JP2022075375A - 光学活性アミン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、基質の適用範囲が広く、かつ反応操作性に優れた光学活性第一級および第二級アミン化合物の実用的な製造方法を提供することである。【解決手段】特定のアミノアルコールをアミン源とした有機イリジウム錯体触媒によるカルボニル化合物のジアステレオ選択的またはエナンチオ選択的還元的アミノ化反応と、酸化的な脱保護反応を組み合わせることによる光学活性第一級および第二級アミン化合物の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、光学活性第一級および第二級アミン化合物の実用性に優れた製造方法に関する。
光学活性アミン化合物の製法として、ラセミ体のアミン化合物を光学活性な分割剤を用いて光学分割する方法が知られている。しかしながら、この方法では、不要な他方の光学異性体を半分廃棄することになるといった問題点があった。天然の光学活性化合物を原料として目的の光学活性アミン化合物へと誘導する方法も知られているが、目的の構造によっては原料を入手することが困難であることも多い。
イミン化合物またはエナミン化合物を不斉還元して光学活性アミン化合物を得る手法も数多く報告されている。しかしながら、事前にイミン化合物またはエナミン化合物を調製する手間がかかる上、その不斉収率は基質の構造に大きく依存し、高い不斉収率で反応を実施できる基質は限られていた。例えば特許文献1には光学活性なルテニウム触媒存在下、イミン化合物を不斉水素化して光学活性アミン化合物を製造する方法が報告されている。しかしながら反応はイミン炭素の隣に芳香環をもつ基質に限られている。
カルボニル化合物とアミン源との反応により一段階で光学活性アミン化合物を得る不斉還元的アミノ化反応は簡便な手法であるものの、不斉収率が基質構造に大きく依存する点は変わらず、対応できない構造が多く残されている。また、光学活性な触媒を用いる触媒的不斉還元的アミノ化反応では、効率的な手法は殆ど知られていない。例えば特許文献2には、光学活性なイリジウム触媒存在下、ギ酸アンモニウムとアセトフェノンとの不斉還元的アミノ化反応が報告されているものの、その光学純度は最高でも26%eeでしかなかった。
光学活性なアミンを不斉補助基かつアミン源として用いたジアステレオ選択的還元的アミノ化反応は、より広範な基質を高い立体選択性で光学活性アミン化合物へと変換することができる。非特許文献1には、光学活性1-フェニルエチルアミンを不斉補助基として用い、Ti(Oi-Pr)4やYb(OAc)3などのルイス酸共存下、Raney Ni、パラジウム炭素、または白金炭素などの固体触媒を用いて、水素化条件で高ジアステレオ選択的な還元的アミノ化反応を行ない、不斉補助基を脱保護して光学活性アミン化合物を得る方法が報告されている。また、同文献には光学活性なtert-ブチルスルフィンアミドを不斉補助基かつアミン源として用い、Ti(OEt)4存在下、反応温度-48℃ にてDIBAL、またはL-Selectrideを用いて高ジアステレオ選択的に還元的アミノ化反応を行なう方法も報告されている。しかしながら、前者の方法は基質と等モル以上のルイス酸を必要とし、且つ固体触媒の使用量も多い。また反応と脱保護の両方を水素化条件にて実施しており、耐圧釜など特殊な反応容器が必要である。更には、生成したアミン化合物からの脱保護の際に、不斉補助基由来のフェニルエチル基だけでなく、基質カルボニル化合物由来の置換基が脱離する場合もあり、基質適用範囲を狭めることに繋がっている。後者の反応では、-48℃という極低温条件を必要とする上、基質に対して2当量のルイス酸、および不斉補助基として高価なアミンを使用している。これらのことから、両手法共に、反応操作性、安全性、および経済性の面から、工業的に実用的な製造方法とは言えない。
特許文献3には、光学活性1-フェニルエチルアミンを不斉補助基かつアミン源に、光学活性なイリジウム錯体を触媒として用い、ギ酸を水素源とするジアステレオ選択的な還元的アミノ化反応により光学活性なアミン化合物を合成する方法が報告されている。実用的な反応ではあるものの、高い立体選択性が得られるのは一部の基質に限られており、例えばβ-テトラロンを基質とした反応では最高でも40%deでしか目的物が得られていない。更に、不斉補助基の脱保護をパラジウム炭素による水素化により実施しており、この問題は前述の通りである。
Adv.Synth.Catal.2010,352,753.
本発明の目的は、基質の適用範囲が広く、かつ反応操作性に優れた光学活性第一級および第二級アミン化合物の実用的な製造方法を提供することである。
本発明者らは、カルボニル化合物とアミン化合物との還元的アミノ化反応を研究する中で、従来の不斉還元的アミノ化反応では十分な光学純度で目的物が得られない基質構造があるという課題に直面した。
光学活性なアミンを不斉補助基かつアミン源として用いるジアステレオ選択的な還元的アミノ化反応であっても、基質構造によってはジアステレオ選択性が十分ではなかった。また、不斉補助基の脱保護反応に水素化反応を用い、耐圧釜など特殊な反応容器を必要とするため簡便に実施できず、更には脱保護反応を選択的に実施するためには基質構造に制限があるなど、基質適用範囲に大きな問題を抱えていた。
光学活性なアミンを不斉補助基かつアミン源として用いるジアステレオ選択的な還元的アミノ化反応であっても、基質構造によってはジアステレオ選択性が十分ではなかった。また、不斉補助基の脱保護反応に水素化反応を用い、耐圧釜など特殊な反応容器を必要とするため簡便に実施できず、更には脱保護反応を選択的に実施するためには基質構造に制限があるなど、基質適用範囲に大きな問題を抱えていた。
鋭意研究を進める中で、特定のアミノアルコールをアミン源として、特定の有機イリジウム化合物を触媒として用いてカルボニル化合物の還元的アミノ化反応を行うと、広範なカルボニル化合物の構造において高いジアステレオ選択性またはエナンチオ選択性で反応が進行することを見出した。さらに、特定のアミノアルコールをアミン源として用いた場合には、その脱保護を簡便な操作で酸化的に実施でき、耐圧釜などの特別な反応容器を必要としない上、この脱保護条件では前述の基質構造の制限がないため、これらを組み合わせることで、広範な光学活性第一級および第二級アミン化合物を高い光学純度で合成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
式中、R1は、水素原子、1または2以上の水素原子が置換基Wで置換されていてもよいC1~C20の飽和または不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基であり、
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
式中、R6およびR7は、互いに異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、アシル基、炭素原子で結合するエステル基、炭素原子で結合するアミド基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物とを、
下記一般式(3)
式中、Arは、1または2以上の水素原子が前期置換基Wで置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基であり、
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(4)
式中、Ar、XおよびR8は前記と同じ意味を有し、
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(5)
式中、Ar、Xは前記と同じ意味を有し、
Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または
下記一般式(6)
式中、ArおよびXは前記と同じ意味を有し、
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンであり、
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数である、
で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
式中、R2、R3、R4、およびR5は一般式(1)と同じ意味を有する、
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
[1]光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物とを、
下記一般式(3)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(4)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(5)
Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または
下記一般式(6)
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンであり、
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数である、
で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
[2]光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
式中、R1は、水素原子、1または2以上の水素原子が置換基Wで置換されていてもよいC1~C20の飽和または不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基であり、
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと
下記一般式(2)
式中、R6およびR7は、互いに異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、アシル基、炭素原子で結合するエステル基、炭素原子で結合するアミド基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物とを、
下記一般式(7)
式中、Arは、1または2以上の水素原子が前期置換基Wで置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基であり、
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である、
で表される有機イリジウム化合物と、
下記一般式(8)
式中、R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(9)
式中、R8は前記と同じ意味を有し、
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(10)
式中、Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または、
下記一般式(11)
式中、R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数であり、
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、
Zはアニオン性基である、
で表される有機化合物との存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
式中、R2、R3、R4、およびR5は一般式(1)と同じ意味を有する、
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物とを、
下記一般式(7)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である、
で表される有機イリジウム化合物と、
下記一般式(8)
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(9)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(10)
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または、
下記一般式(11)
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数であり、
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、
Zはアニオン性基である、
で表される有機化合物との存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
[3]光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
式中、R1は、水素原子、1または2以上の水素原子が置換基Wで置換されていてもよいC1~C20の飽和または不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基であり、
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
式中、R6およびR7は、互いに異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、アシル基、炭素原子で結合するエステル基、炭素原子で結合するアミド基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物
から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、
下記一般式(3)
式中、Arは、1または2以上の水素原子が前期置換基Wで置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基であり、
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(4)
式中、Ar、XおよびR8は前記と同じ意味を有し、
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(5)
式中、Ar、Xは前記と同じ意味を有し、
Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または、
下記一般式(6)
式中、ArおよびXは前記と同じ意味を有し、
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンであり、
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数である、
で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
式中、R2、R3、R4、およびR5は一般式(1)と同じ意味を有する、
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物
から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、
下記一般式(3)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(4)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(5)
Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または、
下記一般式(6)
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンであり、
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数である、
で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
[4]光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
式中、R1は、水素原子、1または2以上の水素原子が置換基Wで置換されていてもよいC1~C20の飽和または不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基であり、
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、 で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
式中、R6およびR7は、互いに異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、アシル基、炭素原子で結合するエステル基、炭素原子で結合するアミド基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、
下記一般式(7)
式中、Arは、1または2以上の水素原子が前期置換基Wで置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基であり、
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である、
で表される有機イリジウム化合物と、
下記一般式(8)
式中、R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(9)
式中、R8は前記と同じ意味を有し、
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(10)
式中、Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、
または、
下記一般式(11)
式中、R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数であり、
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、
Zはアニオン性基である、
で表される有機化合物との存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および、
反応生成物における以下の一般式(A)
式中、R2、R3、R4、およびR5は一般式(1)と同じ意味を有する、
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、 で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、
下記一般式(7)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である、
で表される有機イリジウム化合物と、
下記一般式(8)
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(9)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(10)
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、
または、
下記一般式(11)
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数であり、
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、
Zはアニオン性基である、
で表される有機化合物との存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および、
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
[5]一般式(1)で表されるアミノアルコールが光学活性体である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]一般式(1)で表されるアミノアルコールが、2-アミノエタノール、バリノール、2-アミノ-1-ブタノール、ロイシノール、tert-ロイシノール、フェニルグリシノール、フェニルアラニノール、セリン、セリンエステル、トレオニンまたはトレオニンエステルである、前記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]nが0である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]mが1である、前記[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[6]一般式(1)で表されるアミノアルコールが、2-アミノエタノール、バリノール、2-アミノ-1-ブタノール、ロイシノール、tert-ロイシノール、フェニルグリシノール、フェニルアラニノール、セリン、セリンエステル、トレオニンまたはトレオニンエステルである、前記[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]nが0である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]mが1である、前記[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)もしくは一般式(6)で表される有機イリジウム化合物または一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)もしくは一般式(11)で表される有機化合物が光学活性体である、前記[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]酸化的な脱保護を、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩または四酢酸鉛を酸化剤として用いて実施する、前記[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]水素を供与する化合物が、ギ酸またはギ酸塩である、前記[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[10]酸化的な脱保護を、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩または四酢酸鉛を酸化剤として用いて実施する、前記[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]水素を供与する化合物が、ギ酸またはギ酸塩である、前記[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]一般式(2)で表されるカルボニル化合物が、置換基を有していてもよい1-インダノン、β-テトラロン、フェニルアセトン、ピリジルアセトン、アセトフェノン、直鎖ジアルキルケトン、分枝鎖ジアルキルケトン、シクロヘキサノン、3-ピペリジノン、α-ケト酸(ケトエステル)、β-ケト酸(ケトエステル)、γ-ケト酸(ケトエステル)である、前記[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]一般式(2)で表されるカルボニル化合物が、置換基を有していてもよい5-メトキシ-2-テトラロン、5-アセトニル-2-メトキシベンゼンスルホンアミド、5-アセトニル-7-シアノ-1-(3-ベンゾイルオキシプロピル)インドリン、3-ピペリジノン、4-シアノインダノンである前記[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]一般式(2)で表されるカルボニル化合物が、置換基を有していてもよい5-メトキシ-2-テトラロン、5-アセトニル-2-メトキシベンゼンスルホンアミド、5-アセトニル-7-シアノ-1-(3-ベンゾイルオキシプロピル)インドリン、3-ピペリジノン、4-シアノインダノンである前記[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、特定のアミノアルコールをアミン源として、特定の有機イリジウム化合物を触媒として用いることにより、広範なカルボニル化合物の還元的アミノ化反応が高ジアステレオ選択的または高エナンチオ選択的に進行する。更に、特定のアミノアルコールを用いたことにより、脱保護反応が簡便な操作で酸化的に進行し、光学活性な第一級または第二級アミン化合物を合成することができる。
