JP4320274B2 - スチール製大引き用断熱材、スチール製大引きの断熱構造及び床の断熱構造 - Google Patents

スチール製大引き用断熱材、スチール製大引きの断熱構造及び床の断熱構造 Download PDF

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Description

本発明は、スチール製大引きに使用される断熱材及び該断熱材を用いたスチール製大引きの断熱構造、床の断熱構造に関するものである。
木造住宅や工業化住宅の1階床に適用される床構造には、束石又は土間コンクリートの上に床束を立てて、大引きを設置し、その上に直交するように、スチール製根太を載せて床板を張る、いわゆるスチール床構造がある。
このような床構造では、根太がスチールであるため、熱伝導性が高く、根太を介して床下の冷気が伝達されてしまうため、床下の冷気を遮断する工夫が種々行われている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1の床構造では、根太としてリップ溝形鋼を採用し、この根太を開口が横を向くように設置し、この根太に、底壁,両側壁から成る断面コ字状の断熱材を根太の下部から嵌め込み、一方の側壁の内面側に突設したフックを根太の開口に引っ掛けることによって断熱材を根太に保持させたり(図1)、吊り材で上部を互いに連結した断面L字状の断熱材で根太を挟み込むようにして保持させたり(図2及び図3)、或いは平板からなる3つの断熱材で、下部、一方の側部及び開口側の側部を覆い、それらの断熱材を互いに結合させて根太に保持させている(図7)。
また、スチール製大引きを採用したスチール床構造もある(例えば、特許文献2及び特許文献3)。
このような床構造では、スチール製大引きは、床板、根太等の荷重を受けるため、強度の高い、断面が矩形状を成したものが採用されている。そして、スチール製大引きは、伸縮自在に構成された金属製の床束によって支持されている。
特開平11−159019号公報(図1〜図3,図7) 特開平8−4253号公報(図2) 特開2002−294981号公報(図2)
ところで、近年、室内空間を拡大するために、大引きに直接床を張るスチール床構造が採用されつつある。このような場合には、スチール製大引きを断熱する必要が生じる。
本発明の目的は、このようにスチール製大引きを断熱する必要がある場合に、該スチール製大引きに容易に装着できる断熱材及び該断熱材を用いたスチール製大引きの断熱構造、床の断熱構造を提供することにある。
上記した課題を解決するため、請求項1のスチール製大引き用断熱材は、長手方向に対して垂直な断面が矩形状を成し、底面の幅方向中央部に、長手方向全長に亘って開口を形成したスチール製大引きの断熱材であって、前記スチール製大引きの底面を覆い、両側面の少なくとも下部を覆う、底壁部及び側壁部を有し、底壁部の上面に、前記スチール製大引きの開口に嵌め合わせて係止する係止部を形成している。
また、請求項2のスチール製大引き用断熱材は、上記請求項1の発明において、上記断熱材の係止部の上部を、長手方向に対して垂直な断面において幅方向外方に膨出させている。
また、請求項3のスチール製大引き用断熱材は、上記請求項1又は2の発明において、上記断熱材の係止部の長手方向に対して垂直な断面における幅方向中央部に、上方に解放されたスリットを形成している。
また、請求項4のスチール製大引き用断熱材は、上記請求項1〜3のいずれかの発明において、上記断熱材の長手方向の端部に、スチール製大引きを支持する床束の上部を収容する凹部を形成している。
また、請求項5のスチール製大引きの断熱構造は、長手方向に対して垂直な断面が矩形状の角筒を成し、その底壁の幅方向中央部に、長手方向全長に亘って開口を形成したスチール製大引きに上記請求項1〜4のいずれかに記載のスチール製大引き用断熱材を装着したスチール製大引きの断熱構造であって、前記断熱材の側壁部の上面の位置が、スチール製大引きの上面の位置よりも低くなるように該断熱材の側壁部の高さ設定されている
また、請求項6のスチール製大引きの断熱構造は、長手方向に対して垂直な断面が矩形状の角筒を成し、その底壁の幅方向中央部に、長手方向全長に亘って開口を形成したスチール製大引きに上記請求項1〜4のいずれかに記載のスチール製大引き用断熱材を装着したスチール製大引きの断熱構造であって、前記断熱材の側壁部の上面の位置が、スチール製大引きの上面の位置と同じになるように該断熱材の側壁部の高さ設定されているとともに、前記側壁部の上部に切欠き形成されている
請求項7の床の断熱構造は、上記請求項5に記載のスチール製大引きの断熱構造における断熱材の側壁部の上面に、スチール製大引き間に配設する大引き間断熱材の側縁を載置させている。
