JP4324569B2 - 含フッ素2,4−ジオール類およびその誘導体の製造方法 - Google Patents

含フッ素2,4−ジオール類およびその誘導体の製造方法 Download PDF

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本発明は、次世代フォトレジストに対応するモノマー用の原料として有用な化合物である式[4]
(式中、R1は水素原子、または炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R2は炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。1およびR2はつながって環を形成していてもよい。)
で表される化合物の製造方法に関する。
含フッ素2,4−ジオール類は、次世代レジスト材料のモノマー用の中間原料として有望な化合物であり、該化合物のアクリル酸、メタクリル酸等アクリル酸類のエステルを構成要素として含有するレジストは光の透過性、表面吸着性に優れていることが知られている(特許文献1)。
本発明で対象とする、一般式[4]で示される含フッ素2,4−ジオール類は、以下の方法で合成できることが知られている。
式[1]で示されるヘキサフルオロアセトン
と、一般式[2]で示されるカルボニル化合物
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。)
とを無触媒で、160℃に加熱することにより、一般式[3]で表される含フッ素ヒドロキ
シケトン
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。)
を得(工程a)、次いでこれを、イソプロパノールを溶媒として、アルミニウムイソプロポキシドで還元し、含フッ素2,4−ジオール類[4]を得る(工程b)方法(特許文献2)。
特開2003−040840号公報 米国特許3662071号明細書
特許文献2の方法によれば、式[4]を包含する化合物を、実験室レベルでは簡便に製造できる。しかしながら、該方法の「工程a」では、ヘキサフルオロアセトン[1]と、カルボニル化合物[2]とを160℃に加熱するため、4MPa程度の高い圧力がかかり、この圧力に耐える反応装置が必要であった。この反応を2MPa以下の圧力で行った場合、反応温度が100℃程度となり、40時間反応させても、添加剤を加えた場合の1/5程度しか反応が進行していないことが判明した。また、「工程b」では、イソプロパノールを溶媒として、大量のアルミニウムイソプロポキシドを還元剤として使用するため、アルミニウム廃棄物、含有機排水等を大量に排出するという問題があった。このように、特許文献2の方法は、工業的規模で実施する場合には、負荷のかかるものであった。
そこで、本発明の目的は、上記のような問題が生じない含フッ素2,4−ジオール類の製造方法を提供することにある。
本発明者らはかかる従来技術の問題点に鑑み、工業的規模での製造に適した含フッ素2,4−ジオール類[4]の製造法を確立するべく、鋭意検討を行なった。
その結果、式[1]で表されるヘキサフルオロアセトン
と、一般式[2]で表されるカルボニル化合物
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。)
とを反応させ、一般式[3]で表される含フッ素ヒドロキシケトン
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。)
を製造する際、添加剤として、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等の含フッ素アルコール類、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の含フッ素スルホン酸類、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉄、塩化チタン等の金属塩化物、硫酸等の無機酸、BF3からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(ルイス酸)を共存させると、目的反応が格段に低温で進行するようになり、反応圧力の大幅な低減を図れることを見出した(第1工程)。
なお、この第1工程の反応(アルドール型の反応)を行う上では、上記ルイス酸の代わりに、塩基性物質を用いることも考えられる。しかしながら、本発明の反応系では塩基性物質の反応促進効果は弱く、上述のルイス酸群に特異的に強い反応促進効果があることがわかった。
さらに本発明者らは、上記第1工程により得ることができる、一般式[3]で表される含フッ素ヒドロキシケトンを、ルテニウム触媒の存在下、水素(H2)と接触させることにより、式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール類
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。)
を効率よく製造できる(第2工程)ことを見出した。ここで「ルテニウム触媒」とは、ルテニウム金属、またはルテニウムを担体(活性炭、アルミナ、シリカ、クレー等)に担持させたものの他、ルテニウム塩(例えば、RuCl3,RuBr3、Ru(NO33など)、ルテニウム錯体(例えばRu(CO)5,Ru(NO)5,K4[Ru(CN)6]、Ru(phen)3Cl3(なおphenはフェナントロリンを表す))、酸化ルテニウムなどのことを指す。
本反応は、ルテニウム以外の金属を用いた場合は良好に進行しない。例えば触媒にPd/C(パラジウム−カーボン触媒)を使用した場合には、目的とする反応は事実上進行しない。また触媒にPt/C(白金−カーボン触媒)を使用し、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンを水素(H2)と接触させる方法では、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールへの還元が3.0%しか進行しない。これに対し、ルテニウム触媒を用いた場合には、目的反応が穏和な条件下で、ほぼ定量的に進行することが明らかになった。
上記、第1工程と第2工程を組み合わせることにより、一般式[1]の化合物と、一般式[2]の化合物を原料として、特許文献2記載の方法に比べはるかに穏和な反応条件で、廃棄物も少なく、かつ収率良く、一般式[4]で表される目的物が製造できることとなった。
このようにして得られた、一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオールをさらに、一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。R3はH,Cm2m+1,Cn2n+1の何れかの基を
表す(m、nは各々1〜4の整数を表す)。XはF,Cl,または次の式[5a]で表される基
の何れかを表す。なお式[5a]中のR3の意味は、式[5]中と同じ。)と、反応させると、レジスト用モノマーとして有用な、一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物
(式中、R1,R2,R3は前記と同じ意味を表す。)を容易に製造できる(第3工程)。
すなわち本発明は、一般式[3]で示されるヒドロキシケトン
(式中、R1は水素原子、または炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R2は炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。1およびR2はつながって環を形成していてもよい。)
をルテニウム触媒の存在下、水素により還元することを特徴とする、式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール
(式中、R1およびR2の意味は前記に同じ。)
の製造方法を提供する。
また本発明は、一般式[3]で示されるヒドロキシケトンが、式[1]で示されるヘキサフルオロアセトン
と、一般式[2]で示されるカルボニル化合物
(式中、R1およびR2の意味は前記に同じ。)
とを、含フッ素アルコール、カルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、含フッ素スルホン酸、金属塩化物、無機酸、BF3 からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下、反応させて得たものであることを特徴とする、上記の方法を提供する。
また本発明は、上記方法において、一般式[3]で示されるヒドロキシケトンが、式[1]で示されるヘキサフルオロアセトンと、一般式[2]で示されるカルボニル化合物とを、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉄、塩化チタン、硫酸、BF3からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の共存下、反応させて得たものであることを特徴とする、上記の方法を提供する。
また本発明は、上記の何れかの方法で製造した、一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオールを、一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体
(式中、R1とR2の意味は前記に同じ。R3はH,Cm2m+1,Cn2n+1の何れかの基を
表す(m、nは各々1〜4の整数を表す)。XはF,Cl,または次の式[5a]で表される基
の何れかを表す。なお式[5a]中のR3の意味は、式[5]中と同じ。)
と反応させることを特徴とする、一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物
(式中、R1、R2、R3の意味は前記に同じ。)
を製造する方法を提供する。
また本発明は、一般式[3]で表されるヒドロキシケトンにおけるR1が水素原子、R2がメチル基であることを特徴とする、上記の、式[4a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオール
の製造方法を提供する。