これにより、従来用いられてきたアンモニア等価体をアミン源として、光学活性な有機金属錯体を触媒に用いるカルボニル化合物の不斉還元的アミノ化反応では、高い光学純度で合成することが困難であった、光学活性な第一級アミン化合物の製造を行うことが可能となった。また、光学活性なアミンを不斉補助基かつアミン源として用いるジアステレオ選択的還元的アミノ化反応では、ジアステレオ選択性が不十分であった構造のカルボニル化合物であっても、本発明によって高ジアステレオ選択的に反応させることが可能となった。さらには、不斉補助基の脱保護反応に水素化反応を用い、耐圧釜など特殊な反応容器を必要とし、基質の構造に制限があった従来の方法に対し、本発明では、還元反応、脱保護反応の両方を特別な反応容器を必要としない簡便な操作で実施でき、かつ基質構造の制限を回避することが可能となった。
以下、本発明を、好適な実施態様に基づいて詳細に説明する。
本発明は、後述する一般式(1)で表されるアミノアルコールと一般式(2)で表されるカルボニル化合物とを、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基を酸化的に脱保護する工程を含む、光学活性第一級または第二級アミン化合物を製造する方法である。
本発明において、窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基」は前記一般式(A)で表される部位を意味する。
本発明は、後述する一般式(1)で表されるアミノアルコールと一般式(2)で表されるカルボニル化合物とを、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基を酸化的に脱保護する工程を含む、光学活性第一級または第二級アミン化合物を製造する方法である。
本発明において、窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基」は前記一般式(A)で表される部位を意味する。
本発明で用いられるアミノアルコールは、一般式(1)
で表される。
式中、R1は、水素原子、1または2以上の水素原子が置換基Wで置換されていてもよいC1~C20の飽和または不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基である。
式中、R1は、水素原子、1または2以上の水素原子が置換基Wで置換されていてもよいC1~C20の飽和または不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基である。
なお、本明細書において、炭化水素基とは、炭素骨格およびそれに結合する水素原子からなる基を意味し、飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状の炭化水素基を含む。例えば、飽和または不飽和の鎖状炭化水素基としては、直鎖または分枝鎖アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が、飽和または不飽和の環状炭化水素としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基およびこれら環状炭化水素基の1または2以上の水素原子が、飽和または不飽和の鎖状炭化水素基により置換されたもの、例えば、アラルキル基、アリールアルキル基などが挙げられる。
また、本明細書においてアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、これらの直鎖または分枝鎖のものを含む。
また、本明細書においてアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、これらの直鎖または分枝鎖のものを含む。
置換基Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基である。
また、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基である。Ra、RbおよびRcの具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロへキシル基、シクロヘキシレン基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、ベンジル基、ピリジルメチル基などが挙げられる。
Wの具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロへキシル基、ベンジル基、シクロヘキシレン基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ベンジルオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ヒドロキシル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、
カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-アセチルアミノ基、N-メチル-N-アセチルアミノ基、N-ベンゾイルアミノ基、N-メチル-N-ベンゾイルアミノ基、N-ヒドロキシルアミノ基、N-メトキシアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジシクロへキシルホスフィノ基、シクロプロピルホスフィノ基、シクロブチルホスフィノ基、シクロペンチルホスフィノ基、シクロへキシルホスフィノ基、メタンスルフェニル基、エタンスルフェニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、フッ素基、臭素基、塩素基、ヨウ素基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
また、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、形成する環の具体例としては、これに限定するものではないが、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのシクロアルカン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの芳香環、インダン、テトラリンなどのアリール縮合シクロアルカン、ピロール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チオフェン、フラン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、キノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランなどのヘテロ芳香環、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピロリジン、ピペリジン、クマラン、クロマン、インドリン、テトラヒドロキノリンなどの複素環式化合物などが挙げられ、これらの環の1または2以上の水素原子はさらに置換基Wによって置換されていてもよい。
R1の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖または分枝鎖アルキル基、トリフルオロメチル基などのフルオロアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等のシクロアルキル基、ビニル、アリルなどの不飽和炭化水素、ベンジルなどのアラルキル基、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、インデニル基などの単環または多環式アリール基、チエニル、フリル、ピラニル、キサンテニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリニル、インドリル、カルバゾイル、フェナントロニリル、ピロリジル、ピペリジルなどの単環または多環式ヘテロシクリル基などが挙げられ、好ましくは水素原子である。
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaである。Raは前記と同じ意味を有し、R2、R3、R4およびR5の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば水素原子およびアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリールなどの炭化水素基、カルボキシル基、炭素原子で結合するエステル基が挙げられる。好ましくは水素原子、飽和鎖状炭化水素基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、カルボキシル基または炭素原子で結合するエステル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、2-ブチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、(1H-イミダゾール-4-イル)メチル基、(3-インドリル)メチル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ベンジル基、フェニル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル基である。
一般式(1)で表されるアミノアルコールは、より具体的には、例えば2-アミノエタノール、2-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、バリノール、ロイシノール、イソロイシノール、tert-ロイシノール、フェニルアラニノール、フェニルグリシノール、ヒスチジノール、トリプトファノール、チロシノール、セリン、セリンエステル、トレオニンおよびトレオニンエステルであり、好ましくは2-アミノエタノール、2-アミノ-1-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、バリノール、ロイシノール、tert-ロイシノール、フェニルアラニノール、フェニルグリシノール、セリン、セリンエステル、トレオニンおよびトレオニンエステルである。
また、一般式(1)で表されるアミノアルコールは、アキラル、ラセミ体、光学活性体のいずれであってもよく、立体選択性の観点から、好ましくは光学活性体である。
本発明で用いられるカルボニル化合物は、一般式(2)
で表される。
式中、R6およびR7は、互いに異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、アシル基、炭素原子で結合するエステル基、炭素原子で結合するアミド基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
式中、R6およびR7は、互いに異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、アシル基、炭素原子で結合するエステル基、炭素原子で結合するアミド基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
R6およびR7の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の直鎖または分枝鎖アルキル基、トリフルオロメチル基などのフルオロアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等のシクロアルキル基、ビニル、アリルなどの不飽和炭化水素、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアラルキル基、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、インデニル基などの単環または多環式アリール基、チエニル、フリル、ピラニル、キサンテニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリニル、インドリル、カルバゾイル、フェナントロニリル、ピロリジル、ピペリジルなどの単環または多環式ヘテロアリール基、フェロセニル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのエステル基、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基などのアミド基、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基などが挙げられる。
また、R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい。
形成する環の具体例としては、これに限定するものではないが、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのシクロアルカン、インダン、テトラリンなどのアリール縮合シクロアルカン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピロリジン、ピペリジン、クマラン、クロマン、インドリン、テトラヒドロキノリンなどの複素環式化合物などが挙げられ、これらの環の1または2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
形成する環の具体例としては、これに限定するものではないが、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのシクロアルカン、インダン、テトラリンなどのアリール縮合シクロアルカン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピロリジン、ピペリジン、クマラン、クロマン、インドリン、テトラヒドロキノリンなどの複素環式化合物などが挙げられ、これらの環の1または2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
一般式(2)で表されるカルボニル化合物は、より具体的には、例えば置換基を有していてもよい、1-インダノン、α-テトラロン、β-テトラロン、フェニルアセトン、ピリジルアセトン、アセトフェノン、アセトナフトン、プロピオフェノン、直鎖ジアルキルケトン、分枝鎖ジアルキルケトン、シクロヘキサノン、ピロリジノン、ピペリジノン、α-ケト酸(ケトエステル)、β-ケト酸(ケトエステル)、γ-ケト酸(ケトエステル)、δ-ケト酸(ケトエステル)などが好ましく、5-メトキシ-2-テトラロン、5-アセトニル-2-メトキシベンゼンスルホンアミド、5-アセトニル-7-シアノ-1-(3-ベンゾイルオキシプロピル)インドリン、3-ピペリジノン、4-シアノ-1-インダノンが特に好ましい。
また、本発明は、一般式(1)で表されるアミノアルコールと一般式(2)で表されるカルボニル化合物から調製されたヘミアミナールエーテル、イミン、またはエナミンを、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)で表される有機イリジウム化合物存在下において、水素を供与する化合物と反応させた後、窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基を酸化的に脱保護して、光学活性第一級または第二級アミン化合物を製造してもよい。
ヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンは、前述の一般式(1)で表されるアミノアルコールと一般式(2)で表されるカルボニル化合物を原料として、系中で生成または独立して合成したものであってもよい。
本発明で用いられる有機イリジウム化合物は、本法において触媒として機能するものである。有機イリジウム化合物は、一般式(3)
で表される。
上記一般式(3)中、Arは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基である。
Arの具体例としては、これに限定するものではないが、例えば無置換のシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、 1,2-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,4-トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp*)、1,2,3,4,5-ペンタフェニルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。これらの内、好ましくは1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp*)および1,2,3,4,5-ペンタフェニルシクロペンタジエニル基である。
上記一般式(3)中、Arは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、シクロペンタジエニル基である。
Arの具体例としては、これに限定するものではないが、例えば無置換のシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、 1,2-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3-トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,4-トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp*)、1,2,3,4,5-ペンタフェニルシクロペンタジエニル基などが挙げられる。これらの内、好ましくは1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp*)および1,2,3,4,5-ペンタフェニルシクロペンタジエニル基である。
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である。Xの具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、ヒドリド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、架橋したオキソ基、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基、テトラフルオロボラート基、テトラヒドロボラート基、テトラキスペンタフルオロフェニルボラート基、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボラート基、ヘキサフルオロホスフェート基、ヘキサフルオロアンチモネート基、ヘキサクロロアンチモネート基、ヘキサフルオロアーセネート基、パークロレート基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、(2,6-ジヒドロキシベンゾイル)オキシ基、(2,5-ジヒドロキシベンゾイル)オキシ基、(3-アミノベンゾイル)オキシ基、(2,6-ジメトキシベンゾイル)オキシ基、(2,4,6-トリイソプロピルベンゾイル)オキシ基、
1-ナフタレンカルボン酸基、2-ナフタレンカルボン酸基、トリフルオロアセトキシ基、トリフルオロメタンスルホンイミド基、ニトロメチル基、ニトロエチル基、トルエンスルホナート基、メタンスルホナート基、エタンスルホナート基、n-プロパンスルホナート基、イソプロパンスルホナート基、n-ブタンスルホナート基、フルオロスルホナート基、フルオロメタンスルホナート基、ジフルオロメタンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、ペンタフルオロエタンスルホナート基、ホスフェート基、(S)-2,2′-ジヒドロキシ-1,1′-ビナフチルホスフェート基、(R)-2,2′-ジヒドロキシ-1,1′-ビナフチルホスフェート基などが挙げられる。これらの内、好ましくはヒドリド基、塩素基、臭素基、ヨウ素基、テトラフルオロボラート基、テトラヒドロボラート基またはトリフルオロメタンスルホナート基である。
また、Irにはヒドリド基またはアニオン性基であるX以外に、配位性の中性分子が配位していてもよい。Irに配位する中性分子の具体例としては、水やメタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノールあるいは2-メトキシエタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルあるいはtert-ブチルメチルエーテルなどのエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ピリジン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィンあるいはトリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィンまたはトリフェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィンが挙げられる。このような中性分子は配位するとカチオン性錯体を形成し、これによりアニオン性基はカウンターアニオンとして存在することとなる。
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
R8およびR9は複数個導入されていてもよく、置換数jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、ここでjが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、例えばフェナントリジン環、アクリジン環などを形成してもよい。さらに、R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、例えばナフチリジン環、キノキサリン環、シンノリン環、キナゾリン環、フタラジン環などを形成してもよい。
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、R8およびR9の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロへキシル基、シクロヘキシレン基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ベンジルオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ヒドロキシル基、
メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-アセチルアミノ基、N-メチル-N-アセチルアミノ基、N-ベンゾイルアミノ基、N-メチル-N-ベンゾイルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジシクロへキシルホスフィノ基、シクロプロピルホスフィノ基、シクロブチルホスフィノ基、シクロペンチルホスフィノ基、シクロへキシルホスフィノ基、メタンスルフェニル基、エタンスルフェニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、
スルホ基、メルカプト基、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、フッ素基、臭素基、塩素基、ヨウ素基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。R8およびR9は、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、フッ素基、トリフルオロメチル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシル基、ジメチルアミノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基である。
一般式(3)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
一般式(3)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
また、本発明で用いられる有機イリジウム化合物は、一般式(4)
で表される。
式中、Ar、XおよびR8は前記と同じ意味を有する。
