JP4315844B2 - 塗膜密着性に優れた高強度冷延鋼板 - Google Patents

塗膜密着性に優れた高強度冷延鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、塗膜密着性に優れた高強度冷延鋼板に関するものであり、殊に、引張強度が550MPa以上で、且つ優れた塗膜密着性を有し、自動車部品用鋼板等として最適な冷延鋼板に関するものである。
自動車の燃費向上や軽量化を背景に鋼材の高強度化が求められており、冷延鋼板の分野でもハイテン化(高硬度化)が進んでいる。一方、冷延鋼板は部品製造時にプレス成形が施されるため、伸び等の延性を十分確保することが前提となる。高強度化を図るには合金元素の添加が有効であるが、一般に、合金元素量の増加に伴い延性は低下する傾向にある。
しかし合金元素の中でも、Siは延性低下の比較的小さい元素であり、延性を確保しつつ高強度化を図るのに有効な元素である。ところがSi含有量が増加すると化成処理性が劣化し、塗装後の塗膜密着性が低下する。そのため化成処理性が重視される場合には、Si含有量の低減を余儀なくされていた。またSi含有量を多くすると、鋼板表面に生成するSi含有粒界酸化物を原因とするクラックが発生し易くなり、これが塗膜密着性を劣化させる要因となっていた。
これまで機械的特性と化成処理性を両立させる技術としては、クラッド材を鋼板表面に被覆し、鋼板表面に低Si濃度層を設けることで化成処理性を高め、内部の高Si濃度層で機械的特性を確保する技術がある(例えば特許文献1)。しかしクラッド構造としなければならないため、製造工程が複雑になりコストアップにつながる。
また、化成処理性を阻害するSiが表面に濃化しないよう特殊な合金元素を添加する従来技術もある(例えば特許文献2や特許文献3)。この方法では、NiやCuを添加することで鋼板表層へのSi濃化を抑制し、化成処理性を確保している。しかし該方法では、高価なNiやCuを使用するためコストアップを招くという問題がある。
またこれらの技術は、C含有量が0.005%以下と低濃度であり、再結晶温度を規定し集合組織を制御することによって、深絞り性の向上を図ったいわゆるIF鋼板に関するものであるが、この様にC量の非常に少ないIF鋼板で、本発明が意図する様な高強度を達成することは難しい。
特許文献4では、NbCを析出させ、これをりん酸亜鉛結晶の核生成サイトとして活用することで化成処理性を確保している。しかしこの技術も、0.02%以下の低C濃度域で集合組織を制御することで深絞り性を確保した技術であり、上記IF鋼に比べると若干C濃度は高いものの、強度不足は否めない。該技術によると、第1発明では55kgf/mm(539MPa)、第2発明では60kgf/mm(588MPa)が強度の上限値であり、第2発明では550MPaを超えている。しかしこの強度はPやMo含有量を高めることによって実現したものであり、これらの元素が含まれると十分な溶接性を確保できなくなる。
特許文献5では、表層のSiO/MnSiO比率を規定することで化成処理性を確保した残留オーステナイト含有鋼板が提案されている。この技術では、表層酸化物を制御したりSi/Feの元素比率を制御するため、連続焼鈍後の表面を酸洗またはブラシ処理してSi酸化物を除去するか、またはAc変態点以下の温度で露点を−30℃以上に調整し、Si酸化物の生成量を抑える必要がある。
しかし上記酸洗やブラシ処理を行うと、工程数の増大により製造コストの上昇を招く。また露点制御は連続焼鈍炉内で行われるが、文献に示された実施例を見る限り、該露点を制御したとしても最表層におけるSiO/MnSiO比率は1.0程度であり、化成処理皮膜結晶の生成を阻害するSiOがMnSiOと同程度生じていることから、化成処理性が十分に改善されているとは言い難い。
また当該技術は、残留オーステナイトを活用した鋼板であり、残留オーステナイトを確保するためC,Mn,Si,Al等の合金元素を多く含んでおり、そのため溶接性に劣るという問題がある。上記公報に示された実施例では、引張強度が750MPa以上の鋼板はもとより650MPa以上の鋼板も、上記溶接性の阻害原因となる合金元素が多量に含まれており、優れた溶接性は期待できないと思われる。
特許文献6には、XPSで鋼板表面を観察し、酸化物を構成するSiとMnの比(Si/Mn)を1以下に抑えて化成処理性を高める技術が提案されている。
