JP4316094B2 - 放射線検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力プラントをはじめとする放射線取扱施設で用いられる一次元または二次元で放射線強度分布を測定する放射線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は特開平7−72565号公報に開示されているX線撮像装置の基本構成を示す図である。以下、図5に従って放射線強度の二次元分布を測定する手法を説明する。まず、放射線の入射に起因して光を生じる板状のシンチレータ1のX線入射面の裏側に、蛍光ファイバ(波長シフトファイバ)2を直交するように多数配置して、X−Y二次元のマトリックス情報を出力できるようにしておく。蛍光ファイバ2は、シンチレーション光を吸収し、より長い波長を放出し、それを伝送することができる。
【0003】
放射線の入射位置でシンチレーション光が発生すると、交差した蛍光ファイバ2にその一部が吸収され蛍光変換される。この蛍光は、蛍光ファイバ2内を伝播し、蛍光ファイバ2の端面に装着された光検出器で検出される。そして、光検出されたX,Y方向の蛍光ファイバ2の交点を放射線の入射位置として同定する。
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来例では、蛍光ファイバ2を「密」に並べることで蛍光ファイバ2の直径にほぼ等しい高い位置分解能が得られるが、逆に蛍光ファイバ2の本数を少なくして互いの間隔を開けて「疎」に並べた場合には、蛍光ファイバ2へのシンチレーション光の遭遇確率が低くなり、その結果信号検出確率が著しく低下することになる。
【0004】
X線撮像の場合には、比較的高い分解能が求められるため問題にはならないが、一般的な原子力プラントなどにおける放射性物質の分布、放射線強度の分布を測定する場合には、X線撮像の場合に比べて粗い分解能より広い面積を測定することが好ましいことが多い。
【0005】
例えば、最小分割エリアを10cm角程度とした数十cm四方の領域の一括分布測定などを想定し、上記従来例の手法を適用した場合、蛍光ファイバ2の本数を減らして「疎」な配置にした場合、実効的な検出感度を達成することができず、また「密」に並べた場合は、おびただしい数量の光検出器および信号処理回路が必要になり現実的ではない。
【0006】
さらに、原子力施設などで使用される検出器については、測定対象以外のバックグランドで放射線成分が常に存在するため、これらの補正を行えることも重要であり、大面積の二次元測定とバックグランド射線に対する補正、補償とを両立することが必須である。
【0007】
そのための検出器としては、シンチレータ自体を複数個に分割するとともに、2層用いることで、大面積の二次元測定とバックグランド補正、補償とを行うことも考えられるが、このような検出器を用いて放射性物質の分布、放射線強度の分布を測定する場合には、複数のシンチレータ位置での反応や、迷光などによる二種類のクロストークが発生する可能性があり、測定情報の誤差要因となる課題が生ずる。
【0008】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、大面積の位置識別型測定に対応可能であり、かつ放射線やそれに伴って発するシンチレーション光などの光によるクロストークの補償を行うことができる放射線検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、放射線の入射に起因して光を生じ、板状でかつ同一平面内に配置される複数枚の一層目シンチレータと、これら各一層目シンチレータの両側面に配置され内部に蛍光体を含む柱状の第1のライトガイドと、前記放射線が前記シンチレータに入射する面に対して反対側でかつ前記第1のライトガイドの軸方向に対して直交して同一平面内に複数配置される矩形の板状の二層目シンチレータと、前記一層目シンチレータと対向しない側の前記二層目シンチレータの面に密着して配置され内部に蛍光体を含む複数の第2のライトガイドと、前記一層目シンチレータと前記二層目シンチレータの間に配置された光遮断手段と、前記第1のライトガイドと前記第2のライトガイドの各端面に配置され、蛍光変換された光を検出する複数の光検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、1枚(1層)のシンチレータでシンチレーションが生じた場合、シンチレータ内部に捕獲され拡散・伝播する成分を第1のライトガイド(蛍光板)で蛍光変換して、その蛍光を光検出手段で検知することで放射線の入射を認識するとともに、発光ポイントからシンチレータ外に放射される光を複数に分割した第2のライトガイド(波長シフタ)で蛍光変換し、その蛍光を光検出手段で検知することで放射線による発光ポイント、すなわち入射位置を識別する。この場合、第2のライトガイドの数に応じた位置識別能力を実現することができる。
