JP4319447B2 - バッテリー装着装置およびバッテリー装着方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリーを内蔵する液晶テレビ等の薄型表示装置、その他バッテリーを内蔵する一般電子機器におけるバッテリー装着装置およびバッテリーの装着方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
液晶などを使用した薄型表示装置は高輝度化や広視野角化に伴い、小型軽量化や低消費電力の特徴も相まって戸外での使用も可能なモバイル機器として今日の多くのハンディタイプの電子機器同様にバッテリーによる駆動が可能となっている。バッテリー駆動の電子機器においてはバッテリー装着の有無を知ることやバッテリーが確実に装填されているかどうかを確認することが重要となり、これらの対応としても各種方法が開示されている。特許文献１においては、バッテリー挿入部にバッテリーを装着する際、先ずバッテリーをバッテリー挿入部に挿入し、装置本体にバッテリーを装着した後、蓋部材を矢印方向に閉じ、ロック解除部材を矢印方向に回動してシャッタのロックを解除し、スイッチ駆動板を矢印方向に回動してスイッチ駆動レバーによってスイッチを駆動する。このスイッチ駆動により、装置本体にバッテリーが装着されたことを制御回路が検知することにより、装置への電源投入やデータの保護を行い、誤操作を防止する方法である。また、特許文献２においては、バッテリーが傾斜して挿入された際に、電極端子が取り付けられたバッテリー挿入口を覆うスライドカバーとロックレバーを係合し、スライドカバーの後方への移動をロックする。ロックレバーとスライドカバーの係合部分に、相互に噛み込んでロックレバーの回動をロックする部分を設けることで、ロックレバーに強い衝撃が加えられても回動せず、不用意にスライドカバーとの係合の外れをなくすという方法である。
【０００３】
【特許文献１】
特開平０９−９１０６５号公報
【特許文献２】
特開２００１−１５０８９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献１は、構成部品が多いとともに、スイッチ操作のため、構成部品の取り付け精度が要求されるという課題がある。また、特許文献２は、挿入力や挿入角度によっては斜め挿入の危惧がある。さらに、両者とも、ユーザーの一連のバッテリー装着動作のなかで、不具合が分かりにくいという課題があった。そこで、本発明は、比較的簡単な構成で、バッテリー装着が不完全な場合を検知するとともに、バッテリーが不完全な状態で装着されることを防止することができるバッテリー装着装置およびバッテリーの装着方法を提案することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のバッテリー装着装置は、バッテリー収納部の一端にキャビネット側端子を配設し他端側にバッテリーの重量で傾斜するロックレバーを設け、バッテリーをバッテリー収納部に収納する際にバッテリー収納部の他端側に寄せて収納し、ロックレバーをバッテリーの重量で傾斜させロックレバーの先端がバッテリー収納部のカバー蓋の位置に干渉してカバー蓋が閉じられないようにして、バッテリーの装着が不完全のままカバー蓋を閉じることを防止し、次いでバッテリーを一端側に寄せてバッテリー側端子をキャビネット側端子と嵌合させることにより、バッテリーの他端がロックレバーから離間してロックレバーを元の位置に復帰させてカバー蓋の取り付けを可能にする。
【０００６】
さらに詳しくは、本発明のバッテリー装着装置は、一方向に長い柱形状であるとともに一端の角部の本体内に装着方向を長手方向とする断面櫛歯状のバッテリー側端子を備えたバッテリーと、キャビネットに端子装着のための長手方向の余裕を備えて形成されて前記バッテリーを収納するバッテリー収納部と、このバッテリー収納部に取り付けられるカバー蓋と、前記バッテリー収納部の内側一端の底部に突設されて前記バッテリー側端子が長手方向に移動して装着される断面櫛歯状のキャビネット側端子と、前記バッテリー収納部の内側他端位置に上端が装着状態のカバー蓋以下のレベルにある正立位置から上端が装着状態のカバー蓋に干渉する傾斜位置までの間を回動可能に軸支されたロックレバーと、このロックレバーの中間部に前記バッテリーの他端角部を載置可能に設けられて前記バッテリーが載置されてバッテリー重量によりロックレバーが傾斜位置まで回動した状態でバッテリー収納部の底面と同一レベルとなる載置面と、前記ロックレバーに設けられて前記載置面にバッテリーが載置された重量により前記ロックレバーを傾斜位置まで回動させるとともに載置面からバッテリーが除去された状態でロックレバーを正立位置まで復帰させる付勢手段とを備える。
