JP4255446B2 - 2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドおよびその誘導体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、医薬および農薬の重要中間体である、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドおよびその誘導体の製造方法に関する。
2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドおよびその誘導体は、医農薬製造用の中間体等として有用な化合物である。例えば、特許文献1では、抗高血圧薬や鎮静剤として用い得る6−アリール−ピロールイミダゾール誘導体を合成するための原料の1つとして、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが使用されている。また非特許文献1でも、医薬品開発の研究の一環として、含フッ素ベンゾチオフェン誘導体の合成を報じているが、その中の原料の1つとして2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが用いられている。さらに、特許文献2においても、糖尿病の予防・治療薬の合成原料の1つとして2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが使用されている(実施例121)。
一方、非特許文献2では、血栓症阻害剤の原料の1つとして、2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジルアミンが用いられている。
上記2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドの合成方法としては、非特許文献1中に、具体的な開示がなされている。すなわち、3−トリフルオロメチル−1−フルオロベンゼン(3−フルオロ−1−(トリフルオロメチル)ベンゼン)に対して、n−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬を反応させ、次いでN,N−ジメチルホルムアミドと接触させることで、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒド(2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド)が、80%の収率で合成できたと報告されている(Entry3)(スキーム1)。
Figure 0004255446
特許文献1中でも、同様の有機リチウム試薬を用いた方法によって、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが合成されたことが報告されている(カラム11)。
米国特許4046898号明細書 国際公開01/090067号パンフレット Tetrahedron Letters,Vol.33, No.49, p.7499〜p.7502 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,Vol.13、p.1353〜p.1357、2003年(米国)
本発明が対象とする2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドならびに2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンは何れも、ベンゼン環の3つの隣接する位置(オルト位)に、異なる官能基が1つずつ結合した化合物である。このような三置換ベンゼンを合成することは一般に難しい。
三置換ベンゼンを製造する一般的方法として、予め二置換ベンゼンを合成した後、この二置換ベンゼンにさらに第三の官能基を導入する手法がある。しかしこの方法では、目的物の選択性が大きな問題となる。一般に、二置換ベンゼンに第三の官能基を導入する際、第三の官能基が目的部位に高選択率で導入されることは稀であり、通常、位置異性体や、複数官能基が導入された過剰反応生成物が多量に生成する。この結果、目的物の収率は低下し、高い純度の目的物を製造することも困難となる。
上記、特許文献1、非特許文献1では、例外的に、トリフルオロメチル基とフッ素基がメタ位に結合した二置換ベンゼンを原料とし、その中間部位にホルミル基を効率よく導入することに成功している。しかし、この方法は、「有機リチウム試薬」を必須の試薬とし、当該有機リチウム試薬、ならびに中間体の2−トリフルオロメチル−6−フルオロフェニルリチウムが極めて不安定な物質であるため、−78℃という極低温で反応を継続しなければならない。反応自体も強い発熱を伴うものであり、大量に扱う場合にはその制御が極めて困難である。すなわちこの方法は、少量の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを合成するには好適であるが、工業的に2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを合成するには採用し難い。
このように、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドおよびその誘導体を工業的に効率よく合成できる方法が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。この結果、比較的安価な2,3−ジメチルフルオロベンゼンを出発物質とし、これを3工程ないし4工程の「官能基変換」に付すことで、上記課題が解決することを見出した。
すなわち発明者らは、2,3−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させると、位置選択的な塩素化が起こり、ほぼ定量的に2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが得られる(第1工程)という知見を得た。得られた2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを液相でフッ化水素(HF)と反応させたところ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが収率良く得られ(第2工程)、さらに得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドをルイス酸触媒下において水と接触させると、本発明の第1の目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが収率よく得られることを見出した(第3工程)。
さらに、上記2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドをヒドロキシルアミンと反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを得た後、遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させると、本願第2の目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが収率良く得られる(第4工程)ことを見出した。
本発明の中で、特に重要な特徴をなすのは、第1工程の「塩素化反応」である。すなわち、2,3−ジメチルフルオロベンゼンに対して、塩素(Cl2)を反応させると、フッ素基から見てメタ位のメチル基がトリクロロメチル基に、フッ素基から見てオルト位のメチル基がジクロロメチル基に変換し、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが選択的に得られる。この塩素化反応を通じて、異性体である2−トリクロロメチル−3−フルオロベンザルクロリドは事実上生成しないことがわかった(スキーム2)。
Figure 0004255446
もし、この塩素化反応において、異性体の2−トリクロロメチル−3−フルオロベンザルクロリドが有意に生成すると、その物理的性質や化学的性質が2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドと近似するために、目的物の精製が極めて困難になる。ところが、本発明においては、最初の工程である第1工程において、この異性体の生成がないため、目的物が高い収率で得られるのみならず、以後の工程において、煩雑な精製手段を一切用いることなく、目的物を高い純度で製造できることとなった。
一般に、ベンゼン核に2つのメチル基およびそれ以外の基1つが結合した「三置換ベンゼン」を塩素化に付すと、2つのメチル基がほぼ同様に塩素化を受け、2種類の塩素化生成物が得られる。例えば、本出願人が既に出願した特願2004−189274号によれば、3,4−ジメチルフルオロベンゼンをCl2と反応させると、2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドと2−トリクロロメチル−4−フルオロベンザルクロリドがほぼ1:1の比で生成し、これら2種の異性体を分離することは容易でない(スキーム3)。
Figure 0004255446
これに比較すると、本発明の第1工程(塩素化反応)における「位置選択性」はきわめて特異的な現象といえる。第1工程において高純度な塩素化生成物が得られるために、後の工程も効率的になし得、目的とする2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドおよび2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが、非特許文献1、特許文献1の方法に比べてはるかに穏和な条件下、高収率、高純度で製造できることとなった。
本発明者らはさらに、上記反応からなる製造プロセスが、特定の条件、操作によって特に好ましく達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、次の3工程を含む、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドの製造方法を提供する。
