続いて、本発明の一実施形態である燃焼装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、1は本実施形態の燃焼装置である。燃焼装置1は、灯油等の液体燃料を気化して燃焼する、いわゆる「気化式」の燃焼装置である。また、燃焼装置1は、炎孔から下方に向けて燃料を噴出させて燃焼させる、いわゆる「下方燃焼型」の燃焼装置である。
図1に示すように、燃焼装置1は、上から送風機2、駆動機械部3、空気量調節部4、混合部5及び燃焼部6が順次積み重ねられて構成される。また、混合部5及び燃焼部6の近傍には気化部(気化器)7が設けられ、空気量調節部4と気化器7の間には、流路形成部材13が配されて空気流路が形成されている。
順次説明すると、図1に示すように、送風機2は、鋼板を曲げ加工して作られた凹状のハウジング20の内部にファン(回転翼)21が回転可能に配されたもので、ハウジング20の中央部には、吸気開口22が設けられている。
駆動機械部3は、箱体10を有し、その天板12の中央にモータ30が取り付けられている。モータ30は、両端部から回転軸30a,30bが突出しており、回転軸30a,30bは、燃焼装置1の略全長を上下へ向けて貫通している。そして、モータ30の上方側の回転軸30aは、ファン21に接続され、下方側の回転軸30bは、気化器7の回転部材8に接続されている。すなわち、モータ30の回転駆動により、ファン21が回転駆動されて下方へ向けて送風(空気供給)を行うと共に、回転部材8が同時に回転駆動される。
箱体10の内側には、天板12と空気量調整部4とによって囲まれた空気室15が形成されている。空気室15は、天板12に設けられた空気孔(図示せず)を介して空気が導入される部分である。
空気量調整部4と後述する炎孔ベース60との間には、空気分流部16が形成されている。空気分流部16は、流路形成部材13により、一次空気流入部17と、二次空気流入部18とに仕切られている。
さらに具体的には、空気量調整部4は、図3に示すように固定側板状部材4aの上に円盤状の移動側板状部材4bを重ねた構成とされている。移動側板状部材4bは、中央の軸挿通孔4cの周りに略三角形の一次空気開口4dを放射状に複数個設け、これらの一次空気開口4dに対して軸挿通孔4cから離れた位置(外側)に隣接した位置に二次空気開口4eを設けたものである。
固定側板状部材4aには、移動側板状部材4bの軸挿通孔4c、一次空気開口4dおよび二次空気開口4eに相当する位置に軸挿通孔4f、一次空気開口4gおよび二次空気開口4hが設けられている。また、固定側板状部材4aには、移動側板状部材4bを重ね合わせた時に両者が重複しない位置に多数の小孔4iが設けられている。
空気量調整部4は、ハウジング11に外付けされたステップモータ40の回転軸40aが回転すると、この動力を受けて移動側板状部材4bが、固定側板状部材4aの上で中央の軸挿通孔4cを中心として相対的に回転する。移動側板状部材4bが回転すると、移動側板状部材4b側に設けられた一次空気開口4dと固定側板状部材4a側に設けられた一次空気開口4gとの連通部分の面積が変化し、一次空気開口4d,4gを通過する空気量が調整される。一次空気開口4d,4gを通過した空気は、空気分流部16内に形成された一次空気流入部17に流入し、気化部7内に一次空気として供給される。
また同様に、移動側板状部材4bが回転すると、二次空気開口4e,4hの連通部分の面積が変化し、二次空気開口4e,4hを通過する空気の空気量が調整される。二次空気開口4e,4hを通過した空気は、後述する炎孔ベース60の空気溝63に供給され、二次空気として使用される。
混合部5、燃焼部6及び気化部7は、炎孔ベース60を中心として構成され、ハウジング11内に収納されている。また、炎孔バース60の中央部には、気化部7が設けられている。
炎孔ベース60は、アルミダイカストによって作られたものであり、図2に示すように、複雑な枠組と開口及び溝が設けられている。炎孔ベース60の上面側は、主として燃料ガス及び二次空気の流路構成面として機能し、下面側は炎孔取付け面として機能する。
すなわち、炎孔ベース60には、多数のループ状の垂直壁62で仕切られた空気溝63が設けられており、隣接する垂直壁62同士の間には、ガス溝64が設けられている。そして、後述する気化部7で生成された燃料ガスは、上面壁61と垂直壁62との間を介してガス溝64に連通した炎孔から噴出され、火炎を発生させる。また、空気溝63は、二次空気流入部18に連通している。そのため、空気量調節部4の二次空気開口4e,4hを介して空気室15から二次空気流入部18に流入した空気(二次空気)は、空気溝63を介してガス溝64に連通した炎孔の両側に噴出され、炎孔に形成された火炎の側方から二次空気を供給する。