Si/Mn比が1以下である鋼として、例えばSi量がほぼゼロの軟鋼が化成処理性に優れていることは一般に知られている。しかし上述の通り、高強度と延性を共に高めるにはSiをある程度含有させる必要があり、Si量を低減してSi/Mn比を1以下にするには限界がある。また適量のSi量を確保しつつMn量を制御してSi/Mn比を1以下にした場合でも、良好な化成処理性を発揮する鋼板を安定して得ることができないことがわかった。
また上記技術ではXPSで鋼板表面を観察しているが、XPSによる測定深さは一般に数十オングストロームであり、これより厚いSi含有酸化物が存在する場合には、Si含有酸化物を正確に制御できないと思われる。よって化成処理性を確実に高めるには、形成されるSi含有酸化物のサイズを考慮して制御領域を広げる必要がある。
特開平5−78752号公報 特許第2951480号公報 特許第3266328号公報 特許第3049147号公報 特開2003−201538号公報 特開平4−276060号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、引張強度が550MPa以上で優れた塗膜密着性を有し、更には溶接性にも優れた冷延鋼板を提供することにある。
本発明に係る高強度冷延鋼板とは、質量%で(化学成分について以下同じ)、C:1%以下(0%を含まない)、Si:0.3〜2%、Mn:1〜5%を含むと共に、下記式(1)を満たし、引張強度が550MPa以上であるフェライト−マルテンサイト系のDP(Dual Phase)鋼板であって、
鋼板表面と直交する方向の断面において、鋼板表面からの深さが2μmで鋼板表面長さが10μmの領域を、電子顕微鏡を用いて倍率5000倍以上で観察したときに、
MnとSiの原子比(Mn/Si)が0.5以上である長径0.01μm以上5μm以下のMn−Si複合酸化物が10個以上存在し、かつ、断面厚さ0.01μm以上のSi主体酸化物の鋼板表面長さ10μmに占める割合が、任意に選択される鋼板表面5箇所の平均で10%以下(0%含む)であるところに特徴がある(以下「本発明鋼板1」ということがある)。
[Si]/[Mn]≦ 0.4 …(1)
{式中[Si]はSi含有量(質量%)を示し、[Mn]はMn含有量(質量%)を示す}
尚、上記「Si主体酸化物」とは、酸化物を構成する酸素以外の元素のうちSiが原子比(原子%)で67%超を占めるものをいい、当該酸化物は、分析の結果、非晶質であると考えられる。また上記「鋼板表面」とは、鋼板素地表面をいうものとする。
本発明は、上記要件に加えて更に、Si:0.3〜1.5%を満たし、かつSEMを用いて2000倍で鋼板表面近傍の断面を観察したときに、任意の10視野において幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しない高強度冷延鋼板も規定する(この様に、本発明鋼板1として規定する要件に加えて、上記要件も満たす鋼板を「本発明鋼板2」ということがある)。
尚、上記クラックの幅および深さとは、SEM(日立製作所製 S−4500)を用いて2000倍で鋼板断面の表面近傍を観察したときの図1(鋼板断面概略図)に示す部分をいうものとする。
これらの鋼板において、更なる付加的要件として、下記式(2)および(3)を満たすように成分調整すれば、優れた溶接性も確保できるので好ましい。
[P]+3[S]+1.54[C] < 0.25 …(2)
[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.34 …(3)
{式中[C],[Si],[Mn],[P],[S]は各元素の含有量(質量%)を示す}
本発明の鋼板は、SiとMnを有効に活用しているので、550MPa以上の強度を容易に確保しつつ、優れた塗膜密着性を発揮し、更には溶接性に優れた自動車用に最適な鋼板を、クラッドを構成したり高価格元素を使用することなく効率良く安価に提供できる。
塗膜密着性に優れた鋼板を得るべく検討したところ、特に下記要件(I)、更には下記要件(II)も満足させればよいことを見出し本発明に想到した。更にこれらの要件を満足させると共に、550MPa以上の引張強度と延性を確保するために成分組成や製造条件についても検討を行った。
(I)鋼板表面と直交する方向の断面において、鋼板表面からの深さが2μmで鋼板表面長さが10μmの領域(以下「鋼板表層領域」ということがある)を、電子顕微鏡を用いて倍率5000倍以上で観察したときに、