第1工程:2,3−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させ、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得る工程。
第2工程:前記2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを、液相でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得る工程。
第3工程:前記2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドをルイス酸触媒下において水と接触させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを得る工程。
また本発明は、上記の方法によって得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを、さらに下記の第4工程に付することを特徴とする、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを製造する方法を提供する。
第4工程:2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドをヒドロキシルアミンと反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを得、次いで得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを得る工程。
また、本発明は、第1工程の2,3−ジメチルフルオロベンゼンと塩素(Cl2)との反応が、ラジカル開始剤の存在下、または光照射下で、行われることを特徴とする、上記何れかに記載の方法を提供する。
また本発明は、第2工程の2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドとフッ化水素(HF)との反応が、無溶媒で行われることを特徴とする、上記何れかに記載の方法を提供する。
また本発明は、第2工程が終了した後、得られた反応混合物を蒸留精製し、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを単離した上で、続く第3工程に用いることを特徴とする、上記に記載の方法を提供する。
また本発明は、第3工程に用いるルイス酸触媒が、塩化第二鉄、塩化クロム、塩化アルミニウム、五塩化アンチモン、三フッ化ホウ素から選ばれるルイス酸触媒であることを特徴とする、上記何れかに記載の方法を提供する。
また本発明は、第4工程に用いられる遷移金属触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属触媒であることを特徴とする上記に記載の方法を提供する。
また本発明は、2,3−ジメチルフルオロベンゼンをラジカル開始剤の存在下、塩素(Cl2)と反応させ、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得、次いで該2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを、液相で、かつ無溶媒条件下でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を得、次いで、該反応混合物を蒸留精製して2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを単離し、次いで、該2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドをルイス酸触媒下において水と接触させることを特徴とする、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドの製造方法を提供する。
また本発明は、上記の方法によって得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドをさらに、ヒドロキシルアミンと反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを得、次いで得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムをパラジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させることを特徴とする、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを製造する方法を提供する。
本発明の概要を下記スキームに示す。
Figure 0004255446
本発明によれば、工業的に入手が容易な2,3−ジメチルフルオロベンゼンを原料として、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドおよびその誘導体である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを、従来よりも格段に低廉に、容易な操作で合成することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。まず第1工程(2,3−ジメチルフルオロベンゼンの塩素化)について詳細に説明する。第1工程は、反応領域において2,3−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と接触させ、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得る工程である。
反応領域としてはガラス容器、またはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器が好適に採用される。ステンレス鋼、鉄などが内壁となっている反応容器の場合も反応自体は進行するが、金属が塩化物に変換され(Feの場合、FeCl3)、これがルイス酸触媒となりフリーデルクラフツ型の副反応を起こし、ベンゼン核にClが直接結合した化合物が生成することがあるので、可能な限り、ガラス容器、またはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器を用いた方がよい。
接触方法は特に限定されず、流通系またはバッチ式あるいは半バッチ式で行うことができる。例を挙げれば、予め反応容器に仕込まれた2,3−ジメチルフルオロベンゼンに塩素ガスを吹き込むことで行うのが一般的であり、好適に採用される。反応に伴い発生する塩化水素ガスは、未反応の塩素ガスとともに、反応領域から排出させ、水、アルカリ性水溶液などでトラップすることができる。
本反応を進行させるためにはラジカル開始剤、例えば、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソブチル酸ジメチル、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ドデカノイル、過酸化ジラウロイル、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチル−クミル−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化物などのラジカル開始剤、赤燐、五塩化燐、三塩化燐、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルなどの燐化合物などが使用され、また、光を照射することが行われる。さらにこれらのラジカル開始の手法を適宜組み合わせて用いても良い。また上記ラジカル開始剤を添加しなくとも、高温(概ね160℃以上)に加熱することで、系内にラジカルが発生し、同様のラジカル反応を起こすことも可能である。ただし、操作上の簡便さ、反応の選択性などを考慮すると、第1工程の塩素化は、ラジカル開始剤の存在下、あるいは光照射下で行うことが好ましく、ラジカル開始剤の存在下で行うことが特に好ましい。
ラジカル開始剤を用いる場合、ラジカル開始剤は通常、原料1モルに対して0.0001〜1mol添加するが、0.001〜0.1モルが好ましく、0.001〜0.05モルがより好ましい。ラジカル開始剤は反応の進行状況を観察して、適宜追加することもできる。ラジカル開始剤の量が原料1モルに対して0.0001モル未満では反応が途中で停止しやすく、収率が低下する恐れがあるため好ましくなく、1モルを超えると経済的に好ましくない。また、ラジカル開始剤は必要に応じて、反応の途中で追加することもできる。
本塩素化反応の実施に際して光照射を行う場合の光源は高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、各種ハロゲン灯、タングステンランプ、発光ダイオード等からなる群より選ばれる少なくとも一種であるが、これらのうち高圧水銀ランプ、タングステンランプが好ましい。
本発明の塩素化は、原料基質に3原子のClが導入されるまでは比較的反応が速く、その後の塩素化は遅くなる傾向がある。このため、該塩素化を、ラジカル開始剤の存在下または光照射下に行う場合、反応の初期(塩素化度が概ね3〜4の範囲の値(例えば3.5)となるまで)は、比較的低温(通常30〜150℃、好ましくは50〜130℃、特に好ましくは60〜80℃)で行い、この温度で反応が進行しにくくなったら、より高い温度(通常150〜300℃、好ましくは160〜250℃、特に好ましくは170〜230℃)で行うことが効果的である。ここで「塩素化度」とは、その時点における反応混合物の組成から計算される、芳香環1個あたりに導入された塩素原子数の平均値を意味する。
また、本発明の反応基質の場合、2つのメチル基が隣接しているため、両方のメチル基ともトリクロロメチル基に変換された化合物は立体障害が大きく、6つのCl原子が導入された2,3−ビス(トリクロロメチル)フルオロベンゼンが主生成物となる恐れは通常ない。
