JP4318533B2 - ボールバンプ形成用リボン - Google Patents
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Description
しかしながら、このような方法では、引きちぎられてバンプ電極の直上に残る細線の破断長さのバラツキが大きいため、バンプ電極と実装用パッドとを電気的に接続させる際に全体を均一に加圧することができなくなり、多数のバンプ電極の一部に接合不良が発生しやすいという欠点があった。逆にボール直上部で切断されやすいように、切断しやすい元素を多く添加していくと、熱エネルギーで形成したボールが硬くなり、ICチップの電極パッド上に加熱圧着した時に電極部にクラックが入ってしまうという欠点があった。
(a)ボールバンプ形成用リボンであって、長手方向と直交する方向の切断面における長辺の長さと短辺の長さとの比が
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
であり、リボンの材質が、純度99.99質量%以上の高純度の金であって、残りの0.01質量%以下の元素のなかにCa、Be、Y又は希土類元素のうち少なくとも1種を3〜50ppm含有することを特徴とするボールバンプ形成用リボン。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
であることから、該リボンを用いた本発明のボールバンプ形成方法において、リボン細線の場合は、引張り時の破壊現象が平板の脆性破壊によって斜めに切断されるため丸線の延性破壊よりもテイルが短くなり、かつ、形状効果によって丸線の場合よりも熱影響部のバラツキが抑えられるため、バンプ電極の直上に残る細線の破断長さのバラツキを小さくすることができる。このバラツキの抑制効果は溶融ボールの硬い材料のほうが柔らかい材料よりも向上する。バラツキの抑制効果が高いものとして好ましいのは、該リボンの材質が、純度99.99質量%以上の高純度の金であって残りの0.01質量%未満のなかに特にCa、Be、Y又は希土類元素のうち少なくとも1種を3〜50ppm含有するものである。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
であることを特徴とする。ここで、(短辺の長さ)/(長辺の長さ)の比を0.09以上とするのは、この数値未満ではリボンが薄くなりすぎてキャピラリーから送り出すことができなくなるからである。また、(短辺の長さ)/(長辺の長さ)の比を0.8以下とするのは、この数値を越えると短辺と長辺との差がなくなり、バンプ電極の直上に残る細線の破断長さのバラツキが大きくなるためである。ここで、該リボンの厚みは、リボンの取扱いやすさの観点から、4〜60μmが好ましいが、単位面積あたりのバンプ電極の密度をできるだけ増やしたいという多ピン化の要請から、4〜25μmがより好ましい。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
の平角状に圧延することを特徴とする。両角がなだらかな平角リボンを簡単に製造できるようにするためである。この平角リボンは両角がないため、キャピラリーに引っかからずにスムーズにこの平角リボンを送り出すことができる。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
の異形のダイヤモンドダイスにて伸線加工を行うことを特徴とする。圧延工程を増やさずに均一な形状のリボンを製造することができるためである。なお、必要に応じて約150〜600℃程度の温度で最終熱処理を施してもよい。この熱処理によってリボンの材質が均質化されるからである。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
のリボンを用いることを特徴とする。ここで、(短辺の長さ)/(長辺の長さ)の比を0.09以上とするのは、バンプの切断時に平板の脆性破壊と放熱面積の増大を利用するためで、この数値未満ではリボンが薄くなりすぎてキャピラリーから送り出すことができなくなるからである。また、(短辺の長さ)/(長辺の長さ)の比を0.8以下とするのは、この数値を越えると短辺と長辺との差がなくなり、切断時に丸線の延性破壊となる結果、バンプ電極の直上に残る細線の破断長さのバラツキが大きくなるためである。
例えば、ワイヤボンディングで用いられる高速自動ボンダーを使用して、窒素の不活性な雰囲気や大気中でボールボンディング法によってバンプを形成することができる。即ち、図1(a)に示すように、キャピラリー7に前記本発明のボールバンプ形成用リボン8を挿通し、電気トーチロッド(図示せず)によってリボン8との間に高電圧を印加し、この電気スパークによってキャピラリー7から突出しているリボン8の先端に溶融ボール9を形成する。次に図1(b)に示すように、クランパ(図示せず)を開いてキャピラリー7を半導体チップ上のAl電極3の所定の位置へ下降させ、溶融ボール9がAl電極3上にキャピラリー7の先端面によって押接され、溶融ボール9がAl電極3上でほぼ半球形状に形成される。その後、図1(c)に示すように、クランパ(図示せず)を閉じてリボン8を把持したままキャピラリー7をボールの上方へ上昇させる。このキャピラリー7の上昇とともにAl電極3へ固定されたボールに対してリボン8が引張られるため、リボン8は図1(d)に示すようにひきちぎられる。これにより、Al電極3に固定されて残ったボールによって尖状のバンプ10が形成された状態になる。また、このバンプ10の高さ(全高)はAl電極3の上面から尖状部の頂点までの範囲となる。また、このバンプ10のテイル長さはキャピラリー7との押接面から尖状部の頂点までの範囲となる。換言すれば、バンプ10の高さはテイル長さとバンプ厚さとの和である。線材のひきちぎりによる尖状バンプの形成方法は、最も簡単な方法であるものの線材にとって最も過酷なバンプの形成方法である。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
