JP4324760B2

JP4324760B2 - 電池

Info

Publication number: JP4324760B2
Application number: JP2002379531A
Authority: JP
Inventors: 岳人松原; 親市地主; 田中　　義則
Original assignee: GS Yuasa Corp
Current assignee: GS Yuasa Corp
Priority date: 2002-12-27
Filing date: 2002-12-27
Publication date: 2009-09-02
Anticipated expiration: 2022-12-27
Also published as: JP2004213937A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発電要素を収納すると共に、正負の端子も複数個ずつ備えた電池に関する。
【０００２】
【従来の技術】
電池は、図４に示すように、電池缶等からなる電池容器１に電解液を共用する巻回型の発電要素２を複数個（図では２個）収納する場合がある。このような電池において、１個ずつの正極端子３と負極端子４を電池容器１にそれぞれ取り付けた場合には、図４（ａ）に示すように、各発電要素２の電極に接続された複数の集電接続体５を１箇所に集めて端子３，４に接続することになるので、これらの集電接続体５を端子３，４まで引き回すための距離が長くなり、電池の内部抵抗が大きくなって電池特性が低下する。特に大型の電池では、このように内部抵抗が大きくなると、電圧降下が大きくなりすぎて大電流を取り出すことができず、また、集電接続体５が分岐するために電流分布も不均一になり易いので、これによってさらに電圧降下が大きくなることもある。
【０００３】
そこで、図４（ｂ）に示すように、正極端子３と負極端子４を発電要素２と同数個（図では２個）ずつ電池容器１に取り付け、各発電要素２の正負の電極を、これに対応する１個ずつの正極端子３と負極端子４にそれぞれ接続したものが従来から開発されていた（例えば、特許文献１参照。）。このように発電要素２ごとに端子３，４を設けると、この発電要素２の電極から端子３，４までの距離を最短にすることができるので、電池の内部抵抗を小さくすることができる。特に、特許文献１に示す電池では、各発電要素２の正負の電極が直接端子３，４に接続されているので、集電接続体５での電圧降下が全くなくなり、大電流を取り出し易くなる。
【０００４】
【特許文献１】
特開２０００−３３１７１４号公報（図１、図３）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、共通電解液中の各発電要素２ごとに端子３，４を設けると、個々の発電要素２ごとの電池特性に相違があった場合に、この特性差がそのまま各組の端子３，４に現れるという問題があった。
【０００６】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、正負の複数個ずつの端子をそれぞれ全ての発電要素の電極に接続することにより、各発電要素に特性差がある場合にも、端子の組ごとに現れる特性差を緩和することができる電池を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１の発明は、一つの電池容器に電解液を共用する巻回型の発電要素が複数個収納されると共に、この電池容器に正極端子と負極端子がそれぞれ複数個ずつ取り付けられ、これらの各端子ごとに設けられた複数の集電接続体が電池容器内部でそれぞれ複数個全ての発電要素の対応する電極に別個に接続されることにより全ての発電要素が並列接続されたことを特徴とする。
【０００８】
請求項１の発明によれば、複数個の正極端子がそれぞれ全ての発電要素の正極に接続されると共に、複数個の負極端子もそれぞれ全ての発電要素の負極に接続されるので、各発電要素がそれぞれの組の正負極端子に並列に接続されることになり、個々の発電要素ごとの電池特性に差があった場合にも、正負極端子の組ごとに見た電池特性にはこの特性差が緩和されて現れるようになる。
【０００９】
なお、各発電要素の正極と負極は、それぞれ各正極端子と各負極端子に接続されるので、正極端子と負極端子が１個ずつしかない場合と同様に、集電接続体をこれらの端子まで引き回すための距離が長くなることがある。しかしながら、本発明では、正極端子と負極端子が複数個ずつあるので、例えば特定の発電要素の正極から特定の正極端子に接続する集電接続体の距離が長くなったとしても、この発電要素の正極から別の正極端子に接続する集電接続体の距離を短くすることができ、特定の発電要素のみがいずれの端子への距離も他より長くなるというような不均衡が生じるのを防ぐことができる。しかも、端子側から見た各発電要素の電極までの集電接続体の距離に長短があったとしても、この距離の長短に応じて電流の大きさが配分されるので、距離の長い集電接続体で電圧降下が特に大きくなったり発熱量が多くなるようなこともなくなる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【００１１】