R8は複数個導入されていてもよく、置換数lは0~4までの整数であり、ここでlが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、例えばキノリン環、イソキノリン環などを形成してもよい。さらに、R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、例えばピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環などを形成してもよい。
式中、Ar、XおよびR8は前記と同じ意味を有する。
R8は複数個導入されていてもよく、置換数lは0~4までの整数であり、ここでlが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、例えばキノリン環、イソキノリン環などを形成してもよい。さらに、R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、例えばピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環などを形成してもよい。
R10は、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、R10の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロへキシル基、シクロヘキシレン基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ジエチルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ベンジルオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ヒドロキシル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、
カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-アセチルアミノ基、N-メチル-N-アセチルアミノ基、N-ベンゾイルアミノ基、N-メチル-N-ベンゾイルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジシクロへキシルホスフィノ基、シクロプロピルホスフィノ基、シクロブチルホスフィノ基、シクロペンチルホスフィノ基、シクロへキシルホスフィノ基、メタンスルフェニル基、エタンスルフェニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、フッ素基、臭素基、塩素基、ヨウ素基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ジイソプロピルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-シアノフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-ニトロフェニル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、フェニル基、p-トルイル基、2,6-キシリル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、4-メトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-ニトロフェニル基である。
一般式(4)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
一般式(4)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
本発明で用いられる有機イリジウム化合物は、一般式(5)
で表される。
式中、Ar、Xは前記と同じ意味を有する。
Yは、窒素原子または酸素原子であり、いずれの場合もイリジウムと共有結合を形成して結合している。
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも1つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環である。
Aは、単環式基であってもよいし、多環式基であってもよい。
Aを構成する各環の環員数は、これに限定するものではないが、例えば、4~8、好ましくは5~6である。
式中、Ar、Xは前記と同じ意味を有する。
Yは、窒素原子または酸素原子であり、いずれの場合もイリジウムと共有結合を形成して結合している。
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも1つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環である。
Aは、単環式基であってもよいし、多環式基であってもよい。
Aを構成する各環の環員数は、これに限定するものではないが、例えば、4~8、好ましくは5~6である。
Aの具体例としては、例えば、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、テトラジンなどの含窒素芳香族環、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、フタラジン、ナフチリジンなどの含窒素多環芳香族環、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、テトラゾールなどの5員の含窒素芳香族環、アゼチジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、オキサドリン、インドリン、イソインドリンなどの5員の含窒素非芳香族環、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンなどの6員の含窒素非芳香族環などが挙げられる。中でも、反応性、および、触媒活性の観点から、ピリジン、キノリン、イソキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが好ましく、ピリジン、イソキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが特に好ましい。
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
R11の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、メタンスルホニル基(Ms)、エタンスルホニル基(Es)、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、1-オクタンスルホニル基、1-ヘキサデカンスルホニル基、o-トルエンスルホニル基、m-トルエンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基(Ts)、ベンゼンスルホニル基、2,6-ジメチルベンゼンスルホニル基、3,5-ジメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、4-シアノベンゼンスルホニル基、2-ニトロベンゼンスルホニル基、3-ニトロベンゼンスルホニル基、4-ニトロベンゼンスルホニル基、2,4-ジニトロベンゼンスルホニル基、2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、4-クロロベンゼンスルホニル基、2,4-ジクロロベンゼンスルホニル基、
R11の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、メタンスルホニル基(Ms)、エタンスルホニル基(Es)、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、1-オクタンスルホニル基、1-ヘキサデカンスルホニル基、o-トルエンスルホニル基、m-トルエンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基(Ts)、ベンゼンスルホニル基、2,6-ジメチルベンゼンスルホニル基、3,5-ジメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、4-シアノベンゼンスルホニル基、2-ニトロベンゼンスルホニル基、3-ニトロベンゼンスルホニル基、4-ニトロベンゼンスルホニル基、2,4-ジニトロベンゼンスルホニル基、2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、4-クロロベンゼンスルホニル基、2,4-ジクロロベンゼンスルホニル基、
4-フルオロベンゼンスルホニル基、3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、4-メトキシベンゼンスルホニル基、(+)-10-カンファースルホニル基、(-)-10-カンファースルホニル基、ピリジン-3-スルホニル基、トリクロロメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエタンスルホニル基、4-ヒドロキシベンゼンスルホニル基、4-ビフェニルベンゼンスルホニル基、ベンジルスルホニル基(-SO2Bn)、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ペンタフルオロプロピオニル基、3,3,3-トリフルオロプロピオニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)、フェノキシカルボニル基、
カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルボニル基、N-トリフルオロメチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N-(4-フルオロフェニル)カルバモイル基、N-(4-シアノフェニル)カルバモイル基、N-(4-ニトロフェニル)カルバモイル基、N-(4-トリフルオロメチルフェニル)カルバモイル基、N-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル基、N-(3,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル基、N-(3,4,5-トリフルオロフェニル)カルバモイル基などが挙げられ、好ましくは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、4-フルオロベンゼンスルホニル基、ベンジルスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、N-フェニルカルバモイル基であり、特に好ましくはメタンスルホニル基である。
R11は、Yが酸素原子である場合、無置換である。
R11は、Yが酸素原子である場合、無置換である。
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、R12、R13、R14およびR15の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロへキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基、シクロヘキシレン基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、ペンタメチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、インデニル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ベンジルオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ヒドロキシル基、
メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-アセチルアミノ基、N-メチル-N-アセチルアミノ基、N-ベンゾイルアミノ基、N-メチル-N-ベンゾイルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジシクロへキシルホスフィノ基、シクロプロピルホスフィノ基、シクロブチルホスフィノ基、シクロペンチルホスフィノ基、シクロへキシルホスフィノ基、メタンスルフェニル基、エタンスルフェニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、
フッ素基、臭素基、塩素基、ヨウ素基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、ペンタメチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、インデニル基、メトキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、イソプロピル基、フェニル基、p-トルイル基、3,5-キシリル基、2,6-キシリル基、2,4,6-メシチル基、ペンタメチルフェニル基である。
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよい。
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、形成した環が芳香族化合物である場合は、R12およびR13が結合した炭素とR14およびR15が結合した炭素の間が二重結合となって、環形成に関与しないR12またはR13およびR14またはR15は無置換である。
このようにして形成される環としては特に限定されないが、例えば、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルキン環、芳香族環、ヘテロ環、環状ケトン、ラクトン環、ラクタム環、カルバミン酸エステル環、尿素環、チオ尿素環等が挙げられる。また、これらの基の1または2以上の水素原子は前記置換基Wで置換されていてもよい。これらの環の環員数としては、特に限定されないが、例えば3~20、好ましくは、3~12、より好ましくは4~8とすることができる。
このような環の具体例としては、特に限定されないが、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラン環、フラン環、ピロール環、イミダゾリン環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロリジン環、ピペリジン環 、ピペラジン環、モルホリン環、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、などが挙げられる。
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、形成した環が芳香族化合物である場合は、R12およびR13が結合した炭素とR14およびR15が結合した炭素の間が二重結合となって、環形成に関与しないR12またはR13およびR14またはR15は無置換である。
このようにして形成される環としては特に限定されないが、例えば、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルキン環、芳香族環、ヘテロ環、環状ケトン、ラクトン環、ラクタム環、カルバミン酸エステル環、尿素環、チオ尿素環等が挙げられる。また、これらの基の1または2以上の水素原子は前記置換基Wで置換されていてもよい。これらの環の環員数としては、特に限定されないが、例えば3~20、好ましくは、3~12、より好ましくは4~8とすることができる。
このような環の具体例としては、特に限定されないが、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラン環、フラン環、ピロール環、イミダゾリン環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロリジン環、ピペリジン環 、ピペラジン環、モルホリン環、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、などが挙げられる。
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよい。
このようにして形成される環としては特に限定されないが、例えば、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、ナフチリジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン、2,3-シクロペンテノピリジン、などが挙げられる。
nは0~2のいずれか整数であり、好ましくは0である。
R12とR13が結合した炭素原子および/またはR14とR15が結合した炭素原子は、不斉炭素であってもよい。
一般式(5)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
このようにして形成される環としては特に限定されないが、例えば、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、ナフチリジン、インドール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン、2,3-シクロペンテノピリジン、などが挙げられる。
nは0~2のいずれか整数であり、好ましくは0である。
R12とR13が結合した炭素原子および/またはR14とR15が結合した炭素原子は、不斉炭素であってもよい。
一般式(5)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
さらに、本発明で用いられる有機イリジウム化合物は、一般式(6)
で表せられる。
式中、ArおよびXは前記と同じ意味をもつ。
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンである。
Bを構成する複素環は、少なくともカルベン構造を有する複素環を含んで構成される。カルベン構造を有する複素環は、環員として2つの窒素原子と1以上の炭素原子を含み、2つの窒素原子が1つの炭素原子を挟み、当該炭素原子がカルベン構造を形成するように構成される。これにより、Bは、カルベン配位子としてIrに配位することができる。
式中、ArおよびXは前記と同じ意味をもつ。
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンである。
Bを構成する複素環は、少なくともカルベン構造を有する複素環を含んで構成される。カルベン構造を有する複素環は、環員として2つの窒素原子と1以上の炭素原子を含み、2つの窒素原子が1つの炭素原子を挟み、当該炭素原子がカルベン構造を形成するように構成される。これにより、Bは、カルベン配位子としてIrに配位することができる。
Bは、単環式基であってもよいし、多環式基であってもよい。
Bが単環式基である場合、Bは、上述したカルベン構造を有する複素環のみを環構造として有する複素単環式基である。
一方で、Bが多環式基である場合、Bは、上述したカルベン構造を有する複素環に加え、さらに1または2以上の環を含む。この場合、それぞれの環は、スピロ結合または縮合により互いに結合するか、他の環を架橋することにより形成されることができる。好ましくは、それぞれの環は、縮合により互いに結合している。
Bが単環式基である場合、Bは、上述したカルベン構造を有する複素環のみを環構造として有する複素単環式基である。
一方で、Bが多環式基である場合、Bは、上述したカルベン構造を有する複素環に加え、さらに1または2以上の環を含む。この場合、それぞれの環は、スピロ結合または縮合により互いに結合するか、他の環を架橋することにより形成されることができる。好ましくは、それぞれの環は、縮合により互いに結合している。
カルベン構造を有する複素環は、飽和または不飽和であることができる。
また、カルベン構造を有する複素環は、2つの窒素原子と1以上の炭素原子を含んで構成されるが、環員原子としてさらに1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。このようなヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が挙げられる。
カルベン構造を有する複素環としては、これに限定されないが、例えば、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、1,2,4-トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、オキサゾリジン環、チアゾリン環、チアゾール環、チアゾリジン環等のカルベン化した環が挙げられる。特に、Bが、カルベン構造を有する複素環として、イミダゾール環、イミダゾリン環またはイミダゾリジン環を含んで構成される単環または多環式カルベンであることが好ましい。
また、B中のカルベン構造を有する複素環以外の環は、それぞれ、飽和または不飽和であることができる。
また、B中のカルベン構造を有する複素環以外の環は、それぞれ、炭化水素環であってもよいし、複素環であってもよい。複素環である場合、当該環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択される1または2以上のヘテロ原子を含む。
また、カルベン構造を有する複素環は、2つの窒素原子と1以上の炭素原子を含んで構成されるが、環員原子としてさらに1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。このようなヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が挙げられる。
カルベン構造を有する複素環としては、これに限定されないが、例えば、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、1,2,4-トリアゾール環、テトラゾール環、オキサゾリン環、オキサゾール環、オキサゾリジン環、チアゾリン環、チアゾール環、チアゾリジン環等のカルベン化した環が挙げられる。特に、Bが、カルベン構造を有する複素環として、イミダゾール環、イミダゾリン環またはイミダゾリジン環を含んで構成される単環または多環式カルベンであることが好ましい。
また、B中のカルベン構造を有する複素環以外の環は、それぞれ、飽和または不飽和であることができる。
また、B中のカルベン構造を有する複素環以外の環は、それぞれ、炭化水素環であってもよいし、複素環であってもよい。複素環である場合、当該環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択される1または2以上のヘテロ原子を含む。
また、Bを構成する各環の環員数は、これに限定するものではないが、例えば、4~8、好ましくは4~6である。特に、カルベン構造を有する複素環の環員数は、好ましくは4~6、より好ましくは5である。
Bの具体例としては、例えば、イミダゾール環、1,2,4-トリアゾール環、テトラゾール環などの単環式複素芳香族環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環などの単環式複素非芳香族環、ベンゾイミダゾール環、プリン環、プテリジン環などの多環式複素芳香族環などのカルベン化した環が挙げられる。
上述した中でも、反応性、および、触媒活性の観点から、イミダゾール環、イミダゾリン環のカルベン化した環が好ましく、イミダゾール環のカルベン化した環がより好ましい。
Bの具体例としては、例えば、イミダゾール環、1,2,4-トリアゾール環、テトラゾール環などの単環式複素芳香族環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環などの単環式複素非芳香族環、ベンゾイミダゾール環、プリン環、プテリジン環などの多環式複素芳香族環などのカルベン化した環が挙げられる。
上述した中でも、反応性、および、触媒活性の観点から、イミダゾール環、イミダゾリン環のカルベン化した環が好ましく、イミダゾール環のカルベン化した環がより好ましい。
