JP4322582B2 - 親子スクリュコンベヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排土量の大幅な変更が可能な親子スクリュコンベヤに係り、特に、密閉掘削と開放掘削とを切り替えるトンネル掘削機の排土装置として用いるのに好適な親子スクリュコンベヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すように、密閉掘削と開放掘削とが切替可能なトンネル掘削機aが知られている。このトンネル掘削機aは、筒状のシールドフレームbと、その内部を前後に仕切る隔壁cと、隔壁cの開口dに挿入されたベルトコンベヤeと、隔壁cに装着されたスクリュコンベヤfと、隔壁cに回転可能に装着されモータgで回転駆動されるカッタhと、カッタhの裏面に設けられたバケットiとを有する。
【0003】
密閉掘削時には、ベルトコンベヤeを隔壁cの開口dから引き抜き、その開口dに、図示しない蓋を装着する。これにより、土砂取込室jと坑内kとは、隔壁cによって切り離される。そして、スクリュコンベヤfを排土口mを開閉制御しながら運転することで、土砂取込室jの土圧水圧を所定圧力に維持して切羽nの安定を図りつつ、土砂取込室j内の土砂をスクリュコンベヤfによって排土する。
【0004】
開放掘削時には、上記蓋を取り外し、その開口dにベルトコンベヤeを挿入する。その状態で、カッタhを回転させる。すると、土砂取込室jの底部の土砂は、バケットiで掬い上げられて上部にて落荷され、上記ベルトコンベヤe上に移され、排土される。かかる開放掘削は、地下水がなく切羽nの崩落のない安定した地山にてなされ、切羽nを大気開放圧(トンネル坑内kと同圧力)とする。
【0005】
開放掘削時には、密閉掘削時よりも排土量が多くなる。このため、開放掘削時に、ベルトコンベヤeを用い、排土量の大幅な増加に対応しているのである(ベルトコンベヤは一般にスクリュコンベヤよりも排土能力が大きい)。しかし、かかるタイプでは、開放掘削と密閉掘削とを切り替えるときに、その都度ベルトコンベヤeを隔壁cの開口dに対して着脱する必要があり、作業効率が悪い。
【0006】
そこで、上記ベルトコンベヤeの代わりに、スクリュコンベヤ(図示せず)を隔壁cに常設し、そのスクリュコンベヤで開放掘削時の排土を行うものが開発されている(特許文献1参照)。しかし、かかるタイプでは、スクリュコンベヤが常に隔壁cに装着された状態となっているため、そのスクリュコンベヤによってトンネル掘削機内の作業スペースが侵食され、作業性の悪化を招く可能性がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−330690号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
他方、密閉掘削から開放掘削への切替時の排土量の増加に対応する別のシステムとして、図7に示すベルトコンベヤeを省略してその開口dを塞ぎ、▲1▼スクリュコンベヤfの回転速度を高くして排土量を増加する、▲2▼スクリュコンベヤfの径を大きくして排土量を増加する、▲3▼スクリュコンベヤfを複数本並設して排土量を増加する、等の対策も考えられる。
【0009】
しかし、▲1▼スクリュコンベヤfの回転速度を速くすると、フライトpとケーシングqとの摩耗の問題が生じる。▲2▼スクリュコンベヤfを大径化すると、密閉掘削時に微妙な排土量制御が困難となり、切羽nの安定化を図ることが困難となる。▲3▼スクリュコンベヤfを複数本並設すると、特許文献1に記載のタイプと同様に機内スペースに制約が生じ、また、いずれかのスクリュコンベヤを最も排土に有効な隔壁の中央下部に設置すると、残りのスクリュコンベヤをそれ以外の箇所に設置しなければならず、効率が悪い。
【0010】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、排土量の大幅な変更を高回転化・大径化・複数化以外手法で可能とし、密閉掘削と開放掘削とを切り替えるトンネル掘削機の排土装置として好適な親子スクリュコンベヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明に係る親子スクリュコンベヤは、小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状の子ケーシングと、該子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記子ケーシングの外周面に装着された螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の親ケーシングとを有し、上記親ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に親排土口を設け、上記子ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤと親スクリュコンベヤとを選択的に駆動する駆動手段とを備えたものである。
【0012】
上記駆動手段は、上記親フライトを上記親ケーシングに対して回転駆動する親駆動部と、上記子フライトを上記子ケーシングに対して回転駆動する子駆動部と、それら親駆動部および子駆動部のいずれか一方を駆動する切替部とを有するものであってもよい。
【0013】
上記子フライトは、その螺旋方向が親フライトの螺旋方向とは逆方向に設定されたものであってもよい。
【0014】
上記親子スクリュコンベヤは、密閉掘削と開放掘削とが切替可能なトンネル掘削機の排土装置として用いられ、密閉掘削時には子スクリュコンベヤのみを駆動し、開放掘削時には親スクリュコンベヤのみを駆動するものであってもよい。
【0015】
