従来、室内に設置したTV受像器(テレビジョン受像器)でTV信号を受信するときには、一般に、前記室内の壁面に設置された直列ユニットのTV端子と前記TV受像器の端子を同軸ケーブルで接続する。前記直列ユニットは、導電性の筐体の表面に、中心導体及び前記中心導体と同心的に設けられた外部導体からなる接続端子が複数個設けられている。このとき、前記各接続端子の外部導体同士は、前記筐体により電気的に接続されている。また、前記各接続導体の中心導体同士は、前記筐体の内部空間に設けられたプリント配線板上の電気回路を介して電気的に接続されている。
前記直列ユニットは、一般に、前記室内の壁面に埋め込むように設置されている。このとき、前記直列ユニット1には、例えば、図20乃至図22に示すように、壁面設置用部材8が取り付けられており、前記壁面設置用部材8と壁4、もしくは前記壁に設置された箱状の部材(以下、アウトレットボックスと称する)をネジ等の固定部材で固定する。このとき、図示は省略するが、前記壁に埋め込まれた側の接続端子104,105には、前記壁4の内部空間、あるいは前記壁面設置用部材8を取り付けた面の裏面側に敷設された同軸ケーブルと接続する。以下、前記壁4の内部空間等に敷設された同軸ケーブルを接続する接続端子を入出力端子と称する。前記壁4の内部空間等に敷設された同軸ケーブルは、室外のテレビアンテナ等に接続されている。そのため、前記直列ユニット1の、前記壁面用設置部材8を設置した面に突出する受信機接続用端子102,103とテレビ受像器等の受信機の端子を同軸ケーブルで接続すれば、前記テレビ受像器と前記テレビアンテナ等が接続され、前記テレビ受像器でテレビ信号を受信することができる。
またこのとき、前記直列ユニット1及び前記壁面設置用部材8が剥き出しであると、室内の水分の進入により前記直列ユニット1や前記壁4の内部空間等に敷設された同軸ケーブルが腐食あるいは劣化したり、埃の進入によりショート(短絡)したりする危険性がある。また、前記直列ユニット1や前記壁面設置用部材8が剥き出しであると、外観上の見劣りがある。
そのため、前記直列ユニット1を壁4に設置するときには、例えば、図23に示すように、前記受信機接続用端子102,103の周囲を覆うような化粧パネル7と、前記直列ユニット1及び壁面設置用部材8を覆うような化粧プレート5A,5Bを被せ、室内の水分や埃等が前記壁の内部空間に進入するのを防ぐとともに、外観を美化している。
ここで用いられる化粧プレートには、大きく分けて、標準型とワイド型の2種類の化粧プレートがある。前記標準型化粧5A,5Bプレートの場合、図23に示した、前記壁4からの突出量T3は約8mmである。また、前記ワイド型化粧プレートの場合、前記化粧プレートの接地面からの突出量T3wは約10mmである。そのため、前記直列ユニット1には、一般に、図22に示した、前記直列ユニット1を壁に設置するときの設置面から前記直列ユニット1に取り付けた化粧パネルの先端面までの距離T2が8mmになるように設計された標準型用の壁面設置用部材8、もしくは前記設置面から前記化粧パネルの先端面までの距離が10mmになるように設計されたワイド型用の壁面設置用部材のいずれかが取り付けられている。
このとき、例えば、前記標準型用の壁面設置用部材が取り付けられた直列ユニットを壁に取り付けた場合を考えると、前記標準型化粧プレートに加え、前記標準型化粧プレートよりも突出量が大きいワイド型化粧プレートを用いることが可能である。しかしながら、前記標準型用の壁面設置用部材を用いて前記直列ユニットを壁に設置し、ワイド型化粧プレートを被せた場合、図24に示すように、前記化粧パネル7と前記ワイド型化粧プレート5D,5Eの境目5Fに段差あるいは隙間が生じる。このとき、前記化粧パネル7と前記化粧プレート5D,5Eの境目5Fに隙間が生じれば、室内の水分や埃等が壁の内部空間に進入しやすくなる。また、隙間が生じていなくても、段差があると、外観上の見劣りがある。そのため、前記ワイド型化粧プレート5D,5Eを用いる場合は、前記直列ユニットに取り付けられた前記標準型用の壁面設置用部材8を取り外して、前記ワイド型用の壁面設置用部材を取り付けなければならない。