気化部7は、気化室70と、回転部材8によって構成されている。気化室70は、図2に示すように、底面部71と周部72を持つ円筒体である。気化室70は、底面部71が閉塞し、上部が開口している。すなわち、気化室70は、底面部71及び周部72によって構成された有底で略円筒状の形状となっており、気密性および液密性を有する。
気化室70には、電気ヒーター73(加熱手段)と温度センサ75(温度検知手段)とが取り付けられている。電気ヒーター73は、気化室70の底面部71側の部位に内蔵されており、通電することによって気化室70を全体的に加熱できる。そのため、気化室70を電気ヒーター73によって十分加熱した状態で、液体燃料を気化室70内に導入し、気化室70の内周壁に向けて飛散させると、液体燃料が気化する。
回転部材8は、前記した回転軸30bに取り付けられて一体的に回転する。回転部材8が回転すると、燃料パイプ14を介して気化室70内に供給(滴下)された液体燃料が回転による遠心力によって飛散する。飛散した燃料は、気化室70の内壁面に触れる等して加熱されて気化し、燃料ガスとなる。気化室70内において発生した燃料ガスは、送風機2の動作に伴って一次空気流入部17を介して導入された空気(一次空気)と共に攪拌され、濃度が略均一な混合ガスとなる。
すなわち、回転部材8は、気化室70の内部で液体燃料を効率良く気化させるために、燃料パイプ14から滴下された液体燃料(本実施形態では石油を使用)を微粒子状にして飛散させると共に、気化した燃料ガスと一次空気とを撹拌させて均一に混合する働きを行うものである。本実施形態において採用されている回転部材8は、図2に示すように、有底の円筒形の周部を切り起こして複数の羽根8aを設けたものであり、滴下された液体燃料を効率良く飛散させると共に、気化された燃料ガスと一次空気とを均一に混合させることができる。
箱体10の外壁には、図1に示すように、送風機2のモータ30や、後述する空気量調節部4の制御を含む燃焼制御を統括する制御回路(制御手段P)が設けられている。本実施形態では、制御手段Pが、CPUを用いてデジタル処理を行うデジタル回路で構成されている。すなわち、制御手段Pは、CPU、RAM、ROM、I/Oポート、および、必要に応じて、アナログのセンサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、あるいは、生成されたデジタル制御信号をアナログ制御信号に変換するD/A変換回路などを備えている。制御手段Pは、センサの検知信号を参照しつつ燃焼量に応じた制御信号を生成して各部の動作を統括制御する。
制御手段Pは、気化部7に設置された電気ヒーター73への通電開始からの時間を計測可能なタイマA,Bと、送風機2の稼働時間を計測するためのタイマCとを有する。タイマAがカウント可能な時間は、タイマBがカウント可能な時間よりも短い。さらに具体的には、タイマAは、電気ヒーター73への通電開始のタイミングでカウントを開始し、後述する判定動作のうち一次判定動作S1から二次判定動作S2に切り替わるタイミングになるとカウントを完了するタイマである。タイマAは、電気ヒーター73の加熱能力を勘案し、電気ヒーター73への通電を開始すれば、気化部7の温度が所定の温度Tに十分達する時間a(本実施形態では3分)をカウントする構成とされている。
また、タイマBは、タイマAと同様に電気ヒーター73への通電開始からカウントを開始するものであるが、後述する判定動作のうち二次判定動作S2を完了するタイミングになるとカウントを完了するタイマである。すなわち、タイマBが起動してからカウントを完了するまでの時間b(本実施形態では5分)は、タイマAがカウントする時間aよりも長い。
上記したように、燃焼装置1は、液体燃料を気化部7において気化して燃料ガスを生成させ、これを燃焼するものである。そのため、燃焼装置1の運転状態を安定化するためには、気化部7が液体燃料の気化に適当な温度になるように電気ヒーター73の出力を調整する必要がある。
ここで、燃焼装置1では、制御手段Pが温度センサ75によって検知される気化部7の温度に応じて電気ヒーター73の出力調整を行っている。そのため、燃焼装置1の運転状態を安定化するためには、温度センサ75が正常である必要がある。そこで、燃焼装置1では、気化部7の加熱用に設けられた電気ヒーター73の起動時(通電開始時)に温度センサ75が正常であるか否かを判定する判定動作を行っている。
さらに詳細に説明すると、判定動作は、大別して一次判定動作S1と二次判定動作S2との2段階の動作によって構成されている。一次判定動作S1は、リモコン等の操作により燃焼装置1の運転スイッチがオン(入)状態になった際に開始される。
