JP5935720B2 - 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および高強度溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および高強度溶融亜鉛めっき鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、SiおよびMnを含有する高強度鋼板を母材鋼板として用い、めっき外観、耐食性、加工時の耐めっき剥離性および加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および高強度溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。
近年、自動車、家電、建材等の分野において、素材鋼板に防錆性を付与した表面処理鋼板、中でも溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広範に使用されている。また、自動車の燃費向上および自動車の衝突安全性向上の観点から、車体材料の高強度化によって薄肉化を図り、車体そのものを軽量化しかつ高強度化する要望が高まっている。そのために高強度鋼板の自動車への適用が促進されている。
一般的に、溶融亜鉛めっき鋼板は、スラブを熱間圧延や冷間圧延した薄鋼板を母材鋼板として用い、鋼板を連続式溶融亜鉛めっきライン(以下、CGLと称す)にて再結晶焼鈍および溶融亜鉛めっき処理して製造される。合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合は、溶融亜鉛めっき処理の後、さらに合金化処理を行い製造される。
ここで、CGLの焼鈍炉の加熱炉タイプとしては、DFF型(直火型)、NOF型(無酸化型)、オールラジアントチューブ型等がある。近年では、操業のし易さや、ピックアップが発生しにくい等により低コストで高品質なめっき鋼板を製造できるなどの理由からオールラジアントチューブ型の加熱炉を備えるCGLの建設が増加している。しかしながら、DFF型(直火型)、NOF型(無酸化型)と異なり、オールラジアントチューブ型の加熱炉を用いる場合には、焼鈍直前に酸化工程を有さないため、Si、Mn等の易酸化性元素を含有する鋼板の場合、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき性を確保しにくい。
Si、Mnを多量に含む高強度鋼板を母材鋼板として用いた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法として、特許文献1には、母材鋼板を再結晶温度〜900℃で焼鈍した後めっきする技術が開示されている。特許文献2には、母材鋼板を750〜900℃で焼鈍した後めっきする技術が開示されている。特許文献3には、母材鋼板を800〜850℃で焼鈍した後めっきする技術が開示されている。しかしながら、Si、Mnを多量に含む鋼板の場合、750℃を超える高い温度で焼鈍すると、鋼板中のSi、Mnが選択的に酸化し、鋼板表面に酸化物を形成する(この酸化物形成は表面濃化という場合がある)。この表面濃化は、めっき密着性を劣化させ、不めっき等の欠陥を発生させる可能性がある。
さらに、特許文献4および特許文献5には、還元炉における加熱温度を水蒸気分圧で表される式で規定し露点を上げることで、地鉄表層部を内部酸化させる技術が開示されている。しかしながら、露点を制御するエリアが炉内全体を前提としたものであるから、露点の制御が困難であり、安定操業が難しくなる。また、不安定な露点制御のもとでの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造すると、母材鋼板に形成される内部酸化物の分布状態にバラツキが認められたり、鋼板の長手方向や幅方向でめっき濡れ性や合金化ムラなどの欠陥が発生するおそれがある。
また、特許文献6には、酸化性ガスであるHOやOだけでなく、CO濃度も同時に規定することで、めっき処理される直前の地鉄表層部を内部酸化させ外部酸化を抑制してめっき外観を改善する技術が開示されている。しかしながら、特許文献6では、多量な内部酸化物の存在により加工時に割れが発生しやすくなり、耐めっき剥離性、耐食性が劣化しやすくなる。さらに、COは炉内を汚染したり、鋼板表面への浸炭等により機械特性を劣化させたりする場合がある。
さらに、最近では、高強度溶融亜鉛めっき鋼板、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を加工される箇所に適用する場合があり、この場合、加工時の耐めっき剥離性を高めることが特に求められる。具体的にはめっき鋼板に90°超えの曲げ加工を行い、より鋭角に曲げた場合や、めっき鋼板に衝撃が加わり鋼板が加工を受けた場合の、加工部のめっき剥離の抑制が要求される。
