JPWO2012172630A1 - 表面加工装置及び表面加工方法 - Google Patents
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Abstract
プラズマ発生部(1)に設けられる導電性ハウジング(2)と棒状電極(3)との2つの放電電極間に印加される主電圧の周波数と、導電性ハウジング(2)と被加工物(5)との間に印加されるバイアス電圧の周波数とを異ならせることで、プラズマの照射を通じて被加工物(5)の表面に形成される凹凸の形成態様を制御するようにした。
Description
本発明は、プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置及び方法に関するものである。
内燃機関のシリンダーブロックのボア部分に装着されるシリンダーライナーは、ピストンとの摺接を受けることから高い耐摩耗性を要求される。こうしたシリンダーナイナーのような摺動部材の耐摩耗性の向上には、耐焼き付き性の向上や摩擦抵抗の低減、潤滑油消費量の抑制が求められ、そのためには、その表面を平滑面とするよりも、ある程度の凹凸を有した粗面とすることが望ましいとされている。そしてそのための表面加工方法として、プラズマの照射によって表面の粗面加工を行う技術が知られている。
プラズマを照射するプラズマ照射装置としては、管状の導電性ハウジング内に棒状電極を配置したガン型ノズルを用いたものや、板状の電極を対向して配置した平行平板型のものなどが知られている。そして従来、特許文献1〜4には、放電電極と被加工物との間に、バイアス電圧を印加することで、大気圧下でのプラズマの発生を安定させたり、プラズマの威力を増大させたりする技術が記載されている。
ところで、発明者らが実験を行った結果、図5に示すような、深さ0.5マイクロメートル以下の微小な凹部の形成された表面に、略1ミリメートル間隔で深さ5マイクロメートルのより深い凹部を形成したものが耐摩耗性の向上に好適であることが確かめられている。ただし、毛細管現象によって凹部の深部までオイルを浸透させるには、凹部の最深部が鋭角となっていなければならず、マシニングセンターやレーザー加工機では、そうした微細な加工は困難となっている。
一方、プラズマ照射を用いれば、最深部が鋭角の凹部を形成することが可能ではある。しかしながら、上記のような従来のプラズマ処理技術では、一定の深さの凹部を形成することしかできず、浅い凹部と深い凹部とが混在する表面の加工まではできないのが現状となっている。
本発明の目的は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することのできる表面加工装置及び表面加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に従う表面加工装置は、プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置であって、2つの電極間の電圧の印加に応じてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、前記プラズマ発生部の前記2つの電極間に印加される主電圧を供給する第1の電源と、前記プラズマ発生部の前記電極の一方と前記被加工物との間に印加されるバイアス電圧を供給する第2の電源と、を備え、前記バイアス電圧の電圧波形の設定により、前記プラズマの照射を通じて前記被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御するようにしている。
バイアス電圧の電圧波形によっては、被加工物に照射されるプラズマの強弱の変化パターンが変わり、ひいては被加工物の表面に形成される凹凸の形成パターンが変わる。そのため、バイアス電圧の電圧波形を適宜設定することで、プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易かつ適宜に制御することができる。したがって、上記構成によれば、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
上記目的を達成するため、本発明に従うもう一つの表面加工装置は、プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置であって、2つの電極間の電圧の印加に応じてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、前記プラズマ発生部の前記2つの電極間に印加される主電圧を供給する第1の交流電源と、前記プラズマ発生部の前記電極の一方と前記被加工物との間に印加されるバイアス電圧を供給する第2の交流電源と、を備え、前記バイアス電圧の周波数及び振幅の少なくとも一方の設定により、前記プラズマの照射を通じて前記被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御するようにしている。
バイアス電圧の周波数を主電圧の周波数と異なる周波数とすれば、被加工物に照射されるプラズマの威力が周期的に変化するようになり、被加工物の表面に形成される凹部の深さを周期的に変化させることができる。またバイアス電圧の振幅を変化させることでも、被加工物に照射されるプラズマの威力が変化して、被加工物の表面に形成される凹部の深さを変化させることができる。そしてそうした凹部の形成パターンは、バイアス電圧の周波数や振幅を変化させることで、容易に変化させることができる。したがって、上記構成によれば、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