(i)MnとSiの原子比(Mn/Si)が0.5以上である長径0.01〜5μmのMn−Si複合酸化物が10個以上存在するようにし、かつ、
(ii)上記鋼板表面長さ10μmに占める、断面厚さ0.01μm以上のSi主体酸化物の長さ割合が、任意に選択される鋼板表面5箇所の平均で10%以下(0%含む)となるようにする。
(II)SEMを用いて2000倍で鋼板表面近傍の断面を観察したときに、任意の10視野において幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないようにする。
以下、まず上記要件(I),(II)を規定した理由について詳述する。
<鋼板表層領域におけるMnとSiの原子比(Mn/Si)が0.5以上の
長径0.01〜5μmのMn−Si複合酸化物:10個以上>
本発明者らは、塗膜密着性に優れた高強度鋼板を得るべく以前から研究を進めており、Siを比較的多く含む鋼板の化成処理性向上技術について、既に提案している(特願2003−106152号)。この技術は、焼鈍雰囲気を制御することで、化成処理性に悪影響を及ぼす非晶質のSi酸化物を細かく分散させることにより化成処理性の向上を図ったものである。しかしSi濃度の比較的低い領域では、主な酸化物として、非晶質のSi酸化物ではなくMn−Si複合酸化物が生成する。この複合酸化物も、非晶質のSi酸化物と同様に塗膜密着性を低下させるが、その影響は該Si酸化物より小さいと考えられる。そこで、該Mn−Si複合酸化物を化成処理性の向上に積極的に活用することはできないかと考え、その線に沿って研究を進めてきた。
その結果、酸化物を構成するSiをMn−Si複合酸化物として存在させることで、Si活量を低減して化成処理反応を著しく阻害するSi酸化物を抑制すると共に、該Mn−Si複合酸化物を微細分散せしめ、りん酸亜鉛結晶の核生成サイトとして作用する「電気化学的不均一場」が形成され易い状態にすれば、化成処理性を高め得ることを突きとめた。本発明で規定するMn−Si複合酸化物が、りん酸亜鉛結晶の生成核に有効に作用する理由は明確ではないが、次の様に考えられる。
化成処理工程において、りん酸亜鉛結晶は、例えば結晶粒界や予め表面調整処理時に鋼板表面に付着させたTiコロイド周辺などに形成される「電気化学的不均一場」に生成し易いことが知られている。そして本発明においても、Mn−Si複合酸化物の周辺に電気化学的な不均一場が形成されることで、化成処理時にりん酸亜鉛結晶が付着しやすくなり、良好な化成処理性が発揮されるものと考えられる。
化成処理後のりん酸亜鉛結晶は、塗膜密着性の観点から数μm以下であることが好ましいとされている。よって上述の電気化学的不均一場も、数μmオーダーまたはそれ以下であることが望ましいと考えられる。そこで長径0.01〜5μmのMn−Si複合酸化物を鋼板表層領域(鋼板表面からの深さが2μmで鋼板表面長さが10μmの領域)に10個以上存在させて、該複合酸化物粒子の平均粒子間隔が数μm以下となるようにし、上記サイズの電気化学的不均一場が形成されやすい状態とした。
存在させるMn−Si複合酸化物のサイズとして、長径0.01μm以上のものを対象としたのは、上記効果を発揮し易いサイズであることに加えて、TEM等の観察で存在を確認できる最低限のレベルだからである。好ましくは0.05μm以上のものを存在させるのがよい。一方、Mn−Si複合酸化物のサイズが5μmを超えると、電気化学的不均一場の形成による化成処理性の向上よりも、該酸化物によるりん酸塩結晶微細化の阻害といった悪影響の方が大きくなり、優れた化成処理性を確保できなくなるからである。好ましくは1μm以下のMn−Si複合酸化物を存在させるのがよい。
尚、存在する全てのMn−Si複合酸化物において、電気化学的不均一場が有効に形成されるとは限らないので、好ましくは上記鋼板表層領域あたり50個以上、より好ましくは100個以上、さらに好ましくは150個以上の上記Mn−Si複合酸化物を存在させるのがよい。尚、上記Mn−Si複合酸化物とは、MnとSiの原子比(Mn/Si)が0.5以上である化成処理性への悪影響がSi酸化物より小さいMn主体のMn−Si複合酸化物であり、例えばMnSiOが挙げられる。
