JP4320047B1 - スポーツ用打撃具とフォーム矯正具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
打撃部とグリップ部を備えるスポーツ用打撃具であって、打撃具はグリップ部の端から長手方向外側に突出するフォーム矯正具を備えるものである。フォーム矯正具とグリップ部とを別体として両者を連結具により脱着可能とすることも、両者を一体成形することもできる。グリップ部又は/及び打撃部を中空にしてその中にフォーム矯正具を押し込み、引き出し可能とすることもできる。
【選択図】図1
Description
2.前記特許文献のスイング矯正用バットは、手の使い方の改善にポイントがおかれているため、手から腕にかけての使い方を身につけるには有効であったが、手や腕の使い方に意識が集中しがちであり、正しいスイングを行う上で特に重要な体全体の使い方の改善、習得は難しかった。また、スイング矯正専用のバットであるため試合用のバットとは別に購入しなければならず経済的負担が大きかった。
(1)スポーツ用打撃具にフォーム矯正具がグリップエンドの後方に突出して設けられているので、スポーツ用打撃具がバットの場合、正しいスイングをせずに手打ちになってバットがスムーズに出ない場合は、フォーム矯正具が正常な軌道を描くことができず、右バッターの場合は、フォーム矯正具が左腕の肘に接触し、腕の伸び具合によっては腹部又は股関節付近に接触するため、自己のスイングの良否及び修正部分を即座に判断することができる。このため、本願発明のスポーツ用打撃具を使用して日々スイングの練習をすることにより、理論では習得しにくいフォーム矯正が実現可能となる。
(2)フォーム矯正具が身体のどの部分に触れたかによって自己のスイングの癖を見抜くことができる。例えば、腕の一部に触れた場合は腕が下がりすぎていることを、脇腹近辺に触れた場合は体が開き過ぎていること等を把握することができるので、フォーム矯正具が体に触れないようなスイングを心がけることで、体全体の使い方を自然と身につけることができる。
(3)フォーム矯正具を連結具によりグリップ部に脱着自在とした場合、一つのスポーツ用打撃具にフォーム矯正具を連結した場合は練習用として、それを取外せば公式試合用として使用できるため経済的負担が軽くなる。
(4)バットの中空のグリップ部又は打撃部内にフォーム矯正具を押し込んで内蔵すればそのまま公式試合で使用することが出来、引き出せばフォーム矯正の練習に使用することができる。また、押し込めば持ち運びの際にフォーム矯正具が邪魔になることもなく、不用意に紛失することもない。
(5)フォーム矯正具はスポーツ用打撃具と別に製作しておき、それをスポーツ用打撃具に手軽に取付けることができる。
本願発明の実施形態の一例として、スポーツ用打撃具が野球用或いはソフトボール用のバットの場合について図面を参照して説明する。図1に示すバット1は打撃部2とグリップ部3を備えている通常の木製或いは金属製のバットであり、そのグリップ部3にフォーム矯正具4がグリップエンド5の軸方向後方に突出して設けられている。このフォーム矯正具4はグリップ部3と一体に成形することも、別体に成形したものを固定することもできる。別体の場合は、バット1が木製の場合はフォーム矯正具4も木製にし、それを接着剤でグリップ部3に接着することができる。バット1が金属製の場合はフォーム矯正具4も金属製にして熔接とか他の固定手段で固定することができる。
本願発明のスポーツ用打撃具の第2の実施形態を図2(a)〜(c)に示す。これはフォーム矯正具4をバット1とは別に成形し、それをバット1のグリップエンド5に連結軸7を介して取付けたものである。グリップ部3とフォーム矯正具4の内部には前記連結軸7を挿入可能な径の挿入孔8、9が開口されており、これら挿入孔8、9は連結軸7を差し込み可能な深さにしてある。連結軸7は挿入孔8、9に圧入して固定したり、接着剤で固定したりすることができる。