塩素化反応は発熱を伴うので反応温度は外部から加熱または冷却するとともに塩素導入速度を変化させたり、または塩素ガスを不活性ガスで希釈することで調節することができる。反応圧力は反応に殆ど影響を及ぼさないので特に加圧することは必要がなく、通常0.05〜1MPa(絶対圧。以下、本明細書において同じ。)であり、0.1〜0.3MPaで行うことができる。
反応に使用する塩素(Cl2)の量は、十分な収率で目的物を得るためには2,3−ジメチルフルオロベンゼン1モルに対し5モル以上であればよいが、おおよそ5〜10モル程度であり、反応装置あるいは反応操作を最適化することで5〜6モル程度とすることができる。最適化は反応条件を設定するとともに、塩素化反応が気−液接触反応であることから、接触効率を高めるための慣用の手段、例えば、ガスの導入速度の調節、撹拌装置、ガス吹き込み装置、スパージャーなどの使用、または多段塩素化反応装置による方法を適宜採用することは有効である。
また、本発明の第1工程の塩素化は、溶媒の存在下で行うこともできるが、反応原料の2,3−ジメチルフルオロベンゼンは液体であり、また、生成物の2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドも反応条件下において液体であり、かつ塩素や触媒を十分に溶解させ、溶媒の役割を兼ねるので、敢えて別途溶媒を使用する必要はなく、その方が経済的にも好ましい。
既に述べたように、第1工程の塩素化によって、主生成物として得られるのは2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドであり、異性体である2−トリクロロメチル−3−フルオロベンザルクロリドは生成しない。上記に与えられた条件では2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドに対して、この異性体の生成量は通常0.1%未満であり、このため、以降の反応や精製の工程が著しく容易なものになる。
第1工程の塩素化反応で得られる反応混合物には通常、塩素化が不完全な2,3−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼン、過剰に塩素化された2−クロロ−6−フルオロベンザルクロリドおよび2−クロロ−6−フルオロベンゾトリクロリドが不純物として随伴している。これらの不純物はカラムクロマトグラフィー等の精製処理により分離することもできるが、これらの沸点はお互いに近接しているため、蒸留による精製は通常困難であり、煩雑な操作を必要とする。本発明では次の第2工程後の蒸留にて十分に分離が可能となるので、本発明の利点を生かすためにも、第1工程終了後の反応混合物は敢えて精製せずに、そのまま第2工程(フッ素化反応)の原料として使用する方が好ましい。
以下、第2工程(2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドのフッ素化)について説明する。第2工程は、第1工程で得た2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを液相でフッ化水素(HF)と接触させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得る工程である。
第2工程の液相フッ素化反応は、液相フッ素化反応で慣用される金属ハロゲン化物、例えば、五塩化アンチモン、四塩化スズなどを触媒として使用することもできるが、無触媒でもよい。触媒を用いると0℃以上の温度で反応し、反応が速くなるので例えば室温以下でおこなうことが必要となることがある等、かえって反応操作が困難となるなど好ましくない場合がある。無触媒の場合、反応温度は通常40〜200℃であり、60〜150℃が好ましい。40℃未満では反応が遅く、200℃を超えると過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドおよび2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドの生成が多くなる。またトリフルオロメチル基の分解も起こることがあり、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドの収率、純度を低下させるので好ましくない。
フッ素化反応では、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリド1モルに対しフッ化水素を通常は3〜20モル、好ましくは4〜15モルを、さらに好ましくは5〜12モルを使用する。3モルに足りないと収率が低下するので好ましくなく、また20モルよりも多量に用いると、反応性の上では問題ないが、フッ化水素の量が増えることにより生産性を悪くするなどの工業的な問題が生じるので好ましくない。
液相フッ素化反応は、モネル、ハステロイ、ニッケルまたはこれらの金属やポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル樹脂などのフッ素樹脂でライニングされた耐圧容器中で攪拌機を使用して行われ、バッチ式反応、連続式反応または半連続式反応の形式が採られる。
反応圧力は通常0.1MPa〜10MPaであり、0.5MPa〜10MPaが好ましく、1MPa〜5MPaが特に好ましい。反応圧力は10MPaを超えても反応性の上では問題ないが、過大な装置が必要となり好ましくない。また、0.1MPa(常圧)未満では、上述した反応温度でフッ化水素が液化せず反応が進まないことがあり好ましくない。
以上のことから、特に好ましい反応温度と反応圧力の組み合わせは60℃〜150℃、1MPa〜5MPaである。
フッ素化反応を行う際には、不活性な溶媒を使用することもできる。その様な溶媒としては、例えば、トルエン、フルオロベンゼン、ジフオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド、1,4−ビストリフルオロメチルベンゼンなどが挙げられる。しかし、本工程の原料、生成物ともに液体であり、溶媒が存在しなくとも反応は円滑に進むので、経済性、操作性の観点から、無溶媒の方が好ましい。
フッ素化反応に要する時間は、温度、圧力、溶媒の有無等に依存する。しかし、過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドおよび2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドの生成を増大させないために、本工程で必要以上に長時間反応させないことが好ましい。具体的には第2工程における反応中間体の2−クロロジフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが完全に消費されるよりも前か、完全に消費された後、2時間以内に反応を終了させることが望ましい。
こうしたことから第2工程の反応時間は、反応液の組成をガスクロマトグラフィー等の手段で観測しつつ、当業者により最適化することが望ましい。上述の「特に好ましい反応温度と反応圧力の組み合わせ」の条件では、概ね5時間〜10時間の反応時間が好ましく採用される。
第2工程の反応物は通常の方法で後処理できる。すなわち、未反応のフッ化水素を分離除去した後、水洗、アルカリ性水溶液(炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液など)での洗浄を行い、フッ化水素を系内から除去する。その後、乾燥剤等で水分を除去することもできる。
このようにして得た反応物はそのまま第3工程の原料として用いることもできるが、第2工程終了時の反応混合物中の各成分は、お互いの分離が特に容易であるので、蒸留等の精製を行って、純度の高い2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを単離し、第3工程の原料に供することが特に好ましい。この精製操作としては蒸留が特に好ましい。
蒸留を行う場合には、通常、前記の後処理によってフッ化水素を除去したものを用いる。この場合、蒸留塔の材質には制限はなく、ガラス製のもの、ステンレス製のもの、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの等を、用いることができる。蒸留等中には、充填剤を詰めることもできる。蒸留は、減圧条件下で行うと、比較的低い温度で達成できるため、簡便であり、好ましい。この蒸留に要求される蒸留搭の段数に制限はないが、5〜100段が好ましく、さらに好ましくは10〜50段である。
以下、第3工程(2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドの加水分解)について説明する。第3工程は、反応領域において2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドをルイス酸触媒下において水と接触させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを得る工程である。
反応領域としてはガラス容器、カーボンまたはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器が好適に採用される。ステンレス鋼、鉄などが内壁となっている反応容器の場合も反応自体は進行するが、金属が塩化水素(塩酸)により腐食されことがあるので、可能な限り、ガラス、またはガラス容器、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器を用いた方がよい。
接触方法は特に限定されず、気相(流通系)または液相(バッチ式)行うことができ、水蒸気との接触または、水との接触によって行うことができる。
例を挙げれば、予め反応容器に仕込まれた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドに水の滴下を行うのが一般的であり、好適に採用される。反応に伴い発生する塩化水素ガスは反応領域から排出させ、水、アルカリ性水溶液などでトラップすることができる。