【0011】
そして、特に重要なことは、シンチレータ内部のいずれの場所で発光が生じても、その光はシンチレータ内を一様に拡散するため、側面に配置した第1のライトガイドで確実に捉えることができるところにある。また、位置情報を得るために重要な、シンチレーション光の第2のライトガイドへの入射効率についても、シンチレータの光放出側と第2のライトガイドの光受光側の交差する有効面が広く、かつ2つの層を接近して配置することができるため、シンチレータからの放出光についても、発光場所に関わらず幾何学的に効率良く蛍光変換をすることができるところがポイントである。これらの2つの基本的な作用は、他の請求項に記載された発明についても全て共通である。
【0012】
さらに、請求項1記載の発明によれば、シンチレータ、第1のライトガイドおよび第2のライトガイドのそれぞれを配置するに際し、互いに接触することがないようにしている。逆に言えば、その空間が、クロストークの原因とも言える。そこで、光遮断手段を設けることで、光の回り込みによってクロストークが発生するのを防止することが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の放射線検出装置において、請求項1記載の放射線検出装置において、前記一層目シンチレータに対して非接触の第1のライトガイドの表面に光遮断膜を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
シンチレーション光が第1のライトガイドにおいて高確率で波長変換されても、吸収されずに透過する光も存在する。そのため、請求項2記載の発明のように第1のライトガイドの外側に光遮断膜を設置することで、外部からの光を反射して第1のライトガイド内に入射することを防止すると同時に、第1のライトガイド内の光の反射効果を高めることが可能となる。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の放射線検出装置において、請求項1または2記載の放射線検出装置において、前記二層目シンチレータと対向する前記一層目シンチレータの面の反対側表面に光遮断カバーを設けたことを特徴とするものである。
【0016】
シンチレータから外部に放射される光が、主として光によるクロストークの原因として考えられる。そこで、請求項3記載の発明では、シンチレータの第2のライトガイドと反対側の表面に光遮断カバーを設けることで、シンチレータから外部に出た光が散逸するのを防ぐことが可能となる。
【0017】
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の放射線検出装置において、前記光検出手段は、第1のライトガイドと非接触の個所を遮光する検出面カバーを備えたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項3と同様に、シンチレータから外部に放射される光や、シンチレータから第1のライトガイドにおいて波長変換されなかった光がクロストークの主原因として考えられる。そこで、請求項4記載の発明では、光検出手段に入る第1のライトガイド以外からの光が入射する光検出手段の検出面を検出面カバーにより覆うことで、光検出手段が第1のライトガイドのみからの光信号を検出することが可能となる。
【0019】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4のいずれかに記載の放射線検出装置において、前記光遮断手段は、井桁状に形成された光遮断壁であることを特徴とするものであり、また、請求項6記載の発明では、請求項1ないし5のいずれかに記載の放射線検出装置において、総数n個のセグメントのそれぞれがi番目のセグメントiに与える寄与計数率をX1(i)、・・・、Xn(i)とした場合に、
で表わされる前記セグメントiの計数率Y(i)について、予め評価しておいた前記Xk(i)と全てのセグメントの検出情報とを用いて、前記セグメントiの計数率Y(i)に含まれるクロストークを補正する手段を設けたことを特徴とするものである。
【0020】
迷光によるクロストーク、複数のシンチレータ位置で反応することに起因するクロストーク、この二種類のクロストークが存在する際、請求項5記載の発明のように予めそのクロストークによる影響を評価しておき、その傾向を把握した上で補正を行うことで真の値を算出することが可能となる。
【0021】
請求項7記載の発明では、請求項1ないし5のいずれかに記載の放射線検出装置において、行または列がmで表される複数のセグメントのうちi番目のセグメントiと同じ行または列に位置するm個のセグメントが前記セグメントiに与える寄与計数率をX1(i)、・・・、Xm(i)とした場合に、