一方、前記ワイド型用の壁面設置用部材が取り付けられた直列ユニットを壁に取り付けた場合を考えると、前記標準型化粧プレートを被せることも可能であるが、その場合、化粧パネル7が突出して、外観上の見劣りがある。
すなわち、従来の壁面設置用部材8では、被せる化粧プレートの種類に応じて、壁面設置用部材を付け替えなければならない。
また、前記直列ユニット1を壁4に設置する際に用いる壁面設置用部材8や化粧プレート7等は、例えば、ACコンセントや照明のスイッチ、電話線端子等を壁に設置する際に用いる壁面設置用部材や化粧プレート等とサイズやデザイン、取付構造がよく似ている。そのため、一部の部材、例えば、前記化粧プレート等は、前記ACコンセント等を壁に設置する際に用いる化粧プレート等と共用することが可能である。
しかしながら、前記ACコンセントや照明のスイッチ等を設置するときの化粧プレートには、例えば、図25に示すように、2つの開口部6Cを有する化粧プレート6を用いることが多い。このような2つ穴の化粧プレート6の場合、図26に示すように、2つの穴6Cの間の部分6Bが、前記直列ユニット1に取り付けた化粧パネル7と干渉してうまく取り付けられない。そのため、前記直列ユニットの化粧プレートに流用することができない。
前記背景技術で説明したように、解決しようとする問題点は、前記直列ユニット1を壁4に設置するときに、前記直列ユニット1の、壁4からの突出量を変えるためには、2種類の壁面設置用部材を用意しなければならない点である。
また、他の問題点として、前記直列ユニット1を壁4に設置したときに被せる化粧プレート等の部材を、ACコンセント等、同様の方法で壁に設置したユニットに被せる化粧プレート等の部材と共用することが難しいという点もある。
本発明の目的は、1つの壁面設置用部材で、直列ユニットの、壁からの突出量を変えることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記直列ユニットを壁に設置したときにかぶせる化粧プレート等の部材の流用性(汎用性)を高くし、同様の方法で設置する他のユニットで用いる部材と共用することが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
本願において開示される発明の概要を説明すれば、以下の通りである。
(1) 導電性のシールドケースの表面に、中心導体及び前記中心導体と同心的に設けられた外部導体からなる同軸ケーブル接続端子を複数個設けられた直列ユニットと、前記直列ユニットを設置する壁面設置用部材とを備え、前記同軸ケーブル接続端子は、前記壁に取り付けたときに設置面から突出するように設けられた受信機接続用端子と、前記壁の内部空間あるいは前記設置面の裏面側に設けられた入出力端子からなる壁面設置用部材付き直列ユニットであって、前記直列ユニットは、前記壁面設置用部材を取り付ける面に、前記壁面設置用部材の一部を挿入して固定する開口部を有し、前記壁面設置用部材は、前記壁に固定する固定部及び前記シールドケースの開口部に挿入する挿入部からなる第1部材と、前記第1部材の挿入部に着脱可能な第2部材からなり、前記第2部材は、前記第1部材の前記受信機接続用端子に近い方向、及び前記受信機接続用端子から遠い方向のそれぞれに着脱可能であり、かつ、どちらの方向に前記第2部材を取り付けた状態でも前記挿入部を前記シールドケースの開口部に挿入可能であり、前記第2部材を取り付ける方向を変えることで、前記壁に設置したときの前記受信機接続用端子の突出量を切り替え可能な直列ユニット。
(2) 前記(1)の手段において、前記壁面設置用部材は、前記直列ユニットに取り付けた状態で、第2部材が前記第1部材の前記受信機接続端子に近い方向と、前記受信機接続端子から遠い方向のどちらに取り付けられているか判別する手段を備える。
(3) 前記(1)または(2)の手段において、前記シールドケースは、前記受信機接続用端子が設けられた面、あるいは前記受信機接続用端子が設けられた面の近傍に、3つの化粧パネルを一列に並べて取り付けることが可能な3対の化粧パネル取付部が設けられている。
(4) 前記(1)乃至(3)のいずれかの手段において、前記入出力端子は中心導体の同心軸と直交する軸を回転軸として、90度可動する。