【０００７】
ここで、本発明のバッテリー装着装置は、前記バッテリー収納部の底面両側に設けられバッテリーが他端側から一端側に移動するときにバッテリーの係合溝に係合する係合突起と、バッテリーの底面両側に設けられバッテリーが他端側から一端側に移動するときにバッテリー収納部の係合突起と係合する係合溝とを備えることが好ましい。
【０００８】
なお、前記キャビネット側端子がバッテリー収納部を形成するキャビネットと別体のキャビネットに支持される場合に、前記キャビネット側端子を支えるプリント基板にその端子列の列方向の両端側２箇所に突起を突設し、前記別個のキャビネット側に前記突起よりも大きい取り付け孔を穿設し、この取り付け孔に前記突起を嵌合させて前記キャビネット側端子を列方向の遊びを有して取り付けるとともに、相対移動が可能な前記基板側と前記別個のキャビネット側との間に緩衝部材を挟持させるようにして、両端子間の位置ずれを吸収するようにする。
【０００９】
また、本発明のバッテリー装着方法は、バッテリー収納部からカバー蓋を取り外した状態で、端子方向を合わせるとともに端子部を下にしてバッテリーをバッテリー収納部の他端寄りに収納し、同時にバッテリーの他端側の角部をロックレバーの載置面の上に載置することによりバッテリー重量によりロックレバーを傾斜位置に回動させてロックレバーの上端をカバー蓋に干渉する位置として、バッテリーの装着が不完全のままカバー蓋を閉じてしまうことを防止する。次いで、収納されているバッテリーを一端側に移動させることによりバッテリー側端子をキャビネット側端子に挿入してバッテリーの他端側の角部をロックレバーの載置面から離間しロックレバーを付勢手段により回動させて傾斜位置から正立位置に復帰させた後に、カバー蓋をバッテリー収納部に取り付けることが可能となる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図１は本発明を液晶テレビに適用した場合の液晶テレビの背面図であり、図２は液晶テレビの背面下部に形成されたバッテリー収納部のみの平面図であり、図３はその斜視図である。これらの図において、液晶テレビ１の背面のキャビネット２の下端には、バッテリー３２（図示せず）よりもやや長いバッテリー収納部３が形成されている。バッテリー収納部３の右端の底部には、断面櫛歯状のキャビネット側端子４が配設されている。同じく、底部には、バッテリー３２の係合溝３４〜３９（図示せず）と係合するための係合突起５〜１０が突設されている。また、バッテリー収納部３の縁の部分には、カバー蓋４１（図示せず）が係止される係合穴１１，１２および切り欠き１３，１４が形成されている。バッテリー収納部３の左端には、ロックレバー１５が回動自在に支持されている。
【００１１】
図４はロックレバー１５を右側から見た断面図であり、図５はロックレバー１５とそれを支持する部分のみの斜視図である。図示されるように、ロックレバー１５は、バッテリー収納部３の底面よりも低いレベルでバッテリー収納部３の長手方向と平行な回動軸１６によりキャビネット側に支持されている。回動軸１６の部分には図示しないが付勢手段であるコイルばねが装着されロックレバー１５を時計方向に付勢している。ロックレバー１５には、回動軸１６の左斜め上方向に、バッテリー３２の端部が載置される載置面１７が形成されている。図４に示すように、ロックレバー１５は、通常はコイルばねにより時計方向に付勢されて正立位置にあるが、載置面１７の上にバッテリー３２が載置されると、その重量によりロックレバー１５は反時計方向に回動し、載置面１７が底面レベルと一致して水平となる位置まで傾斜して停止する。このロックレバー１５の傾斜位置が、図４で破線により表示された位置であり、ロックレバー１５の上端１８がキャビネット２の外形線よりも左側に突出している。この状態は、バッテリー３２が単にバッテリー収納部３内に収納されているだけで、端子４は装着されておらず、しかも、カバー蓋４１もロックレバー１５の上端１８に干渉するため、キャビネット２に装着することが不可能である。