また、第2の発明に係る親子スクリュコンベヤは、小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状に形成されて固定系に固定された後部子ケーシングと、該後部子ケーシングの前に相対回転可能に配置された前部子ケーシングと、それら前部子ケーシングおよび後部子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記前部子ケーシングの外周面に装着された螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の親ケーシングとを有し、上記親ケーシングの軸方向の前端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向後端側に親排土口を設け、上記前部子ケーシングの軸方向の前端に土砂取入口としての開口を設けると共に上記後部子ケーシングの軸方向後端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤを駆動する子駆動部と、該子駆動部とは別個独立に上記親スクリュコンベヤを駆動する親駆動部とを備えたものである。
【0016】
また、第の発明に係る親子スクリュコンベヤは、小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状に形成された子ケーシングと、該子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記子ケーシングの外周面に回転可能に被嵌された筒状の内側親ケーシングと、該内側親ケーシングの外周面に装着された螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の外側親ケーシングとを有し、上記外側親ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に親排土口を設け、上記子ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤを駆動する子駆動部と、該子駆動部とは別個独立に上記親スクリュコンベヤを駆動する親駆動部とを備えたものである。
【0017】
また、第4の発明に係る親子スクリュコンベヤは、小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状に形成された子ケーシングと、該子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記ケーシングの外周面に回転可能に被嵌されたリボン螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の親ケーシングとを有し、上記親ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に親排土口を設け、上記子ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤを駆動する子駆動部と、該子駆動部とは別個独立に上記親スクリュコンベヤを駆動する親駆動部とを備えたものである。
【0018】
上記子駆動部は、上記子フライトを上記後部子ケーシングに対して回転駆動するものであってもよい。
【0019】
上記親駆動部は、上記親フライトを上記外側親ケーシングに対して回転駆動するものであってもよい。
【0020】
上記親子スクリュコンベヤは、密閉掘削と開放掘削とが切替可能なトンネル掘削機の排土装置として用いられ、密閉掘削時には子スクリュコンベヤのみを駆動し、開放掘削時には少なくとも親スクリュコンベヤを駆動するものであってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0022】
図6に本実施形態に係る親子スクリュコンベヤ1が備えられたトンネル掘削機2を示す。
【0023】
図示するように、このトンネル掘削機2は、筒状のシールドフレーム3と、その内部を前後に仕切る隔壁4と、隔壁4に回転可能に装着されたカッタ5と、カッタ5を回転駆動するモータ6とを備える。カッタ5によって切削された土砂は、一旦、隔壁4の前方の土砂取込室7内に取り込まれ、隔壁4に取り付けられた親子スクリュコンベヤ1によって坑内8側に排土される。
【0024】
親子スクリュコンベヤ1は、密閉掘削と開放掘削とを切り替える。密閉掘削とは、土砂取込室7内の土圧水圧を所定圧力に維持しつつ排土を行って切羽9の安定を図る掘削方式をいい、開放掘削とは、地下水がなく切羽9の崩落のない安定した地山にてなされるものであって、切羽9を大気開放圧(トンネル坑内8と同圧力)の状態として土砂取込室7内を排土する掘削方式をいう。
【0025】
親子スクリュコンベヤ1の詳細を図1を用いて説明する。
【0026】
図示するように、この親子スクリュコンベヤ1は、小径の子スクリュコンベヤ10と、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤ11と、それら子スクリュコンベヤ10と親スクリュコンベヤ11とを選択的に駆動する駆動手段12とを備える。
【0027】
子スクリュコンベヤ10は、筒状の子ケーシング13と、子ケーシング13内に回転可能に収容された螺旋状の子フライト14と、子フライト14が装着されたセンタシャフト15とを有する。子ケーシング13は、その前端に形成された開口16と、後端に設けられた蓋17とを有する。センタシャフト15は、蓋17に軸支されている。
【0028】
親スクリュコンベヤ11は、子ケーシング13の外周面に装着された螺旋状の親フライト18と、親フライト18を回転可能に囲繞する筒状の親ケーシング19とを有する。親ケーシング19は、その前端に形成された開口20と、後端に設けられた蓋21とを有し、隔壁4(固定系)に装着されている。蓋21には、子ケーシング13が貫通する穴22が形成され、穴22には、軸受・シール23が設けられている。
【0029】
駆動手段12は、親フライト18を親ケーシング19に対して回転駆動する親駆動部24と、子フライト14を子ケーシング13に対して回転駆動する子駆動部25と、それら親駆動部24および子駆動部25のいずれか一方を駆動する切替部26とを有する。
【0030】