で表わされる前記セグメントiの計数率Y(i)について、予め評価しておいた前記Xk(i)と前記セグメントと同じ行または列に位置する各セグメントの検出情報とを用いて、前記セグメントiの計数率Y(i)に含まれるクロストークを補正する手段を設けたことを特徴とするものである。
【0022】
二層構造によってX−Yの情報を取得する方式の二次元検出器においては、迷光によるクロストークが一方の軸だけ多く、他方の軸に影響が少ないときは、影響の大きい軸に関して補正を行う手法を適用する。つまり、光検出手段の構造によっては、行または列毎に独立した光検出手段と考えることが可能である。
【0023】
請求項8記載の発明では、請求項1ないし5のいずれかに記載の放射線検出装置において、i番目のセグメントiに隣接するl個(ただし、lは3、5、8、の何れか)の各セグメントが前記セグメントiに与える寄与計数率をX1(i)、・・・、Xl(i)とした場合に、
で表わされる前記セグメントiの計数率Y(i)について、予め評価しておいた前記Xk(i)と、前記セグメントiに隣接する各セグメントの検出情報とを用いて、前記セグメントiの計数率Y(i)に含まれるクロストークを補正する手段を設けたことを特徴とするものである。
【0024】
X−Y二次元分布測定において、放射線の透過や散乱により隣接セグメントにクロストークが現れる確率は高いことが考えられる。その際には、請求項7記載の発明のように隣接セグメントのみのクロストークを補正し、影響の少ないセグメントによる影響を加味せずに補正を行うことにより、主として放射線が放射状に入射するクロストークの補正が可能となる。
【0025】
請求項9記載の発明では、請求項6ないし8のいずれかに記載の放射線検出装置において、前記クロストークを補正する手段は、位置検出最小単位の検出情報Xk(i)のそれぞれが有する統計誤差に重み付けを行う重み付け手段を備え、この重み付け手段は、セグメントiの計数率Y(i)に含まれるクロストークを取り除き、クロストークのないセグメントiの計数率Y(i)を求め、前記位置検出最小単位の検出情報Xk(i)に重みP(i)を付与することを特徴とするものである。
【0026】
放射線強度の低い分布測定を行った際、得られたデータの統計量が十分でないと、誤差の評価を行わなければならない。そこで、請求項8記載の発明のように統計量が十分な分布位置を重く、統計量が少ない位置は軽くすることにより、データの重み付けを行うことで、補正計算結果のデータに含まれる誤差分を補正することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において同一の要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】
[第1実施形態]
図1は本発明に係る放射線検出装置の第1実施形態の構成を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の放射線検出装置は、放射線の入射に起因して光を生じ、板状でかつ同一平面内に配置される複数枚のシンチレータ11と、これら各シンチレータ11の両側面に配置され内部に蛍光体を含む第1のライトガイド12と、放射線がシンチレータ11に入射する面に対して反対側でかつシンチレータ11の長手方向に対して直交して同一平面内に配置され、内部に蛍光体を含む複数の第2のライトガイド13と、第1のライトガイド12と第2のライトガイド13の各端面に配置され、蛍光変換された光を検出する光検出手段としての複数の光検出器14と、シンチレータ11、第1のライトガイド12および第2のライトガイド13上に配置された光遮断手段としての光遮断壁15とから構成されている。
【0029】
すなわち、同一平面内に配置された3枚のシンチレータ11の各2辺には、それぞれ第1のライトガイド12が接続されており、放射線が3枚のシンチレータ11に入射する面に対して反対側(図中シンチレータ11の下方)には、各シンチレータ11と面が平行になり、かつその長手方向が各シンチレータ11の長手方向に直交するように3枚の第2のライトガイド13が同一平面内に並設されている。そして、一層目(上層)のシンチレータ11側に面した各第2のライトガイド13の表面には、それぞれ二層目(下層)の平板状のシンチレータ11が密着して配置されている。
【0030】
また、各第1のライトガイド12と各第2のライトガイド13には、それぞれ光検出器14が接続されている。さらに、シンチレータ11、第1のライトガイド12および第2のライトガイド13上には、井桁状に形成した光遮断壁15が配置されている。
【0031】
以下、本実施形態の動作原理を説明する。
【0032】