こうした本発明の表面加工装置において、被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように凹凸の形成態様の制御を行えば、被加工物の表面の耐摩耗性を向上することができる。そして第2の凹部の深さを5マイクロメートルとし、同第2の凹部の間隔を1ミリメートルとすれば、被加工物の表面の耐摩耗性を特に高くすることができる。
こうした本発明の表面加工装置において、被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に調整可能としたいのであれば、バイアス電圧の電圧波形を可変とする波形可変部を備えるようにすれば良い。
また上記目的を達成するため、本発明に従う更なる表面加工装置は、プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置であって、2つの電極間の電圧の印加に応じてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、前記プラズマ発生部の前記2つの電極間に印加される主電圧を供給する第1の交流電源と、前記プラズマ発生部の前記電極の一方と前記被加工物との間に印加される、前記主電圧とは異なる周波数のバイアス電圧を供給する第2の交流電源と、を備えている。
バイアス電圧の周波数を主電圧の周波数と異なる周波数とすれば、被加工物に照射されるプラズマの威力が周期的に変化するようになり、被加工物の表面に形成される凹部の深さを周期的に変化させることができる。そしてそうした凹部の形成パターンは、バイアス電圧の周波数を変化させることで、容易に変化させることができる。したがって、上記構成によれば、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
なお、被加工物の表面の耐摩耗性を向上するには、被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で前記第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように、主電圧の周波数及びバイアス電圧の周波数を設定することが望ましい。そして第2の凹部の深さを5マイクロメートルとし、同第2の凹部の間隔を1ミリメートルとすれば、被加工物の表面の耐摩耗性を特に高くすることができる。
こうした本発明の表面加工装置において、被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に調整可能としたいのであれば、第2の交流電源の周波数を可変とする周波数可変部を備えるようにすると良い。
なお上記のような本発明の表面加工装置は、例えば内部に空間の形成された導電性ハウジングと、そのハウジングの内部に配設された棒状電極とを上記2つの電極として備え、前記導電性ハウジングと前記棒状電極との間に前記主電圧を印加した状態で前記導電性ハウジング内にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させるようにプラズマ発生部を構成することでその実現が可能である。また平行に対向された1対の平板電極を上記2つの電極として備え、それらの平板電極間に主電圧を印加した状態でそれらの間にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させるようにプラズマ発生部を構成することでもその実現が可能である。
また、円管形状に形成された被加工物の内周面の表面加工を効率的に行いたいのであれば、円管形状に形成された被加工物の内部にプラズマ発生部を挿入するとともに、同被加工物とプラズマ発生部とを相対回転させることで被加工物の内周面を加工するようにすると良い。そして回転部材に固定され、かつその回転部材の回転方向外周に向けてプラズマを照射可能に配設されたプラズマ発生部を、円管形状に形成された被加工物の内部に挿入するとともに、プラズマ発生部からプラズマを照射させながら回転部材を回転させることで、被加工物の内周面を加工するようにすれば、その加工効率を高くすることができる。また更に加工効率を高めたければ、回転部材にプラズマ発生部を複数固定するようにすると良い。そして中空に形成された回転部材の回転軸を、プラズマ発生部へのプラズマ原料ガスの供給経路とすれば、回転するプラズマ発生部へのプラズマ原料ガスの供給が容易となる。
なお、こうした本発明の表面加工装置は、被加工物の摺動面の加工に適している。また本発明の表面加工装置は、アルミニウム合金製のエンジン部品の加工に適しており、特にエンジンのシール部品、例えばエンジンのシリンダーライナーの加工に最適である。
また上記目的を達成するため、本発明に従う表面加工方法は、2つの電極間への主電圧の印加に応じて発生されたプラズマを被加工物の表面に照射してその表面の加工を行う方法であって、前記2つの電極の一方と前記被加工物との間に印加されるバイアス電圧の電圧波形の設定を通じて、前記プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御するようにしている。
バイアス電圧の電圧波形によっては、被加工物に照射されるプラズマの強弱の変化パターンが変わり、ひいては被加工物の表面に形成される凹凸の形成パターンが変わる。そのため、バイアス電圧の電圧波形を適宜設定することで、プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易かつ適宜に制御することができる。したがって、上記表面加工方法によれば、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
