JP4322213B2 - 磁気抵抗効果素子及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

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本発明は、磁気抵抗効果素子及び薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
磁気抵抗効果素子(以下MR素子と称する)は、磁気記憶素子、磁気センサまたは薄膜磁気ヘッドなどに用いられる。MR素子としては、強磁性トンネル接合膜(以下TMR膜と称する)及び、スピンバルブ膜(以下SV膜と称する)などを用いた巨大磁気抵抗効果素子(以下GMR素子と称する)が知られている。
MR素子の主要な用途は、薄膜磁気ヘッドである。薄膜磁気ヘッドにおいては、ハードディスクドライブ(HDD)の大容量及び小型化に対応すべく、高感度、高出力の薄膜磁気ヘッドが要求されている。その要求に対して、薄膜磁気ヘッドの懸命な特性改善が進められている。
現在の薄膜磁気ヘッドは、SV膜を用いたものが主流であるが、一方で、TMR膜を用いた薄膜磁気ヘッドは、SV膜を用いた薄膜磁気ヘッドの2倍以上の抵抗変化率が期待できることから、その開発も精力的に行われている。
SV膜とTMR膜は、センス電流を流す方向の違いからヘッド構造が異なる。一般に、膜面に対して平行にセンス電流を流すヘッド構造をCIP(Current In Plane)構造、膜面に対して垂直にセンス電流を流すヘッド構造をCPP(Current Perpendicular to Plane)構造(特許文献1参照)と呼ぶ。CPP構造は、磁気シールドそのものを電極として用いることができるため、CIP構造の狭リードギャップ化において深刻な問題になっている、磁気シールドと素子との間のショート(絶縁不良)が本質的に生じない。そのため、高記録密度化においてCPP構造は大変有利である。
TMR膜は、基本的に、CPP構造となるので、上述した利点が得られる。SV膜においても、上述したCPP構造の利点を確保すべく、従来多用されていたCIP構造から、CPP構造への転換が図られつつある。
CPP構造は、磁気抵抗効果膜(以下MR膜と称する)を上下電極でサンドイッチした構造になるが、主として、MR膜を保護すること、及び、上部電極とMR膜との接触抵抗を低減させることなどを目的として、MR膜の表面にキャップ膜を付着させ、このキャップ膜に上部電極膜を付着させる構造を採用する。
ところが、MR膜及びキャップ膜を成膜した後、プロセスの都合でいったん大気に出され、その後、幾つかの工程を経て、上部電極を形成する工程をとるため、大気露出プロセスにおいて、キャップ膜が酸化され、キャップ膜と上部電極膜との間の接触抵抗が増大してしまう。
キャップ膜と上部電極との間の接触抵抗が増大すると、センス電流経路に直列に入る電気抵抗が増大し、ヘッド特性が劣化する。従って、ヘッド特性改善の観点から、キャップ膜と上部電極との間の接触抵抗を最小に抑えなければならない。
接触抵抗の増大する原因が、大気暴露したときに発生するキャップ膜表面の酸化膜、吸着ガス等であることに着目し、上部電極を成膜する直前に、キャップ表面酸化膜、吸着ガス等をドライエッチング等の手法で除去し、その後、同一の真空中にて上部電極を成膜することにより、接触抵抗を低減させる手法が知られている。
しかし、この場合、キャップ材料によっては、厚い酸化膜が形成されてしまうため、予め厚いキャップ膜を形成する必要があり、また、酸化膜除去の際にドライエッチングに長時間を要することとなるから、MR膜へのダメージが懸念される。そこで、キャップ材料として、一般には、酸化されにくい材料、もしくは酸化されても抵抗が大きくならない材料、つまり貴金属類が用いられている。
ところが、TMR膜の場合、単純にキャップに貴金属を用いると、抵抗及びMR変化率が悪化することが筆者らの実験から判明した。キャップ膜の最表面には貴金属を使用しつつ、抵抗及びMR変化率の悪化しないTMR膜が必要とされる。