このような特性を満たすためには、母材鋼板中に多量のSiを添加して所望の鋼板組織にするだけでなく、加工時に割れなどの起点になる可能性があるめっき層直下の地鉄表層部の組織、構造を制御することが求められる。しかしながら、従来技術ではそのような制御は困難であるため、焼鈍炉にオールラジアントチューブ型の加熱炉を備えるCGLで、高強度鋼板を母材鋼板として、加工時の耐めっき剥離性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造することはできなかった。
特開2009−287114号公報 特開2008−24980号公報 特開2010−150660号公報 特開2004−323970号公報 特開2004−315960号公報 特開2006−233333号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、Si、Mnを含有する高強度鋼板を母材鋼板として用い、めっき外観、耐食性、加工時の耐めっき剥離性および加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および高強度溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とする。
従来は、めっき性を改善する目的で積極的に鋼板の内部を酸化させていた。しかし、鋼板の内部を酸化させると、耐食性や加工性が劣化する場合がある。そこで、本発明者らは、従来の考えにとらわれない新たな解決方法を検討した。その結果、焼鈍工程の雰囲気と温度を適切に制御することで、めっき層直下の地鉄表層部において内部酸化を抑制し、且つ表面濃化も抑えられるので、優れためっき外観と、より高い耐食性と加工時の良好な耐めっき剥離性が得られることを知見した。具体的には、連続式溶融亜鉛めっき設備において、加熱過程における温度域が550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)での雰囲気の露点を−40℃以下とする条件を採用することで、鋼板と雰囲気の界面の酸素ポテンシャルを低下させ、内部酸化を形成させずに、Si、Mnなどの選択的表面拡散、表面濃化を抑制する。また、同時に、結晶の粒径を粗大にさせることで、A℃超えの温度域での表面濃化を抑制する。
このように雰囲気の露点を制御することにより、内部酸化を抑え、表面濃化を極力抑制して、さらに、鋼板の表面に、片面あたりのめっき付着量が20〜120g/mの亜鉛めっき層を形成することで、めっきが形成されない領域(不めっき)が生じるのを抑え、めっき外観、耐食性および加工時の耐めっき剥離性、加工性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られることになる。なお、めっき外観に優れるとは、不めっきや合金化ムラが認められない外観を有することを言う。
そして、好ましくは、以上の方法により得られる高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき層の直下の、地鉄表面から100μm以内の地鉄表層部において、Fe、Si、Mn、Al、P、さらには、B、Nb、Ti、Cr、Mo、Cu、Ni、Sn、Sb、Ta、W、Vのうちから選ばれる1種以上(Feのみを除く)の酸化物の形成が抑制され、その形成量は合計で片面あたり0.030g/m以下に抑制される。これにより、めっき外観に優れ、耐食性が著しく向上し、地鉄表層部における曲げ加工時の割れ防止を実現させ、加工時の耐めっき剥離性、加工性に優れることになる。
本発明は上記知見に基づくものであり、特徴は以下の通りである。
[1]質量%で、C:0.03〜0.35%、Si:0.01〜0.50%、Mn:3.6〜8.0%、Al:0.001〜1.00%、P≦0.10%、S≦0.010%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に、連続式溶融亜鉛めっき設備において、加熱過程における温度域が550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)での雰囲気の露点を−40℃以下とする条件で焼鈍を施す焼鈍工程と、焼鈍工程後の鋼板の表面に、片面あたりのめっき付着量が20〜120g/mの亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき処理工程と、を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]前記鋼板は、成分組成として、質量%で、さらに、B:0.001〜0.005%、Nb:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.050%、Cr:0.001〜1.000%、Mo:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜1.00%、Ni:0