本願発明のスポーツ用打撃具の第3の実施形態を図3(a)〜(c)に示す。この実施形態は金属製のバット1のグリップエンド5に金属製のフォーム矯正具4をスライド可能に取付けたものである。バット1の内部にはその軸方向に収納空間12を設け、フォーム矯正具4は収納空間12内に差込み可能な太さの細長丸棒状であり、その軸方向先端側と終端側の外周面に嵌合溝13a、13bが形成されている。バット1のグリップエンド5にはフォーム矯正具4を所定の押込み位置に停止するため係止具14が内蔵されている。係止具14には各種構造、機能のものを使用可能であるが、図3(a)(b)に示した係止具14はボールプランジャーであり、ケース15内に圧縮スプリング16が内装され、その先に金属製のボール17が配置されており、ケース15がグリップエンド5の横孔18内に固定されて、圧縮スプリング16でボール17をフォーム矯正具4の外周面に押しつけるようにしてある。前記圧縮スプリング16の後方にはネジ19がねじ込まれており、そのネジ19の締め付け、緩めにより前記圧縮スプリング16を伸縮させてボール17を押す強度を調節できるようにしてある。フォーム矯正具4は図3(a)のように収納空間12内に押込むと終端側の嵌合溝13bに前記ボール17が嵌合してその位置に固定され、図2(b)のように収納空間12から引出すと先端側の嵌合溝13aと前記ボール17が嵌合してその位置に固定されるようにしてある。嵌合溝13a、13bは三本以上にしてフォーム矯正具4の押し込み、引出し位置を多段に切替えて、フォーム矯正具4の突出長を調節することもできる。係止具14を図3(c)に示すようにグリップエンド5の周方向二箇所に設けると、両係止具14のボール17がフォーム矯正具4の一本の嵌合溝13a、13bの周方向二箇所に嵌合するためフォーム矯正具4の固定が安定する。
本願発明のスポーツ用打撃具の第4の実施形態を図4(a)(b)に示す。この実施形態はバット1のグリップエンド5とフォーム矯正具4の接合鍔4aを突合せ、その突合せ部分の外周に開閉式のリング状のカップリング(連結具)20を被せ、連結具20の開口部両端の接合片20a、20bを突き合わせ、両接合片20a、20bをビス21で締め付けて前記グリップエンド5と接合鍔4aを固定したものである。この場合、リング状の連結具20の上縁部20cが下方に湾曲し、下縁部20dが上方に湾曲した断面形状半円弧状のものを使用することにより、グリップエンド5と接合鍔4aが連結具20から抜けないようにしてある。この場合、必要であれば、図2(a)のようにバット1のグリップエンド5とフォーム矯正具4を連結軸7で連結してから、更に、連結具20を被せて連結することもできる。
本願発明のスポーツ用打撃具の第5の実施形態を図5(a)(b)に示す。これはバット1とフォーム矯正具4をジョイント25で連結し、フォーム矯正具4をスプリングロッドとしたものである。ジョイント25は開閉式のリング状のカップリング(連結具)26の下に筒状連結具27が連結されており、連結具26はバット1のグリップエンド5の外周に被せて開口部両端の接合片26a、26bを突き合わせ、両接合片26a、26bをビス28で締め付けて前記グリップエンド5に固定することができる。筒状連結具27はその内部縦方向にネジ孔35が開口されており、そのネジ孔35にフォーム矯正具4の上端側をねじ込み、ロックナット29を締め付けてバット1のグリップエンド5に連結してある。フォーム矯正具4の後端には球状の摘み22がネジ式で取付けられている。スプリングロッドの材質、巻き径、硬さ等は任意に選択可能であるが、材質の一例としてはSUSがある。スプリングロッドを使用することによりスイング時にフォーム矯正具4が身体に触れても衝撃が緩和され安全性が確保される。
本願発明のスポーツ用打撃具の第6の実施形態を図6(a)〜(c)に示す。これはバット1とそれと別体のフォーム矯正具4とを磁石30で連結する例である。磁石30はグリップエンド5とフォーム矯正具4の接合鍔4aの夫々に固定しておき、グリップエンド5と接合鍔4aを突合せることにより、両磁石30の吸着力でフォーム矯正具4がグリップエンド5に連結されるようにしてある。磁石30はフォーム矯正具4の接合鍔4a及びバット1のグリップエンド5に設けた収容凹部31、32に内蔵して、前記接合4aとグリップエンド5の突合せの邪魔にならないようにするのがよい。磁石30はバット使用中にフォーム矯正具4が不用意に脱落することのないように磁力の強いものを使用する必要があり、例えば、ネオジウム磁石やコバルト磁石が適する。
本願発明のスポーツ用打撃具の第7の実施形態を図7に示す。図2〜図6に示した実施形態は、バット1のグリップ部3にそれと別体に成形されているフォーム矯正具4を取付ける場合であるが、この実施形態は、フォーム矯正具4とグリップ部3を一体にしたグリップ一体フォーム矯正具40を成形しておき、そのグリップ3をバットの打撃部2に連結する例である。この場合の連結は連結軸7を挿入孔8、9に差し込んで連結するとか、図示されていないネジシャフトや磁石で連結するとか、熔接で固定することができる。いずれの場合もグリップ一体フォーム矯正具40がバット使用中に脱落しないように連結する。
