JP3684397B2 - 負圧切替型液封入式防振装置 - Google Patents

負圧切替型液封入式防振装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車エンジン等の振動発生体を支承するために使用される液封入式防振装置であって、負圧の作用によりオリフィスの連通状態を切り替え、異なる周波数の減衰効果を発揮するようにした負圧切替型液封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
自動車エンジン等の振動発生体の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の液封入式防振装置には、装置本体の防振基体とダイヤフラムとの間の液室を2分する仕切体にオリフィスを形成し、このオリフィスの連通状態を切替える切替弁をダイヤフラムに設け、切替弁を閉弁方向へ付勢するスプリングの反力を負圧と大気圧との切替で相殺させ、異なる周波数の減衰効果を発揮させるようにしたものが知られている。
【0003】
このような負圧切替型液封入式防振装置においては、ダイヤフラムの液室と反対側に負圧と大気圧とに切り替える切替室を設け、この切替室に外部に連通する負圧導入管を設けると共に、切替弁の開弁方向を規制するストッパ部材を設けている。
【0004】
従来の負圧切替型液封入式防振装置においては、上記ストッパ部材と負圧導入管とは夫々別々に設けられ、ストッパ部材はダイヤフラムの中央領域に加硫接着又は組み込まれ、また、負圧導入管は切替室を構成する取付金具の底部や底板に固定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のごとく、ストッパ部材がダイヤフラムに一体化されている場合、スプリングにより支えられたマスを大きくするので、負圧と大気圧との切替時に可動するダイヤフラムの移動がスムーズに行われなくなる可能性があった。
【0006】
一方、負圧導入管の取付金具への固定は、概して固定部長さが短く、かつシール代も少ないので、外力に対して弱く、導入管の脱落、シール不良を引き起こす可能性もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に着目し、ストッパ部材及び負圧導入管の配置並びに取付方法について鋭意検討したところ、まず、ストッパ部材を、切替室において、可動するダイヤフラムと反対側の底壁部に配置すれば、ダイヤフラム側には大きなマス部分をなくすことができ、切替弁の切替時におけるダイヤフラムの移動がスムーズになることを見い出した。
【0008】
このストッパ部材を備えた負圧切替型液封入式防振装置としては、装置本体の防振基体と取付金具との間に形成された空間が、ダイヤフラムにより、防振基体側の液室と取付金具側の切替室とに区画され、液室側に形成されたオリフィスの連通状態を調節する切替弁と、該切替弁を閉弁方向に付勢するスプリングとを備え、該スプリングの反力を前記切替室における負圧と大気圧との切替により相殺させて異なる周波数の減衰効果を発揮させるようにしたものならば、特に限定されるものではない。
【0009】
例えば、1つのオリフィスの開閉度合いを調節することで異なる周波数の減衰効果を発揮するような構成、また、1つのダイヤフラムにより液室と切替室とを区画する構成も採用可能であるが、液室に配された仕切体に2つのオリフィスを形成し、その一方を切替弁の開閉により調節して異なる周波数の減衰効果を発揮させるようにした防振装置に適用するのが好適である。また、液室を画成する切替弁付きの第1のダイヤフラムと、その切替室側において切替弁を押圧する押圧部材付きの第2のダイヤフラムとを備え、第2のダイヤフラムと本体取付金具とで密閉された空間を切替室とし、第1及び第2のダイヤフラム間に液室(副液室)と切替室との圧力差を緩衝する平衡室を形成した防振装置に適用するのが好適である。
【0010】
切替室の室壁は、防振基体によって連結される上下の取付金具のうち、有底筒状の下側取付金具の底壁部とその内部に取り付けられるダイヤフラムとにより構成されるが、ストッパ部材の取付位置としては、取付金具の底壁部をそのまま利用する態様、あるいは底壁部に別の薄板状の底板を取り付け、この底板を利用する態様のいずれを採用してもよい。
【0011】