また本発明は、カルボニル化合物がアセトンである、上記何れかに記載の方法を提供する。
また本発明は、ヒドロキシケトンを水素により還元する際に、ヒドロキシケトン1モルあたり0.0002〜0.04モル(Ru原子換算)のルテニウム触媒を用い、なおかつ反応温度を30〜120℃、水素圧を0.15〜2MPaとすることを特徴とする、上記の何れかに記載の方法を提供する。
また本発明は、ヘキサフルオロアセトンをカルボニル化合物と反応させる際に、カルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、含フッ素スルホン酸、金属塩化物、無機酸、BF3からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を共存させ、かつ温度を40〜70℃として反応を行うことを特徴とする、上記何れかに記載の方法を提供する。
また本発明は、上記方法において、ルテニウム触媒が、ルテニウムを活性炭、アルミナまたはシリカに担持した固相触媒であることを特徴とする、上記いずれかの方法を提供する。
また本発明は、式[3a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−−オン
を、ルテニウムを活性炭に担持させた触媒の存在下、水素により還元する際に、ヒドロキシケトン1モルあたり0.0002〜0.04モル(Ru原子換算)のルテニウム触媒を用い、なおかつ反応温度を30〜120℃、水素圧を0.15〜2MPaとすることを特徴とする、式[4a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオール
の製造方法を提供する。
また本発明は、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−−オンが、ヘキサフルオロアセトンとアセトンを、硫酸の存在下、40〜70℃で反応させて得たものであることを特徴とする、前記の方法を提供する。
本発明の方法をスキーム1にまとめる。
本発明によれば、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンとカルボニル化合物から二段階の反応で目的とする含フッ素2,4−ジオールを製造することができる。このため本発明は、工業的な規模で含フッ素2,4−ジオールを製造するための優れた方法である。得られた含フッ素2,4−ジオールは、アクリル酸誘導体と反応させると、容易に含フッ素アクリル酸エステルに誘導できる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明において、一般式[2]で表されるカルボニル化合物の置換基としては、R1は水素原子、または炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基)。R2は炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基)である。一般式[2]のケトンを例示すると、アセトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、イソプロピルメチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロン、ジエチルケトン、ジn−プロピルケトン、ジイソプロピルケトンなどが挙げられる。R1とR2はつながって環を形成していてもよく、このような化合物としては、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン等が挙げられる。これらのケトン類は公知の方法で合成することができる他、試薬としても容易に入手可能である。
このうち、生成物の有用性が顕著なことから、アセトンが特に好ましい例である(R1=水素原子、R2=メチル基)。式[2]で表されるカルボニル化合物がアセトンである場合には、第1工程の生成物は式[3a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンとなり、第2工程の生成物は式[4a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールとなる。
また、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンも好ましい。
本発明の方法は、第1工程、第2工程、第3工程のいずれにおいても、バッチ式反応装置において実施することができる。以下においてその反応条件を述べるが、それぞれの反応装置において、当業者が容易に調節しうる程度の反応条件の変更を妨げるものではない。
まず、第1工程について説明する。第1工程は、添加剤の存在下、ヘキサフルオロアセトンを、一般式[2]で示されるカルボニル化合物と反応させ、一般式[3]で表される含フッ素ヒドロキシケトンを得る工程である。
第1工程に使用する添加剤としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等の含フッ素アルコール類、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸類、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉄、塩化チタン等の金属塩化物、硫酸等の無機酸、BF3(BF3としては、BF3エーテラートを含む。)からなる群より選ばれる少なくとも一種のものが、好適に用いられる。これらのルイス酸は何れも触媒として機能し、当量よりも少ない添加量であっても高い反応促進効果を有することが分かった。これらのうち硫酸は安価であるだけでなく、添加剤としての触媒効果も大きいので、特に好ましい。
使用する添加剤の量は基質のヘキサフルオロアセトン1モルに対して通常0.0001〜1.0モルであり、0.0005〜0.5モルが好ましく、0.001〜0.2モルがより好ましい。基質のヘキサフルオロアセトン1モルに対して添加剤量が0.0001モル未満では反応の転化率が低下し、敢えて添加剤を加える効果が出にくくなる。また1.0モルを超えると反応に関与しない添加剤の量が増加するため経済的に好ましくない。
第1工程のヘキサフルオロアセトンとカルボニル化合物との反応を実施する際、添加剤として1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のフッ素化アルコール類を用いた場合の反応温度は通常60〜140℃であり、70〜120℃が好ましく、80〜110℃がより好ましい。60℃未満では反応速度が極めて遅く、実用的製造法とはならない。また、140℃を超えると反応圧力が高くなり、添加剤を加えるという本発明のメリットが得られにくくなるから、好ましくない。
本発明のヘキサフルオロアセトンとケトン類との反応を実施する際、添加剤として酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉄、塩化チタン等の金属塩化物、硫酸等の無機酸、BF3(なお、BF3としては、BF3エーテラートを含む)からなる群より選ばれる少なくとも一種のものを用いた場合の反応速度促進効果は、上記1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のフッ素化アルコール類を用いた場合よりも大きく、反応温度は通常0〜90℃であり、20〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。0℃未満では反応速度が極めて遅く、実用的製造法とはならない。また、90℃を超えて加熱しても反応速度に著しい増大は見られず、エネルギー効率の観点から経済的に好ましくない。
本発明のヘキサフルオロアセトンとケトン類との反応に用いられるカルボニル化合物の量はヘキサフルオロアセトン1モルに対して0.8〜10.0モルであり、0.9〜5.0モルが好ましく、1.0〜2.0モルがより好ましい。ヘキサフルオロアセトン1モルに対してカルボニル化合物の量が0.8モル未満では、反応の選択率、目的物の収率共に低下し、10.0モルを超えると反応に関与しないカルボニル化合物が増加し、廃棄の手間から経済的に好ましくない。
本反応において、ケトン類が固体の場合には、ケトン類が可溶な溶媒を使用すると、反応が特に円滑に進行するため、好ましい。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素化合物、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が好ましく、これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。また、第1工程の反応は、水がない条件下で行うのが好ましい。
第1工程の反応に要する時間は、反応温度、添加剤の種類、量に依存する。適宜、ガスクロマトグラフィー、薄相クロマトグラフィーなどの手段で、反応の進行状況を確認しつつ反応を行うことが好ましい。反応基内の圧力は、原料ヘキサフルオロアセトンの有無に依存するため、圧力変化を観測しつつ、反応の終点を定めるのも有効な方法である。
第1工程の反応に使用される反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
次に第2工程につき、説明する。第2工程は、一般式[3]で表される含フッ素ヒドロキシケトンを、触媒の存在下、水素により還元し、発明の目的物である一般式[4]で示される含フッ素2,4−ジオール類を得る工程である。一般式[3]の含フッ素ヒドロキシケトンとしては、本発明の第1工程によって製造されたものを用いるのが経済的であり好ましい。
第2工程において使用されるルテニウム触媒は、ルテニウム金属、ルテニウムを担体(活性炭、アルミナ、シリカ、クレー等)に担持したものの他、ルテニウム塩(例えば、RuCl3,RuBr3、Ru(NO33など)、ルテニウム錯体(例えばRu(CO)5,Ru(NO)5,K4[Ru(CN)6]、Ru(phen)3Cl3(なおphenはフェナントロリンを表す))、酸化ルテニウム等を指す。