また、請求項8の床の断熱構造は、上記請求項6に記載のスチール製大引きの断熱構造における断熱材の側壁部における上部の切欠きに、スチール製大引き間に配設する大引き間断熱材の側縁を載置させている。
上記した請求項1のスチール製大引き用断熱材によれば、断熱材の係止部をスチール製大引きの下部開口に挿入させることによって、該断熱材をスチール製大引きに嵌着させることができるので、装着作業が簡単になる。また、装着した断熱材によってスチール製大引きの断熱が図れるとともに、衝撃を受けた際のスチール製大引きの金属音を低減させることができる。
上記した請求項2のスチール製大引き用断熱材によれば、断熱材の膨出部が、スチール製大引きの開口に形成される係止部に係合されるので、断熱材がスチール製大引きに確実に保持される。
上記した請求項3のスチール製大引き用断熱材によれば、断熱材の係止部をスチール製大引きの下部開口に挿入する際に、スリットによって分割される係止部の側部が撓められるので、係止部の挿入が容易になる。
上記した請求項4のスチール製大引き用断熱材によれば、凹部に床束の上部が収容され、床束の上部も断熱材によって覆われるので、断熱効果をより高めることができる。
上記した請求項5のスチール製大引きの断熱構造によれば、スチール製大引き用断熱材をスチール製大引きに装着した状態において該断熱材の側壁部の上面の位置が、スチール製大引きの上面の位置よりも低くなるように該断熱材の側壁部の高さ設定されているので、該断熱材の側壁部の上面に大引き間断熱材の側縁を差渡して配設することができ、断熱性の高い床の断熱構造を容易に実現することができる。
上記した請求項6のスチール製大引きの断熱構造によれば、スチール製大引き用断熱材をスチール製大引きに装着した状態において該断熱材の側壁部の上面の位置が、スチール製大引きの上面の位置と同じになるように該断熱材の側壁部の高さ設定されているとともに、前記側壁部の上部に切欠き形成されているので、スチール製大引きの幅を従来の木材の幅と同じにすることができ、それにより、大引き間断熱材のサイズを変更することなく対応することができる。また、大引き間断熱材の側縁を差渡して配設することができ、より断熱性の高い床の断熱構造を実現することができる。
上記した請求項7の床の断熱構造によれば、スチール製大引き用断熱材と大引き間断熱材とが密接されるので、床の断熱効果を高めることができる。
上記した請求項8の床の断熱構造によれば、スチール製大引き用断熱材の側壁部の上部に形成する切欠きの幅及び高さを、大引き間断熱材の幅及び厚さを考慮して形成することにより、スチール製大引き用断熱材と大引き間断熱材とを隙間なく配置することができ、より床の断熱効果を高めることができる。
以下、上記した本発明に係るスチール製大引き用断熱材、スチール製大引きの断熱構造及び床の断熱構造の好ましい実施の形態を、図面等を参照して詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明のスチール製大引き用断熱材が適用されるスチール床構造の一例を示した斜視図、図2は、スチール製大引きと該スチール製大引きを支持する床束との連結状態を示した断面斜視図、図3は、図2におけるA−A線に沿う部分の断面図、図4は、本発明に係るスチール製大引き用断熱材とスチール製大引きとを示した斜視図、図5は、本発明に係るスチール製大引き用断熱材と、スチール製大引きと、該スチール製大引きを支持する床束との連結状態を示した断面斜視図、図6は、図5におけるB−B線に沿う部分の断面図で、大引き間断熱材を設置した本発明の床の断熱構造を示している。
図1に示したスチール床構造では、コンクリート基礎1の上面に木製土台2を設置し、その木製土台2,2間に、スチール製大引き3を差渡して設置するとともに、そのスチール製大引き3の長手方向適宜箇所を、金属製床束4によって支持している。
上記スチール製大引き3は、図2に詳述したように、長手方向に対して垂直な断面が矩形状の角筒を成しており、底壁3aに開口5を有している。この開口5には、該開口5を画成する両縁部を、上方、かつ、互いに接近する方向に傾斜させて折り曲げた案内壁6a,6aと、先端を、互いに離反する方向で、底面と平行に折り曲げた係止壁6b,6bとが形成されている。
上記床束4は、ターンバックル4aによって伸縮自在に構成され、上部ボルト4bに結合部7を備えている。結合部7は、図2及び図3に示したように、上部ボルト4bの先端部に固定された押え金具7aと、上部ボルト4bに螺合された大引き固定ナット7bと、該大引き固定ナット7bと押え金具7aとの間において上部ボルト4bに嵌合された受け金具7cと、この受け金具7cと前記大引き固定ナット7bとの間において上部ボルト4bに嵌合された座金7dとによって構成されている。
