JP4315556B2 - 液封防振装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用エンジンマウント等に使用して好適な液封防振装置に係り、特にオリフィス通路の開口部に対する開閉部材を備えてオリフィス通路の経路や長さ等を変化させる可変オリフィス形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−014335号、同10−281214号には、主液室を囲む側壁部の一部に弾性部材本体と一体の横可動膜を設けるとともに、この横可動膜と一体の開閉部材を設け、横可動膜を弾性変形させることにより開閉部材を動作させて主液室内に開口するオリフィス通路の開口部を開閉させ、オリフィス通路の経路や長さ等を変化させるようにした可変式のオリフィス通路を備えた液封防振装置が示されている。また、これらの開閉部材には、一体の突起部を設けて開き動作時にこの突起部を仕切り部材上へ摺動させることにより開口部の開放を迅速化することも示されている。なお、本願発明においては、100Hz以下を低周波、100〜500Hzを中周波、500Hz以上を高周波という。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記開閉部材を横可動膜と一体に形成すると製造が容易になる反面、開閉部材はその機能上横可動膜より遙かに硬くする必要があるから、柔軟な横可動膜と硬い開閉部材を一体に形成すると、双方の設計に制約が多くなり自由度が小さくなる。また、機種が異なることにより開閉部材を若干寸法変化させる等の必要が生じても、横可動膜が弾性部材本体と一体であるから、これら全体を作り直す必要があるので汎用性に乏しいものになり、開閉部材のみを交換することはできないので経済的にも不利である。このため、開閉部材を横可動膜と別体にすることも考えられるが、この場合には別体の開閉部材を如何にして横可動膜へシール性高く取付けるかという点に困難性がある。また、開き時に開閉部材から突出する突部を利用する構造の場合には摺動部が摩耗や破損しやすいので耐久性をより向上させることが困難である。そこで、本願発明は係る問題点の解決を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の液封防振装置に係る第1の発明は、振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、車体側へ取付けられる第2の取付持部材と、これらの間に設けられる略円錘状の弾性本体部とにより、弾性本体部を壁の一部とする液室を形成し、この液室内を仕切り部材により主室と副室に区画するとともに、これら主室と副室を連通するオリフィス通路を仕切り部材に形成し、かつ主液室を略円筒状に囲む側壁部に弾性体の横可動膜を設け、この横可動膜に、主液室内側の仕切り部材の表面に開口するオリフィス通路の開口部を開閉するための開閉部材を設けた液封防振装置において、
前記開閉部材を横可動膜と別体の弾性部材で形成し、
この開閉部材から突出する取付部を前記横可動膜に対して主液室側から外方へ向かって貫通させ、横可動膜とその外側にて結合一体化するとともに、
横可動膜の内側表面と開閉部材を液密及び気密に密接させたことを特徴とする。
【0005】
また、前記開閉部材の接合面に前記取付部の周囲を連続して囲むシール突起を一体に形成し、このシール突起を前記横可動膜の主液室側内表面へ密接させて前記取付部の横可動膜貫通部をシールすること特徴とする。
【0006】
の発明は上記第1の発明において、前記仕切り部材表面で前記オリフィス通路の開口部よりも前記横可動膜側となる部分に表面から突出する突起部を一体に設け、この突起部を支点として前記開閉部材を開閉動作させることを特徴とする。
【0007】
の発明は上記第1の発明において、前記開閉部材に前記横可動膜と略平行するフランジ部を設け、このフランジ部により横可動膜の主液室側を部分的に覆ったことを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