更なる要求として、キャップ膜は、大気暴露時にMR膜を確実に保護でき、しかも、上部電極形成前のドライエッチング等によるTMR膜へのダメージを抑え得る必要最小限の膜厚にすることが要求される。というのは、トラック幅を決めるフリー層幅の画定プロセスにおいて、キャップ膜が厚いほどフリー層の幅が広がってしまい、高トラック密度化に不利に働いてしまうからである。
上述した問題は、薄膜磁気ヘッドに限らず、酸化物膜を含むMR層を用いた他の薄膜デバイス、例えば、MRAMなどの磁気記憶素子や、磁気センサなどにおいても、生じるところ、これらの技術分野を見ても、いまだ有効な解決手段は知られていない。
特開2002−208119号公報
本発明の課題は、キャップ膜による抵抗及びMR変化率の悪化を招くことのないMR素子の製造方法、及び、薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、キャップ膜を、大気暴露時にMR膜を酸化から確実に保護でき、しかも、ドライエッチング等によるMR膜へのダメージを抑え得る必要最小限の膜厚にし、高トラック密度化に対応させることの可能なMR素子の製造方法、及び、薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る製造方法は、第1の電極膜の上に、磁気抵抗効果膜と、第1のキャップ膜と、第2のキャップ膜とをこの順序で含む積層膜を形成する。前記第1のキャップ膜は前記第2のキャップ膜よりも酸素との結合エネルギーが大きい材料からなり、前記第2のキャップ膜は貴金属材料からなる。次に、前記第2のキャップ膜の膜厚を削減し、その後、前記第2の電極膜を付着させる。
上記製造方法によれば、下部電極膜に相当する第1の電極膜と、上部電極膜に相当する第2の電極膜とにより、MR膜をサンドイッチしたCPP構造が得られる。CPP構造では、第1の電極膜及び第2の電極膜を、磁気シールド膜として用いることができるため、CIP構造の狭リードギャップ化において深刻な問題になっている、磁気シールドと素子との間のショート、絶縁不良が本質的に生じない。そのため、高記録密度に適したMR素子が得られる。
上述したCPP構造を得るに当たり、第1の電極膜の上に、磁気抵抗効果膜と、第1のキャップ膜と、第2のキャップ膜とをこの順序で含む積層膜を形成するので、プロセスを通して、MR膜の表面を、少なくとも第1のキャップ膜によって覆い、MR膜の酸化による抵抗値及びMR変化率の劣化を防ぐことができる。
しかも、第1のキャップ膜は、酸素との結合エネルギーが大きい材料でなるから、第1のキャップ膜により、MR膜における過剰酸素を吸収し、MR膜の酸化を低滅させ、MR比の低下を阻止し、高いMR比を確保することができるものと考えられる。MR膜が酸化物膜を含む場合、特に有効である。この点に関して、本発明者等の先の出願(特願2003−193230号)において、実際に高いMR比を確保できることが確認されている。
第1のキャップ膜は、酸素との結合エネルギーが、Ruよりも大きく、かつ、酸化物膜と第1のキャップ膜との間の磁性層を構成する元素よりも大きい元素を含むことが好ましい。
この条件を満たす場合、Ruは、MR膜に含まれる主要な磁性層を構成する元素(一般には、Mn、Fe、Co、Ni、Pt等)に比べて、酸素との結合エネルギーがかなり大きいので、上述したMR比の低下阻止効果を得ることができる。
さらに、第1のキャップ膜の上に積層された第2のキャップ膜に、第2の電極膜を付着させるから、第2のキャップ膜を構成する材料を、貴金属など、酸化しにくい材料で構成することにより、第2のキャップ膜に対する第2の電極膜の接触抵抗を低下させ、MR比の劣化を回避することができる。
第2のキャップ膜を貴金属で構成した場合、これをMR膜に直接接触させた場合は、MR比の低下が見られるが、本発明においては、第2のキャップ膜とMR膜との間に、第2のキャップ膜よりも酸素との結合エネルギーの大きい材料でなる第1のキャップ膜があるので、上述したMR比の低下は見られない。