【００１２】
図６はバッテリー収納部３が形成されているキャビネット２を除去してキャビネット側端子４を露出させた状態の斜視図である。液晶テレビ１の背面側はキャビネット２により構成され、液晶テレビ１の前面側はキャビネット２１により構成されており、組立時にキャビネット２１にキャビネット２が組み込まれる。キャビネット側端子４は、基板２２上に板状の７枚の電極を等間隔に配設して構成され、その両端をコ字状の部材２３により囲い、その部材２３の両端を緩衝部材であるポロン（商品名）片２４，２５を介して、キャビネット２１に支持されているアングル２６により挟持している。さらに、図示しないがアングル２６の下面と基板２２の上面との間にもポロン片を介在させている。また、基板２２の両端に、突起２７，２８を突設し、アングル２６に穿設されて突起２７，２８よりも大きい取り付け孔２９，３０に嵌合して、基板２２を遊びを有してアングル２６に支持させている。その結果、バッテリー装着時に、キャビネット２側のバッテリー収納部３に収納されたバッテリー３２のバッテリー側端子３３と、キャビネット２１側に支持されたキャビネット側端子４のとの間に、製作誤差や組立誤差等のため列方向の位置ずれが発生した場合にも、基板２２とアングル２６との間の遊びにより両者の嵌合を可能にする。
【００１３】
図７は本発明の液晶テレビ１に用いられるバッテリーを示す外観図である。バッテリー３２は、円柱状の充電地を３列並べて被覆し一体化したものであり、底面が平坦に形成されその右端角部の内側部分に断面櫛歯状のバッテリー側端子３３が配設されている。さらに、底面両側に、バッテリー収納部３の係合突起５〜１０と係合する係合溝３４〜３９が形成されている。
【００１４】
図８はバッテリー３２をバッテリー収納部３に装着した状態のバッテリー３２とロックレバー１５と基板２２の位置関係を示す説明図であり、図９は図８の斜視図である。バッテリー３２は、バッテリー収納部３に収納される際に、初めにバッテリー収納部３内の左寄りに挿入され、バッテリー３２の底面左端部がロックレバー１５の載置面１７の上に載置され、ロックレバー１５がバッテリー３２の重量で手前に傾斜して、その状態でカバー蓋４１が閉じられないようにする。すなわち、ユーザがバッテリー３２を装着する操作の際に、この時点でバッテリー３２が装着されたものと早合点して、カバー蓋４１を閉じようとしても閉じることができず、ユーザの早合点を防止することができる。次いで、バッテリー３２を右方向に移動させ、バッテリー３２のバッテリー側端子３３とキャビネット側端子４とを嵌合させて電気的に接続状態とするとともに、バッテリー収納部３の係合突起５〜１０にバッテリー３２の係合溝３４〜３９を係合させてバッテリー３２をバッテリー収納部３に固定して、バッテリー３２の装着が完了する。このとき、バッテリー３２の底面左端が載置面１７から離間し、ロックレバー１５は正立位置に復帰し、バッテリー収納部３へのカバー蓋４１の取付が可能となる。すなわち、この装着が完了した状態で、ユーザは初めてカバー蓋４１を閉じる操作が可能となる。
【００１５】
図１０はバッテリー３２をバッテリー収納部３に装着した状態の液晶テレビ１の背面の外観図である。バッテリー３２がバッテリー収納部３へ正しい手順で装着されると、ロックレバー１５が正立位置に復帰しカバー蓋４１の取付が可能となる。カバー蓋４１の上辺には、液晶テレビ１の係合穴１１，１２に係止される係合爪４２，４３が突設され、同様に、下辺には切り欠き１３，１４に係止される係合爪４４，４５が突設されている。カバー蓋４１をバッテリー収納部３に取り付けるには、切り欠き１３，１４に係合爪４４，４５を係止させた後、係合爪４２，４３を係合穴１１，１２に挿入することで取り付けられる。
【００１６】
図１１はバッテリー３２を装着後にカバー蓋４１を閉じた状態の液晶テレビ１の背面の外観図である。このようにカバー蓋４１を閉じた状態は、バッテリー３２をバッテリー収納部３に確実に装着したことにより実現されるため、誤って、ユーザがバッテリー３２の不完全な装着のままカバー蓋４１を閉じることが防止される。また、ユーザはカバー蓋４１が閉じられない場合は、装着操作が誤っていることを自覚して再度正しくバッテリー３２を装着する操作をやり直せばよい。なお、重量のあるバッテリー３２を収納するバッテリー収納部３が、液晶テレビ１の背面の底部に配設されているため、液晶テレビ１の重心がその分低くなり、液晶テレビ１を正立させた場合の安定性が向上する。また、上述した実施形態では、カバー蓋４１をバッテリー収納部３に着脱する構造となっているが、カバー蓋をヒンジにより開閉させる構造とすることも可能である。