本発明の壁面設置用部材付き直列ユニットは、前記(1)の手段のように、前記壁面設置用部材の第1部材の挿入部に、2通りの取り付け方が可能な前記第2部材を設けることにより、1つの壁面設置用部材で、前記直列ユニットの受信機接続用端子と前記壁面設置用部材の固定部の相対的な位置関係(距離)を2通りに設定することができる。すなわち、前記(1)の手段の壁面設置用部材付き直列ユニットは、前記壁面設置用部材を壁に取り付けたときに、前記受信機接続用端子の、前記壁からの突出量を2通りに設定することができる。そのため、前記第2部材の厚さが、例えば、従来の前記標準型化粧プレートの厚さと前記ワイド型化粧プレートの厚さの差に等しければ、1つの壁面設置用部材を、前記標準型及び前記ワイド型の両方の化粧プレートのそれぞれに対応した壁面設置用部材として用いることができる。
また、1つの壁面設置用部材で、前記標準型及びワイド型の両方の化粧プレートに対応させることができるので、どちらの化粧プレートを用いても、前記化粧プレートと前記直列ユニットに取り付ける化粧パネルの境目に、サイズが異なることに起因する段差や隙間が生じるのを防げる。そのため、水分や埃が進入しにくくなり、直列ユニットや接続した同軸ケーブルの劣化や腐食が起こりにくくなる。また、サイズが異なることに起因する段差をなくすことができ、外観上の見劣りがなくなる。
またこのとき、前記直列ユニットの開口部は、前記シールドケースに直接も受けられていてもよいし、前記シールドケースとは別に設けた部材を前記シールドケースに取り付けてもよい。
またこのとき、前記(2)の手段のように、前記壁面設置用部材を取り外すことなく、前記第2部材が取り付けられている方向を判別できる手段を設けることで、前記第2部材の取付方向を容易に確認することができる。また、前記第2部材が取り付けられている方向を判別できるので、2つ以上の壁面設置用部材が取り付けられているときに、それぞれの第2部材が同じ方向に取り付けられているか容易に確認することができる。
また、前記直列ユニットに取り付ける化粧パネルは、通常、1つであるが、その場合、ACコンセント等で使用する2つ穴の化粧プレートを流用することができない。そのため、前記(3)の手段のように、3対の化粧パネル取付部を設ければ、従来1つであった化粧パネルを3つに分割することができる。このとき、前記各化粧パネル取付部に化粧パネルを取り付ければ、従来の1つの化粧パネルと同様の外形にできるので、従来から用いている化粧プレートを用いればよい。また、3つの化粧パネルのうち、中央の化粧パネルをはずせば、ACコンセント等で利用している2つ穴の化粧プレートを用いることもできる。そのため、前記直列ユニットと同様の取付構造のユニットで用いる化粧プレート等の部材との共用範囲が広がり、流用性(汎用性)が高くなる。
また、前記直列ユニットは、前記(4)の手段のように、前記入出力端子が90度可動する直列ユニットであってもよい。この場合、前記入出力端子に同軸ケーブルを接続するときにはケーブルを接続しやすい向きにすることができ、かつ、前記直列ユニットを壁に取り付けるときには同軸ケーブルが邪魔にならない向きにすることができる。
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1乃至図5は、本発明による一実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットの概略構成を示す模式図であり、図1は壁面設置用部材付き直列ユニットの構成を示す分解正面図、図2は図1の右側面図、図3(a)は図1に示した直列ユニットの裏面図、図3(b)は図1に示した直列ユニットの上面図、図4(a)は壁面設置用部材の構成を示す正面図及び右側面図、図4(b)は壁面設置用部材の第1部材の正面図及び右側面図、図4(c)は壁面設置用部材の第2部材の正面図及び右側面図、図4(d)は図4(c)の正面図に対する裏面図、図5は壁面設置用部材の作用を説明するための模式図である。なお、各図の正面図、右側面図、裏面図、上面図は、図1に示した図を正面図と定義している。
