JP4318930B2 - 基板処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト膜が形成された基板からレジスト膜を除去する基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスにおいては回路パターンの微細化が進んでおり、配線信号遅延の原因となっている配線抵抗を小さくするために、従来から広く用いられているアルミニウム配線またはアルミ合金配線に代えてまたはこれと併用して、より低抵抗な銅配線が用いられるようになってきている。この銅配線では、一般的にダマシン構造と呼ばれる配線構造が用いられる。
【0003】
図11は一般的にデュアルダマシン構造と呼ばれる配線構造の形成フローを模式的に示す説明図である。最初に、絶縁膜90に形成された溝にバリアメタル層91を介して銅材料を埋め込み、銅配線(下部配線)92を形成する(図11(a))。次に、後に行われる各種処理工程における下部配線92の銅の酸化を防止するために、絶縁膜90上にストッパー膜(または、絶縁膜バリア層、ハードマスク)93を形成する(図11(b))。
【0004】
ここで、ストッパー膜93としては、シリコン窒化膜やシリコン酸窒化膜、炭化珪素膜等が知られているが、例えば、特開2000−332102号公報(特許文献1)には、真空チャンバ内で成膜した有機膜を用いる構成が開示されている。
【0005】
このストッパー膜93上に層間絶縁膜94、反射防止膜95、所定の回路パターンを有するレジスト膜96を逐次形成した後にエッチング処理を行い、ビアホール94aを形成する(図11(c))。次いで、反射防止膜95とレジスト膜96を薬液処理やアッシング処理等によって除去した後にビアホール94aを有する絶縁膜94の表面に犠牲膜97を形成し、さらに犠牲膜97の表面に所定のパターンを有するレジスト膜98を形成した後にエッチング処理する。これによってビアホール94aの上部により幅の広いトレンチ94bが形成される(図11(d))。レジスト膜98と犠牲膜97を除去することによって、ビアホール94aとトレンチ94bを備えた溝配線が絶縁膜94に形成される(図11(e))。
【0006】
下部配線92とビアホール94aとを連通させるためのエッチング処理を行った後に、ビアホール94aとトレンチ94bには、メタルバリア層87(例えば、窒化チタン、窒化タンタル)とメッキシード層88を介して銅89が埋め込まれ、その表面が平坦化される(図11(f))。これにより、下部配線92とビアホール94a・トレンチ94bに埋め込まれた銅89とが導通する配線が形成される。
【0007】
このようなデュアルダマシン構造の配線を形成する工程におけるレジスト膜94の除去方法としては、薬液やアッシングによる方法が知られている。また、特開2002−184741号(特許文献2)には、半導体ウエハに形成されたレジスト膜をオゾンと水蒸気を含む処理ガスによって水溶性に変性させ、純水によって半導体ウエハから変性したレジスト膜を除去する基板処理方法が開示されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−332102号公報(第15〜18段落、第2図)
【特許文献2】
特開2002−184741号公報(第56〜63段落、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エッチング処理によってビアホール94aを形成する方法では、ストッパー膜93が除去されてしまう場合(所謂、オーバーエッチ)や、ストッパー膜93にピンホール等の欠陥が生じてしまう場合がある。このような状態で次にレジスト除去処理(例えば、薬液処理やプラズマアッシング処理)を行うと、下部配線92の銅がダメージを受けるおそれがある。また、オゾンと水蒸気を含む処理ガスを用いたレジスト膜変性処理においても、ストッパー膜93にピンホール等の欠陥が存在すると、下部配線92の銅が酸化される問題が生ずる。
【0010】
また、ストッパー膜93として有機膜を用いた場合には、レジスト膜をプラズマアッシング処理によって除去する際やビアホール94aをエッチングによって形成する際のストッパー膜として十分に機能しない場合がある。さらに、オゾンと水蒸気を含む処理ガスによるレジスト膜変性処理においては、オゾンと水蒸気の分子が有機膜を構成する炭素を攻撃して有機膜を劣化させ、これによって下部配線92がダメージを受けるおそれがある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、所定の配線要素にダメージを与えることなく、レジスト膜を基板から除去する基板処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、所定の配線パターンが形成された基板から残存するレジスト膜をオゾンと水蒸気を含む処理ガスによって変性させて除去する基板処理方法であって、
前記基板に形成された、前記処理ガスによりダメージを受ける材料部に前記処理ガスに対して耐性を有する保護膜を選択的に形成する工程と、
前記基板に前記処理ガスを供給して、前記材料部のダメージを抑制しながら前記レジスト膜を変性させる工程と、
前記処理ガスによって処理された基板を純水で処理することにより変性したレジスト膜を前記基板から除去する工程と、
を有し、
