JP4316111B2 - キッチン構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キッチン構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
対面型のキッチンは、キッチン側と、反キッチン側例えばダイニング側との間で料理、食器等の受け渡しをカウンターを利用して便利に行うことができる等の利点を有する。
【0003】
しかしながら、従来の対面型キッチンは、カウンターがキッチンの略背面位置から反キッチン側に張り出しているため、反キッチン側からカウンターへのアクセスは容易であるが、キッチン側からはカウンターがいささか遠い場合がある。
【0004】
特に、キッチン天面部においてシンクやコンロの位置より奥方に小物を置ける部分を設けた奥行き寸法の大きいキッチンの場合、料理や食器をキッチン側からカウンターに載せるのに苦労をする場合がある。
【0005】
また、上記のように、天面部の奥方に小物置き部分を設けたキッチンでは、小物置き部分に置いた小物が、反キッチン側からカウンター越しに見えてしまい、キッチンを雑然とした印象にしてしまうことがあるという問題もあった。
【0006】
更に、キッチン天面部を濡らした水が上記の小物置き部分へと伝って小物が水にさらされやすいという問題もあった。
【0007】
また、カウンターとして、上記のように、反キッチン側に張り出したものがあるが、反キッチン側の空間スペースとの関係などから、反キッチン側にあまり大きく張り出させることができず、カウンターの奥行き寸法を大きく確保することに限界があった。
【0008】
本発明は、従来のキッチン構造に内在する上記のような問題を解決することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、対面型であり、カウンターがキッチン天面部上方に張り出していることを特徴とするキッチン構造によって解決することができる。
【0010】
この対面型キッチン構造では、カウンターがキッチン天面部上方に張り出しているので、キッチン側から見た場合のカウンターまでの距離が短縮され、キッチンの側から容易にカウンターにアクセスすることができる。
【0011】
また、上記の課題は、対面型であり、キッチン天面部における奥方領域に小物置きスペースが設けられ、この小物置き部分の上方にカウンターが張り出していることを特徴とするキッチン構造によって解決される。
【0012】
この対面型キッチン構造では、小物置き部分を設けることによってキッチン天面部の奥行き寸法が大きくなったにもかかわらず、キッチン側から容易にカウンターにアクセスすることができる。
【0013】
しかも、小物置き部分の上方にカウンターが張り出しているので、小物置き部分に置いた小物がカウンターで隠れされ、反キッチン側から見たキッチンの印象をスッキリとしたものにすることができる。
【0014】
小物置き部分が隆起している場合は、キッチン天面部を濡らした水は、小物置き部分の隆起によって返され、小物置き部分が水にさらされるのを防ぐことができ、小物を水濡れから守ることができる。
【0015】
カウンターが、少なくともキッチン開口部において反キッチン側に張り出している場合は、キッチン側に張り出している部分を含めてカウンターの奥行き寸法を大きく確保することができる。反キッチン側へのカウンターの張出し寸法を大きく確保することができないような場合であっても、奥行き寸法の大きいカウンターを実現することが可能となる。
【0016】
カウンターの下面側にキッチン用の手元灯が備えられ、この手元灯の光がキッチン側に射し込むようになっている場合は、キッチン天面上での作業において手元をしっかりと照らすことができる。即ち、従来は、灯りが上部収納部の下面に設置されていることが多く、上から下に光りが射し込むため、手元に陰ができやすく、十分な照度を得られないことがあったが、カウンターの下側からキッチン側に光りが射し込むため、手元をしっかりと照らすことができる。
【0017】
前記手元灯からの光がカウンターの下面側から反キッチン側にも放射するようになっている場合は、手元灯の消し忘れを反キッチン側から容易に確認することができ、また、反キッチン側の室の間接照明として兼用することもできる。
【0018】
カウンターの下面側にキッチン側及び/又は反キッチン側から物の出し入れを行うことのできる収納部が設けられている場合は、そこに物を収納することができ、キッチン側や反キッチン側からのキッチンやカウンターの使い勝手をより良いものにすることができる。
【0019】
