の端部に配置される部材10の配置の例を図11〜13に示す。
【0030】
基材に対向する開口の端部に配置される部材10が開口21の幅方向にスライド可能な例を図14〜16に示す。この場合の基材に対向する開口21の形状や、端部に配置される部材10の材質・形状については前述と同様である。
【0031】
図17はスペーサ23、231と2つの電極201を組み上げて開口部を基材に対向する開口21とする電極20の例で、基材に対向する開口の端部に配置される部材10がスライド可能な様に、スペーサ231は放電面22に対して後退した面を形成する。その場合の前記端部に配置される部材10は、例えば図18〜20に示される如く配置される。この様なスライド機構は片方の端部のみでも両方の端部に設けてもよい。なお図21は電極201で開口部を形成せずに、端部に配置される部材がスライド可能な、基材に対向する開口21を形成する部材212を用いる例であり、その場合の基材に対向する開口の端部に配置される部材10の配置の例を図22〜24に示す。
【0032】
基材に対向する開口21が基材の幅方向で複数に分割されている電極20について以下に述べるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
図25において電極20の基材に対向する開口は、第1開口2101、第2開口2102、第3開口2103に3分割されている。また図26においては、電極20の基材に対向する開口は、第1開口2101、第2開口2102、第3開口2103、第4開口2104、第5開口2105に5分割されている。基材に対向する開口の形状はスリット状が好ましく、2つ以上に分割されていればよい。
【0034】
ここで、放電空間に供給するガスについて説明すれば、用いられるガスは、基材上に設けたい薄膜の種類によって異なるが、基本的に、放電ガスと、薄膜を形成するための反応性ガス(原料ガスとも言う。)である。
【0035】
上記放電ガスとしては、周期表の第18属元素の希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等)等が挙げられ、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。また、窒素も好ましく使用することができる。
【0036】
放電ガスは、水素、酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素等を含有することができ、これらを含有することにより、反応促進され、これらを反応促進ガス(添加ガスとも言う。)と言う。同様に反応促進させるガスとして、水(H2O)、窒素酸化物(NOx)、アンモニア(NH3)が挙げられる。
【0037】
さて本実施形態においては、分割口の少なくとも1つに供給するガスの条件(例えば、ガス種、組成、原料濃度、供給量など)を独立に変更することを特徴とする。例えば図27に示す様に基材に対向する開口を3分割し、第1開口からは放電ガス、原料ガス、添加ガスからなる混合ガスを供給し、第2、第3開口からは設定した放電条件下では放電の起こらない非放電ガスを供給したり、図28に示す様に、第1開口からは放電ガス、原料ガス、添加ガスからなる混合ガスを供給し、第2、第3開口からは放電ガスを供給するといった例が挙げられる。
【0038】
図29は、スペーサ23と2つの電極201を組み上げ、且つ仕切り板24を用いて開口部を基材に対向する開口とする電極20の例を示し、これは同様に第1開口2101、第2開口2102、第3開口2103に3分割されている。同様に図30の如く第1開口2101、第2開口2102、第3開口2103、第4開口2104、第5開口2105に5分割することもできる。同じく、図31に示す様に第1開口からは放電ガス、原料ガス、添加ガスからなる混合ガスを供給し、第2、第3開口からは設定した放電条件下では放電の起こらない非放電ガスを供給したり、図32に示す様に、第1開口からは放電ガス、原料ガス、添加ガスからなる混合ガスを供給し、第2、第3開口からは原料濃度が低いか含有しない放電ガスを供給するといった例が挙げられる。この他、端部側の開口からのガス供給量を減らす、又は停止するといったこともできる。なお図33、34は電極201で開口部を形成せずに、分割された基材に対向する開口を形成する部材213を用いる例である。
【0039】
次に、ガス供給部と、基材幅に応じて供給量に対する排出量を調整可能な放電ガス排出部を有する態様について述べる。
【0040】
図35において、20はガス供給部を有する電極、25は排気口24を有するガス排出部で、基材に対向する開口21はスリット状であることが好ましい。ここでは、ガス供給量に対するガス排出量が1.1の場合のガスの流れの様子をイメージで示している。このガス供給量に対するガス排出量が1.5になると、図36で示す様なガスの流れとなり、放電幅又は放電プラズマ流の幅を変化できることが解る。図37、38はスペーサ23と2つの電極201を組み上げて開口部を基材に対向する開口とする電極を用いて、図35及び36と同様のガスの供給と排出を行う例をそれぞれ示している。また図39は電極201で開口部を形成せずに、基材に対向する開口21を形成する部材211を用いる例である。
【0041】
図40は、ガス供給部の端部に開口面積を変更する部材11又は12が配置されて(図40(a))基材に対向する開口21が形成される(図40(b)、(c))態様を示す図である。
【0042】