また、第1の電極膜の上に、磁気抵抗効果膜と、第1のキャップ膜と、第2のキャップ膜とをこの順序で含む積層膜を形成するので、第2のキャップ膜で保護されている第1のキャップ膜を必要最小限の薄さに設定できる。特に、第2のキャップ膜を、貴金属で構成した場合には、貴金属膜が最表面になるので、MR素子の酸化を阻止するために必要な膜厚を、例えば1nm程度と、極薄くすることが可能である。このとき、第1のキャップ膜も必要最小膜厚に設定することができるから、結局、全体としての膜厚を減少させ、トラック幅を決めるフリー層幅を画定するプロセスにおいて、同じレジスト幅に対し、フリー層幅を狭くすることができる。このため、高トラック密度化に対応させることが可能になる。
しかも、表面の酸化膜や吸着ガスなどを除去するための第2のキャップ膜の膜厚を削減するプロセスにおいて、第2のキャップ膜が極薄いので、第1のキャップ膜が部分的に削減されることもある。この場合、削減は、主に、第2のキャップ膜に対して行ない、第1のキャップ膜に対する削減量自体は、MR膜へのダメージを回避するため、少なくすることが好ましい。
第2のキャップ膜を構成する貴金属層がなくなっても、酸素との結合工ネルギーの大きい材料で形成された第1のキャップ膜が最終的に残っていれば、MR比の向上といった本発明の利点を損なうことがない。
以上の総合的な効果として、キャップ膜による抵抗及びMR変化率の悪化を生じさせず、しかも、キャップ膜の膜厚について、大気暴露時にMR膜を酸化から確実に保護し、かつドライエッチング等によるMR膜へのダメージを抑え得る必要最小値にし、高トラック密度化に対応させることができる。
具体的態様において、第1のキャップ膜は、Si、Ti、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWの群から選択された少なくとも一種を含む。第2のキャップ膜は、Ru、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt及びAuの群から選択された少なくとも一種を含むことができる。第1のキャップ膜及び第2のキャップ膜は、上述した材料から選択された単層膜であってもよいし、複層膜であってもよい。第2のキャップ膜の膜厚を削減する工程は、第2のキャップ膜が残るように実行してもよいし、第2のキャップ膜が完全に除去され、第1のキャップ膜が部分的に削減されるように実行してもよい。
更に、薄膜磁気ヘッドへの適用においては、積層膜をパターン化した後、積層膜の相対する両端部に、端部機能膜を付着させる工程を含んでいてもよい。端部機能膜は、一般には、磁区制御膜を含む、
薄膜磁気ヘッドへの適用において、読取素子の製造工程と、書込み素子の製造工程とを含む。この場合、前記読取素子の製造工程は、上述した本発明に係る工程を含む。前記書込み素子の製造工程は、前記読取素子の製造工程の前、又は、後に実行される。
上述したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
(a)キャップ膜による抵抗及びMR変化率の悪化を惹起しないMR素子の製造方法、及び、薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することができる。
(b)キャップ膜を、大気暴露時にMR膜を酸化から確実に保護でき、しかも、ドライエッチング等によるMR膜へのダメージを抑え得る必要最小限の膜厚にし、高トラック密度化に対応させることができる。
(c)第2のキャップ膜を、貴金属で構成した場合には、貴金属膜が最表面になるので、MR素子の酸化を阻止するために必要な膜厚を、例えば1nm程度と、極薄くすることができる。このとき、第1のキャップ膜も必要最小膜厚に設定することができるから、結局、全体としての膜厚を減少させ、トラック幅を決めるフリー層幅を画定するプロセスにおいて、同じレジスト幅に対し、フリー層幅を狭くすることができる。このため、高トラック密度化に対応させることが可能になる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は単なる例示に過ぎない。
図1〜図7は本発明に係るMR素子の製造方法に含まれる工程を示す図である。まず、図1に示すように、第1の電極膜31の上に、MR膜30と、第1のキャップ膜301と、第2のキャップ膜300を、この順序で含む積層膜を形成する。成膜手段としては、周知のスパッタ法が採用される。第2のキャップ膜300が最表面となることは必要であるが、MR膜30、第1のキャップ膜301及び第2のキャップ膜300は、必ずしも、直接に接触している必要はない。例えば、MR膜30と第1のキャップ膜301との間に中間層を配置してもよい。
