JP4320724B2 - 処理廃液回収装置及びその回収制御方法並びに処理廃液回収装置を適用した現像装置 - Google Patents

処理廃液回収装置及びその回収制御方法並びに処理廃液回収装置を適用した現像装置 Download PDF

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Description

本発明は、処理廃液回収装置及びその回収制御方法並びに処理廃液回収装置を適用した現像装置に関し、特に、半導体装置や液晶表示パネル等の製造プロセスにおいて、フォトエッチング等の化学的な表面処理工程に用いる処理液の分別、回収、再生利用に適した処理廃液回収装置及びその回収制御方法、並びに、該処理廃液回収装置を適用した現像装置に関する。
従来、半導体装置や液晶表示パネル等の製造プロセスにおいては、シリコン基板やガラス等の絶縁性基板上に、機能素子や回路パターンを形成するための化学的処理を行う表面処理工程として、例えば、現像、水洗、乾燥、焼成等の複数種類の処理液を用いた一連の処理手順からなるフォトレジスト現像処理等の基板処理が適用されている。このようなフォトレジスト現像処理等の基板処理を行うための装置の構成として、実際の開発、製造プロセスにおいては、上記各処理を個別の処理室(又は、専用の処理装置)において実行し、各処理室間をコンベアやフィーダにより搬送する手法や、単一の処理室(処理装置)内で、例えば、現像、水洗、乾燥の各処理を連続的に実行する手法が適用されている。ここで、前者の手法においては、同時並行して、各処理を施すことができるので、生産性の向上を図ることができ、後者の手法においては、例えば、現像時に基板に付着した処理液(現像液)を同じ処理室内で迅速に水洗処理して、処理ムラの発生等を抑制することができるので、品質の高い表面処理を実現することができるという利点を有している。
更に、後者の手法においては、単一の処理室にて処理するため、装置の規模を小さくすることができる利点を有している。しかしながら、このような手法を用いた装置においては、単一の処理室内に複数種類の処理液を供給して基板の処理を行うため、処理後の各処理液の廃液が混ざってしまい、処理液の廃液のうちの再利用が可能な部分を分離して回収して再利用し、他の再利用が不可能な部分だけを廃棄する、というような処理を行うことが困難であった。これに対し、このような単一の処理室にて基板の処理を行う現像装置等の基板処理装置において、各処理液の廃液を分離して回収することができる処理廃液回収機構を備えるようにしたものがあり、例えば、特許文献1や特許文献2等にその構成が記載されている。
すなわち、特許文献1には、処理廃液回収機構として外壁と内壁とを備えた昇降可能なカップを備えることにより、処理廃液をリンス廃液とは別に回収することができるようにした構成が記載され、また、特許文献2には、処理廃液回収機構として第1の容器としての外カップと第2の容器としての内カップと、内カップの上部に移動自在に設けられた分離板とを備えて、薬液廃液と水洗廃液を分離して回収することができるようにした構成が記載されている。
特開2000−338684号公報 (第7頁、図3) 特開平11−309404号公報 (第4頁、図1)
しかしながら、従来技術に示したような、単一の処理室にて基板の処理を行い、各処理液の廃液を分離して回収することができるようにした現像装置等の基板処理装置においては、以下に示すような問題を有していた。
すなわち、このような基板処理装置の処理廃液回収機構においては、各処理液の廃液の回収経路を切り換えるための大掛かりかつ複雑な処理液回収構成を備え、当該機構を各処理工程に合わせて適宜駆動制御することにより、各処理液の廃液を分離して回収することを可能としているものであるが、このために処理廃液回収機構の構造及びその制御が大掛かりかつ複雑なものとなっており、そのため装置のコストが上昇するという問題を有していた。
また、従来技術に示したような現像装置等の基板処理装置に設けられた処理廃液回収機構においては、装置制御部により、各処理液の供給制御と、処理廃液の回収及び廃棄の切り換え制御を行っており、通常の動作は、予め個別の処理ごとに対応付けられたシーケンスプログラムにより各動作の実行タイミングが制御されている。すなわち、各処理工程ごとに、処理液の種類や供給の有無、処理廃液の状態等を判別して、処理廃液を回収又は廃棄する制御が行われていなかった。
そのため、例えば、手動運転(マニュアル制御)により現像装置を動作させた場合、処理廃液の種類に応じて適切に回収、排出することができないというトラブルが生じる可能性があり、廃棄処分される廃液量の増大に伴う環境面への悪影響や、現像液等の処理液の購入費用や廃液の廃棄処分費用の増加を招くという問題を有していた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、複数種類の処理液を用いて基板等の対象物を化学処理する装置において、装置の構造を簡素化しつつ、各処理液の廃液の適切に分別して回収又は廃棄を行うことができ、更に、該廃液の回収又は廃棄を、当該装置の自動、手動の運転状態にかかわらず、適切に行うことができる処理廃液回収装置及びその回収制御方法、並びに、該処理廃液回収装置を適用した現像装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、所定の対象物の化学的処理に供した複数種類の処理液の廃液を回収する処理廃液回収装置において、少なくとも、前記処理液を前記対象物に個別に付与する処理液供給手段と、前記処理液供給手段における前記処理液の供給状態を個別に検出する供給状態検出手段と、前記供給状態検出手段における前記供給状態の検出結果に基づいて、前記対象物に付与されている前記処理液の種類を判別する処理液判別手段と、前記処理液判別手段における前記処理液の種類の判別結果に基づいて、前記処理液の廃液の移送経路を設定する廃液移送経路設定手段と、を備えていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の処理廃液回収装置において、前記供給状態検出手段は、前記処理液供給手段から送出される前記処理液の流量に基づいて、前記供給状態を検出することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の処理廃液回収装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液の廃液の回収経路を設定するタイミングを、前記処理液判別手段により前記処理液の種類が判別されたタイミングに対して所定の遅延時間を経たタイミングとする遅延時間設定手段を備えていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の処理廃液回収装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記対象物に付与された前記処理液の廃液を排出する唯一の廃液配管と廃液回収手段又は廃液廃棄手段のいずれか一方との接続状態を選択的に切り換える手段を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の処理廃液回収装置において、前記処理液は、少なくとも、前記化学的処理に供した後の廃液が、再生利用が可能な第1の処理液と、再生利用が不可能な第2の処理液と、を含み、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、前記第1の処理液のみが前記対象物に付与されていると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液回収手段に回収する経路に設定することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の処理廃液回収装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、少なくとも前記第2の処理液が前記対象物に付与されていると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の処理廃液回収装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、前記対象物にいずれの前記処理液も付与されていないと判断された場合には、前記移送経路を、前記処理液の廃液を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、所定の対象物の化学的処理に供した複数種類の処理液の廃液を回収する処理廃液回収装置の回収制御方法において、前記対象物に付与される前記処理液の供給状態を個別に検出するステップと、前記検出された前記処理液の供給状態に基づいて、前記対象物に付与されている前記処理液の種類を判別するステップと、前記処理液の判別結果に基づく所定のタイミングで、前記処理液の廃液を移送する移送経路を廃液回収手段に回収する経路と廃液廃棄手段に排出する経路のいずれか一方に切り換え設定するステップと、を含むことを特徴とする処理廃液回収装置の回収制御方法。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の処理廃液回収装置の回収制御方法において、前記処理液の廃液を移送する経路を切り換え設定するステップは、前記処理液の種類を判別するステップにおいて該処理液の種類が判別されたタイミングから、所定の遅延時間が経過した後に、前記処理液の廃液の移送経路を切り換え設定するステップを含むことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8又9記載の処理廃液回収装置の回収制御方法において、前記処理液は、少なくとも、前記化学的処理に供した後の廃液が、再生利用が可能な第1の処理液と、再生利用が不可能な第2の処理液と、を含み、前記処理液の廃液を移送する移送経路を切り換え設定するステップは、前記処理液の種類を判別するステップにおいて前記処理液が前記第1の処理液であると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液回収手段に回収する経路に設定し、前記処理液が少なくとも前記第2の処理液を含むと判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項8乃至10記載の処理廃液回収装置の回収制御方法において、前記処理液の廃液の経路を切り換え設定するステップは、前記処理液の種類を判別するステップにおいて前記対象物にいずれの前記処理液も付与されていないと判別された場合には、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、単一の処理室内で基板に対して、複数種類の処理液を付与して、一連の現像処理を施す現像装置において、少なくとも、現像液を前記処理液として前記基板に供給する現像液供給手段と、純水を前記処理液として前記基板に供給する純水供給手段と、前記現像液供給手段における前記現像液の供給状態、及び、前記純水供給手段における前記純水の供給状態を検出する供給状態検出手段と、前記供給状態検出手段における前記供給状態の検出結果に基づいて、前記基板に供給されている前記処理液の種類を判別する処理液判別手段と、前記処理液判別手段における前記処理液の判別結果に基づいて、前記処理液の廃液の移送経路を廃液回収手段に回収する経路と廃液廃棄手段に排出する経路のいずれか一方に設定する廃液移送経路設定手段と、を備えていることを特徴とする現像装置。