親駆動部24は、親フライト18の後端部の外周縁に被嵌固定された駆動筒27と、駆動筒27の外周面に固設された外歯ギヤ28と、外歯ギヤ28に噛合するピニオン29と、ピニオン29を回転駆動する親モータ30(油圧式)とを有する。駆動筒27および外歯ギヤ28は、親ケーシング19の後端側部に設けられたギヤケース31内に収容され、回転可能に支持されている。親モータ30は、外歯ギヤ28の周方向に所定間隔を隔てて複数配置され、ギヤケース31に装着されている。
【0031】
子駆動部25は、子ケーシング13の後端の蓋17に装着された子モータ32(油圧式)からなる。子モータ32は、センタシャフト15を子ケーシング13に対して回転駆動する。子モータ32と親モータ30とは、切替部26に接続され、いずれか一方のみが選択的に駆動される。
【0032】
親ケーシング19には、親駆動部24より前方に位置させて、親排土口33が形成されている。親排土口33には、開閉蓋34がスライド自在に装着されており、開閉蓋34には、アクチュエータとしてのジャッキ35が連結されている。親排土口33より後方の親フライト18には、土砂を前方に圧送して圧密を回避するため、螺旋方向が逆に形成された逆フライト18aが設けられている。
【0033】
子ケーシング13の後部には、子排土口36が形成されている。子排土口36には、開閉蓋37がスライド自在に装着されており、開閉蓋37には、アクチュエータとしてのジャッキ38が連結されている。
【0034】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0035】
図6に示すトンネル掘削機2が密閉掘削する場合には、図1に示す親排土口33を開閉蓋34で全閉とし、切替部26によって、親モータ30を停止すると共に子モータ32のみを駆動する。すると、親フライト18が停止した状態で、子フライト14が子ケーシング13に対して回転駆動される。
【0036】
子フライト14の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、子ケーシング13内を軸方向に搬送され、子排土口36から排土される。このとき、子排土口36の開口面積を開閉蓋37で調節することで、土砂取込室7の土圧水圧を所定圧力に保って切羽9の安定を図りつつ、土砂取込室7内の土砂を排土できる。
【0037】
子ケーシング13および子フライト14の直径は、密閉掘削時の排土量に好適な寸法に設定されている。よって、土砂取込室7すなわち切羽9の土圧水圧を細かく微妙に制御できる。また、子フライト14の回転速度は、密閉掘削時の排土量に好適な速度に設定されている。よって、子フライト14と子ケーシング13との摩耗を抑制できる。
【0038】
なお、このとき子ケーシング13は、子フライト14の回転に伴って連れ廻ろうとするが、かかる子ケーシング13の連れ廻りは、親フライト18、駆動筒27、外歯ギヤ28およびピニオン29を介し、停止状態の親モータ30によって抑えられる。よって、親モータ30には、回転軸をロックするブレーキ機構を設けることが好ましい。
【0039】
他方、開放掘削する場合には、先ず、図1に示す子モータ32に接続された配線(切替部26に繋がれた配線等)および配管(子モータ32の駆動用油圧配管等)を取り外す。そして、子排土口36を開閉蓋37で全閉とし、切替部26によって、子モータ32を停止すると共に親モータ30のみを駆動する。すると、親フライト18が親ケーシング19に対して回転駆動される。
【0040】
親フライト18の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、親ケーシング19内を軸方向に搬送され、親排土口33から排土される。かかる開放掘削時には、排土量が密閉掘削時よりも増大するが、親スクリュコンベヤ11の方が子スクリュコンベヤ10よりも直径が大きく排土量も大きいため、問題なく排土できる。また、開放掘削時には、切羽9が大気開放圧(トンネル坑内8と同圧力)となるので、親排土口33を開閉蓋34で覆うことなく全開とする。
【0041】
なお、このとき親フライト18が装着された子ケーシング13も回転し、子ケーシング13内の子フライト14も回転するが、子ケーシング13と子フライト14とは一体的に回転するので、土砂が子ケーシング13内を搬送されることは殆どない。すなわち、一般にスクリュコンベヤは、フライトがケーシング内を相対的に回転することで土砂を搬送するものなので、上述のように子ケーシング13と子フライト14とが一体的に回転した場合には、土砂は殆ど搬送されないのである。
【0042】
但し、万一、土砂が子ケーシング13内を搬送された場合を考慮して、子排土口36は開閉蓋37で閉じておくことが好ましい。搬送された土砂が子ケーシング13の回転に伴って子排土口36から径方向外方に飛び散ることを防止するためである。また、子モータ32に接続されていた上記配線および配管が予め取り外されているので、子ケーシング13が回転しても、それら配線および配管の捩れの問題が生じることはない。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る親子スクリュコンベヤ1によれば、切羽9の土圧管理が必要な密閉掘削モード(シールドモード)と、高排土能力が必要な開放掘削モード(オープンモード)とを、シールドフレーム2内において子モータ32の配線および配管を着脱し、子モータ32と親モータ30との運転を切り替えるのみで、容易に変更できる。よって、地山条件に影響を受けることなく短時間かつ安全に、密閉掘削モードと開放掘削モードとを切り替えることができる。
【0044】
また、上記親子スクリュコンベヤ1は、子ケーシング13および子フライト14のサイズ(直径等)を密閉掘削モード時の切羽9の排土管理に好適な寸法に設定すれば、子ケーシング13の外周面に被嵌される親フライト18および親ケーシング19のサイズ(直径等)が必然的に子フライト14および子ケーシング13よりも大型化する。
【0045】
よって、親ケーシング19の断面積から子ケーシング13の断面積を減じた面積(ドーナッツ状の面積)を、子ケーシング13の断面積(円形面積)よりも大きく設定することで、開放掘削モード時には自動的に高排土能力を発揮する。よって、この親子スクリュコンベヤ1は、切羽9の土圧管理が必要な密閉掘削モードと、高排土能力が必要な開放掘削モードとを、寸法的必然性から両立できる。
