JP4319523B2 - 保護継電装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば送電線路等の電力設備の事故時の保護等に用いられる光電流センサを備えた保護継電装置に関るものである。
従来、電力設備における保護継電装置として、光CT(変流器)を備えたものがある。このものは、複数の高電圧の導体の外周を周回して光ファイバーセンサをそれぞれ設け、信号処理部により各光ファイバーセンサのファラデー回転角の総和を求め、故障判定部では、信号処理部の出力信号を受けて、導体に流れる電流すなわち電力設備を流入流出する電流に基づいて電力設備の故障を判断する(例えば、特許文献1参照)。
このように、電流を光信号として検出して光信号のままで加算して故障を判断するようにすることにより、安価になりサージ対策が簡略化できるというものである。そして、故障の判断をする処理は、演算結果である光出力信号の総和を光電変換させ、電気信号として処理することにより実施している。
特開2000−59987公報(段落番号0011〜0015及び図1)
ところで、保護継電装置を構築するにあたって実用的な構成としては、最終の故障の判定までを現場にて実施することが望まれている。しかしながら従来のものにおいては、一部光で演算処理を行っているものの、最終的な判断には電気信号の処理を介在させており、電力分野における使用環境条件を考慮するとサージ等の電磁ノイズに対して厳重な対策が不可欠となり、低コスト化の要請に十分に応えることができないおそれがある。
この発明は、上記のような問題点を解決して、電磁ノイズ対策を容易に行うことができ、低コスト化が可能な保護継電装置を得ることを目的とする。
この発明に係る保護継電装置においては、電力設備に設けられた複数の導体の近傍にそれぞれ配設され各導体に流れる電流に応じてそれぞれ光信号を出力する複数の光電流センサ、この光電流センサの光信号を光学的に加算して光学的な合波信号を出力する光演算手段、合波信号を受光して電気信号を出力する光電変換手段と電気信号により駆動され光源から投射された投射光を透過させる割合を電気信号の電圧に応じて変化させる光透過率制御手段と光透過率制御手段を透過した光を分岐し合波信号に加算する光帰還手段とを有し合波信号のレベルが所定値を超えたとき電力設備が故障であると判定し所定の強さの光出力信号を出力する光判定処理手段、及び光出力信号に基づいて電力設備を保護する保護指令信号を発信する保護指令信号発信手段を備えたものである。
この発明は以上説明したように、電力設備に設けられた複数の導体の近傍にそれぞれ配設され各導体に流れる電流に応じてそれぞれ光信号を出力する複数の光電流センサ、この光電流センサの光信号を光学的に加算して光学的な合波信号を出力する光演算手段、合波信号を受光して電気信号を出力する光電変換手段と電気信号により駆動され光源から投射された投射光を透過させる割合を電気信号の電圧に応じて変化させる光透過率制御手段と光透過率制御手段を透過した光を分岐し合波信号に加算する光帰還手段とを有し合波信号のレベルが所定値を超えたとき電力設備が故障であると判定し所定の強さの光出力信号を出力する光判定処理手段、及び光出力信号に基づいて電力設備を保護する保護指令信号を発信する保護指令信号発信手段を備えたものであるので、光電流センサからの光信号を光学的に加算して合波信号を求めてこの合波信号に基づいて光判定処理手段により電力設備の故障の有無を判定するので、電磁ノイズ対策を容易に行うことができ、低コスト化が可能な保護継電装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1〜図5は、この発明の実施の一形態を示すものであり、図1は保護継電装置の構成を示す構成図、図2は光電流センサからの光出力波形を示す波形図、図3は三つの光電流センサの光出力信号を加算した合波波形図である。図4は液晶の動作特性を示す特性図、図5は判定処理部の動作を説明するための説明図である。
図1において、光源1−1,1−2,1−3と光電流センサ4−1,4−2,4−3とは、光ファイバ2−1,2−2,2−3によりそれぞれ接続されている。光電流センサ4−1,4−2,4−3は、磁界の強度に応じて偏光面が回転するファラデー効果を利用したもので、送電線路3−1、3−2、3−3を流れる電流に対応して強度変調された光信号を出力するものである。
光電流センサ4−1,4−2,4−3は、回路遮断器38−1、38−2、38−3を介してT状に接続された送電線路3−1、3−2、3−3の導体の外周を周回して配設されている。電力設備としての送電線路3−1〜3−3は、この実施の形態における保護継電装置の保護監視対象であり、変電所内に設けられており、電圧は三相交流で550kVである。そして、この実施の形態における保護継電装置は、送電線路3−1〜3−3の変電所内における地絡、短絡等の事故を検出して保護を行うものである。
各光電流センサ4−1〜4−3の出力側は光ファイバ5−1,5−2,5−3によって光演算手段としての合波器6に接続されている。合波器6から出た光信号である総和信号C1(詳細後述)は、ハーフミラー16に供給され、ハーフミラー16を透過した光信号は光判定処理部7の光電変換手段としての光電変換素子8に供給される。光判定処理部7は、光電変換素子8、液晶9、ビームスプリッター13、ミラー15及びハーフミラー16により構成されている。
光電変換素子8と液晶9とは極めて接近して配置され、光電変換素子8の電気信号の出力側は信号線23により液晶9に接続されるとともに電磁遮蔽がなされている。光透過率制御手段としての液晶9は、光源10からのプローブ光G1によって常時照射されている。液晶9の光出力H1はビームスプリッター13に入射されその一部が分岐され、分岐された帰還光J1はミラー15を介して帰還のためにハーフミラー16に入射される。