開口面積を変更する部材は、固体誘電体又は金属表面に固体誘電体被膜を有するものからなるのが好ましく、固体誘電体としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウム、ホワイトアルミナ、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、チタン酸バリウムなどの複酸化物及びこれらの複層化したものが挙げられる。形状は図示したものに限定されない。また基材に対向する開口の一方にあればよく、両側に設けることもできる。
【0043】
図41はスペーサ23と2つの電極201を組み上げて形成した本体に、開口面積を変更する部材11又は12が配置されて、基材に対向する開口21が形成される態様を示す図である。なお図42は電極201で開口部の一部を形成せずに、基材に対向する開口の一部を形成する部材214を用いて本体を組み上げる例であり、これに開口面積を変更する部材11が配置されて基材に対向する開口21が形成される態様を示すのが図43、開口面積を変更する部材12が配置されて基材に対向する開口21が形成される態様を示すのが図44である。
【0044】
基材に対向する開口の開口面積を変更する手段が、シート状部材である態様を以下に述べる。
【0045】
図45において、基材に対向する開口21を有する電極20の一方の端部に、連続的に繰り出され得る長尺フィルム13が掛け渡されている。このフィルムの掛け渡し位置を前記開口の幅方向(基体の進行方向に直交する方向)でずらすか、フィルムの幅を変えることにより、基材に対向する開口の幅を変更できる。図46はスペーサ23と2つの電極201を組み上げて基材に対向する開口21を有する電極20とした場合、図47は電極201で開口部を形成せずに、基材に対向する開口を形成する部材211を用いる場合での、シート状部材で開口面積を変更する態様をそれぞれ示す図である。
【0046】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明の説明を行うが、本発明はこれに限定されない。
【0047】
実施例1
幅1000mm、長さ1000mのハードコート層付きセルロースアセテートフィルム5本と幅1500mm、長さ1000mのハードコート層付きセルロースアセテートフィルム5本に下記印加電極C−2、Dの場合(後述)を除いて、図1の装置構成で下記の印加電極を用い反射防止膜を製膜し、搬送中の破断、フィルムの巻形状について評価した。
【0048】
(装置概要)
ロール電極3は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して、アルミナ溶射膜を被覆し、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行って、表面のRmax5μm、膜厚1mm、比誘電率10の誘電体で被服されるものである。
【0049】
一方、ガス供給部を有する電極20の電極201は、チタン合金T64に対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆したもの、スペーサはテフロン(R)部材である。
【0050】
この電極20をロール回転電極のまわりに、間隙を1mmとして25本配置した。
【0051】
電極20側に、連続周波数13.56MHzの高周波電圧(パール工業社製高周波電源)を供給し、ロール電極は、ドライブを用いてセルロースアセテートフィルムの搬送に同期して回転させた。
【0052】
なお下記印加電極C−2の場合を除いて、放電ガスはヘリウムとし、酸化チタン層(原料ガス:テトライソプロポキシチタン、添加ガス水素)を第1層として形成し、酸化珪素層(原料ガス:テトラエトキシシラン、添加ガス:酸素)を第2層として形成した。
【0053】
(印加電極A)
図48(a)に示す、幅1600mmの基材に対向する開口21からなるガス供給部を有する電極20と、基材に対向する開口の端部に配置される部材101、102とを組み合わせて用い、ハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、幅630mmのテフロン(R)部材101を基材に対向する開口に挿入してその幅を970mmとした(図48(b))。また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、幅130mmのテフロン(R)部材102を基材に対向する開口に挿入してその幅を1470mmとした(図48(c))。
【0054】
(印加電極B)
図49に示す、基材に対向する開口の端部に配置される部材10が供給口21の幅方向にスライド可能な電極構成で、ハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、テフロン(R)部材10の位置を基材に対向する開口が幅970mmとなる様にした(図49(a))。また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、テフロン(R)部材10の位置を基材に対向する開口が幅1470mmとなる様にした(図49(b))。
【0055】
(印加電極C−1)
図50に示す、基材に対向する開口が基材の幅方向で複数に分割されている電極を用い、ハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。第1開口の幅は970mm、第2、第3開口の幅は250mmである。幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、第1開口からは放電ガス(ヘリウム)、原料ガス、添加ガスの混合ガスを供給し、第2、第3開口からは非放電ガス(窒素)を供給した。また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、全ての基材に対向する開口から放電ガス(ヘリウム)、原料ガス、添加ガスの混合ガスを供給した。