シンチレータ11に放射線が入射すると、シンチレータ11の中でシンチレーション光が発生する。このシンチレーション光は、シンチレータ11の内部を伝播して第1のライトガイド12に吸収される内部伝播光と、発光と同時に外部に放射する成分とに分かれる。上記内部伝播光は、光遮断壁15によって隣り合うシンチレータ11へのクロストークが防止される。
【0033】
第1のライトガイド12に到達し蛍光変換された光は、第1のライトガイド12の内部に捕獲・伝送され、端面に装着した光検出器14に出射される。一方、シンチレータ11に捕獲されずに空気中に放射されたシンチレーション光はすぐ下側に配置された第2のライトガイド13に当たり、ここで蛍光変換される。第2のライトガイド13内で発生した蛍光は、第2のライトガイド13内に捕獲・拡散され、端面に装着された光検出器14で検出される。
【0034】
シンチレータ11のどこでシンチレーション光が発生しても、側面に配置された第1のライトガイド12を介して信号検出がなされるが、空気中に放射される光は発光ポイントから出射され、3つの第2のライトガイド13のいずれかに遭遇することになる。よって、シンチレータ11と3つの第2のライトガイド13の各信号の同時性を検査することで、一次元(3領域)の位置情報が得られることになる。
【0035】
すなわち、シンチレータ11と第2のライトガイド13は、3行3列のマトリックスを構成している。そして、光検出器14による各シンチレータ11に接続された第1のライトガイド12端での信号検出情報と第2のライトガイド13での信号検出情報の同時性を調べることで、9区画(3×3)の位置識別能力を持たせることができる。
【0036】
さらに、第2のライトガイド13には、シンチレータ11が張り合わされているため、図1中上部に位置するシンチレータ11から空気中に放射される光を受けて蛍光を発するとともに、張り合わされたシンチレータ11自体に放射線が入射した場合にも蛍光が発生する。
【0037】
ここで、シンチレータ11の形状は、平板形状のものを使用する。第1のライトガイド12と第2のライトガイド13としては、波長シフタと称される蛍光物質を含む樹脂を加工したもの、あるいは光ファイバなどを用いることができる。
【0038】
図1に示す第1のライトガイド12は、波長シフタを含む樹脂を角柱状に研磨加工した例を示している。この第1のライトガイド12は、光ファイバ状のものに比べて柔軟性はないものの、任意の太さに加工が可能である。また、第1のライトガイド12は、樹脂との屈折率差の大きい空気層に囲まれているため、内部捕獲・伝送効率が高い上、シンチレーションの蛍光変換確率を高めるため太くすることができる。シンチレータ11の形状や光検出器14の接続位置などに制約がある場合には、第1のライトガイド12に光ファイバ状のものを使用すると良い。
【0039】
波長シフタの種類については、シンチレータ11の発光波長帯と波長シフタの吸収波長帯とが重なるようなものを選択する必要がある。蛍光変換作用により第1のライトガイド12や第2のライトガイド13で発生した蛍光の一部は、内部捕獲され、端面まで伝送されるため、そこに光検出器14を配置することで蛍光を検出することができる。
【0040】
一般的な400nm帯で発光するプラスチックシンチレータに対しては、バイクロン社製BC−482Aやクラレ社製Y−7をはじめ、いくつかの波長シフタおよびそれを含む光ファイバが市販されている。
【0041】
第1のライトガイド12や第2のライトガイド13と光検出器14とを密接に結合するためには、一般的に光学結合剤が用いられる。この光学結合剤は、空気層の介在を防いで反射損失を低減するものである。また、特に図示はしていないが、シンチレータ11や第2のライトガイド13の開放側面には反射材を塗布、あるいは装着しておく。これは、集光量を確保する上で有用な一般的対策である。
【0042】
さらに、シンチレータ11からは、シンチレーション光が外部に向かって放射しているため、隣接する第2のライトガイド13に影響を及ぼすことがある。これを防止するため、光遮断壁15を設けて、迷光によるクロストークを減らすことができる。この光遮断壁15としては、光を通さないものであれば全てが適用できる。また、光を遮断するとともに、光を反射することができる金属、例えばアルミニウム箔、アルミマイラーシートなどや表面を鏡面加工仕上げにしたものや、光学リフレクタとして用いられている酸化チタンなどを用いると、光量が増加するため、検出器の性能を高めることが可能となる。また、装置を簡単に組み立てることができるように、これだけで井桁を組める状態にしておくと良い。
【0043】
なお、シンチレータ11、第1のライトガイド12および第2のライトガイド13のそれぞれを配置するに際し、互いに接触することがないようにしている。逆に言えば、その空間が、クロストークの原因とも言える。そこで、本実施形態では光遮断壁15を設けることで、光の回り込みによってクロストークが発生するのを未然に防止することが可能となる。