一方、液晶9の透過光H1のうち、ビームスプリッター13を透過した出力光K1は、光電駆動素子18に入射される。保護指令信号発信手段としての光電駆動素子18の出力側は、電気信号を送受する制御線19により回路遮断器38−1,38−2,38−3の図示しない制御装置に接続されている。なお、ビームスプリッター13、ミラー15及びハーフミラー16にて、この発明の帰還回路17が構成されている。
次に、動作について説明する。光源1−1〜1−3は一定レベルの強度で発光し、光源1−1〜1−3から出射された光A1は、光ファイバ2−1〜2−3を介して光電流センサ4−1〜4−3に入射される。入射された光A1は光電流センサ4−1〜4−3内を伝搬しておのおの光出力信号B1として光ファイバ5−1〜5−3を通って合波器6に入射される。そして、送電線路3−1〜3−3の導体に電流が流れるとその電流の大きさに応じて光電流センサ4−1〜4−3内を伝搬する光の強度が変化した光出力信号B1として、合波器6に供給されることになる。
合波器6において各光電流センサ4−1〜4−3からの光出力信号B1を光学的に加算して光信号としての総和信号C1として出力する。総和信号C1は、光判定処理部7のハーフミラー16に出射される。光判定処理部7においては、入射する総和信号C1のレベルが所定の閾値TH1を超えるとその光出力である透過光H1の強度レベルがステップ状に立ち上がる。この動作の詳細は後述する。
そして、これも詳細は後述するが、図1に示すように変電所内において相互にT状に接続されている送電線路3−1〜3−3に、変電所内部で事故が発生すると総和信号C1のレベルが閾値TH1(図5(a)参照、後述)を超えるので、光判定処理部7の液晶9の透過光H1の強度がステップ状に立ち上がる。透過光H1の強度がステップ状に立ち上がると、透過光H1が入射される光駆動素子18の電気出力も急速に立ち上がりオン動作をし、制御線19を介して回路遮断器38−1〜38−3の制御装置に制御信号を送って開閉動作をさせ、送電線路3−1〜3−3の故障を除去し、保護する。
ここで、光判定処理部7が内部故障の発生を判定する動作について説明する。
まず、総和信号C1が、送電線路3−1〜3−3の状態によってどのように変化するかを説明する。
まず、各送電線路3−1〜3−3に流れる電流Imは
Im(t)=Am・cos(ωo・t+αm) ・・(1)
で表される。
このとき、各光電流センサ4−1〜4−3からの光出力信号B1の波形を縦軸に出力レベル、横軸に時間をとって示すと図2のようになり、直流成分Lと交流成分Rm(t)が重畳されたものとなっている。これを数式にて示すと、
Sm(t)=Rm(t)+L ・・(2)
=βIm(t)+L
=β・Am・cos(ωo・t+αm)+L ・・(3)
となる。なお、βは光電流センサの変換効率を示す。
このように、光電流センサ4−1〜4−3からの各光出力信号B1は、式(2)中の直流信号成分Lと、交流信号成分Rm(t)とが重畳された形で出力される。直流信号成分Lは、光電流センサ4−1〜4−3へ入力される光源1−1〜1−3からの光A1の強度と光電流センサ4−1〜4−3が有する変調特性によって決まるレベルで一定値となる。一方、交流信号成分Rm(t)は導体を流れる電流波形に対応した波形となる。
このような光電流センサを、ノードに接続された送電線路のすべてにとりつけ(ここでは3つ)、各光電流センサからの光出力信号の総和をとると、
ΣSm(t)=Σ[β・Am・cos(ωo・t+αm)+L]
=βΣAm・cos(ωo・t+αm)+n・L
・・(4)
と表される。ここで、nはセンサの総数を示す。
次に、送電線路の各種状態における上記合波器6から出力される光信号である総和信号C1について説明する。
(i)無負荷状態
どこにも負荷がつながっていない場合、電流は流れず、
Am=0
となる。その結果、光電流センサからの光出力信号B1の総和信号C1は
ΣSm(t)= n・L ・・(5)
となり、交流成分はなく、DC成分のみとなる。
(ii)正常負荷・外部事故が発生した状態
電流は流れるが、キルヒホッフの定理により、1つのノードに対して流入する電流と流出する電流の和は0となる。つまり、
ΣAm・cos(ωo・t+αm)=0
となることから、光電流センサからの光出力信号B1の総和信号C1は、
ΣSm(t)= n・L ・・(6)
と、DC信号となる。このレベルは、一定値である。
(iii)内部事故が発生した場合
キルヒホッフの定理が成り立たず、光電流センサからの光出力信号B1の総和信号C1は、
ΣSm(t)=βΣAm−cos(ωo・t+αm)+n・L
・・(7)
となり、周波数ωoの交流成分が発生する。
これら状態における光電流センサからの各光出力信号B1の総和信号C1を縦軸に出力レベル、横軸に区間をとって模式的に示すと図3のようになる。つまり、無負荷状態(区間KU1)並びに正常負荷及び外部事故状態(区間KU2)においては、総和信号はDC信号となる。一方、内部事故時(区間KU3)においては、交流信号成分Rm(t)が発生することになる。
ところで、保護監視区域内における送電線路保護の観点から、異常状態発生時において、内部事故の有無の判定が重要なポイントとなる。このような送電線路や母線の保護のために必要な内部事故は、上で述べたように総和信号C1中の交流波信号の発生の有無を監視にすることにより検出可能となる。図1において、送電線路3−1〜3−3に異常が発生した場合、上記のような変化を示す光の総和信号C1は、ハーフミラー16を透過しかつミラー15を介して帰還された帰還光R1と加算されて光信号D1として光電変換素子8に入射する。