フォーム矯正具4は重量や長さを調節できるようにしたり、それを連結することによりバット1の重心位置を調節することもできる。例えば、重量調節はフォーム矯正具4の内部を空間にしておき、その内部空間に砂や水を入れることにより行うことができる。長さ調節はフォーム矯正具4を伸縮式にすることにより或いはバットへの押し込み長をネジ式で可変なものとすることにより行うことができる。前記重心位置の調節はフォーム矯正具4の終端部6の先に錘をつけておき、その錘を前後移動可能とすることにより行うことができる。錘の前進後退はネジ式とか他の任意の方法で行うことができる。このような調節機構によりスイングする人の体型や使用目的に合わせて重量、長さ、重心位置を調節することができるだけでなく、スイングフォームの矯正と同時に筋力の強化を図りたい人はフォーム矯正具4の内部空間内に水や砂等を入れて通常よりも高い負荷をかけた練習を行うことができる。フォーム矯正具4はゴム、樹脂等の弾性材製、軟質材製とすることもでき、それらを使用した場合はフォーム矯正具4が体に接触しても体に傷が付きにくいので怪我の心配をすることなく練習することができる。
前記いずれの実施形態の場合もフォーム矯正具4にスイング時のフォームをチェックするためのチェック機構を設けることができる。チェック機構はバットを振ったとき(スイング時)にフォーム矯正具4が身体と接触或いは身体に必要以上に接近する(悪いスイング時)にその接触又は接近を感知して、視覚、聴覚に訴える信号を発信できるものがよい。例えばセンサと報知器を使用し、それらをフォーム矯正具4や前記摘み22等に取付けておき、スイング時にセンサが前記接触又は接近を感知すると前記報知器が作動して報知することができる。このようなチェック機能を設けることにより、スイングした本人が自分でフォームをチェックしながら素振り練習をすることができる。この場合、センサと報知器を二以上の箇所に取付けておけば、どの報知器が作動したかにより、フォーム矯正具4が身体のどの部分に接触又は接近したかを知ることができ、それによりスイングの癖を知ることもできる。前記報知は光と音のいずれか一方だけでもよく双方でもよい。チェック機構はセンサが無くとも、フォーム矯正具4が身体に接触すると発光したり音が出るようにしたものであってもよい。
1.試験期日:平成19年12月23日〜平成20年3月20日
2.試験場所:さいたま市岩槻区府内2−1−10 アーデルバッティングドーム内
3.試験者 :高見澤 考史(元オリックスブルーウェーブ外野手)
:岡 隆一
:少年A(10歳):アーデルバッティングドーム野球塾生徒)
:少年B(15歳):同上
:成 人(29歳):同上
4.試験要領
(1)練習用の規格バットにて普段どおりに素振り20本を行う。そのバットでバッティングマシンより投げ込まれる70〜130km/時のボールを夫々の試験者が打ってフォーム、癖をチェックする。
(2)次に、グリップエンドの終端部にフォーム矯正具を装着した本願発明のスポーツ用打撃具を使用して素振り20本を行い、そのバットで前記と同じバッティングマシンより投げ込まれる70〜130km/時のボールを夫々の試験者が打って、前記(1)の場合と比較する。
5.試験方法
通常使うバットと直径20×長さ150の棒を用意し、それをビニルテープでグリップに装着したバットを用意して比較する。
6.試験結果
(1)前記高見澤の場合、規格バットとフォーム矯正具を装着したバットが共に身体に触れることなく通常のスイングができた。
(2)前記岡の場合、規格バットの場合はアッパースイング(バットのヘッドが下方を向き脇が開きすぎるスイング)気味。フォーム矯正具を装着したバットを普通に素振りしようとすると、手首から肘の間でフォーム矯正具が身体に触れるため、触れないように素振りしようとすると、バットが平行から上になった。
(3)前記少年Aの場合、規格バットの場合はバットスイングが大きい(ボールがぶつかるまでの時間が長い)。フォーム矯正具を装着したバットを普通に素振りしようとすると、手首から肘の間でフォーム矯正具が身体に触れるため、触れないように素振りしようとすると、ボールにぶつかるまでの時間が短くなり、コンパクトなスイングになった。