ここで、「運転スイッチ」とは、単に人が操作する、いわゆる「ボタン」部分だけでなく、当該ボタンの操作によって開閉されたり自己保持される制御手段P内の接点や、半導体リレーの電気的な断続機構、あるいはソフトウェア等を含む概念である。本実施形態において、「運転スイッチ」とは、手動又は電気信号によってモードを切り換える機能を持つ物やソフトウェアを意味する。従ってオン・オフされるのは、燃焼装置1の運転モードであって物理的なスイッチそのものではない。また、本実施形態の燃焼装置1は、運転スイッチがオン状態になることを条件として運転モードが運転オンモードに切り替わり、運転スイッチがオフ状態になることを条件として運転モードが運転オフモードに切り替わる。燃焼装置1は、運転モードが運転オンモードになると、気化部7を液体燃料が気化可能な温度に加熱するなどして、燃焼運転の準備状態で待機する。
一次判定動作S1は、気化部7の電気ヒーター73への通電を開始し、その後所定の時間aが経過するまでの間に温度センサ75によって検知される検知温度tに基づいて温度センサ75が正常であるか否かを判定する動作である。すなわち、制御手段Pは、一次判定動作S1において、検知温度tが所定の温度T以上であることを条件として温度センサ75が正常であると判定する。
一方、一次判定動作S1において上記した検知温度tが温度T未満である場合、制御手段Pは、温度センサ75が異常である可能性があると判断する。そこで、制御手段Pは、判定動作を二次判定動作S2へと進め、さらに電気ヒーター73への通電を継続して温度センサ75が正常であるか否かの判定を行う。
ここで、判定動作が二次判定動作S2に移行する場合は、一次判定動作S1において温度センサ75が異常である可能性があると判定された場合であり、実際は気化部7の温度が既に高温になっている可能性がある。そのため、温度センサ75の異常検知のために、単に温度センサ75への通電を継続するだけでは、気化部7が必要以上に高温になる可能性がある。
そこで、判定動作が二次判定動作S2へと移行すると、制御手段Pは、送風機2のファン21を起動して気化部7内に空気を導入する送風動作を行いながら温度センサ75への通電を継続する。そして、二次判定動作S2へと移行してから時間bが経過した時点で温度センサ75によって検知される検知温度tに基づいて温度センサ75が正常であるか否かを判定する。すなわち、二次判定動作S2において、制御手段Pは、前記した検知温度tが所定の温度T以上であるか否かによって温度センサ75が正常に動作しているかを確認する。
ここで、二次判定動作S2の動作中に運転スイッチがオフ状態とされると、制御手段PのタイマA,Bがリセットされる。また、判定動作が二次判定動作S2まで進行している場合は、気化部7が高温になっている可能性が高い。そのため、二次判定動作S2で動作している際に運転スイッチが一旦オフ状態にされた後、再度オン状態にされた場合、すなわち燃焼装置1が再起動された場合は、上記した一次判定動作S1および二次判定動作S2が再度行われることとなり、気化部7が過剰に高温になる可能性がある。
そこで、燃焼装置1は、二次判定動作S2での動作中に運転スイッチがオフ状態とされると、所定時間にわたって送風機2や空気量調節部4を動作させて比較的低温の空気を気化部7に導入する送風動作を実施し、気化部7が過度に高温になるのを防止する。
さらに具体的に説明すると、上記した判定動作は、図4に示すフローチャートに則って実施される。すなわち、制御手段Pは、ステップ1−1において図示しないリモコン等の操作により燃焼装置1の運転スイッチがオン(入)状態になっていることを検知すると、ステップ1−2においてフラグがオン状態であるか否かを確認する。ステップ1−2においてフラグがオン状態でない場合は、燃焼装置1の運転スイッチがオンとされた直後のように、後述するステップ1−13に示す制御フローを経ていない場合である。すなわち、フラグがオフ状態である場合は、燃焼装置1が一次判定動作S1を実施し、フラグがオン状態である場合は、燃焼装置1が二次判定動作S2を実施する場合である。
ステップ1−2においてフラグがオフ状態である場合は、一次判定動作S1を実施すべく、制御フローがステップ1−4に進められる。
一方、ステップ1−2においてフラグがオン状態である場合は、判定動作が二次判定動作S2まで進行しており、気化部7の温度が既に必要以上に高温である可能性がある。そこで、ステップ1−2においてフラグがオン状態である場合、制御手段Pは、制御フローをステップ1−3に進め、気化部7に空気を導入する送風運転を行う。