前記材料部は金属材料を有し、前記保護膜は、前記材料部に対して選択的に結合するキレート剤または界面活性剤を有することを特徴とする基板処理方法、が提供される。
【0015】
このような基板処理方法によれば、基板からレジスト膜を除去する際の処理ガスやプラズマ等の雰囲気によって、金属配線部分等がダメージを受けることが防止される。これによって信頼性の高い、高品質な製品を製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について具体的に説明する。ここでは、デュアルダマシン構造の溝配線を有する絶縁膜を備えた半導体デバイスを製造する場合について説明することとする。図1はダマシン形成システムの概略構成を示す説明図である。このダマシン形成システムは、CVD装置101と、レジスト塗布/現像装置102と、露光装置103と、エッチャー104と、膜除去装置100と、から構成されており、図示しない搬送装置によってこれら装置と装置の間でウエハWを搬送することができるようになっている。
【0017】
CVD装置101は、化学気相蒸着法(CVD)法によりウエハWに絶縁膜やストッパー膜等を形成するために用いられる。このCVD装置101に代えて、ウエハWに薬液を塗布して絶縁膜等を形成するSOD(Spin On Dielectric)装置を用いることもできる。
【0018】
レジスト塗布/現像装置102は、レジスト膜等を形成するために用いられる。レジスト塗布/現像装置102の詳細な構造は図示しないが、レジスト塗布/現像装置102は、ウエハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を成膜するレジスト塗布処理ユニットと、露光装置103において所定のパターンで露光されたレジスト膜を現像処理する現像処理ユニットと、レジスト膜が成膜されたウエハWや露光処理されたウエハW、現像処理が施されたウエハWをそれぞれ熱的に処理する熱的処理ユニット等を有している。
【0019】
露光装置103は、レジスト膜が形成されたウエハWに所定の回路パターンを露光するために用いられる。エッチャー104では、ウエハW上に形成された種々の膜にエッチング処理が施される。また膜除去装置100は、次に詳細に説明するように、半導体デバイスの製造工程で不用となったレジスト膜や犠牲膜、エッチング後のポリマー残渣を、オゾン(O3)と水蒸気を含む処理ガスのこれら分子によって変性させてウエハWから除去するために用いられる。
【0020】
ここで「変性」とは、レジスト膜とポリマー残渣がウエハW上に残った状態で水溶性となることと、犠牲膜がウエハW上に残った状態で純水または所定の薬液に溶解する性質に変質することをいう。処理ガスによるウエハWの処理後には、レジスト膜、ポリマー残渣は変性した状態でウエハW上に残っているために、処理ガスによる処理の終了したウエハWを純水で処理(水洗処理)することにより、変性したレジスト膜とポリマー残渣をウエハWから除去することができる。また、変性した犠牲膜は、純水または所定の薬液によって処理することで、ウエハWから除去される。なお、変性したレジスト膜とポリマー残渣は、犠牲膜の溶解に使用される所定の薬液によっても除去され得る。
【0021】
図2は膜除去装置100の概略平面図であり、図3はその概略正面図であり、図4はその概略背面図である。膜除去装置100は、ウエハWが収容されたキャリアが他の処理装置等から搬入され、逆に膜除去装置100における処理の終了したウエハWを収容したキャリアを次の処理を行う処理装置等へ搬出するためのキャリアステーション4と、ウエハWに設けられたレジスト膜等の変性処理およびその後のレジスト膜等の除去処理、ウエハWの水洗/乾燥処理等を行うための複数の処理ユニットを有する処理ステーション2と、処理ステーション2とキャリアステーション4との間でウエハWの搬送を行う搬送ステーション3と、処理ステーション2で使用する薬液や純水、ガス等の製造、調製、貯留を行うケミカルステーション5と、を具備している。
【0022】
キャリアCの内部において、ウエハWは略水平姿勢で鉛直方向(Z方向)に一定の間隔で収容されている。このようなキャリアCに対するウエハWの搬入出はキャリアCの一側面を通して行われ、この側面は蓋体10a(図2には図示せず。図3および図4に蓋体10aが取り外された状態を示す)によって開閉自在となっている。
【0023】
図2に示すように、キャリアステーション4は、図中Y方向に沿って3箇所にキャリアCを載置できる載置台6を有しており、キャリアCは蓋体10aが設けられた側面がキャリアステーション4と搬送ステーション3との間の境界壁8a側を向くようにして載置台6に載置される。境界壁8aにおいてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9aが形成されており、各窓部9aの搬送ステーション3側には窓部9aを開閉するシャッタ10が設けられている。このシャッタ10はキャリアCの蓋体10aを把持する把持手段(図示せず)を有しており、図3および図4に示すように、蓋体10aを把持した状態で搬送ステーション3側に、蓋体10aを退避させることができるようになっている。
【0024】