【0056】
(印加電極C−2)
同様に、図50に示す電極を用い、プラズマ処理装置の構成は図53に変更して、電極20側に、連続周波数13.56MHz、0.8kV/mmの高周波電圧を供給し、ロール電極3側には、連続周波数100kHz、8kV/mmの高周波電圧を供給して、ハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、第1開口からは放電ガス(窒素)、原料ガス、添加ガスの混合ガスを供給し、第2、第3開口からは放電ガスのみ供給した。また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、全ての基材に対向する開口から放電ガス(窒素)、原料ガス、添加ガスの混合ガスを供給した。
【0057】
(印加電極D)
図37に示す電極を用い、図54に示す装置構成でハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。基材に対向する開口の幅は1500mm、ガス排気口の幅は1500mmで、幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、ガス供給量に対するガス排出量を1.5に、また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、ガス供給量に対するガス排出量を1.1に、それぞれ設定した。
【0058】
(印加電極E)
図51に示す、基材に対向する開口を有する電極の一方の端部に、連続的に繰り出され得る長尺フィルムが掛け渡されている系を用い、ハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。当該フィルムとしては、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、フィルム搬送速度1m/minで繰り出し・回収を行った。幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、基材に対向する開口が幅970mmとなる様にした(図51(a))。また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、基材に対向する開口が幅1470mmとなる様にした(図51(b))。
【0059】
(印加電極F)
図52に示す、開口面積を変更する部材が配置されて基材に対向する開口が形成される電極を用い、ハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。開口面積を変更する部材の材質はアルミナである。幅1000mmのフィルムに処理を行う場合は、図52(b)に示す様に、基材に対向する開口が幅970mmとなる様にした。また幅1500mmのフィルムに処理を行う場合は、図52(c)に示す様に、基材に対向する開口が幅1470mmとなる様にした。
【0060】
(印加電極G)
基材に対向する開口の幅を1470mmの固定で、幅1000mm及び幅1500mmのハードコート層付きセルロースアセテートフィルム上に反射防止膜を形成した。
【0061】
以下の評価基準で評価した結果を表1に示す。
(巻形状)
○:フィルム端部のカールがなく、巻き取る際に巻ずれ、巻乱れもなく、巻き取ったロール状のフィルムにへこみ、皺等の形状劣化もなく良好である
△:フィルム端部が弱くカールし、巻き取ったロール状のフィルムの一部に弱いへこみ、皺等の形状劣化が生じる
×:フィルム端部が強くカールし、巻き取る際に巻ずれ、巻乱れが生じ、巻き取ったロール状のフィルム全面に強いへこみ、皺等の形状劣化が生じる
(破断)
○:搬送中、製膜中、巻き取り中に破断なし
×:搬送中、製膜中、巻き取り中の何れかに破断が生じる
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の開口面積を変更する手段を設けることにより、製膜の端部からのカールの問題を解消することができ、巻形状が向上し、搬送中の破断が無くなり、加えて対向電極の汚染も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気圧プラズマ処理方法の一例をモデル的に示す図である。
【図2】本発明に係る大気圧プラズマ処理方法の他の例をモデル的に示す図である。
【図3】ガス供給部を有する電極の1例を示す図である。
【図4】放電面の形状と基材に対向する開口の端部に配置される部材の例を示す図である。
【図5】放電面の形状と基材に対向する開口の端部に配置される部材の他の例を示す図である。
【図6】スペーサと2つの電極を組み上げて開口部を基材に対向する開口とする電極の例を示す図である。
【図7】2つの電極とスペーサで形成される基材に対向する開口の形状と端部に配置される部材の例を示す図である。
【図8】2つの電極とスペーサで形成される基材に対向する開口の形状と端部に配置される部材の他の例を示す図である。
【図9】2つの電極とスペーサで形成される基材に対向する開口の形状と端部に配置される部材の更に他の例を示す図である。
【図10】電極で開口部を形成せずに基材に対向する開口を形成する部材を用いる例を示す図である。
【図11】基材に対向する開口を形成する部材と該開口の端部に配置される部材の配置の例を示す図である。
【図12】基材に対向する開口を形成する部材と該開口の端部に配置される部材の配置の他の例を示す図である。
【図13】基材に対向する開口を形成する部材と該開口の端部に配置される部材の配置の更に他の例を示す図である。