入射された光信号D1は光電変換素子8によって出力電圧E1に変換され、電線23を介して液晶9の電極に印加される。液晶9の特性は、縦軸に透過率、横軸に電極への印加電圧Vをとって示すと図4の曲線CRのごとくであり、印加電圧Vが高くなり動作点TH2を超えると、透過率が増加し始める。液晶9には予め光源10からのプローブ光G1を投射させておく。
総和信号C1の強度が増加し、光信号C1すなわち光電変換素子8からの出力電圧E1のレベルが図4に示す液晶9の動作点TH2を超えると、液晶9を透過する透過光H1の強度が増加し始める。また、液晶9からの透過光H1のうち一部はビームスプリッター13によって帰還のために分岐され、分岐された帰還光J1は、ミラー15、ハーフミラー16を介して帰還光として総和信号C1に加算され、光信号D1となる。
この結果、総和信号C1の強度が動作点TH1(後述、図5(a)参照)を超えると、光電変換素子8からの電気信号E1のレベルが急激に上昇する。このように、透過光H1の一部をフィードバックすることにより、液晶9への印加電圧が増加し、液晶9の透過率が急激に高くなることから、液晶9の透過光H1の強度も上限値まで急激に増加する。
一方、総和信号C1のレベルが低下した場合、光電変換素子8への光信号D1の強度も低下した分減少するが、プローブ光G1の強さを総和信号C1の強度と比較して非常に高く設定しておくと、光電変換素子8の出力電圧E1が低下しても十分な透過光H1のレベルを保持することができる。この結果、総和信号C1が減衰しても、液晶9の透過光H1はその上限値を保持することとなる。
以上のように、光判定処理部7が出力する透過光H1のレベルは、図5(a)のように入力される総和信号C1が変化し、ある閾値TH1を超えると、図5(b)に示すようにこの時点においてステップ状に立ち上がり、そのレベルを保持する。すなわち、光判定処理部7は入力される総和信号C1に対してある閾値TH1を有する光スイッチ機能を有していることになる。透過光H1の強度レベルは、光源10の選択によって自由な設定が可能である。なお、光電変換素子8からの電気信号である出力電圧E1に送電線路3−1〜3−3からサージ等によるノイズが発生しても、液晶9の動作時間遅れによる電磁ノイズに対するフィルタ作用により、誤動作を防ぐことができる。
このような液晶9からのステップ状に立ち上がる透過光H1はビームスプリッタ13に入射される。そして、ビームスプリッタ13を透過した出力光K1は光電駆動部18に入力され、出力光K1のハイ、ローのレベル変化に応じて光電駆動部18から電磁ノイズよりも十分に高いレベルの電気信号のオン、オフ信号が出力される。この電気信号のオン、オフ信号は、制御線19によって伝送され、各回路遮断器38−1〜38−3を開閉制御することにより、送電線路3−1〜3−3の保護を行う。
なお、この実施の形態では、総和信号C1が変化し、ある閾値TH1を超えたときに故障と判断してそのレベルがステップ状に立ち上がる出力光K1を出力するものを示したが、故障の有無の判断はこれに限られるものではなく、他の判定方法、例えば総和信号C1中に所定値以上の交流分があるかどうかなどにより判定することもできる。
このように、この実施の形態においては、送電線路3−1〜3−3の導体を流れる電流の測定及び加算を光信号で行い、事故の判定を光判定処理部7の液晶9の光透過現象とその透過現象が液晶特有の時間遅れを有することを利用して電磁ノイズに対してフィルタ作用を有する光スイッチとして動作するものとしたので、構成が簡易で耐電磁ノイズ性の高い保護リレー装置を構築できる。
実施の形態2.
図6は、この発明の他の実施の形態である保護継電装置の主要部の構成を示す主要部構成図である。図6において、光判定処理部100は、図1における光判定処理部7の代わりに設けられたものであり、次のように構成されている。フィルタ101は、光電変換素子8から信号線23を介して入力された出力信号E1の交流成分のみを抽出し、電気信号W1として信号線24を介して液晶9へ出力する。
光源10からの出射されるプローブ光G1は光変調器102により変調されて交流光信号X1として液晶9へ入力される。なお、ビームスプリッター13、ミラー15及びハーフミラー16にて、帰還回路17が構成されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
実施の形態1に示したものと同様に、合波器6(図1)からの総和信号C1は、内部事故時のみ交流成分をもち、その他の場合はDC成分のみの光信号となる。フィルタ101は、光電変換素子8によって出力電圧E1に変換された総和信号ClのうちのDC成分をカットし、交流成分を抽出して電気信号W1として液晶9に印加する。つまり、内部事故時のみ交流の電気信号W1が液晶9に印加され、その他の場合は電圧は印加されない。また、光源10からのプローブ光Glは光変調器102によって変調され、光強度が電気信号における交流と同じように変化する交流光信号X1として液晶9に入射される。
液晶9の透過光H1は、ビームスプリッター13、ミラー15、ハーフミラー16を介して交流光信号J1として帰還され総和信号C1に重畳される。重畳された光は光電変換素子8、フィルタ101を介して交流成分が取り出されて液晶9に印加される。入力される総和信号C1が増加し、所定の閾値を超えると、液晶9の透過光H1の強度がステップ状に立ち上がる。
透過光H1の強度がステップ状に立ち上がると、以下実施の形態1と同様に、ビームスプリッター13を透過した出力光K1が入射される光駆動素子18の電気出力も急速に立ち上がりオン動作をし、制御線19を介して回路遮断器38−1〜38−3の制御装置に制御信号を送って開閉させ、送電線路3−1〜3−3の故障を除去し、保護する。