そして、上記受け金具7cを、スチール製大引き3の底壁3a及び側壁3b,3bに嵌着するとともに、押え金具7aを、開口5からスチール製大引き3の内部に臨ませ、その状態で上部ボルト4bを回転させて押え金具7aの両縁部を係止壁6b,6bの上方に位置させる。次いで、大引き固定ナット7bを回転させ、押え金具7aをスチール製大引き3の係止壁6b,6bに当接させ、押え金具7aと受け金具7cとによってスチール製大引き3を挟持する。
上記した床構造に適用される本発明に係るスチール製大引き用断熱材10は、図4に示したように、上記スチール製大引き3の底壁3a、及び側壁3b,3bを覆う底壁部11、及び側壁部12,12を有する長尺体であって、底壁部11の上面11aに、突条の係止部13を備えている。
上記係止部13は、上部に、長手方向に対して垂直な断面において幅方向外方に膨出する膨出部13a,13aが形成され、更に、係止部13の長手方向に対して垂直な断面における幅方向中央部に、全長に亘って、上方に解放されたスリット13bが形成されている。
また、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10の長手方向一端には、底壁部11の上面11a、及び両側壁部12,12の内面12a,12aに、上記床束4の受け金具7cを収容する切欠き(凹部)14,15が形成され、更に、底壁部11に、上下方向に貫通された孔(凹部)16が形成されている。
なお、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10の側壁部12の上面の高さ、即ち、スチール製大引き3の側壁3bを覆う高さは、側壁3bの下部のみであってもよく、上面3cの高さに一致させてもよいが、図示した実施の形態においては、スチール製大引き3の側壁3bの下部のみを覆う高さとなっている。
上記のように構成された本発明に係るスチール製大引き用断熱材10は、長手方向端部を床束4の結合部7を覆うようにして、係止部13をスチール製大引き3の開口5に挿入させ、該係止部13をスチール製大引き3の係止壁6b,6bに係止させることによって、スチール製大引き3に装着される。
その際、係止部13は、スチール製大引き3の開口5に形成されている案内壁6a,6aによって、スリット13bが窄められながら案内されて進行し、膨出部13a,13aが開口5を脱した位置で、元の状態に復帰する。
このように、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10がスチール製大引き3に装着された本発明に係るスチール製大引きの断熱構造においては、図5及び図6に示したように、スチール製大引き3の開口5から内部に挿嵌された係止部13の膨出部13a,13aの下端が、スチール製大引き3の係止壁6b,6bに当接することによって、脱落が確実に防止される。
また、この断熱材10の長手方向端部において、断熱材10の切欠き(凹部)14,15に、床束4との結合部7の受け金具7cが収容され、孔(凹部)16に結合部7のナット7b及び座金7d等が収容されるため、該床束4との結合部7付近も、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10によって断熱される。
そして、図6に示したように、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10の側壁部12,12の上面に、大引き間に配設する大引き間断熱材17の側縁を差渡して配設し、それによって床の下部全体を断熱する、本発明に係る床の断熱構造を構築する。
なお、図7に示したように、断熱材10の側壁部12,12の上面を、スチール製大引き3の上面3cに合致させるとともに、側壁部12,12の上部に切欠き12b,12bを形成し、大引き幅調整部12c、12cを形成するとともに、該切欠き12b,12bに、上記大引き間断熱材17の側縁を差渡して配設し、それによって床の下部全体を断熱する、本発明に係る床の断熱構造を構築してもよい。
この図7に示した床の断熱構造によれば、スチール製大引き用断熱材10の側壁部12に形成する切欠き12bの幅及び高さを、大引き間断熱材17の幅及び厚さを考慮して形成することにより、スチール製大引き用断熱材10と大引き間断熱材17とを隙間なく配設することができ、より床の断熱効果を高めることができる。また、スチール製大引き3は、従来の木材と同等以上の強度を有するためにその幅を狭くすることできる。そのため、スチール製大引き3の幅を従来の木材の幅と同じにするため、上記大引き幅調整部12c,12cにより調整することもでき、それにより、大引き間断熱材17のサイズを、従来のものと変えることなく対応することができる。