本反応を進行させるためのルイス酸触媒としては、例えば、塩化第二鉄、塩化クロム、塩化アルミニウム、五塩化アンチモン、三フッ化ホウ素などが挙げられ、また、これらの触媒を活性炭などの担体に担持して用いても良い。また上記の触媒を添加しなくとも、濃硫酸にて高温に加熱することで、加水分解を起こすことも可能であるが、カルボン酸などへの副反応も懸念されるため、反応の円滑性を保つ意味からも、触媒を用いた方が好ましい。
触媒は通常、原料1モルに対して0.0001〜0.5モル添加するが、0.001〜0.2モルが好ましく、0.005〜0.1モルがより好ましい。触媒は反応の進行状況を観察して、適宜加えることもできる。触媒の量が原料1モルに対して0.0001モル未満では反応が途中で停止しやすく、収率が低下する恐れがあるため好ましくなく、1モルを超えると経済的に好ましくない。また、触媒は必要に応じて、反応の途中で追加することもできる。
反応温度は使用する触媒の種類により異なるが、通常100〜250℃程度であり、100〜200℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。また、100℃未満では系内に水が溜まり触媒を失活させ反応は殆ど進まず、250℃を超えると分解などにより反応収率が低下するので好ましくない。
反応圧力は反応に殆ど影響を及ぼさないので特に加圧することは必要がなく、通常0.05〜1MPa(絶対圧。以下、本明細書において同じ。)であり、0.1〜0.3MPaで行うことができる。
反応に使用する水の量は、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリド1モルに対し1モル以上であればよいが、おおよそ1.05〜1.2モルが好ましく、最適化は反応条件を設定するとともに、接触効率を高めるための慣用の手段、例えば、水の導入速度の調節、撹拌装置、スパージャーなどの使用は有効である。
また、本発明の第3工程の加水分解は、溶媒の存在下で行うこともできる。使用される溶媒としては原料および生成物を溶解することができ、加水分解反応で不活性な溶媒であり、さらに生成物と十分な沸点差を有することが好ましく、例えば、トルエン、o−、m−、p−キシレン、1,3,5−メシチレン、トリフルオロベンゼン、o−、m−、p−、ビストリフルオロメチルベンゼンなどが挙げられる。しかし、反応原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリド、生成物の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドともに液体であり、かつ生成物を十分に溶解させ、溶媒の役割を兼ねるので、敢えて別途溶媒を使用する必要はなく、その方が経済的にも好ましい。
第3工程で得られた反応混合物は通常の方法で後処理できる。すなわち、水洗、アルカリ性水溶液(炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液など)での洗浄を行い、塩化水素を系内から除去する。その後、乾燥剤等で水分を除去することもできる。
第3工程の生成物は、その後蒸留することができ、かかる蒸留精製は減圧条件で行うことが好ましい。蒸留を行う場合には、通常、前記の後処理によって塩化水素を除去したものを用いる。この場合、蒸留塔の材質には制限はなく、ガラス製のもの、ステンレス製のもの、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの等を、用いることができる。蒸留等中には、充填剤を詰めることもできる。この蒸留に要求される段数に制限はないが、3〜100段が好ましく、さらに好ましくは3〜50段である。
蒸留によって、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを、無色液体の留分として単離することができる。
以下、第4工程(2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドのアミン化)について、説明する。第4工程は、前記第3工程で得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドをヒドロキシルアミンと反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを得(「オキシム化」という)、次いで得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアルコールを得る(「還元反応」という)工程である。
本工程のオキシム化で用いられるヒドロキシルアミンは通常、系内においてヒドロキシルアミン塩をアルカリ金属水溶液と作用させ発生させる。ヒドロキシルアミン塩の種類には制限はないが、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミンなどが一般的であり、好適に採用される。また、アルカリ金属水溶液のアルカリ金属の種類にも制限はないが水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが一般的であり、好適に採用される。
本発明のオキシム化方法において、アルカリ金属水溶液中のアルカリ金属の量は、使用するヒドキシルアミン塩のモル数および原料のモル数の和に対して通常等モル以上であるが、使用するヒドキシルアミン塩のモル数および原料のモル数の和に対して1〜5倍モルが好ましく、1〜3倍モルがより好ましい。等モル未満では反応が遅くなるので、好ましくない。一方、5モルを超えて使用しても反応性の上では問題ないが、反応終了後の過剰アルカリ金属の中和処理量が多くなる。また、アルカリ金属水溶液の量が増えることにより生産性を悪くするなどの工業的な問題が生じるので好ましくない。
本工程のオキシム化方法においてアルカリ水溶液の濃度には制限はないが、1重量%〜48重量%が好ましく、5重量%〜30重量%が特に好ましい。1重量%未満ではアルカリ水溶液が多くなり生産性を悪くなり、48重量%を超えても反応性の上では問題ないが、固化、アルカリ金属の析出など操作性の問題が生じるので好ましくない。
本反応のオキシム化は一般に溶媒中にて行われる。溶媒としてはヒドロキシルアミン塩、アルカリ金属水溶液、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムおよび2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムのアルカリ金属塩を溶解させ、オキシム化に不活性な溶媒で、アルコール、水などが用いられる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノールなど低級アルコールが好ましく、炭素数の多い高級アルコールは水への溶解性が低いので好ましくない。
第4工程のオキシム化の具体的な操作手順に特に制限はないが、例えば次の手順で実施することができる。反応容器に水または溶媒または水及び溶媒の混合液を投入する。続いて所定量のヒドロキシルアミン塩を投入する。反応容器内部の材質はガラス、カーボンまたはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器が好適に採用される。ステンレス鋼、鉄などが内壁となっている反応容器の場合も反応自体は進行するが、金属が反応後の中和処理時に塩酸を使用するためこの塩酸により腐食されることがあるので、可能な限り、ガラス、またはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器を用いた方がよい。容器内の撹拌を開始し、冷却しながら所定量のアルカリ金属水溶液を加える。アルカリ金属水溶液の投入方法は一括投入、分割投入、滴下投入などの方法があるが特に制限はなく、設定温度以上にならないように注意しながら投入すればよい。続いて所定量の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを滴下ロート、定量ポンプなどの滴下装置を使用して滴下投入する。滴下投入後も原料が十分に目的物に変換されるまで反応を続けるのが好ましい。反応中は所定の温度を保つように冷却または加温する。反応中は適宜、サンプリングを行って、NMR、ガスクロマトグラフィー等の分析法で反応の進行状況を測定しながら、反応を実施することが好ましい。
反応温度は−50〜150℃が好ましく、0〜100℃が特に好ましい。反応圧力は反応に殆ど影響を及ぼさないので特に加圧することは必要がなく、通常0.05〜1MPa(絶対圧。以下、本明細書において同じ。)であり、0.1〜0.3MPaで行うことが好ましい。
本工程のオキシム化が終了した後の反応物の精製処理は、通常の有機合成の処理法に基づいて行えばよい。たとえば、塩酸にてpH9〜3に中和すると、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムの結晶が析出する。pH9以上では収率を低下させ、pH3以下では、生成した2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムが2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドとヒドロキシルアミンに分解することがあるので、好ましくない。この結晶を濾過により回収し乾燥する。また、塩酸によってpH9〜3の範囲になるまで中和し、次いで酢酸エチル、トルエン、塩化メチレンなどの有機溶媒にて注出し水洗浄を行い酸分を系内から除去し、乾燥剤等で水分を除去した後、溶媒を留去することもできる。
本工程のオキシム化で得た反応物は、これ以上の精製はせずに、そのまま還元反応の原料としても、還元反応の反応性や選択率に悪影響を及ぼすことがないので、そのまま還元反応の原料として用いる方が好ましい。