【0044】
[第2実施形態]
図2は本発明に係る放射線検出装置の第2実施形態を示す概略側面図である。
【0045】
本実施形態は、図2に示すように一層目(上層)のシンチレータ11に対して接していない第1のライトガイド12の表面に光遮断膜16a,16bを設けたものである。
【0046】
本実施形態において、光遮断膜16aはシンチレータ11を挿入する溝が片側のみに形成された第1のライトガイド12用として、また光遮断膜16bはシンチレータ11を挿入する溝が両側に形成された第1のライトガイド12用である。光遮断膜16a,16bのそれぞれの材質としては、アルミニウム箔やアルミマイラーなどの光を他から遮断し、かつ反射するようなものが適している。一方、酸化チタンなどのような第1のライトガイド12に塗布するようなものは用いることはできない。これは、第1のライトガイド12の外側に空気層を形成した方が高効率で端面まで伝送されることが分かっているためである。
【0047】
ところで、シンチレーション光が第1のライトガイド12において高確率で波長変換されても、吸収されずに透過する光も存在する。そのため、本実施形態のように第1のライトガイド12の外側に光遮断膜16a,16bを設置することで、外部からの光を反射して第1のライトガイド12内に入射することを防止すると同時に、第1のライトガイド12内の光の反射効果を高めることが可能となる。
【0048】
[第3実施形態]
図3は本発明に係る放射線検出装置の第3実施形態を示す概略側面図である。
【0049】
本実施形態は、前記第2実施形態と同様に一層目(上層)のシンチレータ11に対して接していない第1のライトガイド12の表面に光遮断膜16a,16bを設けた構成に加え、図3に示すように放射線の入射に起因して光を生じる板状のシンチレータ11の第2のライトガイド13と反対側の表面に光遮断カバー17を設けたものである。この光遮断カバー17としては、前記第2実施形態における光遮断膜16a,16bと同様の材料が適している。
【0050】
放射線の入射方向からシンチレータ11を通して第2のライトガイド13に入射する光を遮断する必要がある。そこで、本実施形態のようにシンチレータ11毎に区切る光遮断カバー17が必要となり、この光遮断カバー17により光学的に独立したセグメントを形成することが可能となる。
【0051】
すなわち、シンチレータ11から外部に放射される光が、主として光によるクロストークの原因として考えられる。そこで、本実施形態では、シンチレータ11の第2のライトガイド13と反対側の表面に光遮断カバー17を設けることで、シンチレータ11から外部に出た光が散逸するのを防ぐことが可能となる。
【0052】
[第4実施形態]
図4は本発明に係る放射線検出装置の第4実施形態を示す拡大図である。
【0053】
本実施形態は、光検出器14の検出面18のうち、第1のライトガイド12と接触していない個所を遮光する検出面カバー19を備えている。
【0054】
この検出面カバー19としては、光を通さないものであれば、全てを適用することができる。但し、光検出器14として光電子増倍管などの高い電圧を検出面に印加するものには、金属、例えば、アルミニウム箔、アルミマイラーシートなどを適用することはできない。
【0055】
製造上の精度の限界から臨界角よりも小さな角度で放出されたシンチレーション光は、どこにも吸収されない迷光状態となるため、最終的に光を検出する光検出器14で防止する必要がある。そこで、図4に示すように光検出器14の検出面18のうち、第1のライトガイド12に覆われていない部分に検出面カバー19を設置することで、光検出器14は第1のライトガイド12からの光信号のみを検出することが可能となる。
【0056】
すなわち、前記第3実施形態と同様に、シンチレータ11から外部に放射される光や、シンチレータ11から第1のライトガイド12において波長変換されなかった光がクロストークの主原因として考えられる。そこで、本実施形態では、光検出器14に入る第1のライトガイド12以外からの光が入射する光検出器14の検出面18を検出面カバー19により覆うことで、光検出器14が第1のライトガイド12のみからの光信号を検出することが可能となる。
【0057】
[第5実施形態]
放射線やシンチレーション光のクロストークにより照射したセグメント以外のセグメントにおいても計数が得られる場合がある。そこで補正が必要となるが、その具体的手段として、本実施形態は、予め校正用データとして各セグメントにおける応答を示すスペクトル(基本応答スペクトルとする)を十分統計精度良く測定しておくものとする。
【0058】