.05〜1.00%、Sn:0.001〜0.2%、Sb:0.001〜0.2%、Ta:0.001〜0.1%、W:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.1%の中から選ばれる1種以上の元素を含有することを特徴とする[1]に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[3]前記溶融亜鉛めっき処理工程後、450℃以上600℃以下の温度に鋼板を加熱して合金化処理を施し、亜鉛めっき層のFe含有量を8〜14質量%の範囲とする合金化処理工程を、さらに有することを特徴とする[1]または[2]に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[4][1]〜[3]記載のいずれか1項に記載の製造方法により作製され、
亜鉛めっき層直下の、地鉄表面から100μm以内の地鉄表層部に、Fe、Si、Mn、Al、P、B、Nb、Ti、Cr、Mo、Cu、Ni、Sn、Sb、Ta、W、Vの酸化物の1種以上を合計で、片面あたり0.030g/m2未満有することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
なお、本発明において、高強度とは、引張強度TSが340MPa以上である。また、本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき処理後合金化処理を施さないめっき鋼板(以下、GIと称することもある)、合金化処理を施すめっき鋼板(以下、GAと称することもある)のいずれも含むものである。
本発明によれば、めっき外観、耐食性、加工時の耐めっき剥離性、及び加工性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
以下の説明において、鋼成分組成の各元素の含有量、めっき層成分組成の各元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であり、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
本発明の製造方法は、焼鈍工程と、溶融亜鉛めっき処理工程を有する。先ず、本発明で最も重要な要件であり、めっき層直下の地鉄表層部の構造を決定する、焼鈍工程における焼鈍雰囲気条件について説明する。
鋼中に多量のSiおよびMnが添加された高強度溶融亜鉛めっき鋼板において、耐食性及び加工時の耐めっき剥離性を満足させるためには、腐食や加工時の割れなどの起点となる可能性があるめっき層直下の地鉄表層部の内部酸化を極力少なくすることが求められる。
SiやMnの内部酸化を促進させることによりめっき性を向上させることは可能ではあるが、これは逆に耐食性や加工性の劣化をもたらすことになってしまう。このため、SiやMnの内部酸化を促進させる方法以外で良好なめっき性を維持しつつ、内部酸化を抑制して耐食性、加工性を向上させる必要がある。
検討した結果、本発明では、めっき性を確保するために、焼鈍工程における加熱過程での焼鈍炉内温度:550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)の温度域において、酸素ポテンシャルを低下させることで易酸化性元素であるSiやMn等の地鉄表層部における活量を低下させる。そして、これらの元素の外部酸化を抑制すると同時に、再結晶により結晶の粒径を粗大にさせる。つまり、SiやMn等の外部酸化を抑制した状態で、これらの元素の拡散経路となる結晶粒界の個数を減少させる。これにより、A℃超えの温度域での選択的表面拡散が抑制され、結果的にめっき性が改善する。そして、地鉄表層部に形成する内部酸化も抑制され、耐食性及び加工性が改善することになる。
このような効果は、連続式溶融亜鉛めっき設備等の製造設備において焼鈍を施すに際し、加熱過程での、焼鈍炉内温度:550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)の温度域を雰囲気の露点:−40℃以下となるように制御することにより得られる。焼鈍炉内温度:550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)の温度域を雰囲気の露点:−40℃以下となるように制御することにより、鋼板と雰囲気の界面の酸素ポテンシャルを低下させ、内部酸化を形成させずに、Si、Mnなどの選択的表面拡散、酸化(本明細書において、表面濃化と呼ぶ場合がある)を抑制する。同時に、結晶の粒径を粗大にさせることで、A℃超えの温度域での表面濃化を抑制する。そして、不めっきのない、より高い耐食性と加工時の良好な耐めっき剥離性が得られることになる。
露点を制御する温度域を550℃以上とした理由は以下の通りである。550℃を下回る温度域では、不めっき発生、耐食性の劣化、耐めっき剥離性の劣化等が問題になる程度の表面濃化や内部酸化は、起こらない。よって、本発明の効果が発現する温度域である550℃以上とする。
