JP4317049B2 - ハロゲン化芳香族アミンの製造法 - Google Patents

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本発明は、医農薬中間体あるいは染料・顔料中間体として有用なハロゲン化芳香族アミンの製造方法に関する。
ハロゲン化芳香族アミンの製造法として、水素化触媒存在下、対応する芳香族ハロニトロ化合物を接触水素化する方法が知られている。副反応である脱ハロゲン化反応を抑制することが重要な課題であり、脱ハロゲン化反応を抑制する方法として様々な方法が提案されている。
白金、パラジウムあるいはラネーニッケル等の水素化触媒に対して、種々の脱ハロゲン化抑制剤を添加する方法が検討されている。脱ハロゲン化抑制剤として、アンモニアあるいはアミン系化合物を添加する方法(特許文献1)、アミドを添加する方法(特許文献2)、硫黄化合物を添加する方法(特許文献3)、燐系化合物を添加する方法(特許文献4)等が知られている。これらの方法は、添加剤の添加方法あるいは添加剤の回収が煩雑であったり、添加剤の回収が困難である場合には廃棄物が生成することや、製品への添加剤の混入の問題を有する。また、硫黄被毒した触媒では、ハロゲン化芳香族アミンの選択率は高いが、ニトロ基の水素化速度が低いという問題がある。
この他の方法として、貴金属触媒を異種金属で修飾する方法が知られている。白金触媒を、例えば銅やバナジウムで修飾する方法があるが、硫黄被毒品に比べて活性は高いが脱ハロゲンの抑制効果が不十分である。異種金属で修飾したイリジウム触媒も用いられているが、脱ハロゲン化反応の抑制効果は高いが、水素化活性が低いという問題がある(非特許文献1)。
以上のことから、ハロゲン化芳香族アミンの高収率、高選択性を維持しながら、簡便な操作で高生産性を有するハロゲン化芳香族アミン製造法の確立が望まれている。
特公昭52-035652号公報 特公昭55-016415号公報 特公昭58-014423号公報 特公昭63-033902号公報 JETI Vol46,No.10(1998)63
本発明は、従来のハロゲン化芳香族アミン化合物の製造法に前記問題点があることに鑑み、ハロゲン化芳香族アミンを高収率、高選択率で生産可能であり、かつ簡便な操作で高い生産性を有する、より改善された工業的に有利なハロゲン化芳香族アミンの製造法を提供することにある。
本発明者らは、水素化触媒存在下、芳香族ハロニトロ化合物の接触水素化反応を行う際に、二酸化炭素を共存させるという簡便な方法で、副反応である脱ハロゲン化反応が大きく抑制され、ニトロ基の還元速度が向上することを見出した。
すなわち、本発明の方法は、二酸化炭素存在下、下記一般式(1)で表される芳香族ハロニトロ化合物を、担体を用いない酸化白金あるいは担体に担持された白金または酸化白金からなる白金系触媒により接触水素化するハロゲン化芳香族アミンの製造方法である
一般式(1)
Figure 0004317049
(式中、Rは水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は置換基またはハロゲン原子を有していてもよく、前記置換基はヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基である。Xはハロゲン原子を表し、r、s及びtは互いに独立して1ないし3の整数を示し、r+s+tは6に等しいかまたはそれ未満である。)
本発明の芳香族ハロニトロ化合物の接触水素化方法により、目的物への添加剤の混入、添加剤の回収若しくは廃棄等の問題を生じることなく副反応である脱ハロゲン化反応を抑制することができ、簡便かつ高収率・高選択率でハロゲン化芳香族アミンを製造することができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
一般式(1)で表わされる化合物のRは、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
アルキル基としては、直鎖、分岐または環状の炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖または分岐の炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
アリール基およびアロイル基のアリール部分としては、炭素数6〜18のアリール基(部分)が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アシル基としては、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基が好ましく、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は置換基またはハロゲン原子を有していてもよく、置換基はヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基である。置換数、置換位置は特に指定はない。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は前記のものが例示される。
Xのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
r、s及びtは、互いに独立して1ないし3の整数を示し、ここでr+s+tは6に等しいかまたはそれ未満である。
好ましい芳香族ハロニトロ化合物の例として、ο-,m-またはρ-クロロニトロベンゼン、ο-,m-またはρ-ブロモニトロベンゼン、ο-,m-またはρ-フルオロニトロベンゼン、2-クロロ-4-ニトロトルエン、2-ブロモ-4-ニトロトルエン、4-クロロ-2-ニトロトルエン、4-ブロモ-2-ニトロトルエン、6-クロロ-2-ニトロトルエン、3-クロロ-4-ニトロエチルベンゼン、2,5-、2,3-、2,4-、3,4-または3,5-ジクロロニトロベンゼン、3,4-または2,4-ジブロモニトロベンゼン、4-クロロ-6-ニトロメタキシレン、3-クロロ-4-ニトロブチルベンゼン、3-クロロ-4-フルオロニトロベンゼン、2-フルオロ-4-クロロニトロベンゼン、2,4-ジフルオロニトロベンゼン、2,4,5-、2,3,5-または2,4,6-トリクロロニトロベンゼンが挙げられる。
反応温度は、溶媒を用いる場合は、0〜200℃が好ましく、40〜100℃が特に好ましい。無溶媒で反応を行う場合は、反応基質の融点〜200℃が好ましく、反応基質の融点〜100℃がより好ましい。
反応基質である芳香族ハロニトロ化合物が反応温度で液体であるならば、反応は無溶媒で行うことができる。環境的には無溶媒で反応を行うことが好ましいが、反応溶媒を用いることも可能である。反応溶媒は、反応基質が溶解する溶媒で、反応条件で安定であれば何れも使用することが可能である。反応溶媒として、水、アルコール類、エーテル類、カルボン酸エステル類、カルボン酸類、ケトン類、炭化水素類、塩素化炭化水素類、非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