すなわち、本実施形態では、全ての位置検出最小単位の検出情報を用いて着目セグメントへのクロストークを補正する手段を備えている。
【0059】
ところで、得られた分布のセグメントiの計数率をY(i)とし、セグメントn個分のデータが重畳しているとする。セグメント総数がn個で、そのn個それぞれのセグメントがi番目のセグメントに与える寄与計数率をX1(i)、・・・、Xn(i)とすると、未知数C1〜Cnを用いて、一般に次式のように表される。
【0060】
【数1】
【0061】
実際の測定で得られた分布と重ね合わせデータの残差を最小にする未知計数C1〜Cnを求める。すなわち、残差Rは、
【数2】
残差Rを未知数Cnで偏微分して
【数3】
とおいて連立方程式を解き、基準スペクトル測定時の基準値を乗じることで各セグメントの真の値が得られる。
【0062】
n個のセグメントに対しては、
【数4】
とおいて、A・B=Cと表される連立方程式を解くことで各未知数C1〜Cnが求められる。
【0063】
迷光によるクロストーク、複数のシンチレータ位置で反応することに起因するクロストーク、この二種類のクロストークが存在する際、本実施形態のように予めそのクロストークによる影響を評価しておき、その傾向を把握した上で補正を行うことで真の値を算出することが可能となる。
【0064】
[第6実施形態]
本実施形態は、位置検出最小単位の信号に関して行または列毎に位置検出最小単位の検出情報を用いて着目セグメントへのクロストークを補正する手段を備えている。
【0065】
セグメント数がm行×n列の位置識別型検出装置において、特に光によるクロストークが行にのみ現れており、列に関してクロストークは無視することができるレベルとするときの補正手段を説明する。
【0066】
予め校正用データとして各セグメントにおける応答を示すスペクトル(基本応答スペクトルとする)を十分統計精度良く測定しておくものとする。
【0067】
測定で得られた分布のセグメントiの計数率をY(i)とし、セグメントm個分のデータが重畳しているとする。セグメント総数がm個で、そのm個それぞれのセグメントがi番目のセグメントに与える寄与計数率をX1(i)、・・・、Xm(i)とすると、未知数C1〜Cmを用いて、一般に次式のように表される。
【0068】
【数5】
【0069】
未知の条件下での測定で得られた分布と重ねあわせデータの残差を最小にする未知計数C1〜Cmを求める。すなわち、
【数6】
【0070】
前記第5実施形態と同様にして、基準スペクトル測定時の基準値を乗じることで行に関する各セグメントの真の値が得られる。この計算を、全ての列で行った結果をまとめることによって、補正した分布は、
【数7】
と、表すことができる。
【0071】
このように二層構造によってX−Yの情報を取得する方式の二次元検出器においては、迷光によるクロストークが一方の軸だけ多く、他方の軸に影響が少ないときは、影響の大きい軸に関して補正を行う手法を適用する。つまり、光検出器14の構造によっては、行または列毎に独立した光検出手段と考えることが可能である。
【0072】
[第7実施形態]
本実施形態は、着目した位置検出最小単位とそれに隣接する位置検出最小単位の検出情報を用いてクロストークを補正する手段を備えている。
【0073】
放射線によるクロストークは、透過や散乱線が周囲のセグメントに入射する確率が高いため、隣接するセグメントにのみ現れる特徴がある。また、各セグメントの基本応答スペクトルは隣接するセグメントにクロストークが存在するものとなる。
【0074】
そこで、放射線によるクロストークの補正が必要となるが、その手段として予め各セグメントにおける基本スペクトルを取得しておく。計算する際に大きく異なるのは、セグメント全てのクロストークを考慮に入れるのではなく、放射線によるクロストークを補正する際には、隣接したセグメントが受けている局所的な補正を行うということである。
【0075】
そのため、着目セグメントに隣接しているセグメント、例えば着目セグメントが検出器の角にあれば3セグメント、辺にあれば5セグメント、中心位置にあれば8セグメントの影響を加味して全てのセグメントに関して式を作り、前記第6実施形態と同様に、Rを未知数Cnで偏微分して連立方程式を解き、基準スペクトル測定時の基準値を乗じることで、各セグメントのみの真の値が得られる。
【0076】
このようにX−Y二次元分布測定において、放射線の透過や散乱により隣接セグメントにクロストークが現れる確率は高いことが考えられる。その際には、本実施形態のように隣接セグメントのみのクロストークを補正し、影響の少ないセグメントによる影響を加味せずに補正を行うことにより、主として放射線が放射状に入射するクロストークの補正が可能となる。
【0077】
[第8実施形態]