本工程における還元反応は、前記オキシム化で得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させ、本発明の目的化合物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを得る工程である。
当反応に用いる遷移金属触媒の遷移金属としては、パラジウム、白金、ルテニウム、イリジウムまたはロジウムが反応条件下で腐食を受けにくく、触媒活性も高いので好ましい。この中でパラジウムは取扱いやすく、活性も高いため特に好ましい。複数種類の金属を同時に使用してもよい。遷移金属触媒は、担体に担持させて用いることが好ましく、担体としては活性炭、シリカ、アルミナが使用でき、活性炭が好ましい。担持方法は特に限定されないが、上記金属の金属化合物の溶液に担体を浸漬したり、溶液を担体に噴霧した後、乾燥させ、おおむね150℃〜350℃に加熱しながら水素ガスで還元処理することによって得られる。得られた触媒はそのまま使用しても良いが、適当量の水と混合した「水を含有する触媒(wet品)」として使用すると、取扱いやすく好ましい。またこのようにして調製できる遷移金属触媒としては、市販のもの(例えばパラジウム/活性炭触媒)を用いてもよい。
本発明の方法において担体に担持させる遷移金属の量(金属原子に換算した量)の合計値は特に制限はないが、担体100gに対し0.1g〜10gが好ましく、0.2g〜5gが特に好ましい。0.1gに満たないと反応速度が遅くなり、10gを超えると経済的に好ましくない。このようにして調製した遷移金属触媒を、第3工程で得られた原料化合物に対し0.1〜30重量%(水分を除いた重量)用いることが好ましく、1〜10重量%(水分を除いた重量)用いることがさらに好ましい。なお、これらの遷移金属触媒は固相触媒であるから、反応に使用した後、ろ過等の操作によって分離し、再利用することもできる。
本発明の還元反応方法において原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムは常温で固体であるため、溶媒を使用するのが好ましい。溶媒には特に制限はないが、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが一般的であり、好適に採用される。
当反応において遷移金属触媒以外の添加物は必要ないが、次の式で表される2級アミンの生成を抑制するため、塩化水素を添加することもでき、通常はその方が好ましい。
Figure 0004255446
還元反応において使用される塩化水素の量は、基質1モルに対し1〜20モルが好ましく、1〜10モルが特に好ましい。1モルに満たないと効果が小さくなり、20モルを超えると経済的に好ましくない。使用される塩化水素は通常ガスボンベに充填されたものを使用するが、塩酸(塩化水素水溶液)、溶媒に溶解して市販されているもの(例えば塩化水素メタノール溶液)を用いてもよい。
本工程の還元反応の具体的な操作手順に特に制限はないが、例えば次の手順で実施することができる。加圧条件に耐えられるオートクレーブ中に2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムおよび溶媒を投入する。オートクレーブはガラス容器、カーボンまたはガラス、フッ素樹脂などでライニングされた反応容器が好適に採用される。ステンレス鋼、鉄などが内壁となっている反応容器の場合も反応自体は進行するが、添加物に塩化水素を使用する場合は金属が塩化水素により腐食されことがあるので好ましくない。続いて所定量の遷移金属触媒を加え、塩化水素源として塩酸または溶媒に溶解した塩化水素溶液を使用する場合は、続いて所定量の塩酸または溶媒に溶解した塩化水素溶液を添加する。容器を密閉し容器内の撹拌を開始する。塩化水素源として塩酸または溶媒に溶解した塩化水素溶液の代わりに塩化水素ガスを添加する場合は、塩化水素ガスのボンベを接続して所定量を導入する。続いて水素ガスのボンベに接続して加圧し加熱する。その後は、所定の温度を維持する様に加温または冷却し、系内が所定の圧力に維持される様に水素ガスを連続的もしくは断続的に供給すればよい。反応中は適宜、サンプリングを行って、NMR、ガスクロマトグラフィー等の分析法で反応の進行状況を測定しながら反応を実施することが好ましい。そして原料が十分に目的物に変換されたか、水素ガスがもはや吸収されなくなるまで反応を続ける。
反応温度は0〜150℃が好ましく、10〜100℃が特に好ましい。系内における水素の圧力は常圧(0.1MPa)以上、10MPa以下であることが好ましく、0.3〜2.0MPaが特に好ましい。あまり高い圧力で実施することは、反応性の上では問題ないが、反応器に過大な強度が要求されるなど、工業的な問題が生じるので好ましくない。例えば反応器としてガラス製容器を用いる場合には、圧力の上限は通常2MPa程度であるから、反応器の強度にも注意して圧力の設定を行う必要がある。
本工程の還元反応が終了した後の反応混合物の精製処理は、通常の有機合成の処理法に基づいて行えばよく、特に制限されない。すなわち、濾過にて触媒を除去後、エバポレーションにより溶媒留去後アルカリ性水溶液(水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液など)にてpH9〜11の範囲になるまで中和すると粗2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが分離する。これを水での洗浄を行い、その後、乾燥剤等で水分を除去することもできる。また、アルカリによってpH9〜11の範囲になるまで中和し、次いでn−ヘキサン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレンなどの有機溶媒にて抽出し水洗浄を行い、乾燥剤等で水分を除去した後、溶媒を留去することもできる。
第4工程の生成物は、その後蒸留することができ、蒸留によって無色透明の液体2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが留分として単離される。
本工程の蒸留精製は減圧条件で行うことが好ましく、蒸留を行う場合には、通常、前記の後処理によって酸分を除去したものを用いる。この場合、蒸留塔の材質には制限はなく、ガラス製のもの、ステンレス製のもの、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの等を、用いることができる。蒸留等中には、充填剤を詰めることもできる。この蒸留に要求される段数に制限はないが、3〜100段が好ましく、さらに好ましくは3〜50段である。
次に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例により、限定されない。
[実施例1]
(実施例1−a)塩素化
ジムロート冷却管、温度計、塩素吹き込み管を備えた500ml四つ口フラスコに2,3−ジメチルフルオロベンゼン:248.0g及び2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN):1.84g(0.56mol%)を仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温し、塩素ガスを約1.0mol/Hrの速度で導入し、反応を開始した。内温を65〜72℃に保ちながら、塩素ガスを7時間供給した。その結果、反応液の塩素化度は3.65となった。
その後、内温を190℃に上げ、さらに12時間反応を継続した。反応継続後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが74.7%、未完全塩素化体である2,3−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼンが1.5%、過塩素化体である2−クロロ−6−フルオロベンザルクロリドが1.0%、2−クロロ−6−フルオロベンゾトリクロリドの17.3%であった。回収した反応液の重量は562.9gであった。異性体である2−トリクロロメチル3−フルオロベンザルクロリドは検出されなかった。この反応液(塩素化混合物)は精製することなく、続く実施例1−b(フッ素化)に使用した。
[2−トリクロルメチル−6−フルオロベンザルクロリドの物性データ]
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CDCl3
δ ppm:7.30(mlut、1.2Hz、8.3Hz、10.6Hz、1H),7.42(mlut、5.4Hz、8.3Hz、8.3Hz、1H),7.76(d、3.6Hz、1H),7.85(dd、1.2Hz、8.0Hz、1H)
19F−NMR(基準物質:CCl3F,溶媒:CDCl3
δ ppm:−102.31(1F)
GLC−MS
m/z(rel.intensity):294(M+、6.6)、265(9.9)、263(47.0)、261(100)、259(79.1)、226(23.8)、224(25.0)、191(23.3)、189(37.9)、156(15.8)、154(49.9)、119(13.3)、118(15.8)、113(14.4)、112(16.6)、99(13.1)、94(20.7)、77(15.9)
形状:白固体(精製物)
(実施例1−b)フッ素化
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製1Lオ−トクレ−ブに、実施例1−aで得られた塩素化混合物556.7g及び無水フッ化水素302.6gを仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を110℃に昇温し、反応を開始した。内圧が2.9〜3.0MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら6時間反応を行った。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが70.7%であった。この他に、過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドが0.9%、同じく過フッ素化体である2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドが8.9%、過塩素化体のフッ素化物である2−クロロ−6−フルオロベンゾトリフルオリドが16.6%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は417.2gであった。