切替室の底壁部に配置したストッパ部材の固定手段として、溶接、かしめ固定など、種々の態様を採用できるが、ストッパ部材の下部に半径方向外側にフランジ状の固定部を延設する一方、底壁部に切替室側に突出する突出部を設け、この突出部の周壁に固定部を圧入する態様が最も簡単に取付られる点で好適である。これ以外に、切替室の底部に固定した負圧導入管の内端を切替室側に延設し、この内端をストッパ部材に形成した貫通孔に圧入若しくは加硫接着し、この負圧導入管を介して固定する構成も採用可能である。
【0012】
次に、負圧導入管の脱落防止とシール不良の解消について検討したところ、上記のようにストッパ部材を切替室の底壁部に配置する以上、このストッパ部材と負圧導入管とを組み合わせた態様が底壁部の配置関係からみれば好適であるとの知見の下、ストッパ部材に軸方向に貫通する貫通孔を形成し、切替室の底壁部を貫通する負圧導入管の内端を切替室側に延設して、その内端をストッパ部材の貫通孔に圧入する構成を採用すれば、負圧導入管の固定部長さを大きくでき、導入管の脱落防止が図れると共に、これらの間のシール性も確保できることを見い出した。
【0013】
この場合の切替室の空気シール性を考慮した場合、負圧導入管と切替室の底壁との間もシールしなければならないが、上記のように、ストッパ部材の固定部と底壁部の突出部とによるストッパ部材固定手段を採用し、固定部と突出部との間をシールゴムによりシールする構成を採用すれば、負圧導入管と切替室の底壁部とをシールしなくてもよくなり、シール代が大きくなり、確実な空気シール機能を発揮できることになる。しかも、このようなシール構造であれば、負圧導入管を貫通する切替室の底壁部の導入穴を負圧導入管の外径と合わせる必要がなく、それよりも大径に形成し、負圧導入管を遊嵌状態で貫通させることができ、負圧導入管の取り付け及び位置決めも容易に行える。
【0014】
なお、ストッパ部材の固定部と底壁部の突出部との圧入固定構造は、突出部が円筒状のものに限られるものではなく、少なくとも突出部の周壁に1/2周以上の圧入代が確保できる態様であればよい。従って、突出部の側壁の一部外側に開放部を形成し、負圧導入管の外端側を軸直角方向に折り曲げて、その外端を側方に配向する構成も採用できる。
【0015】
ストッパ部材は、ストッパ金具にゴム状弾性体が加硫接着された構造ならばいかなる構成であってもよいが、上記のような突出部と固定部による圧入手段を採用する場合、ストッパ部材を、固定部を含むストッパ金具と、このストッパ金具に加硫接着されたストッパゴムとから構成し、ストッパ部材の貫通孔をストッパ金具の筒状部で構成するようにすれば、負圧導入管の圧入及びこの間の空気シールも容易に行える。この場合、ストッパ金具は、一体構造、あるいは筒状部とフランジ部との2ピース分割構造のいずれをも採用可能であり、その材質としても、金属あるいは樹脂のいずれを採用してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態を示す負圧切替型液封入式防振装置の斜視図、図2はその切替室大気圧状態の縦断面図、図3は同じく切替室負圧状態の縦断面図、図4は同じくストッパ機構を示す要部断面図である。
【0017】
図示のごとく、負圧切替型液封入式防振装置1は、エンジンなどの振動発生体側に取り付けられる上側取付金具2と、車体側に取り付けられる下側の取付金具3と、これら両取付金具2、3を互いに連結するゴム状弾性体からなる防振基体4と、この防振基体4に対向して下側の取付金具側3に配置され、防振基体4との間で液室5を構成する第1のダイヤフラム6と、液室5を主液室5aと副液室5bとに仕切る仕切体7と、第1のダイヤフラム6の中央領域に配置され前記仕切体7に形成された2つのオリフィス15、16のうち内側のオリフィス16の連通状態を開閉自在に調節する切替弁8と、第1のダイヤフラム6の下側に配置され、第1のダイヤフラム6との間に平衡室9を形成する第2のダイヤフラム10と、この第2のダイヤフラム10と下側取付金具3の底部11との間に負圧と大気圧とに切替可能とされた切替室12と、前記切替弁8を閉弁方向へ付勢するよう切替室12に配置されたスプリング13とを備え、このスプリングの反力を切替室12内における負圧と大気圧との切替により相殺させて異なる周波数の減衰効果を発揮させるようにしている。
【0018】
上側取付金具2は、平板状に形成され、その中央に上方へ突出してエンジン等を支承する取付ボルト20が固定され、また、上側取付金具2の上面には、大変位を吸収するためのストッパ金具21の基端部を位置決めするためのビス22が固定されている。
【0019】