尚、上記Mn−Si複合酸化物は、鋼板表面からの深さが2μmで鋼板表面長さが10μmの領域内であって、鋼板表面を平面視した場合に見えない位置に存在する場合も含まれる。この様な状態でMn−Si複合酸化物が存在する場合にも、電気化学的不均一場の形成に寄与するものと考えられ、また化成処理中にわずかに鋼板が溶解した場合には表面上に現れて上記効果を発揮するからである。
<断面厚さ0.01μm以上のSi主体酸化物が鋼板表面長さ10μmに占める割合
:任意に選択される鋼板表面5箇所の平均で10%以下(0%含む)>
りん酸亜鉛結晶の生成核として有効なMn−Si複合酸化物を適量存在させても、化成処理を阻害するその他の物質が存在すれば、優れた化成処理性は発揮されず、結果として塗膜密着性に劣るものとなる。
上述した様に、Siを主体とする酸化物が鋼板表面に存在すると、当該部位には、りん酸亜鉛結晶が生成せず、化成処理性は劣悪となる。本発明者らは、上述の通りSiを主体とする酸化物を細かく分散させて化成処理性を高める技術を提案しているが、Mn−Si複合酸化物の前記作用を活用する本発明においては、Si主体酸化物を極力存在させない方が好ましいことがわかった。特に、断面厚さの厚いSi主体酸化物は、りん酸亜鉛結晶の生成を著しく妨げることから、本発明では断面厚さが0.01μm以上のSi主体酸化物(酸化物を構成する酸素以外の元素のうちSiの割合が原子比で67%を超える酸化物)を抑制することとした。具体的には、断面厚さ0.01μm以上の上記Si主体酸化物の鋼板表面長さ10μmに占める割合が、任意に選択される鋼板表面5箇所の平均で10%以下(0%含む)となるようにすればよいことがわかった。好ましくは任意に選択される鋼板表面5箇所の平均で5%以下であり、最も好ましくは0%である。
<SEMを用いて2000倍で鋼板表面近傍の断面を観察したときに、任意の10視野において、幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しないこと>
鋼板表面に鋭利なクラックが存在すると、化成処理時に当該部位にりん酸亜鉛結晶が付着せず、その結果、当該部位の腐食が進行しやすくなり、塗膜密着性が低下すると考えられる。つまり塗膜密着性を高めるには、りん酸亜鉛結晶の付着しない鋭利なクラックを極力抑制することが重要となる。
本発明者らは、既に、Siと酸素を含む線状化合物(幅300nm以下)の存在深さを10μm以下にすることで塗膜密着性を高める技術を提案している。該技術では、連続焼鈍後に酸洗を施さないことを前提としているが、鋼板にはむしろ連続焼鈍後に酸洗を施す場合の方が多く、その場合には、線状酸化物が除去されてクラックが生じる。
クラック深さと線状酸化物の定量的な関係は明確ではないが、線状酸化物が、上記の通り酸溶解されるか、又は機械的に脱落してクラックが生じると考えられ、上記線状酸化物が除去された後も、酸等によりクラック部分の溶解が進むので、線状酸化物のサイズよりもクラックの方が深くなると考えられる。
そこで本発明では、上記提案済の技術のように線状酸化物の存在深さを規定するよりも、焼鈍後の酸洗の有無に関係なくクラックを制御する方が塗膜密着性をより確実に高めることができるのではないかと考え、制御すべきクラックの形態について調べた。その結果、クラックの幅がりん酸亜鉛の結晶粒径と同程度かそれ以下であれば、該クラックにりん酸亜鉛結晶が付着し難く、特に深さが5μm以上のクラックにりん酸亜鉛結晶が付着し難いことから、幅3μm以下でかつ深さが5μm以上のクラックを抑制の対象とした。そして該クラックが、SEMを用いて2000倍で鋼板表面近傍の断面を観察したときに、任意の10視野において存在しないことを要件とした。
本発明では、上記Mn−Si複合酸化物を効率良く析出させると共に、規定するSi主体酸化物やクラックを抑制し、また高強度鋼板としての特性を確保するため化学成分を下記の通り規定した。
Si主体酸化物は、上述の通り化成処理性に悪影響を及ぼすため、該酸化物を細かく分散させるよりも極力抑制する方が好ましい。そこで本発明者らは下記式(1)に示すとおり[Si]/[Mn]の比率を0.4以下とすることで、Siを主体の酸化物を抑制する。[Si]/[Mn]は好ましくは0.3以下である。
[Si]/[Mn]≦ 0.4 …(1)
{式中[Si]はSi含有量(質量%)を示し、[Mn]はMn含有量(質量%)を示す}
<C:1%以下(0%を含まない)>
Cは強度確保に必要な元素であり、0.05%以上含有させるのがよいが、過剰に存在すると溶接性が低下する。よってC含有量は1%以下に抑える。好ましくは0.23%以下、更に好ましくは0.15%以下である。