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。R16の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、メタンスルホニル基(Ms)、エタンスルホニル基(Es)、n-プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n-ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、n-ペンチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、1-オクタンスルホニル基、1-ヘキサデカンスルホニル基、o-トルエンスルホニル基、m-トルエンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基(Ts)、ベンゼンスルホニル基、2,6-ジメチルベンゼンスルホニル基、3,5-ジメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、4-シアノベンゼンスルホニル基、2-ニトロベンゼンスルホニル基、3-ニトロベンゼンスルホニル基、4-ニトロベンゼンスルホニル基、2,4-ジニトロベンゼンスルホニル基、2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル基、4-クロロベンゼンスルホニル基、2,4-ジクロロベンゼンスルホニル基、4-フルオロベンゼンスルホニル基、3,4,5-トリフルオロベンゼンスルホニル基、2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、
4-メトキシベンゼンスルホニル基、(+)-10-カンファースルホニル基、(-)-10-カンファースルホニル基、ピリジン-3-スルホニル基、トリクロロメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエタンスルホニル基、4-ヒドロキシベンゼンスルホニル基、4-ビフェニルベンゼンスルホニル基、ベンジルスルホニル基(-SO2Bn)、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、ペンタフルオロプロピオニル基、3,3,3-トリフルオロプロピオニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)、フェノキシカルボニル基、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルボニル基、N-トリフルオロメチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N-(4-フルオロフェニル)カルバモイル基、N-(4-シアノフェニル)カルバモイル基、N-(4-ニトロフェニル)カルバモイル基、N-(4-トリフルオロメチルフェニル)カルバモイル基、N-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル基、N-(3,5-ジフルオロフェニル)カルバモイル基、N-(3,4,5-トリフルオロフェニル)カルバモイル基、チオカルバモイル基、N-メチルチオカルバモイル基、N-フェニルチオカルバモイル基、
トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、フェニル基、4-ニトロフェニル基、4 -シアノフェニル基、4-フルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、3、4 ,5-トリフルオロフェニル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス (トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられ、好ましくは、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ベンジルスルホニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、N-フェニルカルバモイル基である。
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよい。
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、R17、R18、R19、R20およびR21の具体例としては、これに限定するものではないが、例えば水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロへキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基、シクロヘキシレン基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、ペンタメチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、インデニル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ベンジルオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ヒドロキシル基、
メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn-プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、カルバモイル基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-アセチルアミノ基、N-メチル-N-アセチルアミノ基、N-ベンゾイルアミノ基、N-メチル-N-ベンゾイルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジシクロへキシルホスフィノ基、シクロプロピルホスフィノ基、シクロブチルホスフィノ基、シクロペンチルホスフィノ基、シクロへキシルホスフィノ基、メタンスルフェニル基、エタンスルフェニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、スルホ基、
メルカプト基、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、フッ素基、臭素基、塩素基、ヨウ素基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、ペンタメチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、4-ジメチルアミノフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、インデニル基であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、p-トルイル基、3,5-キシリル基、2,6-キシリル基、2,4,6-メシチル基、ペンタメチルフェニル基である。
上述した各置換基の内、R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい。
このようにして形成される環としては特に限定されないが、例えば、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルキン環、芳香族環、ヘテロ環、環状ケトン、ラクトン環、ラクタム環、カルバミン酸エステル環、尿素環、チオ尿素環等が挙げられる。また、これらの基の1または2以上の水素原子は前記置換基Wで置換されていてもよい。これらの環の環員数としては、特に限定されないが、例えば3~20、好ましくは、3~12、より好ましくは4~8とすることができる。
このような環の具体例としては、特に限定されないが、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンタノン環、シクロヘキサノン環、シクロヘプタノン環、シクロオクタノン環、ベンゼン環、ピラン環、フラン環、ピロール環、イミダゾリン環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロリジン環、ピペリジン環 、ピペラジン環、モルホリン環、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、2-オキサゾリジノン環、2-イミダノリジノン環、テトラヒドロ-2-ピリミジノン環、2-イミダゾリジチオン環、テトラヒドロ-2-ピリミジンチオン環等が挙げられる。
このようにして形成される環としては特に限定されないが、例えば、シクロアルカン環、シクロアルケン環、シクロアルキン環、芳香族環、ヘテロ環、環状ケトン、ラクトン環、ラクタム環、カルバミン酸エステル環、尿素環、チオ尿素環等が挙げられる。また、これらの基の1または2以上の水素原子は前記置換基Wで置換されていてもよい。これらの環の環員数としては、特に限定されないが、例えば3~20、好ましくは、3~12、より好ましくは4~8とすることができる。
このような環の具体例としては、特に限定されないが、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンタノン環、シクロヘキサノン環、シクロヘプタノン環、シクロオクタノン環、ベンゼン環、ピラン環、フラン環、ピロール環、イミダゾリン環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロリジン環、ピペリジン環 、ピペラジン環、モルホリン環、β-ラクタム、γ-ラクタム、δ-ラクタム、2-オキサゾリジノン環、2-イミダノリジノン環、テトラヒドロ-2-ピリミジノン環、2-イミダゾリジチオン環、テトラヒドロ-2-ピリミジンチオン環等が挙げられる。
特に、R16とR17および/またはR18が、すなわち、R16とR17、R16とR18またはR16とR17とR18が、一緒になって環を形成していることが好ましい。このような場合、形成される環は、好ましくは、ラクタム環、ヘテロ環、カルバミン酸エステル環、尿素環、チオ尿素環であり、より好ましくは、γ-ラクタム、2-オキサゾリジノン環、2-イミダノリジノン環、テトラヒドロ-2-ピリミジノン環、2-イミダゾリジチオン環、テトラヒドロ-2-ピリミジンチオン環である。
mは0~3のいずれか整数であり、好ましくは1である。
R17とR18が結合した炭素原子および/またはR19とR20が結合した炭素原子は、不斉炭素であってもよい。
一般式(6)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
mは0~3のいずれか整数であり、好ましくは1である。
R17とR18が結合した炭素原子および/またはR19とR20が結合した炭素原子は、不斉炭素であってもよい。
一般式(6)で表される有機イリジウム化合物は、ラセミ体または光学活性体のいずれであってもよい。
本発明では、前述の一般式(1)で表されるアミノアルコールと一般式(2)で表されるカルボニル化合物とを、一般式(7)で表される有機イリジウム化合物と、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)または一般式(11)で表される有機化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させた後、窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基を酸化的に脱保護することにより、光学活性第一級または第二級アミン化合物を製造することも可能である。
さらに、前述の一般式(1)で表されるアミノアルコールと一般式(2)で表されるカルボニル化合物から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、後述する一般式(7)で表される有機イリジウム化合物と、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)または一般式(11)で表される有機化合物存在下において、水素を供与する化合物と反応させた後、窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基を酸化的に脱保護することにより、光学活性第一級または第二級アミン化合物を製造することも可能である。
すなわち、一般式(7)で表される有機イリジウム化合物と、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)または一般式(11)で表される有機化合物が、反応系内でそれぞれ一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)に相当する有機イリジウム化合物を形成し、触媒として機能するものである。
また、一般式(11)で表される有機化合物は、例えば酸化銀(I)や酸化銅(I)などと反応させて対応する有機銀化合物や有機銅化合物などを調製した後に、一般式(7)で表される有機イリジウム化合物と共に反応に供してもよい。この場合も、反応系内で一般式(6)に相当する有機イリジウム化合物が形成され、触媒として機能するものである。
すなわち、一般式(7)で表される有機イリジウム化合物と、一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)または一般式(11)で表される有機化合物が、反応系内でそれぞれ一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)または一般式(6)に相当する有機イリジウム化合物を形成し、触媒として機能するものである。
また、一般式(11)で表される有機化合物は、例えば酸化銀(I)や酸化銅(I)などと反応させて対応する有機銀化合物や有機銅化合物などを調製した後に、一般式(7)で表される有機イリジウム化合物と共に反応に供してもよい。この場合も、反応系内で一般式(6)に相当する有機イリジウム化合物が形成され、触媒として機能するものである。
本発明で用いられる有機イリジウム化合物は一般式(7)
で表され、Ar、Xは前記と同じ意味を有する。
本発明で用いられる有機化合物は、
一般式(8)、
一般式(9)、
一般式(10)、
または一般式(11)
で表される。
本発明で用いられる有機化合物は、
一般式(8)、
これらの式中、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、j、k、l、A、Y、n、mは前記と同じ意味を有する。
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、2つの窒素原子で挟まれた炭素原子上のプロトンが脱離することにより、前述した飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンBとなる。すなわち、B’は、前述したBにおけるカルベンを、カルベン前駆体へ読み替えたものと同じ意味を有する。
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、2つの窒素原子で挟まれた炭素原子上のプロトンが脱離することにより、前述した飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンBとなる。すなわち、B’は、前述したBにおけるカルベンを、カルベン前駆体へ読み替えたものと同じ意味を有する。
Zは、アニオン性基であり、具体例としては、これに限定するものではないが、例えば、フッ素基、塩素基、臭素基、ヨウ素基、テトラフルオロボラート基、テトラヒドロボラート基、テトラキスペンタフルオロフェニルボラート基、テトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボラート基、ヘキサフルオロホスフェート基、ヘキサフルオロアンチモネート基、ヘキサクロロアンチモネート基、ヘキサフルオロアーセネート基、パークロレート基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、(2,6-ジヒドロキシベンゾイル)オキシ基、(2,5-ジヒドロキシベンゾイル)オキシ基、(3-アミノベンゾイル)オキシ基、(2,6-ジメトキシベンゾイル)オキシ基、(2,4,6-トリイソプロピルベンゾイル)オキシ基、1-ナフタレンカルボン酸基、2-ナフタレンカルボン酸基、
トリフルオロアセトキシ基、トリフルオロメタンスルホンイミド基、トルエンスルホナート基、メタンスルホナート基、エタンスルホナート基、n-プロパンスルホナート基、イソプロパンスルホナート基、n-ブタンスルホナート基、フルオロスルホナート基、フルオロメタンスルホナート基、ジフルオロメタンスルホナート基、トリフルオロメタンスルホナート基、ペンタフルオロエタンスルホナート基、ホスフェート基、(S)-2,2′-ジヒドロキシ-1,1′-ビナフチルホスフェート基、(R)-2,2′-ジヒドロキシ-1,1′-ビナフチルホスフェート基などが挙げられる。これらの内、好ましくは塩素基、臭素基、ヨウ素基、テトラフルオロボラート基、テトラヒドロボラート基、p-トルエンスルホナート基、メタンスルホナート基、またはトリフルオロメタンスルホナート基である。
これらの一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)または一般式(11)で表される有機化合物は、アキラル、ラセミ体、光学活性体のいずれであってもよい。
これらの一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)または一般式(11)で表される有機化合物は、アキラル、ラセミ体、光学活性体のいずれであってもよい。
本発明における水素を供与する化合物は、熱的作用によって、または触媒作用によって水素を供与することのできる化合物を意味しており、このような水素供与性の化合物については特にその種類に限定されない。好適な水素を供与する化合物としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、1-ペンタノール、シクロペンチルアルコール、1-へキサノール、シクロへキシルアルコール、ベンジルアルコール、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸リチウム、ギ酸アンモニウムなどが挙げられ、単独または複数種組み合わせて用いることができる。反応性や経済性という点で、好ましくはギ酸、ギ酸塩、メタノール、エタノール、2-プロパノールである。
用いられる水素を供与する化合物の量は、カルボニル化合物に対し、1~30当量で用いることができるが、反応性や経済性の点から、好ましくは1~10当量で用いる。水素を供与する化合物としてギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸リチウム、ギ酸アンモニウムなどのギ酸塩を用いる場合は、必要に応じて相間移動触媒を添加して反応を実施してもよい。用い得る相間移動触媒としては、長鎖アルキルアンモニウムカチオンを有する塩であれば何でもよいが、反応性や経済性の点から好ましくはテトラブチルアンモニウム塩である。相間移動触媒の添加によっては、多くの場合、反応速度が向上する効果が認められる。添加する相間移動触媒の量としては、カルボニル化合物に対して通常0.001~10モル当量の範囲で用いるが、反応性や経済性の点から好ましくは0.01~0.1モル当量用いるのが望ましい 。
用いられるアミノアルコールの量は、カルボニル化合物に対し、通常1~30当量で用いることができるが、反応性や経済性の点から好ましくは1~10当量で用いる。また、アミノアルコール塩としても用いることができる。
用いられる有機イリジウム化合物の量は、有機イリジウム化合物に対するカルボニル化合物の物質量比をS/C(基質/触媒モル比)で表記すると、カルボニル化合物の構造、有機イリジウム化合物の種類、濃度、反応温度、水素を供与する化合物の種類などによって大きく変動するが、S/C=10~10,000,000の範囲で、好ましくはS/C=100~1,000,000の範囲で用いることができる。
本発明における第一工程の反応である、アミノアルコールとカルボニル化合物との反応、またはヘミアミナールエーテル、イミンもしくはエナミンの反応においては、基質や生成物、有機イリジウム化合物、水素を供与する化合物の物理的性質や化学的性質を考慮し、適宜反応溶媒を用いることができる。プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、イオン性液体、水および緩衝液を単独で、もしくは複数組み合わせて用いることができる。反応性、経済性の面で、好ましくは水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、エチレングリコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンである。
第一工程の反応温度は、基質や生成物の溶解度、反応性、および経済性を考慮して、好ましくは-20℃~100℃程度で実施することができるが、さらに好ましくは20℃~80℃である。反応時間は、S/C、基質濃度、温度などの反応条件によって異なるが、数分から100時間で反応が完結する。
本発明における第二工程の反応である、窒素上の2-ヒドロキシエチル骨格を有する置換基、すなわち第一工程の反応生成物における以下の一般式(A)
式中、R2、R3、R4、およびR5は一般式(1)と同じ意味を有する、
で表される部位、の酸化的な脱保護反応は、2-アミノ-1-エタノール骨格の炭素炭素結合が酸化開裂した後、加水分解することによって達成される。この反応を駆動する酸化剤としては、1,2-ジオール類の酸化開裂で用いられる酸化剤を使用することができ、特にその種類に限定されないが、例えば、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸アンモニウムなどの過ヨウ素酸塩、四酢酸鉛、(ジアセトキシヨード)ベンゼンやDess-Martinペルヨージナンなどの超原子価ヨウ素化合物、次亜塩素酸ナトリウムなどを単独で、もしくは複数組み合わせて用いることができる。反応性、経済性を考慮して、好ましくは過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、四酢酸鉛、Dess-Martinペルヨージナンである。
用いられる酸化剤の量は、カルボニル化合物に対して1~30当量で用いることができるが、反応性や経済性の点から、好ましくは1~10当量で用いる。
で表される部位、の酸化的な脱保護反応は、2-アミノ-1-エタノール骨格の炭素炭素結合が酸化開裂した後、加水分解することによって達成される。この反応を駆動する酸化剤としては、1,2-ジオール類の酸化開裂で用いられる酸化剤を使用することができ、特にその種類に限定されないが、例えば、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸アンモニウムなどの過ヨウ素酸塩、四酢酸鉛、(ジアセトキシヨード)ベンゼンやDess-Martinペルヨージナンなどの超原子価ヨウ素化合物、次亜塩素酸ナトリウムなどを単独で、もしくは複数組み合わせて用いることができる。反応性、経済性を考慮して、好ましくは過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、四酢酸鉛、Dess-Martinペルヨージナンである。
用いられる酸化剤の量は、カルボニル化合物に対して1~30当量で用いることができるが、反応性や経済性の点から、好ましくは1~10当量で用いる。
第二工程においても、基質や生成物、酸化剤の物理的性質や化学的性質を考慮し、適宜反応溶媒を用いることができる。特に用いた酸化剤の性質によって使い分けるのが好ましく、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、イオン性液体、水および緩衝液を単独で、もしくは複数組み合わせて用いることができる。
第二工程の反応温度も、基質や生成物、酸化剤の物理的性質、化学的性質、反応性、および経済性を考慮して、適宜選択される。特に用いた酸化剤の性質に応じて選択するのが好ましい。通常-78℃~100℃程度で実施することができる。反応時間は、酸化剤の性質、量、基質濃度、温度などの反応条件によって異なるが、数分から100時間で反応が完結する。
第二工程の反応温度も、基質や生成物、酸化剤の物理的性質、化学的性質、反応性、および経済性を考慮して、適宜選択される。特に用いた酸化剤の性質に応じて選択するのが好ましい。通常-78℃~100℃程度で実施することができる。反応時間は、酸化剤の性質、量、基質濃度、温度などの反応条件によって異なるが、数分から100時間で反応が完結する。
生成した光学活性第一級または第二級アミン化合物の精製は、酸-塩基抽出、カラムクロマトグラフィー、蒸留、塩化、再結晶等の公知の方法により、または適宜それらの組み合わせにより行なうことができる。
また、上記反応の反応形式は、特に限定されず、バッチ式、連続式あるいはフロー反応装置のいずれにおいても実施することができる。