さらに具体的には、制御フローがステップ1−3に移行すると、制御手段Pは、送風機2のファン21を最小回転数で回転させる。また、制御手段Pは、ステップ1−3においてステップモータ40を作動させて空気量調節部4の移動側板状部材4bを回転させ、一次空気開口4d,4gを連通させる。これにより、空気室15、空気量調節部4の一次空気開口4d,4gおよび空気分流部16の一次空気流入部17を介して外気が気化部7の内部に導入される。その後、制御手段Pは、制御フローをステップ1−4に進める。
制御フローがステップ1−4に進行すると、制御手段Pは、温度センサ75の検知温度tが温度T(本実施形態では150℃)に達しているか否かを確認する。ここで、検知温度tが温度Tよりも低い場合は制御フローが後述するステップ1−12に進行する。一方、検知温度tが温度T以上である場合、ステップ1−5においてフラグがオフ状態にされた後、制御フローがステップ1−6に進む。
制御フローがステップ1−6に進むと、制御手段Pは、燃焼装置1の運転スイッチがオフ状態になっていないかを確認する。ここで、運転スイッチがオン状態である場合、一連の制御フローが完了する。一方、ステップ1−6において運転スイッチがオフ状態である場合、制御手段Pは、以降のステップ1−7〜1−11において送風動作を行い、気化部7を冷却する。さらに具体的には、制御フローがステップ1−7に移行すると、制御手段Pは、タイマA,Bをリセットする。
その後、制御手段Pは、ステップ1−8においてフラグがオン状態であるかを確認する。すなわち、制御手段Pは、ステップ1−8において、二次判定動作S2の途中で運転スイッチがオフ状態とされたのか否かを確認する。
ステップ1−8においてフラグがオフ状態である場合、制御手段Pは、一連の制御フローをステップ1−1に戻す。一方、ステップ1−8においてフラグがオン状態である、すなわち二次判定動作S2の途中で運転スイッチがオフ状態にされたことが確認された場合、制御手段Pは、制御フローをステップ1−9〜11に進め、ステップ1−3と同様にして15分間にわたって送風運転を行い、気化部9が過剰に高温になるのを防止する。
一方、上記したように、ステップ1−4において温度センサ75の検知温度tが温度T未満である場合は、制御フローがステップ1−12に進み、電気ヒーター73への通電が行われる。また、ステップ1−12において電気ヒーター73が起動された場合は、制御手段Pに設けられたタイマA,Bもカウントを開始する。その後、制御フローは、ステップ1−13に進められる。
制御フローがステップ1−13に進むと、制御手段Pは、タイマAのカウントが完了しているか否か、すなわち上記した一次判定動作S1の完了時期に到達したか否かを確認する。ここで、タイマAのカウントが完了していない場合、制御手段Pは、制御フローを上記したステップ1−6に進め、電気ヒーター73を起動した状態で温度センサ75の検知温度tを監視する。すなわち、燃焼装置1は、ステップ1−13においてタイマAがカウントを完了するまで一次判定動作S1を継続する。
一方、ステップ1−13においてタイマAのカウントが完了している場合は、電気ヒーター73の起動から時間aが経過している。従って、この場合は、気化部7が十分加熱されている可能性が高いにもかかわらず、温度センサ75の検知温度tが温度Tに達していない状態であり、温度センサ75が異常である可能性がある。そのため、制御手段Pは、ステップ1−13においてタイマAのカウントが完了していることを条件として制御フローをステップ1−14に進めてフラグをオン状態とし、上記した二次判定動作S2を行う。
すなわち、ステップ1−14においてフラグがオン状態となり、二次判定動作S2が開始されると、ステップ1−15においてタイマBがカウントを完了したことが確認されるか、ステップ1−4において温度センサ75の検知温度tが温度T以上の温度に達したことが確認されるまで二次判定動作S2が実施される。すなわち、ステップ1−1〜1−4とステップ1−6およびステップ1−12〜1−15によって構成される制御フロー(二次判定フロー)に則って電気ヒーター73やファン21、空気量調節部4の動作が制御され、気化部7に空気を供給する送風運転が実施された状態(ステップ1−3)で、電気ヒーター73への通電および温度センサ75の検知温度tの監視(ステップ1−4)が継続される。
上記した二次判定フローに基づいて燃焼装置1が動作している間に、ステップ1−4において温度センサ75の検知温度tが温度T以上になった場合は、温度センサ75が正常に動作している。そのため、この場合、制御手段Pは、制御フローをステップ1−5に進めてフラグをオフ状態にする。その後、運転スイッチがオン状態である間は上記した二次判定フローおよびステップ1−5を含む一連の制御フローに基づいて燃焼装置1の動作が制御され、温度センサ75の異常検知が継続される。また、二次判定フローおよびステップ1−5を含む一連の制御フローを繰り返す間にステップ1−4で温度センサ75の検知温度tが温度T未満であることを検知すると、上記したのと同様にして一次判定動作S1および二次判定動作S2が行われる。