アルコール類としては、炭素数1〜6のアルコールが挙げられる。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
カルボン酸エステル類としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
カルボン酸類としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
炭化水素類としては、ヘキサン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
塩素化炭化水素類としては、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。
これらの溶媒は単独でまたは少なくとも2種類の溶媒の混合物として用いることができる。
反応液中の反応基質の濃度が0.1〜90質量%、好ましくは5〜50質量%となるように反応溶媒を添加することができる。
二酸化炭素圧力は0.1〜30MPaが好ましく、3〜15MPaが特に好ましい。
水素は、反応で消費された水素を連続的に供給することも可能であるし、反応開始前に必要量以上の水素を仕込んでおき、反応中に水素の供給を行わない方法でも実施可能である。
水素圧力は、0.1から20MPaが好ましく、1〜8MPaが特に好ましい
水素化触媒としては白金系触媒を用いるが、特に白金系触媒として、担体を用いない酸化白金、あるいはカーボン、アルミナ等の担体に適度に担持された白金あるいは酸化白金を使用する
適度に担持された白金あるいは酸化白金とは、担体に対する活性成分の担持量が0.5から30質量%、好ましくは1から15質量%の触媒である。
これらの触媒の中で、カーボンに担持された白金触媒が好ましい。
触媒の使用量は、反応基質に対して0.01から30質量%、より好ましくは0.05から10質量%である。
反応後は、二酸化炭素を脱圧後、触媒をろ過し常法に従い精製することによりハロゲン化芳香族アミンを得ることができる。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
SUS製50mlのバッチ式オートクレーブに、ο-クロロニトロベンゼン1.58g(0.01mol)と5質量%Pt/C触媒0.002gを仕込み、二酸化炭素圧力9.8MPa、水素圧力2.2MPa下、90℃で45分反応を行った。反応終了後、ろ過により触媒を除去し、メタノールで触媒を洗浄した。炭酸水素ナトリウムを添加して10分攪拌後、炭酸水素ナトリウムをろ過により除去し、副生したアニリン塩酸塩をアニリンにした。ろ液のGC分析を行ったところ、ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は94.3mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は3.4mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
GC分析条件を以下に記述した。カラムはAgilent Technologies Inc.製HP-50+(内径0.25mm、膜厚0.25μm、長さ30m)を用い、キャリアガスとしてHeガスを1ml/分の速度で流した。カラム温度は50℃で5分保持した後、10℃/分の速度で270℃まで昇温し、270℃で13分保持した。デカンを内部標準物質とした内部標準法で定量した。
(比較例1)
二酸化炭素を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、実験を行った。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は86.0mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は10.4mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
反応温度を40℃にすること及び反応時間を100分にすること以外は実施例1と同様にして、実験を行った。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は97.8mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は1.0mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
(比較例2)
二酸化炭素を添加しないこと以外は実施例2と同様にして、実験を行った。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は92.7%であり、ο-クロロアニリンの収率は81.7mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は3.5mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
(比較例3)
反応時間を150分にする以外は比較例2と同様にして、実験を行った。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は90.7mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は4.7mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
二酸化炭素圧力を4.9MPaにすること及び反応時間を100分にすること以外は実施例1と同様にして実験を行った。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は94.1mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は2.6mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
SUS製50mlのバッチ式オートクレーブに、ο-クロロニトロベンゼン1.58g(0.01mol)と1質量%Pt/C触媒0.01gを仕込み、二酸化炭素圧力9.8MPa、水素圧力2.2MPa下、90℃で反応を行った。反応が完結するまでに25分を要した。反応液から、ろ過により触媒を除去し、メタノールで触媒を洗浄した。炭酸水素ナトリウムを添加して10分攪拌後、炭酸水素ナトリウムをろ過により除去し、副生したアニリン塩酸塩をアニリンにした。ろ液のGC分析を行ったところ、ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は94.6mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は2.5mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
(比較例4)