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の現像装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液の廃液の回収経路を設定するタイミングを、前記処理液判別手段により前記処理液の種類が判別されたタイミングに対して所定の遅延時間を経たタイミングとする遅延時間設定手段を備えていることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項12又は13記載の現像装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記基板に供給された前記処理液の廃液を排出する唯一の廃液配管と前記廃液回収手段又は前記廃液廃棄手段のいずれか一方との接続状態を選択的に切り換える手段を備えることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項12乃至14記載の現像装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により前記処理液が前記現像液のみであると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液回収手段に回収する経路に設定することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項12乃至14記載の現像装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により前記処理液が少なくとも前記純水を含むと判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項12乃至14記載の現像装置において、前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、前記基板にいずれの前記処理液も供給されていないと判断された場合には、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする。
すなわち、本発明に係る処理廃液回収装置及びその回収制御方法は、複数種類の処理液を用いて基板等の対象物を化学的に処理する装置(例えば、現像装置)に適用される処理廃液回収装置において、少なくとも、処理液を対象物に個別に供給する処理液供給手段(処理液供給配管)における、該処理液の供給状態(流量)を個別に検出する供給状態検出手段(フローメータ及び流量センサ)と、該処理液の供給状態(供給状態検出手段における検出結果)に基づいて、対象物に供給されている処理液の種類を判別する処理液判別手段(コントローラ)と、処理液判別手段における処理液の判別結果に基づいて、該処理液の廃液(処理廃液)の移送経路を、廃液回収手段(回収再生槽)に回収する経路(廃液配管−回収配管)と廃液廃棄手段(廃液貯留槽)に排出する経路(廃液配管−廃棄配管)のいずれかに選択的に切り換え設定する廃液移送経路設定手段(経路選択バルブ)と、を備えた構成を有している。
これにより、対象物の化学的処理に際して、該対象物に供給(付与)される各処理液の供給の有無を検出して、該処理液の廃液の移送経路を、該廃液に応じた移送経路(廃液回収手段に回収する経路、廃液廃棄手段に排出する経路)に設定することができるので、例えば、複数種類の処理液を用いて、対象物に一連の化学的処理を施す装置において、廃液の再利用が可能な処理液が対象物に供給された場合には、処理廃液の移送経路を廃液回収手段(回収再生槽)側に切り換え、廃液の再利用が困難又は不可能な処理液が供給された場合には、処理廃液の移送経路を廃液廃棄手段(廃液貯留槽)側に切り換えることができ、当該装置の運転状態にかかわらず、処理液の種類や供給状態にのみ基づいて、処理廃液を適切に分別して回収、再利用、又は、廃棄処分を行うことができる。
また、このような処理廃液回収装置によれば、大掛かりかつ複雑な処理液回収機構を用いて、各処理工程ごとに当該機構を駆動制御する必要がなく、小規模かつ簡易な構成を有する廃液移送経路設定手段により処理液の種類に応じて処理廃液の移送経路を切り換えるだけの簡易な制御方法により、上述したような処理廃液の分別回収、又は、廃棄処分を適切に行うことができるので、処理廃液回収装置、さらには、当該処理廃液回収装置を備えた基板処理装置等を簡易な構成で、安価に実現することができる。
また、上記装置において、処理液を利用しない処理を行う場合や初期状態(定常状態)においては、処理液判別手段及び廃液移送経路設定手段により、処理廃液の移送経路を廃液廃棄手段(廃液貯留槽)側に切り換えることにより、例えば手動運転時の誤操作や機器の異常等により予期せぬ処理液の供給が行われた場合であっても、廃液回収手段において再生可能な処理廃液に、再利用が困難あるいは不可能な処理廃液が混入するトラブルを防止することができる。
さらに、本発明に係る処理廃液回収装置においては、上記各構成に加え、供給状態検出手段により処理液の供給状態を検出したタイミングから、廃液移送経路設定手段により該処理液の廃液の移送経路を切り換え設定するタイミングまでの間に、所定の遅延時間を設定する遅延時間設定手段(コントローラ、プログラムリレー)を備えた構成を適用することができる。
これによれば、処理液の供給状態を検出したタイミングから処理液の対象物への供給から処理廃液の排出までに要する時間、及び、任意の付加時間が経過した後に、廃液移送経路設定手段により該処理液の廃液の移送経路を切り換え設定することができるので、例えば、再利用が可能な処理廃液と、不純物(レジスト)の溶け込み量の多い化学処理初期の処理廃液や、以前の処理の際に対象物や廃液配管等に付着した他の種類の処理廃液と、を良好に分別して回収、再利用、又は、廃棄処分を行うことができる。
そして、本発明に係る現像装置においては、上述した処理廃液回収装置及びその回収制御方法を適用することにより、特に手動運転時に、処理室(基板)に供給される処理液(現像液、純水)を監視して、当該処理液の種類及び供給状態に基づいて、現像液が単独で供給されている場合には、処理廃液の移送経路を廃液回収手段(回収再生槽)側に切り換え設定し、純水が単独で供給されている場合、もしくは、複数種類の処理液が同時に供給されている場合には、処理廃液の移送経路を廃液廃棄手段(廃液貯留槽)に切り換え設定することができるので、回収再生槽に再生利用が困難又は不可能な処理廃液(例えば、レジストの溶け込み量の多い現像液や大量の純水)が流入することを適切に防止することができる。これにより、処理廃液の適切な分別回収を行うことができ、現像液等の調整、再利用が可能な処理液を効率的に利用することができるので、再生利用される処理廃液の量を増加させて、廃棄処分される廃液量を削減し、環境への負荷を軽減することができるとともに、現像液等の処理液の購入費用や廃液の廃棄処分費用の増加を抑制することができる。
以下、本発明に係る処理廃液回収装置及びその回収制御方法について、処理廃液回収装置を現像装置に適用した場合の実施の形態を示して詳しく説明する。
<現像装置>