【００１７】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、バッテリー収納部の端部に、バッテリーの装着が不完全の場合は、傾斜してカバー蓋を閉じられないようにするロックレバーを設けたことで、バッテリー装着が不完全な場合を簡単に検知することができるようになる。また、その結果、バッテリー装着が不完全なままでカバー蓋を閉じてしまうことが防止されて、バッテリー装着ミスを確実に防ぐことができるようになる。さらに、バッテリー収納部を薄型表示装置本体の底部に設けたことで、薄型表示装置の重心が低くなり安定性が増すようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を液晶テレビに適用した場合の液晶テレビの背面図である。
【図２】液晶テレビの背面下端部に形成されたバッテリー収納部のみの平面図である。
【図３】図２の斜視図である。
【図４】図２および図３のロックレバーを右側から見た断面図である。
【図５】図４の斜視図である。
【図６】バッテリー収納部が形成されているキャビネットを除去した斜視図である。
【図７】本発明の液晶テレビに用いられるバッテリーを示す外観図である。
【図８】装着時のバッテリーとロックレバーと基板の位置関係を示す説明図である。
【図９】図８の斜視図である。
【図１０】バッテリー装着状態の液晶テレビの背面の外観図である。
【図１１】バッテリー装着後にカバー蓋を閉じた状態の液晶テレビの背面外観図である。
【符号の説明】
１ 液晶テレビ
２ キャビネット
３ バッテリー収納部
４ キャビネット側端子
５〜１０ 係合突起
１１，１２ 係合穴
１３，１４ 切り欠き
１５ ロックレバー
１６ 回動軸
１７ 載置面
１８ 上端
２１ キャビネット
２２ 基板
２３ コ字状部材
２４，２５ ポロン片
２６ アングル
２７，２８ 突起
２９，３０ 取り付け孔
３２ バッテリー
３３ バッテリー側端子
３４〜３９ 係合溝
４１ カバー蓋
４２〜４５ 係合爪
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリーを内蔵する液晶テレビ等の薄型表示装置、その他バッテリーを内蔵する一般電子機器におけるバッテリー装着装置およびバッテリーの装着方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
液晶などを使用した薄型表示装置は高輝度化や広視野角化に伴い、小型軽量化や低消費電力の特徴も相まって戸外での使用も可能なモバイル機器として今日の多くのハンディタイプの電子機器同様にバッテリーによる駆動が可能となっている。バッテリー駆動の電子機器においてはバッテリー装着の有無を知ることやバッテリーが確実に装填されているかどうかを確認することが重要となり、これらの対応としても各種方法が開示されている。特許文献１においては、バッテリー挿入部にバッテリーを装着する際、先ずバッテリーをバッテリー挿入部に挿入し、装置本体にバッテリーを装着した後、蓋部材を矢印方向に閉じ、ロック解除部材を矢印方向に回動してシャッタのロックを解除し、スイッチ駆動板を矢印方向に回動してスイッチ駆動レバーによってスイッチを駆動する。このスイッチ駆動により、装置本体にバッテリーが装着されたことを制御回路が検知することにより、装置への電源投入やデータの保護を行い、誤操作を防止する方法である。また、特許文献２においては、バッテリーが傾斜して挿入された際に、電極端子が取り付けられたバッテリー挿入口を覆うスライドカバーとロックレバーを係合し、スライドカバーの後方への移動をロックする。ロックレバーとスライドカバーの係合部分に、相互に噛み込んでロックレバーの回動をロックする部分を設けることで、ロックレバーに強い衝撃が加えられても回動せず、不用意にスライドカバーとの係合の外れをなくすという方法である。
【０００３】