本実施形態では、クロストークを補正する手段は、位置検出最小単位の検出情報のそれぞれが有する統計誤差に重み付けを行う手段を備えている。この補正手段は、取得した測定データの計数値の範囲が大きく、これに伴って統計精度の差が大きくなる場合を想定したものである。未知の条件下での測定で得られた分布のセグメントiの計数値をS(i)、測定時間をT、セグメント総数がn個で、そのn個それぞれのセグメントがi番目のセグメントに与える寄与計数率をX1(i)、・・・、Xn(i)とすると、未知数C1〜Cnを用いて、
【数8】
ここで、S(i)/T=Y(i)であるから、S(i)=Y(i)・Tを代入して整理して、
【数9】
【0078】
分母のY(i)は重みであるため、重みP(i)=1/Y(i)として表記すると、各行列は次式のように表される。但し、Y(i)=0の場合には、P(i)=1である。
【0079】
【数10】
とおいて、A・B=Cと表される連立方程式を解くことで各未知数C1〜Cnが求められる。
【0080】
このように放射線強度の低い分布測定を行った際、得られたデータの統計量が十分でないと、誤差の評価を行わなければならない。そこで、本実施形態のように統計量が十分な分布位置を重く、統計量が少ない位置は軽くすることにより、データの重み付けを行うことで、補正計算結果のデータに含まれる誤差分を補正することが可能となる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シンチレータ、第1のライトガイドおよび第2のライトガイド上に光遮断手段を配置したことにより、大面積での一次元、二次元分布測定が可能な放射線検出器を実現することができ、二次元測定を行ないつつ最小限の装置構成のまま、放射線やシンチレーション光などによるクロストークを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線検出装置の第1実施形態の構成を示す斜視図。
【図2】本発明に係る放射線検出装置の第2実施形態を示す概略側面図。
【図3】本発明に係る放射線検出装置の第3実施形態を示す概略側面図。
【図4】本発明に係る放射線検出装置の第4実施形態を示す拡大図。
【図5】従来例に係るX線撮像装置の基本構成を示す図。
【符号の説明】
11 シンチレータ
12 第1のライトガイド
13 第2のライトガイド
14 光検出器(光検出手段)
15 光遮断壁(光遮断手段)
16a 光遮断膜
16b 光遮断膜
17 光遮断カバー
18 光検出器の検出面
19 検出面カバー
Claims (9)
- 放射線の入射に起因して光を生じ、板状でかつ同一平面内に配置される複数枚の一層目シンチレータと、
これら各一層目シンチレータの両側面に配置され内部に蛍光体を含む柱状の第1のライトガイドと、
前記放射線が前記シンチレータに入射する面に対して反対側でかつ前記第1のライトガイドの軸方向に対して直交して同一平面内に複数配置される矩形の板状の二層目シンチレータと、
前記一層目シンチレータと対向しない側の前記二層目シンチレータの面に密着して配置され内部に蛍光体を含む複数の第2のライトガイドと、
前記一層目シンチレータと前記二層目シンチレータの間に配置された光遮断手段と、
前記第1のライトガイドと前記第2のライトガイドの各端面に配置され、蛍光変換された光を検出する複数の光検出手段とを備えたことを特徴とする放射線検出装置。 - 請求項1記載の放射線検出装置において、前記一層目シンチレータに対して非接触の第1のライトガイドの表面に光遮断膜を設けたことを特徴とする放射線検出装置。
- 請求項1または2記載の放射線検出装置において、前記二層目シンチレータと対向する前記一層目シンチレータの面の反対側表面に光遮断カバーを設けたことを特徴とする放射線検出装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の放射線検出装置において、前記光検出手段は、第1のライトガイドと非接触の個所を遮光する検出面カバーを備えたことを特徴とする放射線検出装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の放射線検出装置において、前記光遮断手段は、井桁状に形成された光遮断壁であることを特徴とする放射線検出装置。
- 請求項6ないし8のいずれかに記載の放射線検出装置において、前記クロストークを補正する手段は、位置検出最小単位の検出情報Xk(i)のそれぞれが有する統計誤差に重み付けを行う重み付け手段を備え、この重み付け手段は、セグメントiの計数率Y(i)に含まれるクロストークを取り除き、クロストークのないセグメントiの計数率Y(i)を求め、前記位置検出最小単位の検出情報Xk(i)に重みP(i)を付与することを特徴とする放射線検出装置。
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