図1は、本発明に係る処理廃液回収装置を適用した現像装置の全体構成の一実施形態を示す概略図であり、図2は、本実施形態に係る現像装置の要部構成例を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係る現像装置100は、単一の処理室内で各処理を連続的に実行する機能を備えるものであり、ステージ(もしくは、ターンテーブル)12上に機械的に固定、もしくは、真空吸着された基板SUBに対して、所定の化学的処理を施す処理室10と、少なくとも処理室10に所定の処理液(現像液(第1の処理液)、純水(第2の処理液))を供給して、基板SUBに吹き付ける処理液供給部20と、処理室10から排出される処理液の廃液(処理廃液)の回収又は廃棄のための移送経路を設定して処理廃液を分離回収する廃液回収部30と、少なくとも処理液供給部20により供給される処理液の種類や供給の有無、処理廃液の状態等に応じて、処理廃液を回収又は廃棄するように、廃液回収部30における処理廃液の移送経路を切り換え制御する装置制御部40と、を備えて構成されている。
ここで、図1において、11は処理室10内に噴射された処理液を回収するためのプロセスカップであり、13はプロセスカップ11の下部に設けられた唯一の廃液口である。また、22a、22bは各々処理液A(現像液)、B(純水)を処理室10に送出するための処理液供給配管(処理液供給手段)であり、21a、21bは各々処理液供給配管22a、22bの先端部に設けられ、処理液A、Bを処理室10内に噴射するための吐出ノズルである。31は廃液口13に接続された廃液配管であり、33は処理廃液を回収再生槽(廃液回収手段)へ移送するための回収配管であり、34は処理廃液を廃液貯留槽(廃液廃棄手段)へ移送するための廃棄配管であり、32は廃液口13及び廃液配管31を介して排出された処理廃液を回収配管33又は廃棄配管34のいずれかの移送経路に選択的に排出するための経路選択バルブ(廃液移送経路設定手段)である。したがって、装置制御部40は、少なくとも、処理液供給部20の処理液供給配管22a及び22bにおける処理液A、Bの供給状態を検出して、廃液回収部30の経路選択バルブ32による廃液配管31と回収配管33又は廃棄配管34との接続状態を切り換え制御するように構成されている。
なお、本実施形態においては、図1に示したように、処理液としてA(現像液)、B(純水)の2種類のみを適用し、該処理液を基板の表面側(図面上面側)にのみ吹き付ける構成を示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに他の種類の処理液を個別に供給するものであってもよいし、基板の表面だけでなく、裏面側(図面下面側)にも処理液を同時に吹き付けるように、処理液供給配管や吐出ノズルを備えた構成を有するものであってもよい。この場合、装置制御部40は、全ての処理液供給配管における処理液の送出状態を個別に検出するように、後述する供給状態検出手段を備えた構成を有している。
装置制御部40は、具体的には、図2に示すように、各処理液供給配管22a、22bを介して処理室10(吐出ノズル21a、21b)に供給される処理液A、Bの流量を計測するフローメータ(供給状態検出手段)41a、41bと、各フローメータ41a、41bにおける流量の変化(処理液A、Bの供給の有無)に応じて、該処理液A、Bの供給状態を検出する流量センサ(供給状態検出手段)42a、42bと、流量センサ42a、42bからの検出信号(信号電圧)に基づいて、オン動作(通電)するリレースイッチ43a、43bと、リレースイッチ43a、43bを介して印加される所定の電圧により各処理液A、Bの供給状態を判別するとともに、該処理液の種類に応じて、廃液回収部30の経路選択バルブ32を切り換え制御するための電磁弁(電磁バルブ)45の動作状態を設定する制御信号を出力するコントローラ(処理液判別手段、遅延時間設定手段)44と、電磁弁45を介して経路選択バルブ32に供給される駆動エアの圧力(エア圧)を検出する圧力センサ46と、少なくとも上記コントローラ44、リレースイッチ43a、43b、電磁弁45及び圧力センサ46に所定の動作電圧を供給する電源ユニット47と、を備えた構成を有している。
ここで、フローメータ41a、41bは、例えば、各処理液供給配管22a、22bに設けられ、各吐出ノズル21a、21bを介して処理室10内に固定された基板SUBに対して供給される各処理液A、Bの流量を計測する。また、流量センサ42a、42bは、これらフローメータ41a、41bによる流量の計測状態に基づいて処理液A、Bの供給の有無(すなわち、処理液の種類に相当する)を検出する。ここで、流量センサ42a、42bは、所定の正電源電圧(例えば、+24V)及び負電源電圧からなる装置電源(図示を省略したシーケンサの電源ライン)に接続され、フローメータ41a、41bにより特定の処理液の供給が検出されることにより、後述するリレースイッチ43a、43bに対して制御信号として上記電源電圧に基づく所定の信号電圧(例えば、+24V)を出力する。
リレースイッチ43a、43bは、上記流量センサ42a、42bから制御信号が出力される(信号電圧が印加される)ことにより通電動作し、一方のリレー接点に印加された動作電圧(例えば、+24V)が他方のリレー接点を介して各処理液ごとに設定されたコントローラ44の入力接点に検出信号として入力されるように構成されている。
コントローラ44は、例えば、後述する電源ユニット47により生成、供給される正負電圧からなる動作電圧に基づいて動作し、上記リレースイッチ43a、43bを介して供給される動作電圧が、各処理液の供給状態を示す検出信号として入力される。コントローラ44は、この検出信号に基づいて、処理室10に供給されている処理液の種類を判別して、当該種類に応じて電磁弁45の開閉状態を制御する制御信号を電磁弁45に出力する。なお、コントローラ44には、後述するように、フローメータ41a、41b及び流量センサ42a、42bによる特定の処理液の検出時点から、電磁弁45を制御して経路選択バルブ32を所定の配管側(移送経路)に切り換え設定するまでの時間(遅延時間)を、任意もしくは所定の時間に設定するプログラムリレー(遅延時間設定手段)を備えた構成を適用することができる。