第1の電極膜31は、例えば、めっき膜であり、アルミナなどの金属酸化物でなる絶縁膜16の上に付着されている。第1の電極膜31は、磁気シールドを兼ねるため、例えば、NiFeなどを含む膜構造とする。
第1の電極膜31の一面上には、下地金属膜306が薄く形成されており、MR膜30はその上に形成されている。MR膜30はCPP構造である。その典型例として、図示実施例では、TMR膜を例にとって説明する。
TMR膜の場合の膜構成として、図では、上側から見て、フリー層302と、酸化物膜303と、磁化方向が固定されたピンド層304と、反強磁性層305とを、順次に隣接させた構成を示している。ただし、積層順序は、上述した順序とは逆であってもよい。
上記層302〜305の膜構造及び組成材料等については、既に知られている技術を任意に適用できる。一例をあげると、フリー層302及びピンド層304は、本発明における磁性層であり、例えば、NiFe、NiFeCo、CoFe等で構成され、反強磁性層305はFeMn、MnIr、NiMn、CrMnPt、PtMnなどによって構成される。酸化物膜303は、Al、Ti、Zr、Hf、Ta、Mgなどの酸化物である。
第1のキャップ膜301は、MR膜30の最表面に現れるフリー層302に付着されている。第1のキャップ膜301は、少なくとも、後で付着される第2のキャップ膜よりも酸素との結合エネルギーの大きい材料で構成される。具体的には、Si、Ti、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta及びWの群から選択された少なくとも一種を含む。これらの材料の単層膜であってもよいし、異なる材料による複層膜であってもよい。これらは、酸素との結合エネルギーがRuよりも大きいものである。
第2のキャップ膜300は、Ru、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt及びAuの群から選択された少なくとも一種を含む。これらの材料の単層膜であってもよいし、異なる材料の複層膜であってもよい。先に述べた第1のキャップ膜301と対比では、第1のキャップ膜301を構成する材料は、この第2のキャップ膜300を構成する材料よりも酸素との結合エネルギーが大きい材料である。
第2のキャップ膜300を、上述したような貴金属で構成した場合でも、これをMR膜30に直接接触させた場合は、MR比の低下が見られるが、本発明においては、第2のキャップ膜300とMR膜30との間に、第2のキャップ膜300よりも酸素との結合エネルギーの大きい材料でなる第1のキャップ膜301があるので、上述したMR比の低下は見られない。
次に、図2に図示するように、MR膜構成層302〜305、第1のキャップ膜301及び第2のキャップ膜300を積層した積層膜を、ミリング、RIE(リアクティブ.イオン.エッチング)などのドライエッチング手段によって、MR素子として必要なパターンとなるようにパターニングする。この工程では、既に、第1の電極膜31の上に、MR膜30と、第1のキャップ膜301と、第2のキャップ膜300とをこの順序で含む積層膜を形成してあるので、第2のキャップ膜300で保護されている第1のキヤップ膜301を必要最小限の薄さに設定できる。特に、第2のキャップ膜300を、貴金属で構成した場合には、貴金属膜が最表面になるので、MR膜30の酸化を阻止するために必要な膜厚を、例えば1nm程度と、極薄くすることが可能である。このとき、第1のキャップ膜301も必要最小膜厚に設定することができるから、結局、全体としての膜厚を減少させ、トラック幅を決めるフリー層幅を画定するプロセスにおいて、同じレジスト幅に対し、フリー層幅を狭くすることができる。このため、高トラック密度化に対応させることが可能になる。