第1の発明によれば、横可動膜と対面して開閉部材を別体に設け、開閉部材から突出する取付部を主液室内側から外方へ向けて横可動膜を貫通させ、外部にてネジ止めやカシメ等の適宜固定手段により固定し、横可動膜の内側にて開閉部材が密接するように一体化させた。このとき開閉部材が弾性部材であるため、同じく弾性部材である横可動膜と液密及び気密に接合でき、かつこの密着度は外部における固定手段により調節できる。したがって、開閉部材を別体に設けても横可動膜に対して実用上十分なシール性を確保して取付可能になり、その結果、横可動膜と開閉部材を硬さ等につきそれぞれの目的に応じて任意に設定できるから、設計の自由度が大きくなる。また、機種が異なることにより開閉部材を若干寸法変化させる等の必要が生じても、横可動膜と関係なく開閉部材のみを別寸法のものに交換すれば済むので、汎用性に冨みかつ経済性にも優れたものになる。
【0009】
また、取付部を囲むシール突起を開閉部材の接合面に設けたので、より高いシール性を簡単な構造で確保できる。
【0010】
の発明によれば、仕切り部材表面でオリフィス通路の開口部よりも前記横可動膜側となる部分に表面から突出する突起部を一体に設けたので、この突起部を支点として開閉部材を開閉動作させることができ、従来例のように開閉部材側に設けた突起部を仕切り部材上に摺動させないので摩耗や破損のおそれが少なくなり、飛躍的に耐久性を向上させることができる。
【0011】
の発明によれば、開閉部材に横可動膜と略平行するフランジ部を設け、このフランジ部により横可動膜の主液室側を部分的に覆ったので、このフランジ部が主液室内における内圧変動によって生じる膜共振を制御できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて自動車用エンジンマウントとして構成された実施例を説明する。図1〜7は実施例に係り、図1は全体の縦断面図(図2の1−1線相当)、図2は全体の平面図、図3は要部の拡大断面図、図4は仕切り部材部分の平面図、図5は入り口側可変オリフィス機構部分を示す部分断面図、図6はその開閉部材の取付構造を拡大して示す断面図、図7は開閉部材のシール構造を示す拡大断面図である。
【0013】
まず、図1〜4において、液封防振装置であるエンジンマウントは、第1の取付部材1、第2の取付部材2及び弾性本体部3を有し、第1の取付部材1はネジ部4にて図示しないエンジン側へ取付けられ、第2の取付部材2はフランジ5にて同様に図示しない車体側へ取付けられる。
【0014】
弾性本体部3は公知のゴム等からなる適宜弾性材料で構成される略円錐状の部材であり、その頂部を第1の取付部材1が貫通して一体化されている。弾性本体部3の裾部周囲はフランジ6をなして第2の取付部材2の一部をなすフランジ金具7へ一体化されている。弾性本体部3の下部は、フランジ6からさらに下方へ略筒状に延出する内張り部8をなし、略円筒状の側壁部9の内面へ一体化されている。
【0015】
側壁部9は第2の取付部材2の一部をなし、その外側に前記フランジ金具7が溶接で一体化される部材であり、その周囲に丸穴10が周方向180°間隔で設けられ、この丸穴10部分のみ、内張り部8は側壁部9に支持されず、自由に弾性変形が許容された横可動膜11をなしている。なお、横可動膜11の周囲で丸穴10の内側となる位置には円形の溝12が形成され、移動横可動膜11の変形を容易にしている。
【0016】
側壁部9の下部は、第2の取付部材2の円筒形基部13のフランジ14に対してカシメにより一体化され、この側壁部9と円筒形基部13の接続部に仕切り部材15とダイアフラム16が各周囲を固定されている。
【0017】
仕切り部材15は弾性本体部3とともに、主液室17を画成し、かつダイアフラム16との間に副液室18を画成する。主液室17と副液室18は、仕切部材15に形成されたアイドル振動吸収用のアイドルオリフィス通路20と低周波振動を吸収するためのダンピングオリフィス通路21で連通される。但し、アイドルオリフィス通路20はアイドリング時のみ開く開閉式であり、ダンピングオリフィス通路21は常時開いている。
【0018】
図3及び図4にも明らかなように、アイドルオリフィス通路20の出口22は、ダイアフラム16の中央部23を中空のバルブ24の頂部にて押しつけることにより閉じられ、連絡通路26から図示しない負圧源によりバルブ24内を負圧にすることにより、バルブ24の内側に設けられたリターンスプリング25に抗してバルブ24を下降すると、出口22が開いて主液室17と副液室18を連通するようになっている。バルブ24はカップ状の心金部材27の表面を弾性体28で被覆したものであり、弾性体28の下部周囲は第1の取付部材1の底部へ嵌合される蓋状部材29へ密接し、内部を気密にしている。
【0019】