搬送ステーション3に設けられたウエハ搬送装置7はウエハWを保持可能なウエハ搬送ピック7aを有している。ウエハ搬送装置7は搬送ステーション3の床にY方向に延在するように設けられたガイド(図3および図4参照)11に沿ってY方向に移動可能である。また、ウエハ搬送ピック7aは、X方向にスライド自在であり、かつ、Z方向に昇降自在であり、かつ、X−Y平面内で回転自在(θ回転)である。
【0025】
このような構造により、キャリアCの内部と搬送ステーション3とが窓部9aを介して連通するようにシャッタ10を退避させた状態において、ウエハ搬送ピック7aは、載置台6に載置された全てのキャリアCにアクセス可能であり、キャリアC内の任意の高さ位置にあるウエハWをキャリアCから搬出することができ、逆に、キャリアCの任意の位置にウエハWを搬入することができる。
【0026】
処理ステーション2は、搬送ステーション3側に2台のウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bを有しており、例えば、ウエハ載置ユニット(TRS)13bは搬送ステーション3からウエハWを受け入れる際にウエハWを載置するために用いられ、ウエハ載置ユニット(TRS)13aは処理ステーション2において所定の処理が終了したウエハWを搬送ステーション3に戻す際にウエハWを載置するために用いられる。処理ステーション2においてはファンフィルターユニット(FFU)25から清浄な空気がダウンフローされるようになっており、処理ステーション2において処理の終了したウエハWを上段のウエハ載置ユニット(TRS)13aに載置することにより、ウエハWの汚染が抑制される。
【0027】
搬送ステーション3と処理ステーション2との間の境界壁8bにおいて、ウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bの位置に対応する部分には窓部9bが設けられている。ウエハ搬送ピック7aは、この窓部9bを介してウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bにアクセス可能であり、キャリアCとウエハ載置ユニット(TRS)13a・13bとの間でウエハWを搬送する。
【0028】
処理ステーション2の背面側には、ウエハWに形成されているレジスト膜等の変性処理を行う膜変性処理ユニット(VOS)15a〜15hが配置されている。図5は膜変性処理ユニット(VOS)15aの概略断面図である。この膜変性処理ユニット(VOS)15aは、ウエハWを収容する密閉式のチャンバ30を有しており、チャンバ30は固定された下部容器41aと、下部容器41aの上面を覆う蓋体41bから構成され、蓋体41bは膜変性処理ユニット(VOS)15aのフレーム42に固定されたシリンダ43によって昇降自在である。蓋体41bは下部容器41aの上方に待避可能である。
【0029】
下部容器41a周縁の立起部の上面にはOリング48が配置されている。シリンダ43を駆動して蓋体41bを降下させると、蓋体41bの裏面周縁が下部容器41a周縁の立起部の上面に当接するとともに、Oリング48が圧縮されてチャンバ30内に密閉された処理空間が形成される。
【0030】
下部容器41aにはウエハWを載置するステージ33が設けられており、このステージ33の表面には、ウエハWを支持するプロキシミティピン44が複数箇所に設けられている。プロキシミティピン44の高さは、ステージ33の表面に結露が生じた場合に、ウエハWの裏面が結露した液滴に接することがない高さ、例えば、1mm以上3mm以下に設定される。これによりウエハWの裏面へのウォーターマークやパーティクルの付着が防止され、ウエハWの品質が高く保たれる。
【0031】
ステージ33の内部にはヒータ45aが、蓋体41bにはヒータ45bがそれぞれ埋設されており、ステージ33と蓋体41bをそれぞれ所定温度で保持することができるようになっている。これによりウエハWの温度が一定に保持される。なお、ステージ33と蓋体41bの温度を変えることによって、処理空間内に温度勾配を設けて、処理を行うことも可能である。
【0032】
蓋体41bの裏面には、ウエハWを保持する爪部材46が、例えば3箇所(図5では2箇所のみ図示)に設けられている。ウエハ搬送アーム14aはこの爪部材46に対してウエハWの受け渡しを行う。爪部材46がウエハWを保持した状態で蓋体41bを降下させると、その降下途中でウエハWは、ステージ33に設けられたプロキシミティピン44に受け渡しされる。
【0033】
チャンバ30では、処理ガスがチャンバ30の内部において略水平方向に流れるように、オゾンと水蒸気を含む処理ガス(以下、単に「処理ガス」という)等を内部に導入するガス導入口34aおよび処理ガスを外部へ排気するガス排出口34bが下部容器41aに設けられている。ガス導入口34aには後に説明する処理ガス供給装置16が接続され、ガス排出口34bには排気装置32が接続されている。図5では、ガス導入口34aおよびガス排出口34bの高さ位置がプロキシミティピン44に載置されたウエハWの高さよりも下側で示されているが、ガス導入口34aおよびガス排出口34bはこれよりも高い位置に設けてもよい。
【0034】
ウエハWを処理ガスによって処理する際には、チャンバ30の内部を一定の陽圧に保持して行うことが好ましい。このためにチャンバ30の内部から下部容器41aと蓋体41bとの間を通って外部に処理ガスが流出しないように、下部容器41aと蓋体41bとの密閉を、シリンダ43による押圧力に依存するだけでなく、下部容器41aと蓋体41bの端面に設けられた突起部47a・47bどうしをロック機構35によって締め付けることによって行う。