また上記目的を達成するため、本発明に従うもう一つの表面加工方法は、2つの電極間への主電圧の印加に応じて発生されたプラズマを被加工物の表面に照射してその表面の加工を行う方法であって、前記2つの電極の一方と前記被加工物との間にバイアス電圧を印加するとともに、交流電圧として供給される前記主電圧の周波数、及び同じく交流電圧として供給される前記バイアス電圧の周波数の設定により、前記プラズマの照射を通じて前記被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御するようにしている。
バイアス電圧の周波数を主電圧の周波数と異なる周波数とすれば、被加工物に照射されるプラズマの威力が周期的に変化するようになり、被加工物の表面に形成される凹部の深さを周期的に変化させることができる。そしてそうした凹部の形成パターンは、バイアス電圧の周波数を変化させることで、容易に変化させることができる。したがって、上記表面加工方法によれば、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
なお、被加工物の表面の耐摩耗性を向上するには、被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように凹凸の形成態様の制御を行うようにすると良い。そして第2の凹部の深さを5マイクロメートルとし、同第2の凹部の間隔を1ミリメートルとするようにすれば、被加工物の表面の耐摩耗性を特に高くすることができる。
また、こうした本発明の表面加工方法において、被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に調整可能としたいのであれば、バイアス電圧の電圧波形を変更可能とすると良い。
また上記目的を達成するため、本発明に従う更なる表面加工方法は、2つの電極間への主電圧の印加に応じて発生されたプラズマを被加工物の表面に照射してその表面の加工を行う方法であって、前記2つの電極の一方と前記被加工物との間にバイアス電圧を印加するとともに、交流電圧として供給される前記主電圧の周波数と、同じく交流電圧として供給される前記バイアス電圧の周波数とを異ならせるようにしている。
バイアス電圧の周波数を主電圧の周波数と異なる周波数とすれば、被加工物に照射されるプラズマの威力が周期的に変化するようになり、被加工物の表面に形成される凹部の深さを周期的に変化させることができる。そしてそうした凹部の形成パターンは、バイアス電圧の周波数を変化させることで、容易に変化させることができる。したがって、上記表面加工方法によれば、プラズマ照射によって被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
なお、被加工物の表面の耐摩耗性を向上するには、被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように凹凸の形成態様の制御を行うようにすると良い。そして第2の凹部の深さを5マイクロメートルとし、同第2の凹部の間隔を1ミリメートルとするようにすれば、被加工物の表面の耐摩耗性を特に高くすることができる。
また、こうした本発明の表面加工方法において、被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に調整可能としたいのであれば、バイアス電圧の周波数を変更可能とすると良い。
以上のような本発明の表面加工方法は、例えば内部に空間の形成された導電性ハウジングと、そのハウジングの内部に配設された棒状電極とを2つの電極とするとともに、前記導電性ハウジングと前記棒状電極との間に主電圧を印加した状態で導電性ハウジング内にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させるようにすることでその実現が可能である。また平行に対向された1対の平板電極を2つの電極とするとともに、平板電極間に主電圧を印加した状態でそれらの間にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させるようにすることでもその実現が可能である。
なお、こうした本発明の表面加工方法は、被加工物の摺動面の加工に適している。また本発明の表面加工装置は、アルミニウム合金製のエンジン部品の加工に適しており、特にエンジンのシール部品、例えばエンジンのシリンダーライナーの加工に最適である。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を、図1を参照して詳細に説明する。本実施形態の表面加工装置、表面加工方法は、プラズマ照射によって、被加工物の摺動面に、耐摩耗性を向上するための表面処理を施すことを目的とし、例えばアルミニウム合金製シリンダーライナーのようなエンジンのシール部品の摺動面の表面加工に使用されるものとなっている。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を、図1を参照して詳細に説明する。本実施形態の表面加工装置、表面加工方法は、プラズマ照射によって、被加工物の摺動面に、耐摩耗性を向上するための表面処理を施すことを目的とし、例えばアルミニウム合金製シリンダーライナーのようなエンジンのシール部品の摺動面の表面加工に使用されるものとなっている。