次に、上述のようにしてパターン化した後、図3に図示するように、MR膜30と、第1のキャップ膜301と、第2のキャップ膜300の積層膜の相対する両端部に、端部機能膜35、37を付着させる。端部機能膜35、37は、磁区制御膜35を含む。構造によっては、絶縁膜37などを付着させることもある。絶縁膜37は、一般にはAl23などによって構成される。更に、必要に応じて、保護膜38などを付着させてもよい。
次に、図4に図示するように、第2のキャップ膜300の膜厚を、例えば、ミリング、RIEなどのドライエッチング手段によって削減する。これにより、図5に示すように、第2のキャップ膜300の膜厚の全体が削除される。図5とは異なって、第2のキャップ膜300が、微小な膜厚で残るように削減してもよいし、第2のキャップ膜300の膜厚を全て除去した上で、更に、第1のキャップ膜301が、部分的に削減を受けるように処理してもよい。
削減は、主に、第2のキャップ膜300に対して行ない、第1のキャップ膜301に対する削減量自体は、MR膜30へのダメージを回避するため、少なくすることが好ましい。
第2のキャップ膜300を構成する貴金属層がなくなっても、酸素との結合工ネルギーの大きい材料で形成された第1のキャップ膜301が最終的に残っていれば、MR比の向上といった本発明の利点を損なうことはない。
次に、図6に図示するように、図4、図5の工程と同一の真空中で、つまり、真空を破らずに、第1のキャップ膜301の上に下地膜39をスパッタなどで形成する。その後、下地膜39の上にめっきなどの手段によって第2の電極膜33を形成する。第2の電極膜33は、第1の電極膜31とともに、一対の電極膜を形成する。また、磁気シールドとして機能する。従って、第2の電極膜33は、第1の電極膜31と同様の材料からなるめっき膜として形成される。
この後、図7に図示するように、必要により、書込み素子部分と分離する絶縁膜34を、スパッタなどの手段よって付着させる。なお、上述したプロセスは、全て、ウエハ上で実行される。
上記製造方法により、下部電極膜に相当する第1の電極膜31と、上部電極膜に相当する第2の電極膜33とにより、MR膜30をサンドイッチしたCPP構造が得られる。このCPP構造では、第1の電極膜31及び第2の電極膜33を、磁気シールド膜として用いることができるため、CIP構造の狭リードギャップ化において深刻な問題になっている、磁気シールドと素子との間のショート、絶縁不良が本質的に生じない。そのため、高記録密度に適したMR素子が得られる。
以上の総合的な効果として、キャップ膜による抵抗及びMR変化率の悪化を招くことがなく、しかも、キャップ膜の膜厚について、大気暴露時にMR膜30を酸化から確実に保護し、かつ、ドライエッチング等によるMR膜30へのダメージを抑え得る必要最小値にし、高トラック密度化に対応させることができる。
第1のキャップ膜301の上に第2のキャップ膜300が残るように処理した場合には、第2のキャップ膜300に第2の電極膜33を付着させる構造であるから、第2のキャップ膜300を構成する材料を、貴金属など、酸化しにくい材料で構成することにより、第2のキャップ膜300に対する第2の電極膜33の接触抵抗を低下させ、MR比の劣化を回避することができる。
薄膜磁気ヘッドへの適用において、読取素子の製造工程と、書込み素子の製造工程とを含む。この場合、読取素子の製造工程は、上述した本発明に係る工程を含む。書込み素子の製造工程は、読取素子の製造工程の前、又は、後に実行される。
図8は図1〜図7に示した工程を経て読取素子3を形成した後、更に周知の書込み素子製造工程を実行して得られた薄膜磁気ヘッドの断面図、図9は図8の9−9線に沿った拡大断面図である。読取素子3は、スライダ基体1の上に設けた絶縁層16の上に形成されている。書込み素子2は、読取素子3の上に形成されている。図示とは異なって、先に書込み素子2を形成し、その後に読取素子3の製造工程(図1〜図7)を実行してもよい。
まず、書込み素子2は、例えば、誘導型磁気変換素子あり、絶縁膜27によって覆われている。絶縁膜27は、例えば、アルミナなどによって構成されている。