また、温度域をA℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)とした理由は以下の通りである。A℃を超える温度域は、再結晶により結晶の粒径が粗大になることでSi、Mnなどの選択的表面拡散の経路となる粒界の個数が減少し表面濃化が抑制される。このため、A℃を超える温度域では、表面濃化抑制のための露点制御を必要としない。すなわち、上限温度Aは、結晶の粒径が再結晶により粗大になる温度である。一般に、再結晶温度は含有する成分元素の種類および質量の割合によって異なるので、Aは600≦A≦750の範囲に許容される。そして、下限を600℃とした理由は、600℃以下では再結晶が起こらないためである。一方、上限を750℃とした理由は、750℃超えでは効果が飽和するためである。
露点を−40℃以下とした理由は以下の通りである。表面濃化の抑制効果が表れ始めるのは露点−40℃以下の領域である。露点の下限は特に設けないが、−80℃未満は効果が飽和し、コスト的に不利となるため、−80℃以上が望ましい。
次いで、本発明の対象とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の鋼成分組成について説明する。
C:0.03〜0.35%
Cは、鋼組織としてマルテンサイトなどを形成させることで加工性を向上させる。そのためにはCを0.03%以上含有することが必要である。一方、Cの含有量が0.35%を超えると溶接性が劣化する。したがって、Cの含有量は0.03%以上0.35%以下とする。
Si:0.01〜0.50%
Siは鋼を強化して良好な材質を得るのに有効な元素ではあるが、易酸化性元素であるため、めっき性には不利であり、極力添加することは避けるべき元素である。しかしながら、0.01%程度は不可避的にSiが鋼中に含まれ、Siの含有量をこれ以下に低減するためにはコストが上昇してしまう。そこで、Siの含有量の下限を0.01%とする。一方、Siの含有量が0.50%を超えると加工時の耐めっき剥離性の改善が困難となってくる。したがって、Siの含有量は0.01%以上0.50%以下とする。
Mn:3.6〜8.0%
Mnは鋼の高強度化に有効な元素である。機械特性や強度を確保するためはMnを3.6%以上含有させることが必要である。一方、8.0%を超えると溶接性やめっき密着性の確保、強度と延性のバランスの確保が困難になる。したがって、Mnの含有量は3.6%以上8.0%以下とする。
Al:0.001〜1.000%
Alは溶鋼の脱酸を目的に添加されるが、その含有量が0.001%未満の場合、その目的が達成されない。溶鋼の脱酸の効果は0.001%以上で得られる。一方、Alの含有量が1.000%を超えると、めっき性が劣化する。したがって、Alの含有量は0.001%以上1.000%以下とする。
P≦0.10%
Pは不可避的に含有される元素のひとつであり、その含有量を0.005%未満にするためには、コストの増大が懸念されるため、含有量の下限は0.005%が望ましい。一方、含有量が0.10%を超えてPを含有すると溶接性が劣化する。また、Pの含有量が0.10%を超えると鋼板の表面品質が劣化する。また、Pの含有量が0.10%を超えると、非合金化処理時にはめっき密着性が劣化し、合金化処理時には合金化処理温度を上昇させないと所望の合金化度とすることができない。また、Pの含有量が0.10%を超えている場合、所望の合金化度とするために合金化処理温度を上昇させると、延性が劣化すると同時に合金化めっき皮膜の密着性が劣化するため、所望の合金化度と、良好な延性を両立させることができない。したがって、Pの含有量は0.10%以下とし、下限としては0.005%以上が望ましい。
S≦0.010%
Sは不可避的に含有される元素のひとつである。下限は規定しないが、多量に含有されると耐めっき剥離性及び溶接性が劣化するため0.010%以下とする。
なお、強度と延性のバランスを制御するため、B:0.001〜0.005%、Nb:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.050%、Cr:0.001〜1.000%、Mo:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜1.00%、Ni:0.05〜1.00%、Sn:0.001〜0.2%、Sb:0.001〜0.2%、Ta:0.001〜0.1%、W:0.001〜0.1%、V:0.001〜0.1%の中から選ばれる1種以上の元素を必要に応じて添加してもよい。これらの元素を添加する場合における適正添加量の限定理由は以下の通りである。
B:0.001〜0.005%
Bは0.001%未満では焼き入れ促進効果が得られにくい。一方、0.005%超えではめっき密着性が劣化する場合がある。よって、Bを含有する場合、Bの含有量は0.001%以上0.005%以下とする。