一方、上記した二次判定動作S2の継続中にステップ1−15においてタイマBのカウントが完了したことが確認されると、制御手段Pは、制御フローをステップ1−16に進め、温度センサ75が動作不良を起こしているものと判定する。その後、制御手段Pは、電気ヒーター73への通電を停止すると共に、必要に応じて温度センサ75が異常である旨を図示しないリモコンやブザー等の報知手段を介して燃焼装置1の使用者に報知し、一連の制御フローを終了する。
また、上記した二次判定動作S2の途中、ステップ1−6において運転スイッチがオフ状態になったことが検知されると、ステップ1−7〜1−10に示す制御フローに則って送風動作が実施され、気化部7が冷却される。
上記したように、燃焼装置1は、一次判定動作S1において温度センサ75によって検知される検知温度tが所定の温度Tに到達せず二次判定動作S2に移行すると、送風動作を実施して気化部7に外気を送り込みながら温度センサ75による検知温度tの監視を継続する構成とされている。そのため、燃焼装置1は、温度センサ75の動作チェックが二次判定動作S2まで実施されることとなった場合であっても、気化部7が必要以上に高温にならない。
また、燃焼装置1は、一次判定動作S1において温度センサ75が正常であると断定できない場合に二次判定動作S2を実施する構成とされている。そのため、燃焼装置1は、温度センサ75の動作チェックを必要に応じて十分な時間をかけてチェックすることができる。従って、燃焼装置1は、設置場所の雰囲気温度や外気温等のような外乱の影響を受けることなく温度センサ75の動作チェックを的確に実施できる。
また、上記したように、燃焼装置1が図4に示す制御フローに則って動作する場合は、温度センサ75が異常であると判定されることを条件として、送風動作が実施され、気化部7が冷却される。そのため、燃焼装置1は、温度センサ75が異常と判定され、動作が終了する場合であっても気化部7が過剰に高温にならない。
上記したように、図4に示す制御フローでは、二次判定動作S2に進行した時点で運転スイッチのオン・オフがなされた場合、すなわち燃焼装置1が再起動された場合に送風運転を行うことによって気化部7が過度に高温になるのを防止しながら温度センサ75が異常か否かを判定するものであった。しかし、燃焼装置1は、一次判定動作S1の途中で運転スイッチのオン・オフされ、再起動が繰り返された場合であっても、条件によっては二次判定動作S2に進むまでに気化部7が高温になる可能性がある。
そこで、かかる知見に基づき、一次判定動作S1の完了までに運転スイッチのオン・オフがなされ、燃焼装置1が再起動された場合についても送風動作を行いながら温度センサ75の異常検知を行う構成としてもよい。さらに具体的には、燃焼装置1は、図4に示す制御フローに代わって、図5に示す制御フローに則って動作制御されてもよい。以下、図5に示す制御フローについて詳細に説明する。なお、図5に示す制御フローは大部分が図4に示す制御フローと同一であるため、重複する部分の説明は省略する。
図5に示す制御フローは、ステップ2−1〜2−16が図4に示す制御フローのステップ1−1〜1−16と同一であるが、ステップ2−13においてタイマAがカウントを完了していない場合にステップ2−17,18に進む点が異なる。
さらに詳細に説明すると、上記したように、ステップ2−13においてタイマAのカウントが完了していない場合、燃焼装置1は、一次判定動作S1の途中である。図5に示す制御フローでは、ステップ2−13においてタイマAのカウントが完了していない場合に制御フローがステップ2−17に進み、燃焼装置1の運転スイッチが引き続きオン状態であるか否かが確認される。ここで、運転スイッチがオン状態である場合は、制御フローがステップ2−2に戻り、タイマAがカウントを完了するまで一次判定動作S1を継続する。
一方、ステップ2−17において燃焼装置1の運転スイッチがオフ状態である場合、制御手段Pは、ステップ2−18においてフラグをオン状態にしてから制御フローをステップ2−7に進める。そのため、一次判定動作S1の途中で運転スイッチがオフ状態にされた場合は、ステップ2−7においてタイマA,Bがリセットされた後、制御フローがステップ2−8,9と進み、フラグがオン状態のまま送風運転が行われる。ステップ2−9において送風運転が開始されると、タイマCが起動し、送風運転の実施時間が計測される。
ステップ2−9において送風運転が開始されると、ステップ2−10において送風時間を示すタイマCが15分以上になっているかを確認する。ここで、タイマCが15分以上に達している場合、制御手段Pは、送風運転を停止させ制御フローをステップ2−1に戻す。一方、ステップ2−10においてタイマCが15分未満である場合、制御手段Pは、送風運転を継続させた状態で制御フローをステップ2−1に戻す。