書込み素子2は、下部磁性膜21と、上部磁性膜22と、記録ギャップ膜24と、コイル膜23とを含む。下部磁性膜21は、その大部分を構成するヨーク部210の先端に、下部磁極部分211を有する。上部磁性膜22は、ヨーク部211の先端部に上部磁極222が設けられている。下部磁極部分211及び上部磁極部分222は、幅が極めて狭く絞り込まれており、それによって、書込み磁界を集中させる構造になっている。下部磁性膜21及び上部磁性膜22は、それぞれのヨーク部210、221が後方側において、結合部25により、磁気的に連結されている。
記録ギャップ膜24は、下部磁極部分211と、上部磁極222との間に設けられている。コイル膜23は、下部磁性膜21を構成するヨーク部210、及び、上部磁性膜22のヨーク部221の間に生じるインナーギャップ内の絶縁膜26内に、絶縁された状態で配設されている。書込み素子2としては、上記の形態に限定されず、これまで提案され、又はこれから提案されることのある書込み素子を広く適用できる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明に係るMR素子の製造方法に含まれる工程を説明する図である。 図1に示した工程の後の工程を示す図である。 図2に示した工程の後の工程を示す図である。 図3に示した工程の後の工程を示す図である。 図4に示した工程の後の工程を示す図である。 図5に示した工程の後の工程を示す図である。 図6に示した工程の後の工程を示す図である。 図1〜図7に示した工程を経て読取素子を形成した後、更に周知の書込み素子製造工程を実行して得られた薄膜磁気ヘッドの断面図である。 図8の9−9線に沿った拡大断面図である。
符号の説明
30 MR素子
31 第1の電極膜
33 第2の電極膜
301 第1のキャップ膜
300 第2のキャップ膜

Claims (8)

  1. 磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    第1の電極膜の上に、磁気抵抗効果膜と、第1のキャップ膜と、第2のキャップ膜とをこの順序で含む積層膜を形成し、前記第1のキャップ膜は前記第2のキャップ膜よりも酸素との結合エネルギーが大きい材料からなり、前記第2のキャップ膜は貴金属材料からなり、
    次に、前記第2のキャップ膜を完全に除去し、
    その後、前記第2の電極膜を付着させる
    工程を含む製造方法。
  2. 請求項1に記載された製造方法であって、前記磁気抵抗効果膜は、酸化物膜を含む、製造方法。
  3. 請求項2に記載された製造方法であって、前記第1のキャップ膜は、酸素との結合エネルギーが、Ruよりも大きく、かつ、前記酸化物膜と前記第1のキャップ膜との間の磁性層を構成する元素よりも大きい元素を含む、
    製造方法。
  4. 請求項3に記載された製造方法であって、前記第1のキャップ膜と前記磁気抵抗効果膜との間に中間層を有する、製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載された製造方法であって、前記磁気抵抗効果膜は、強磁性トンネル接合膜を含む、製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載された製造方法であって、前記第2のキャップ膜は、Ru,Rh,Pd,Ag,Ir,Pt及びAuの群から選択された少なくとも一種を含む製造方法。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載された製造方法であって、前記第1のキャップ膜は、Si,Ti,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta及びWの群から選択された少なくとも一種を含む製造方法。
  8. 読取素子の製造工程と、書込み素子の製造工程とを含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記読取素子の製造工程は、請求項1乃至の何れかに記載された工程を含み、
    前記書込み素子の製造工程は、前記読取素子の製造工程の前、又は、後に実行される、
    製造方法。
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