図1に示すように、本実施形態の表面加工装置のプラズマ発生部1は、先細りとなった略円管形状をなして内部に空間の形成された導電性ハウジング2と、その導電性ハウジング2の内部に配設された棒状電極3との2つの放電電極を備えている。導電性ハウジング2と棒状電極3との間には、第1の電源、あるいは第1の交流電源としての第1交流電源4の発生する正弦波交流の主電圧が印加されるようになっている。
プラズマ発生部1の下方には、可動テーブル6が配置され、その上面に被加工物5が配設されるようになっている。そして、可動テーブル6及び被加工物5と上記導電性ハウジング2との間には、第2の電源、あるいは第2の交流電源としての第2交流電源8の発生する正弦波交流のバイアス電圧が印加されるようになっている。なお、本実施形態では、可動テーブル6及び被加工物5と上記導電性ハウジング2との間に印加されるバイアス電圧の周波数が、波形可変部あるいは周波数可変部としてのインバーター7により変更可能となっている。
次に、以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
被加工物5の表面加工に際しては、プラズマ発生部1の導電性ハウジング2と棒状電極3との間には、主電圧が印加される。またこれとともに、導電性ハウジング2と被加工物5との間には、可動テーブル6を介して、主電圧とは異なる周波数のバイアス電圧が印加される。
この状態でプラズマ発生部1の上部から導電性ハウジング2の内部にプラズマ原料ガスを供給すると、導電性ハウジング2と棒状電極3との間に印加される主電圧によってプラズマが発生する。そしてそのプラズマがプラズマ発生部1の先端から被加工物5に向けて放出される。なお、本実施形態では、プラズマ原料ガスとして圧縮空気が用いられている。
こうして被加工物5にプラズマジェットを照射しながら、可動テーブル6を所定の速度で移動させることで、プラズマ発生部1と被加工物5との相対位置を変位させて、被加工物5の表面のプラズマ照射位置を移動させることで、被加工物5の表面加工が行われる。
ここで、この表面加工装置では、導電性ハウジング2と被加工物5との間にバイアス電圧が印加されているため、プラズマ発生部1で発生したプラズマがそのバイアス電圧によって被加工物5に引き寄せられる。そのため、バイアス電圧を印加しなかった場合に比して、強力なプラズマジェットが被加工物5の表面に照射されるようになる。またバイアス電圧が交流電圧であることから、被加工物5の表面に照射されるプラズマジェットに強弱が生じ、これにより被加工物5の表面に比較的小さい凹凸が形成される。
更に本実施形態では、バイアス電圧の周波数が主電圧の周波数と異ならされているため、バイアス電圧と主電圧との周波数差によって、一定の周期で瞬間的にプラズマジェットの勢いが増大するようになる。そしてこのときの強いプラズマジェットにより、被加工物5の表面に一定の間隔で比較的深い凹部が形成される。
本実施形態では、主電圧の周波数を20kHz、バイアス電圧の周波数を17kHzとし、可動テーブル6の移動速度を10ミリメートル毎秒として被加工物5の表面加工を行っている。こうした場合、図5に示すような、深さ0.5マイクロメートル以下の微小な凹部の形成された表面に、略1ミリメートル間隔で、深さ5マイクロメートルの深い凹部を形成することができた。ちなみに、こうした表面加工によっては、アルミニウム合金のビッカース硬さが、処理前の100〜110から180〜190へと変化することが確認されている。
以上の本実施形態によれば、次の効果を奏することができる。
(1)主電圧とバイアス電圧の周波数を変えることで、微小な凹部の形成された被加工物5の表面に、一定の間隔で深い凹部を形成することができる。こうした表面では、毛細管現象によって、その深い凹部の深部にオイルが浸透するため、オイルの保持性が高まり、ひいては耐摩耗性が向上するようになる。
(2)本実施形態では、バイアス電圧の周波数を変えるだけで、プラズマジェットの強弱パターンを、そしてひいては被加工物5の表面に形成される凹凸のパターンを変化させることができるため、被加工物5の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に制御することができる。
(3)0.5マイクロメートル以下の微小な第1の凹部の形成された被加工物5の表面に、深さ5マイクロメートルのより深い第2の凹部を1ミリメートル間隔で形成するようにプラズマ照射による表面加工を施すことで、被加工物5の耐摩耗性を大幅に向上することができる。
(第2実施形態)
続いて本発明を具体化した第2実施形態を、図2を参照して詳細に説明する。本実施形態にあって、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の表面加工装置は、第1実施形態の装置に対して、そのプラズマ発生部の構成が変更されたものとなっている。
続いて本発明を具体化した第2実施形態を、図2を参照して詳細に説明する。本実施形態にあって、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の表面加工装置は、第1実施形態の装置に対して、そのプラズマ発生部の構成が変更されたものとなっている。
図2に示すように、本実施形態の表面加工装置のプラズマ発生部10は、平行に対向された1対の平板電極11、12を2つの放電電極として備え、それら平板電極11、12間に主電圧を印加した状態でそれらの間にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させるものとなっている。また、この表面加工装置では、平板電極の一方(11)と被加工物5との間に、第2交流電源8の発生するバイアス電圧が印加されるようになっている。そして、そのバイアス電圧の周波数は、インバーター7により変更可能とされている。