<Si:0.3〜2.0%(本発明鋼板1の場合)>
<Si:0.3〜1.5%(本発明鋼板2の場合)>
Siは、高強度化に必要であり、少なくとも0.3%含有させる必要があり、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.7%以上である。一方、Si含有量が過剰になると、表面Si酸化物層の生成を回避できず、十分な化成処理性を得ることができない。よってSi量は2.0%以下に抑える。特に、塗膜密着性の劣化原因となる上記要件(II)として規定するクラックの発生を抑えるには、Si量を1.5%以下に抑える必要がある。
<Mn:1.0〜5.0%>
Mnも強度確保に必要な元素であり、またMn−Si複合酸化物の生成にも必要である。この様な効果を発現させるには、Mnを1.0%以上、好ましくは2.0%以上含有させる。しかし過剰になると延性が劣化するため、5.0%以下、好ましくは3.5%以下に抑える。
本発明で規定する含有元素は上記の通りであり、残部成分は実質的にFeであるが、鋼中に、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素として1%以下のAl、0.01%以下のN(窒素)、0.01%以下のO(酸素)等の不可避不純物が含まれることが許容されるのは勿論のこと、前記本発明の作用に悪影響を与えない範囲で、更に他の元素としてCr、Mo、Ni、Ti、Nb、V、PまたはBを積極的に含有させることも可能である。
即ちCr、Mo、Ni、Ti、Nb、V、P、Bは、鋼板の強度を高める観点から添加してもよく、それぞれCr:0.1%以上、Mo:0.1%以上、Ni:0.1%以上、Ti:0.005%以上、Nb:0.005%以上、V:0.0005%以上、P:0.005%以上、B:0.0003%以上含有させてもよいが、過剰に添加すると延性低下や溶接性の低下を招くため、Cr、Mo、Niはそれぞれ1%以下、Ti、Nb、Pはそれぞれ0.1%以下、V、Bはそれぞれ0.01%以下に抑えることが好ましい。
ところで下記式(2)および(3)の左辺はスポット溶接性を評価するパラメータとして知られており{田中ら:日本鋼管技報,No.105(1984)、Heuschkel,J.:Weld J26(10),P560S(1947)}、該パラメータ値が高くなるほど溶接性は低下する傾向にある。本発明では、下記式(2)において([P]+3[S]+1.54[C])が0.25以上、または下記式(3)において([C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S])が0.34以上の場合に、スポット溶接性が低下することを確認している。
[P]+3[S]+1.54[C] < 0.25 …(2)
[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.34 …(3)
{式中[C],[Si],[Mn],[P],[S]は各元素の含有量(質量%)を示す}
本発明では、引張強度が550MPa以上(好ましくは750MPa以上、より好ましくは900MPa以上)の鋼板を対象とする。引張強度が550MPa未満の場合には、高強度化や高延性化のためにSiを多量に添加する必要がなく、上述したようなSi酸化物の生成による化成処理性の劣化といった問題も生じないからである。
前記強度を確保すべくC、Mn、Siの各含有量を調整したりPを含有させる場合に、併せて溶接性を確保するには、強度レベルに応じて下記範囲を満足させることが望ましい。
TS:550〜650MPaの場合
[P]+3[S]+1.54[C] < 0.14
[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.21
TS:650超〜750MPaの場合
[P]+3[S]+1.54[C] < 0.18
[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.27
TS:750超〜1050MPaの場合
[P]+3[S]+1.54[C] < 0.22
[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.30
TS:1050MPa超の場合