【図14】基材に対向する開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能な例を示す図である。
【図15】基材に対向する開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能な他の例を示す図である。
【図16】基材に対向する開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能な更に他の例を示す図である。
【図17】基材に対向する開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能な様に、スペーサと2つの電極を組み上げて、開口部を基材に対向する開口とする電極の例を示す図である。
【図18】スペーサと2つの電極を組み上げて、開口部を基材に対向する開口とする場合の該開口の端部に配置されるスライド可能な部材の配置を示す図である。
【図19】スペーサと2つの電極を組み上げて、開口部を基材に対向する開口とする場合の該開口の端部に配置されるスライド可能な部材の他の配置を示す図である。
【図20】スペーサと2つの電極を組み上げて、開口部を基材に対向する開口とする場合の該開口の端部に配置されるスライド可能な部材の更に他の配置を示す図である。
【図21】電極で開口部を形成せずに、端部に配置される部材がスライド可能な、基材に対向する開口を形成する部材を用いる例を示す図である。
【図22】端部に配置される部材がスライド可能な、基材に対向する開口を形成する部材を用いる場合の該開口の端部に配置される部材の配置の例を示す図である。
【図23】端部に配置される部材がスライド可能な、基材に対向する開口を形成する部材を用いる場合の該開口の端部に配置される部材の配置の他の例を示す図である。
【図24】端部に配置される部材がスライド可能な、基材に対向する開口を形成する部材を用いる場合の該開口の端部に配置される部材の配置の更に他の例を示す図である。
【図25】基材に対向する開口が基材の幅方向で3分割されている電極を示す図である。
【図26】基材に対向する開口が基材の幅方向で5分割されている電極を示す図である。
【図27】基材に対向する開口を3分割し、第1開口から混合ガスを供給し、第2、第3開口から非放電ガスを供給する例を示す図である。
【図28】基材に対向する開口を3分割し、第1開口から混合ガスを供給し、第2、第3開口から放電ガスを供給する例を示す図である。
【図29】スペーサと2つの電極を組み上げ、且つ仕切り板を用いて、開口部を3分割された基材に対向する開口とする電極の例を示す図である。
【図30】スペーサと2つの電極を組み上げ、且つ仕切り板を用いて、開口部を5分割された基材に対向する開口とする電極の例を示す図である。
【図31】図29の電極を用いて、第1開口から混合ガスを供給し、第2、第3開口から非放電ガスを供給する例を示す図である。
【図32】図29の電極を用いて、第1開口から混合ガスを供給し、第2、第3開口から放電ガスを供給する例を示す図である。
【図33】電極で開口部を形成せずに、3分割された基材に対向する開口を形成する部材を用いる例を示す図である。
【図34】電極で開口部を形成せずに、5分割された基材に対向する開口を形成する部材を用いる例を示す図である。
【図35】ガス供給部と、基材幅に応じて供給量に対する排出量を調整可能な放電ガス排出部を有する態様で、ガス供給量に対するガス排出量が1.1の場合のガスの流れの様子をイメージで示す図である。
【図36】図35の態様で、ガス供給量に対するガス排出量が1.5になった場合のガスの流れの様子を示す図である。
【図37】スペーサと2つの電極を組み上げて、開口部を基材に対向する開口とする電極を用いて、図35と同様のガスの供給と排出を行う例を示す図である。
【図38】スペーサと2つの電極を組み上げて、開口部を基材に対向する開口とする電極を用いて、図36と同様のガスの供給と排出を行う例を示す図である。
【図39】ガス供給部と、基材幅に応じて供給量に対する排出量を調整可能な放電ガス排出部を有する態様で、電極で開口部を形成せずに、基材に対向する開口を形成する部材を用いる例を示す図である。
【図40】ガス供給部の端部に開口面積を変更する部材が配置されて基材に対向する開口が形成される態様を示す図である。
【図41】スペーサと2つの電極を組み上げて形成した本体に、開口面積を変更する部材が配置されて、基材に対向する開口が形成される態様を示す図である。
【図42】電極で開口部の一部を形成せずに、基材に対向する開口の一部を形成する部材を用いて本体を組み上げる例を示す図である。
【図43】図42の例に開口面積を変更する部材が配置されて、基材に対向する開口が形成される態様を示す図である。
【図44】図42の例に開口面積を変更する部材が配置されて、基材に対向する開口が形成される他の態様を示す図である。
【図45】基材に対向する開口を有する電極の一方の端部に、連続的に繰り出され得る長尺フィルムが掛け渡されている態様を示す図である。
【図46】スペーサと2つの電極を組み上げて、基材に対向する開口を有する電極とした場合での、シート状部材で開口面積を変更する態様を示す図である。
【図47】電極で開口部を形成せずに、基材に対向する開口を形成する部材を用いる場合での、シート状部材で開口面積を変更する態様を示す図である。
【図48】実施例で用いる、基材に対向する幅1600mmの開口からなるガス供給部を有する電極と、該開口の端部に配置される部材との組み合わせを示す図である。