図1乃至図5の各図において、1は直列ユニット、101はシールドケース、102,103は受信機接続用端子、104,105は入出力端子、106はフィルタースイッチ、107A,107B,107Cは化粧パネル取付部、1Aは第1の面、1Bは第2の面、1Cは第3の面、1Dは第4の面、1Eは壁面設置用部材挿入用の開口部、2は壁面設置用部材、201は第1部材、202は第2部材、2Aは固定部、2Bは挿入部、3は化粧パネルである。
本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットは、図1及び図2に示すように、直列ユニット1と、前記直列ユニット1を室内の壁、あるいは前記室内の壁に取り付けられた箱状の部材(以下、アウトレットボックス)に設置するための壁面設置用部材2により構成されている。
また、前記直列ユニット1は、例えば、図1,図2,図3(a)に示すように、導電性のシールドケース101の第1の面1Aに2つの受信機接続端子102,103が設けられ、第2の面1Bに2つの入出力端子104,105が設けられている。前記受信機接続端子102,103及び前記入出力端子104,105はそれぞれ、中心導体及び前記中心導体と同心的に設けられた外部導体を備える。このとき、前記各端子の中心導体同士は、前記シールドケース101の内部空間に設けられたプリント配線板(図示しない)により電気的に接続される。また、前記各端子の外部導体同士は、前記シールドケース101により電気的に接続される。
また、前記シールドケース101の前記第1の面1Aには、例えば、図1に示したように、前記受信機接続端子102,103のフィルターのオン/オフを切り替えるスイッチ106が設けられている。
また、前記シールドケース101の、前記壁面設置用部材2と向かい合う面1C,1Dには、例えば、図2及び図3(b)に示すように、前記壁面設置用部材2の一部(挿入部)を挿入して、固定するための開口部1Eが設けられている。前記開口部1Eは、前記設置用部材2と向かい合う面1C,1Dが開口し、前記第1の面1Aに沿うように設ける。またこのとき、前記開口部1Eは、図3(b)に示したように、前記シールドケース101を加工して直接設けるかわりに、樹脂等の他の材料で形成した開口部1Eを有する部材を前記シールドケース101に取り付けてもよい。
また、前記シールドケース101の前記第1の面1Aの近傍には、例えば、図2に示したように、3つの化粧パネル3を一列に並べて取り付けることが可能な3対の化粧パネル取付部107A,107B,107Cを設けておく。また、前記化粧パネル3のうち、前記受信機接続用端子102,103上に取り付ける化粧パネルは、図3(b)に示したように、前記受信機接続用端子102,103が通る開口部301Aと、前記受信機接続用端子102,103に同軸ケーブルを接続するための空間302Aが設けられている。また、前記各化粧パネル3には、図3(b)に示したような爪303Aが設けられており、前記化粧パネル3を取り付けるときには、前記爪303Aを前記シールドケース101の化粧パネル取付部107A,107B,107Cに引っかけて固定する。
一方、前記壁面設置用部材2は、図1及び図4(a)に示すように、壁に固定するときに用いる開口部201Aを有する固定部2A及び前記直列ユニット1の開口部1Eに挿入する挿入部2Bからなる。また、前記壁面設置用部材2は、前記固定部2A及び挿入部2Bを有する第1部材201と、前記第1部材201の挿入部2Bに取り付けられた第2部材202により構成される。このとき、前記第1部材201の挿入部2Bには、例えば、図4(b)に示すように、取り付けた前記第2部材202を外れにくくするための切り欠き201B及び開口部201Cを設ける。また、前記第2部材202には、図4(c)に示すように、前記第1部材201の挿入部2Bに設けた切り欠き201B及び開口部201Cと対応する突起202B,202Cを設けておく。またこのとき、前記第2部材202の厚さT1は、例えば、2mmにする。また、例えば、前記突起202Bの表面部分に、図4(c)に示したように、前記突起202Bが設けられた面から見ると色が見え、裏面から見たときには、図4(d)に示すように色が見えないようにしておく。この効果については、後で説明する。
またこのとき、前記第2部材202の前記突起202B,202Cは、図5に示すように、前記第1部材201の挿入部2Bの第1の面201D側、及び第1の面201Dの裏面201E側のどちらからも着脱可能となる形状にする。