また、上記反応の反応形式は、特に限定されず、バッチ式、連続式あるいはフロー反応装置のいずれにおいても実施することができる。
以下、実施例を示しさらに詳しく本発明について説明する。もちろん、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、下記の実施例において、反応に使用した基質、反応剤、溶媒などは、特に記載のない限り試薬購入品を用いた。
また、NMRは、JNM-ECX400P(400MHz,日本電子)を用いて測定した。1H-NMRはテトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質に用い、その信号をδ=0(δは化学シフト)とした。また、クマリンまたは1,3,5-トリメトキシベンゼンを内部標準物質に用い、反応収率を算出した。
GCは、7890B(Agilent Technologies)を用いて測定した。カラムはCP-chirasil-DEX CB(25m×0.25mm×0.25μm,Agilent Technologies)を用いた。
HPLCは、1260Infinityおよび1260InfinityII(Agilent Technologies)を用いて測定した。カラムおよび溶離液は、CROWNPAK CR-I(+)(150mm×3mmφ×5μm,ダイセル)および過塩素酸水溶液/アセトニトリル、CROWNPAK CR-I(-)(150mm×3mmφ×5μm,ダイセル)およびトリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル、CHIRALCEL OD-H(250mm×4.6mmφ×5μm,ダイセル)およびヘキサン/2-プロパノール、またはCHIRALPAK AD-H(250mm×4.6mmφ×5μm,ダイセル)およびエタノール/ジエチルアミンあるいはヘキサン/2-プロパノール/トリエチルアミンを用いた。
また、NMRは、JNM-ECX400P(400MHz,日本電子)を用いて測定した。1H-NMRはテトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質に用い、その信号をδ=0(δは化学シフト)とした。また、クマリンまたは1,3,5-トリメトキシベンゼンを内部標準物質に用い、反応収率を算出した。
GCは、7890B(Agilent Technologies)を用いて測定した。カラムはCP-chirasil-DEX CB(25m×0.25mm×0.25μm,Agilent Technologies)を用いた。
HPLCは、1260Infinityおよび1260InfinityII(Agilent Technologies)を用いて測定した。カラムおよび溶離液は、CROWNPAK CR-I(+)(150mm×3mmφ×5μm,ダイセル)および過塩素酸水溶液/アセトニトリル、CROWNPAK CR-I(-)(150mm×3mmφ×5μm,ダイセル)およびトリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル、CHIRALCEL OD-H(250mm×4.6mmφ×5μm,ダイセル)およびヘキサン/2-プロパノール、またはCHIRALPAK AD-H(250mm×4.6mmφ×5μm,ダイセル)およびエタノール/ジエチルアミンあるいはヘキサン/2-プロパノール/トリエチルアミンを用いた。
Cp*IrCl(N-(4-ジメチルアミノフェニル)-4-ジメチルアミノピリジン-2-カルボン酸アミダート)(Ir-PA)、Cp*IrCl(4-ジメチルアミノ-8-キノリノラート)(Ir-QN)は、試薬を購入し、使用した。
Cp*IrCl(N-(1-フェニル-1-(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジル)エチル)メタンスルホンアミダート)(Ir-PSA36)、Ir-PSA4、5、7、14、15、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、31、35、38、39、40は特許第6227889号に記載の方法を参考に合成した。
Cp*IrCl(2-(2-ピリジル)フェノラート)(Ir-PP)は特許第5719115号に記載の方法を参考に合成した。
Cp*IrCl(5-((3,4,5-トリエチル-4-イミダゾリン-2-イリデン-1-イル)メチル)-1-ピロリジナート-2-オン)(Ir-CA)は特許第6254811号に記載の方法を参考に合成した。
Cp*IrCl(N-(1-フェニル-1-(3,5-ジメチル-4-メトキシ-2-ピリジル)エチル)メタンスルホンアミダート)(Ir-PSA36)、Ir-PSA4、5、7、14、15、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、31、35、38、39、40は特許第6227889号に記載の方法を参考に合成した。
Cp*IrCl(2-(2-ピリジル)フェノラート)(Ir-PP)は特許第5719115号に記載の方法を参考に合成した。
Cp*IrCl(5-((3,4,5-トリエチル-4-イミダゾリン-2-イリデン-1-イル)メチル)-1-ピロリジナート-2-オン)(Ir-CA)は特許第6254811号に記載の方法を参考に合成した。
[比較例1](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
5-メトキシ-2-テトラロン(1.85g,10.5mmol)、(S)-バリノール(1.25g,12.1mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。アセトニトリル(21mL)、無水硫酸マグネシウム(1.85g)を加えて、60℃で15時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、減圧濃縮してスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]2.85gを得た。
生成物1.31gをシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(18mL)に溶かし、-20℃に冷却した。-20℃で水素化ホウ素ナトリウム(284mg)を加えて、室温まで昇温しながら19時間攪拌した。反応液に1M塩酸を加えてクエンチし、減圧濃縮してメタノールを留去した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリン1.45gを得た。NMR分析により、収率99%で生成していたものの、ジアステレオ選択性は9%deでしかなかった。
生成物全量をメタノール(6mL)、水(7mL)、40%メチルアミン水溶液(2mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(1.5g)を加えて17時間攪拌した。減圧濃縮してメタノールを留去した後、水を加えて攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン0.42gを得た。HPLC分析により、その光学純度は8%eeでしかなかった。
5-メトキシ-2-テトラロン(1.85g,10.5mmol)、(S)-バリノール(1.25g,12.1mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。アセトニトリル(21mL)、無水硫酸マグネシウム(1.85g)を加えて、60℃で15時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、減圧濃縮してスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]2.85gを得た。
生成物1.31gをシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(18mL)に溶かし、-20℃に冷却した。-20℃で水素化ホウ素ナトリウム(284mg)を加えて、室温まで昇温しながら19時間攪拌した。反応液に1M塩酸を加えてクエンチし、減圧濃縮してメタノールを留去した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリン1.45gを得た。NMR分析により、収率99%で生成していたものの、ジアステレオ選択性は9%deでしかなかった。
生成物全量をメタノール(6mL)、水(7mL)、40%メチルアミン水溶液(2mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(1.5g)を加えて17時間攪拌した。減圧濃縮してメタノールを留去した後、水を加えて攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン0.42gを得た。HPLC分析により、その光学純度は8%eeでしかなかった。
[比較例2](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
オートクレーブに10%パラジウム/炭素(65mg)を仕込み、アルゴン置換した。比較例1と同様にして合成したスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]1.31gをメタノール(10mL)に溶かした溶液を加えた後、オートクレーブ内を水素ガスで3回置換した。オートクレーブを水素ガスで0.5MPaに加圧し、40℃で22時間激しく攪拌した。水素ガスを注意深く開放した後、反応液をセライトろ過し、減圧濃縮して(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリン1.43gを得た。NMR分析により、収率は63%、ジアステレオ選択性は16%deでしかなかった。
生成物全量をメタノール(6mL)、水(7mL)、40%メチルアミン水溶液(2mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(1.5g)を加えて18時間攪拌した。減圧濃縮してメタノールを留去した後、水を加えて攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン0.41gを得た。HPLC分析により、その光学純度は15%eeでしかなかった。
オートクレーブに10%パラジウム/炭素(65mg)を仕込み、アルゴン置換した。比較例1と同様にして合成したスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]1.31gをメタノール(10mL)に溶かした溶液を加えた後、オートクレーブ内を水素ガスで3回置換した。オートクレーブを水素ガスで0.5MPaに加圧し、40℃で22時間激しく攪拌した。水素ガスを注意深く開放した後、反応液をセライトろ過し、減圧濃縮して(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリン1.43gを得た。NMR分析により、収率は63%、ジアステレオ選択性は16%deでしかなかった。
生成物全量をメタノール(6mL)、水(7mL)、40%メチルアミン水溶液(2mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(1.5g)を加えて18時間攪拌した。減圧濃縮してメタノールを留去した後、水を加えて攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン0.41gを得た。HPLC分析により、その光学純度は15%eeでしかなかった。
[実施例1](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン・(S)-マンデル酸塩の合成
5-メトキシ-2-テトラロン(150g,850mmol)を反応容器に仕込み、アルゴン置換した。(S)-バリノール(101g,978mmol)、メタノール(850mL)、ギ酸(117g,2.55mol)を加えて約10分間攪拌した後、Ir-PSA36(118mg,170μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで抽出した。MTBE相を水洗し、減圧下溶媒を留去して(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを得た。HPLC分析により、反応のジアステレオ選択性は83%deであった。
生成物を塩化し、再結晶精製して、ジアステレオマー過剰率99%deにした後、その一部(230mmol)を反応容器に仕込み、メタノール(154mL)、水(154mL)、40%メチルアミン水溶液(230mL)を加えて溶かした。10℃に冷却し、過ヨウ素酸ナトリウム(128g,597mmol)を加えて、22時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を水洗し、減圧濃縮して酢酸エチルを留去した。残渣を2-プロパノールに溶かした後(S)-マンデル酸を加えて塩化させ、生成した沈殿をろ取した。得られた結晶を減圧乾燥して、ジアステレオマー過剰率99%deの(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン・(S)-マンデル酸塩74gを、総収率73%で得た。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ1.61(m,1H),2.06(m,1H),2.44-2.53(m,1H),2.70(dd,1H,J=10.1,16.0Hz),2.80(m,1H),2.96(dd,1H,J=4.1,16.0Hz),3.29(m,1H),3.4(br,1H),3.76(s,3H),4.50(s,1H),6.67(d,1H,J=7.8Hz),6.77(d,1H,J=7.8Hz),7.10(t,1H,J=7.8Hz),7.14(m,1H),7.21(m,2H),7.35(m,2H),7.5(br,3H).
13C NMR(DMSO-d6,100MHz)δ21.3,26.8,33.6,46.1,55.2,73.4,107.8,121.0,123.3,126.0,126.2,126.6,127.3,134.2,143.7,156.7,174.3.
5-メトキシ-2-テトラロン(150g,850mmol)を反応容器に仕込み、アルゴン置換した。(S)-バリノール(101g,978mmol)、メタノール(850mL)、ギ酸(117g,2.55mol)を加えて約10分間攪拌した後、Ir-PSA36(118mg,170μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで抽出した。MTBE相を水洗し、減圧下溶媒を留去して(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを得た。HPLC分析により、反応のジアステレオ選択性は83%deであった。
生成物を塩化し、再結晶精製して、ジアステレオマー過剰率99%deにした後、その一部(230mmol)を反応容器に仕込み、メタノール(154mL)、水(154mL)、40%メチルアミン水溶液(230mL)を加えて溶かした。10℃に冷却し、過ヨウ素酸ナトリウム(128g,597mmol)を加えて、22時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を水洗し、減圧濃縮して酢酸エチルを留去した。残渣を2-プロパノールに溶かした後(S)-マンデル酸を加えて塩化させ、生成した沈殿をろ取した。得られた結晶を減圧乾燥して、ジアステレオマー過剰率99%deの(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリン・(S)-マンデル酸塩74gを、総収率73%で得た。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ1.61(m,1H),2.06(m,1H),2.44-2.53(m,1H),2.70(dd,1H,J=10.1,16.0Hz),2.80(m,1H),2.96(dd,1H,J=4.1,16.0Hz),3.29(m,1H),3.4(br,1H),3.76(s,3H),4.50(s,1H),6.67(d,1H,J=7.8Hz),6.77(d,1H,J=7.8Hz),7.10(t,1H,J=7.8Hz),7.14(m,1H),7.21(m,2H),7.35(m,2H),7.5(br,3H).
13C NMR(DMSO-d6,100MHz)δ21.3,26.8,33.6,46.1,55.2,73.4,107.8,121.0,123.3,126.0,126.2,126.6,127.3,134.2,143.7,156.7,174.3.
[実施例2](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
まず、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを合成した。
5-メトキシ-2-テトラロン(881mg,5mmol)、(S)-バリノール(619mg,6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(6.96mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンが収率95%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.91(d,3H,J=6.8Hz),0.96(d,3H,J=6.8Hz),1.51(m,1H),1.80(m,1H),2.10(m,1H),2.51-2.65(m,3H),2.86-3.03(m,3H),3.29(dd,1H,J=7.2,10.4Hz),3.60(dd,1H,J=4.8,10.8Hz),3.81(s,3H),6.66-6.71(m,2H),7.09(t,1H,J=8.0Hz).
まず、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを合成した。
5-メトキシ-2-テトラロン(881mg,5mmol)、(S)-バリノール(619mg,6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(6.96mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンが収率95%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.91(d,3H,J=6.8Hz),0.96(d,3H,J=6.8Hz),1.51(m,1H),1.80(m,1H),2.10(m,1H),2.51-2.65(m,3H),2.86-3.03(m,3H),3.29(dd,1H,J=7.2,10.4Hz),3.60(dd,1H,J=4.8,10.8Hz),3.81(s,3H),6.66-6.71(m,2H),7.09(t,1H,J=8.0Hz).
得られた目的物全量をメタノール(15mL)、水(15mL)、40%メチルアミン水溶液(5mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(3.76g,16.5mmol)を加えて、室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを得た。HPLC分析により、その光学純度は84%eeであった。
[実施例3~26](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
触媒である有機イリジウム化合物を変えた以外は、実施例2と同様にして(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを合成した。結果を表1に示す。なお、表中のyieldには第一工程の反応収率を、eeには最終生成物の光学純度を記載した。
触媒である有機イリジウム化合物を変えた以外は、実施例2と同様にして(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを合成した。結果を表1に示す。なお、表中のyieldには第一工程の反応収率を、eeには最終生成物の光学純度を記載した。
[実施例27~29](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
アミン源であるアミノアルコールを変えた以外は、実施例2と同様にして(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを合成した。結果を表2に示す。なお、表中のyieldには第一工程の反応収率を、eeには最終生成物の光学純度を記載した。
アミン源であるアミノアルコールを変えた以外は、実施例2と同様にして(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを合成した。結果を表2に示す。なお、表中のyieldには第一工程の反応収率を、eeには最終生成物の光学純度を記載した。
[実施例30](R)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
まず、(R)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを下記のとおり合成した。
5-メトキシ-2-テトラロン(881mg,5mmol)、(R)-バリノール(619mg,6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA28(6.38mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、(R)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンが収率70%で生成していた。
まず、(R)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを下記のとおり合成した。
5-メトキシ-2-テトラロン(881mg,5mmol)、(R)-バリノール(619mg,6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA28(6.38mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、(R)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンが収率70%で生成していた。
得られた目的物全量をメタノール(15mL)、40%メチルアミン水溶液(5mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(3.76g,16.5mmol)を加えて、室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(R)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを得た。HPLC分析により、その光学純度は32%eeであった。
[実施例31](R)-N-アセチル-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンの合成
まず、(R)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを下記のとおり合成した。
(S)-バリノール(619mg,6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(5mL)、(2-メトキシフェニル)アセトン(767μL,5mmol)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(6.66mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物1.36gを得た。NMR分析により、(R)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンが定量的に生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.91(d,3H,J=6.8Hz),0.96(d,3H,J=7.2Hz),1.08(m,3H),1.79(m,1H),2.47(dd,1H),2.54(m,1H),2.88(dd,1H),2.99(m,1H),3.25(dd,1H),3.48(dd,1H),3.82(s,3H),6.84-6.93(m,2H),7.10-7.22(m,2H).