なお、液晶9の動作は、印加される光及び電極に印加される印加電圧の極性が正負の変化を繰り返す交流信号の方が、液晶9の特性上安定して動作を継続する。すなわち、液晶9の電極に正あるいは負のいずれか一方の極性の電圧をかけ続けると、電極間に電荷がたまり動作しなくなるが、液晶9に交流電圧信号を印加すると、正負の電圧の印加が繰り返されることにより、電荷の飽和が解消され動作の保持時間が長くなる。
このとき、液晶9の電極への印加される交流電圧信号が液晶9が応答できない周波数であれば、交流電圧信号の正弦波振動には応答せず、液晶9の透過率は交流電圧信号の振幅に対応して変化し透過させる光の量が変化することになり、このオープンな状態が長く保持されることになる。この結果、内部事故発生時において液晶9の透過率が大きい状態の持続時間を長くすることが可能となる。従って、スイッチング動作の保持時間の長時間化が可能となり、保護リレーを安定に動作させることができる。
以上のように、この実施の形態によれば、光判定処理部100において、光電変換素子8からの出力電圧E1を液晶9へ印加するにあたって交流成分W1のみを抽出し液晶9に印加する交流成分抽出手段としてのフィルタ101を設け、また光の強さが正負両方向に変化する交流光を供給する交流光供給手段としての光源10及び光変調器102を設けたので、安定した動作をする保護リレーを実現できる。
実施の形態3.
図7及び図8は、この発明の他の実施の形態を示すもので、図7は保護継電装置の構成を示す構成図、図8は光判定処理部の動作を説明するための説明図である。図7において、光判定処理部80は、ハーフミラー16、光学素子81、ハーフミラー87、ミラー88にて構成されている。また、ビームスプリッター87、ミラー88及びハーフミラー16にて、この発明の帰還回路89が構成されている。
さらに、光モジュール81は、透明電極82,85、この両透明電極82,85間に設けられた光伝導体83及び液晶84が一体にされて構成されたものである。なお、この光モジュール81が、この発明における第1の透明電極と光伝導体と液晶と第2の透明電極とが光学的及び電気的に直列に接続された直列回路である。
合波器6から出た総和信号C1はハーフミラー16に供給されハーフミラー16を透過し、この総和信号C1と後述するハーフミラー87から帰還される帰還光R1とが加算され、光信号M1となる。光信号M1は、光モジュール81に供給され、透明電極82を透過し、光伝導素子83に入射される。光伝導素子83は、入射する光の強度により導電率が変化するもので、入射光強度が強いと導電率が増加、つまり抵抗値が減少する。
直流の電源86は透明電極82,85に接続され、光伝導素子83を介して液晶84に電圧が印加される。液晶84を透過した透過光P1はハーフミラー87によってその一部が帰還光R1として分岐される。帰還光R1は、ミラー88を介してハーフミラー16に供給され、総和出力C1に重畳される。また、ハーフミラー87を透過した光は出力光Q1として光駆動素子18に入力される。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
このように構成されたものにおいて、液晶84の印加電圧は、伝導素子83と液晶84との抵抗比による分圧比によって決まることとなる。総和信号C1のレベルが低い場合、光伝導素子83の抵抗が高くなり、液晶84に印加される電圧が低いことから、液晶84の透過率は低くなる。このため、液晶84を透過した光の強度は低い。一方、総和信号C1の光強度が高くなるにともない、光伝導素子83の導電率が高くなり、液晶84の両端にかかる電圧が上昇し始める。
液晶84は、図1に示した液晶9と同様に図4に示すような光の透過特性を有し、総和信号C1の強度が高くなり、光伝導素子83を介して液晶84に加わる電圧が、図8(a)に示すように駆動レベルTH3を超えた時点で、液晶84を透して出てくる透過光P1のレベルが急激に増加し始める。透過光P1の一部は、ハーフミラー87により一部が帰還光R1として分岐され、ミラー88、ハーフミラー16を介してフィードバックされ、総和信号C1に加算され、光信号M1として光伝導素子83に入射する。
この結果、液晶84への印加電圧が急激に増加することから、液晶84の透過率も増加し、透過光P1の強度は光信号M1が所定の強度を超えた時点で、すなわち液晶84に加わる電圧が上記閾値TH3を超えた時点で、上限値までステップ状に立ちあがることとなる。つまり、予め設定した光信号M1についての所定の閾値による信号レベルの判定処理が行われる。そして、ステップ状に立ち上がった透過光P1がハーフミラー87に供給され、ハーフミラー87を透過した出力光Q1が図示しない光電駆動部により電気信号のオン信号に変換される。この電気信号により、回路遮断器が開閉制御される。
なお、光から電気へ、そして再び光へ信号変換を行う光モジュール81は、要すれば薄い磁性鋼板などの電磁シールド材にて電磁遮蔽をすることもできる。また、直流の電源86の代わりに交流電源を用いて透明電極82,85に交流電圧を印加するようにすれば、実施の形態2と同様に、液晶84の透過率が大きい状態の持続時間を長くすることが可能となり、スイッチング動作の保持時間の長時間化が可能となり、安定した保護リレー動作を実現できる。
このように、この実施の形態においては、送電線路3−1〜3−3を流れる電流の測定及び加算を光信号で行い、光判定処理部80を光伝導体83と液晶84とを一体にして両者の電気抵抗に印加する電源86の電圧を分圧してこの分圧で液晶84の透過率を変化させるようにするともにスイッチング作用を有するものとしたので、構成が簡易で耐電磁ノイズ性の高い保護リレー装置を構築できる。
実施の形態4.