図6乃至図14は、本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットを壁に取り付ける際の取り付け方法を説明するための模式図であり、図6は壁面設置用部材付き直列ユニットの正面図、図7は化粧パネルを取り付ける工程の右側面図、図8は直列ユニットを壁に設置する工程の正面図、図9は図8のA−A’線から見た右側面図、図10及び図11は作用を説明するための図、図12は化粧プレートを取り付ける工程の平面図、図13及び図14は効果を説明するための図で図12のB−B’線から見た右側面図である。
本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットは、図6に示すように、前記直列ユニット1の開口部1Eに前記設置用部材2の挿入部を挿入しておく。このとき、前記各設置用部材の挿入部に取り付ける第2部材202は、図2に示したように、前記第1部材201の挿入部の同じ面に取り付けておく。
次に、図7に示すように、前記シールドケース101の第1の面1A上に、化粧パネル3を取り付ける。このとき、前記化粧パネル3は、例えば、図7に示したように、3個用意して、前記受信機接続用端子102,103が設けられた領域、及び前記スイッチ106が設けられた領域毎に取り付ける。
次に、前記化粧パネル3を取り付けた前記直列ユニット1を壁4に設置する。このとき、前記直列ユニット1は、図8及び図9に示すように、前記入出力端子104,105を前記壁4の開口部4Aから内部空間4B埋め込むように設置し、前記壁面設置用部材2を、ねじや釘で前記壁4に固定する。また、図示は省略するが、前記直列ユニット1を設置するときには、あらかじめ、前記壁4の内部空間4Bに敷設された同軸ケーブルを前記開口部4Aから引き出して接続しておく。また、前記直列ユニット1を設置する際には、引き出した同軸ケーブルの余分な部分を前記壁4の内部空間4Bに戻してから設置する。
このとき、例えば、図10に示すように、前記壁面設置用部材2の第2部材202を、前記第1部材201の挿入部2Bの第1の面201D、すなわち前記受信機接続用端子102,103から遠い方の面に取り付けていると、前記直列ユニット1(化粧パネル3)の壁4からの突出量T2は、約8mmになる。また、例えば、図11に示すように、前記壁面設置用部材2の第2部材202を、前記第1部材201の挿入部2Bの第2の面201E、すなわち前記受信機接続用端子102,103に近い方の面に取り付けていると、前記直列ユニット1(化粧パネル3)の壁4からの突出量T2’は、約10mmになる。
前記直列ユニット1を壁4に設置したら、最後に、図12に示すように、化粧プレート5を被せる。このとき、被せる化粧プレートが、標準型化粧プレート5(5A,5B)である場合、図13に示すように、前記化粧プレートの壁4からの突出量T3が約8mmである。そのため、図10に示したように、前記壁面設置用部材2の第2部材202を、前記第1部材201の挿入部2Bの第1の面201Dに取り付けておけば、図13に示したように、前記化粧パネル3と前記化粧プレート5Bの境目5Cに段差や隙間ができるのを防げる。
また、被せる化粧プレートが、ワイド型化粧プレートである場合には、図11に示したように、前記壁面設置用部材2の第2部材202を付け替えればよい。図11に示したように前記壁面設置用部材2の第2部材202を、前記第1部材201の挿入部2Bの第2の面201Eに取り付ければ、前記直列ユニット1(化粧パネル3)の壁4からの突出量T2’は、約10mmになる。そのため、図14に示したように、壁からの突出量T3が10mmになる前記ワイド型化粧プレート5D,5Eを被せたときに、前記化粧パネル3と前記化粧プレート5D,5Eの境目5Fに段差や隙間ができるのを防ぐことができる。
図15は、本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットの他の効果を説明するための模式図であり、図15(a)は第1の面に第2部材を取り付けたときの図、図15(b)は第2の面に第2部材を取り付けたときの図である。なお、図15(a)及び図15(b)は、図6に示した図を正面図としたときの裏面図である。