電磁弁45は、経路選択バルブ32に所定の駆動エアを供給するためのエア配管に設けられ、上記コントローラ44からの制御信号(動作電圧の供給/遮断)に基づいて経路選択バルブ32への駆動エアの供給/遮断を設定する。具体的には、廃液回収部30に設けられた経路選択バルブ32は、コントローラ44からの制御信号の出力(動作電圧の供給)に基づいて、電磁弁45を弁閉動作することにより経路選択バルブ32への駆動エアが遮断されて廃液配管31と回収配管33が接続されるように移送経路が切り換え設定され、一方、コントローラ44からの制御信号の遮断(動作電圧の遮断)に基づいて、電磁弁45を弁開動作することにより経路選択バルブ32に駆動エアが供給されて廃液配管31と廃棄配管34が接続されるように移送経路が切り換え設定される。
すなわち、コントローラ44から制御信号が供給されていない状態では、経路選択バルブ32に駆動エアが常時供給されて、廃液配管31と廃棄配管34が接続された移送経路に設定されることになるので、例えば、電源のシャットダウンによるコントローラ44の非常停止等が発生した場合であっても、処理廃液は廃液貯留槽側に排出されて、回収再生槽側に種類の判別されていない処理廃液が排出されることを防止することができる。なお、経路選択バルブ32に供給される駆動エアの空気圧は、常時又は所定のタイミングで圧力センサ46により検出され、駆動エアの供給状態や経路選択バルブ32により設定される移送経路がコントローラ44により監視され、駆動エアの減圧や遮断等の異常が生じた場合に当該情報が報知されるように構成されている。
電源ユニット47は、例えば、商用交流電源(AC100V等)を直流変換するAC―DCコンバータであって、正負電圧からなる動作電圧を生成して、少なくともリレースイッチ43、コントローラ44、電磁弁45、圧力センサ46に供給する。
次に、上述したような構成を有する現像装置(処理廃液回収装置)における制御方法(回収制御方法)について、図面を参照して説明する。まず、現像装置における現像処理、水洗処理、乾燥処理について制御方法を個別に説明し、次いで、手動運転(マニュアル制御)における制御方法について説明する。
図3は、本実施形態に係る現像装置における現像処理の制御方法を示すフローチャートであり、図4は、本実施形態に係る現像装置における水洗処理の制御方法を示すフローチャートであり、図5は、本実施形態に係る現像装置における乾燥処理の制御方法を示すフローチャートである。ここで、各処理において同等の制御手順を実行する場合については、その説明を簡略化して説明する。
(現像処理)
現像処理は、まず、図3に示すように、コントローラ44により、又は、図示を省略したシーケンサにより、現像処理を開始する操作を行うと(S101)、現像液を処理室10(基板SUB)に供給する指令が出力され、現像液が処理液供給配管22aを介して吐出ノズル21aから処理室10内に噴射される(S102)。
このとき、処理液供給配管22aに設けられたフローメータ41aにより、現像液の供給量が計測されるとともに、該計測状態に基づいて流量センサ42aが現像液の供給状態(供給の有無)を検出し、リレースイッチ43aを通電動作させるための制御信号を出力する。これにより、リレースイッチ43aが通電動作して所定の正電圧(動作電圧)を有する検出信号がコントローラ44の入力接点に入力され(S103)、処理室10(基板SUB)に処理液として現像液が供給されていることが判別される(S104)。
コントローラ44は、この判別結果に基づいて、処理廃液の移送経路を決定し(S105)、廃液配管31と回収配管33を接続するように経路選択バルブ32を切り換え設定するための制御信号(動作電圧)を電磁弁45に出力して(具体的には、コントローラ44の出力接点を閉状態に切り換えて、電源ユニット47から供給される動作電圧を電磁弁45に供給して)、電磁弁45を弁閉動作させ、経路選択バルブ32への駆動エアの供給を遮断する(S106)。これにより、経路選択バルブ32が切り換え制御されて、廃液配管31と回収配管33が接続された移送経路が設定される(S107)。
ここで、更に、上記ステップS103〜S106において、コントローラ44に内蔵するプログラムリレーにより、現像液の供給を検出したタイミングから経路選択バルブ32への駆動エアの供給を遮断するタイミングまでの間に、所定の遅延時間(コントローラ44の出力接点を閉状態に切り換えるまでのオンディレイタイム)を設定することにより、現像液の供給、噴射から処理室10内での(プロセスカップ11による)処理廃液の回収を経て、廃液口13への排出までに要する時間、及び、任意の付加時間が経過した後に、廃液回収部30(経路選択バルブ32)を切り換え設定するようにしてもよい。これにより、レジストの溶け込み量の多い現像処理初期の処理廃液や、現像処理以前に処理室10内や廃液口13、廃液配管31に付着した他の処理廃液を良好に廃液貯留槽に排出することができ、回収再生槽に再生利用が困難な低質の処理廃液が流入することを防止することができる。
(水洗処理)
水洗処理は、まず、図4に示すように、コントローラ44(又は、図示を省略したシーケンサ)により、水洗処理を開始する操作を行うと(S201)、純水が処理液供給配管22bを介して吐出ノズル21bから処理室10内に噴射される(S202)。このとき、処理液供給配管22bに設けられたフローメータ41b及び流量センサ42bにより純水の供給状態(供給の有無)が検出されて、リレースイッチ43bから検出信号がコントローラ44の入力接点に入力される(S203)。
これにより、コントローラ44は、処理室10(基板SUB)に処理液として純水が供給されていることを判別して(S204)、処理廃液の移送経路を決定し(S205)、経路選択バルブ32を切り換え設定するための制御信号を電磁弁45に出力する(具体的には、コントローラ44の出力接点を開状態に切り換えて、電磁弁45への動作電圧の供給を遮断する)。これにより、電磁弁45を弁開動作させて、経路選択バルブ32に駆動エアを供給し(S206)、廃液配管31と廃棄配管34が接続された移送経路が設定される(S207)。