まず、(R)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを下記のとおり合成した。
(S)-バリノール(619mg,6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(5mL)、(2-メトキシフェニル)アセトン(767μL,5mmol)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(6.66mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物1.36gを得た。NMR分析により、(R)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンが定量的に生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.91(d,3H,J=6.8Hz),0.96(d,3H,J=7.2Hz),1.08(m,3H),1.79(m,1H),2.47(dd,1H),2.54(m,1H),2.88(dd,1H),2.99(m,1H),3.25(dd,1H),3.48(dd,1H),3.82(s,3H),6.84-6.93(m,2H),7.10-7.22(m,2H).
得られた目的物の内251mgをメタノール(3mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて、室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(R)-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを得た。さらに、得られた化合物全量を塩化メチレン(5mL)に溶かし、トリエチルアミン(210μL)、無水酢酸(113μL,1.2mmol)を加えて室温で18時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで3回抽出した。塩化メチレン相を併せて無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、光学純度を測定するための(R)-N-アセチル-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを得た。HPLC分析により、その光学純度は86%eeであった。
[実施例32~33]N-アセチル-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンの合成
触媒である有機イリジウム化合物としてIr-PSA7を、アミン源であるアミノアルコールとしてそれぞれ(S)-フェニルグリシノールまたは(R)-フェニルグリシノールを用いた以外は実施例31と同様にして1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを得た。さらに、光学純度を測定するためのN-アセチル-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを合成した。結果を表3に示す。なお、表中のyieldには第一工程の反応収率を、eeには最終生成物の光学純度を記載した。
触媒である有機イリジウム化合物としてIr-PSA7を、アミン源であるアミノアルコールとしてそれぞれ(S)-フェニルグリシノールまたは(R)-フェニルグリシノールを用いた以外は実施例31と同様にして1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを得た。さらに、光学純度を測定するためのN-アセチル-1-(2-メトキシフェニル)-2-プロピルアミンを合成した。結果を表3に示す。なお、表中のyieldには第一工程の反応収率を、eeには最終生成物の光学純度を記載した。
[実施例34]N-ベンゾイル-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミンの合成
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
(4-クロロフェニル)アセトン(200mg,1.19mmol)、(R)-フェニルグリシノール(195mg,1.42mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(1.2mL)、ギ酸(135μL,3.56mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(1.6mg,2.4μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩が定量的に生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.17(d,3H,J=6.4Hz),2.61(dd,1H),3.02(m,1H),3.12(dd,1H),3.90(dd,1H),4.03(dd,1H),4.41(dd,1H),6.83(m,2H),6.9(br,2H),7.18(m,2H), 7.43-7.56(m,5H),8.57(s,1H).
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
(4-クロロフェニル)アセトン(200mg,1.19mmol)、(R)-フェニルグリシノール(195mg,1.42mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(1.2mL)、ギ酸(135μL,3.56mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(1.6mg,2.4μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩が定量的に生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.17(d,3H,J=6.4Hz),2.61(dd,1H),3.02(m,1H),3.12(dd,1H),3.90(dd,1H),4.03(dd,1H),4.41(dd,1H),6.83(m,2H),6.9(br,2H),7.18(m,2H), 7.43-7.56(m,5H),8.57(s,1H).
得られた目的物に水酸化カリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を減圧濃縮して、目的物のフリー体を得た。目的物のフリー体の半量をメタノール(1.8mL)、40%メチルアミン水溶液(0.6mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(446mg,3.3mmol)を水(1.8mL)に溶かした水溶液を加えて、室温で18時間攪拌した。反応液を塩化メチレンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、得られた溶液の半量に、トリエチルアミン(62μL)、塩化ベンゾイル(35μL,297μmol)を加えて室温で30分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を減圧濃縮して、光学純度を測定するためのN-ベンゾイル-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミンを得た。HPLC分析により、その光学純度は97%eeであった。
[実施例35]N-ベンゾイル-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミンの合成
触媒である有機イリジウム化合物としてIr-PAを用いた以外は実施例34と同様にして反応を行い、まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を定量的に得た。その後1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミンを合成し、その光学純度は80%eeであった。
触媒である有機イリジウム化合物としてIr-PAを用いた以外は実施例34と同様にして反応を行い、まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を定量的に得た。その後1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-(4-クロロフェニル)-2-プロピルアミンを合成し、その光学純度は80%eeであった。
[実施例36]N-ベンゾイル-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミンの合成
基質であるカルボニル化合物として(4-メチルフェニル)アセトンを用いた以外は実施例34と同様にして反応を行い、まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を定量的に得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.17(d,3H,J=6.4Hz),2.28(s、3H),2.60(dd,1H),3.02(m,1H),3.10(dd,1H),3.89(dd,1H),4.02(dd,1H),4.40(dd,1H),6.81(m,2H),7.03(m,2H), 7.40-7.56(m,5H),8.62(s,1H).
その後、1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミンを合成し、その光学純度は96%eeであった。
基質であるカルボニル化合物として(4-メチルフェニル)アセトンを用いた以外は実施例34と同様にして反応を行い、まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を定量的に得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.17(d,3H,J=6.4Hz),2.28(s、3H),2.60(dd,1H),3.02(m,1H),3.10(dd,1H),3.89(dd,1H),4.02(dd,1H),4.40(dd,1H),6.81(m,2H),7.03(m,2H), 7.40-7.56(m,5H),8.62(s,1H).
その後、1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミンを合成し、その光学純度は96%eeであった。
[実施例37]N-ベンゾイル-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミンの合成
触媒である有機イリジウム化合物としてIr-CAを、アミン源であるアミノアルコールとして(S)-フェニルグリシノールを用いた以外は実施例36と同様にして反応を行い、まず、N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を収率94%で得た。その後、1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミンを合成し、その光学純度は87%eeであった。
触媒である有機イリジウム化合物としてIr-CAを、アミン源であるアミノアルコールとして(S)-フェニルグリシノールを用いた以外は実施例36と同様にして反応を行い、まず、N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を収率94%で得た。その後、1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-(4-メチルフェニル)-2-プロピルアミンを合成し、その光学純度は87%eeであった。
[実施例38]N-ベンゾイル-1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミンの合成
まず、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、(4-ピリジル)アセトン(200mg,1.48mmol)、(S)-バリノール(244mg,1.78mmol)、メタノール(1.48mL)、ギ酸(110μL,2.96mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(5.2mg,7.4μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮して、生成物を得た。NMR分析により、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩が定量的に生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.95(d,3H),0.99(d,3H),1.12(d,3H),1.86(m,1H),2.58(dd,1H),2.64(m,1H),2.98(dd,1H),3.18(m,1H),3.47(dd,1H),3.59(dd,1H),7.14(m,2H),8.51(m,2H),8.6(br,1H).
まず、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、(4-ピリジル)アセトン(200mg,1.48mmol)、(S)-バリノール(244mg,1.78mmol)、メタノール(1.48mL)、ギ酸(110μL,2.96mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(5.2mg,7.4μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮して、生成物を得た。NMR分析により、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミン・ギ酸塩が定量的に生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.95(d,3H),0.99(d,3H),1.12(d,3H),1.86(m,1H),2.58(dd,1H),2.64(m,1H),2.98(dd,1H),3.18(m,1H),3.47(dd,1H),3.59(dd,1H),7.14(m,2H),8.51(m,2H),8.6(br,1H).
得られた目的物に水酸化カリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を減圧濃縮して、目的物のフリー体を得た。目的物のフリー体の半量をメタノール(2.2mL)、40%メチルアミン水溶液(735μL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(552mg,2.42mmol)を水(2.2mL)に溶かした水溶液を加えて、室温で18時間攪拌した。反応液を塩化メチレンで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、得られた溶液の半量に、トリエチルアミン(80μL)、塩化ベンゾイル(43μL,370μmol)を加えて室温で2時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して、光学純度を測定するためのN-ベンゾイル-1-(4-ピリジル)-2-プロピルアミンを得た。HPLC分析により、その光学純度は95%eeであった。
[実施例39]N-ベンゾイル-1-フェニル-2-ブチルアミンの合成
基質であるカルボニル化合物として1-フェニル-2-ブタノンを、アミン源であるアミノアルコールとして(R)-フェニルグリシノールを、触媒である有機イリジウム化合物としてIr-PSA18を用いて実施例38と同様にして反応を行い、まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-フェニル-2-ブチルアミン・ギ酸塩を94%収率で得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.85(d,3H),1.47(m,2H),2.71-2.78(m,2H),2.92(dd,1H),3.69-3.79(m,2H),4.02(dd,1H),7.08(m,2H),7.19-7.40(m,8H),8.5(br,1H).
その後、1-フェニル-2-ブチルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-フェニル-2-ブチルアミンを合成し、その光学純度は83%eeであった。
基質であるカルボニル化合物として1-フェニル-2-ブタノンを、アミン源であるアミノアルコールとして(R)-フェニルグリシノールを、触媒である有機イリジウム化合物としてIr-PSA18を用いて実施例38と同様にして反応を行い、まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-フェニル-2-ブチルアミン・ギ酸塩を94%収率で得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.85(d,3H),1.47(m,2H),2.71-2.78(m,2H),2.92(dd,1H),3.69-3.79(m,2H),4.02(dd,1H),7.08(m,2H),7.19-7.40(m,8H),8.5(br,1H).
その後、1-フェニル-2-ブチルアミン/塩化メチレン溶液を得た。さらに、光学純度を測定するために、N-ベンゾイル-1-フェニル-2-ブチルアミンを合成し、その光学純度は83%eeであった。
[実施例40](R)-2-メトキシ-5-(2-アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミドの合成
まず、(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
5-アセトニル-2-メトキシベンゼンスルホンアミド(730mg,3mmol)、(S)-フェニルグリシノール(494mg,3.6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(3mL)、ギ酸(453μL,12mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(2.1mg,3μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去して、生成物を得た。NMR分析により、収率94%で(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド・ギ酸塩が生成していた。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ0.77(d,3H,J=6.4Hz),2.39(dd,1H),2.57(m,1H),2.86(dd,1H),3.34(dd,1H),3.45(dd,1H),3.84(s,3H),3.92(dd,1H),7.0(br,2H),7.06(d,1H,J=8.0Hz),7.20-7.44(m,7H),8.26(s,1H).
まず、(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
5-アセトニル-2-メトキシベンゼンスルホンアミド(730mg,3mmol)、(S)-フェニルグリシノール(494mg,3.6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(3mL)、ギ酸(453μL,12mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(2.1mg,3μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去して、生成物を得た。NMR分析により、収率94%で(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド・ギ酸塩が生成していた。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ0.77(d,3H,J=6.4Hz),2.39(dd,1H),2.57(m,1H),2.86(dd,1H),3.34(dd,1H),3.45(dd,1H),3.84(s,3H),3.92(dd,1H),7.0(br,2H),7.06(d,1H,J=8.0Hz),7.20-7.44(m,7H),8.26(s,1H).
得られた目的物の全量に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで3回抽出した。塩化メチレン相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド438mgを得た。生成物の全量をメタノール(4.2mL)、水(4.2mL)、40%メチルアミン水溶液(1.3mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(978mg,4.3mmol)を加えて、室温で18時間激しく攪拌した。反応液を濃縮乾固して(R)-2-メトキシ-5-(2-アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミドを得た。HPLC分析により、その光学純度は95%eeであった。
[実施例41](R)-2-メトキシ-5-(2-アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミドの合成
アミン源であるアミノアルコールとして(S)-バリノールを用いた以外は実施例40と同様にして反応を行い、まず、(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド・ギ酸塩を収率69%で得た。さらに、(R)-2-メトキシ-5-(2-アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミドを合成し、その光学純度は97%eeであった。
アミン源であるアミノアルコールとして(S)-バリノールを用いた以外は実施例40と同様にして反応を行い、まず、(R)-2-メトキシ-5-(2-(N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド・ギ酸塩を収率69%で得た。さらに、(R)-2-メトキシ-5-(2-アミノプロピル)ベンゼンスルホンアミドを合成し、その光学純度は97%eeであった。
[実施例42](R)-N-アセチル-1-フェニルエチルアミンの合成
まず、(R)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-フェニルエチルアミンを下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、アセトフェノン(233μL,2mmol)、(R)-フェニルグリシノール(329mg,2.4mmol)、メタノール(2mL)、ギ酸(226μL,6mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(6.66mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物443mgを得た。NMR分析により、(R)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-フェニルエチルアミンが収率75%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.32(d,3H,J=6.4Hz),2.52(br,1H),3.48-3.57(m,3H),3.64(q,1H,J=6.8Hz),7.19-7.38(m,10H).
まず、(R)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-フェニルエチルアミンを下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、アセトフェノン(233μL,2mmol)、(R)-フェニルグリシノール(329mg,2.4mmol)、メタノール(2mL)、ギ酸(226μL,6mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(6.66mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物443mgを得た。NMR分析により、(R)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-フェニルエチルアミンが収率75%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.32(d,3H,J=6.4Hz),2.52(br,1H),3.48-3.57(m,3H),3.64(q,1H,J=6.8Hz),7.19-7.38(m,10H).
得られた目的物全量をメタノール(6ml)、水(6mL)、40%メチルアミン水溶液(2mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(1.5g,6.6mmol)を加えて室温で18時間激しく攪拌した。反応液を塩化メチレンで3回抽出した。塩化メチレン相を併せて、水次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(R)-1-フェニルエチルアミンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレン(5mL)に溶かし、トリエチルアミン(277μL)、無水酢酸(189μL,2mmol)を加えて、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクエンチし、塩化メチレンで3回抽出した。塩化メチレン相を併せて、水次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、光学純度を測定するための(R)-N-アセチル-1-フェニルエチルアミンを得た。GC分析により、その光学純度は93%eeであった。
[実施例43]1-(2-クロロフェニル)エチルアミンの合成
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンを下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、2′-クロロアセトフェノン(650μL,5mmol)、(R)-フェニルグリシノール(823mg,6mmol)、メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-QN(5.5mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンが収率46%で生成していた。そのジアステレマー過剰率は90%deであった。残渣を、ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的物574mgを得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.30(d,3H,J=6.4Hz),3.49-3.62(m,3H),4.16(q,1H,J=6.4Hz),7.18-7.35(m,8H),7.54(m,1H).