この開閉機構は出口側の可変オリフィス機構を構成し、本実施例では、これとは別に後述する入り口側の可変オリフィス機構が設けられている。なお、円筒形基部13の内側には支持用筒金具30が嵌合され、その上端部は内フランジ31をなして、ダイアフラム16の周囲を仕切り部材15との間で挟み、かつ中間部には内方へ突出する段部32が形成され、下端部は内側へ折り曲げられて蓋状部材29の周囲へ重なるカシメ部33をなすことにより、段部32とカシメ部33の間に弾性体28の周囲に肥大して形成された端末部34を挟むことにより端末部34を蓋状部材29へ密着させて固定している。
【0020】
図1中の符号35は中高周波デバイスであり、下向きに開放された略カップ状をなして、主液室17内へ突出する第1の取付部材1の下端部へ固定され、第1の取付部材1と共に上下動することにより、中高周波デバイス35と弾性本体部3の間に形成されたクリアランス内で中高周波域の液柱共振を生じさせるようになっている。また、符号36はストッパであり、第1の取付部材1から一体に半径方向へ延出するストッパアーム37の先端に形成され、フランジ金具7から上方へアーチ状をなして形成されたストッパブラケット38内に入り、大振動時にフランジ6側へ当接して一定以上の変形を規制するようになっている。
【0021】
次に、仕切り部材15の構造を詳述する。図3及び図4に示すように、仕切り部材15は上部材40、中間部材41、下部材42の3部材を中間部材41が中になるように上下へ重ね合わせて構成されている。上部材40は比較的剛性のある樹脂材料からなり、周囲がフランジ43をなし、その内側に上方へ突出する環状壁44が一体に形成されている。環状壁44は側壁部9との間に所定のクリアランスをなして対面しており、その一部で横可動膜11と対面する部分が特に制御44aをなす。
【0022】
環状壁44の内側は凹部45をなし、その下面側には略渦巻き状をなすアイドルオリフィス溝46が形成されている。アイドルオリフィス溝46は一端にて凹部45へ開放された入り口47をなし、他端は中心方向へ回り込んで、下部材42のほぼ中心部に形成されている出口22と連通するよう、全体が下方に開放されている。アイドルオリフィス溝46は下側の中間部材41に重なり、開放部を閉じられてアイドルオリフィス通路20を形成する。また、本実施例では入り口47と別の場所に切り替え用入り口である中間ホール56が設けられ、入り口47と選択的に切り替え使用するようになっている。
【0023】
中間部材41はゴム等の比較的柔軟な弾性部材からなり、アイドルオリフィス通路20よりも外側となる位置に上向きに開放された溝50を有し、その開放部をフランジ43で塞がれてダンピングオリフィス通路21の一部を形成する。なお、溝50はフランジ43の一部に形成された入り口51により主液室17と連通し、他端に形成された連絡口52で下部材42側の低周波オリフィス通路21と連通する。
【0024】
アイドルオリフィス通路20を構成する内周部48の外周側と溝50との境界部はテーパー部49をなし、これに対応してアイドルオリフィス溝46とフランジ43の境界部に形成されている中間部材41のテーパー部41aとテーパー合わせに摺接する。
【0025】
下部材42は上部材40同様に比較的剛性のある樹脂等で構成され、その外周部にも上向きに開放された溝53が形成され、中間部材41の底部で塞がれて低周波オリフィス通路21の一部を形成するようになっている。溝53と溝50の位置は上下方向にて一部が重なり、溝53の一端54は連絡口52と連通し、他端は副液室18内へ開口する出口55となっている。
【0026】
次に、入り口側の可変オリフィス機構について説明する。図1に示すように、中間ホール56を開閉する開閉部材57とこれを開閉駆動するための駆動部58を備え、駆動部58はソレノイド等の適宜な公知手段を用いることができ、開閉部材57を図の左右方向へ移動させるようにフランジ金具7へ支持されている。なお、本実施例の横可動膜11は180度間隔で左右一対をなしており、本図では他方側が見えていないが、こちらには入り口側の可変オリフィス機構など何も設けられず、内圧変動吸収用の可動膜としてのみ機能している(図4参照)。
【0027】
この入り口側の可変オリフィス機構の詳細は図5〜7に示す。これらの図において、開閉部材57は、仕切り部材15の上部材40表面へ摺接して中間ホール56を開閉する本体部60と横可動膜11へ取付けられる側の基部61を有し、基部61には横可動膜11と間隔を持って略平行に上方へ延出するフランジ部62を一体に設け、かつ本体部60と基部61との境界部には上方へ凸の位置決め凹部63が形成され、また横可動膜11に対面する面は接合面64をなし、ここに環状のシール突起65が一体に形成されている(図7)。