【特許文献１】
特開平０９−９１０６５号公報
【特許文献２】
特開２００１−１５０８９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献１は、構成部品が多いとともに、スイッチ操作のため、構成部品の取り付け精度が要求されるという課題がある。また、特許文献２は、挿入力や挿入角度によっては斜め挿入の危惧がある。さらに、両者とも、ユーザーの一連のバッテリー装着動作のなかで、不具合が分かりにくいという課題があった。そこで、本発明は、比較的簡単な構成で、バッテリー装着が不完全な場合を検知するとともに、バッテリーが不完全な状態で装着されることを防止することができるバッテリー装着装置およびバッテリーの装着方法を提案することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のバッテリー装着装置は、バッテリー収納部の一端にキャビネット側端子を配設し他端側にバッテリーの重量で傾斜するロックレバーを設け、バッテリーをバッテリー収納部に収納する際にバッテリー収納部の他端側に寄せて収納し、ロックレバーをバッテリーの重量で傾斜させロックレバーの先端がバッテリー収納部のカバー蓋の位置に干渉してカバー蓋が閉じられないようにして、バッテリーの装着が不完全のままカバー蓋を閉じることを防止し、次いでバッテリーを一端側に寄せてバッテリー側端子をキャビネット側端子と嵌合させることにより、バッテリーの他端がロックレバーから離間してロックレバーを元の位置に復帰させてカバー蓋の取り付けを可能にする。
【０００６】
さらに詳しくは、本発明のバッテリー装着装置は、一方向に長い柱形状であるとともに一端の角部の本体内に装着方向を長手方向とする断面櫛歯状のバッテリー側端子を備えたバッテリーと、キャビネットに端子装着のための長手方向の余裕を備えて形成されて前記バッテリーを収納するバッテリー収納部と、このバッテリー収納部に取り付けられるカバー蓋と、前記バッテリー収納部の内側一端の底部に突設されて前記バッテリー側端子が長手方向に移動して装着される断面櫛歯状のキャビネット側端子と、前記バッテリー収納部の内側他端位置に上端が装着状態のカバー蓋以下のレベルにある正立位置から上端が装着状態のカバー蓋に干渉する傾斜位置までの間を回動可能に軸支されたロックレバーと、このロックレバーの中間部に前記バッテリーの他端角部を載置可能に設けられて前記バッテリーが載置されてバッテリー重量によりロックレバーが傾斜位置まで回動した状態でバッテリー収納部の底面と同一レベルとなる載置面と、前記ロックレバーに設けられて前記載置面にバッテリーが載置された重量により前記ロックレバーを傾斜位置まで回動させるとともに載置面からバッテリーが除去された状態でロックレバーを正立位置まで復帰させる付勢手段とを備える。
【０００７】
ここで、本発明のバッテリー装着装置は、前記バッテリー収納部の底面両側に設けられバッテリーが他端側から一端側に移動するときにバッテリーの係合溝に係合する係合突起と、バッテリーの底面両側に設けられバッテリーが他端側から一端側に移動するときにバッテリー収納部の係合突起と係合する係合溝とを備えることが好ましい。
【０００８】
なお、前記キャビネット側端子がバッテリー収納部を形成するキャビネットと別体のキャビネットに支持される場合に、前記キャビネット側端子を支えるプリント基板にその端子列の列方向の両端側２箇所に突起を突設し、前記別個のキャビネット側に前記突起よりも大きい取り付け孔を穿設し、この取り付け孔に前記突起を嵌合させて前記キャビネット側端子を列方向の遊びを有して取り付けるとともに、相対移動が可能な前記基板側と前記別個のキャビネット側との間に緩衝部材を挟持させるようにして、両端子間の位置ずれを吸収するようにする。
【０００９】