得られたフッ素化反応液はDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔で蒸留精製した。
この蒸留によって1400〜1500Pa、温度76〜77℃の留分を分取したところ、純度99.5%の目的物が247.9g得られた。塩素化原料の2,3−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は50.3%であった。
[2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドの物性データ]
1H−NMR(基準物質:TMS,溶媒:CDCl3
δ ppm:7.03(d,3.1Hz、1H),7.39(mlut、1.5Hz、8.0Hz、10.7Hz、1H),7.44(dd、1.5Hz、8.0Hz、1H),7.50(mlut、4.8Hz、8.0Hz、8.0Hz、1H)
19F−NMR(基準物質:CCl3F,溶媒:CDCl3
δ ppm:−58.35(3F)、−104.21(1F)
GLC−MS
m/z(rel.intensity):246(M+、7.5)、213(32.9)211(100)、176(43.1)、161(8.1)、125(12.0)、107(16.5)、88(13.1)
形状:無色透明液体
(実施例1−c)加水分解
ジムロート冷却管、温度計および滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリド(純度99.5%):246.0g及び塩化第二鉄(無水):3.2g(2.0mol%)および滴下ロートに水:19.8gを仕込み、攪拌しながら内温を120℃に昇温した。滴下ロートより水の滴下を開始し、反応を開始した。内温を105〜115℃に保ちながら、水:19.8gを2時間掛けて滴下した。水滴下終了後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが99.4%、原料である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが0.1%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄を2回した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は179.7gであった。
得られた加水分解反応液はDixonパッキンを充填した20cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって1100〜1200Pa、温度73〜74℃の留分を分取したところ、純度99.8%の目的物が160.4g得られた。加水分解原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドからの総合収率は84.0%であった。
[実施例2]アミノ化
ジムロート冷却管、温度計、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに塩酸ヒドロキシルアミン:38.2g及びメタノール:191.1gを仕込み、攪拌しながら水または氷浴にて冷却し内温を20〜30℃に保ちながら、滴下ロートを使用して25%−水酸化ナトリウム水溶液:192.0gを約1時間掛けて滴下した。その後、内温を20〜30℃に保ちながら滴下ロートを使用して、実施例1で合成した2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒド(純度99.8%):96.0gを1時間掛けて滴下した。滴下後の反応液の組成は、ガスクロマトグラフィーの分析(一部サンプリングし、塩酸によりpH=5〜3に中和後、酢酸エチルにて抽出したものを分析した。)から、目的物である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンズアルドキシムが96.5%及び原料である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンズアルデヒドが0.1%であった(溶媒を除いた組成比。)。反応終了後、35%塩酸:66.9gを添加してpH=4に中和した。さらに酢酸エチル200mlにて抽出後、有機物相を分離し硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液をエバポレーションにて溶媒留去し得られた2−トリクロロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムは純度97.1%、重量は98.1gであった。オキシム化原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドからの総合収率は94.8%であった。
攪拌機、熱電対、圧力計、水素導入管、脱気弁を備えたガラス製1Lオートクレーブに、前工程で製造した2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンズアルドキシム(純度97.1%):98.1g、5%−Pd/C(50%含水品):3.9g、10%−塩化水素メタノール溶液:346.0g(塩化水素分として34.6g)、メタノール:162.5g(メタノール総量473.9g)を仕込み、撹拌を開始し、窒素及び水素置換後、水素を導入し、圧力0.5MPaにすると共に内温30〜32℃を保ち10時間反応した。この時の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミン97.6%、原料である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシム0.7%、その他2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアルコール0.1%、2級アミン(下式)1.0%であった。反応終了後、回収した反応液を、濾過して触媒を取り除き、エバポレーションにてメタノール及び過剰の塩化水素を除去した。2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンの塩酸塩が得られたので、10%−水酸化ナトリウム水溶液でアルカリになるように洗浄すると2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが分離した。これをn−ヘキサンで抽出し有機物を水洗浄した。洗浄後の有機物相を分離し、硫酸マグネシウムを加え攪拌後濾過をした。濾液の有機物を再度エバポレーションにてn−ヘキサンを除去したところ、84.4gの粗2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが得られた。これを蒸留精製し、2500Pa〜2600Pa、温度75〜76℃の留分を分取したところ純度99.9%の目的物が80.8g得られた。原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムからの総合収率は88.2%であった。
Figure 0004255446
[実施例3]
(実施例3−a)塩素化
ジムロート冷却管、温度計、塩素吹き込み管を備えた500ml四つ口フラスコに2,3−ジメチルフルオロベンゼン:248.0g及び2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN):1.84g(0.56mol%)を仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温し、塩素ガスを約1.0mol/Hrの速度で導入し、反応を開始した。内温を65〜70℃に保ちながら、塩素ガスを7時間供給した。その結果、反応液の塩素化度は3.71となった。
その後、内温を200℃に上げ、さらに7時間反応を継続した。反応継続後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが79.6%、未完全塩素化体である2,3−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼンが0.9%、過塩素化体である2−クロロ−6−フルオロベンザルクロリドが0.5%、2−クロロ−6−フルオロベンゾトリクロリドの13.2%であった。異性体である2−トリクロロメチル3−フルオロベンザルクロリドは検出されなかった。反応液の重量は562.2gであった。この反応液(塩素化混合物)は精製することなく、続く実施例3−b(フッ素化)に使用した。
(実施例3−b)フッ素化
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製1Lオートクレーブに、実施例3−aで得られた塩素化混合物550.0g及び無水フッ化水素303.4gを仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を110℃に昇温し、反応を開始した。内圧が2.9〜3.0MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら5時間反応を行った。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが76.5%であった。この他に、過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドが0.1%、同じく過フッ素化体である2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドが4.0%、過塩素化体のフッ素化物である2−クロロ−6−フルオロベンゾトリフルオリドが14.3%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は434.0gであった。