上記したように、一次判定動作S1の途中で運転スイッチがオフ状態にされた場合は、フラグがオンとされた状態でステップ2−1に戻される。そのため、図5に示す制御フローでは、一次判定動作S1の中途で運転スイッチが一旦オフ状態とされた後、ステップ2−1において再度運転スイッチがオン状態とされた場合、すなわち燃焼装置1が再起動された場合は、制御フローがステップ2−2,3の順で進み、送風運転を行った状態で一次判定動作S1が行われることとなる。
上記したように、燃焼装置1が図5に示す制御フローに則って動作する場合は、一次判定動作S1の途中で運転スイッチのオン・オフが繰り返されるなどした場合であっても燃焼装置1が再起動した後は、送風運転を行いながら温度センサ75の動作チェックが行われる。そのため、燃焼装置1は、運転スイッチのオン・オフが繰り返されるなどして、一次判定動作S1が何度も繰り返されることとなっても、気化部7が過剰に高温にならず、温度センサ75の動作チェックを的確に実施できる。
上記した図4や図5に示す制御フローは、判定動作が一次判定動作S1や二次判定動作S2といった複数の段階で構成されており、これらの動作段階の途中で運転スイッチがオン・オフされるなどして電気ヒーター73が再起動されると、再起動前の送風状態を維持したまま判定動作が実施されるものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、送風状態以外の他の動作状態を維持したまま判定動作を実施する構成としてもよい。さらに具体的には、例えば図6に示す制御フローのように、電気ヒーター73への動作しているにもかかわらず温度センサ75の検知温度が所定温度を下回っている時間を積算するタイマEを設け、このタイマEのカウント時間に基づいて電気ヒーター73の異常を検知する構成とした場合は、電気ヒーター73が再起動されてもこのタイマEのカウント値を維持したまま判定動作を実施する構成とすることも可能である。
さらに具体的に説明すると、図6に示す制御フローのステップ3−1において燃焼装置1の運転スイッチがオン状態になると、制御フローがステップ3−2に進み、タイマDがカウントを行う。ここで、タイマDは、制御手段Pに設けられており、運転スイッチのオン・オフに関係なくカウントを行うタイマである。ステップ3−2では、タイマDが停止中である場合はタイマDが起動され、タイマDが作動中である場合はカウントが継続される。その後、制御フローは、ステップ3−3へと進む。
制御フローがステップ3−3に進むと、制御手段Pは、気化部7に設置された温度センサ75の検知温度が150℃に達しているかを確認する。ここで検知される検知温度が150℃以上に達している場合は、温度センサ75が正常に動作している。そのため、制御手段Pは、ステップ3−3aにおいて制御手段Pに設けられたタイマD,E,Fの全てをリセットした後、一連の制御フローを終了し、通常の燃焼動作に移行する。
一方、ステップ3−3において温度センサ75の検知温度が150℃未満である場合、制御手段Pは、制御フローをステップ3−4に進めて気化部7に設置された電気ヒーター73をオン状態にし、ステップ3−5においてタイマE,Fをカウントを進める。ここで、タイマE,Fは、それぞれ制御手段Pに設けられたタイマであり、タイマEは、上記したタイマDのカウント中に電気ヒーター73に通電された時間を積算するタイマである。タイマEは、運転スイッチがオフ状態になるなどして電気ヒーター73への通電が停止されるとカウントも一時停止する構成となっている。また、タイマFは、電気ヒーター73が連続的にオン状態である時間を計測するタイマであり、電気ヒーター73への通電が停止されるとカウントがリセットされる構成となっている。
その後、制御手段Pは、制御フローをステップ3−6に進め、タイマFによってカウントされている時間、すなわち電気ヒーター73への連続的に通電されている時間(連続通電時間)が所定時間U(本実施形態では5分)に達しているか否かを確認する。ここで、所定時間Uは、電気ヒーター73の加熱能力等を加味して設定され、電気ヒーター73に連続的に通電することにより気化部7を十分150℃以上に加熱可能な時間に設定される。従って、ステップ3−6においてタイマFによってカウントされている時間が5分以上である場合は、温度センサ75が正常に働いておらず、気化部7の温度を正確に把握できていない可能性が高い。そのため、制御手段Pは、ステップ3−6においてタイマFのカウント値が5分以上であることを条件として制御フローをステップ3−9に進め、温度センサ75が異常であるものと判断する。その後、制御手段Pは、電気ヒーター73への通電を停止すると共に、必要に応じて温度センサ75が異常である旨を図示しないリモコンやブザー等の報知手段を介して燃焼装置1の使用者に報知し、一連の制御フローを終了する。