図１〜図３は本発明の一実施形態を示すものであって、図１は非水電解質二次電池における発電要素と端子及び集電接続体とを示す斜視図（ａ）とこれらの接続を示す回路図（ｂ）、図２は非水電解質二次電池における発電要素の電極と集電接続体を介した端子との接続を示す斜視図、図３は電池ケースの開口部に中央部蓋板を取り付ける直前の非水電解質二次電池の斜視図である。なお、図４に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【００１２】
本実施形態は、図３に示すような角形筒状の電池ケース１ａの内部に、図１（ａ）に示すような長円筒形巻回型の発電要素２を２個並べて収納し、図３に示すように、この電池ケース１ａの両端の開口部にそれぞれ蓋板１ｂ〜１ｄを取り付けた非水電解質二次電池について説明する。電池ケース１ａは、ステンレス鋼板やアルミニウム合金板等を、短辺（図示の水平方向）に比べて長辺（図示の垂直方向）の方が長い矩形の断面を有する角形筒状に成形したものであり、両端に開口部を有する。発電要素２は、正極と負極を軸方向にずらしてセパレータを介し巻回することにより、一方の端面からは正極基体（活物質を保持するための導電性部材であり、集電体ともいう）であるアルミニウム箔を突出させると共に、他方の端面からは負極基体である銅箔を突出させた長円筒形巻回型のものである。そして、２個の発電要素２を長円筒形の平坦な側面が重なり合うように並べ、一方の端面側から電池ケース１ａの開口部に挿入することにより、これらの発電要素２の両端面がこの電池ケース１ａの両端の開口部側を向くように収納される。また、これら２個の発電要素２は、一方の開口部側には共にアルミニウム箔が突出し、他方の開口部側には共に銅箔が突出するような向きで収納される。
【００１３】
蓋板１ｂ〜１ｄは、電池ケース１ａの開口部に嵌め込まれることにより電池容器１を構成する。これらの蓋板１ｂ〜１ｄは、長方形状のステンレス鋼板やアルミニウム合金板等からなり、組み立て前には、長手方向の上下端部を構成する２枚のほぼ正方形の端子部蓋板１ｂ，１ｃと、これらの間の中央部を構成する１枚の中央部蓋板１ｄとに分割され、組み立て後に接合して一体化されることになる。これらの蓋板１ｂ〜１ｄは、収納された発電要素２の正極基体であるアルミニウム箔が突出した開口部に嵌め込むものが正極側となり、負極基体である銅箔が突出した開口部に嵌め込むものが負極側となる。また、図１（ａ）に示すように、正極側の端子部蓋板１ｂ，１ｃには、それぞれ正極端子３が１個ずつ取り付けられ、負極側の端子部蓋板１ｂ，１ｃには、それぞれ負極端子４が１個ずつ取り付けられている。この正極端子３は、アルミニウム合金材からなり、負極端子４は、銅合金材等からなる。ただし、正極端子３は、電池内部で電解液と接触する部分がアルミニウム合金材で構成されていればよいので、外部との接続のためのボルト部等は強度を高めるために銅合金等で構成することが好ましく、このようなアルミニウム合金材と銅合金材を予め接合したものを使用することができる。
【００１４】
上記各端子部蓋板１ｂ，１ｃには、表面（電池ケース１ａの開口部に取り付けられたときに外部となる側の面）上の中央部に絶縁封止材を介して正極端子３又は負極端子４が載置されると共に、この端子３，４の裏面側から突出した突起が端子部蓋板１ｂ，１ｃの板面を貫通するようになっている。そして、各端子部蓋板１ｂ，１ｃの裏面には、絶縁封止材を介して集電接続体５が配置され、ここに突出した端子３，４の突起がこの集電接続体５の板面をも貫通してかしめられる。従って、集電接続体５は、端子部蓋板１ｂ，１ｃの裏面側で端子３，４の突起にかしめられることにより、この端子部蓋板１ｂ，１ｃの表面側の端子３，４の本体に接続固定されることになる。また、これらの集電接続体５と端子３，４は、それぞれ絶縁封止材を介して端子部蓋板１ｂ，１ｃとは絶縁されると共に、貫通部が封止されるようになっている。中央部蓋板１ｄは、図３に示すように、電池ケース１ａの開口部に嵌め込んだこれら端子部蓋板１ｂ，１ｃの間の空間を塞ぐ長方形の板材である。
【００１５】
上記集電接続体５は、正極側の場合はアルミニウム合金板、負極側の場合は銅合金板ややニッケル合金板等からなり、図１（ａ）に示すように、ほぼ正方形の本体の一辺側から上方又は下方に向けて４本の細板部５ａを櫛歯状に突設したものである。そして、これらの集電接続体５は、本体の中央部が端子部蓋板１ｂ，１ｃの裏面で端子３，４の突起にかしめられ、細板部５ａは、この端子部蓋板１ｂ，１ｃの裏面側から中央部蓋板１ｄが接合される中央部側に突出することになる。
【００１６】