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンを下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、2′-クロロアセトフェノン(650μL,5mmol)、(R)-フェニルグリシノール(823mg,6mmol)、メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-QN(5.5mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンが収率46%で生成していた。そのジアステレマー過剰率は90%deであった。残渣を、ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的物574mgを得た。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.30(d,3H,J=6.4Hz),3.49-3.62(m,3H),4.16(q,1H,J=6.4Hz),7.18-7.35(m,8H),7.54(m,1H).
得られた目的物100mgをメタノール(810μl)、THF(90μL)、水(0.9mL)、40%メチルアミン水溶液(0.36mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(298mg,1.3mmol)を加えて室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル相を併せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、1-(2-クロロフェニル)エチルアミンを得た。HPLC分析により、その光学純度は86%eeであった。
[実施例44]1-(2-クロロフェニル)エチルアミンの合成
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンを下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、2′-クロロアセトフェノン(650μL,5mmol)、(R)-フェニルグリシノール(823mg,6mmol)、トルエン、パラトルエンスルホン酸一水和物(48mg,0.25mmol)を仕込み、ディーン・スタークトラップを着けて、18時間加熱還流した。減圧下トルエンを留去して得られた混合物に、メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加え約1分間攪拌した後、Ir-QN(5.5mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を留去して、生成物1.32gを得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンが収率72%で生成していた。そのジアステレマー過剰率は88%deであった。
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンを下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、2′-クロロアセトフェノン(650μL,5mmol)、(R)-フェニルグリシノール(823mg,6mmol)、トルエン、パラトルエンスルホン酸一水和物(48mg,0.25mmol)を仕込み、ディーン・スタークトラップを着けて、18時間加熱還流した。減圧下トルエンを留去して得られた混合物に、メタノール(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加え約1分間攪拌した後、Ir-QN(5.5mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を留去して、生成物1.32gを得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミンが収率72%で生成していた。そのジアステレマー過剰率は88%deであった。
得られた目的物全量をメタノール(8.1ml)、THF(0.9mL)、水(9mL)、40%メチルアミン水溶液(3.6mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(2.98g,13mmol)を加えて室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル相を併せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去した。残渣を、ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、1-(2-クロロフェニル)エチルアミン481mgを得た。HPLC分析により、その光学純度は92%eeであった。
[実施例45](S)-N-アセチル-2-オクチルアミンの合成
まず、(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-オクチルアミンを下記のとおり合成した。
シュレンク管にIr-PSA18(1.33mg,2μmol)を仕込みアルゴン置換した。2-オクタノン(156μL,1mmol)、(R)-バリノール(124mg,1.2mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン相を併せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物210mgを得た。NMR分析により、(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-オクチルアミンが収率94%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.86-0.92(m,3H),0.90(d,3H,J=6.8Hz),0.95(d,3H,J=6.8Hz),1.04(d,3H,J=6.4Hz),1.20-1.46(m,10H),1.75(m,1H),2.44(m,1H),2.64(m,1H),3.28(dd,1H),3.52(dd,1H).
まず、(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-オクチルアミンを下記のとおり合成した。
シュレンク管にIr-PSA18(1.33mg,2μmol)を仕込みアルゴン置換した。2-オクタノン(156μL,1mmol)、(R)-バリノール(124mg,1.2mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン相を併せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物210mgを得た。NMR分析により、(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-オクチルアミンが収率94%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.86-0.92(m,3H),0.90(d,3H,J=6.8Hz),0.95(d,3H,J=6.8Hz),1.04(d,3H,J=6.4Hz),1.20-1.46(m,10H),1.75(m,1H),2.44(m,1H),2.64(m,1H),3.28(dd,1H),3.52(dd,1H).
得られた目的物全量をメタノール(3mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて68時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(S)-2-オクチルアミンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレンに溶かし、トリエチルアミン(600μL)、DMAP(14mg)、無水酢酸(400μL,4.2mmol)を加えて、室温で47時間攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を加えて攪拌した後、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、光学純度を測定するための(S)-N-アセチル-2-オクチルアミンを得た。GC分析により、その光学純度は49%eeであった。
[実施例46]N-ベンゾイル-2-メチル-4-ヘプチルアミンの合成
シュレンク管にIr-PSA18(3.33mg,5μmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。2-メチル-4-ヘプタノン(158μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物128mgを得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-メチル-4-ヘプチルアミンが収率35%で生成していた。
シュレンク管にIr-PSA18(3.33mg,5μmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。2-メチル-4-ヘプタノン(158μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物128mgを得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-メチル-4-ヘプチルアミンが収率35%で生成していた。
生成物全量をメタノール(6mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて21時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン相を併せて、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、2-メチル-4-ヘプチルアミンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレン、トリエチルアミン(348μL)に溶かし、氷冷下塩化ベンゾイル(232μL)を滴加し、室温まで昇温して68時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてクエンチし、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去した。残渣を、ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物55mgを得た。NMR分析により光学純度を測定するためのN-ベンゾイル-2-メチル-4-ヘプチルアミンが生成しており、HPLC分析により、その光学純度は71%eeであった。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.92-0.99(m,9H),1.33-1.60(m,6H),1.69(m,1H),4.27(m,1H),5.72(br.d,1H),7.41-7.52(m,3H),7.76(m,2H).
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.92-0.99(m,9H),1.33-1.60(m,6H),1.69(m,1H),4.27(m,1H),5.72(br.d,1H),7.41-7.52(m,3H),7.76(m,2H).
[実施例47]N-ベンゾイル-3,3-ジメチルシクロヘキシルアミンの合成
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3,3-ジメチルシクロヘキシルアミンを下記のとおり合成した。
シュレンク管にIr-PSA18(1.33mg,2μmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。3,3-ジメチルシクロヘキサノン(139μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン相を併せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3,3-ジメチルシクロヘキシルアミンが収率92%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.77(s、3H),0.84-0.97(m,2H),0.91(s,3H),1.05(m,1H),1.27-1.74(m,5H),2.53(m,1H),3.43(dd,1H),3.65(dd,1H),3.87(dd,1H),7.25-7.34(m,5H).
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3,3-ジメチルシクロヘキシルアミンを下記のとおり合成した。
シュレンク管にIr-PSA18(1.33mg,2μmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。3,3-ジメチルシクロヘキサノン(139μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン相を併せて、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3,3-ジメチルシクロヘキシルアミンが収率92%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.77(s、3H),0.84-0.97(m,2H),0.91(s,3H),1.05(m,1H),1.27-1.74(m,5H),2.53(m,1H),3.43(dd,1H),3.65(dd,1H),3.87(dd,1H),7.25-7.34(m,5H).
生成物全量をメタノール(6mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて51時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで2回抽出した。塩化メチレン相を併せて、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、3,3-ジメチルシクロヘキシルアミンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレン、トリエチルアミン(488μL)に溶かし、氷冷下塩化ベンゾイル(395μL)を滴加し、室温まで昇温して68時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてクエンチし、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去した。残渣を、ヘキサン/酢酸エチルを溶離液としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、光学純度を測定するためのN-ベンゾイル-3,3-ジメチルシクロヘキシルアミン183mgを得た。HPLC分析により、その光学純度は87%eeであった。
[実施例48](S)-2-アミノ-3-フェニルプロピオン酸の合成
まず、(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-3-フェニルプロピオン酸・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
フェニルピルビン酸(492mg,3mmol)、(R)-バリノール(371mg,3.6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(3mL)、ギ酸(340μL,9mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(4.2mg,6μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、生成物793mgを得た。NMR分析により、収率43%で(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-3-フェニルプロピオン酸・ギ酸塩が生成していた。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ0.62(d,3H,J=6.9Hz),0.71(d,3H,J=6.9Hz),1.61(m,1H),2.25(m,1H),2.62(dd,1H,J=8.7,13.7Hz),7.73(dd,1H,J=8.2,13.3Hz),3.23(dd,1H,J=7.3,11.0Hz),3.36-3.40(m,2H),3.84(dd,1H,J=3.7,8.7Hz),7.13-7.27(m,5H).
まず、(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-3-フェニルプロピオン酸・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
フェニルピルビン酸(492mg,3mmol)、(R)-バリノール(371mg,3.6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(3mL)、ギ酸(340μL,9mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(4.2mg,6μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、生成物793mgを得た。NMR分析により、収率43%で(S)-N-((R)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-3-フェニルプロピオン酸・ギ酸塩が生成していた。
1H NMR(DMSO-d6,400MHz)δ0.62(d,3H,J=6.9Hz),0.71(d,3H,J=6.9Hz),1.61(m,1H),2.25(m,1H),2.62(dd,1H,J=8.7,13.7Hz),7.73(dd,1H,J=8.2,13.3Hz),3.23(dd,1H,J=7.3,11.0Hz),3.36-3.40(m,2H),3.84(dd,1H,J=3.7,8.7Hz),7.13-7.27(m,5H).
得られた目的物の全量をメタノール(9.6mL)、水(8.1mL)、40%メチルアミン水溶液(4.5mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(2.26g,9.9mmol)を加えて、室温で16時間激しく攪拌した。反応液を濃縮乾固して(S)-2-アミノ-3-フェニルプロピオン酸を得た。HPLC分析により、その光学純度は97%eeであった。
[実施例49](S)-2-アミノ-4-フェニル酪酸の合成
まず、(S)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-アミノ-4-フェニル酪酸・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
2-オキソ-4-フェニル酪酸(535mg,3mmol)、(R)-フェニルグリシノール(494mg,3.6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(3mL)、ギ酸(340μL,9mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(4.2mg,6μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、生成物984mgを得た。NMR分析により、収率68%で(S)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-アミノ-4-フェニル酪酸・ギ酸塩が生成していた。
得られた目的物の全量をメタノール(9.6mL)、水(8.1mL)、40%メチルアミン水溶液(4.5mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(2.26g,9.9mmol)を加えて、室温で16時間激しく攪拌した。反応液を濃縮乾固して(S)-2-アミノ-4-フェニル酪酸を得た。HPLC分析により、その光学純度は94%eeであった。
まず、(S)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-アミノ-4-フェニル酪酸・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
2-オキソ-4-フェニル酪酸(535mg,3mmol)、(R)-フェニルグリシノール(494mg,3.6mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。メタノール(3mL)、ギ酸(340μL,9mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA36(4.2mg,6μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去し、生成物984mgを得た。NMR分析により、収率68%で(S)-N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-アミノ-4-フェニル酪酸・ギ酸塩が生成していた。
得られた目的物の全量をメタノール(9.6mL)、水(8.1mL)、40%メチルアミン水溶液(4.5mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(2.26g,9.9mmol)を加えて、室温で16時間激しく攪拌した。反応液を濃縮乾固して(S)-2-アミノ-4-フェニル酪酸を得た。HPLC分析により、その光学純度は94%eeであった。
[実施例50]N-ベンゾイル-4-アミノ吉草酸メチルの合成
まず、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-4-アミノ吉草酸・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、レブリン酸(200mg,1.72mmol)、(R)-バリノール(213mg,2.07mmol)、メタノール(1.73mL)、ギ酸(195μL,5.17mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(2.3mg,3.5μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮して、生成物を得た。NMR分析により、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-4-アミノ吉草酸・ギ酸塩が収率92%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.04(d,3H),1.09(d,3H),1.37(d,3H),1.81-2.15(m,3H),2.42(m,1H),2.52(m,1H),2.93(m,1H),3.54(m,1H),3.83(m,1H),3.92(m,1H).
まず、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-4-アミノ吉草酸・ギ酸塩を下記のとおり合成した。
アルゴン置換したシュレンク管に、レブリン酸(200mg,1.72mmol)、(R)-バリノール(213mg,2.07mmol)、メタノール(1.73mL)、ギ酸(195μL,5.17mmol)を仕込み約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(2.3mg,3.5μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮して、生成物を得た。NMR分析により、N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-4-アミノ吉草酸・ギ酸塩が収率92%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.04(d,3H),1.09(d,3H),1.37(d,3H),1.81-2.15(m,3H),2.42(m,1H),2.52(m,1H),2.93(m,1H),3.54(m,1H),3.83(m,1H),3.92(m,1H).
得られた目的物の半量をメタノール(2.6mL)、40%メチルアミン水溶液(0.86mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(648mg,2.84mmol)を水(2.6mL)に溶かした水溶液を加えて、室温で18時間攪拌した。反応液に塩化メチレンを加えて攪拌し、分液して水層を取得した。水層を減圧濃縮して水をある程度留去した後、陽イオン交換樹脂(Amberlite CG-50,オルガノ)に通液し、減圧濃縮して乾固した。1M塩化水素/メタノール溶液(3mL)を加えて攪拌し、生じた沈殿をろ過により除去、濃縮乾固して4-アミノ吉草酸メチル・塩酸塩を得た。さらに、得られた塩の半量に、トリエチルアミン(100μL)、塩化ベンゾイル(50μL,431μmol)を加えて室温で30分間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を減圧濃縮して、光学純度を測定するためのN-ベンゾイル-4-アミノ吉草酸メチルを得た。HPLC分析により、その光学純度は68%eeであった。
[実施例51]N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3-アミノ吉草酸メチルの合成
シュレンク管にIr-PSA18(3.33mg,5μmol)、(S)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。3-オキソ吉草酸メチル(124μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで2回抽出した。MTBE相を併せて水洗し、溶媒を留去して、生成物210mgを得た。NMR分析により、N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3-アミノ吉草酸メチルが収率41%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.84(t,3H,J=7.2Hz),1.37-1.53(m,2H),2.36(dd,1H),2.49(dd,1H),2.90(m,1H),3.48(m,1H),3.65(m,1H),3.69(s,3H),3.87(m,1H),7.26-7.38(m,5H).