[P]+3[S]+1.54[C] < 0.25
[C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.34
本発明は、フェライト−マルテンサイト系のDP(Dual Phase:デュアルフェーズ)鋼板を対象とする。上記組織のみ(即ち、フェライトとマルテンサイト)からなるものの他、本発明の製造過程で必然的に残存し得るパーライト、ベイナイト、残留オーステナイトが、本発明の作用を損なわない範囲で含まれる場合もある。しかし、これらは少なければ少ないほど好ましい。
本発明は、上記鋼板の製造方法まで規定するものではないが、鋼板素地表面から深さ2μmの領域において、規定のMn−Si複合酸化物を適量存在させ、またSi主体酸化物を抑制するには、CAL(連続焼鈍)でなくバッチ式の焼鈍を行うことが大変有効である。バッチ式であれば長時間の加熱が可能であるため均熱温度(後述する図2の加熱温度)を低くでき、均熱温度が低いと、酸素の内部への拡散に比較して合金元素の表面への拡散が遅いので、表面にSiなどの合金元素が濃化せずに内部に酸化物が生成する傾向にあり、表面へのSi濃化を抑制できるからである。また、高温状態で酸化性雰囲気(大気、水冷設備)に曝されるCALと異なり、冷却時に低温(約200℃)まで雰囲気制御可能で、表面酸化やクラックを抑制できるのでよい。
製造条件として、430〜500℃で巻き取った熱間圧延材を用い、液温が50〜85℃で3〜18質量%の塩酸溶液に40〜90秒間浸漬後、窒素−水素混合ガスにより雰囲気制御したバッチ式の焼鈍炉おいて、露点を−55〜−40℃とし、後述する図2に示す加熱温度を740〜820℃にして焼鈍し、均熱後、3×10−3〜3×10−1℃/秒の冷却速度で200℃以下まで窒素−水素混合ガス中で冷却することが推奨される。
特にクラックを発生させないようにするには、製造工程において、上記バッチ式の焼鈍炉で露点を−55〜−40℃とすることが大変有効である。
本発明は、その他の製造条件まで規定するものでなく、通常行われている通り、溶製後に鋳造し熱間圧延を行えばよい。また後述する実施例では焼鈍後に酸洗を行っているが、該酸洗の有無も問わない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
表1に示す化学成分組成の鋼材を溶製し、鋳造して得られたスラブを用いて熱間圧延を行い、熱間圧延材から300mm×220mmの試験片を採取した。そして該試験片に下記条件で酸洗を施した後、研削し、その後に冷間圧延を行ってから赤外線イメージ炉(バッチ式炉)またはCALで焼鈍処理を行った。
酸洗(塩酸処理)条件
・塩酸濃度:15質量%
・液温:80℃
・浸漬時間:60秒間
焼鈍処理は、赤外線イメージ炉の場合は図2、CALの場合は図3に略示するヒートパタンで行った。露点と図2および図3に示す加熱温度および焼戻温度は表2に示すとおりである。尚、露点は、赤外線イメージ炉またはCALの雰囲気露点である。また図2および図3のヒートパタン図において、赤外線イメージ炉では加熱後、200℃まで炉冷(徐冷)し、CALでは徐冷終点温度から水冷(水焼入れ)を行った。
得られた鋼板の機械的特性、塗膜密着性および溶接性を下記の様にして評価した。尚、得られた鋼板は、全てフェライトとマルテンサイトの2相を主体とする組織であった。
機械的特性は、JIS5号試験片を採取して測定し、引張強度(TS)、El(全伸び)および降伏比(YP)を求めた。また、伸びフランジ性は、直径100mm、板厚1.4mmの円盤状試験片を用いて評価した。具体的には、試験片にφ10mmの穴をパンチで打ち抜いた後、60°円錐パンチでバリを上にして穴広げ加工することにより、亀裂貫通時点での穴広げ率(λ)を測定した(鉄鋼連盟規格JFST 1001)。
塗膜密着性として、化成処理性とクラックの有無を調べた。化成処理性は、鋼板表層領域のMn−Si複合酸化物とSi主体酸化物の析出状態を下記の様にして調べ、かつ下記条件で化成処理を行って化成処理後の鋼板表面を1000倍でSEM観察し、10視野のりん酸亜鉛結晶の付着状態を調べた。そして10視野全てにおいてりん酸亜鉛結晶の未析出部がなくかつ最大結晶サイズが10μm以下の場合を「○」、りん酸亜鉛結晶の未析出部または粗大結晶のあるものを「×」と評価した。
・化成処理液:日本パーカライジング社製りん酸亜鉛皮膜処理液
商品名:パルボンド L 3020