しかし、ルテニウムを担体に担持させた固相触媒が、特に高い活性を示し、かつ安定性も高く、取扱いが容易であるため、好ましい。これらの固相触媒は、例えばルテニウム塩を溶液に溶かし、この溶液を担体に含浸させた後、加熱しながら、H2ガスで還元処理することで調整できる。特にRu/C(ルテニウムカーボン触媒)、ルテニウム−アルミナ触媒、ルテニウム−シリカ触媒は商業的に容易に入手でき、活性も高いことから好ましい。これらは含水品(例えば、触媒全重量中、50重量%の水を含む製品)を使用すると特に取扱いやすい。またこれらの触媒の固体成分(水以外の成分)中のRuの含量には特別な制限はないが、2重量〜10重量%程度(例えば5重量%)のものが、入手も容易で、安定性も高く、取扱いやすいため、好ましく用いられる。
なお、これらのルテニウム触媒の複数種類を共存させて第2工程の反応を行うこともできるが、通常、特別のメリットはない。
第2工程の反応に用いるルテニウム触媒の量は、式[3]で表される含フッ素ヒドロキシケトン1モルあたり、Ru原子換算で通常0.0002モル〜0.04モルであり、0.0004モル〜0.02モルが好ましく、0.001モル〜0.01モルがさらに好ましい。ルテニウム触媒が上記下限値よりも少ないと、反応速度が低下し、上限値よりも多いと経済的に好ましくない。
第2工程における水素は、常圧(0.1MPa)〜5MPaで供給することができるが、水素圧を加圧で供給すると、反応速度が上がり、操作も簡便であるため好ましい。具体的には0.15〜2MPaが好ましく、0.3〜1MPaで行うとさらに好ましい。なお常圧未満であっても反応を行うことはできるが、反応が遅くなることがあり、設備的にも煩雑になるため、特にメリットはない。
本反応において使用するルテニウム触媒は、安定性は高く、空気中でも用いることができるが、より高い活性を維持するために、反応基内を水素ガスで置換し、空気(酸素)を排除した上で、反応を行うことが特に効果的である。
本反応においては溶媒を使用すると、反応が特に円滑に進行するため、好ましい。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒が好ましく、これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。
本反応に使用する溶媒の溶媒量は、一般式[3]で表される化合物1gに対して0.005〜100gであり、0.01〜20gが好ましく、0.1〜10gがより好ましい。100gを超えると生産性の観点から経済的に好ましくない。
本反応を実施する際の反応温度は通常、0〜150℃であり、30〜120℃が好ましく、50℃〜90℃がより好ましい。0℃未満では反応速度が極めて遅く実用的製造法とはならない。また、150℃を超える温度に加熱しても反応速度に著しい変化はなく、エネルギ−効率の観点から経済的に好ましくない。
第2工程を行う反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
第2工程の反応に要する時間は、反応温度、触媒の種類、量に依存する。反応基内の圧力等からH2の消費状況を随時観察し、H2の消費が事実上完了した段階で反応を行うことが好ましい。
次に第3工程について説明する。第3工程は、第2工程で得られた、一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオールを、一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体と反応させ、一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物を合成する工程である。一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体の置換基R3としては、H,メチル、トリフルオロメチル
が、一般式[6]で表される生成物の有用性から特に好ましい。
本工程は、一般的なエステル化の手段によればよいが、好ましい方法、条件等につき、以下に述べる。
一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体がα−置換アクリル酸ハロゲン化物の場合、本発明の第3工程は塩基の共存下、行うことが好ましい。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ジメチルアミノピリジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種のものが、好適に用いられる。これらのうちピリジン、2,6-ジメチルピリジンが特に好ましい。
本発明において使用する塩基の量は基質の一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール1モルに対して0.2〜2.0モルあり、0.5〜1.5が好ましく、0.9〜1.2モルがより好ましい。基質の含フッ素2,4−ジオール1モルに対して塩基の量が0.2モル未満では反応の選択率、目的物の収率共に低下し、2.0モルを超えると反応に関与しない塩基の量が増加するため経済的に好ましくない。
本発明において使用するα−置換アクリル酸ハロゲン化物の量は含フッ素2,4−ジオール1モルに対して0.2〜2.0モルであり、0.5〜1.5モルが好ましく、0.9〜1.2モルがより好ましい。含フッ素2,4−ジオール1モルに対してα−置換アクリル酸ハロゲン化物の量が0.2モル未満では反応の選択率、目的物の収率共に低下し、2.0モルを超えると反応に関与しないα−置換アクリル酸ハロゲン化物が増加し、廃棄の手間から経済的に好ましくない。
本反応においては副生成物として塩基のハロゲン化水素酸塩(フッ化水素酸塩、塩酸塩)が析出する。操作性を改善するため溶媒を使用する必要がある。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が好ましく、これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。
本反応に使用する溶媒の溶媒量は含フッ素2,4−ジオール1gに対して0.5〜100gであり、1.0〜20gが好ましく、2.0〜10gがより好ましい。溶媒量が含フッ素2,4−ジオール1gに対して0.5g未満では、反応中に析出する塩基の塩酸塩のスラリー濃度が高過ぎるため操作性が低下する。100gを超えると生産性の観点から経済的に好ましくない。
本発明を実施する際の反応温度は-50〜200℃であり、-20〜150℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましい。-50℃未満では反応速度が極めて遅く実用的製造法とはならない。また、200℃を超えると原料のα−置換アクリル酸ハロゲン化物もしくは生成物の一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物が重合することから好ましくない。
本発明の反応において原料のα−置換アクリル酸ハロゲン化物もしくは生成物の含フッ素エステル化合物が重合することを防止することを目的として重合禁止剤の共存させて行なっても良い。使用する重合禁止剤は2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、2,5-ビステトラメチルブチルヒドロキノン、ロイコキニザリン、ノンフレックスF、ノンフレックスH、ノンフレックスDCD、ノンフレックスMBP、オゾノン35、フェノチアジン、テトラエチルチウラム ジスルフィド、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル、1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジン、Q-1300、Q-1301から選ばれる少なくとも一種の化合物である。上記の重合禁止剤は市販品であり容易に入手可能である。
本発明に使用する重合禁止剤の量は原料の含フッ素2,4−ジオール1モルに対して0〜0.1モルであり、0.00001〜0.05モルが好ましく、0.0001〜0.01モルがより好ましい。重合禁止剤の量が原料の含フッ素2,4−ジオール1モルに対して0.1モルを超えても重合を防止する能力に大きな差異はなく、そのため、経済的に好ましくない。
本発明の反応を行う反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
次に一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体がα−置換アクリル酸無水物の場合の、本発明の第3工程を説明する。
使用するα−置換アクリル酸無水物の量は、一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール1.0モルに対して通常0.5〜5.0モルであり、0.7〜3.0モルが好ましく、1.0〜2.0モルがより好ましい。含フッ素2,4−ジオール1.0モルに対してα−置換アクリル酸無水物の量が0.5モル未満では反応の転化率、目的物の収率が共に十分でなく、5.0モルを超えると反応に関与しないα−置換アクリル酸無水物が増加し、廃棄の手間から経済的に好ましくない。
反応を促進するために添加剤を添加することができる。使用される添加剤としてはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等有機スルホン酸類、ルイス酸類の群から選ばれる少なくとも一種の酸が、好適に用いられる。本反応に使用する添加剤の量は基質の含フッ素2,4−ジオール1.0モルに対して0.01〜2.0モルあり、0.02〜1.8が好ましく、0.05〜1.5モルがより好ましい。基質の含フッ素2,4−ジオール1.0モルに対して添加剤の量が0.01モル未満では反応の転化率、目的物の収率共に低下し、2.0モルを超えると反応に関与しない添加剤の量が増加するため経済的に好ましくない。