得られたフッ素化反応液はDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって2000〜2150Pa、温度81〜84℃の留分を分取したところ、純度99.2%の目的物が271.7g得られた。塩素化原料の2,3−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は55.2%であった。
(実施例3−c)加水分解
ジムロート冷却管、温度計および滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリド(純度99.2%):246.0g及び塩化第二鉄(無水):1.6g(1.0mol%)および滴下ロートに水:19.8gを仕込み、攪拌しながら内温を120℃に昇温した。滴下ロートより水の滴下を開始し、反応を開始した。内温を116〜122℃に保ちながら、水:19.8gを2時間掛けて滴下した。水滴下終了後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが99.4%、原料である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが0.1%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄を2回した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は181.0gであった。
得られた加水分解反応液はDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって2000〜2100Pa、温度80〜81℃の留分を分取したところ、純度99.8%の目的物が151.5g得られた。加水分解原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドからの総合収率は78.9%であった。
[実施例4]アミノ化
ジムロート冷却管、温度計、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに塩酸ヒドロキシルアミン:38.2g及び水:200.0gを仕込み、攪拌しながら水または氷浴にて冷却し内温を25〜30℃に保ちながら、滴下ロートを使用して25%−水酸化ナトリウム水溶液:192.0gを約1時間掛けて滴下した。その後、内温を30〜32℃に保ちながら滴下ロートを使用して、実施例3で製造した2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒド(純度99.8%):96.0gを1時間掛けて滴下した。滴下後の反応液の組成は、ガスクロマトグラフィーの分析(一部サンプリングし、塩酸によりpH=5〜3に中和後、酢酸エチルにて抽出したものを分析した。)から、目的物である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンズアルドキシムが97.2%及び原料である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンズアルデヒドが0.1%であった(溶媒を除いた組成比。)。反応終了後、水:100.0gを追加すると共に35%塩酸:67.8gを添加してpH=3に中和した。中和したところ2−トリクロロメチル−5−フルオロベンズアルドキシムの結晶が析出したので、濾過にて結晶を回収した。水:50.0gにて洗浄後、オーブンにて乾燥し得られた2−トリクロロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムは純度98.7、重量は98.2gであった。オキシム化原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドからの総合収率は94.9%であった。この反応物は精製することなく、続く還元反応に使用した。
攪拌機、熱電対、圧力計、水素導入管、脱気弁を備えたガラス製1Lオートクレーブに、前工程で製造した2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンズアルドキシム(純度98.7%):98.2g、5%−Pd/C(50%含水品):2.0g、10%−塩化水素メタノール溶液:346.0g(塩化水素分として34.6g)、メタノール:162.5g(メタノール総量473.9g)を仕込み、撹拌を開始し、窒素及び水素置換後水素を導入し、圧力0.5MPaにすると共に内温50〜32℃を保ち5時間反応した。この時の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミン96.0%、原料である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシム0.2%、その他2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアルコール0.7%、2級アミン2.6%であった。反応終了後、回収した反応液を、濾過して触媒を取り除き、エバポレーションにてメタノール及び過剰の塩化水素を除去した。2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンの塩酸塩が得られたので、10%−水酸化ナトリウム水溶液でアルカリになるように洗浄したところ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが分離した。これをn−ヘキサンで抽出し、有機相を水で洗浄した。洗浄後の有機相を分離し、硫酸マグネシウムを加え攪拌後濾過をした。濾液(有機相)を再度エバポレーションにて濃縮し、n−ヘキサンを除去したところ、84.3gの粗2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが得られた。これを蒸留精製し、2300Pa〜2400Pa、温度71〜72℃の留分を分取したところ、純度99.8%の目的物が78.6g得られた。原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムからの総合収率は85.8%であった。
[実施例5]
(実施例5−a)塩素化
ジムロート冷却管、温度計、塩素吹き込み管を備えた500ml四つ口フラスコに2,3−ジメチルフルオロベンゼン:248.0g及び2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN):1.84g(0.56mol%)を仕込み、攪拌しながら内温を60℃に昇温し、塩素ガスを約1.0mol/Hrの速度で導入し、反応を開始した。内温を65〜70℃に保ちながら、塩素ガスを7時間供給した。その結果、反応液の塩素化度は3.68となった。
その後、内温を220℃に上げ、さらに5時間反応を継続した。反応継続後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが83.5%、未完全塩素化体である2,3−ビス(ジクロロメチル)フルオロベンゼンが1.0%、過塩素化体である2−クロロ−6−フルオロベンザルクロリドが0.5%、2−クロロ−6−フルオロベンゾトリクロリドの8.6%であった。異性体である2−トリクロロメチル3−フルオロベンザルクロリドは検出されなかった。反応液の重量は574.1gであった。この反応液(塩素化混合物)は精製することなく、続く実施例5−b(フッ素化)に使用した。
(実施例5−b)フッ素化
攪拌機、圧力調整弁を備えた冷却還流管、熱電対、圧力計、サンプリング管を備えた金属製1Lオートクレーブに、実施例5−aで得られた塩素化混合物572.8g及び無水フッ化水素380.4gを仕込み密閉とし、撹拌しながら内温を100℃に昇温し、反応を開始した。内圧が2.9〜3.0MPaになるように圧力調整弁を調整し、反応の進行と共に発生する塩化水素を圧力調整弁から系外へ放出しながら10時間反応を行った。この時の反応液(有機相)の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドが84.3%であった。この他に、過フッ素化体である2−クロロフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドが0.6%、同じく過フッ素化体である2−ジフルオロメチル−3−フルオロベンゾトリフルオリドが2.4%、過塩素化体のフッ素化物である2−クロロ−6−フルオロベンゾトリフルオリドが8.8%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄、さらに水洗浄した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は439.6gであった。
得られたフッ素化反応液はDixonパッキンを充填した45cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって1550〜1650Pa、温度70〜72℃の留分を分取したところ、純度99.0%の目的物が294.5g得られた。塩素化原料の2,3−ジメチルフルオロベンゼンからの総合収率は59.9%であった。
(実施例5−c)加水分解
ジムロート冷却管、温度計および滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリド(純度99.0%):246.0g及び塩化第二鉄(無水):1.6g(1.0mol%)および滴下ロートに水:19.8gを仕込み、攪拌しながら内温を110℃に昇温した。滴下ロートより水の滴下を開始し、反応を開始した。内温を111〜106℃に保ちながら、水:19.8gを2時間掛けて滴下した。水の滴下終了後の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から、目的物である2−トリクロロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドが99.4%、原料である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンザルクロリドが0.1%であった。