図9及び図10は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図9は保護継電装置の主要部の構成を示す主要部構成図、図10は磁気カー効果素子の偏光面回転特性を示す特性図である。図9において、光判定処理部90は、図1における光判定処理部7の代わりに設けられたものであり、次のように構成されている。合波器6から出た合波信号である総和信号Clが、ハーフミラー95を介して磁気カー効果光学素子92上に照射される。一方、光源10からの光Rlは偏光子91によりある方向の偏光方向のみが選択され、磁気カー効果光学素子92上に照射される。そして、その反射光Tlは予め決められた方向に設置された検光子93により特定方向の偏光成分が選択され、透過する。
この透過光Ulはハーフミラー94により一部が分岐されハーフミラー95を介して帰還されて総和出力信号Clに重畳され、磁気カー効果光学素子92上に照射される。また、ハーフミラー94を透過した光Klは光駆動素子18に入力される。光判定処理部90は、以上のように構成されている。なお、ハーフミラー95及びハーフミラー94にて、この発明の帰還回路97が構成されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
また、図10は磁気カー効果光学素子92がもつ偏光面回転特性を示すもので、特性曲線SAは入射する光強度に対する反射光の偏光面回転角度変化を示す。磁気カー効果光学素子92は、図10に示すように予め膜面に垂直に磁化しておくと、照射した光の強度があるレベル以上で、照射ポイントが過熱によりキュリー点以上になると、その部分の磁化方向が反転する。この照射ポイントに直線偏光特性を有する光を照射すると、反射光の偏光面が回転する。
予め磁気カー効果光学素子92には光源10からの光を偏光子91を介して一方向の偏光成分のみを選択して照射し、その反射位置に検光子93を設置し、その透過光Ulの一部が総和信号Clに重畳するよう光帰還回路97が形成されてる。このとき検光子93はその偏光面が、磁気カー効果光学素子92による偏光の最大回転方向と一致するよう設置する。内部事故ではないために、総和信号ClがDC信号でありその値が所定のレベル以下にある場合は、磁気カー効果光学素子92による偏光面の回転はなく、反射光Tlは検光子93で遮断され、透過する光はない。
一方、内部事故発生により総和信号Clに交流成分が出力され強度が増加し、ある所定レベルを超えると、磁気カー効果光学素子92からの反射光Tlは、磁気カー効果光学素子92がもつ偏光面回転特性曲線SA(図10)に従って偏光面が回転し、検光子93からの透過光Ulの強度も増加する。この透過光Ulは、ハーフミラー94、95を介して総和信号Clに重畳され、結果として磁気カー効果光学素子92へ入射する光信号Dlが増加することになり、透過光Ulの強度はさらに増加する。
このように反射光Tlを光信号Dlに帰還することにより、入射光強度は急激に立上り、その結果、検光子93の透過光Ulもステップ状に立ち上がり、その高レベルが保持される。この透過光Ulの一部はハーフミラー94を透過し、光駆動素子18に入力される。透過光U1のレベルが高レベルになると、光駆動素子18が動作し、電磁ノイズよりも十分に高いレベルの電気信号であるオン信号を制御線19を介して回路遮断器38−1〜38−3の制御装置に与え、回路遮断器38−1〜38−3を開閉することにより送電線路3−1〜3−3の保護を行う。
以上この実施の形態においては、光判定処理部90において、合波器6(図1)から出た合波信号である総和信号C1を受光する磁気カー効果光学素子92と、この磁気カー効果光学素子92に直線偏光特性を有する光S1を投射する投光手段としての光源10及び偏光子91、磁気カー効果光学素子92からの反射光T1のうち一方向の偏光成分を抽出して光出力信号としての反射光U1を出力する偏光抽出手段としての検光子93、抽出した反射光U1の一部を分岐し合波器6の総和信号C1に重畳させる帰還手段としてのハーフミラー94及び95を設け、検光子93が抽出した反射光U1の残りを光駆動素子18に入力するようにし、総和信号C1のレベルが所定値を超えたとき上記電力設備が故障であると判定し光出力信号がある一定値を超えるようにした。従って、電流測定、光信号の総和演算、処理判定まで全てを光信号にて行うことができ、耐電磁ノイズ対策が容易となるとともに、安価に製作できる。
実施の形態5.