本反応を実施する際の反応温度は添加剤を添加しない場合は通常80〜200℃、好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは120〜160℃で実施する。この場合80℃未満では反応速度が極めて遅く、200℃を超えると原料のα−置換アクリル酸無水物もしくは生成物の一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物が重合することがあるから好ましくない。添加剤を添加する場合は0〜80℃、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜60℃で実施する。この場合0℃未満では反応速度が遅く実用的製造法とはならない。また、80℃を超えると副反応が進行し易くなり、目的物の含フッ素エステル化合物の選択率が低下することがあるから好ましくない。本発明においては、添加剤を加えた方が低い温度で十分な反応性が得られ、選択率が向上するので好ましい。すなわち、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の添加剤を系内に共存させ、20〜60℃の温度範囲で、反応を実施することは、本工程の特に好ましい態様である。
本反応は、無溶媒でも進行するが反応の均一性、反応後の操作性を考慮すると溶媒を使用するのが望ましい。使用可能な溶媒の種類に特別な制限はないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒が好ましく、これらは単独で用いても、複数の溶媒を併用しても良い。
本反応に使用する溶媒の量は含フッ素2,4−ジオール1gに対して通常0.1〜100gであり、0.5〜50gが好ましく、1.0〜20gがより好ましい。溶媒量が含フッ素2,4−ジオール1gに対して0.1g未満では溶媒を使用するメリットを十分に引き出せない。100gを超えると生産性の観点から経済的に好ましくない。
この反応においてα−置換アクリル酸無水物もしくは生成物(含フッ素エステル化合物)が重合することを防止することを目的として重合禁止剤共存させて行っても良く、通常は重合禁止剤を使用することが望ましい。使用する重合禁止剤はヒドロキノン、メトキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2,5−ビステトラメチルブチルヒドロキノン、ロイコキニザリン、ノンフレックスF、ノンフレックスH、ノンフレックスDCD、ノンフレックスMBP、オゾノン35、フェノチアジン、テトラエチルチウラム ジスルフィド、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン、Q−1300、Q−1301から選ばれる少なくとも一種の化合物である。上記の重合禁止剤は市販品であり容易に入手可能である。
本発明に使用する重合禁止剤の量は原料の含フッ素2,4−ジオール1.0モルに対して通常0.00001〜0.1モルであり、0.0001〜0.05モルが好ましく、0.001〜0.01モルがより好ましい。重合禁止剤の量が原料の含フッ素2,4−ジオール1.0モルに対して0.1モルを超えても重合を防止する能力に大きな差異はなく、そのため、経済的に好ましくない。
この反応に使用される反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロ−トリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
本発明を実施する方法は限定されるものではないが、望ましい態様の一例につき、詳細を述べる。
[第1工程]
反応条件に耐えられる反応器にカルボニル化合物、添加剤を入れ、容器を密閉する。これにヘキサフルオロアセトンのボンベを接続し、ヘキサフルオロアセトンを徐々に導入する。必要に応じて外部より除熱または加熱しながら反応を進行させる。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却する。製造された一般式[3]で表される化合物は公知の方法を適用して精製されるが、例えば、得られた反応液を蒸留することにより容易に化合物[3]を得ることができる。
[第2工程]
反応条件に耐えられる反応器に化合物[3]、溶媒、触媒を加え、密閉する。外部より加熱しながら、所定の圧力を維持するように、水素ガスを供給して反応を進行させる。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却する。製造された一般式[4]で表される化合物は公知の方法を適用して精製されるが、例えば、得られた反応液から触媒を濾別した後、濾液を蒸留することにより容易に化合物[4]を得ることができる。
[第3工程]
(ア)一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体がα−置換アクリル酸ハロゲン化物の場合
反応条件に耐えられる反応器に塩基、溶媒、原料の一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール、α−置換アクリル酸ハロゲン化物および重合禁止剤を加え、攪拌しながら外部より加熱して反応を進行させる。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却するのが好ましい。
本発明の方法で製造された一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物は公知の方法を適用して精製されるが、例えば、反応液中に含まれる塩基の塩酸塩をろ過により除去後、濾液を塩酸水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液の順で処理し、さらに溶媒を留去することで粗有機物が得られる。得られた粗有機物はカラムクロマトグラフィーや蒸留等の精製を行うことで高純度の含フッ素エステル化合物を得ることができる。
(イ)一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体がα−置換アクリル酸無水物の場合
反応条件に耐えられる反応器に溶媒、原料の一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール、α−置換アクリル酸無水物、重合禁止剤及び添加剤を加え、攪拌しながら外部より加熱して反応を進行させる。サンプリング等により原料の消費をモニタリングし、反応が終了したのを確認し、反応液を冷却するのが好ましい。本発明の方法で製造された一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物は公知の方法を適用して精製されるが、例えば、反応液を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水の順で処理し、さらに溶媒を留去することで粗有機物が得られる。得られた粗有機物はカラムクロマトグラフィーや蒸留等の精製を行うことで高純度の含フッ素エステル化合物を得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するがこれらの実施態様に限られない。ここで、組成分析値の「%」とは、反応混合物の一部を採取してガスクロマトグラフィーによって測定して得られた「面積%」を表す。
[実施例1]
1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンの製造
攪拌機、圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製1000mL耐圧反応器にアセトンを133.0g(2.29モル)、濃硫酸を0.40g入れ、撹拌しながら50℃〜60℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン190.0g(1.14モル)を2時間かけて導入した(このときの圧力は0.4MPa(絶対圧。以下同じ。)であった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜60℃で3時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンの存在量は86.84%であった。不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1',1',3',3',3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが2.47%、その他不純物が10.69%であった。この反応混合物321.1gを減圧蒸留して、67℃〜68℃/4.8kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが99.5%の純度で162.0g得られた。収率は63.1%であった。1H NMR
(溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.78(s, 1H), 2.96(s, 2H), 2.34(s, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-76.2(s, 6F)
[実施例2]
1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンの製造
圧力計、温度計及び攪拌機を備えたSUS316製1L耐圧反応器にアセトンを261.50g(4.50モル)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを5.05g(0.030モル)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンを498.0g(3.00モル)入れ、オイルバスにより加熱し、内温を100℃とした。このときの圧力は1.81MPaであった。1時間後、圧力が1.94MPaとなった後、徐々に圧力は低下し、内温が100℃に達してから2時間後に0.29MPaとなった。この時点から更に1時間経過後(内温が100℃に達してから3時間後)、室温まで冷却し反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトン及び添加剤の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンの存在量は70.2%であった。不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1',1',3',3',3'−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが25.5%、その他不純物が4.3%であった。この反応混合物764.55gを減圧蒸留して、67℃〜68℃/4.8kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが99.7%の純度で361.87g得られた。収率は53.7%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.78(s, 1H), 2.96(s, 2H), 2.34(s, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-76.2(s, 6F)。