【0028】
この開閉部材57は、横可動膜11すなわち弾性部材本体3とは別体のゴム等適宜弾性に富むとともに横可動膜11よりは硬めの部材で形成され、その際内部に心金具66の略L型に屈曲する一端部67側を埋め込んで一体化してある。心金具66の他端は取付部68をなして基部61から突出させてある。なお、前記シール突起65はこの取付部68の周を囲むように形成される。
【0029】
この取付部68を、予め横可動膜11に埋設一体化されているフランジ付カラー70を通して横可動膜12を主液室17側から外方へ貫通させ、その先端を駆動部58へ連結させ、かつ横可動膜11の外側でフランジ付カラー70の外周部に形成されたネジ部71へナット72を締結することにより、開閉部材57を横可動膜11へ取付一体化する。このとき、基部61の接合面64はナット72の締結により横可動膜11へ液密で圧着され、しかもシール突起65を設けたことによりさらにシールを確実にする。
【0030】
この取付状態においては、図5に明らかなように、支点位置決め凹部63は上部材40の環状壁44の上端部へ一体に形成された上方へ突出する支点部73の上へ重なり、かつ先端がの本体部60は中間ホール56を閉じた状態で上部材40の表面へ密着し、取付部68を駆動部58で図の右側へ引くと、本体部60の下面側が支点部73へ乗り上げるために先端側が上部材40の表面から離れて中間ホール56を開放する。
【0031】
この中間ホール56が開くと、アイドルオリフィス通路20はこの部分から液体が流入し、入り口51は開いていてもこれと中間ホール56の間はオリフィス通路として機能しなくなるので、アイドルオリフィス通路20の通路長を短くして液柱共振を制御することができる。
【0032】
なお、環状壁44のうち開閉部材57が設けられている部分、すなわち制御壁44aに相当する部分は切り欠かれた状態をなし、その代わりとしてフランジ部62が横可動膜11を補完的に覆っている。
【0033】
次に、本実施例の作用を説明する。図5に示すように、開閉部材57を横可動膜11へ取付けて駆動部58により開閉制御すると、アイドルオリフィス通路20の通路長を可変制御してエンジンの運転状況に応じた制御を可能にする。このとき、仕切り部材15をなす上部材40の表面で中間ホール56近傍である中間ホール56よりも横可動膜側となる部分に表面から突出する支点部73を一体に設けたので(図5参照)、この支点部73を支点として開閉部材57の本体部60を開閉動作させることができ、従来例のように開閉部材57側に設けた突起部を仕切り部材上に摺動させないので、このときに中間ホールの開口縁部等の鋭角部に対して摺接することに伴って生じていた摩耗や破損のおそれが少なくなり、飛躍的に耐久性を向上させることができる。
【0034】
そのうえ、開閉部材57を横可動膜11と別体に設け、開閉部材57から突出する取付部68を主液室17の内側から外方へ向けて横可動膜11を貫通させ、外部にてナット72で固定し、横可動膜11の内側にて開閉部材57の基部61を接合面64で液密及び気密に密接するように一体化させた。しかも、開閉部材57が弾性部材であるため、同じく弾性部材である横可動膜11と液密に接合でき、そのうえシール突起65を形成したことによりさらに密着度を高めることができ、なおかつこの密着度は外部における固定手段により調節できる。
【0035】
したがって、開閉部材57を別体に設けても横可動膜11に対して実用上十分なシール性を確保して取付可能になり、その結果、横可動膜11と開閉部材57を硬さ等につきそれぞれの目的に応じて任意に設定できるから、設計の自由度が大きくなる。また、機種が異なることにより開閉部材を若干寸法変化させる等の必要が生じても、横可動膜と関係なく開閉部材のみを別寸法のものに交換すれば済むので、汎用性に冨みかつ経済性にも優れたものになる。また、横可動膜11の周囲に環状の溝12を設けたので、駆動部58により開閉部材57を制御するとき、開閉部材57の動きを容易にできる。なお、開閉部材57の固定手段はナットによる以外に、カシメ等の適宜固定手段を採用できる。
【0036】
さらに、開閉部材57に横可動膜11と略平行するフランジ部62を設け、このフランジ部62により横可動膜11の主液室17側を部分的に覆ったので、環状壁44と一体になって、これらと横可動膜11との間隙60へ及ぼされる液体圧力を制御できるので、横可動膜11の膜共振エネルギーを制御して、この膜共振に原因する中周波域におけるこのましくない一時的な動バネ定数の極大値(以下、動バネピークという)の出現を抑制できる。