このように構成されたプラズマ発生部10を備える表面加工装置でも、第1実施形態の装置と同様の表面加工を行うことができる。したがって、主電圧の周波数とは異なる周波数のバイアス電圧を印加することで、被加工物5に照射されるプラズマジェットの勢いに強弱を付け、微小な第1の凹部の形成された被加工物5の表面に、より深い第2の凹部を一定の間隔で形成することができるようになる。
(第3実施形態)
続いて本発明を具体化した第3実施形態を、図3及び図4を参照して詳細に説明する。本実施形態にあって、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の表面加工装置は、例えばシリンダーライナーのような円管形状の部品の内周面の加工に適したものとなっている。
続いて本発明を具体化した第3実施形態を、図3及び図4を参照して詳細に説明する。本実施形態にあって、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の表面加工装置は、例えばシリンダーライナーのような円管形状の部品の内周面の加工に適したものとなっている。
図3に示すように、本実施形態の表面加工装置のプラズマ照射装置20は、複数のプラズマ発生部28が固定された円筒状の回転部材21と、その回転部材21と一体となって回転する中空円管形状の回転軸22とを備えている。回転部材21は、回転軸22と一体に回転可能かつその回転軸方向に変位可能とされており、その軸方向の変位に応じて被加工物であるシリンダーライナー24の内部に挿入可能とされている。なお、本実施形態では、各プラズマ発生部28には、中空に形成された回転軸22の内部を通ってプラズマ原料ガスがそれぞれ供給されるようになっている。
この表面加工装置では、回転部材21に設けられた各プラズマ発生部28の、後述する2つの放電電極には、第1交流電源23の発生する正弦波交流の主電圧が印加されるようになっている。またそうしたプラズマ発生部28の放電電極の一つ(導電性ハウジング26)とシリンダーライナー24との間には、第2交流電源25の発生する正弦波交流のバイアス電圧が印加されるようになっている。
図4に示すように、回転部材21の内部には、その回転軸周りにそれぞれ90°の間隔をおいて4つのプラズマ発生部28が固定されている。各プラズマ発生部28は、先細りとなった略円管形状をなして内部に空間の形成された導電性ハウジング26と、その導電性ハウジング26の内部に配設された棒状電極27との2つの放電電極をそれぞれ備えている。なお、この表面加工装置では、こうした4つのプラズマ発生部28が回転部材21の回転軸方向に3列設けられ、都合12個のプラズマ発生部28が回転部材21に固定された構成となっている。
次に、以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
シリンダーライナー24の内周面の表面加工に際しては、プラズマ照射装置20の回転部材21がシリンダーライナー24の内部に挿入される。そしてプラズマ発生部28の導電性ハウジング26と棒状電極27との間に主電圧を印加した状態で、回転軸22を供給経路としてプラズマ原料ガスを各プラズマ発生部28に注入することで、各プラズマ発生部28の先端からプラズマジェットを放出させる。そして回転部材21をその回転軸方向に変位させながら回転させることで、シリンダーライナー24の内周面に順次プラズマが照射されるようになる。
このとき、この表面加工装置では、プラズマ発生部28の導電性ハウジング26とシリンダーライナー24との間にバイアス電圧が印加されている。そのため、プラズマ発生部28で発生したプラズマが、そのバイアス電圧によってシリンダーライナー24に引き寄せられるようになり、バイアス電圧を印加しなかった場合に比して、強力なプラズマジェットがシリンダーライナー24の内周面に照射されるようになる。またバイアス電圧が交流電圧であることから、シリンダーライナー24の内周面に照射されるプラズマジェットに強弱が生じ、これによりシリンダーライナー24の内周面に比較的小さい凹凸が形成されるようになる。
更に本実施形態では、バイアス電圧の周波数が主電圧の周波数と異ならされているため、バイアス電圧と主電圧との周波数差によって、一定の周期で瞬間的にプラズマジェットの勢いが増大する。そしてこのときの強いプラズマジェットにより、シリンダーライナー24の内周面に一定の間隔で比較的深い凹部が形成されるようになる。
こうした本実施形態では、主電圧の周波数は20kHzに、バイアス電圧の周波数は17kHzにそれぞれ設定されている。またプラズマ発生部28とシリンダーライナー24との相対移動の速度が10ミリメートル毎秒となるように、回転部材21の回転速度が設定されている。そのため、本実施形態においても、図5に示すような、深さ0.5マイクロメートル以下の微小な凹部の形成された表面に、略1ミリメートル間隔で、深さ5マイクロメートルの深い凹部を形成することができる。