[実施例3]
圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製100mL耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子、アセトンを13.3g(0.23モル)、BF3エーテラート(ボロントリフルオリドジエチルエーテラート:(C252O・BF3)を0.04g(0.28ミリモル)入れ、かくはん機で撹拌しながら50℃〜60℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン19.0g(0.11モル)を1時間かけて導入した(このときの圧力は0.5MPaであった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜60℃で2時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とし、反応混合物32.3gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが62.63%、不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1',1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが24.04%、その他不純物が13.33%であった。
[実施例4]
[実施例3]で、添加剤のBF3エーテラートの代わりにトリフルオロメタンスルホン酸を0.04g(0.27ミリモル)用いた以外は同様の操作を行い、反応混合物32.3gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが65.13%、不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが1.23%、その他不純物が33.64%であった。
[実施例5]
[実施例3]で、添加剤のBF3エーテラートの代わりにトリフルオロ酢酸を0.04g(0.35ミリモル)用いた以外は同様の操作を行い、反応混合物32.3gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが66.10%、不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1',1',3’,3’,3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが31.92%、その他不純物が1.98%であった。
[実施例6]
[実施例3]で、添加剤のBF3エーテラートの代わりに三塩化チタンを0.04g(0.26ミリモル)用いた以外は同様の操作を行い、反応混合物32.3gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが77.09%、不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1',1',3',3’,3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが18.51%、その他不純物が4.40%であった。
[実施例7]
[実施例3]で、添加剤のBF3エーテラートの代わりに四塩化チタンを0.04g(0.21ミリモル)用いた以外は同様の操作を行い、反応混合物32.3gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが70.31%、不純物として、1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1',1',1',3',3’,3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが19.11%、その他不純物が10.58%であった。
[実施例8]
6,6,6−トリフルオロ−5−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサン−3−オンの製造
攪拌機、圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製1000mL耐圧反応器にアセトンを260.0g(3.60モル)、濃硫酸を0.80g入れ、撹拌しながら50℃〜60℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン400.0g(2.40モル)を5.5時間かけて導入した(このときの圧力は0.5MPaであった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜60℃で3時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトンを除くと目的とする6,6,6−トリフルオロ−5−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサン−3−オンの存在量は85.00%であった。不純物として、5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オンが7.80%、その他不純物が7.20%であった。この反応混合物687.0gを減圧蒸留して、99.3℃〜99.6℃/12kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする6,6,6−トリフルオロ−5−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサン−3−オンが97.00%、5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オンが2.40%の混合物が298.0g得られた。6,6,6−トリフルオロ−5−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサン−3−オンの収率は50.6%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.86(s, 1H), 2.92(s, 2H), 2.61(q, J=7.22Hz, 2H), 1.11(t, J=7.22Hz, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-78.8(s, 6F)。
[実施例9]
2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキサノンの製造
圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製100mL耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子、シクロヘキサノンを14.1g(0.14モル)、濃硫酸を0.04g入れ、かくはん機で撹拌しながら50℃〜60℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン20.0g(0.12モル)を2時間かけて導入した(このときの圧力は0.5MPaであった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜60℃で3時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とし、反応混合物34.1gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のシクロヘキサノンを除くと目的とする2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキサノンが56.2%、その他不純物が43.8%であった。この反応混合物34.1gを減圧蒸留して、98〜100℃/2.2kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキサノンが98.0%の純度で15.5g得られた。収率は47.9%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ7.25(s, 1H), 2.99-3.04(m, 1H), 1.64-2.58(m, 8H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-72.6(q,J=10.2Hz,3F), -76.8(q, J=10.2Hz,3F)。
[実施例10]
2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノンの製造
圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製100mL耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子、シクロペンタノンを12.2g(0.14モル)、濃硫酸を0.04g入れ、かくはん機で撹拌しながら50℃〜60℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン20.0g(0.12モル)を2時間かけて導入した(このときの圧力は0.5MPaであった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜60℃で3時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とし、反応混合物32.2gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のシクロペンタノンを除くと目的とする2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノンが86.6%、その他不純物が13.4%であった。この反応混合物32.2gを減圧蒸留して、81〜83℃/2.9kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノンが98.3%の純度で25.0g得られた。収率は81.6%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ7.01(s, 1H), 2.02-2.64(m, 6H), 1.71-1.83(m, 1H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-72.5(q,J=9.16Hz,3F), -78.3(q, J=9.16Hz,3F)。