一方、ステップ3−6においてタイマFのカウントが5分以下である場合、制御手段Pは、ステップ3−7において運転スイッチのオン・オフにかかわらずカウントを継続しているタイマDのカウント時間が10分に達しているかを確認する。ここで、タイマDのカウントが10分以上である場合、制御手段Pは、制御フローをステップ3−10に進め、タイマD,Eのカウント値をリセットする。ステップ3−7においてタイマDのカウント値が10分未満である場合は、制御フローがステップ3−8に移行し、タイマDの作動中、すなわちタイマDが前にリセットされたタイミングからこの時点までの期間において、電気ヒーター73への通電がなされた期間の積算値が6分以上であるか否かを確認する。
ここで、ステップ3−8においてタイマEのカウントが6分以上である場合は、電気ヒーター73に対して連続的に通電している時間は5分未満であって短い(ステップ3−5参照)が、タイマDが作動している期間において電気ヒーター73に通電している時間は気化部7を150℃まで加熱するのに十分である。そのため、制御手段Pは、ステップ3−8においてタイマEのカウントが6分以上であることを条件として制御フローをステップ3−9に進め、温度センサ75が不良であるものと把握し、一連の動作を完了する。
一方、ステップ3−8においてタイマEのカウントが6分未満である場合、制御手段Pは、制御フローをステップ3−11に進めて燃焼装置1の運転スイッチがオフ状態になっていないかを確認する。ここで、運転スイッチがオン状態である場合は、制御フローをステップ3−1に戻し、引き続き上記した制御フローに則って温度センサ75の動作不良の検知動作を継続する。
また、ステップ3−11において燃焼装置1の運転スイッチがオフ状態である場合、制御手段Pは、制御フローをステップ3−12に進め、タイマDが作動中における電気ヒーター73の作動時間を積算しているタイマEのカウントを、次に運転スイッチがオン状態となり、電気ヒーター73がオン状態になるまで一時停止する。また、ステップ3−11では電気ヒーター73がオフ状態であるため、制御手段Pは、電気ヒーター73の連続作動時間をカウントするタイマFのカウントをリセットする。その後、制御手段Pは、制御フローをステップ3−1に戻す。
上記したように、図6に示す制御フローに則って燃焼装置1を動作させる場合は、タイマDが計時を行っている間に電気ヒーター73がオン状態であるにもかかわらず温度センサ75の検知温度が150℃未満である時間(タイマEのカウント時間)が所定時間(6分)以上であることを条件として温度センサ75が異常であると判定される。そのため、図6に示す制御フローに則って燃焼装置1が動作する場合、燃焼装置1が停止や起動(再起動)を繰り返す等しても一連の判定動作はリセットされずに継続される。従って、図6に示す制御フローに則って燃焼装置1の動作を制御することによっても、気化部を過度に高温にすることなく温度センサ75の異常を検出することができる。
上記したように、燃焼装置1が図4〜図6に示す制御フローに則って動作する場合は、判定動作中に運転スイッチが一旦オフ状態とされる、すなわち運転モードが一旦運転オフモードとされると、電気ヒータ73への通電が一旦停止される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図7のフローチャートに示すように、運転スイッチがオン・オフされ運転モードが切り替わっても、これに関係なく判定動作を継続する構成としてもよい。
さらに具体的に説明すると、図7に示す制御フローに従って燃焼装置1の動作が制御される場合は、先ずステップ4−1において運転スイッチがオン状態であるか否かが確認される。ステップ4−1において運転スイッチがオン状態である場合、制御手段Pは、ステップ4−2において燃焼装置1が判定動作中であるか否かを確認する。さらに具体的には、制御手段Pは、後述するステップ4−2a以降の制御フローによる温度センサ75の判定動作を既に開始しているのか否かを確認する。ここで、燃焼装置1が判定動作中である場合は、制御フローがステップ4−3に進む。一方、燃焼装置1が判定動作中でない場合は、制御フローがステップ4−2に進み、電気ヒータ73が起動されると共に、制御手段Pに設けられたタイマGのカウントが開始され、判定動作が開始される。ここで、タイマGは、判定動作が開始されてからの時間を計測するために設けられたものである。ステップ4−2aにおいて電気ヒータ73およびタイマGが起動されると、制御フローはステップ4−3に進行する。