【0035】
この突起部47a・47bはそれぞれ下部容器41aと蓋体41bの全周を囲ってはおらず、例えば、等間隔に4箇所に鉛直方向で重なる位置に設けられており、隣接するものどうしの間には間隙部49(図5の右側部分参照)が形成されている。ロック機構35はローラ59a・59bで突起部47a・47bを挟み込むことによって下部容器41aと蓋体41bとを密着させるが、間隙部49の位置にローラ59a・59bが移動している状態では蓋体41bの昇降を自由に行うことができる。
【0036】
処理ステーション2の正面側には、ウエハWを膜変性処理ユニット(VOS)15a〜15hで処理する前に、ウエハWにおいてオゾンと水蒸気によるダメージを防止すべき材料部分(以下「保護部」という)に保護膜を形成し、また、膜変性処理ユニット(VOS)15a〜15hにおける処理の終了したウエハWを水洗処理してレジスト膜等を除去する保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dが配置されている。
【0037】
図6は保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12aの概略構造を示す断面図である。保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12aの中央部には環状のカップ(CP)が配置され、カップ(CP)の内側にはスピンチャック71が配置されている。スピンチャック71は真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で駆動モータ72によって回転駆動される。カップ(CP)の底部には保護部に保護膜を形成するための薬液、薬液を洗い流すためのリンス処理に用いる純水を排出するドレイン73が設けられている。
【0038】
駆動モータ72は、ユニット底板74に設けられた開口74aに昇降移動可能に配置され、例えばアルミニウムからなるキャップ状のフランジ部材75を介して例えばエアシリンダからなる昇降駆動機構76および昇降ガイド77と結合されている。駆動モータ72の側面には、例えばSUSからなる筒状の冷却ジャケット78が取り付けられ、フランジ部材75は、この冷却ジャケット78の上半部を覆うように取り付けられている。
【0039】
薬液等をウエハWに供給する際には、フランジ部材75の下端75aは、開口74aの周縁付近でユニット底板74に密着し、これによってユニット内部が密閉される。スピンチャック71とウエハ搬送アーム14aとの間でウエハWの受け渡しが行われるときは、昇降駆動機構76が駆動モータ72およびスピンチャック71を上方へ持ち上げることでフランジ部材75の下端75aがユニット底板74から浮くようになっている。
【0040】
保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12aは、スピンチャック71に保持されたウエハWの表面に保護部に保護膜を形成するための薬液「以下「保護薬液」という)を供給する薬液ノズル81と、ウエハWの表面に純水を供給する純水ノズル(図示せず)と、ウエハWに乾燥ガス(例えば、窒素ガス)を噴射するガスノズル(図示せず)と、を備えている。
【0041】
薬液ノズル81はスキャンアーム82に保持されている。スキャンアーム82は、ユニット底板74の上でX方向に敷設されたガイドレール84上で水平移動可能な垂直支持部材85の上端部に取り付けられており、X軸駆動機構96によって垂直支持部材85と一体的にX方向に移動するようになっている。また、スキャンアーム82はX方向に伸縮自在であり、かつ、Z軸駆動機構97によって上下方向(Z方向)に移動可能となっている。こうして、薬液ノズル81は、ウエハWの上方の所定の位置とカップ(CP)外の所定の位置との間で移動可能である。なお、純水ノズルとガスノズルも、薬液ノズル81と同様に移動可能に構成されている。
【0042】
処理ステーション2の略中央部には、処理ステーション2内においてウエハWを搬送する主ウエハ搬送装置14が設けられている。先に説明した膜変性処理ユニット(VOS)15a〜15dと膜変性処理ユニット(VOS)15e〜15hとは、その境界壁22bについて略対称な構造を有しており、同様に、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a・12bと保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12c・12dとは、境界壁22aについて略対称な構造を有している。これにより主ウエハ搬送装置14を、X方向に移動する機構を必要としない簡単な構造とすることができ、ウエハ搬送アーム14aの膜変性処理ユニット(VOS)15a〜15hや保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dへのアクセスが容易となっている。
【0043】
主ウエハ搬送装置14は、ウエハWを搬送するウエハ搬送アーム14aを有している。主ウエハ搬送装置14はZ軸周りに回転自在である。また、ウエハ搬送アーム14aは水平方向で進退自在であり、かつZ方向に昇降自在である。このような構造により、主ウエハ搬送装置14は、処理ステーション2に設けられた各ユニットにアクセス可能であり、これら各ユニット間でウエハWを搬送することができる。