のリボンを用いることを特徴とする。ここで、(短辺の長さ)/(長辺の長さ)の比を0.09以上で0.8以下のものを用いるのは、バンプ電極の直上に残る細線の破断長さのバラツキが小さいため別の金属面を圧接する作業が容易になるからである。
先ず、前記ボールバンプ形成方法により、複数のバンプ電極105をAl電極106上に形成させた半導体素子103を得る。該バンプ電極105は尖状のテイル104を有している。一方、バンプ電極が実装されるパッドの製造方法は、両面プリント配線基板を例にとると次のように製造される。ガラス・エポキシ樹脂からなるCu張積層板101の所望箇所をドリルで孔あけし、その孔を無電解・電解Cuめっきして表裏面のCu箔の導通をとる。次いでNiめっきしたあとAuめっきのパターンめっきを施し、実装用パッド109(底面108を有している。)を形成して回路基板が製造される。
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
であれば、断面形状が平角状のものと同じように、引張ると平板の脆性破壊現象によって斜めに切断される。よって、バンプ電極の真上に残る細線の破断長さのバラツキを小さくすることができる。
高純度の金または高純度のPdに添加元素を所定量だけ添加し、真空溶解炉で溶解鋳造し、表1左欄に示す実施例1〜5の組成のインゴットを得た。ここで、高純度の金としては純度99.999質量%のものを用い、高純度のPdとしては純度99.99質量%のものを用いた。このインゴットを溝ロール加工し、次いで伸線機を用いて冷間加工および必要に応じ約500℃で中間熱処理を施し、最終線径が25μmのところで約300℃で最終熱処理によってカールをとった。この細線を圧延しないもの、並びに20m/分の速度で20、15、9および6μmの厚さになるようにリボン状に5種類を圧延した。
これらリボンの長手方向と直交する方向の切断面における長辺の長さと短辺の長さとの比[(短辺の長さ)/(長辺の長さ)]はそれぞれ、厚さ20μmのものは0.8、厚さ15μmのものは0.5、厚さ9μmのものは0.2、厚6μmのものは0.1であった。
Auメッキ配線がされたガラスエポキシ樹脂のプリント基板を用意し、前記実施例1〜5のバンプに対応する位置に直径60μmの高純度のAuボール(純度99.99%以上)を接合した。このプリント基板にICチップのバンプを重ね合わせ、1バンプ当たり加圧力35g、超音波0.3W、温度250℃で押圧し、エポキシ樹脂を封入しない状態で半導体装置の接合の強弱を調べた。その測定結果を表1右欄に示す。接合の良好なものの断面構造は、ひきちぎられたバンプの尖状テイルがくさびのようになって、対向するAuボールに埋め込まれていることがわかった。
実施例1〜5で用いた、リボン状に圧延する前の丸い細線(ワイヤ)を用いて比較例1〜5とし、実施例1〜5と同様にしてバンプを各々50個ずつ作成し、バンプ長さとボールが潰れた外観の検査を行った。これらの測定結果を表1中欄に示す。また、実施例6〜10と同様にして半導体装置の接合の強弱を調べた。その測定結果を表1右欄に示す。さらに、比較例11及び12として、実施例1および実施例5の成分組成の材料を実施例1および実施例5と同一の条件でそれぞれ23μm([「(短辺の長さ)/(長辺の長さ)」は0.9]および2μm([「(短辺の長さ/長辺の長さ)」は0.08)の厚さになるように圧延した。これらの測定結果も表1中・右欄に示す。半導体装置の接合では、20個中に必ずテイル長さが極端に長いバンプがあるため、そのテイルが回路基板と押圧時に折れ曲がる。折れ曲がったテイルは隣接するバンプへ接触することがあり、その場合ショートし、半導体装置が不良品となる。
測定装置:DAGE社製の万能ボンドテスター(BT-2400)
○:35g以上
△:20g以上35g未満
×:20g未満
また、バンプ高さの判定は、最大値と最小値の差が50μm以下のものを良品として判定し、50μmを超えるものを不良品とした。
実施例11及び比較例13として、実施例3の金線リボンと比較例3の金線パンプを各々20個作成したときにおける各バンプ高さの値を表2に、そのときのバラツキのグラフを図3に示す。ここで、横軸の「バンプNo.」はバンプ高さの低いものから高いものへ順に並べたときの番号を示し、グラフの黒丸(●)が実施例11のリボンバンプを、黒四角(■)が比較例13の丸線バンプをそれぞれ表す。
図3のグラフの対比から明らかなとおり、本発明の実施例11のリボンバンプは比較例13の丸線バンプに比べて、バンプ高さの最大値と最小値との差が小さく高密度実装可能な多ピン化に向いていることが明らかである。
図4及び図5の外観模式図から判読できるように、本発明の実施例11のリボンバンプは従来の比較例13の丸線バンプに比べてテイルが短いので、そのテイルが回路基板との押圧時に折れ曲がって隣接するバンプへ接触する危険性がないことが明らかである。
2 Si層
3 Al電極パッド
4 保護層
7 キャピラリー
8 リボン
9 ボール
10 バンプ
101 Cu張積層板
102 内層回路
103 半導体素子
104 テイル
105 バンプ電極
106 電極
107 封止樹脂
108 底面
109 実装用パッド
Claims (1)
- ボールバンプ形成用リボンであって、長手方向と直交する方向の切断面における長辺の長さと短辺の長さとの比が
0.09≦(短辺の長さ)/(長辺の長さ)≦0.8
であり、リボンの材質が、純度99.99質量%以上の高純度の金であって、残りの0.01質量%以下の元素のなかにCa、Be、Y又は希土類元素のうち少なくとも1種を3〜50ppm含有することを特徴とするボールバンプ形成用リボン。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003385517A JP4318533B2 (ja) | 2003-11-14 | 2003-11-14 | ボールバンプ形成用リボン |
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2003
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