Nb:0.005〜0.050%
Nbの含有量が0.005%未満では強度調整の効果やMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、Nbの含有量が0.050%超えではコストアップを招く場合がある。よって、Nbを含有する場合、Nbの含有量は0.005%以上0.050%以下とする。
Ti:0.005〜0.050%
Tiは0.005%未満では強度調整の効果が得られにくい。一方、Tiの含有量が0.050%超えではめっき密着性の劣化を招く場合がある。よって、Tiを含有する場合、Tiの含有量は0.005%以上0.050%以下とする。
Cr:0.001〜1.000%
Crの含有量が0.001%未満では焼き入れ性効果が得られにくい。一方、Crの含有量が1.000%超えではCrが表面濃化するため、めっき密着性や溶接性が劣化する場合がある。よって、Crを含有する場合、Crの含有量は0.001%以上1.000%以下とする。
Mo:0.05〜1.00%
Moの含有量が0.05%未満では強度調整の効果やNb、またはNiやCuとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、Moの含有量が1.00%超えではコストアップを招く場合がある。よって、Moを含有する場合、Moの含有量は0.05%以上1.00%以下とする。
Cu:0.05〜1.00%
Cuの含有量が0.05%未満では残留γ相形成促進効果やNiやMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、Cuの含有量が1.00%超えではコストアップを招く場合がある。よって、Cuを含有する場合、Cuの含有量は0.05%以上1.00%以下とする。
Ni:0.05〜1.00%
Niの含有量が0.05%未満では残留γ相形成促進効果やCuとMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、1.00%超えではコストアップを招く場合がある。よって、Niを含有する場合、Niの含有量は0.05%以上1.00%以下とする。
Sn:0.001〜0.20%、Sb:0.001〜0.20%
SnやSbは、鋼板表面の窒化、酸化、あるいは酸化により生じる鋼板表面の数十ミクロン領域の脱炭を抑制する観点から含有することができる。このような窒化や酸化を抑制することで鋼板表面においてマルテンサイトの生成量が減少するのを防止し、疲労特性や表面品質が改善される。窒化や酸化を抑制する観点から、SnあるいはSbを含有する場合は、各々0.001%以上とすることが好ましく、0.20%を超えると靭性の劣化を招くので、0.20%以下とすることが好ましい。
Ta:0.001〜0.10%
Taは、NbやTiと同様に、CやNと炭化物や炭窒化物を形成することで高強度化に寄与し、さらに高降伏比(YR)化に寄与し、さらに、Taは、NbやTiと同様に、CやNと炭化物や炭窒化物を形成することで高強度化に寄与し、さらに高降伏比(YR)化に寄与する。このような観点から、Taを含有することにより、粒界面積の増大に伴う粒界へのC偏析量の増大により、高焼付き硬化量(BH量)を得ることができる。このような観点から、Taを0.001%以上含有することができる。一方、0.10%を超える過剰のTaの含有は、原料コストの増加を招くだけでなく、NbやTiと同様に、焼鈍後の冷却過程におけるマルテンサイトの形成を妨げる可能性がある。さらに熱延板中に析出したTaCは、冷間圧延時の変形抵抗を高くし、安定した実機製造を困難にする場合があるため、Taを含有する場合は、その含有量を0.10%以下とすることが好ましい。
W:0.001〜0.10%、V:0.001〜0.10%
WやVについては、Si、Mnと複合添加することにより、Γ相の生成を抑制し、めっきの密着性を向上させる効果がある。このような作用は、W、Vいずれの元素とも0.001%以上含有して認められる。一方、いずれの元素共に0.10%を超えて含有しても効果が飽和し、含有量に見合う効果を期待できず、経済的に不利となる。
Feおよび不可避的不純物
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ここで不可避的不純物とは、例えばOである。Oは不可避的に混入する代表的な不可避的不純物である。不可避的不純物の含有量は特に限定されず、許容される不可避的不純物の含有量は不可避的不純物の種類にもよるが、Oの場合には含有量が0.005%以下であれば問題が無い。
次に、本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法とその限定理由について説明する。本発明の製造方法は焼鈍工程と、溶融亜鉛めっき処理工程とを有する。以下、焼鈍工程、溶融亜鉛めっき処理工程の順で説明する。
焼鈍工程