図11及び図12は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図11は保護継電装置の構成を示す構成図、図12は保護継電装置の動作を説明するための説明図である。図11において、送電線路3−1,3−2,3−3は、回路遮断器38−1,38−2,38−3を介してT状に接続されている。光電流センサとしての磁気光学素子41,45,48を電流の測定対象となる送電線路3−1,3−2,3−3の導体が周回しており、導体を流れる電流によって発生する磁界が磁気光学素子42,45,48に印加される。
光源1から出射された光は、ハーフミラー35−1,35−2を介して二つの光に分岐され、それぞれ偏光方向が相直交するようして配置された検光子36−1,36−2を透過して第1及び第2の光A21,A22として出射され、ミラー37を介して偏光ビームスプリッター39により合波される。合波された第1及び第2の光B21,B22は、偏波面保存ファイバ40内を伝播し、偏波モード偏光手段としての1/4波長板41−1を透過し、磁気光学素子42に入射し、その偏光方向が回転して出力される。なお、磁気光学素子42は、送電線路3−1の導体に流れる電流が発生する磁界によって偏波方向を回転させる特性を有する。
磁気光学素子42からの第1及び第2の光は、同じく偏波モード偏光手段としての1/4波長板41−2を透過して第1及び第2の光C21,C22となり、偏波面保存ファイバ43によって伝送され、1/4波長板44−1を透過し、磁気光学素子45に入射される。磁気光学素子45からの第1及び第2の光は、1/4波長板44−2を透過して第1及び第2の光D21,D22となり、偏波面保存ファイバ46を伝播し、1/4波長板47−1を介して磁気光学素子48に入射する。磁気光学素子48からの第1及び第2の光は、1/4波長板47−2を透過して第1及び第2の光E21,E22となり、偏波面保存ファイバ49中を伝播し、偏光ビームスプリッター52に入射される。
偏光ビームスプリッター52は、入射された第1及び第2の光E21,E22を第1及び第2の光F21,F22に分離する。偏光ビームスプリッター52によって分離された第1及び第2の光F21,F22は、それぞれミラー53−1、53−2を介して検光子54−1、54−2によって1方向の第1及び第2の偏光成分のみが取り出され、ハーフミラー55によって合波され、合波光K20として光判定処理部7に入力され、その出力信号が光駆動素子18に出力される。光電駆動素子18の出力側は、制御線19により回路遮断器38−1,38−2,38−3の制御装置に接続されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
ここで、図12において、偏波面の方向を定義する方向軸をそれぞれ、直交する二軸である水平軸X及び垂直軸Yの方向にとる。すると、1/4波長板41−1に入射する第1の光(光B21)の偏光状態は、図12(a)の直線LN1となる。磁気光学素子42に入射する第1の光の偏光状態は、図12(b)の右回りの円偏光を示す円CR1となる。磁気光学素子42を透過した第1の光の偏光状態は、図12(c)の右回りの円偏光を示す円CR2となる。1/4波長板41−2を透過した第1の光(光C21)の偏光状態は、図12(d)の直線LN2となる。
また、1/4波長板44−1に入射する第2の光(光C22)の偏光状態は、図12(e)の直線LN3となる。磁気光学素子45に入射する第2の光の偏光状態は、図12(f)の左回りの円偏光を示す円CR3となる。磁気光学素子45を透過した第2の光の偏光状態は、図12(g)の左回りの円偏光を示す円CR4となる。1/4波長板44−2を透過した第2の光(光D22)の偏光状態は、図12(h)の直線LN4となる。
このような構成において、光源1から出射された光は検光子36−1によって、ある方向の偏光成分LN1(図12(a))のみが透過され、ミラー37を介して偏光ビームスプリッター39に入射される。また、光源1から出射された光は、検光子36−2によって検光子36−1と偏光方向が相直交する方向の偏光成分LN3(図12(e))が透過され、偏光ビームスプリッタ39に入射される。偏光ビームスプリッター39は入射された偏光方向が相直交する2つの偏光成分LN1,LN3を効率よく合波し、偏波面保存ファイバ40に入射する。
偏波面保存ファイバ40は、相直交する2つの(直線)偏光成分LN1,LN3を互いに混入させずに伝送させるもので、ファイバの伝播させる偏光軸の方向が入射された光の偏光方向と一致するようファイバの回転方向を調整している。1/4波長板41−1に入射した一方の偏光成分例えば偏光成分LN1は円偏光CR1(図12(b))に変換され、磁気光学素子42に入射される。
磁気光学素子42は、印加される磁界に応じて素子を透過する円偏光に位相変化を与える特性を有するものであり、右回りの円偏光と左回りの円偏光とで変化量が異なるものである。そして、1/4波長板41−1により円偏光CR1に変換して磁気光学素子42に入射することにより、上記送電線路3−1の導体を流れる電流に応じた位相変化が磁気光学素子42の透過する円偏光に与えられることとなる。磁気光学素子42の透過光である右回りの円偏光CR2(図12(c))は1/4波長板41−2を透過することにより、再度直線偏光LN2(図12(d))に変換され、偏波面保存ファイバ43に入射され、伝播される。
伝播された光は、上記と同様に以下の1/4波長板44−1、磁気光学素子45、1/4波長板44−2、偏波面保存ファイバ46を伝播する。さらに、1/4波長板47−1、磁気光学素子48、1/4波長板47−2、偏波面保存ファイバ49を伝播する。各磁気光学素子42,45,48を通過するごとに各送電線3−1,3−2,3−3の電流値に対応した位相変化を加算していくことになる。