また、本発明のバッテリー装着方法は、バッテリー収納部からカバー蓋を取り外した状態で、端子方向を合わせるとともに端子部を下にしてバッテリーをバッテリー収納部の他端寄りに収納し、同時にバッテリーの他端側の角部をロックレバーの載置面の上に載置することによりバッテリー重量によりロックレバーを傾斜位置に回動させてロックレバーの上端をカバー蓋に干渉する位置として、バッテリーの装着が不完全のままカバー蓋を閉じてしまうことを防止する。次いで、収納されているバッテリーを一端側に移動させることによりバッテリー側端子をキャビネット側端子に挿入してバッテリーの他端側の角部をロックレバーの載置面から離間しロックレバーを付勢手段により回動させて傾斜位置から正立位置に復帰させた後に、カバー蓋をバッテリー収納部に取り付けることが可能となる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図１は本発明を液晶テレビに適用した場合の液晶テレビの背面図であり、図２は液晶テレビの背面下部に形成されたバッテリー収納部のみの平面図であり、図３はその斜視図である。これらの図において、液晶テレビ１の背面のキャビネット２の下端には、バッテリー３２（図示せず）よりもやや長いバッテリー収納部３が形成されている。バッテリー収納部３の右端の底部には、断面櫛歯状のキャビネット側端子４が配設されている。同じく、底部には、バッテリー３２の係合溝３４〜３９（図示せず）と係合するための係合突起５〜１０が突設されている。また、バッテリー収納部３の縁の部分には、カバー蓋４１（図示せず）が係止される係合穴１１，１２および切り欠き１３，１４が形成されている。バッテリー収納部３の左端には、ロックレバー１５が回動自在に支持されている。
【００１１】
図４はロックレバー１５を右側から見た断面図であり、図５はロックレバー１５とそれを支持する部分のみの斜視図である。図示されるように、ロックレバー１５は、バッテリー収納部３の底面よりも低いレベルでバッテリー収納部３の長手方向と平行な回動軸１６によりキャビネット側に支持されている。回動軸１６の部分には図示しないが付勢手段であるコイルばねが装着されロックレバー１５を時計方向に付勢している。ロックレバー１５には、回動軸１６の左斜め上方向に、バッテリー３２の端部が載置される載置面１７が形成されている。図４に示すように、ロックレバー１５は、通常はコイルばねにより時計方向に付勢されて正立位置にあるが、載置面１７の上にバッテリー３２が載置されると、その重量によりロックレバー１５は反時計方向に回動し、載置面１７が底面レベルと一致して水平となる位置まで傾斜して停止する。このロックレバー１５の傾斜位置が、図４で破線により表示された位置であり、ロックレバー１５の上端１８がキャビネット２の外形線よりも左側に突出している。この状態は、バッテリー３２が単にバッテリー収納部３内に収納されているだけで、端子４は装着されておらず、しかも、カバー蓋４１もロックレバー１５の上端１８に干渉するため、キャビネット２に装着することが不可能である。
【００１２】
図６はバッテリー収納部３が形成されているキャビネット２を除去してキャビネット側端子４を露出させた状態の斜視図である。液晶テレビ１の背面側はキャビネット２により構成され、液晶テレビ１の前面側はキャビネット２１により構成されており、組立時にキャビネット２１にキャビネット２が組み込まれる。キャビネット側端子４は、基板２２上に板状の７枚の電極を等間隔に配設して構成され、その両端をコ字状の部材２３により囲い、その部材２３の両端を緩衝部材であるポロン（商品名）片２４，２５を介して、キャビネット２１に支持されているアングル２６により挟持している。さらに、図示しないがアングル２６の下面と基板２２の上面との間にもポロン片を介在させている。また、基板２２の両端に、突起２７，２８を突設し、アングル２６に穿設されて突起２７，２８よりも大きい取り付け孔２９，３０に嵌合して、基板２２を遊びを有してアングル２６に支持させている。その結果、バッテリー装着時に、キャビネット２側のバッテリー収納部３に収納されたバッテリー３２のバッテリー側端子３３と、キャビネット２１側に支持されたキャビネット側端子４のとの間に、製作誤差や組立誤差等のため列方向の位置ずれが発生した場合にも、基板２２とアングル２６との間の遊びにより両者の嵌合を可能にする。
【００１３】
図７は本発明の液晶テレビ１に用いられるバッテリーを示す外観図である。バッテリー３２は、円柱状の充電地を３列並べて被覆し一体化したものであり、底面が平坦に形成されその右端角部の内側部分に断面櫛歯状のバッテリー側端子３３が配設されている。さらに、底面両側に、バッテリー収納部３の係合突起５〜１０と係合する係合溝３４〜３９が形成されている。
【００１４】