ここで、更に、上記ステップS203〜S206において、コントローラ44に内蔵するプログラムリレーにより、純水の供給を検出したタイミングから経路選択バルブ32に駆動エアを供給するタイミングまでの間に、所定の遅延時間(コントローラ44の出力接点を開状態に切り換えるまでのオフディレイタイム)を設定することにより、純水の供給、噴射から処理室10内での処理廃液の回収を経て、廃液口13への排出までに要する時間に対応したタイミングで、廃液回収部30(経路選択バルブ32)を切り換え設定するようにしてもよい。これにより、水洗処理以前に処理室10内や廃液口13、廃液配管31に付着した、再生利用が可能な他の処理廃液(特に、現像処理における処理廃液)を回収再生槽に移送することができ、廃液貯留槽に無駄に排出することを防止することができる。
(乾燥処理)
乾燥処理は、まず、図5に示すように、コントローラ44(又は、図示を省略したシーケンサ)により、乾燥処理を開始する操作を行うと(S301)、処理液(現像液、純水)の供給が遮断されることにより、各処理液供給配管22a、22bに設けられたフローメータ41a、41b及び流量センサ42a、42bにより処理液の供給状態は検出されないので、リレースイッチ43a、43bからコントローラ44の入力接点へ検出信号は入力されない(S302)。
これにより、コントローラ44は、処理室10に処理液が供給されていないことを判別して(S303)、移送経路を決定し(S304)、電磁弁45への動作電圧の供給を遮断する(コントローラ44の出力接点を開状態に切り換える)。これにより、電磁弁45を弁開動作させて、経路選択バルブ32に駆動エアが供給された状態が保持され(S305)、廃液配管31と廃棄配管34が接続された移送経路が設定される(S306)。
このように、本実施形態に係る現像装置及びその制御方法においては、処理廃液の再生利用が可能な処理液が処理室に供給された状態を、処理液供給配管に敷設されたフローメータ及び流量センサにより検出し、当該処理液の供給状態においてのみ、電磁弁に動作電圧(制御信号)を供給して弁閉動作させて、経路選択バルブにより設定される移送経路を、回収再生槽側(回収配管側)に切り換え、一方、処理廃液の再生利用が困難又は不可能な処理液が供給された場合や、処理液を利用しない処理を行う場合には、電磁弁を弁開動作させて、経路選択バルブにより設定される移送経路を、廃液貯留槽側(廃棄配管側)に切り換えることができるので、現像装置の運転状態にかかわらず、処理液の種類や供給状態に応じて、処理廃液を適切に分別して回収、再生利用、又は、廃棄処分を行うことができる。
すなわち、本実施形態に係る現像装置によれば、単一の処理室内で複数種類の処理液を付与して、基板に一連の現像処理を行い、各処理液の廃液を分離して回収することができるようにした現像装置において、上述したように、基板に供給される処理液の種類に応じて、経路選択バルブを切り換えるだけの簡易な制御方法により、処理廃液の移送経路を、回収再生槽側又は廃液貯留槽側に簡易に切り換えることができるので、例えば、従来技術に示したような、外壁及び内壁を備えた昇降可能なカップや、移動自在に設けられた分離板等からなる大規模かつ複雑な処理液回収機構を処理室内に備え、さらに、各処理工程ごとにこれらを昇降又は移動させる複雑な制御を必要とすることなく、処理液の種類に応じて処理廃液を適切に分別して回収、又は、廃棄処分することができる現像装置を簡易な構成で実現して安価に提供することができる。
更に、本実施形態においては、現像装置の処理状態が切り替わる際に、処理液の種類や供給状態を検出した時点から、所定の遅延時間が経過したタイミングで経路選択バルブを切り換え制御して移送経路を設定するようにしてもよく、これにより、再生可能な処理廃液を良好に回収再生槽に移送して調整、再利用することができるとともに、再生利用が困難あるいは不可能な処理廃液を廃液貯留槽に排出して適切に廃棄処分することができる。これにより、再生利用される処理廃液の量を増加させて、廃棄処分される廃液量を削減することができ、環境への負荷を軽減することができるとともに、現像液等の処理液の購入費用や廃液の廃棄処分費用の増加を抑制することができる。
なお、現像装置の自動運転においては、処理室内に基板を搬入し、ステージに固定した後、例えば、上述した現像処理、水洗処理、乾燥処理がシーケンスプログラムにより順次連続的に実行される。ここで、各処理においては、上述したような一連の制御方法が適用され、処理液の種類及び供給状態に応じた処理廃液の回収再生処理又は廃棄処分が行われる。
次いで、本実施形態に係る現像装置を手動運転(マニュアル制御)により動作させた場合の制御方法について図面を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る現像装置を手動運転により動作させた場合の制御方法を示すフローチャートである。ここでは、上述した現像処理、水洗処理、乾燥処理に示した制御方法を適宜参照しながら説明し、同等の手順についてはその説明を簡略化する。
本実施形態に係る現像装置の手動運転においては、まず、初期状態(定常状態)として、廃液回収部30において、経路選択バルブ32により移送経路が、廃液貯留槽側(廃棄配管34側)に切り換えられた状態に設定されている。そして、乾燥処理の開始操作が行われたか否かが常時監視され(S11)、当該操作が行われた場合には、上述した乾燥処理の各処理手順(S301〜S306)が実行されて、廃液回収部30において、経路選択バルブ32により設定される移送経路が、廃液貯留槽側(廃棄配管34側)に切り換えられる(すなわち、上記初期状態が保持される)。
次いで、上述した現像処理、水洗処理の開始操作の有無にかかわらず、特定の処理液の供給、噴射操作を行ったか否かが監視される(S12)。ここで、特定(任意)の処理液の供給操作が行われると、当該処理液が処理室10に供給されることにより、処理液供給配管22a、22bに付設されたフローメータ41a、41b及び流量センサ42a、42bにより当該処理液の供給状態が検出されて、リレースイッチ43a、43bからコントローラ44の入力接点に検出信号が入力される(S13)。
これにより、コントローラ44は、処理室10(基板SUB)に処理液として現像液又は純水が供給されていることを判別するが、手動運転においては、自動運転(シーケンスプログラムにより実行制御)の場合と異なり、現像装置のオペレータの判断により任意の操作が可能であるため、複数の処理液が同時に供給される場合が考えられる。そこで、コントローラ44は、リレースイッチ43a、43bから入力される検出信号に基づいて、処理室10に単一種類の処理液が供給されているか否かを判断する(S14)。