【0046】
また、この親子スクリュコンベヤ1は、子スクリュコンベヤ10と親スクリュコンベヤ11とを同芯的に配置した二重構造なので、その設置場所を排土に好適な隔壁4の下部中央に設定できる。よって、密閉掘削モード時および開放掘削モード時にかかわりなく、常に、隔壁4の下部中央から土砂を取り込むことができ、良好な土砂取込性を発揮できる。また、親子スクリュコンベヤ1を上記隔壁4の下部中央に取り付けることは、シールドフレーム2内の作業スペースを確保する上でも有利となる。
【0047】
なお、上記親子スクリュコンベヤ1は、密閉掘削時に子スクリュコンベヤ10を駆動し、開放掘削時に親スクリュコンベヤ11を駆動する使用方法に限られることはなく、例えば、密閉掘削時に急にそれ以前よりも地山が軟らかくなって排土量が増加した場合には、密閉掘削時においても子スクリュコンベヤ10から親スクリュコンベヤ11へ運転を切り替えて排土量の増加を図ってもよい。この場合であっても、親排土口33の開口面積を開閉蓋34で調節することで、切羽9の土圧水圧管理が行える。
【0048】
別の実施形態を図2に示す。
【0049】
図示するようにこの実施形態は、前実施形態と基本的な構成を同一とし、子フライト14aの螺旋方向を前実施形態と逆方向とした点のみが異なっている。よって、同一の部品には同一の符号を付して説明を省略し、相違点である子フライト14aについてのみ説明する。
【0050】
本実施形態に係る親子スクリュコンベヤ1aの子フライト14aの螺旋方向は、親フライト18の螺旋方向とは逆方向となっている。このため、開放掘削時に、親フライト18が土砂を後方へ圧送する方向に回転駆動されるとき、子ケーシング13を介して子フライト14aが、土砂を前方に押し出す方向に回転されることになる。よって、子スクリュコンベヤ10内の土砂閉塞を確実に防止できる。
【0051】
すなわち、図1に示すように子フライト14の螺旋方向が親フライト18の螺旋方向と同方向であると、親フライト18が土砂を後方へ圧送する方向に回転駆動されるとき、子ケーシング13を介して子フライト14も土砂を後方に圧送する方向に回転することになるため、子ケーシング13内に入り込んだ土砂が排出されず、子スクリュコンベヤ10内にて土砂閉塞が生じる可能性がある。
【0052】
そこで、本実施形態では、図2に示すように、子フライト14aの螺旋方向を親フライト18の螺旋方向とは逆方向に設定し、親フライト18の回転駆動時に子ケーシング3内に入り込んだ土砂を積極的に前方に押し出し、子スクリュコンベヤ10の土砂閉塞を防止しているのである。なお、かかる土砂閉塞が生じると、子スクリュコンベヤ10が使用不能となり、密閉掘削モードに移行できない虞がある。
【0053】
別の実施形態を図3に示す。
【0054】
図示するように、この実施形態に係る親子スクリュコンベヤ1bは、小径の子スクリュコンベヤ40と、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤ41と、子スクリュコンベヤ40を駆動する子駆動部42と、子駆動部42とは別個独立に親スクリュコンベヤ41を駆動する親駆動部43とを備える。
【0055】
子スクリュコンベヤ40は、筒状に形成された前部子ケーシング44と、前部子ケーシング44の後に相対回転可能に直列配置された筒状の後部子ケーシング45と、それら前部子ケーシング44および後部子ケーシング45内に回転可能に収容された螺旋状の子フライト46と、子フライト46が装着されたセンタシャフト47とを有する。
【0056】
前部子ケーシング44と後部子ケーシング45とは、回転継手48を介して相対回転可能に接続されている。回転継手48は、前部子ケーシング44の後端側部に設けられたフランジ49と、後部子ケーシング45の前端側部に設けられ上記フランジ49と相対回転可能に係合する溝が形成されたブロック50とを有する。フランジ49とブロック50との間には、径方向および軸方向に軸受やシールが介設されている。また、後部子ケーシング45は、その後端に蓋51を有する。センタシャフト47は、蓋51に軸支されている。
【0057】
親スクリュコンベヤ41は、前部子ケーシング44の外周面に装着された螺旋状の親フライト52と、親フライト52を回転可能に囲繞する筒状の親ケーシング53とを有する。親ケーシング53は、隔壁4(固定系)に装着されており、後端に蓋54を有する。蓋54には、前部子ケーシング44が回転可能に貫通する穴55が形成され、穴55には、軸受・シール56が設けられている。親ケーシング53とブロック50とは、ブラケット57によって連結されており、後部子ケーシング45が廻り止めされている。
【0058】
親駆動部43は、親フライト52の後端部の外周縁に被嵌固定された駆動筒58と、駆動筒58の外周面に固設された外歯ギヤ59と、外歯ギヤ59に噛合するピニオン60と、ピニオン60を回転駆動する親モータ61(油圧式)とを有する。駆動筒58および外歯ギヤ59は、親ケーシング53の後端側部に設けられたギヤケース62内に収容され、回転可能に支持されている。親モータ61は、外歯ギヤ59の周方向に所定間隔を隔てて複数配置され、ギヤケース62に装着されている。
【0059】
子駆動部42は、後部子ケーシング45の後端の蓋51に装着された子モータ63(油圧式)からなる。子モータ63は、センタシャフト47を回転駆動する。
【0060】
親ケーシング53には、親駆動部43より前方に位置させて、親排土口64が形成されている。親排土口64には、開閉蓋65がスライド自在に装着されており、開閉蓋65には、アクチュエータとしてのジャッキ66が連結されている。親排土口64より後方の親フライト52には、土砂を前方に圧送して圧密を回避するため、螺旋方向が逆に形成された逆フライト52aが設けられている。
【0061】
後部子ケーシング45の後部には、子排土口67が形成されている。子排土口67には、開閉蓋68がスライド自在に装着されており、開閉蓋68には、アクチュエータとしてのジャッキ69が連結されている。