図８はバッテリー３２をバッテリー収納部３に装着した状態のバッテリー３２とロックレバー１５と基板２２の位置関係を示す説明図であり、図９は図８の斜視図である。バッテリー３２は、バッテリー収納部３に収納される際に、初めにバッテリー収納部３内の左寄りに挿入され、バッテリー３２の底面左端部がロックレバー１５の載置面１７の上に載置され、ロックレバー１５がバッテリー３２の重量で手前に傾斜して、その状態でカバー蓋４１が閉じられないようにする。すなわち、ユーザがバッテリー３２を装着する操作の際に、この時点でバッテリー３２が装着されたものと早合点して、カバー蓋４１を閉じようとしても閉じることができず、ユーザの早合点を防止することができる。次いで、バッテリー３２を右方向に移動させ、バッテリー３２のバッテリー側端子３３とキャビネット側端子４とを嵌合させて電気的に接続状態とするとともに、バッテリー収納部３の係合突起５〜１０にバッテリー３２の係合溝３４〜３９を係合させてバッテリー３２をバッテリー収納部３に固定して、バッテリー３２の装着が完了する。このとき、バッテリー３２の底面左端が載置面１７から離間し、ロックレバー１５は正立位置に復帰し、バッテリー収納部３へのカバー蓋４１の取付が可能となる。すなわち、この装着が完了した状態で、ユーザは初めてカバー蓋４１を閉じる操作が可能となる。
【００１５】
図１０はバッテリー３２をバッテリー収納部３に装着した状態の液晶テレビ１の背面の外観図である。バッテリー３２がバッテリー収納部３へ正しい手順で装着されると、ロックレバー１５が正立位置に復帰しカバー蓋４１の取付が可能となる。カバー蓋４１の上辺には、液晶テレビ１の係合穴１１，１２に係止される係合爪４２，４３が突設され、同様に、下辺には切り欠き１３，１４に係止される係合爪４４，４５が突設されている。カバー蓋４１をバッテリー収納部３に取り付けるには、切り欠き１３，１４に係合爪４４，４５を係止させた後、係合爪４２，４３を係合穴１１，１２に挿入することで取り付けられる。
【００１６】
図１１はバッテリー３２を装着後にカバー蓋４１を閉じた状態の液晶テレビ１の背面の外観図である。このようにカバー蓋４１を閉じた状態は、バッテリー３２をバッテリー収納部３に確実に装着したことにより実現されるため、誤って、ユーザがバッテリー３２の不完全な装着のままカバー蓋４１を閉じることが防止される。また、ユーザはカバー蓋４１が閉じられない場合は、装着操作が誤っていることを自覚して再度正しくバッテリー３２を装着する操作をやり直せばよい。なお、重量のあるバッテリー３２を収納するバッテリー収納部３が、液晶テレビ１の背面の底部に配設されているため、液晶テレビ１の重心がその分低くなり、液晶テレビ１を正立させた場合の安定性が向上する。また、上述した実施形態では、カバー蓋４１をバッテリー収納部３に着脱する構造となっているが、カバー蓋をヒンジにより開閉させる構造とすることも可能である。
【００１７】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、バッテリー収納部の端部に、バッテリーの装着が不完全の場合は、傾斜してカバー蓋を閉じられないようにするロックレバーを設けたことで、バッテリー装着が不完全な場合を簡単に検知することができるようになる。また、その結果、バッテリー装着が不完全なままでカバー蓋を閉じてしまうことが防止されて、バッテリー装着ミスを確実に防ぐことができるようになる。さらに、バッテリー収納部を薄型表示装置本体の底部に設けたことで、薄型表示装置の重心が低くなり安定性が増すようになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を液晶テレビに適用した場合の液晶テレビの背面図である。
【図２】液晶テレビの背面下端部に形成されたバッテリー収納部のみの平面図である。
【図３】図２の斜視図である。
【図４】図２および図３のロックレバーを右側から見た断面図である。
【図５】図４の斜視図である。
【図６】バッテリー収納部が形成されているキャビネットを除去した斜視図である。
【図７】本発明の液晶テレビに用いられるバッテリーを示す外観図である。
【図８】装着時のバッテリーとロックレバーと基板の位置関係を示す説明図である。
【図９】図８の斜視図である。
【図１０】バッテリー装着状態の液晶テレビの背面の外観図である。
【図１１】バッテリー装着後にカバー蓋を閉じた状態の液晶テレビの背面外観図である。