[参考例1]
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ブタン−1−オンの製造
圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製100mL耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子、アセトフェノンを17.3g(0.14モル)、濃硫酸を0.04g入れ、かくはん機で撹拌しながら50℃〜60℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン20.0g(0.12モル)を2時間かけて導入した(このときの圧力は0.5MPaであった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜60℃で5時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とし、反応混合物35.0gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、過剰のアセトフェノンを除くと目的とする4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ブタン−1−オンが95.1%、その他不純物が4.9%であった。この反応混合物35.0gを減圧蒸留して、135〜137℃/2.9kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ブタン−1−オンが98.0%の純度で28.1g得られた。収率は80.2%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ7.94-7.97(m, 2H), 7.66-7.71(m, 1H),7.50-7.55(m, 1H),7.21(s, 1H), 3.46(s, 2H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-78.5(s, 6F)。
[参考例2]
1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オンの製造
圧力計、温度計及びガス導入管を備えたガラス製100mL耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子、2−インダノンを20.0g(0.15モル)、濃硫酸を0.04g、ヘキサンを20.0g入れ、かくはん機で撹拌しながら30℃〜55℃の範囲で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトン24.0g(0.15モル)を2時間かけて導入した(このときの圧力は0.5MPaであった)。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンの導入終了後、50〜55℃で7時間撹拌し、圧力が0.1MPaとなったところで反応を終了とし、反応混合物35.0gを得た。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、目的とする1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オンが94.6%、2−インダノンが4.5%であった。溶媒のヘキサンを留去し、得られた反応混合物34.3gを減圧蒸留して、100〜102℃/0.4kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、原料の2−インダノン4.3%を含む目的とする1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オンが95.2%の純度で19.6g得られた。収率は41.7%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ7.30-7.53(m, 4H), 6.36(s, 1H) , 3.99(s,1H), 3.73(dd, J=68.55Hz, 23.66Hz, 2H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-74.68(q, J=9.16Hz, 3F), -73.34(q, J=9.16Hz, 3F)。
実施例11
1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールの製造
圧力計、温度計及び攪拌機を備えたSUS316製1L耐圧反応器にジイソプロピルエーテルを150ml、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンを300g(1.34mol)、5% Ru/C(50%含水品、エヌ・イーケムキャット製)を30.0g入れ、反応器内を水素で置換した後、水素圧を0.6MPaとした。オイルバスにより加熱し、内温を80℃とした。9時間後、室温まで冷却し反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、溶媒として使用したジイソプロピルエーテルを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールの存在量は100%であった。触媒の5% Ru/Cを濾別し、濾液293gを得た。これを減圧蒸留して、58℃〜60℃/0.65kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールが99.0%の純度で270g得られた。収率は88.2%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.62(s, 1H), 4.44(m, 1H), 2.79(d, J=3.90Hz, 1H), 2.04(m, 2H), 1.30(d, J=6.10Hz, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-76.2(q, J=10.7Hz, 3F), -80.0(q, J=10.7Hz, 3F)。
実施例12
1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン−2,4−ジオールの製造
圧力計、温度計及び攪拌機を備えたSUS316製1L耐圧反応器にジイソプロピルエーテルを135ml、6,6,6−トリフルオロ−5−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)ヘキサン−3−オン 97.00%、5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−2−オン 2.40%の混合物140g(0.59mol)、5% Ru/C(50%含水品、エヌ・イーケムキャット製)を14.0g入れ、反応器内を水素で置換した後、水素圧を0.6MPaとした。オイルバスにより加熱し、内温を66℃とした。8時間後、室温まで冷却し反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、溶媒として使用したジイソプロピルエーテルを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン−2,4−ジオールが97.00%、1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールが2.40%であった。触媒の5% Ru/Cを濾別し、これを減圧濃縮して目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン−2,4−ジオールが95.20%、1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールが2.30%、ジイソプロピルエーテルが1.90%の混合物137gを得た。これを減圧蒸留して、87.0℃〜87.5℃/2.0kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン−2,4−ジオールが99.10%、1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールが0.90%の純度で120g得られた。1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ヘキサン−2,4−ジオールの収率は86.5%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.53(s, 1H), 4.17(m, 1H), 2.64(bs, 1H), 2.03(m, 2H), 1.57(m, 2H), 0.97(t, J=7.56Hz, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-76.1(q, J=9.16Hz, 3F), -80.0(q, J=10.68Hz, 3F)。
実施例132−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノールの製造