・化成処理工程:脱脂 → 水洗 → 表面調整 → 化成処理
長径0.01μm以上5μm以下のMn−Si複合酸化物の個数は、鋼板表面と直交する方向の断面における鋼板表面からの深さが2μmで鋼板表面長さが10μmの領域を、TEM(透過型電子顕微鏡 日立製作所製 HF−2000)を用いて倍率15000倍以上で暗視野走査透過電子像(D−STEM)を観察し、該領域に存在するMnとSiの原子比(Mn/Si)が0.5以上である長径0.01μm以上5μm以下のMn−Si複合酸化物の個数を測定した。尚、上記MnとSiの原子比は、上記TEMに付属のEDX(エネルギー分散型X線検出器 KEVEX社製 SIGMA)で酸化物組成分析を行い求めた。この様な測定を任意に選択した5箇所(5視野)で行い、該5箇所におけるMn−Si複合酸化物の個数の平均値を求めた。
また鋼板表面長さ10μmに占める断面厚さ0.01μm以上のSi主体の酸化物(酸化物を構成する酸素以外の元素のうちSiの割合が原子比で67%を超えるもの)の割合を、上記Mn−Si酸化物の測定と同一の視野で調べた。即ち、上記Mn−Si酸化物の測定と同一の視野における任意の鋼板表面長さ10μmにおいて、上記Si主体酸化物が占める合計距離を求め、その割合を算出した。この場合も、任意に選択される鋼板表面の5箇所で測定を行い、該5箇所の平均値を求めた。これらの結果を表2に併記する。
またクラックの有無は、SEM(日立製作所製 S−4500)を用いて2000倍で、鋼板断面の表面近傍における任意の10視野(1視野:65μm×55μm)を観察して調べた。
溶接性は次の様にして調べた。供試鋼板を2枚重ねし、ダイレクト法でスポット溶接(詳細な条件は下記の通り)して引張せん断試験用の試験片を作成し、引張せん断試験を行って試験後の破断状態で評価した。供試鋼板ごとに試験片10個を用いて引張せん断試験を行い、10個全ての破断状態が健全な破断形態であるボタン破断の場合には「○」、ボタン破断のものが9個以下の場合には「×」と評価した。これらの結果を表2に併記する。
電極:ドームラジアス型、φ6mm(先端径)
加圧力:4.32kN
通電時間:17サイクル
溶接電流値:(散りが発生する最小電流値)+0.5kA
表1,2から、以下の様に考察できる(尚、下記No.は実験No.を示す)。
即ち、No.6およびNo.11は、本発明鋼板1としての規定要件を満たしているため、優れた化成処理性を発揮しており、優れた塗膜密着性を発揮し得る。このNo.6,11において、更に塗膜密着性の向上を図るにはクラックを抑制するのがよく、また優れた溶接性を与えるには、上記式(2)および(3)を満足させるようにするのがよい。
No.9は、本発明鋼板1としての規定要件を満たしており、かつ上記式(2)および(3)も満足しているため、優れた化成処理性と優れた溶接性を発揮する。このNo.9の塗膜密着性を更に向上させるには、クラックを抑制するのがよい。
No.8,10は、本発明鋼板2で規定する要件、即ち、本発明鋼板1として規定する要件に加えてクラックに関する要件も満足するものであり、優れた塗膜密着性を発揮することがわかる。尚、優れた溶接性を発揮させるには、成分組成において上記式(2)および(3)を満足させるようにするのがよい。
No.1〜5,7は、本発明鋼板2として規定する要件と共に、上記式(2)および(3)を満足しているため、優れた化成処理性を確保でき、かつクラックの発生が抑制されて優れた塗膜密着性を発揮でき、更には優れた溶接性も発揮し得る。
これらに対しNo.12〜18は、本発明鋼板1として規定する要件すら満たしていないため、優れた塗膜密着性を期待できないか、または、引張強度が規定レベルに達していない。即ち、No.12,18は本発明で推奨する方法で製造していないため、またNo.13はSi量が比較的多く、Si/Mn比も規定範囲を外れており、No.15はSi量が過剰で、Si/Mn比も規定範囲を外れているため、いずれも化成処理性に劣り、かつクラックが多く発生した。
No.14はSi量が不足しており,またNo.16はMn量が不足しているため、どちらも規定の強度を満たすものが得られなかった。
尚、No.17は、塗膜密着性に優れているが、Mn含有量が多すぎて鋼板として具備すべき延性に劣るため良好に成形加工できるものでない。