【符号の説明】
１ 液晶テレビ
２ キャビネット
３ バッテリー収納部
４ キャビネット側端子
５〜１０ 係合突起
１１，１２ 係合穴
１３，１４ 切り欠き
１５ ロックレバー
１６ 回動軸
１７ 載置面
１８ 上端
２１ キャビネット
２２ 基板
２３ コ字状部材
２４，２５ ポロン片
２６ アングル
２７，２８ 突起
２９，３０ 取り付け孔
３２ バッテリー
３３ バッテリー側端子
３４〜３９ 係合溝
４１ カバー蓋
４２〜４５ 係合爪
Claims (5)
- バッテリー収納部の一端にキャビネット側端子を配設し他端側にバッテリーの重量で傾斜するロックレバーを設け、バッテリーをバッテリー収納部に収納する際にバッテリー収納部の他端側に寄せて収納し、ロックレバーをバッテリーの重量で傾斜させロックレバーの先端がバッテリー収納部のカバー蓋の位置に干渉してカバー蓋が閉じられないようにしてから、バッテリーを一端側に寄せてバッテリー側端子をキャビネット側端子と嵌合させることにより、バッテリーの他端がロックレバーから離間してロックレバーを元の位置に復帰させてカバー蓋の取り付けを可能にすることを特徴としたバッテリー装着装置。
- 一方向に長い柱形状であるとともに一端の角部の本体内に装着方向を長手方向とする断面櫛歯状のバッテリー側端子を備えたバッテリーと、キャビネットに端子装着のための長手方向の余裕を備えて形成されて前記バッテリーを収納するバッテリー収納部と、
このバッテリー収納部に取り付けられるカバー蓋と、
前記バッテリー収納部の内側一端の底部に突設されて前記バッテリー側端子が長手方向に移動して装着される断面櫛歯状のキャビネット側端子と、
前記バッテリー収納部の内側他端位置に上端が装着状態のカバー蓋以下のレベルにある正立位置から上端が装着状態のカバー蓋に干渉する傾斜位置までの間を回動可能に軸支されたロックレバーと、
このロックレバーの中間部に前記バッテリーの他端角部を載置可能に設けられて前記バッテリーが載置されてバッテリー重量によりロックレバーが傾斜位置まで回動した状態でバッテリー収納部の底面と同一レベルとなる載置面と、
前記ロックレバーに設けられて前記載置面にバッテリーが載置された重量により前記ロックレバーを傾斜位置まで回動させるとともに載置面からバッテリーが除去された状態でロックレバーを正立位置まで復帰させる付勢手段と、
を備えたことを特徴とするバッテリー装着装置。 - 請求項２に記載のバッテリー装着装置において、
バッテリー収納部の底面両側に設けられバッテリーが他端側から一端側に移動するときにバッテリーの係合溝に係合する係合突起と、
バッテリーの底面両側に設けられバッテリーが他端側から一端側に移動するときにバッテリー収納部の係合突起と係合する係合溝と、
を備えたことを特徴とするバッテリー装着装置。 - 請求項２または３に記載のバッテリー装着装置において、
前記キャビネット側端子がバッテリー収納部を形成するキャビネットと別体のキャビネットに支持される場合に、前記キャビネット側端子を支えるプリント基板にその端子列の列方向の両端側２箇所に突起を突設し、前記別個のキャビネット側に前記突起よりも大きい取り付け孔を穿設し、この取り付け孔に前記突起を嵌合させて前記キャビネット側端子を列方向の遊びを有して取り付けるとともに、
相対移動が可能な前記基板側と前記別個のキャビネット側との間に緩衝部材を挟持させたことを特徴とするバッテリー装着装置。 - 請求項２乃至４のいずれかに記載のバッテリー装着装置において、
バッテリー収納部からカバー蓋を取り外した状態で、端子方向を合わせるとともに端子部を下にしてバッテリーをバッテリー収納部の他端寄りに収納し、同時にバッテリーの他端側の角部をロックレバーの載置面の上に載置することによりバッテリー重量によりロックレバーを傾斜位置に回動させてロックレバーの上端をカバー蓋に干渉する位置とし、次いで、収納されているバッテリーを一端側に移動させることによりバッテリー側端子をキャビネット側端子に挿入してバッテリーの他端側の角部をロックレバーの載置面から離間しロックレバーを付勢手段により回動させて傾斜位置から正立位置に復帰させた後に、カバー蓋をバッテリー収納部に取り付けることを特徴としたバッテリー装着方法。
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