焼鈍工程では、連続式溶融亜鉛めっき設備において、焼鈍の加熱過程における温度域が550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)での雰囲気の露点を−40℃以下とする条件で鋼板に焼鈍を施す。
焼鈍される対象となる鋼板は、例えば、上記化学成分を有する鋼を熱間圧延した後、冷間圧延してなる鋼鈑である。
上記熱間圧延での条件は特に限定されず、通常の方法で適宜決定すればよい。また、上記熱間圧延と上記冷間圧延との間に酸洗を行うことが好ましい。酸洗工程では表面に生成した黒皮スケールを除去する。酸洗の際の条件も特に限定されず、通常の方法で適宜決定すればよい。
上記冷間圧延での条件は特に限定されず、通常の方法で適宜決定すればよい。本発明においては、上記冷間圧延を30%以上80%以下の圧下率で行うことが好ましい。圧下率が30%未満では再結晶温度が低温化する傾向にあり、機械特性が劣化しやすい。一方、圧下率が80%超えでは高強度鋼板であるため、圧延コストがアップするだけでなく、焼鈍時の表面濃化が増加するため、めっき特性が劣化する場合がある。
焼鈍工程では、上記の鋼板を焼鈍する。焼鈍は、例えば、連続式溶融亜鉛めっき設備を用いて行うことができる。一般的に、焼鈍は加熱過程と均熱過程を有する。加熱過程とは、焼鈍炉の前段で鋼板を所定温度まで加熱する過程を指し、均熱過程とは焼鈍炉の後段で鋼板を所定温度に所定時間保持する過程を指す。本発明においては、加熱過程で、焼鈍炉内温度:550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750)の温度域を雰囲気の露点:−40℃以下とする。
上述したように、焼鈍炉内温度:550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750)の温度域を雰囲気の露点:−40℃以下となるように制御して、鋼板の焼鈍を行う。通常の露点は−40℃より高いので、炉内の水分を吸収剤で吸収除去する等により−40℃以下の露点とする。なお、上記露点を−40℃以下に制御する領域以外の露点は−40℃より高い温度でも構わない。通常の操業条件である−40℃超〜−10℃でもよい。勿論、−40℃以下でも構わない。
上記温度域での、焼鈍雰囲気の水素濃度は特に限定されないが、1vol%以上50vol%以下であることが好ましい。上記水素濃度が1vol%未満では還元による活性化効果が得られず耐めっき剥離性が劣化する場合がある。上限は特に規定しないが、50vol%超えではコストアップし、かつ効果が飽和する場合がある。よって、水素濃度は1%以上50vol%以下が好ましい。なお、焼鈍炉内の気体成分は、水素以外には窒素ガスと不可避的不純物気体からなる。本件発明効果を損するものでなければHO、CO、CO等の他の気体成分を含有してもよい。
溶融亜鉛めっき処理工程
溶融亜鉛めっき処理工程は、焼鈍工程後の鋼板の表面に、片面あたりのめっき付着量が20〜120g/mの亜鉛めっき層を形成する工程である。付着量20g/m未満では耐食性の確保が困難になる。一方、120g/mを超えると耐めっき剥離性が劣化する。
めっき付着量を上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、例えば、鋼板をめっき浴から引き上げた直後にガスジェットワイピング等でめっき付着量を調整する方法が挙げられる。
合金化処理工程
本発明においては、上記溶融亜鉛めっき処理工程後に、合金化処理工程を行うことが好ましい。合金化処理工程とは、溶融亜鉛めっき処理工程後、450℃以上600℃以下の温度に鋼板を加熱して合金化処理を施し、亜鉛めっき層のFe含有量を8〜14質量%の範囲とする工程である。また、合金化処理工程における加熱時間は特に限定されないが、1秒以上120秒以下の範囲、より好ましくは10秒〜30秒の範囲から適宜選択される場合が多い。
加熱時間、加熱温度の調整により、めっき層のFe含有量が8〜14%になるように設定すればよい。めっき層のFe含有量が8%未満では合金化ムラ発生やフレーキング性が劣化する場合がある。一方、めっき層のFe含有量が14%超えでは耐めっき剥離性が劣化する場合がある。
高強度溶融亜鉛めっき鋼板
以上の製造方法により、本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき層直下の下地表層部表面の構造に特徴を有することになる。
亜鉛めっき層の直下の、地鉄表面から100μm以内の地鉄表層部では、Fe、Si、Mn、Al、P、さらには、B、Nb、Ti、Cr、Mo、Cu、Ni、Sn、Sb、Ta、W、Vのうちから選ばれる1種以上の酸化物の形成が合計で片面あたり0.030g/m2以下に抑制される。
鋼中にSi及び多量のMnが添加された溶融亜鉛めっき鋼板において、耐食性および加工時の耐めっき剥離性を満足させるためには、腐食や加工時の割れなどの起点になる可能性があるめっき層直下の地鉄表層部の内部酸化を極力少なくすることが求められる。