カウンターの下面側に反キッチン側に引出し可能な補助テーブルが備えられている場合は、カウンターにおいてより広いスペースを必要とするときにこの補助テーブルでそれを確保することができ、不要なときにはカウンターの下面側にコンパクトに仕舞っておくことができる。
【0020】
キッチン天面部における奥方領域に小物置きスペースが設けられ、この小物置き部分が隆起しているキッチン構造では、キッチンが対面型であるか否かを問わず、キッチン天面部を濡らした水が、小物置き部分の隆起によって返され、小物置き部分ひいてはそこに置いた小物が水にさらされてしまうのを防ぐことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1乃至図3、及び図4(イ)に示す実施形態の対面型キッチン構造において、1はキッチン、2はその天面部であり、このキッチン天面部2の奥行き寸法は例えば700mmと比較的大きく設計されており、シンク3やコンロ部4、調理作業部5よりも奥方に、キッチンの横方向の略全長にわたって延びる小物置き部分6が設けられている。
【0023】
この小物置き部分6は、奥行き寸法が例えば100mm程度で、他の天面部よりも例えば10mmほど隆起しており、その上面が水にさらされないようになっている。本実施形態の小物置き部分6は、上記のような高さ寸法と奥行き寸法とを有する帯板状のバックガード材7をキッチン天面奥方部分に設置することで形成されているが、キッチン天面部2がそのような小物置き部分用の隆起を有する天面部に一体成形により形成されていてもよい。
【0024】
そして、キッチン天面部2よりも所定の高さ上方に離間して、カウンター8が備えられている。このカウンター8は、奥行き寸法が例えば400〜500mmであり、小物置き部分6の天板となるように小物置き部分6の上方に張り出し、残部が反キッチン側に張り出して備えられている。この実施形態では、コンロ部4側の閉鎖部9と、開口部10とを含む全体にカウンター8が設けられている。閉鎖部9側においてキッチン側に張り出すカウンター部分は、小物置きとしての利用も可能である。なお、11は仕切り板であり、小物置き部分6に置いた小物が反キッチン側に落ちてしまわないようにする等の理由から設けられている。
【0025】
上記の対面型キッチン構造では、カウンター8がキッチン天面部2の上方に張り出しているので、キッチン側から見た場合のカウンター8までの距離が短縮され、キッチン側から容易にカウンター8にアクセスすることができる。しかも、小物置き部分6を設けたことでキッチン天面部2の奥行き寸法が大きくなったにもかかわらず、キッチン側から容易にカウンター8にアクセスすることができる。加えて、小物置き部分6の上方にカウンター8が張り出しているので、図4(イ)に示すように、小物置き部分6に置いた小物12がカウンター8で隠れ、反キッチン側からカウンター8に向かって座っている者などから見たキッチン1の印象をスッキリとしたものにすることができる。また、小物置き部分6が他の天面部よりも隆起しているので、小物置き部分6に置いた小物12が水にさらされることもない。更に、カウンター8は、上記のように反キッチン側に張り出しながら、キッチン側にも張り出しているので、反キッチン側へのカウンター8の張出し寸法を大きく確保することができないような場合であっても、奥行き寸法の大きい広いカウンター8が実現される。因みに上記の寸法関係でいうと、反キッチン側への張出し寸法が300〜400mmであっても、400〜500mmの奥行き寸法のカウンター8が実現される。
【0026】
図4(ロ)に示す実施形態は、カウンター8の下面に手元灯としての蛍光管15が取り付けられており、この蛍光管15からの光が仕切り板11を通じてキッチン側に射し込むようになされている。仕切り板11には、アクリル板などの透光性を有する板が用いられている。
【0027】
このキッチン構造では、キッチン天面部2上での作業において、この灯15により手元を十分な照度で陰をつくらずにしっかりと照らすことができる。しかも、仕切り板11は透光性を有するから、キッチン側を照らす光が透光板11を通じて反キッチン側にも放射され、反キッチン側における間接照明となって反キッチン側から見たカウンター8部分をこの光で演出することができる。また、この手元灯15の消し忘れを反キッチン側から容易に確認することができる。なお、16は、光源15からの光が反キッチン側に直接射し込むのを遮るもので、光遮断材として機能する。仕切り板11として、透光性を有する不透明あるいは半透明の板を用いる場合は、反キッチン側から、カウンター8とキッチン天面部2との間を通じて、キッチン側が覗かれるのを防ぐことができる。
【0028】