【0044】
ケミカルステーション5には、処理ガスを調整して膜変性処理ユニット(VOS)15a〜15hに供給する処理ガス供給装置16と、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dで使用する保護薬液を貯蔵/送液する薬液供給装置17と、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dへ純水を供給する純水供給装置18が設けられている。
【0045】
処理ガス供給装置16は、例えば、酸素ガスをオゾン化するオゾン発生器と、オゾンを希釈する窒素ガスおよびレジスト膜等の変性処理後にチャンバ30内をパージするための窒素ガスを供給する窒素ガス供給ラインと、純水を気化させて水蒸気を発生させる水蒸気発生器と、オゾン/窒素混合ガスと水蒸気とを混合させて処理ガスを生成するミキサーと、オゾンと水蒸気によって保護部がダメージを受けることを抑制するダメージ抑制物質をチャンバ30に送る抑制物質供給器と、を有している。
【0046】
オゾン発生装置においては、空気中の酸素をオゾン化することによって、オゾン/窒素混合ガスを生成することもできる。抑制物質供給器は、例えば、ダメージ抑制物質を気化させて、窒素ガスをキャリアとしてダメージ抑制物質の蒸気をチャンバ30に送る。なお、ケミカルステーション5には、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dへの乾燥ガスの供給を制御するガス供給調整装置(図示せず)が設けられている。このガス供給調整装置への乾燥ガスの供給は、例えば、図示しない工場配管等の供給ラインを用いて行われる。
【0047】
次に、このように構成されたダマシン形成システムを用いて、ウエハWに形成された絶縁膜にデュアルダマシン構造の溝配線を形成する方法について説明する。図7はデュアルダマシン構造の溝配線を形成する工程を示すフローチャートであり、図8は溝配線の形成過程における形態変化を示す説明図である。
【0048】
最初に、バリアメタル層61を介して下部配線(銅配線)62が形成されている絶縁膜60を備え、絶縁膜60の表面にストッパー膜(またはエッチストッパー(例えば、SiN膜、SiC膜等))63が形成されているウエハW(ウエハW自体は図示しない)を準備する。このウエハWをCVD装置101に搬入して、そこでストッパー膜63上に絶縁膜65を形成する(ステップ1、図8(a))。
【0049】
次に絶縁膜65が形成されたウエハWを、レジスト塗布/現像装置102に搬入して、そこで、レジスト塗布処理ユニットを用いて絶縁膜65上にレジスト膜66を逐次形成する。次いで、ウエハWを露光装置103に搬送して、そこで所定のパターンで露光処理する。ウエハWをレジスト塗布/現像装置102に戻して、現像処理ユニットにおいてレジスト膜66を現像処理することによって、レジスト膜66に所定の回路パターンを形成する(ステップ2、図8(b))。
【0050】
ウエハWをエッチャー104に搬送して、そこでエッチング処理を行う(ステップ3)。これによりストッパー膜63に達するビアホール65aが絶縁膜65に形成される(図8(c))。このエッチング処理の際に、ストッパー膜63がダメージを受けて、ストッパー膜63に微細なピンホール(図示せず)が生じている場合がある。また、ストッパー膜63の形成過程でピンホールが発生しているおそれもある。そのような状態で、次にレジスト膜66を処理ガスで処理すると、このピンホールを通して下部配線62の銅がオゾンと水蒸気の分子によって酸化され、例えば、生成した酸化銅がビアホール65aに隆起する等の問題を生ずる。
【0051】
そこで、エッチング処理が終了してビアホール65aが形成されたウエハWを次に膜除去装置100に搬送し、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dのいずれかに搬入し、そこで、ストッパー膜63の露出部分(この部分が保護部となる)において、ストッパー膜63に保護膜64を形成する(ステップ4)。
【0052】
ステップ4は具体的には以下のように行われる。最初にエッチング処理が終了したウエハWの収容されたキャリアCが、オペレータによってまたは自動搬送装置によって載置台6に載置される。次いで、キャリアCの蓋体10aとシャッタ10を搬送ステーション3側に退避させることによって窓部9aが開かれる。続いてウエハ搬送ピック7aによって、キャリアCの所定位置にある1枚のウエハWがウエハ載置ユニット(TRS)13bへ搬送される。ウエハ載置ユニット(TRS)13bに載置されたウエハWは、ウエハ搬送アーム14aによって、例えば、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12aに搬入され、そこでスピンチャック71に保持される。
【0053】