【0062】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0063】
密閉掘削する場合には、親排土口64を開閉蓋65で全閉とし、親モータ61を停止し子モータ63を駆動する。すると、親フライト52が停止した状態で、子フライト46が後部子ケーシング45に対して回転駆動される。子フライト46の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、前部子ケーシング44および後部子ケーシング45内を軸方向に搬送され、子排土口67から排土される。そして、子排土口67の開口面積を開閉蓋68で調節することで、土砂取込室7の土圧水圧を所定圧力に保って切羽9の安定を図りつつ、土砂取込室7内の土砂を排土できる。
【0064】
なお、このとき前部子ケーシング44は、子フライト46の回転に伴って連れ廻ろうとするが、かかる前部子ケーシング44の連れ廻りは、親フライト52、駆動筒58、外歯ギヤ59およびピニオン60を介し、停止状態の親モータ61によって抑えられる。よって、親モータ61には、回転軸をロックするブレーキ機構を設けることが好ましい。
【0065】
他方、開放掘削する場合には、子モータ63を停止し親モータ61を駆動する。すると、子フライト46が停止した状態で、親フライト52が親ケーシング53に対して回転駆動される。親フライト52の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、親ケーシング53内を軸方向に搬送され、親排土口64から排土される。
【0066】
開放掘削時には、切羽9が大気開放圧(トンネル坑内8と同圧力)となるので、親排土口64を開閉蓋65で覆うことなく全開状態とする。かかる開放掘削時には、排土量が密閉掘削時よりも増大するが、親スクリュコンベヤ41の方が子スクリュコンベヤ40よりも直径が大きく、排土量を図1の実施形態と同様に大きくできるため、問題なく排土できる。
【0067】
なお、このとき子フライト46は、親フライト52が装着された前部子ケーシング44の回転に伴って連れ廻ろうとするが、かかる子フライト46の連れ廻りは、センタシャフト47を介して停止状態の子モータ63によって抑えられる。よって、子モータ63には、回転軸をロックするブレーキ機構を設けることが好ましい。
【0068】
また、開放掘削する場合には、子モータ63および親モータ61の双方を駆動してもよい。こうすれば、子フライト63が後部子ケーシング45に対して回転し、親フライト52が親ケーシング53に対して回転する。このとき、親フライト53が装着された前部子ケーシング44は、ブラケット57で回転止めされた後部子ケーシング45に対し、回転継手48を介して回転する。
【0069】
後部子ケーシング45は、ブラケット57を介して親ケーシング53と連結されて回り止めされている。よって、後部子ケーシング45に設けた子排土口67が回転することはなく、子排土口67から適切に排土できる。また、親ケーシング53に設けた親排土口64も回転しないので、そこから適切に排土できる。従って、子スクリュコンベヤ40と親スクリュコンベヤ41との双方によって排土でき、排土量が大幅に向上する。
【0070】
ここで、図例では、子フライト46の螺旋方向を親フライト52の螺旋方向と逆方向に設定しているので、排土のときに子フライト46と親フライト52とは相互に逆方向に回転される。この結果、親フライト52が装着された前部子ケーシング44と子フライト46とが、相互に逆方向に回転されることになる。
【0071】
このため、前部子ケーシング44と子フライト46との相対速度差が大きくなり、子スクリュコンベヤ40の排土能力が図1の実施形態よりも向上する。また、逆に考えれば、子フライト46の回転速度を略半減させても、子スクリュコンベヤ40の排土能力を図1の実施形態と略同等とできる。
【0072】
なお、密閉掘削時に、急にそれ以前よりも地山が軟らかくなって排土量が増加した場合には、密閉掘削時においても、子フライト46を停止させ親フライト52を駆動させてもよい。この場合であっても、親排土口64の開口面積を開閉蓋65で調節することで、切羽9の土圧水圧管理が行える。また、密閉掘削時に排土量が大幅に増加した場合には、子フライト46と親フライト52との双方を駆動してもよい。
【0073】
別の実施形態を図4に示す。
【0074】
図示するように、この親子スクリュコンベヤ1cは、小径の子スクリュコンベヤ70と、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤ71と、子スクリュコンベヤ70を駆動する子駆動部72と、子駆動部72とは別個独立に親スクリュコンベヤ71を駆動する親駆動部73とを備える。
【0075】
子スクリュコンベヤ70は、筒状に形成された子ケーシング74と、子ケーシング74内に回転可能に収容された螺旋状の子フライト75と、子フライト75が装着されたセンタシャフト76とを有する。子ケーシング74は、その後端に蓋77を有する。蓋77には、センタシャフト76が軸支されている。
【0076】
親スクリュコンベヤ71は、子ケーシング74の外周面に回転可能に被嵌された筒状の内側親ケーシング78と、内側親ケーシング78の外周面に装着された螺旋状の親フライト79と、親フライト79を回転可能に囲繞する筒状の外側親ケーシング80とを有する。外側親ケーシング80は、隔壁4(固定系)に装着されており、後端に蓋81を有する。
【0077】
蓋81には、内側親ケーシング78が回転可能に貫通する穴82が形成され、穴82には、軸受・シール83が設けられている。また、内側親ケーシング78と子ケーシング74との間にも、軸受84やシール85が設けられている。そして、外側親ケーシング80と子ケーシング74とは、ブラケット86によって連結されており、子ケーシング74が廻り止めされている。
【0078】