処理室10に供給されている処理液が単一種類(単独)の場合には、当該処理液に対応して入力された検出信号に基づいて当該処理液が現像液か否か(すなわち、処理液の種類)を判別する(S15)。この一連の判別処理により、処理室10に供給されている処理液が現像液単独であると判断された場合には、上述した現像処理の各処理手順(S105〜S107)が実行され、廃液回収部30において、経路選択バルブ32により設定される移送経路は、回収再生槽側(回収配管33側)に切り換えられる。また、処理室10に供給されている処理液が現像液以外(純水単独)であると判断された場合には、上述した水洗処理の各処理手順(S205〜S207)が実行され、廃液回収部30において、経路選択バルブ32により設定される移送経路は、廃液貯留槽側(廃棄配管33側)に切り換えられる(すなわち、上記初期状態が保持される)。
一方、上記ステップS14において、処理室10に供給されている処理液が複数種類であると判断された場合には、廃液配管31と廃棄配管34を接続するように処理廃液の移送経路を決定し(S16)、電磁弁45への制御信号(動作電圧)の供給を遮断して電磁弁45を弁開動作させて、経路選択バルブ32に駆動エアを供給し(S17)、廃液配管31と廃棄配管34が接続された移送経路が設定されるように経路選択バルブ32を切り換える(S18)。ここで、廃液回収部における処理廃液の移送経路が、既に廃液貯留槽側(廃棄配管34側)に切り換え設定されている場合には、ステップS16〜S18は省略されて、上述した初期状態が保持される。
以下、上述した一連の処理手順を、図6に示すように、繰り返し実行することにより、手動運転により操作される各処理状態に応じて、廃液回収部における処理廃液の移送経路が適宜設定されることになる。
したがって、本実施形態に係る現像装置においては、特に現像装置の手動運転時に、処理室に供給される処理液を監視して、当該処理液の種類及び供給状態に基づいて、単独の処理液が供給されているか、複数種類の処理液が供給されているかを判断し、複数種類の処理液が混合して供給されている場合には、廃液回収部における処理廃液の移送経路を廃液貯留槽側に強制的に切り換えることができるので、回収再生槽に再生利用が困難又は不可能な処理廃液(例えば、大量の純水)が流入することを適切に防止することができる。これにより、現像装置の手動運転時においても、処理廃液の適切な分別回収を行うことができ、現像液等の調整、再利用が可能な処理液を効率的に利用することができる。
なお、上述した実施形態においては、半導体装置や液晶表示パネル等を製造するためのワンカップ型の現像装置に、本発明に係る処理廃液回収装置を適用した構成及びその制御方法について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、再生利用が可能な処理液を含む複数種類の処理液を用いて所定の対象物を化学処理する装置全般に良好に適用することができる。
また、上述した実施形態においては、処理廃液の移送経路として回収再生槽側と廃液貯留槽側を示したが、異なる再生処理を必要とする処理廃液を個別に貯留する複数の回収再生槽を備えるものであってもよいし、異なる廃棄処分を必要とする処理廃液を個別に貯留する複数の廃液貯留槽を備えるものであってもよい。いずれの場合においても、各処理液の種類及び供給状態に応じて、処理廃液の移送経路を適宜切り換え制御することにより、処理廃液を適切に分別して調整、再利用又は廃棄処分を行うことができる。
本発明に係る処理廃液回収装置を適用した現像装置の全体構成の一実施形態を示す概略図である。 本実施形態に係る現像装置の要部構成例を示す概略図である。 本実施形態に係る現像装置における現像処理の制御方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る現像装置における水洗処理の制御方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る現像装置における乾燥処理の制御方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係る現像装置を手動運転により動作させた場合の制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
100 現像装置
10 処理室
20 処理液供給部
22a、22b 処理液供給配管
30 廃液回収部
32 経路選択バルブ
40 装置制御部
41a、41b フローメータ
42a、42b 流量センサ

Claims (17)

  1. 所定の対象物の化学的処理に供した複数種類の処理液の廃液を回収する処理廃液回収装置において、
    少なくとも、
    前記処理液を前記対象物に個別に付与する処理液供給手段と、
    前記処理液供給手段における前記処理液の供給状態を個別に検出する供給状態検出手段と、
    前記供給状態検出手段における前記供給状態の検出結果に基づいて、前記対象物に付与されている前記処理液の種類を判別する処理液判別手段と、
    前記処理液判別手段における前記処理液の種類の判別結果に基づいて、前記処理液の廃液の移送経路を設定する廃液移送経路設定手段と、
    を備えていることを特徴とする処理廃液回収装置。
  2. 前記供給状態検出手段は、前記処理液供給手段から送出される前記処理液の流量に基づいて、前記供給状態を検出することを特徴とする請求項1記載の処理廃液回収装置。
  3. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液の廃液の回収経路を設定するタイミングを、前記処理液判別手段により前記処理液の種類が判別されたタイミングに対して所定の遅延時間を経たタイミングとする遅延時間設定手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の処理廃液回収装置。
  4. 前記廃液移送経路設定手段は、前記対象物に付与された前記処理液の廃液を排出する唯一の廃液配管と廃液回収手段又は廃液廃棄手段のいずれか一方との接続状態を選択的に切り換える手段を備えることを特徴とする請求項1記載の処理廃液回収装置。