スピンチャック71に保持されたウエハWの表面に薬液ノズル81から保護薬液を供給し、所定時間経過後にスピンチャック71を回転させて余分な保護薬液をウエハWから振り切り、さらに純水によるリンス処理とスピン乾燥を行う。これによって、保護部に選択的に保護膜64が形成される(図8(d))。保護膜64を形成するための保護薬液としては、本実施形態の場合には、銅に対して選択的に結合する能力を有するキレート材料や界面活性剤等を含むものが用いられる。キレート材料としては、例えば、脂肪酸等を有するアニオン系の薬液が挙げられ、界面活性剤としては金属との結合性の高い水酸基を有するアルコール系のものが挙げられる。
【0054】
このような保護薬液は銅が存在しない部分には付着し難く、したがって、レジスト膜66や絶縁膜65に付着した保護薬液は、前述の通り、純水によるリンス処理で洗い流すことができる。なお、図8(d)では模式的にストッパー膜63上に保護膜64が形成された状態を示しているが、保護膜64は、下部配線62がビアホール65aに露出しないように、ストッパー膜63に形成されたピンホールを埋めるだけでもよい。
【0055】
保護膜64が形成されたウエハWは、ウエハ搬送アーム14aによって、膜変性処理ユニット(VOS)15a(または15b〜15hのいずれか)に搬入され、そこでオゾンと水蒸気とを含む処理ガスによるレジスト膜66の変性処理が行われる(ステップ5)。
【0056】
このステップ5は、概略、以下のようにして行われる。すなわち、最初にチャンバ30の蓋体41bを下部容器41aの上方に退避させた状態とし、その後に、蓋体41bに設けられた爪部材46のウエハWを保持する部分(水平方向に突出した部分)よりも僅かに高い位置へウエハWが進入するように、ウエハWを保持したウエハ搬送アーム14aを進入させる。次いで、ウエハ搬送アーム14aを下方へ降下させると、ウエハWは爪部材46に受け渡される。
【0057】
ウエハ搬送アーム14aを膜変性処理ユニット(VOS)15aから退避させた後に蓋体41bを降下させて、蓋体41bを下部容器41aに密着させ、さらにロック機構35を動作させて、チャンバ30を密閉状態とする。蓋体41bを降下させる途中で、ウエハWは爪部材46からプロキシミティピン44へ受け渡される。
【0058】
ヒータ45a・45bを発熱させて、ステージ33および蓋体41bを所定の温度に保持する。ここで、蓋体41bの温度をステージ33の温度よりも所定温度高く設定すると、チャンバ30内に処理ガスを供給した際にチャンバ30内における水蒸気の密度が蓋体41b側よりもステージ33側で高くなるために、水蒸気を効率的にウエハWにあてることができる。
【0059】
ステージ33および蓋体41bが所定温度に保持され、かつ、ウエハWの温度分布がほぼ一定となったら、最初に処理ガス供給装置16からオゾン/窒素混合ガスのみをチャンバ30内に供給して、チャンバ30の内部がオゾン/窒素混合ガスでパージされ、かつ、所定の陽圧となるように調節する。その後、オゾン/窒素混合ガスに水蒸気を混合させた処理ガスを、処理ガス供給装置16からチャンバ30内に供給する。この処理ガスによってウエハWに形成されているレジスト膜66とエッチング残渣は、水溶性へと変化する(図8(e))。このように処理ガスは、レジスト膜66やポリマー残渣を変性させるが、下部配線62や絶縁膜65にダメージを与えることはない。
【0060】
ウエハWの処理ガスによる処理が終了したら、処理ガスの供給を停止して、処理ガス供給装置16からチャンバ30内に窒素ガスを供給し、チャンバ30内を窒素ガスでパージする。このパージ処理時には、その後にチャンバ30を開いたときに、排気装置32からオゾン/窒素混合ガスが逆流してオゾン/窒素混合ガスがチャンバ30から排出されないように、排気装置32内からもオゾン/窒素混合ガスを完全に排出する。
【0061】
窒素ガスによるパージ処理が終了した後には、チャンバ30の内圧が外気圧と同じであることを確認する。これは、チャンバ30の内部圧力が大気圧よりも高い状態でチャンバ30を開くと、チャンバ30が損傷するおそれがあるからである。チャンバ30の内圧確認後、ロック機構35による下部容器41aと蓋体41bの締め付けを解除し、蓋体41bを上昇させる。蓋体41bを上昇させる際に、ウエハWは爪部材46に保持されて蓋体41bとともに上昇する。ウエハ搬送アーム14aを下部容器41aと蓋体41bとの隙間に進入させて、ウエハWを爪部材46からウエハ搬送アーム14aに受け渡す。
【0062】
膜変性処理ユニット(VOS)15aにおける処理においては、レジスト膜66やポリマー残渣は水溶性に変化しているが、ウエハWから剥離はしていない。このためウエハWを再び保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dのいずれかに戻し、そこで水洗処理を行って変性したレジスト膜66を除去する(ステップ6、図8(f))。例えば、スピンチャック71に保持されたウエハWの表面に純水を供給してパドルを形成し、所定時間が経過した後にウエハWを回転させてウエハWの表面から純水を振り切り、さらにウエハWを回転させながらウエハWに純水を供給してウエハWから完全に変性したレジスト膜66を除去し、その後にスピン乾燥を行う。その後、ウエハWは、ウエハ載置ユニット(TRS)13aに搬送され、そこからウエハ搬送装置7によってキャリアCの所定の位置に収容される。
【0063】
続いてキャリアCに戻されたウエハWは、レジスト塗布/現像装置102に搬送されて、そこで絶縁膜65の表面に犠牲膜67が形成され、さらに犠牲膜67上にエッチングマスクとなる回路パターンを有するレジスト膜68が形成される(ステップ7、図8(g))。ここで、レジスト膜68には、ビアホール65aの幅よりも広い溝をビアホール65aの上方に形成する。