(4)前記少年Bの場合、規格バットの場合は前記岡と同じくアッパースイング気味で脇の開きが目立った。フォーム矯正具を装着したバットを普通に素振りしようとすると、手首から肘の間でフォーム矯正具が身体に触れるため、触れないように素振りしようとすると、バットのヘッドが平行から上になり、開き気味だった脇の無駄な動きが無くなった。
(5)前記成人の場合、規格バットでも比較的コンパクトなスイングだった。フォーム矯正具を装着したバットを普通に素振りしても身体に触れることはなかったが、意識して素振りすることにより、コンパクトになり、ボールを正確に捉える確立が上がった。
(6)全員に共通して、規格バットとフォーム矯正具の付いたバットでは、見てわかるほどの変化が見られ、コンパクトなスイングになり、ボールを正確に捉える確立が上がった。
2 打撃部
3 グリップ部
4 フォーム矯正具
4a 接合鍔
5 グリップエンド
5a 上周縁部
5b 底面中央部
6 終端部
7 連結軸
8、9 挿入孔
10 スペーサ
11 取付け孔
12 収納空間
13a 嵌合溝(先端側)
13b 嵌合溝(終端側)
14 係止具
15 ケース
16 圧縮スプリング
17 ボール
18 横孔
19 ネジ
20 カップリング(連結具)
20a 接合片
20b 接合片
20c 連結具の上縁部
20d 連結具の下縁部
21 ビス
22 摘み
23 補助矯正具
25 ジョイント
26 連結具
26a、26b 連結部の接合片
27 筒状連結具
28 ビス
29 ロックナット
30 磁石
31、32 収容凹部
33 ネジ孔
34 ビス
35 筒状連結具のネジ孔
40 グリップ一体フォーム矯正具
Claims (9)
- 打撃部とグリップ部とグリップ部よりも大径のグリップエンドとを備えたバットにおいて、
フォーム矯正具が前記グリップエンド後面よりもバットの軸線方向後方に突出して設けられ、
前記フォーム矯正具は、正しいスイング時には身体に接触せず、悪癖あるスイング時には身体に接触する長さ、又は、使用者の手首から肘関節までの長さと同程度の長さである、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - 請求項1記載のフォーム矯正具付きバットにおいて、
グリップエンドの少なくともグリップ部側が外部に露出している、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - 請求項1又は請求項2記載のフォーム矯正具付きバットにおいて、
フォーム矯正具とバットが一体である、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - 請求項1又は請求項2記載のフォーム矯正具付きバットにおいて、
フォーム矯正具とバットが別体であり、両者は連結具で固定されている、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - 請求項4記載のフォーム矯正具付きバットにおいて、
バットは、その内部にフォーム矯正具を収納可能な収納空間を備え、
前記収納空間内にフォーム矯正具を出し入れ可能である、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のフォーム矯正具付きバットにおいて、
フォーム矯正具が悪癖あるスイングにより身体に接触したことを報知するチェック機能、又は/及び、報知機能を備えた、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のフォーム矯正具付きバットにおいて、
フォーム矯正具は、身体への接触により変形可能、屈曲可能、回転可能な構造、又は/及び、材質製である、
ことを特徴とするフォーム矯正具付きバット。 - バットのグリップエンドよりもバットの軸線方向後方に突出してバットに取付けられるバットのフォーム矯正具であって、
前記フォーム矯正具は、バットを正しくスイングした時には身体に接触せず、悪癖あるスイングをした時に身体に接触する長さ、又は、使用者の手首から肘関節までの長さと同程度の長さである、
ことを特徴とするバット用フォーム矯正具。 - 請求項8記載のバット用フォーム矯正具において、
フォーム矯正具が身体への接触により変形可能、屈曲可能、回転可能な構造、又は/及び、材質製である、
ことを特徴とするバット用フォーム矯正具。
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