【図49】実施例で用いる、基材に対向する開口の端部に配置される部材が当該開口の幅方向にスライド可能な電極構成を示す図である。
【図50】実施例で用いる、基材に対向する開口が基材の幅方向で複数に分割されている電極を示す図である。
【図51】実施例で用いる、基材に対向する開口を有する電極の一方の端部に、連続的に繰り出され得る長尺フィルムが掛け渡されている系を示す図である。
【図52】実施例で用いる、開口面積を変更する部材が配置されて、基材に対向する開口が形成される電極を示す図である。
【図53】実施例で用いる大気圧プラズマ処理装置のをモデル的に示す図である。
【図54】実施例で用いる他の大気圧プラズマ処理装置をモデル的に示す図である。
【符号の説明】
1 基材
2 印加電極
3 ロール回転電極
4 高周波電源ガス供給部を有する電極
10 基材に対向する開口の端部に配置される部材
11、12 開口面積を変更する部材
20 ガス供給部を有する電極
21 基材に対向する開口
22 放電面
23 スペーサ
Claims (14)
- 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成する大気圧プラズマ処理装置であって、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の開口面積を変更する手段として開口の端部に配置される部材を有することを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。
- 前記開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能であることを特徴とする請求項1に記載の大気圧プラズマ処理装置。
- 請求項1に記載の大気圧プラズマ処理装置において、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口が基材の搬送方向に直交する方向(幅方向)で複数に分割され、分割口の少なくとも1つが供給するガスの条件が他と独立に変更可能なことを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。
- 請求項1に記載の大気圧プラズマ処理装置において、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の端部に、開口面積を変更する部材が配置されて基材に対向する開口が形成されることを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。
- 前記開口面積を変更する部材が、固体誘電体又は金属表面に固体誘電体被膜を有するものからなることを特徴とする請求項4に記載の大気圧プラズマ処理装置。
- 前記開口の端部に配置される部材が、シート状部材であって、該シート状部材が長尺で、連続的に繰り出され、回収され得ることを特徴とする請求項1に記載の大気圧プラズマ処理装置。
- 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成するにあたり、放電プラズマ発生部に供給する放電ガス流、又は放電プラズマ流の、基材の搬送方向に直交する方向(幅方向)の幅を、基材の幅に応じて変更することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。
- 放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の端部に配置される部材で該開口の開口面積を変更して前記放電ガス流又は放電プラズマ流の幅を変更することを特徴とする請求項7に記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 前記基材に対向する開口の端部に配置される部材が該開口の幅方向にスライド可能であることを特徴とする請求項8に記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成するにあたり、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口を基材の搬送方向に直交する方向(幅方向)で複数に分割し、分割口の少なくとも1つに供給するガスの条件を独立に変更することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。
- 大気圧の圧力下で、高周波電圧を対向する電極間に印加することにより放電プラズマを発生させ、配置された基材の表面に薄膜を形成するにあたり、放電プラズマ発生部に放電ガスを供給するガス供給部の端部に、開口面積を変更する部材を配置して基材に対向する開口を形成することを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。
- 前記開口面積を変更する部材が、固体誘電体又は金属表面に固体誘電体被膜を有するものからなることを特徴とする請求項11に記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 放電部に放電ガスを供給するガス供給部の、基材に対向する開口の端部に配置されるシート状部材で該開口の開口面積を変更して、前記放電ガス流又は放電プラズマ流の幅を変更することを特徴とする請求項7に記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 前記シート状部材が長尺で、連続的に繰り出され、回収され得ることを特徴とする請求項13に記載の大気圧プラズマ処理方法。
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