【0064】
次いで、ウエハWをエッチャー104に搬送し、そこでウエハの表面を、所定時間、エッチング処理する。これによってビアホール65aの上部がより幅の広いトレンチ65bとなる(ステップ8、図8(h))。絶縁膜65の上に犠牲膜67を形成しておくことによって、絶縁膜65においてエッチングされた部分の底面を平坦な形態とすることができる。
【0065】
エッチング処理の終了したウエハWは膜除去装置100に搬送され、そこで先に行ったレジスト膜66の変性処理および除去処理と同様にして、犠牲膜67とレジスト膜68の変性処理(ステップ9)と、それに続く犠牲膜67とレジスト膜68とポリマー残渣の水洗処理による除去が行われる(ステップ10、図8(i))。なお、犠牲膜67はその種類によって、レジスト膜68と同様に水溶性へと変性する場合と、所定の薬液に溶解するように変性する場合とがある。変性した犠牲膜67の処理に薬液が必要な場合には、保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)12a〜12dに、スピンチャック71に保持されるウエハWにこの薬液を供給することができるノズルを設けておけばよい。
【0066】
犠牲膜67が除去されたウエハWをエッチャー104に搬送して、そこで、トレンチ65bの下部の保護膜64とストッパー膜63を除去する(ステップ11、図8(j))。なお、保護膜64は所定の薬液によっても除去してもよい。その後は、ビアホール65aとトレンチ65bの内壁にCVD法等によりバリアメタル層を形成し、次いでCVD法等を用いてメッキシード層を形成し、さらにCVD法等を用いてビアホール65aとトレンチ65bに銅等の導電性材料を埋め込み、CMP法等による平坦化処理を行えば、下部配線62とビアホール65aとが導通したプラグを形成することができる(ステップ12)。このステップ12は、先に図11(e)から図11(f)に示した工程と同様であるので図示を省略する。
【0067】
次に、ウエハWに形成された絶縁膜にデュアルダマシン構造の溝配線を形成する別の方法について説明する。図9はデュアルダマシン構造の溝配線を形成する別の工程を示すフローチャートである。図9に示される処理フローにおいて、ステップ1〜4は、先に説明した図7に示す処理フローと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0068】
次に、保護膜64が形成されたウエハWに対してレジスト膜66の変性処理を膜変性処理ユニット(VOS)15a(または15b〜15hのいずれか)において行うが、このときに、チャンバ30にオゾンと水蒸気とを含む処理ガスを供給すると同時に、オゾンと水蒸気によって保護部がダメージを受けることを抑制するダメージ抑制物質を抑制物質供給器からチャンバ30に送る。つまり、保護部のダメージを抑制しながら、レジスト膜66に対して変性処理を行う(ステップ5A)。このステップ5Aの処理条件は、先に説明したステップ5と同様である。ダメージ抑制物質としては、例えば、保護膜64の成分であるキレート材料や界面活性剤が挙げられる。チャンバ30にダメージ抑制物質を供給するための専用の供給管を設けてもよいし、ダメージ抑制物質は処理ガスとともにチャンバ30に供給されてもよい。
【0069】
このようなステップ5Aの処理を行う場合には、ダメージ抑制物質は選択的に保護部を覆うような膜を形成するために、保護膜64を形成するステップ4の処理を省略することができる(図9参照)。保護部の安全を確保するためには、ステップ5Aの処理前にステップ4の処理を行っておくことが好ましい。ステップ5Aの処理が終了したら、その後は先に説明したステップ6〜12にしたがってウエハWを処理すればよい。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、保護膜の形成やダメージ抑制物質が添加された処理ガスによる基板の処理は、ゲート電極をレジスト膜でマスクした後に所定領域に基板のイオン注入を行い、その後にレジスト膜を除去する工程にも利用することができる。図10はその概略工程図である。
【0071】
最初に、図10(a)に示すように、公知のプロセスによってシリコン膜52上にTiN等からなるバリア膜53を介してタングステン電極54を形成する。次にシリコン膜52にイオン注入すべき領域が露出するように、所定回路パターンを有するレジスト膜55を形成する(図10(b))。続いて所定のイオン(例えば、リン(P)やホウ素(B))によるイオン注入処理を行い、シリコン膜52にイオン注入層52aを形成する(図10(c))。次に、タングステン電極54の露出面に保護膜56aを形成し(図10(d))、その後にレジスト膜55を処理ガスで処理して変性させ、さらに水洗処理してレジスト膜55を除去し、続いて保護膜56aを所定の薬液によって除去する(図10(e))。こうして、処理ガスの分子によるタングステン電極54の酸化を防止することができる。なお、保護膜56aはイオン注入処理の前に形成してもよい。
【0072】