親駆動部73は、親フライト79の後端部の外周縁に被嵌固定された駆動筒87と、駆動筒87の外周面に固設された外歯ギヤ88と、外歯ギヤ88に噛合するピニオン89と、ピニオン89を回転駆動する親モータ90(油圧式)とを有する。駆動筒87および外歯ギヤ88は、外側親ケーシング80の後端側部に設けられたギヤケース91内に収容され、回転可能に支持されている。親モータ90は、外歯ギヤ88の周方向に所定間隔を隔てて複数配置され、ギヤケース91に装着されている。
【0079】
子駆動部72は、子ケーシング74の後端の蓋77に装着された子モータ92(油圧式)からなる。子モータ92は、センタシャフト76を回転駆動する。
【0080】
外側親ケーシング80には、親駆動部73より前方に位置させて、親排土口93が形成されている。親排土口93には、開閉蓋94がスライド自在に装着されており、開閉蓋94には、アクチュエータとしてのジャッキ95が連結されている。親排土口93より後方の親フライト79には、土砂を前方に圧送して圧密を回避するため、螺旋方向が逆に形成された逆フライト79aが設けられている。
【0081】
子ケーシング74の後部には、子排土口96が形成されている。子排土口96には、開閉蓋97がスライド自在に装着されており、開閉蓋97には、アクチュエータとしてのジャッキ98が連結されている。
【0082】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0083】
密閉掘削する場合には、親排土口93を開閉蓋94で全閉とし、親モータ90を停止し子モータ92を駆動する。すると、親フライト79が停止した状態で、子フライト75が子ケーシング74に対して回転駆動される。子フライト75の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、子ケーシング74内を軸方向に搬送され、子排土口96から排土される。
【0084】
そして、子排土口96の開口面積を開閉蓋97で調節することで、土砂取込室7の土圧水圧を所定圧力に保って切羽9の安定を図りつつ、土砂取込室7内の土砂を排土できる。なお、このとき子ケーシング74は、子フライト75の回転に伴って連れ廻ろうとするが、かかる子ケーシング74の連れ廻りは、ブラケット86および親ケーシング80を介し、隔壁4(固定系)によって抑えられる。
【0085】
他方、開放掘削する場合には、子モータ92を停止し親モータ90を駆動する。すると、子フライト75が停止した状態で、親フライト79が外側親ケーシング80に対して回転駆動される。このとき、親フライト79が装着された内側親ケーシング78は、ブラケット86を介して回転止めされた子ケーシング74に対し、相対的に回転する。親フライト79の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、外側親ケーシング80内を軸方向に搬送され、親排土口93から排土される。
【0086】
このとき、親排土口93を開閉蓋94で覆うことなく全開状態とし、切羽9を大気開放圧(トンネル坑内8と同圧力)とする。かかる開放掘削時には、排土量が密閉掘削時よりも増大するが、親スクリュコンベヤ71の方が子スクリュコンベヤ70よりも直径が大きく、排土量を図1の実施形態と同様に大きくできるため、問題なく排土できる。
【0087】
また、開放掘削する場合には、子モータ92および親モータ90の双方を駆動してもよい。こうすれば、子フライト75が子ケーシング74に対して回転し、親フライト79が外側親ケーシング80に対して回転する。このとき、親フライト79が装着された内側親ケーシング78は、ブラケット86によって回転止めされた子ケーシング74に対し、相対的に回転する。
【0088】
子ケーシング74は、ブラケット86を介して外側親ケーシング80と連結されて回り止めされている。よって、子排土口96が回転することはなく、子排土口96から適切に排土できる。また、外側親ケーシング80に設けた親排土口93も回転しないので、そこから適切に排土できる。従って、子スクリュコンベヤ70と親スクリュコンベヤ71との双方によって排土でき、排土量が大幅に向上する。
【0089】
なお、密閉掘削時に、急にそれ以前よりも地山が軟らかくなって排土量が増加した場合には、密閉掘削時においても、子フライト75を停止させ親フライト79を駆動させてもよい。この場合であっても、親排土口93の開口面積を開閉蓋94で調節することで、切羽9の土圧水圧管理が行える。また、密閉掘削時に排土量が大幅に増加した場合には、子フライト74と親フライト79との双方を駆動してもよい。
【0090】
別の実施形態を図5に示す。
【0091】
図示するように、この親子スクリュコンベヤ1dは、小径の子スクリュコンベヤ100と、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤ101と、子スクリュコンベヤ100を駆動する子駆動部102と、子駆動部102とは別個独立に親スクリュコンベヤ101を駆動する親駆動部103とを備える。
【0092】
子スクリュコンベヤ100は、筒状に形成された子ケーシング104と、子ケーシング104内に回転可能に収容された螺旋状の子フライト105と、子フライト105が装着されたセンタシャフト106とを有する。子ケーシング104は、その後端に蓋107を有する。蓋107には、センタシャフト106が軸支されている。
【0093】
親スクリュコンベヤ101は、子ケーシング104の外周面に回転可能に被嵌されたリボン螺旋状の親フライト108と、親フライト108を回転可能に囲繞する筒状の親ケーシング109とを有する。親ケーシング109は、隔壁4(固定系)に装着されており、後端に蓋110を有する。
【0094】
蓋110には、子ケーシング104が貫通する穴111が形成され、穴111には、シール112が設けられている。子ケーシング104は、ブラケット113を介して親ケーシング109に連結され、回転不能となっている。
【0095】