以上の本実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(4)本実施形態では、円管形状に形成されたシリンダーライナー24内部にプラズマ発生部28を挿入するとともに、シリンダーライナー24とプラズマ発生部28とを相対回転させることでシリンダーライナー24の内周面を加工している。より詳しくは、回転部材21に固定され、かつその回転部材21の回転方向外周に向けてプラズマを照射可能に配設されたプラズマ発生部28を、円管形状に形成されたシリンダーライナー24の内部に挿入するようにしている。そしてプラズマ発生部28からプラズマを照射させながら回転部材21を回転させることで、シリンダーライナー24の内周面の加工を行っている。更に本実施形態では、回転部材21に複数のプラズマ発生部28を固定している。そのため、円管形状に形成されたシリンダーライナー24の内周面を効率的に加工することができる。
(5)本実施形態では、中空に形成された回転部材21の回転軸22を、プラズマ発生部28へのプラズマ原料ガスの供給経路としているため、回転されるプラズマ発生部28へのプラズマ原料ガスの供給を容易かつ的確に行うことができる。
(6)シリンダーライナー24の内周面の全体を短時間で加工することができ、生産性を向上することができる。
以上説明した各実施形態は、次のように変更して実施することもできる。
・第3実施形態では、中空に形成された回転軸22の内部を供給経路として、各プラズマ発生部28にプラズマ原料ガスを供給するようにしていたが、可能であれば他の経路からプラズマ原料ガスの供給を行うようにしても良い。
・第3実施形態では、12個のプラズマ発生部28を回転部材21に固定していたが、回転部材21に固定されるプラズマ発生部28の数や位置は、任意適宜に変更しても良い。
・第3実施形態では、プラズマ発生部28として、管状の導電性ハウジング26の内部に棒状電極27を配置したガン型ノズルを用いていたが、第2実施形態のような平行平板型のものなど、他のタイプのプラズマ発生部を採用しても良い。
・第3実施形態では、シリンダーライナー24の内周面の表面加工を行う場合を説明したが、同実施形態の表面加工装置及び表面加工方法は、円管形状に形成されたものであれば、シリンダーライナー24以外の被加工物の内周面の表面加工にもその適用が可能である。
・上記実施形態では、深さ0.5マイクロメートル以下の微小な凹部の形成された表面に、略1ミリメートル間隔で、深さ5マイクロメートルの深い凹部を形成するようにしていたが、被加工物の表面をそれ以外の形状に加工することも可能である。すなわち、本発明の表面加工装置、表面加工方法によれば、プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を、容易に調整することができ、必要に応じた表面性状を容易に得ることが可能となる。
・上記実施形態では、主電圧の周波数を20kHz、バイアス電圧の周波数を17kHzとしたが、これらの周波数には、必要とする表面性状に応じて適宜に変更しても良い。
・上記実施形態では、被加工物に対するプラズマ発生部の相対移動速度を10ミリメートル毎秒としていたが、そうした相対変位速度は、必要とする表面性状に応じて適宜に変更しても良い。
・上記実施形態では、バイアス電圧の周波数を可変としていたが、加工対象が定まっている場合には、バイアス電圧の周波数が固定となっていても良い。その場合であれ、バイアス電圧の周波数が主電圧の周波数と異なっていれば、被加工物に照射されるプラズマの勢いを周期的に変化させ、被加工物の表面に形成される凹凸のパターンを周期的に変化させることができる。そして主電圧の周波数とバイアス電圧の周波数とが適宜に設定されていれば、高い耐摩耗性が確保されるように表面加工を行うことができる。
・上記実施形態では、バイアス電圧の周波数により、プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御していたが、バイアス電圧の振幅を変化させることでもその制御を行うことができる。例えば主電圧の周波数及び振幅を一定とした状態、バイアス電圧の振幅を周期的に変化させれば、被加工物に照射されるプラズマの強度が周期的に変化して、被加工物の表面に形成される凹部の深さが周期的に変化されるようになる。
・上記実施形態では、主電圧、バイアス電圧に正弦波交流の電圧を用いるようにしていたが、これらの電圧波形は、矩形波交流、三角波交流など、任意の波形の電圧に変更しても良い。いずれにせよ、バイアス電圧の電圧波形を変更すれば、プラズマ発生部で発生されるプラズマの強弱の変化パターンが変わり、ひいては被加工物の表面に形成される凹凸の形成パターンが変わる。そのため、バイアス電圧の電圧波形を適宜設定することで、プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易かつ適宜に制御することができる。なお、そうした場合にも、バイアス電圧の電圧波形を可変としておけば、被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を容易に変更することが可能となる。
・上記実施形態では、プラズマ原料ガスとして、圧縮空気を使用していたが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素などの他の気体を使用するようにしても良い。
・本発明の表面加工装置及び表面加工方法は、例えばシリンダーライナーのようなアルミニウム合金製のエンジン部品やエンジンのシール部品の表面加工に適しているが、それ以外の被加工物、例えば鉄のようなアルミニウム合金以外の材質からなる被加工物の表面加工にもその適用が可能である。