温度計及び圧力計を備えた100mLガラス製耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子および2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノン5.0g (20.0 mmol)、5% Ru/C(50%含水品、エヌ・イーケムキャット製)0.5g、及びジイソプロピルエーテル20mLを入れ、反応器内を水素で置換した後、水素圧を0.6MPaとした。かくはん機で撹拌しながら、オイルバスにより加熱し、内温を85℃とした。4時間後、室温まで冷却し反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、溶媒として使用したジイソプロピルエーテルを除くと目的とする2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノールが97.2%、原料の2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノンが0.1%、その他不純物が2.7%であった。触媒の5% Ru/Cを濾別し、濾液を減圧蒸留して、113℃〜115℃/2.93kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする2−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロペンタノールが99.3%の純度で4.18g得られた。収率は82.3%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.32(s, 1H), 4.72-4.74(m, 1H), 2.33 (d,J=2.93 Hz, 1H), 1.68-2.23(m, 7H)
19F NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ‐75.05(q, J=12.21 Hz, 3F), ‐75.78(q, J=12.21 Hz, 3F)。
[参考例3]
1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]インダン−2−オールの製造
温度計及び圧力計を備えた100mLガラス製耐圧反応器に四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子および1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−オン15.0g (50.3 mmol)、5% Ru/C(50%含水品、エヌ・イーケムキャット製)1.5g、及びジイソプロピルエーテル10.5gを入れ、反応器内を水素で置換した後、水素圧を0.6MPaとした。かくはん機で撹拌しながら、オイルバスにより加熱し、内温を70℃とした。48時間後、室温まで冷却し反応を終了とした。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、溶媒として使用したジイソプロピルエーテルを除くと目的とする1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]インダン−2−オールが96.5%、原料の2−インダノンが2.3%、その他不純物が1.2%であった。触媒の5% Ru/Cを濾別し、濾液を減圧蒸留して、120℃〜126℃/0.4kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする1−[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]インダン−2−オールが97.7%の純度で12.7g得られた。収率は82.2%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ7.15-7.40(m,4H),6.62(bs, 1H),5.06(q, J=7.56Hz, 1H), 3.96(d, J=7.32Hz, 1H), 3.19(qd, J=15.25Hz, 8.05 Hz, 2H), 2.84(bs, 1H),
19F NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ‐74.59(d, J=7.63 Hz, 3F), ‐72.06 (d, J=9.16 Hz, 3F)。
実施例14
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレートの製造
温度計及び還流冷却器を備えた1000mLの四口フラスコに四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子及び1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオール100.0g(0.44mol)、トルエン300g、2,6−ジメチルピリジン58.7g(0.48mol)、メタクリル酸クロリド68.99g(0.66mol)及びノンフレックスMBP0.5gを入れ、かくはん機で撹拌しながら、オイルバスにより内温 95〜100℃に加熱した。6時間後、組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、目的とする4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレートが89.0%、原料の1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオールが1.9%、その他が9.1%であった。
反応液を冷却後、濾過により2,6−ジメチルピリジン塩酸塩を除去し、濾液を10%塩酸水溶液100gで洗浄した。水層をジイソプロピルエーテル150gで抽出し、これを有機層と合わせて10%食塩水150gで2回洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウム30gで乾燥し、硫酸マグネシウムを濾過により除去した。濾液に重合禁止剤としてフェノチアジンを0.7g添加し、溶媒留去をした後、減圧蒸留(10Torr=1.33kPa)を行い、85〜88℃の留分を集めたところ、75.0gの4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレ−トが得られた。ガスクロマトグラフィーにより組成を調べたところ、目的物である4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレートが98.52%、原料の1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオールが0.35%、その他が1.13%であった。収率は57.1%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.16(q, J=0.98Hz, 1H), 5.96(bs, 1H), 5.66(q, J=1.46Hz, 1H), 5.13-5.20(m, 1H), 2.24-2.36(m, 2H), 1.94(dd, J=1.46Hz,0.98Hz,3H), 1.44(d, J=6.34Hz, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-77.03(q, J=9.67Hz, 3F), -79.25(q, J=9.67Hz, 3F)。
実施例15
4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレ−トの製造
温度計、還流冷却器を備えた1000mLの三口フラスコに四フッ化エチレン樹脂で被覆された撹拌子及び1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオール100.0g(0.44mol)、メタクリル酸無水物74.6g(0.48mol)、メタンスルホン酸4.23g(0.044mol)、トルエン400g、及びフェノチアジン0.5gを入れ、かくはん機で撹拌しながらオイルバスにより50℃で加熱還流した。4時間後、反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、副生したメタクリル酸を除くと目的とする4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレートが94.5%、原料の1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオールが1.6%、メタクリル酸無水物が2.0%、その他が1.9%であった。
反応液を水200gで2回洗浄した後、分液し得られた有機層を硫酸マグネシウム30gで乾燥し、硫酸マグネシウムを濾過により除去した。濾液に重合禁止剤としてフェノチアジンを0.7g添加し、溶媒留去をした後、減圧蒸留(8Torr=1.07kPa)を行い、80〜82℃の留分を集めたところ、77.5gの4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレートが得られた。ガスクロマトグラフィーにより組成を調べたところ、目的物である4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−3−(トリフルオロメチル)ブチル 2−メチルアクリレートが98.2%、原料の1,1−ビス(トリフルオロメチル)ブタン−1,3−ジオールが0.2%、その他が1.6%であった。収率は58.8%であった。
1H NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:TMS);δ6.16(q, J=0.98Hz, 1H), 5.96(bs, 1H), 5.66(q, J=1.46Hz, 1H), 5.13-5.20(m, 1H), 2.24-2.36(m, 2H), 1.94(dd, J=1.46Hz,0.98Hz,3H), 1.44(d, J=6.34Hz, 3H)
19F NMR(溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-77.03(q, J=9.67Hz, 3F), -79.25(q, J=9.67Hz, 3F)。
[比較例1]
1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンの製造