二酸化炭素を添加しないこと以外は実施例4と同様にして、実験を行った。反応が完結するまでに45分を要した。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は73.6mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は19.7mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
SUS製50mlのバッチ式オートクレーブに、ο-クロロニトロベンゼン0.79g(0.005mol)と1質量%Pt/C触媒0.002gを仕込み、二酸化炭素圧力9.8MPa、水素圧力1.1MPa下、40℃で反応を行った。反応が完結するまでに150分を要した。反応液から、ろ過により触媒を除去し、メタノールで触媒を洗浄した。炭酸水素ナトリウムを添加して10分攪拌後、炭酸水素ナトリウムをろ過により除去し、副生したアニリン塩酸塩をアニリンにした。ろ液のGC分析を行ったところ、ο-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ο-クロロアニリンの収率は99.7mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は0.3mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
(比較例5)
二酸化炭素を添加しないこと以外は実施例5と同様にして、実験を行った。反応を150分で停止した。ο-クロロニトロベンゼンの転化率は85.7%であり、ο-クロロアニリンの収率は69.5mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は1.1mol%(仕込みο-クロロニトロベンゼン基準)であった。
ρ-クロロニトロベンゼンを仕込むこと以外は実施例5と同様にして、実験を行った。反応が完結するまでに150分を要した。ρ-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ρ-クロロアニリンの収率は99.7mol%(仕込みρ-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は0.1mol%(仕込みρ-クロロニトロベンゼン基準)であった。
(比較例6)
二酸化炭素を添加しないこと及び反応温度を90℃にすること以外は実施例6と同様にして、実験を行った。反応が完結するまでに60分を要した。ρ-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、ρ-クロロアニリンの収率は89.4mol%(仕込みρ-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は7.7mol%(仕込みρ-クロロニトロベンゼン基準)であった。
2,5-ジクロロニトロベンゼン0.96g(5mmol)を仕込むこと及び反応温度を60℃にすること以外は実施例5と同様にして、実験を行った。反応が完結するまでに100分を要した。2,5-ジクロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、2,5-ジクロロアニリンの収率は99.4mol%(仕込み2,5-ジクロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるm-クロロアニリンの収率は0.2mol%(仕込み2,5-ジクロロニトロベンゼン基準)であり、アニリン及びο-クロロアニリンは検出されなかった。
(比較例7)
二酸化炭素を添加しないこと以外は実施例7と同様にして、実験を行った。反応が完結するまでに220分を要した。2,5-ジクロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、2,5-ジクロロアニリンの収率は98.2mol%(仕込み2,5-ジクロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は0.3mol%(仕込み2,5-ジクロロニトロベンゼン基準)、ο-クロロアニリンの収率は0.2mol%(仕込み2,5-ジクロロニトロベンゼン基準)、m-クロロアニリンの収率は0.9mol%(仕込み2,5-ジクロロニトロベンゼン基準)であった。
m-クロロニトロベンゼンを仕込むこと以外は実施例5と同様にして、実験を行った。m-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、m-クロロアニリンの収率は99.8mol%(仕込みm-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は0.2mol%(仕込みm-クロロニトロベンゼン基準)であった。
m-クロロニトロベンゼン及びm-クロロアニリンのGC分析条件を以下に記述した。カラムはJ&W Scientific製 DB-1701(内径0.32mm、膜厚1μm、長さ30m)を用い、キャリアガスとしてHeガスを1ml/分の速度で流した。カラム温度は50℃で5分保持した後、10℃/分の速度で270℃まで昇温し、270℃で13分保持した。デカンを内部標準物質とした内部標準法で定量した。
(比較例8)
二酸化炭素を添加しないこと及び反応温度を50℃にすること以外は実施例8と同様にして、実験を行った。反応が完結するまでに220分を要した。m-クロロニトロベンゼンの転化率は100%であり、m-クロロアニリンの収率は97.9mol%(仕込みm-クロロニトロベンゼン基準)であった。副生物であるアニリンの収率は0.4mol%(仕込みm-クロロニトロベンゼン基準)であった。
本発明の方法は、医農薬中間体、染料・顔料中間体等として有用なハロゲン化芳香族アミンの製造に利用することができる。

Claims (3)

  1. 二酸化炭素存在下、下記一般式(1)で表される芳香族ハロニトロ化合物を、担体を用いない酸化白金あるいは担体に担持された白金または酸化白金からなる白金系触媒により接触水素化するハロゲン化芳香族アミンの製造方法。
    一般式(1)
    Figure 0004317049
    (式中、Rは水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基を表し、前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は置換基またはハロゲン原子を有していてもよく、前記置換基はヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基である。Xはハロゲン原子を表し、r、s及びtは互いに独立して1ないし3の整数を示し、r+s+tは6に等しいかまたはそれ未満である。)
  2. 二酸化炭素の圧力が0.1MPa〜30MPaである請求項1記載の方法。
  3. 白金系触媒の担体が、カーボンまたはアルミナからなる請求項1または2記載の方法。
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