親駆動部103は、親フライト108の後端部の外周縁に被嵌固定された駆動筒114と、駆動筒114の外周面に固設された外歯ギヤ115と、外歯ギヤ115に噛合するピニオン116と、ピニオン116を回転駆動する親モータ117(油圧式)とを有する。駆動筒114および外歯ギヤ115は、親ケーシング109の後端側部に設けられたギヤケース118内に収容され、回転可能に支持されている。親モータ117は、外歯ギヤ115の周方向に所定間隔を隔てて複数配置され、ギヤケース118に装着されている。
【0096】
子駆動部102は、子ケーシング104の後端の蓋107に装着された子モータ119(油圧式)からなる。子モータ119は、センタシャフト106を回転駆動する。
【0097】
親ケーシング109には、親駆動部103より前方に位置させて、親排土口120が形成されている。親排土口120には、開閉蓋121がスライド自在に装着されており、開閉蓋121には、アクチュエータとしてのジャッキ122が連結されている。親排土口120より後方の親フライト108には、土砂を前方に圧送して圧密を回避するため、螺旋方向が逆に形成された逆フライト108aが設けられている。
【0098】
子ケーシング104の後部には、子排土口123が形成されている。子排土口123には、開閉蓋124がスライド自在に装着されており、開閉蓋124には、アクチュエータとしてのジャッキ125が連結されている。
【0099】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0100】
密閉掘削する場合には、親排土口120を開閉蓋121で全閉とし、親モータ117を停止し子モータ119を駆動する。すると、親フライト108が停止した状態で、子フライト105が子ケーシング104に対して回転駆動される。子フライト105の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、子ケーシング104内を軸方向に搬送され、子排土口123から排土される。
【0101】
そして、子排土口123の開口面積を開閉蓋124で調節することで、土砂取込室7の土圧水圧を所定圧力に保って切羽9の安定を図りつつ、土砂取込室7内の土砂を排土できる。なお、このとき子ケーシング104が、子フライト105の回転に伴って連れ廻ろうとするが、かかる子ケーシング104の連れ廻りは、ブラケット113および親ケーシング109を介し、隔壁4(固定系)によって抑えられる。
【0102】
他方、開放掘削する場合には、子モータ119を停止し親モータ117を駆動する。すると、子フライト105が停止した状態で、親フライト108が親ケーシング109に対して回転駆動される。親フライト108の回転に伴って、土砂取込室7内の土砂は、親ケーシング109内を軸方向に搬送され、親排土口120から排土される。なお、このとき子ケーシング104が、親フライト108の回転に伴って連れ廻ろうとするが、かかる子ケーシング104の連れ廻りは、ブラケット113および親ケーシング109を介し、隔壁4(固定系)によって抑えられる。
【0103】
かかる開放掘削時には、排土量が密閉掘削時よりも増大するが、親スクリュコンベヤ101の方が子スクリュコンベヤ100よりも直径が大きく、排土量を図1の実施形態と同様に大きくできるため、問題なく排土できる。また、本実施形態は、親フライト108にリボンタイプを用いており、親フライト108を子ケーシング104に装着する必要がないので、親子独立駆動と全体構造の簡素化とを両立できる。すなわち、本実施形態は、親子独立駆動を成立させた上で、図3のタイプのように子ケーシング104を前後二分割する必要がなく、また図4のタイプのように子ケーシング104を二重筒とする必要もない。
【0104】
また、開放掘削する場合には、子モータ119および親モータ117の双方をを駆動してもよい。こうすれば、子フライト105が子ケーシング104に対して回転し、親フライト108が親ケーシング109に対して回転する。ここで、子ケーシング104は、ブラケット113を介して親ケーシング109に連結され、回転止めされている。よって、子排土口123が回転することはなく、子排土口123から適切に排土できる。また、外側親ケーシング109に設けた親排土口120も回転しないので、そこから適切に排土できる。従って、子スクリュコンベヤ100と親スクリュコンベヤ101との双方によって排土でき、排土量が大幅に向上する。
【0105】
なお、密閉掘削時に、急にそれ以前よりも地山が軟らかくなって排土量が増加した場合には、密閉掘削時においても、子フライト105を停止させ親フライト108を駆動させてもよい。この場合であっても、親排土口120の開口面積を開閉蓋121で調節することで、切羽9の土圧水圧管理が行える。また、密閉掘削時に排土量が大幅に増加した場合には、子フライト105と親フライト108との双方を駆動してもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る親子スクリュコンベヤによれば、排土量の大幅な変更を高回転化・大径化・複数化以外手法で可能とし、密閉掘削と開放掘削とを切り替えるトンネル掘削機の排土装置として好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す親子スクリュコンベヤの側断面図である。
【図2】変形例を示す親子スクリュコンベヤの側断面図である。
【図3】変形例を示す親子スクリュコンベヤの側断面図である。
【図4】変形例を示す親子スクリュコンベヤの側断面図である。
【図5】変形例を示す親子スクリュコンベヤの側断面図である。
【図6】図1の親子スクリュコンベヤを装着したトンネル掘削機の側断面図である。
【図7】従来例を示すトンネル掘削機の側断面図である。
【符号の説明】
1 親子スクリュコンベヤ
10 子スクリュコンベヤ
11 親スクリュコンベヤ
12 駆動手段
13 子ケーシング
14 子フライト
18 親フライト
19 親ケーシング
24 親駆動部
25 子駆動部
26 切替部
1a 親子スクリュコンベヤ
14a 子フライト
1b 親子スクリュコンベヤ
40 子スクリュコンベヤ
41 親スクリュコンベヤ
42 子駆動部
43 親駆動部
44 前部子ケーシング