そこで、本発明では、まず、めっき性を確保するために焼鈍工程において酸素ポテンシャルを低下させることで易酸化性元素であるSiやMn等の地鉄表層部における活量を低下させる。これにより上記内部酸化の発生を抑えることができる。また、上記焼鈍工程の条件調整により、内部酸化を抑えるのと同時に結晶の粒径を粗大にさせることで、これらの元素の拡散経路となる粒界の個数を減少させる。このようにして、これらの元素の表面濃化を抑制し、結果的に耐めっき剥離性を改善する。
以上のように焼鈍工程の条件調整で、地鉄表面での表面濃化を抑えるとともに、地鉄表層部に形成する内部酸化も抑制され、耐食性及び加工性が改善することになる。このような効果は、下地鋼板表面から100μm以内の鋼板表層部に、Fe、Si、Mn、Al、P、さらには、B、Nb、Ti、Cr、Mo、Cu、Ni、Sn、Sb、Ta、W、Vのうちから選ばれる少なくとも1種以上の酸化物の形成量を合計で0.030g/m2未満に抑制することで認められる。酸化物形成量の合計(以下、内部酸化量と称す)が0.030g/m以上では、耐食性及び加工性が劣化する。また、内部酸化量を0.0001g/m未満に抑制しても、耐食性及び加工性向上効果は飽和する。したがって、内部酸化量の下限は0.0001g/m以上が好ましい。
本発明の製造方法で得られる高強度溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層直下の地鉄表層部の構造は、上記の通りである。地鉄表層部の表面から100μm以内の上記構造を有するものであれば、地鉄表層部の厚みは特に限定されない。一般的に地鉄表層部の厚みは0μm以上200μm以下の範囲であり、地鉄表層部の厚みは走査電子顕微鏡(SEM)等の顕微鏡による観察により確認できる。
なお、本発明の製造方法により得られる高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、耐めっき剥離性をさらに向上させるために、Si、Mn系複合酸化物が成長する地鉄表層部における鋼板組織は、軟質で加工性に富むフェライト相が好ましい。
以下、本発明を、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
表1に示す鋼組成からなる熱延鋼板を酸洗し、黒皮スケール除去した後、圧下率を40%以上80%以下の条件にて冷間圧延し、厚さ1.0mmの冷延鋼板を得た。
Figure 0005935720
次いで、上記で得た冷延鋼板を、焼鈍炉にオールラジアントチューブ型の加熱炉を備えるCGLに装入した。CGLでは、表2に示す通り、550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750)の温度域の露点を制御し、通板することで鋼板を焼鈍したのち、460℃のAl含有Zn浴にて溶融亜鉛めっき処理を、めっき付着量が表2に示す値になるように施した。ここで、めっき付着量はガスワイピングにより調節した。また、上記のように露点を制御した温度領域以外の焼鈍炉内雰囲気の露点は−35℃を基本とした。
なお、焼鈍雰囲気の気体成分は窒素と水素及び不可避的不純物気体からなり、−40℃以下の露点は雰囲気の水分を吸収除去して制御した。雰囲気の水素濃度は10vol%を基本とした。
また、めっき種のGAは0.14%Al含有Zn浴を用いたことを表し、めっき種のGIは0.18%Al含有Zn浴を用いたことを表す。また、めっき種GAの例では、加熱温度400℃以上600℃以下、加熱時間30秒の合金化処理した。
以上により得られた溶融亜鉛めっき鋼板(GAおよびGIで、GAについては合金化処理してなる溶融亜鉛めっき鋼板)に対して、外観性(めっき外観)、耐食性、加工時の耐めっき剥離性、加工性を評価した。また、めっき層直下の地鉄表面から100μmまので地鉄表層部に存在する酸化物の量(内部酸化量)を測定した。測定方法および評価基準を下記に示す。
<外観性>
外観性は目視で評価し、不めっきや合金化ムラなどの外観不良が無い場合は外観良好(記号○)、ある場合は外観不良(記号×)と判定した。
<耐食性>
寸法70mm×150mmの高強度溶融亜鉛めっき鋼板について、JIS Z 2371(2000年)に基づく塩水噴霧試験を3日間行い、腐食生成物をクロム酸(濃度200g/L、80℃)を用いて1分間洗浄除去し、片面あたりの試験前後のめっき腐食減量(g/m・日)を重量法にて測定し、下記基準で評価した。
○(良好):20g/m・日未満
×(不良):20g/m・日以上
<耐めっき剥離性>
加工時の耐めっき剥離性とは、GAの場合、高強度溶融亜鉛めっき鋼板を、90°を超えて鋭角(60°)に曲げたときの曲げ加工部(120°曲げした加工部)のめっき剥離が抑制できることを指す。耐めっき剥離性の評価は、120°曲げした加工部にセロハンテープを押し付けて剥離物をセロハンテープに転移させ、セロハンテープ上の剥離物量をZnカウント数として蛍光X線法で求める方法で行った。なお、測定条件は、マスク径が30mm、蛍光X線の加速電圧が50kV、加速電流が50mA、測定時間が20秒とした。下記の基準に照らして、ランク1、2のものを耐めっき剥離性が良好(記号○)、3以上のものを耐めっき剥離性が不良(記号×)と評価した。