  5. 前記処理液は、少なくとも、前記化学的処理に供した後の廃液が、再生利用が可能な第1の処理液と、再生利用が不可能な第2の処理液と、を含み、
    前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、前記第1の処理液のみが前記対象物に付与されていると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液回収手段に回収する経路に設定することを特徴とする請求項1乃至4記載の処理廃液回収装置。
  6. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、少なくとも前記第2の処理液が前記対象物に付与されていると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする請求項5記載の処理廃液回収装置。
  7. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、前記対象物にいずれの前記処理液も付与されていないと判断された場合には、前記移送経路を、前記処理液の廃液を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする請求項5又は6記載の処理廃液回収装置。
  8. 所定の対象物の化学的処理に供した複数種類の処理液の廃液を回収する処理廃液回収装置の回収制御方法において、
    前記対象物に付与される前記処理液の供給状態を個別に検出するステップと、
    前記検出された前記処理液の供給状態に基づいて、前記対象物に付与されている前記処理液の種類を判別するステップと、
    前記処理液の判別結果に基づく所定のタイミングで、前記処理液の廃液を移送する移送経路を廃液回収手段に回収する経路と廃液廃棄手段に排出する経路のいずれか一方に切り換え設定するステップと、
    を含むことを特徴とする処理廃液回収装置の回収制御方法。
  9. 前記処理液の廃液を移送する経路を切り換え設定するステップは、前記処理液の種類を判別するステップにおいて該処理液の種類が判別されたタイミングから、所定の遅延時間が経過した後に、前記処理液の廃液の移送経路を切り換え設定するステップを含むことを特徴とする請求項8記載の処理廃液回収装置の回収制御方法。
  10. 前記処理液は、少なくとも、前記化学的処理に供した後の廃液が、再生利用が可能な第1の処理液と、再生利用が不可能な第2の処理液と、を含み、
    前記処理液の廃液を移送する移送経路を切り換え設定するステップは、前記処理液の種類を判別するステップにおいて前記処理液が前記第1の処理液であると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液回収手段に回収する経路に設定し、
    前記処理液が少なくとも前記第2の処理液を含むと判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする請求項8又は9記載の処理廃液回収装置の回収制御方法。
  11. 前記処理液の廃液の経路を切り換え設定するステップは、前記処理液の種類を判別するステップにおいて前記対象物にいずれの前記処理液も付与されていないと判別された場合には、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする請求項8乃至10記載の処理廃液回収装置の回収制御方法。
  12. 単一の処理室内で基板に対して、複数種類の処理液を付与して、一連の現像処理を施す現像装置において、
    少なくとも、
    現像液を前記処理液として前記基板に供給する現像液供給手段と、
    純水を前記処理液として前記基板に供給する純水供給手段と、
    前記現像液供給手段における前記現像液の供給状態、及び、前記純水供給手段における前記純水の供給状態を検出する供給状態検出手段と、
    前記供給状態検出手段における前記供給状態の検出結果に基づいて、前記基板に供給されている前記処理液の種類を判別する処理液判別手段と、
    前記処理液判別手段における前記処理液の判別結果に基づいて、前記処理液の廃液の移送経路を廃液回収手段に回収する経路と廃液廃棄手段に排出する経路のいずれか一方に設定する廃液移送経路設定手段と、
    を備えていることを特徴とする現像装置。
  13. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液の廃液の回収経路を設定するタイミングを、前記処理液判別手段により前記処理液の種類が判別されたタイミングに対して所定の遅延時間を経たタイミングとする遅延時間設定手段を備えていることを特徴とする請求項12記載の現像装置。
  14. 前記廃液移送経路設定手段は、前記基板に供給された前記処理液の廃液を排出する唯一の廃液配管と前記廃液回収手段又は前記廃液廃棄手段のいずれか一方との接続状態を選択的に切り換える手段を備えることを特徴とする請求項12又は13記載の現像装置。
  15. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により前記処理液が前記現像液のみであると判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液回収手段に回収する経路に設定することを特徴とする請求項12乃至14記載の現像装置。
  16. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により前記処理液が少なくとも前記純水を含むと判別された場合には、所定のタイミングで、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする請求項12乃至14記載の現像装置。
  17. 前記廃液移送経路設定手段は、前記処理液判別手段により、前記基板にいずれの前記処理液も供給されていないと判断された場合には、前記移送経路を前記廃液廃棄手段に排出する経路に設定することを特徴とする請求項12乃至14記載の現像装置。
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