45 後部子ケーシング
46 子フライト
52 親フライト
53 親ケーシング
1c 親子スクリュコンベヤ
70 子スクリュコンベヤ
71 親スクリュコンベヤ
72 子駆動部
73 親駆動部
74 子ケーシング
75 子フライト
78 内側親ケーシング
79 親フライト
80 外側親ケーシング
1d 親子スクリュコンベヤ
100 子スクリュコンベヤ
101 親スクリュコンベヤ
102 子駆動部
103 親駆動部
104 子ケーシング
105 子フライト
108 親フライト
109 親ケーシング

Claims (10)

  1. 小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状の子ケーシングと、該子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記子ケーシングの外周面に装着された螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の親ケーシングとを有し、上記親ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に親排土口を設け、上記子ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤと親スクリュコンベヤとを選択的に駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とする親子スクリュコンベヤ。
  2. 上記駆動手段は、上記親フライトを上記親ケーシングに対して回転駆動する親駆動部と、上記子フライトを上記子ケーシングに対して回転駆動する子駆動部と、それら親駆動部および子駆動部のいずれか一方を駆動する切替部とを有する請求項1記載の親子スクリュコンベヤ。
  3. 上記子フライトは、その螺旋方向が親フライトの螺旋方向とは逆方向に設定された請求項2記載の親子スクリュコンベヤ。
  4. 上記親子スクリュコンベヤは、密閉掘削と開放掘削とが切替可能なトンネル掘削機の排土装置として用いられ、密閉掘削時には子スクリュコンベヤのみを駆動し、開放掘削時には親スクリュコンベヤのみを駆動するものである請求項1〜3記載の親子スクリュコンベヤ。
  5. 小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状に形成されて固定系に固定された後部子ケーシングと、該後部子ケーシングの前に相対回転可能に配置された前部子ケーシングと、それら前部子ケーシングおよび後部子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記前部子ケーシングの外周面に装着された螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の親ケーシングとを有し、上記親ケーシングの軸方向の前端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向後端側に親排土口を設け、上記前部子ケーシングの軸方向の前端に土砂取入口としての開口を設けると共に上記後部子ケーシングの軸方向後端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤを駆動する子駆動部と、該子駆動部とは別個独立に上記親スクリュコンベヤを駆動する親駆動部とを備えたことを特徴とする親子スクリュコンベヤ。
  6. 小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状に形成された子ケーシングと、該子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記子ケーシングの外周面に回転可能に被嵌された筒状の内側親ケーシングと、該内側親ケーシングの外周面に装着された螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の外側親ケーシングとを有し、上記外側親ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に親排土口を設け、上記子ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤを駆動する子駆動部と、該子駆動部とは別個独立に上記親スクリュコンベヤを駆動する親駆動部とを備えたことを特徴とする親子スクリュコンベヤ。
  7. 小径の子スクリュコンベヤと、その外周を覆うように同芯的に配置された大径の親スクリュコンベヤと、からなり、上記子スクリュコンベヤは、筒状に形成された子ケーシングと、該子ケーシング内に回転可能に収容された螺旋状の子フライトとを有し、上記親スクリュコンベヤは、上記子ケーシングの外周面に回転可能に被嵌されたリボン螺旋状の親フライトと、該親フライトを回転可能に囲繞する筒状の親ケーシングとを有し、上記親ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に親排土口を設け、上記子ケーシングの軸方向の一端に土砂取入口としての開口を設けると共に軸方向他端側に子排土口を設け、上記子スクリュコンベヤを駆動する子駆動部と、該子駆動部とは別個独立に上記親スクリュコンベヤを駆動する親駆動部とを備えたことを特徴とする親子スクリュコンベヤ。
  8. 上記子駆動部は、上記子フライトを上記後部子ケーシングに対して回転駆動するものである請求項記載の親子スクリュコンベヤ。
  9. 上記親駆動部は、上記親フライトを上記外側親ケーシングに対して回転駆動するものである請求項6記載の親子スクリュコンベヤ。
  10. 上記親子スクリュコンベヤは、密閉掘削と開放掘削とが切替可能なトンネル掘削機の排土装置として用いられ、密閉掘削時には子スクリュコンベヤのみを駆動し、開放掘削時には少なくとも親スクリュコンベヤを駆動するものである請求項5〜8記載の親子スクリュコンベヤ。
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