蛍光X線Znカウント数 ランク
500未満:1(良)
500以上1000未満:2
1000以上2000未満:3
2000以上3000未満:4
3000以上:5(劣)
めっき種がGIの場合、高強度溶融亜鉛めっき鋼板の衝撃試験時の耐めっき剥離性が要求される。評価は、ボールインパクト試験を行い、加工部をテープ剥離し、めっき層の剥離有無を目視判定する方法で行った。ボールインパクト条件は、ボール質量1000g、落下高さ100cmとした。
○:めっき層の剥離無し
×:めっき層が剥離
<加工性>
加工性は、試料から圧延方向に対して90°方向にJIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠してクロスヘッド速度10mm/min一定で引張試験を行い、引張り強度(TS/MPa)と伸び(El%)を測定し、TS×El≧24000のものを良好、TS×El<24000のものを不良とした。
<めっき層直下100μmまでの領域における内部酸化量>
Fe、Si、Mn、Al、P、さらには、B、Nb、Ti、Cr、Mo、Cu、Ni、Sn、Sb、Ta、W、Vのうちから選ばれる少なくとも1種以上の酸化物の合計量である内部酸化量は、「インパルス炉溶融−赤外線吸収法」により測定した。ただし、素材(すなわち焼鈍を施す前の高強度鋼板)に含まれる酸素量を差し引く必要がある。本発明では、焼鈍後の鋼板の両面の表層部を100μm以上研磨して鋼板中の酸素濃度を測定し、その測定値を素材に含まれる酸素量OHとし、また、焼鈍後の鋼板の板厚方向全体での鋼板中の酸素濃度を測定して、その測定値を内部酸化後の酸素量OIとした。このようにして得られた鋼板の内部酸化後の酸素量OIと、素材に含まれる酸素量OHとを用いて、OIとOHの差(=OI−OH)を算出し、さらに片面単位面積(すなわち1m)当たりの量に換算した値(g/m)を内部酸化量とした。
Figure 0005935720
表2から明らかなように、本発明法で製造されたGI、GA(本発明例)は、Si、Mn等の易酸化性元素を多量に含有する高強度鋼板であるにもかかわらず、耐食性、加工性および加工時の耐めっき剥離性に優れ、めっき外観も良好である。一方、比較例では、めっき外観、耐食性、加工性、加工時の耐めっき剥離性のいずれか一つ以上が劣る。
本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき外観、耐食性、加工性および加工時の耐めっき剥離性に優れ、自動車の車体そのものを軽量化かつ高強度化するための表面処理鋼板として利用することができる。また、自動車以外にも、素材鋼板に防錆性を付与した表面処理鋼板として、家電、建材の分野等、広範な分野で適用できる。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.35%、Si:0.01〜0.50%、Mn:3.6〜8.0%、Al:0.001〜1.00%、P≦0.10%、S≦0.010%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に、連続式溶融亜鉛めっき設備において、加熱過程における温度域が550℃以上A℃以下(A:600≦A≦750を満たす任意の値)での雰囲気の露点を−40℃以下とする条件で焼鈍を施す焼鈍工程と、
    焼鈍工程後の鋼板の表面に、片面あたりのめっき付着量が20〜120g/mの亜鉛めっき層を形成する溶融亜鉛めっき処理工程と、を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記鋼板は、成分組成として、質量%で、さらに、B:0.001〜0.005%、Nb:0.005〜0.050%、Ti:0.005〜0.050%、Cr:0.001〜1.000%、Mo:0.05〜1.00%、Cu:0.05〜1.00%、Ni:0.05〜1.00%、Sn:0.001〜0.20%、Sb:0.001〜0.20%、Ta:0.001〜0.10%、W:0.001〜0.10%、V:0.001〜0.10%の中から選ばれる1種以上の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記溶融亜鉛めっき処理工程後、450℃以上600℃以下の温度に鋼板を加熱して合金化処理を施し、亜鉛めっき層のFe含有量を8〜14質量%の範囲とする合金化処理工程を、さらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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