ここで、図7の床構造において、スチール製大引き用断熱材10をポリスチレン発泡粒子の型内成形体〔JIS A 9511(1995年)4号〕、大引き間断熱材17をポリスチレン系樹脂押出発泡体〔JIS A 9511(1995年)3種b〕とし、床部材(図示しない)として合板24mmをドリリングタッピンねじでスチール製大引き3に固定し、床部材と大引き間断熱材17との隙間をなくし、JIS A 1419−2(2000年)の建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法に準拠し、バングマシーンにより衝撃荷重を加えた際の衝撃音の測定を行なった結果、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10と大引き間断熱材17とを取り除いた床構造に比して、最大で衝撃音を3dB低減できるものであった。
なお、図7の例示では、上記大引き幅調整部12c,12cは、スチール製大引き3の上面3cに合致させているが、必ずしも合致させなくともよい。
また、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10の上記係止部13は、スチール製大引き3の開口5に嵌め合わせて固定されればよいので、必ずしも連続して形成されている必要ななく、断熱材10の底壁部11の上面11aに、断続的に形成されていても良い。 また、上記実施の形態では、断熱材10の係止部13に、膨出部13aを形成しているが、断熱材10が適宜な弾性を有していれば、係止部13の上部が開口5に挿嵌された状態で、側方に復帰拡大するので、その場合には膨出部13aは必ずしも必要としない。
上記した本発明に係るスチール製大引き用断熱材10としては、例えば、非発泡体として、射出成形体、ブロー成形体、異型押出成形体、射出成形体、発泡体として、ブロー発泡成形体、異型押出発泡成形体、発泡粒子型内成形体等を挙げることができるが、前記した中でも、断熱性に優れ、複雑な形状が容易に成形できると言う観点から、発泡粒子型内成形体が好ましい。
上記発泡粒子型内成形体(以下、「発泡成形体」という)は、例えば、密閉した成形型内に、ポリスチレン系樹脂発泡粒子又はポリオレフィン系樹脂発泡粒子等を、必要に応じて加圧熟成し、発泡粒子内に所定の内圧を付与した後、該発泡粒子をそのまま、若しくは加圧状態で製造することができるが、解放された成形型内に、上記発泡粒子を充填し、そこに水蒸気を注入して発泡粒子を加熱し、発泡粒子相互を融着させることにより製造することもできる。
上記したような発泡成形体から成る本発明に係るスチール製大引き用断熱材10の見掛け密度は、0.01〜0.45g/cm3が好ましい。
これは、見掛け密度が0.01g/cm3に満たない発泡成形体である場合には、断熱材10の上記係止部13として要求される圧縮強度等の機械的強度が低下し、外れ易くなる虞れがあり、逆に、0.45g/cm3を越える発泡成形体である場合には、重過ぎて取り扱いが困難になる。
上記の観点から、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10の見掛け密度は、0.015〜0.30g/cm3であることがより好ましく、0.018〜0.25g/cm3であることが特に好ましい。
なお、上記見掛け密度は、スチール製大引き用断熱材10の重量とその体積により算出する値を採用する。
また、本発明におけるスチール製大引き用断熱材10の基材樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。
上記の中でもポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂は、本発明のスチール製大引き用断熱材10に可撓性,圧縮歪回復性,柔軟性を付与する上で最も好適な樹脂である。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン成分単位を50モル%以上含有する樹脂であり、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテンブロック共重合体、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したエチレン系アイオノマー系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、プロピレン−エチレン−ブテン三元共重合体、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。また、本発明では、上記ポリオレフィン系樹脂にスチレン等のビニルモノマーを含浸させてグラフト重合させたグラフト変性ポリオレフィン系樹脂も使用できる。