本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットは、前記設置用部材2の挿入部2Bに取り付ける第2部材202の取り付け方向を変えることで、壁4に設置したときの壁4からの突出量を変えることができる。このとき、前記シールドケース101の裏面側に、例えば、図15(a)に示すように、前記第2部材202の突起202Bが設けられた部分が見えるような切り欠き1Fを設けておけば、前記壁面設置用部材2を取り外さなくても、前記第2部材202がどちらの方向に取り付けられているか確認することができる。ここで、例えば、図4(c)に示したように前記突起202Bの表面に着色していると、前記第2部材202を第1部材201の挿入部2Bの第1の面201Dに取り付けた場合、着色した面は第2の面201Eの方向を向いているので、図15(a)に示すように、前記シールドケース101の切り欠き1F部分から色を確認することはできない。一方、前記第2部材202を第2の面201Eに取り付けている場合は、着色した面が第1の面201Dの方向を向くので、図15(b)に示すように、前記シールドケース101の切り欠き1F部分から色を確認することができる。そのため、前記シールドケース101の切り欠き部分から見える色を確認することで、前記設置用部材2が、標準型とワイド型のどちらの化粧プレートに対応させた状態で取り付けられているかを容易に確認することができる。
また、図15(a)及び図15(b)は、前記直列ユニット1を裏面側、すなわち前記第1の面1Aの裏面側から見て前記壁面設置用部材2の前記第2部材202の取付方向を確認する例を示したが、これに限らず、前記シールドケース101の第1の面1A側に前記切り欠き1Fを設けてもよい。前記第1の面1A側で確認できれば、すでに壁4に設置された状態の直列ユニットに前記化粧プレートをかぶせるときに、標準型とワイド型のどちらの化粧プレートをかぶせればよいかを容易に確認することができる。ただし、前記第1の面1A側で確認する場合は、前記第2部材202の突起202Bの色の見え方と取付方向の関係が、図15(a)及び図15(b)に示した例と逆になる。
図16及び図17は、本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットの別の効果を説明するための模式図であり、図16は壁面に設置して化粧プレートを被せた状態の正面図、図17は図16のC−C’線で見た右側面図である。
本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットで用いる直列ユニット1のように、前記第1の面1A、すなわち前記受信機接続用端子102,103を設けた面あるいはその近傍に3対の化粧パネル取付部107A,107B,107Cを設けた場合、前記各取付部に化粧パネル3を取り付ければ、図8及び図9に示したように、従来の1つの化粧パネル7と同じサイズになり、従来の化粧プレートを用いることができる。
しかしながら、前記化粧プレートのような部材は、前記直列ユニットを設置したときだけでなく、ACコンセントや照明のスイッチ等のユニットを壁に設置するときにも用いられ、その大きさやデザイン、取り付け構造は非常によく似ている。そのため、前記化粧プレートのような部材は、前記直列ユニットを設置する場合に限定せず、他の、ACコンセント等のユニットを設置するときにも流用(共用)できるようにすることが好ましい。そのため、例えば、図25に示したような、ACコンセントや照明のスイッチを設置したときに用いる化粧プレートを、前記直列ユニットを設置したときの化粧プレートに流用できることが好ましい。
このとき、本実施例の直列ユニットのように、3つの化粧パネル3を並べて取り付けることができるようにしておけば、図16及び図17に示すように、前記3つの化粧パネル3のうち中央の化粧パネル3をはずせば、図25に示したような2つ穴の化粧パネル6(6A,6B)を利用することも可能になる。