参考までに本実施例で得られた鋼板のD−STEM観察写真とEDXによる鋼板表層領域の酸化物等の組成分析結果を示す。図4および図5(図4の領域Aを高倍率で観察した写真)は、比較例であるNo.15の鋼板断面表層部のD−STEM観察写真であるが、この図4および図5から、鋼板表層領域が層(黒色部分)で覆われていることがわかる。図6は、図5の該層(領域B)をEDXで組成分析した結果であるが、この図6から、該層がSi主体の酸化物からなることがわかる。つまりこの図4〜6から、No.15の鋼板表層領域は、Si主体の酸化物で覆われていることを確認できる。
これに対し図7および図8(図7の領域Cを高倍率で観察した写真)は、本発明例であるNo.1の鋼板断面におけるD−STEM観察写真であるが、鋼板表層領域に上記No.15の様な化成処理性を低下させるSi主体の酸化物はほとんどなく、代わりに粒状物(黒色部分)が分散している。図9および図10は、図8の分析位置1(粒状物)および分析位置2(粒状物)をそれぞれEDXで組成分析した結果であり、図11は、図8の分析位置3(粒状物の存在しない箇所)をEDXで組成分析した結果であるが、これら図9、図10と図11との比較から、図8で観察される粒状物は化成処理性の向上に有効なMn−Si複合酸化物であることがわかる。
鋼板断面におけるクラックを模式的に示した図である。 実施例における製造工程(一部)を示す図である。 実施例における別の製造工程(一部)を示す図である。 実施例におけるNo.15(比較例)の鋼板断面のD−STEM観察写真(倍率:15000倍)である。 前記図4の領域AのD−STEM観察写真(倍率:100000倍)である。 前記図5の領域BのEDXによる組成分析結果を示すX線スペクトルである。 実施例におけるNo.1(本発明例)の鋼板断面のD−STEM観察写真(倍率:15000倍)である。 前記図7の領域CのD−STEM観察写真(倍率:100000倍)である。 前記図8の分析位置1のEDXによる組成分析結果を示すX線スペクトルである。 前記図8の分析位置2のEDXによる組成分析結果を示すX線スペクトルである。 前記図8の分析位置3のEDXによる組成分析結果を示すX線スペクトルである。

Claims (4)

  1. 質量%で(化学成分について以下同じ)、
    C :1%以下(0%を含まない)、
    Si:0.3〜2%、
    Mn:1〜5%を含むと共に、
    下記式(1)を満たし、残部が鉄および不可避不純物からなり、引張強度が550MPa以上であるフェライト−マルテンサイト系のDP(Dual Phase)鋼板であって、
    鋼板表面と直交する方向の断面において、鋼板表面からの深さが2μmで鋼板表面長さが10μmの領域を、電子顕微鏡を用いて倍率5000倍以上で観察したときに、
    MnとSiの原子比(Mn/Si)が0.5以上である長径0.01μm以上5μm以下のMn−Si複合酸化物が10個以上存在し、かつ、酸化物を構成する酸素以外の元素のうちSiが原子比(原子%)で67%超を占める断面厚さ0.01μm以上のSi主体酸化物の鋼板表面長さ10μmに占める割合が、任意に選択される鋼板表面5箇所の平均で10%以下(0%含む)であることを特徴とする塗膜密着性に優れた高強度冷延鋼板。
    [Si]/[Mn]≦ 0.4 …(1)
    {式中[Si]はSi含有量(質量%)を示し、[Mn]はMn含有量(質量%)を示す}
  2. 更に他の元素として、Cr:0.1〜1%、Mo:0.1〜1%、Ti:0.005〜0.1%、およびNb:0.005〜0.1%よりなる群から選択される1種以上の元素を含む請求項1に記載の高強度冷延鋼板。
  3. Si:0.3〜1.5%を満たすと共に、
    SEMを用いて2000倍で鋼板表面近傍の断面を観察したときに、任意の10視野において幅3μm以下で深さ5μm以上のクラックが存在しない請求項1または2に記載の高強度冷延鋼板。
  4. 下記式(2)および(3)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の高強度冷延鋼板。
    [P]+3[S]+1.54[C] < 0.25 …(2)
    [C]+[Si]/30+[Mn]/20+2[P]+4[S] < 0.34 …(3)
    {式中[C],[Si],[Mn],[P],[S]は各元素の含有量(質量%)を示す}
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