上記ポリオレフィン系樹脂は、過酸化物や放射線により架橋して用いても、無架橋のまま用いても良いが、生産工程が簡易で、リサイクルの可能な無架橋のものが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂の中でも、圧縮強度及び耐熱性に優れると言う観点から、ポリプロピレン系樹脂を用いるのが好ましく、特にコモノマー成分が2〜7重量%であるプロピレン系共重合体が強靱性、耐熱性、柔軟性等の点で優れているので好ましい。
但し、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10は、上記したポリオレフィン系樹脂に限定するものではなく、ポリオレフィン系樹脂の30重量%以下であれば、前記樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を含有させることができる。
また、上記ポリオレフィン系樹脂は、過酸化物等の架橋剤又は紫外線等の放射線により架橋してなる架橋樹脂であっても良いが、架橋樹脂と無架橋の樹脂とを比較すると、生産工程が簡易であり、且つリサイクルが可能であると言う点で、無架橋のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン単独重合体又はスチレンを主成分とするスチレン系共重合体、又はこれらの混合物、或いは上記スチレン単独重合体及びスチレン系共重合体の群から選択される1種又は2種以上を主成分とし、これに他の樹脂やゴムを副成分として混合した混合樹脂等が挙げられる。
上記スチレン系共重合体としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。また上記副成分として混合される樹脂やゴムとしては、ポリフェニレンオキシド、ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム等が挙げられる。
また、発泡体の形成に用いる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素及びこれらの混合物等の揮発型発泡剤を使用することができる。
また、本発明においては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等の分解型発泡剤を使用したり、窒素、二酸化炭素等の無機ガスや水を使用することもできる。更に、上記各種の発泡剤を適宜混合して用いることもできる。
但し、上記発泡剤は、オゾン層の破壊等環境へ悪影響を及ぼす可能性があるハロゲン化炭化水素を含まないものを使用することがより好ましい。更に、最近問題とされているシックハウス(室内空気汚染)に係わるとされる揮発性有機化合物の含有量を低減することも求められている。
また、本発明のスチール製大引き用断熱材10は、難燃性を有することが好ましく、また、熱伝導率が0.040W/m・k以下〔JIS A 9511(1995年)B類3号相当〕が好ましい。
かかる構成であると、建築材料として有利になる。
なお、難燃性は、JIS A 9511に準拠して3秒以内に火が消えるものである。また、熱伝導率は、JIS A 9511に準拠して測定した値である。
また、本発明に係るスチール製大引き用断熱材10は、上記基材樹脂と共に各種の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、例えば、難燃剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、気泡調整剤、収縮防止剤、及び導電性付与剤等を挙げることができる。
一方、本発明に係る床の断熱構造を構築する上記大引き間用断熱材17としては、例えば、上記スチール製大引き用断熱材10と同様に、非発泡体として、射出成形体、ブロー成形体、異型押出成形体、射出成形体、発泡体として、ブロー発泡成形体、異型押出発泡成形体、発泡粒子型内成形体等を挙げることができるが、前記した中でも、断熱性に優れ、複雑な形状が容易に成形できると言う観点から、発泡粒子型内成形体が好ましい。
上記大引き間用断熱材17を構成する基材樹脂としては、上記スチール製大引き用断熱材10の基材樹脂と同様な樹脂が挙げられ、その他、ウレタン、グラスウール等が挙げられる。その厚みは、要望する断熱性能や断熱材の性能によって適宜選択されるが、通常、10〜100mmが好ましい。