反応終了後、回収した反応液を、水洗浄を2回した。洗浄後の反応液に硫酸マグネシウムを加え、攪拌後濾過をした。濾液で得られた反応液の重量は181.0gであった。
得られた加水分解反応液をDixonパッキンを充填した20cmの蒸留塔で蒸留精製した。この蒸留によって1100〜1000Pa、温度69〜71℃の留分を分取したところ、純度99.6%の目的物が164.3g得られた。加水分解原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドからの総合収率は85.6%であった。
[実施例6]アミノ化
ジムロート冷却管、温度計、滴下ロートを備えた500ml四つ口フラスコに塩酸ヒドロキシルアミン:38.2g及び水:200.0gを仕込み、攪拌しながら水または氷浴にて冷却し内温を50℃以下を保ちながら、滴下ロートを使用して25%−水酸化ナトリウム水溶液:192.0gをゆっくりと添加した。その後、内温を50℃以下に保ちながら滴下ロートを使用して、実施例5で製造した2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒド(純度99.4%):96.0gを1時間掛けて滴下した。滴下後の反応液の組成は、ガスクロマトグラフィーの分析(一部サンプリングし、塩酸によりpH=5〜3に中和後、酢酸エチルにて抽出したものを分析した。)から、目的物である2−トリクロロメチル−5−フルオロベンズアルドキシムが97.5%及び原料である2−トリクロロメチル−4−フルオロベンズアルデヒドが0.1%であった(溶媒を除いた組成比。)。反応終了後、水:100.0gを追加すると共に35%塩酸:67.8gを添加してpH=3に中和した。中和すると2−トリクロロメチル−5−フルオロベンズアルドキシムの結晶が析出したので、濾過にて結晶を回収した。水:50.0gにて洗浄後、オーブンにて乾燥し得られた2−トリクロロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムは純度99.0%、重量は98.6gであった。オキシム化原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドからの総合収率は95.5%であった。この反応物は精製することなく、続く還元反応に使用した。
攪拌機、熱電対、圧力計、水素導入管、脱気弁を備えたガラス製1Lオートクレーブに、前工程で製造した2−トリフルオロメチル−5−フルオロベンズアルドキシム(純度99.0%):98.6g、5%−Pd/C(50%含水品):2.0g、35%−塩酸:99.3g(塩化水素分として34.8g)、メタノール:476.3gを仕込み、撹拌を開始し、窒素及び水素置換後水素を導入し、圧力0.5MPaにすると共に内温50〜32℃を保ち3時間反応した。この時の反応液の組成はガスクロマトグラフィーの分析から目的物である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミン96.8%、原料である2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシム0.1%、その他2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアルコール2.4%、2級アミン0.7%であった。反応終了後、回収した反応液を、濾過して触媒を取り除き、エバポレーションにてメタノール及び過剰の塩化水素を除去した。2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンの塩酸塩が得られたので、10%−水酸化ナトリウム水溶液でアルカリになるように洗浄したところ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが分離した。これをn−ヘキサンで抽出し有機物を水洗浄した。洗浄後の有機物相を分離し、硫酸マグネシウムを加え攪拌後濾過をした。濾液の有機物を再度エバポレーションにてn−ヘキサンを除去したところ、85.0gの粗2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンが得られた。これを蒸留精製し、2250Pa〜2400Pa、温度66〜69℃の留分を分取したところ純度99.9%の目的物が81.4g得られた。原料の2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムからの総合収率は88.8%であった。

Claims (9)

  1. 次の3工程を含む、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドの製造方法。
    第1工程:2,3−ジメチルフルオロベンゼンを塩素(Cl2)と反応させ、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得る工程。
    第2工程:前記2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを、液相でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得る工程。
    第3工程:前記2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドをルイス酸触媒下において水と接触させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを得る工程。
  2. 請求項1の方法によって得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドを、さらに下記の第4工程に付することを特徴とする、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを製造する方法。
    第4工程:2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドをヒドロキシルアミンと反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを得、次いで得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを得る工程。
  3. 第1工程の2,3−ジメチルフルオロベンゼンと塩素(Cl2)との反応が、ラジカル開始剤の存在下、または光照射下で、行われることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 第2工程の2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドとフッ化水素(HF)との反応が、無溶媒で行われることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
  5. 第2工程が終了した後、得られた反応混合物を蒸留精製し、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを単離した上で、続く第3工程に用いることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 第3工程に用いるルイス酸触媒が、塩化第二鉄、塩化クロム、塩化アルミニウム、五塩化アンチモン、三フッ化ホウ素から選ばれるルイス酸触媒であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
  7. 第4工程に用いられる遷移金属触媒が、パラジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属触媒であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 2,3−ジメチルフルオロベンゼンをラジカル開始剤の存在下、塩素(Cl2)と反応させ、2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを得、次いで該2−トリクロロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを、液相で、かつ無溶媒条件下でフッ化水素(HF)と反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを含む反応混合物を得、次いで、該反応混合物を蒸留精製して2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドを単離し、次いで、該2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンザルクロリドをルイス酸触媒下において水と接触させることを特徴とする、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドの製造方法。
  9. 請求項8の方法によって得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルデヒドをさらに、ヒドロキシルアミンと反応させ、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムを得、次いで得られた2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンズアルドキシムをパラジウム、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種の遷移金属触媒の存在下、水素(H2)と反応させることを特徴とする、2−トリフルオロメチル−6−フルオロベンジルアミンを製造する方法。
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