図5(イ)に示す実施形態は、カウンター8の下面側に収納部18が設けられたものである。この収納部18には、キッチン側と反キッチン側とにそれぞれ引き戸式の戸19,20が備えられていて、キッチン側と反キッチン側のいずれの側からも収納部18の中にアクセスすることができるようになっている。
【0029】
この収納部18は、例えば、軽食用の食器や調味料を収納する収納部として用いることができる。反キッチン側からカウンター8に向かって軽食をとろうとする者が、この収納部18から食器や調味料を取り出して用意することができ、また、キッチン側で洗い終えた軽食用の食器をキッチン側から収納部18に戻すことができて、非常に便利である。
【0030】
なお、収納部18は、キッチン側にのみ開閉されるものであってもよいし、反キッチン側にのみ開閉されるものであってもよい。また、収納部18は、開閉式でなく、開放型のものであってもよい。
【0031】
図5(ロ)に示す実施形態は、カウンター8の下面側に、反キッチン側に引出し可能な補助テーブル22が備えられたものである。例えば、図示するように、カウンター8の上に液晶ディスプレイ21を置き、補助テーブル22をカウンター8の下から引き出し、この補助テーブル22上にキーボード23を置くことによって、家計簿を付けるなどの家事作業をこのカウンター8で行うことができ、家事カウンターなどとしての使用が可能となり、また、インターネットなどを行うこともできる。
【0032】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、カウンターがキッチン側と反キッチン側との両方に張り出している例を示したが、キッチン側にのみ張り出した構成としてもよい。また、カウンターは、コンロ部4を除く開口10側にのみ設けられていてもよい。また、手元灯15と収納部18と補助テーブル22のすべてが備えられた構造にしてもよいし、そのうちのいずれか一つ又はいずれか二つが備えられた構造にしてもよいし、最初の実施形態に示すようにこれらの備えられていない構造にしてもよい。また、隆起させた小物置き部分6は、対面型キッチンに限らず、壁を向いて設置されるキッチンなど各種型のキッチンに適用されてよいし、キッチン天面部の横方向の一部分にのみ設けられたものであってもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、キッチンの側から容易にカウンターにアクセスすることができるし、キッチン天面部の奥方部分に小物置き部分を設けた場合であっても小物置き部分に置いた小物をカウンターで隠して反キッチン側から見たキッチンの印象をスッキリとしたものにすることができるなどの効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のキッチン構造を示す断面側面図である。
【図2】図1(イ)のI−I線矢視図である。
【図3】図1(イ)のII−II線矢視図である。
【図4】図(イ)は、図1のキッチン構造におけるカウンター部分を拡大した断面側面図、図(ロ)は、同部分についての他の実施形態を示す断面側面図である。
【図5】図(イ)及び図(ロ)はそれぞれ、カウンター部分における更に他の実施形態を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1…キッチン
2…天面部
6…小物置き部分
8…カウンター
10…開口部
15…蛍光管(手元灯)
18…収納部
22…補助テーブル
Claims (6)
- 対面型であり、カウンターがキッチン天面部上方に張り出すと共に、該カウンターの下面側にキッチン用の手元灯が備えられ、この手元灯の光が、キッチン側に射し込むようになっていると共に、カウンターの下面側から反キッチン側にも放射するようになっていることを特徴とするキッチン構造。
- キッチン天面部における奥方領域に小物置きスペースが設けられ、この小物置き部分の上方に前記カウンターが張り出している請求項1に記載のキッチン構造。
- 前記小物置き部分が隆起している請求項2に記載のキッチン構造。
- 前記カウンターが、少なくともキッチン開口部において反キッチン側に張り出している請求項1乃至3のいずれか一に記載のキッチン構造。
- 前記カウンターの下面側に、キッチン側及び反キッチン側から物の出し入れを行うことのできる収納部が設けられている請求項4に記載のキッチン構造。
- 前記カウンターの下面側に反キッチン側に引出し可能な補助テーブルが備えられている請求項4又は5に記載のキッチン構造。
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