一方、偏波面保存ファイバ40に入射した、もう一方直交する直線偏光LN3についても、電流に対する位相変化を受けて透過することとなる。円偏光CR3が受ける位相変化は、右回りの円偏光CR2と比較して係数が変わるものの、印可する磁界強度に対応した変化量となる。ここでは、両者の位相変化量の和に注目することから、これ以降の説明の便宜上、一方の光のみに位相変化が起こる(変化量は両者の和である)こととして説明を行う。
この現象を数式で示すと次のようになる。
上記のように、相直交する偏波方向をもつ2つの直線偏光を磁気光学素子(ファラデー素子)に1/4波長板を通して入力し、さらに1/4波長板を通して出力する。偏光LN1(図12(a))の場合、ファラデー素子から出力した光は、流れている電流値に対応した分の位相変化が発生し、1/4波長板を透過させると、x,y成分ともに同じ位相変化が加えられた直線偏光LN2(図12(d))に変換される。一方,直線偏光LN3(図12(e))の場合、磁気光学素子から出力した光には、位相差は発生しないとみなす。
この結果、出力された光は以下のようになる。
E1x=exp(i(ωt+φm)) ・・(21)
E1y=exp(i(ωt+φm)) ・・(22)
E2x=exp(i(ωt)) ・・(23)
E2y=exp(i(ωt+π)) ・・(24)
ここで、E1は直線偏光LN1による電場、E2は直線偏光LN3による電場を示す。
φm:m番目の磁気光学素子で発生した位相変化=β・Im
=β・Am・cos(ωo・t+α1) ・・(25)
ここに、β:電流・屈折率変換係数,ωo=2πfo:fo=商用周波数
である。
そして、順次、磁気光学素子を透過させると、透過後の光は以下のようにあらわされる。
E1x=exp(i(ωt+Σφm)) ・・(26)
=exp(i(ωt+Σβ・Im)) ・・(27)
E1y=exp(i(ωt+Σφm)) ・・(28)
=exp(i(ωt+Σβ・Im)) ・・(29)
E2x=exp(i(ωt)) ・・(30)
E2y=exp(i(ωt+π)) ・・(31)
ここで、Σは透過した磁気光学素子にわたる総和を示す。
このように、相直交する2つの偏光のうち、一方についての最終素子の透過光は各磁気光学素子における位相変化が加算された光となる。他方の光については、相対的に位相変化がないとみなすことができる。
最終の磁気光学素子から出力され、偏波面保存ファイバ49を伝播する光には、上記2つの光E21,E22が含まれている。この出力光を偏光ビームスプリッター52にて2つの直線偏光F21,F22に分離し、それぞれを検光子54−1,54−2を透過させることにより、両光の同一方向成分のみを取りだし、ハーフミラー55によって合波することにより、両光を干渉させる。
これは2つの光E21,E22のx成分同士の干渉を取ることとなり、その干渉の光強度Iは数式的に
I=│E1+E2│ ・・(32)
=│exp(i(ωt+Σφm))+exp(i(ωt)│×exp(i(ωt+Σφm))+exp(i(ωt)│ ・・(33)
=2+2Re(A11x・A12x)・cos(Σφm)
・・(34)
となる。
このうち光信号中の交流成分に着目すると
cos(Σφm)=cos[Σβ・Im] ・・(35)
=cos[Σβ・Am・cos(ωo・t+αm)]
・・(36)
ここに、ωo=2π・60(Hz)
となる。
従って、実施の形態1と同様に、送電線路3−1〜3−3の状況に対する交流成分の信号波形は、次のように状況に応じた変動を示すこととなる。
(i)無負荷
無負荷の場合、Am=0であることから、
Σφm=Σβ・Im
=Σβ・Am・cos(ωo・t+αm)=0 ・・(37)
cos(Σφm)=1
となり、干渉強度信号は
I=│E1+E2│=2+2Re(A11x・A12x)
・・(38)
で表わされ、交流成分が0となる。
(ii)正常負荷(事故発生なし)、或いは外部事故発生の場合
キルヒホッフの法則により
Σβ・Im=0
が成り立ち、無負荷時と同様に
cos(Σφm)=1
となることから、干渉強度信号は無負荷時と同様に
I=│E1+E2│=2+2Re(A11x・A12x)
・・(39)
となり、交流成分が0となる。
(iii)内部事故発生の場合
キルヒホッフの法則が成り立たず、
Σβ・Im ≠0
であることから干渉強度信号は、
I=2+2Re(A1x・A2x)・cos[Σβ・Am・cos(ωo・t+αm)] ・・(40)
となり、交流信号成分が発生する。
従って、変電所内の送電線路3−1〜3−3に短絡や地絡などの内部事故が発生すると、出力光J20に交流成分が発生する。実施の形態1と同様の光判定処理部7及び光駆動素子18を使用し、この出力光J20を光判定処理部7に入力することにより、内部事故発生の場合、光判定処理部7の出力光K20が急峻に立ち上がる。この高レベルの出力光K20が光駆動素子18に入力され、急峻に立ち上がる電気信号であるオン信号に変換され、制御線19を介して各回路遮断器38−1〜38−3を開閉制御することにより、送電線路3−1〜3−3の保護を行う。なお、光判定処理部7の代わりに図6の光判定処理部100や図7の光判定処理部80を用いてもよい。
この実施の形態においては、磁気光学素子を1/4波長板ではさみ、各磁気光学素子を偏波面保存ファイバで直列に接続し、出力光の干渉を行なわせることにより、光信号の領域で電流の和を演算している。このように、電流の測定及び加算を光信号で行い、光判定処理部を実施の形態1や2と同様に構成することにより、電磁サージに対する対策を容易に行うことができる。
この発明の実施の一形態である保護継電装置の構成を示す構成図である。 図1の光電流センサからの光出力波形を示す波形図である。 図1の三つの光電流センサの光出力信号を加算した合波波形図である。 図1の液晶の動作特性を示す特性図である。 図1の判定処理部の動作を説明するための説明図である。 この発明の他の実施の形態である保護継電装置の主要部の構成を示す主要部構成図である。 さらに、この発明の他の実施の形態である保護継電装置の構成を示す構成図である。 図7の光判定処理部の動作を説明するための説明図である。 さらに、この発明の他の実施の形態である保護継電装置の主要部の構成を示す主要部構成図である。 図9の磁気カー効果素子の偏光面回転特性を示す特性図である。 さらに、この発明の他の実施の形態である保護継電装置の構成を示す構成図である。 図11の保護継電装置の動作を説明するための説明図である。