上記各端子部蓋板１ｂ，１ｃは、図３に示すように、まず電池ケース１ａの両端の開口部の上下端部に嵌め込まれる。すると、集電接続体５の各細板部５ａがこれら上下端部の端子部蓋板１ｂ，１ｃよりも中央側に突出して、電池ケース１ａの図示を省略した図２に示すように、２個の発電要素２の端面からそれぞれ突出した正極基体又は負極基体となる金属箔と重なり合うようになる。そこで、図示しない挟持板の間に細板部５ａを金属箔と共に挟んで超音波溶着により接続する。この際、電池ケース１ａの開口部における上下端部の端子部蓋板１ｂ，１ｃの間の空き空間を利用して超音波溶着の作業を行うことができる。このようにして各細板部５ａが２個の発電要素２の電極に接続されると、各端子３，４は、図１（ｂ）に示すように、電池容器１の内部でそれぞれ集電接続体５を介して２個の発電要素２の電極に接続されることになる。なお、挟持板は、正極側の場合にはアルミニウム合金、負極側の場合には銅合金等の薄い板材を二つ折りにしたものであり、この二つ折りの間に細板部５ａと金属箔を挟み込んで、二つ折りの板材の両側から超音波溶着を行う。
【００１７】
上記のようにして発電要素２の電極と集電接続体５の細板部５ａとの接続が完了すると、図３に示すように、電池ケース１ａの両端の開口部における上下端部の端子部蓋板１ｂ，１ｃの間にそれぞれ中央部蓋板１ｄを嵌め込み、端子部蓋板１ｂ，１ｃと中央部蓋板１ｄとの間を溶接により接合して蓋板１ｂ〜１ｄを一体化すると共に、この蓋板１ｂ〜１ｄと電池ケース１ａの開口端縁部との間も溶接により接合することにより電池容器１を一体化して非水電解質二次電池を完成する。なお、電解液は、蓋板１ｂ〜１ｄの接合後に図示しない注液口等から、又は、接合の際に開口部から電池ケース１ａの内部に注入される。
【００１８】
上記構成の非水電解質二次電池によれば、図１（ｂ）に示すように、２個の正極端子３がそれぞれ２個の発電要素２の正極に接続されると共に、２個の負極端子４がそれぞれ２個の発電要素２の負極に接続されるので、これら２個の発電要素２の電池特性に差があった場合にも、一方の正極端子３と負極端子４の組から見た電池特性と他方の正極端子３と負極端子４の組から見た電池特性との間には、この発電要素２の特性差が緩和されて現れることになる。特に本実施形態の場合には、各集電接続体５が２個の発電要素２と端子３，４との間を同じ距離で接続するので、この電池特性の差を完全に均衡させることができる。
【００１９】
なお、上記実施形態では、集電接続体５の細板部５ａと発電要素２の電極との接続作業のために蓋板１ｂ〜１ｄを分割する場合を示したが、この接続作業に不都合がなければ蓋板を分割する必要は特にない。また、上記実施形態では、電池ケース１ａの両端開口部にそれぞれ蓋板を取り付ける電池容器１を示したが、この電池容器１の構成は任意である。例えば容器状の電池ケース１ａの一方側のみの開口部に蓋板を取り付けるようにした電池容器１にも同様に実施可能である。正極端子３と負極端子４は、このような電池容器１のいずれかの場所に複数個ずつ取り付けられていればよい。
【００２０】
また、上記実施形態では、集電接続体５が４本の細板部５ａにより発電要素２の電極と接続する場合を示したが、この集電接続体５と電極との接続構造や接続方法も限定されない。例えば、集電接続体５に波板状のＵ字部を形成し、このＵ字部に電極を挟んで接続することもできる。さらに、電極を挟み込むのではなく、この電極と集電接続体５とを当接させておいて抵抗溶接等により接続することも可能である。
【００２１】
また、上記実施形態では、長円筒形巻回型の発電要素２を用いる場合について示したが、１枚ずつの正極と負極が巻回されて構成された発電要素であれば、巻回の形状は任意であり、円筒形や楕円形等のものを用いることもできる。さらに、上記実施形態では、非水電解質二次電池について説明したが、他の電池にも同様に実施可能である。
【００２２】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池によれば、正負の複数個ずつの各端子が複数個の発電要素の電極にそれぞれ並列に接続されるので、これらの各発電要素の電池特性に相違があった場合にも、正負極端子の各組から見たこの特性差を緩和することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池における発電要素と端子及び集電接続体とを示す斜視図（ａ）とこれらの接続を示す回路図（ｂ）である。
【図２】本発明の一実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池における発電要素の電極と集電接続体を介した端子との接続を示す斜視図である。
【図３】本発明の一実施形態を示すものであって、電池ケースの開口部に中央部蓋板を取り付ける直前の非水電解質二次電池の斜視図である。
【図４】従来例を示すものであって、２個の発電要素を有し、正負極の端子を１個ずつ設けた電池の回路図（ａ）と、正負極の端子を２個ずつ設けた電池の回路図（ｂ）である。
【符号の説明】
１電池容器
１ａ電池ケース
１ｂ端子部蓋板
１ｃ端子部蓋板
１ｄ中央部蓋板
２発電要素
３正極端子
４負極端子
５集電接続体
５ａ細板部

Claims

一つの電池容器に電解液を共用する巻回型の発電要素が複数個収納されると共に、この電池容器に正極端子と負極端子がそれぞれ複数個ずつ取り付けられ、これらの各端子ごとに設けられた複数の集電接続体が電池容器内部でそれぞれ複数個全ての発電要素の対応する電極に別個に接続されることにより全ての発電要素が並列接続されたことを特徴とする電池。