1…プラズマ発生部、2…導電性ハウジング(2つの電極)、3…棒状電極(2つの電極)、4…第1交流電源(第1の電源、第1の交流電源)、5…被加工物、6…可動テーブル、7…インバーター(波形可変部、周波数可変部)、8…第2交流電源(第2の電源、第2の交流電源)、10…プラズマ発生部、11…平板電極(2つの電極)、12…平板電極(2つの電極)、20…プラズマ照射装置、21…回転部材、22…回転軸、23…第1交流電源(第1の電源、第1の交流電源)、24…シリンダーライナー(被加工物、アルミニウム合金製のエンジン部品、エンジンのシール部品)、25…第2交流電源(第2の電源、第2の交流電源)、26…導電性ハウジング(2つの電極)、27…棒状電極(2つの電極)、28…プラズマ発生部。
Claims (34)
- プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置であって、
2つの電極間の電圧の印加に応じてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
前記プラズマ発生部の前記2つの電極間に印加される主電圧を供給する第1の電源と、
前記プラズマ発生部の前記電極の一方と前記被加工物との間に印加されるバイアス電圧を供給する第2の電源と、
を備え、
前記バイアス電圧の電圧波形の設定により、前記プラズマの照射を通じて前記被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様が制御されてなる
ことを特徴とする表面加工装置。 - プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置であって、
2つの電極間の電圧の印加に応じてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
前記プラズマ発生部の前記2つの電極間に印加される主電圧を供給する第1の交流電源と、
前記プラズマ発生部の前記電極の一方と前記被加工物との間に印加されるバイアス電圧を供給する第2の交流電源と、
を備え、
前記バイアス電圧の周波数及び振幅の変化の少なくとも一方の設定により、前記プラズマの照射を通じて前記被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様が制御されてなる
ことを特徴とする表面加工装置。 - 前記凹凸の形成態様の制御は、前記被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で前記第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように行われる
請求項1又は2に記載の表面加工装置。 - 前記第2の凹部の深さは5マイクロメートルとされ、同第2の凹部の間隔は1ミリメートルとされた
請求項3に記載の表面加工装置。 - 前記バイアス電圧の電圧波形を可変とする波形可変部を備える
請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - プラズマの照射により被加工物の表面を加工する装置であって、
2つの電極間の電圧の印加に応じてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
前記プラズマ発生部の前記2つの電極間に印加される主電圧を供給する第1の交流電源と、
前記プラズマ発生部の前記電極の一方と前記被加工物との間に印加される、前記主電圧とは異なる周波数のバイアス電圧を供給する第2の交流電源と、
を備えることを特徴とする表面加工装置。 - 前記主電圧の周波数及び前記バイアス電圧の周波数は、前記被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で前記第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように設定されてなる
請求項6に記載の表面加工装置。 - 前記第2の凹部の深さは5マイクロメートルとされ、同第2の凹部の間隔は1ミリメートルとされた
請求項7に記載の表面加工装置。 - 前記第2の交流電源の周波数を可変とする周波数可変部を備える
請求項6〜8のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 前記プラズマ発生部は、内部に空間の形成された導電性ハウジングと、そのハウジングの内部に配設された棒状電極とを前記2つの電極として備え、前記導電性ハウジングと前記棒状電極との間に前記主電圧を印加した状態で前記導電性ハウジング内にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させる
請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 前記プラズマ発生部は、平行に対向された1対の平板電極を前記2つの電極として備え、前記平板電極間に前記主電圧を印加した状態でそれらの間にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させる
請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 円管形状に形成された前記被加工物の内部に前記プラズマ発生部を挿入するとともに、同被加工物と前記プラズマ発生部とを相対回転させることで前記被加工物の内周面を加工する
請求項1〜11のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 回転部材に固定され、かつその回転部材の回転方向外周に向けて前記プラズマを照射可能に配設された前記プラズマ発生部を、円管形状に形成された前記被加工物の内部に挿入するとともに、