これは、10mm未満の厚みでは、断熱性が低くなる虞れがあるためであり、逆に、100mmを超える厚みであると、断熱性能は優れるものの、室内空間が狭くなる虞れがある。
上記の観点から、大引き間用断熱材17の厚みは、30〜100mmがより好ましく、40〜80mmが特に好ましい。
なお、上述した本発明に係るスチール製大引き用断熱材10、及び該断熱材10を用いた本発明に係る床の断熱構造は、スチール製大引き3の上に直接床板を設置するばかりでなく、スチール製大引きの上に根太を設置し、該根太の上に床板を設置する場合にも適用できることは言うまでもない。
以上、本発明に係るスチール製大引き用断熱材、スチール製大引きの断熱構造及び床の断熱構造の実施の形態を説明したが、本発明は、何ら既述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、種々の変形及び変更が可能であることは当然である。
本発明のスチール製大引き用断熱材が適用されるスチール床構造の一例を示した斜視図である。 スチール製大引きと、該スチール製大引きを支持する床束との連結状態を示した断面斜視図である。 図2におけるA−A線に沿う部分の断面図である。 本発明に係るスチール製大引き用断熱材と、スチール製大引きとを示した斜視図である。 本発明に係るスチール製大引き用断熱材と、スチール製大引きと、該スチール製大引きを支持する床束との連結状態を示した断面斜視図である。 図5におけるB−B線に沿う部分の断面図であり、床の断熱構造を示している。 本発明に係る断熱材の他の形態と、床の断熱構造を示した断面図である。
符号の説明
1 コンクリート基礎
2 木製土台
3 スチール製大引き
3a 底壁
3b 側壁
3c 上面
4 金属製床束
5 開口
6a 案内壁
6b 係止壁
7 結合部
7a 押え金具
7b ナット
7c 受け金具
7d 座金
10 スチール製大引き用断熱材
11 底壁部
12 側壁部
12a 内面
12b 切欠き
12c 大引き幅調整部
13 係止部
13a 膨出部
13b スリット
14,15 切欠き(凹部)
16 孔(凹部)
17 大引き間断熱材

Claims (8)

  1. 長手方向に対して垂直な断面が矩形状の角筒を成し、その底壁の幅方向中央部に、長手方向全長に亘って開口を形成したスチール製大引きに適用される断熱材であって、前記スチール製大引きの底壁外面を覆う底壁部と、スチール製大引きの両側壁の少なくとも下部外面を覆う側壁部とを有し、前記底壁部の上面に、前記スチール製大引きの開口に嵌め合わせて係止する係止部を形成したことを特徴とする、スチール製大引き用断熱材。
  2. 前記係止部の上部を、長手方向に対して垂直な断面において幅方向外方に膨出させたことを特徴とする、請求項1に記載のスチール製大引き用断熱材。
  3. 前記係止部の長手方向に対して垂直な断面における幅方向中央部に、上方に解放されたスリットを形成したことを特徴とする、請求項1又は2に記載のスチール製大引き用断熱材。
  4. 前記断熱材の長手方向の端部に、スチール製大引きを支持する床束の上部を収容する凹部を形成したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のスチール製大引き用断熱材。
  5. 長手方向に対して垂直な断面が矩形状の角筒を成し、その底壁の幅方向中央部に、長手方向全長に亘って開口を形成したスチール製大引きに請求項1〜4のいずれかに記載のスチール製大引き用断熱材を装着したスチール製大引きの断熱構造であって、前記断熱材の側壁部の上面の位置が、スチール製大引きの上面の位置よりも低くなるように該断熱材の側壁部の高さ設定されていることを特徴とする、スチール製大引きの断熱構造
  6. 長手方向に対して垂直な断面が矩形状の角筒を成し、その底壁の幅方向中央部に、長手方向全長に亘って開口を形成したスチール製大引きに請求項1〜4のいずれかに記載のスチール製大引き用断熱材を装着したスチール製大引きの断熱構造であって、前記断熱材の側壁部の上面の位置が、スチール製大引きの上面の位置と同じになるように該断熱材の側壁部の高さ設定されているとともに、前記側壁部の上部に切欠き形成されていることを特徴とする、スチール製大引きの断熱構造
  7. 請求項5に記載のスチール製大引きの断熱構造における断熱材の側壁部の上面に、スチール製大引き間に配設する大引き間断熱材の側縁を載置させたことを特徴とする、床の断熱構造。
  8. 請求項6に記載のスチール製大引きの断熱構造における断熱材の側壁部における上部の切欠きに、スチール製大引き間に配設する大引き間断熱材の側縁を載置させたことを特徴とする、床の断熱構造。
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