以上説明したように、本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットによれば、1つの壁面取付用部材2で、前記直列ユニット(化粧パネル)の壁からの突出量を2通りに設定することができる。そのため、一般に用いられている標準型及びワイド型の両方の化粧プレートのどちらでも、前記化粧パネル3と前記化粧プレート5の境目に段差や隙間が生じるのを防ぐことができる。
また、本実施例の壁面設置用部材付き直列ユニットのように、3つの化粧パネル3に取付可能な取付部を設けることにより、例えば、AC電源のコンセント用の化粧プレートのような2つ穴の化粧プレートも用いることができ、各部品の流用性(汎用性)が高くなる。
図18は、前記実施例の応用例を説明するための模式図であり、図18(a)は直列ユニットの右側面図、図18(b)は直列ユニットの裏面図である。
前記実施例では、前記入出力端子104,105が、図2に示したように、シールドケース101の第2の面1Bに固定されている直列ユニット1を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、図18(a)及び図18(b)に示すように、前記入出力端子104,105が、中心導体の同心軸(中心軸)と直交する軸を回転軸として90度可動(回転)するような直列ユニット1を用いてもよい(例えば、特願2002−192410を参照。)。図18(a)及び図18(b)に示したような前記入出力端子が回転する直列ユニット1の場合、前記壁4の内部空間4Bに敷設した同軸ケーブルを接続するときには、前記入出力端子104,105を立てれば、端子の周囲に障害物が無く、同軸ケーブルを接続しやすい。また、前記同軸ケーブルを接続した直列ユニット1を壁4に設置するときには、前記入出力端子104,105をたたんだ状態にすれば、従来の直列ユニット1と同じ状態になるので、壁4の内部空間4Bで同軸ケーブルが邪魔にならず、容易に壁に取り付けることができる。
図19は、前記実施例の他の応用例を説明するための模式図であり、受信機接続用端子が1つの直列ユニットの右側面図である。
前記実施例では、2つの受信機接続用端子102,103が設けられた直列ユニット1を例に挙げて説明したが、これに限らず、図19に示したように、受信機接続用端子102が1つの直列ユニット1を用いてもよいことはいうまでもない。この場合、前記実施例で説明した受信機接続用端子103が設けられていた部分の端子が無くなるので、その場所に相当する部分に、前記フィルタースイッチ106上に取り付ける化粧パネル3と同じ型の化粧パネルを取り付ければよい。
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
例えば、前記実施例では、例えば、図7に示したように、3つの前記化粧パネル3を取り付ける例を示したが、これに限らず、例えば、図20に示したような、1つの化粧パネルを用いてもよいことは言うまでもない。
また、前記実施例では、前記壁面設置用部材2に取り付ける第2部材202の取り付け方向を変えることで、壁に設置したときの、前記受信機接続用端子102,103の突出量を切り替えたが、例えば、前記直列ユニット1の開口部1Eを2段にしても、同様の効果が得られる。また、それらを組み合わせれば、前記受信機接続用端子102,103の突出量の3通り以上の切り替えあるいは無段階調節等も可能である。
1…直列ユニット、101…シールドケース、102,103…受信機接続用端子、104,105…入出力端子、106…フィルタースイッチ、107A,107B,107C…化粧パネル取付部、1A…シールドケースの第1の面、1B…シールドケースの第2の面、1C,1D…シールドケースの壁面設置用部材と向かい合う面、1E…壁面設置用部材を挿入する開口部、
2…壁面設置用部材、201…第1部材、202…第2部材、2A…固定部、2B…挿入部、201D…第1部材の挿入部の第1の面、201E…第1部材の挿入部の第2の面、202B,202C…第2部材の突起、
3…化粧パネル、4…壁、4A…壁の開口部、5…化粧プレート、5A,5B…標準型化粧プレート、5D,5E…ワイド型化粧プレート、5C,5F…化粧パネルと化粧プレートの境目、6…2つ穴の化粧プレート、7…従来の化粧パネル、8…従来の壁面設置用部材。