圧力計、温度計及び攪拌機を備えたSUS316製1L耐圧反応器にアセトンを261.35g(4.50モル)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロアセトンを498.0g(3.00モル)入れ、オイルバスにより加熱し、内温を100℃とした。このときの圧力は1.70MPaであった。圧力が2.0MPa以下となるように内温を100〜120℃にコントロ−ルしながら41時間反応したが圧力の低下は見られなかった。室温まで冷却し反応を終了とし、反応混合物336.5gを得た。反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、アセトンが72.20%、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが21.36%、不純物の1,3−ビス(2'−ヒドロキシ−1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロプロピル)アセトンが5.75%、その他不純物が0.69%であった。この反応混合物を減圧蒸留して、67℃〜68℃/4.8kPa(1.0kPa=7.5Torr)の留分を集めたところ、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが99.5%の純度で79.3g得られた。収率は11.7%であった。
ヘキサフルオロアセトンと、アセトンとを無触媒で2MPa以下の圧力で反応させた場合、反応温度が100℃程度となり、40時間以上反応させても添加剤を加えた場合の1/5程度しか反応が進行していないことが判明した。
[比較例2]
圧力計、温度計及び攪拌機を備えたガラス製100mL耐圧反応器にテトラヒドロフランを15ml、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンを10g(0.0446mol)、10% Pd/C(50%含水品、エヌ・イーケムキャット製)を1.0g入れ、反応器内を水素で置換した後、水素圧を0.6MPaとした。オイルバスにより加熱し、内温を100℃とした。9時間後、室温まで冷却し、反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、溶媒として使用したテトラヒドロフランを除くと原料の1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが100%であった。このように、触媒にPd/Cを使用した場合、反応は進行しなかった。
[比較例3]
圧力計、温度計及び攪拌機を備えたガラス製100mL耐圧反応器にテトラヒドロフランを15ml、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンを10g(0.0446mol)、2% Pt/C(50%含水品、エヌ・イーケムキャット製)を1.0g入れ、反応器内を水素で置換した後、水素圧を0.6MPaとした。オイルバスにより加熱し、内温を100℃とした。9時間後、室温まで冷却し、反応液をサンプリングして組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、溶媒として使用したテトラヒドロフランを除くと目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールが3.0%、原料の1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−4−オンが97.0%であった。
触媒にPt/Cを使用したこの系での反応は、目的とする1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオールへの還元が3.0%しか進行しなかった。

Claims (11)

  1. 一般式[3]で示されるヒドロキシケトン
    (式中、R1は水素原子、または炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R2は炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R1およびR2はつながって環を形成していてもよい。)を、ルテニウム触媒の存在下、水素により還元することを特徴とする、式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール
    (式中、R1およびR2の意味は前記に同じ。)の製造方法。
  2. 請求項1において、一般式[3]で示されるヒドロキシケトン
    (式中、R1は水素原子、または炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R2は炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R1およびR2はつながって環を形成していてもよい。)が、式[1]で示されるヘキサフルオロアセトン
    と、一般式[2]で示されるカルボニル化合物
    (式中、R1およびR2の意味は前記に同じ。)とを、含フッ素アルコール、カルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、含フッ素スルホン酸、金属塩化物、無機酸、BF3からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下、反応させて得たものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1において、一般式[3]で示されるヒドロキシケトン
    (式中、R1は水素原子、または炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R2は炭素数1〜7の鎖状もしくは環状アルキル基である。R1およびR2はつながって環を形成していてもよい。)が、式[1]で示されるヘキサフルオロアセトン
    と、一般式[2]で示されるカルボニル化合物
    (式中、R1およびR2の意味は前記に同じ。)とを、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化鉄、塩化チタン、硫酸、BF3からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の共存下、反応させて得たものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかの方法で製造した、一般式[4]で表される含フッ素2,4−ジオール
    を、一般式[5]で表されるアクリル酸誘導体
    (式中、R1とR2の意味は前記に同じ。R3はH,Cm2m+1,Cn2n+1の何れかの基を表す(m、nは各々1〜4の整数を表す)。XはF,Cl,または次の式[5a]で表される基
    の何れかを表す。なお式[5a]中のR3の意味は、式[5]中と同じ。)と反応させることを特徴とする、一般式[6]で表される含フッ素エステル化合物
    (式中、R1、R2、R3の意味は前記に同じ。)を製造する方法。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、一般式[3]で表されるヒドロキシケトン
    におけるR1が水素原子、R2がメチル基であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の、式[4a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオール
    の製造方法。
  6. 請求項2乃至請求項4の何れかにおいて、カルボニル化合物がアセトンである、請求項2乃至請求項4の何れかに記載の方法。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかにおいて、ヒドロキシケトンを水素により還元する際に、ヒドロキシケトン1モルあたり0.0002〜0.04モル(Ru原子換算)のルテニウム触媒を用い、なおかつ反応温度を30〜120℃、水素圧を0.15〜2MPaとすることを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の方法。
  8. 請求項2乃至請求項7の何れかにおいて、ヘキサフルオロアセトンをカルボニル化合物と反応させる際に、カルボン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、含フッ素スルホン酸、金属塩化物、無機酸、BF3からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を共存させ、かつ温度を40〜70℃として反応を行うことを特徴とする、請求項2乃至請求項7の何れかに記載の方法。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかにおいて、ルテニウム触媒が、ルテニウムを活性炭、アルミナまたはシリカに担持した固相触媒であることを特徴とする、請求項1乃至請求項8の何れかに記載の方法。
  10. 式[3a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−−オン
    を、ルテニウムを活性炭に担持させた触媒の存在下、水素により還元する際に、ヒドロキシケトン1モルあたり0.0002〜0.04モル(Ru原子換算)のルテニウム触媒を用い、なおかつ反応温度を30〜120℃、水素圧を0.15〜2MPaとすることを特徴とする、式[4a]で表される1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−2,4−ジオール
    の製造方法。
  11. 請求項10において、1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタン−−オンが、ヘキサフルオロアセトンとアセトンを、硫酸の存在下、40〜70℃で反応させて得たものであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
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