制御フローがステップ4−3に進むと、制御手段Pは、温度センサ75の検知温度tが150℃に達しているか否かを確認する。ここで、検知温度tが150℃に達している場合は、制御フローがステップ4−6に進む。
制御フローがステップ4−6に進むと、制御手段Pは、燃焼装置1の運転スイッチがオフ状態になっていないかを確認する。ここで、運転スイッチがオン状態である場合、制御フローがステップ4−1に戻される。一方、ステップ4−6において運転スイッチがオフ状態である場合、制御手段Pは制御フローをステップ4−7〜ステップ4−9に進め、15分間にわたって送風運転を行い、気化部9が過剰に高温になるのを防止する。
一方、上記したステップ4−3において温度センサ75の検知温度tが150℃に達していない場合、制御フローがステップ4−4に進められる。ステップ4−4において、制御手段Pは、タイマGにより、判定動作が開始されてから所定時間以上経過していないかを確認される。ここで設定されている時間は、電気ヒータ73を起動して気化部7が150℃に達するのに必要十分な時間とされており、本実施形態では6分に設定されている。
ステップ4−4において、タイマGによってカウントされている時間が6分以上である場合は、温度センサ75が気化部7の正確な温度を検知できていない可能性が高い。そのため、制御手段Pは、ステップ4−4においてタイマGによるカウント時間が6分以上であることを条件として制御フローをステップ4−5に進め、温度センサ75が異常であるものと判定し、一連の制御フローを終了する。
一方、ステップ4−4においてタイマGのカウント時間が6分未満である場合、制御手段Pは、判定動作を継続すべく制御フローをステップ4−10に進める。制御フローがステップ4−10に進行すると、制御手段Pは、運転スイッチがオフ状態であるか否か、すなわち運転モードが運転オンモードから運転オフモードに切り替えられているか否かを確認する。ここで、運転スイッチがオン状態である場合は、運転モードが運転オンモードであるため、制御フローがステップ4−1に戻され、引き続き判定動作が継続される。
一方、ステップ4−10において運転スイッチがオフ状態である場合は、制御フローをステップ4−11に進め、気化部冷却信号がオン状態であるかを確認する。ここで、気化器冷却信号とは、メンテナンス等のために気化部を強制的に停止させ、冷却すべき時に発信される信号である。ステップ4−11において気化部冷却信号がオン状態である場合は、制御フローがステップ4−12に進行し、電気ヒータ73が停止されて一連の制御フローが完了する。一方、ステップ4−11において気化部冷却信号がオフ状態である場合は、制御フローがステップ4−1に戻され、判定動作が継続される。
上記したように、図7に示す制御フローでは、ステップ4−10において運転スイッチがオン状態であろうとなかろうと、気化部冷却信号がオン状態であるような特別な場合を除いて判定動作が継続される。換言すれば、図7に示す制御フローに則って動作する場合は、運転スイッチにより運転モードを切り替え、いわゆる再起動が繰り返されても、気化部冷却信号がオン状態である場合を除いて電気ヒータ73への通電が継続され、判定動作が継続される。そのため、図7に示す制御フローに則って判定動作が実施されれば、判定動作中に運転モードが切り替えられても電気ヒータ73に通電される時間が略一定となり、気化部7が必要以上に高温にならない。
また、図7に示す制御フローに則って判定動作を実行する場合は、判定動作が一旦開始されると運転スイッチがオン・オフされ、運転モードが切り替えられても判定動作が中断やリセットされない。そのため、図7に示す制御フローによれば、判定動作中に運転モードが切り替えられても判定動作が遅延されず、温度センサ75が異常であるか否かを確実かつスムーズに検出することができる。
上記実施形態では、燃焼装置1が図4〜図6のいずれかに示す制御フローに則って温度センサ75の異常を検出する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図4および図6に示す制御フローを組み合わせたり、図5および図6に示す制御フローを組み合わせる等して実施する構成としてもよい。
上記実施形態では、送風機2と空気量調節部4の双方を作動させて送風運転を実施し、気化部7に対して空気を送り込む構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば送風機2や空気量調節部4のみを作動させる構成等としてもよい。すなわち、上記実施形態では、送風機2および空気量調節部4の双方を送風手段として使用したものであったが、いずれか一方のみを送風手段として用いる構成としたり、気化部7に対して送風可能な送風手段を別途設ける構成としてもよい。