次にこのような処理工程と同じようにして、先にレジスト膜55に覆われていた部分が露出し、かつ、イオン注入された部分とタングステン電極54が覆われるようにレジスト膜57を形成して、例えば、別種のイオンによるイオン注入を行ってイオン注入層52bを形成する(図10(f))。続いて、タングステン電極54の側面に保護膜56bを形成し、その後にレジスト膜57を処理ガスで処理して変性させ、さらに水洗処理してレジスト膜57を除去し、さらに保護膜56bを除去する(図10(g))。このような一連の処理において、処理ガスにはダメージ抑制物質を添加してもよいし、保護膜56a・56bを形成することなく、ダメージ抑制物質が添加された処理ガスでレジスト膜55・57を処理してもよい。
【0073】
上記説明においてはレジスト膜の変性処理の際に処理ガスの分子から保護部を保護する場合について説明したが、レジスト膜の除去方法として各種のプラズマ処理や薬液処理を利用した場合にも、保護部に保護膜を形成することにより、有効に保護部を保護することができる。保護膜は処理雰囲気(プラズマ雰囲気や所定のガス雰囲気等)によるダメージを受けやすい金属材料に好適に成膜されるが、アルミナ等の金属材料以外の材料であっても、処理雰囲気によってダメージを受けやすい部分に選択的に形成することができる。
【0074】
また、上記説明においては、膜除去装置100としてウエハWを1枚ずつ処理する装置(所謂、枚葉式処理装置)を示したが、レジスト膜の変性処理や、ウエハWの水洗処理、保護部(処理雰囲気によるダメージを防止すべき材料部分)への保護膜の形成処理は、一度に複数(例えば、25枚)のウエハWを処理する装置(所謂、バッチ式処理装置)を用いて行うこともできる。
【0075】
上記説明においては、基板として半導体ウエハを例示したが、基板はこれに限定されず、液晶表示装置(LCD)に使用されるガラス基板であってもよい。処理ガスには、オゾンと水蒸気以外の成分、例えば、過酸化水素等をガスとして含有させることもできる。
【0076】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、基板からレジスト膜を除去する際の処理ガスやプラズマ等の処理雰囲気によって基板に設けられた金属配線部分等がダメージを受けることが防止される。これによって信頼性の高い、高品質な製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウエハ処理システムの概略構成を示す説明図。
【図2】膜除去装置の概略平面図。
【図3】膜除去装置の概略正面図。
【図4】膜除去装置の概略背面図。
【図5】膜除去装置に備えられた膜変性処理ユニット(VOS)の概略断面図。
【図6】膜除去装置に備えられた保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)の概略断面図。
【図7】レジスト膜の除去工程を示すフローチャート。
【図8】レジスト膜の除去工程におけるウエハの形態変化を模式的に示す説明図。
【図9】レジスト膜の別の除去工程を示すフローチャート。
【図10】ゲート電極回りへのイオン注入処理からレジスト膜除去処理に至る一連の工程の一例を模式的に示す説明図。
【図11】従来のデュアルダマシン構造の形成フローを模式的に示す説明図。
【符号の説明】
2;処理ステーション
3;搬送ステーション
4;キャリアステーション
12a〜12d;保護膜塗布/洗浄処理ユニット(P/C・U)
15a〜15h;膜変性処理ユニット(VOS)
60;絶縁膜
61;バリアメタル層
62;下部配線(銅配線)
63;ストッパー膜
64;保護膜
65;絶縁膜
65a;ビアホール
65b;トレンチ
66;レジスト膜
67;犠牲膜
71;スピンチャック
100;膜除去装置
104;エッチャー
W;ウエハ(基板)
Claims (5)
- 所定の配線パターンが形成された基板から残存するレジスト膜をオゾンと水蒸気を含む処理ガスによって変性させて除去する基板処理方法であって、
前記基板に形成された、前記処理ガスによりダメージを受ける材料部に前記処理ガスに対して耐性を有する保護膜を選択的に形成する工程と、
前記基板に前記処理ガスを供給して、前記材料部のダメージを抑制しながら前記レジスト膜を変性させる工程と、
前記処理ガスによって処理された基板を純水で処理することにより変性したレジスト膜を前記基板から除去する工程と、
を有し、
前記材料部は金属材料を有し、前記保護膜は、前記材料部に対して選択的に結合するキレート剤または界面活性剤を有することを特徴とする基板処理方法。 - 前記基板を前記処理ガスで処理する工程において、
前記材料部へのダメージを抑制する物質を前記処理ガスとともに前記基板に供給することを特徴とする請求項1に記載の基板処理方法。 - 前記材料部は、金属材料からなる配線要素と、前記配線要素の表面に設けられたバリア膜とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理方法。
- 前記金属材料は銅またはタングステンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
- 前記キレート剤は脂肪酸等を有するアニオン系の薬液であり、前記界面活性剤は前記金属との結合性が高い水酸基を有するアルコール系界面活性剤であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
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