前記プラズマ発生部から前記プラズマを照射させながら前記回転部材を回転させることで、前記被加工物の内周面を加工する
請求項1〜11のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 前記回転部材には、前記プラズマ発生部が複数固定されてなる
請求項13に記載の表面加工装置。 - 中空に形成された前記回転部材の回転軸が、前記プラズマ発生部へのプラズマ原料ガスの供給経路とされてなる
請求項13又は14に記載の表面加工装置。 - 当該表面加工装置は、前記被加工物の摺動面を加工する
請求項1〜15のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 前記被加工物は、アルミニウム合金製のエンジン部品である
請求項1〜16のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 前記被加工物は、エンジンのシール部品である
請求項1〜17のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 前記被加工物は、エンジンのシリンダーライナーである
請求項1〜18のいずれか1項に記載の表面加工装置。 - 2つの電極間への主電圧の印加に応じて発生されたプラズマを被加工物の表面に照射してその表面の加工を行う方法であって、
前記2つの電極の一方と前記被加工物との間に印加されるバイアス電圧の電圧波形の設定を通じて、前記プラズマの照射を通じて被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御すること
を特徴とする表面加工方法。 - 2つの電極間への主電圧の印加に応じて発生されたプラズマを被加工物の表面に照射してその表面の加工を行う方法であって、
前記2つの電極の一方と前記被加工物との間にバイアス電圧を印加するとともに、交流電圧として供給される前記主電圧の周波数、及び同じく交流電圧として供給される前記バイアス電圧の周波数の設定により、前記プラズマの照射を通じて前記被加工物の表面に形成される凹凸の形成態様を制御すること
を特徴とする表面加工方法。 - 前記凹凸の形成態様の制御は、前記被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で前記第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように行われる
請求項20又は21に記載の表面加工方法。 - 前記第2の凹部の深さを5マイクロメートルとし、同第2の凹部の間隔を1ミリメートルとする
請求項22に記載の表面加工方法。 - 前記バイアス電圧の電圧波形を変更可能とした
請求項20〜23のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 2つの電極間への主電圧の印加に応じて発生されたプラズマを被加工物の表面に照射してその表面の加工を行う方法であって、
前記2つの電極の一方と前記被加工物との間にバイアス電圧を印加するとともに、交流電圧として供給される前記主電圧の周波数と、同じく交流電圧として供給される前記バイアス電圧の周波数とを異ならせるようにした
ことを特徴とする表面加工方法。 - 前記主電圧の周波数及び前記バイアス電圧の周波数を、前記被加工物の表面に第1の凹部を形成するとともに、同被加工物の表面に一定の間隔で前記第1の凹部よりも深い第2の凹部を形成するように設定した
ことを特徴とする請求項25に記載の表面加工方法。 - 前記第2の凹部の深さを5マイクロメートルとし、同第2の凹部の間隔を1ミリメートルとする
請求項26に記載の表面加工方法。 - 前記バイアス電圧の周波数を変更可能とした
請求項25〜27のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 内部に空間の形成された導電性ハウジングと、そのハウジングの内部に配設された棒状電極とを前記2つの電極とするとともに、前記導電性ハウジングと前記棒状電極との間に前記主電圧を印加した状態で前記導電性ハウジング内にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させる
請求項20〜28のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 平行に対向された1対の平板電極を前記2つの電極とするとともに、前記平板電極間に前記主電圧を印加した状態でそれらの間にプラズマ原料ガスを注入することでプラズマを発生させる
請求項20〜28のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 当該表面加工方法により、前記被加工物の摺動面を加工する
請求項20〜30のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 前記被加工物は、アルミニウム合金製のエンジン部品である
請求項20〜31のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 前記被加工物は、エンジンのシール部品である
請求項20〜32のいずれか1項に記載の表面加工方法。 - 前記被加工物は、エンジンのシリンダーライナーである
請求項20〜33のいずれか1項に記載の表面加工方法。
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