シュレンク管にIr-PSA18(3.33mg,5μmol)、(S)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。3-オキソ吉草酸メチル(124μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで2回抽出した。MTBE相を併せて水洗し、溶媒を留去して、生成物210mgを得た。NMR分析により、N-((S)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-3-アミノ吉草酸メチルが収率41%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.84(t,3H,J=7.2Hz),1.37-1.53(m,2H),2.36(dd,1H),2.49(dd,1H),2.90(m,1H),3.48(m,1H),3.65(m,1H),3.69(s,3H),3.87(m,1H),7.26-7.38(m,5H).
[実施例52]N-アセチル-2-プロピルシクロヘキシルアミンの合成
シュレンク管にIr-PSA18(3.33mg,5μmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。2-プロピルシクロヘキサノン(154μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで2回抽出した。MTBE相を併せて水洗し、溶媒を留去して、生成物229mgを得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-プロピルシクロヘキシルアミンが収率70%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.94(t,3H),1.17-1.58(m,13H),2.66(m,1H),3.06(br,1H),3.44(dd,1H),3.65(m,1H),3.78(m,1H),7.25-7.36(m,5H).
得られた目的物全量をメタノール(6mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて19時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、2-プロピルシクロヘキシルアミンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレンに溶かし、トリエチルアミン(130μL)、無水酢酸(95μL,1mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後、MTBEで抽出した。MTBE相を水洗し、溶媒を留去して、光学純度を測定するためのN-アセチル-2-プロピルシクロヘキシルアミンを得た。GC分析により、そのジアステレオマー比は88:12であり、メジャー体の光学純度は98%eeであった。
シュレンク管にIr-PSA18(3.33mg,5μmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)を仕込みアルゴン置換した。2-プロピルシクロヘキサノン(154μL,1mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで2回抽出した。MTBE相を併せて水洗し、溶媒を留去して、生成物229mgを得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-2-プロピルシクロヘキシルアミンが収率70%で生成していた。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ0.94(t,3H),1.17-1.58(m,13H),2.66(m,1H),3.06(br,1H),3.44(dd,1H),3.65(m,1H),3.78(m,1H),7.25-7.36(m,5H).
得られた目的物全量をメタノール(6mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて19時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、2-プロピルシクロヘキシルアミンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレンに溶かし、トリエチルアミン(130μL)、無水酢酸(95μL,1mmol)を加えて、室温で3時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後、MTBEで抽出した。MTBE相を水洗し、溶媒を留去して、光学純度を測定するためのN-アセチル-2-プロピルシクロヘキシルアミンを得た。GC分析により、そのジアステレオマー比は88:12であり、メジャー体の光学純度は98%eeであった。
[実施例53]3-(アセチルアミノ)-1-tert-ブトキシカルボニルピペリジンの合成
まず、1-tert-ブトキシカルボニル-3-(((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))アミノ)ピペリジンを下記のとおり合成した。
シュレンク管にIr-PSA18(1.33mg,2μmol)、N-Boc-3-ピペリジノン(199mg,1mmol)を仕込みアルゴン置換した。(R)-バリノール(124mg,1.2mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで2回抽出した。MTBE相を併せて水洗し、溶媒を留去して、生成物305mgを得た。NMR分析により、1-tert-ブトキシカルボニル-3-(((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))アミノ)ピペリジンが収率91%で生成していた。
得られた目的物全量をメタノール(3mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて16時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、1-tert-ブトキシカルボニル-3-アミノピペリジンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレンに溶かし、トリエチルアミン(708μL)、無水酢酸(400μL,4.2mmol)を加えて、室温で18時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、光学純度を測定するための3-(アセチルアミノ)-1-tert-ブトキシカルボニルピペリジンを得た。GC分析により、その光学純度は50%eeであった。
まず、1-tert-ブトキシカルボニル-3-(((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))アミノ)ピペリジンを下記のとおり合成した。
シュレンク管にIr-PSA18(1.33mg,2μmol)、N-Boc-3-ピペリジノン(199mg,1mmol)を仕込みアルゴン置換した。(R)-バリノール(124mg,1.2mmol)、メタノール(1mL)、ギ酸(116μL,3mmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮してメタノールを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、MTBEで2回抽出した。MTBE相を併せて水洗し、溶媒を留去して、生成物305mgを得た。NMR分析により、1-tert-ブトキシカルボニル-3-(((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))アミノ)ピペリジンが収率91%で生成していた。
得られた目的物全量をメタノール(3mL)、水(3mL)、40%メチルアミン水溶液(1mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(752mg,3.3mmol)を加えて16時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて攪拌し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、1-tert-ブトキシカルボニル-3-アミノピペリジンを得た。さらに、生成物の全量を塩化メチレンに溶かし、トリエチルアミン(708μL)、無水酢酸(400μL,4.2mmol)を加えて、室温で18時間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてクエンチした後、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、光学純度を測定するための3-(アセチルアミノ)-1-tert-ブトキシカルボニルピペリジンを得た。GC分析により、その光学純度は50%eeであった。
[実施例54](S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンの合成
まず、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを下記のとおり合成した。
5-メトキシ-2-テトラロン(3.54g,20mmol)、(S)-バリノール(2.48g,24mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。クロロホルム(40mL)、無水硫酸マグネシウム(3.52g)を加えて、加熱還流下17時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、減圧濃縮してスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]5.12gを得た。
得られたスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]1.31gをシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。アセトニトリル(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA4(6.52mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンが収率91%で生成していた。
まず、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを下記のとおり合成した。
5-メトキシ-2-テトラロン(3.54g,20mmol)、(S)-バリノール(2.48g,24mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。クロロホルム(40mL)、無水硫酸マグネシウム(3.52g)を加えて、加熱還流下17時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、減圧濃縮してスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]5.12gを得た。
得られたスピロ[5-メトキシテトラリン-2,2′-[4]-イソプロピルオキサゾリジン]1.31gをシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。アセトニトリル(5mL)、ギ酸(566μL,15mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA4(6.52mg,10μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル相を併せて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、(S)-N-((S)-2-(1-ヒドロキシル-3-メチルブチル))-2-アミノ-5-メトキシテトラリンが収率91%で生成していた。
得られた目的物全量をメタノール(15mL)、水(15mL)、40%メチルアミン水溶液(5mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(3.76g,16.5mmol)を加えて、室温で64時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、(S)-2-アミノ-5-メトキシテトラリンを得た。HPLC分析により、その光学純度は63%eeであった。
[実施例55]1-アミノ-4-シアノインダンの合成
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-アミノ-4-シアノインダンを下記のとおり合成した。
4-シアノ-1-インダノン(157mg,1mmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。塩化メチレン(1mL)、ギ酸(113μL,3mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(1.33mg,2μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-アミノ-4-シアノインダンが収率90%で生成していた。
得られた目的物全量をメタノール(2mL)、THF(225μL)、水(2.2mL)、40%メチルアミン水溶液(0.9mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(739mg,3.2mmol)を加えて、室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、1-アミノ-4-シアノインダンを得た。HPLC分析により、その光学純度は99%eeであった。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.77(m,1H),2.60(m,1H),2.96(m,1H),3.18(m,1H),4.42(t,1H,J=7.2Hz),7.32(t,1H,J=7.6Hz),7.49(d,1H,J=7.6Hz),7.56(d,1H,J=7.6Hz).
まず、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-アミノ-4-シアノインダンを下記のとおり合成した。
4-シアノ-1-インダノン(157mg,1mmol)、(R)-フェニルグリシノール(165mg,1.2mmol)をシュレンク管に仕込み、アルゴン置換した。塩化メチレン(1mL)、ギ酸(113μL,3mmol)を加えて約1分間攪拌した後、Ir-PSA18(1.33mg,2μmol)を加えて、アルゴン気流下、40℃で18時間激しく攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、溶媒を留去して、生成物を得た。NMR分析により、N-((R)-2-ヒドロキシル-1-フェニルエチル)-1-アミノ-4-シアノインダンが収率90%で生成していた。
得られた目的物全量をメタノール(2mL)、THF(225μL)、水(2.2mL)、40%メチルアミン水溶液(0.9mL)に溶かし、オルト過ヨウ素酸(739mg,3.2mmol)を加えて、室温で18時間激しく攪拌した。反応液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去して、1-アミノ-4-シアノインダンを得た。HPLC分析により、その光学純度は99%eeであった。
1H NMR(CDCl3,400MHz)δ1.77(m,1H),2.60(m,1H),2.96(m,1H),3.18(m,1H),4.42(t,1H,J=7.2Hz),7.32(t,1H,J=7.6Hz),7.49(d,1H,J=7.6Hz),7.56(d,1H,J=7.6Hz).
Claims (13)
- 光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物とを、
下記一般式(3)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(4)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(5)
Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または
下記一般式(6)
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンであり、
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数である、
で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。 - 光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物とを、
下記一般式(7)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である、
で表される有機イリジウム化合物と、
下記一般式(8)
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(9)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(10)
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または、
下記一般式(11)
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数であり、
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、
Zはアニオン性基である、
で表される有機化合物との存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。 - 光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、
で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物
から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、
下記一般式(3)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基であり、
R8およびR9は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(4)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(5)
Yは、窒素原子または酸素原子であり、
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、または、
下記一般式(6)
Bは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベンであり、
R16は、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-C(=O)-NRaRb、-C(=S)-NRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~C20のフルオロアルキル基または炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数である、
で表される有機イリジウム化合物の存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。 - 光学活性第一級または第二級アミン化合物の製造方法であって、
下記一般式(1)
Wは、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であり、2以上のWは、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、Ra、RbおよびRcは、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、環員数6~20のアラルキル基、環員数6~20のヘテロアラルキル基、環員数6~20のアルキルアリール基または環員数6~20のアルキルヘテロアリール基であり、
R2、R3、R4およびR5は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~22のアリール基または-C(=O)-ORaであり、Raは前記と同じ意味を有する、 で表されるアミノアルコールと、
下記一般式(2)
R6およびR7は、一緒になって環を形成してもよい、
で表されるカルボニル化合物から調製されたヘミアミナールエーテル、イミンまたはエナミンを、
下記一般式(7)
Xは、ヒドリド基またはアニオン性基である、
で表される有機イリジウム化合物と、
下記一般式(8)
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
jおよびkは、互いに同一または異なり、0~3までの整数であり、
R8またはR9が結合していないキノリン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
jが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(9)
R10は、 水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
lは0~4までの整数であり、
R8が結合していないピリジン環中の炭素原子が窒素原子によって置き換えられていてもよく、
lが2以上の場合、2以上のR8は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよい、
下記一般式(10)
Aは、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも一つの窒素原子を含む飽和または不飽和の複素環であって、
R11は、Yが窒素原子である場合、C1~C20のスルホニル基、-C(=O)-Ra または-C(=O)-NRaRbであって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、Yが酸素原子である場合無置換であり、
R12、R13、R14およびR15は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R12とR13および/またはR14とR15が一緒になって環を形成してもよく、
R12またはR13のどちらかと、R14またはR15のどちらかとが一緒になって環を形成してもよく、
R12もしくはR13のどちらかと、および/またはR14もしくはR15のどちらかとAとが一緒になって環を形成してもよく、
nは0~2のいずれか整数である、
または、
下記一般式(11)
R17、R18、R19、R20およびR21は、互いに同一または異なり、水素原子、C1~C20の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよい環員数6~20のアリール基、環員数3~20のヘテロシクリル基、C1~C20のアルコキシ基、-C(=O)-Ra 、-C(=O)-ORa、-OC(=O)-Ra、ヒドロキシル基、-NRaRb、-C(=O)-NRaRb、-NRa-C(=O)-Rb、ニトロ基、シアノ基、-PRaRb、C1~20のスルフェニル基、C1~20のスルホニル基、スルホ基、メルカプト基、-SiRaRbRc、ハロゲン基またはC1~C20のフルオロアルキル基であって、これらの基の1もしくは2以上の水素原子は前記置換基Wによって置換されていてもよく、
Ra、RbおよびRcは前記と同じ意味を有し、
R16、R17、R18、R19およびR20からなる群から選択される2以上の基は、一緒になって1または2以上の環を形成してもよく、
mは、0~3のいずれかの整数であり、
B’は、1または2以上の水素原子が前記置換基Wで置換されていてもよい、少なくとも2つの窒素原子を含む飽和または不飽和の含窒素複素環カルベン前駆体であり、
Zはアニオン性基である、
で表される有機化合物との存在下において、水素を供与する化合物と反応させる工程、および、
反応生成物における以下の一般式(A)
で表される部位を酸化的に脱保護する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。 - 一般式(1)で表されるアミノアルコールが光学活性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(1)で表されるアミノアルコールが、2-アミノエタノール、バリノール、2-アミノ-1-ブタノール、ロイシノール、tert-ロイシノール、フェニルグリシノール、フェニルアラニノール、セリン、セリンエステル、トレオニンまたはトレオニンエステルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- nが0である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- mが1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)もしくは一般式(6)で表される有機イリジウム化合物または一般式(8)、一般式(9)、一般式(10)もしくは一般式(11)で表される有機化合物が光学活性体である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 酸化的な脱保護を、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩または四酢酸鉛を酸化剤として用いて実施する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 水素を供与する化合物が、ギ酸またはギ酸塩である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(2)で表されるカルボニル化合物が、置換基を有していてもよい1-インダノン、β-テトラロン、フェニルアセトン、ピリジルアセトン、アセトフェノン、直鎖ジアルキルケトン、分枝鎖ジアルキルケトン、シクロヘキサノン、3-ピペリジノン、α-ケト酸(ケトエステル)、β-ケト酸(ケトエステル)、γ-ケト酸(ケトエステル)である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(2)で表されるカルボニル化合物が、置換基を有していてもよい5-メトキシ-2-テトラロン、5-アセトニル-2-メトキシベンゼンスルホンアミド、5-アセトニル-7-シアノ-1-(3-ベンゾイルオキシプロピル)インドリン、3-ピペリジノン、4-シアノインダノンである請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
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CN114957339B (zh) * | 2022-03-25 | 2023-11-24 | 大连理工大学 | 一类新型配合物的合成方法及其催化甲酸储放氢应用 |
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