符号の説明
3−1〜3−3 送電線路、4−1〜4−3 光電流センサ、6 合波器、
7 光判定処理部、8 光電変換素子、9 液晶、17 帰還回路、
18 光駆動素子、41−1,41−2 1/4波長板、42 磁気光学素子、44−1,44−2 1/4波長板、45 磁気光学素子、
47−1,47−2 1/4波長板、48 磁気光学素子、
50 光判定処理部、80 光判定処理部、81 光モジュール、
82,85 透明電極、83 光伝導素子、84 液晶、89 帰還回路、
90 光判定処理部、91 偏光子、93 検光子、100 光判定処理部、
101 フィルタ、102 光変調器。

Claims (6)

  1. 電力設備に設けられた複数の導体の近傍にそれぞれ配設され上記各導体に流れる電流に応じてそれぞれ光信号を出力する複数の光電流センサ、
    この光電流センサの上記光信号を光学的に加算して光学的な合波信号を出力する光演算手段、
    上記合波信号を受光して電気信号を出力する光電変換手段と上記電気信号により駆動され光源から投射された投射光を透過させる割合を上記電気信号の電圧に応じて変化させる光透過率制御手段と上記光透過率制御手段を透過した光を分岐し上記合波信号に加算する光帰還手段とを有し上記合波信号のレベルが所定値を超えたとき上記電力設備が故障であると判定し所定の強さの光出力信号を出力する光判定処理手段、及び
    上記光出力信号に基づいて上記電力設備を保護する保護指令信号を発信する保護指令信号発信手段
    を備えた保護継電装置。
  2. 上記光電流センサは磁気光学素子であり、
    上記光演算手段は、相直交する方向に偏光する2つの直線光を生成した後両者を合波して合波光として上記磁気光学素子に入射させる投光ビーム発生手段、上記光演算手段は上記各磁気光学素子の入力側に設けられ上記磁気光学素子に入力される上記合成光の偏波を円偏光に偏光させる第1の偏波モード偏光手段、上記各磁気光学素子の出力側に設けられ上記磁気光学素子から出た光の偏波を直線偏光に偏光させる第2の偏波モード偏光手段、上記磁気光学素子のうちの一の磁気光学素子の出力側に設けられた上記第2の偏波モード偏光手段と上記一の磁気光学素子とは別の磁気光学素子の入力側に設けられた上記第1の偏波モード偏光手段とを光学的に接続するものであって偏波面の保存が可能な偏波面保存光ファイバを有し、上記一の磁気光学素子の上記光信号と上記別の磁気光学素子の上記光信号とが光学的に加算された光加算信号を上記別の磁気光学素子の出力側に設けられた上記第2の偏波モード偏光手段の出力側から得て、得られた上記光加算信号を上記相直交する方向に偏光する2つの直線偏光に分離し上記2つの直線偏光について同一方向の偏光成分を取り出し合波し干渉させて上記合波信号として出力するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の保護継電装置。
  3. 上記光判定処理手段は、上記光電変換手段の上記電気信号から交流成分を抽出してこの交流成分により上記光透過率制御手段を駆動する交流成分抽出手段を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の保護継電装置。
  4. 電力設備に設けられた複数の導体の近傍にそれぞれ配設され上記各導体に流れる電流に応じてそれぞれ光信号を出力する複数の光電流センサ、
    この光電流センサの上記光信号を光学的に加算して光学的な合波信号を出力する光演算手段、
    上記合波信号を受光する磁気カー効果光学素子と、この磁気カー効果光学素子に別途直線偏光特性を有する光を投射する投光手段と、上記磁気カー効果光学素子からの反射光のうち一方向の偏光成分を抽出して光出力信号として出力する偏光抽出手段とを有し、上記合波信号のレベルが所定値を超えたとき上記電力設備が故障であると判定し上記光出力信号が所定の強さになるようにされたものである光判定処理手段、及び
    上記光出力信号に基づいて上記電力設備を保護する保護指令信号を発信する保護指令信号発信手段
    を備えた保護継電装置。
  5. 電力設備に設けられた複数の導体の近傍にそれぞれ配設され上記各導体に流れる電流に応じてそれぞれ光信号を出力する複数の光電流センサ、
    この光電流センサの上記光信号を光学的に加算して光学的な合波信号を出力する光演算手段、
    直列回路と電源と光帰還手段とを有し、上記直列回路は第1の透明電極と光伝導体と光透過率制御手段と第2の透明電極とが光学的及び電気的に直列に接続されたものであり、上記電源は上記第1及び第2の電極間に所定の電圧を印加するものであり、上記光伝導体は上記光演算手段から上記合波信号が入射され上記入射された合波信号の強さに応じてその電気抵抗が変化するものであり、上記光透過率制御手段は上記光透過率制御手段と上記光伝導体との直列回路により上記電源の電圧を電気的に分圧した分圧が印加されるとともに入射された上記合波信号を透過させる割合を上記分圧に応じて変化させて光出力信号として出力するものであり、上記合波信号のレベルが所定値を超えたとき上記電力設備が故障であると判定し上記光出力信号が所定の強さになるようにされたものである光判定処理手段、及び
    上記光出力信号に基づいて上記電力設備を保護する保護指令信号を発信する保護指令信号発信手段
    を備えた保護継電装置。
  6. 上記光判定処理手段は、上記電源が交流電源であって上記光透過率制御手段に上記交流電源の電圧を電気的に分圧した電圧が印加されるものであることを特徴とする請求項5に記載の保護継電装置。
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