【0037】
また、他の横可動膜11においては環状壁44及びその制御壁44aにより同様の制御が行われる。すなわち、横可動膜11の主液室17側を所定の間隙60を隔てて設けられている環状壁44の一部である制御壁44aが覆うことにより、やはり動バネピークの出現を抑制できる。
【0038】
これは、環状壁44を設けないと、弾性本体部3の変形による内圧変動の全エネルギーが横可動膜11へ加わり、その結果、横可動膜11の膜共振エネルギーが大きくなることの反動として出現する。したがって、環状壁44を設けて、横可動膜11の共振に関与する液体圧力を制限すると、それだけエネルギーが少なくなるので、動バネピークの高さを抑制し、全体としてなだらかな曲腺の低動バネ特性を実現できるのである。
【0039】
また、横可動膜11を覆う面積を調節するために環状壁44及び制御壁44aの高さを任意に設定でき、これにより動バネ特性を変化させて任意にチューニング可能である。同様に間隙60の大きさを変化させて液体圧力を制御することによってもチューニングできる。
【0040】
なお、横可動膜11は本来主液室17の内圧変動を吸収して全体の低動バネ化を図るために設けられるものであり、この意味では横可動膜11のみでも十分意義を有するのであり、必ずしも環状壁44やフランジ部62を必要とするものではない。また、開閉部材57を設けた横可動膜11のみとすることもでき、さらには横可動膜11をより多数設けてもよく、この場合には特性のことなるものを適宜組み合わせ使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るエンジンマウントの全体断面図
【図2】その外観平面図
【図3】その仕切り部材部分を中心とする要部の拡大断面図
【図4】この仕切り部材部分の平面図
【図5】その可変オリフィス機構をさらに拡大して示す要部断面図
【図6】開閉部材の取付構造をさらに拡大して示す要部断面図
【図7】開閉部材のシール構造を示す要部拡大断面図
【符号の説明】
第1の取付部材1、第2の取付部材2、弾性本体部3、側壁部9、丸穴10、仕切り部材15、ダイアフラム16、主液室17、副液室18、アイドルオリフィス通路20、低周波オリフィス通路21、上部材40、中間部材41、下部材42、環状壁44、制御壁44a、中間ホール56、開閉部材57、駆動部58、本体部60、基部61、フランジ部62、取付部68

Claims (3)

  1. 振動源側へ取付けられる第1の取付部材と、車体側へ取付けられる第2の取付持部材と、これらの間に設けられる略円錘状の弾性本体部とにより、弾性本体部を壁の一部とする液室を形成し、この液室内を仕切り部材により主室と副室に区画するとともに、これら主室と副室を連通するオリフィス通路を仕切り部材に形成し、かつ主液室を略円筒状に囲む側壁部に弾性体の横可動膜を設け、この横可動膜に、主液室内側の仕切り部材の表面に開口するオリフィス通路の開口部を開閉するための開閉部材を設けた液封防振装置において、前記開閉部材を横可動膜と別体の弾性部材で形成し、この開閉部材から突出する取付部を前記横可動膜に対して主液室側から外方へ向かって貫通させ、横可動膜とその外側にて結合一体化するとともに、横可動膜の内側表面と開閉部材を液密及び気密に密接させ
    さらに、前記開閉部材の接合面に前記取付部の周囲を連続して囲むシール突起を一体に形成し、このシール突起を前記横可動膜の主液室側内表面へ密接させて前記取付部の横可動膜貫通部をシールしたことを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記仕切り部材表面で前記オリフィス通路の開口部よりも前記横可動膜側となる部分に表面から突出する突起部を一体に設け、この突起部を支点として前記開閉部材を開閉動作させることを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  3. 前記開閉部材に前記横可動膜と略平行するフランジ部を設け、このフランジ部により横可動膜の主液室側を部分的に覆ったことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
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