下側の取付金具3は、有底外筒金具25と、その上部の大径部25aに内嵌された内筒金具26とから構成されている。有底外筒金具25は、上側から順に円筒状の大径部25aと、有底円筒状の小径部25bとが連続して一体成形され、その中間に段差部25cを有する深底のコップ形状に形成されてなるものである。大径部25aの上端は半径方向外側に拡開されて、外筒側取付フランジ27と、内側開放の断面コ字形の締結部28とが形成されている。
【0020】
内筒金具26は、外筒金具25の大径部25aに密着状態で内嵌可能に円筒状に形成されたものであって、その上端が半径方向外側に拡開され、外筒金具25の締結部28に内挿する外フランジ29と、外筒取付フランジ27と重ね合わされる延設フランジ部29aと、ストッパ金具21の先端と対向するストッパ芯部30とが形成されている。
【0021】
そして、外筒金具25の締結部28に内筒金具26の上端外フランジ29が内挿されて両者がかしめ固定されている。また、外筒金具25の大径部25aの上端は、その一部が切欠かれており、その切欠部を超えて内筒金具26の上端ストッパ芯部30が半径方向外側に突出されている。さらに、外筒取付フランジ27と内筒金具26の延設フランジ部29aとが重ね合わされ、両者を貫通して取付穴32が形成され、この取付穴32にボルトなどを通して車体側に取付られる。なお、防振装置1の車体側への取付は、上記フランジ部27、29aを廃止し、外筒金具25の小径部25bの外周をブラケット(図示略)を介して車体側に取り付けるようにしてもよい。
【0022】
防振基体4は、ゴム状弾性体が傘状に形成されて本体ゴム部を構成するもので、上側取付金具2と下側取付金具3の筒状補強金具26の内面とを加硫接着して両者を連結し、振動発生体から伝達される軸方向及び軸直角方向の振動を絶縁する機能を発揮するようになっている。さらに、防振基体4のゴム状弾性体は、内筒金具26のストッパ芯部30を包囲するように加硫接着されてストッパ部31を構成している。このストッパ部31を断面つ字形のストッパ金具21が囲むように配置され、両者の協働により、大変位吸収用のストッパ機構(スタビライザー機構)が構成されている。
【0023】
有底外筒金具25の中間段差部25cには、下方から順に、第2のダイヤフラム10、第1のダイヤフラム6、及び仕切体7の夫々の外周部が載置され、これらを内筒金具26の内面から下端にかけて加硫接着されたシールゴム部33との間で挟着するようになっている。
【0024】
仕切体7は、金属又は樹脂などの剛性材が円盤状に形成され、その外周部の略全周にわたり外側開放の断面コ字形オリフィス溝15aが形成され、中央部に内側オリフィス16を形成するための開口16aが形成されている。そして、仕切体7は、内筒金具26の内周面に形成されたシールゴム部33aに気密状態で嵌着され、このシールゴム部33aとオリフィス溝15aとで囲まれた空間が第1のオリフィス15とされている。オリフィス溝15aの2箇所には、主液室5a及び副液室5bと夫々連通する開口34、35が夫々形成され、オリフィス15による振動減衰機能を発揮するようになっている。仕切体7の下端外周部は、半径方向外側に延設され、この延設部36が有底外筒金具25の中間段差部25cと筒状内筒金具26の下端シールゴム部33との間に挟着されている。
【0025】
一方、仕切体7の中央に貫通形成された開口16aには、切替弁8が軸方向(図2において上下方向)に離着座自在に内嵌されており、この切替弁8の外周と開口16aの壁面との間が内側オリフィス16となっている。
【0026】
切替弁8は、第1のダイヤフラム6の中央部に一体成形されたものであって、仕切体7の中央開口16aの周縁部下面を弁座面として、これに離着座自在な平板部8aと、その中央部において中央開口16aに嵌まり込むやや小径の突出部8bとから構成され、その断面形状に応じた逆椀状の芯部金具36がゴム状弾性体で覆われた構造となっている。この平板部8aの下面外周部には、第1のダイヤフラム6のゴム状弾性膜6aが垂下され、その内面に第2ダイヤフラム10の中央押圧部材42を内嵌する凹部43が形成されている。
【0027】
さらに、突出部8bの周囲の複数箇所には、切替弁8が仕切体7の中央開口周縁部に着座する際の横ずれ防止用として傾斜リブ37が一体形成されており、この傾斜リブ37で区画された周方向の複数箇所が、夫々内側オリフィス16として機能している。
【0028】
第1のダイヤフラム6は、中央に前記切替弁8が一体化された薄肉の可撓性ゴム状弾性膜6aを有し、その外周部に環状のダイヤフラム金具41の内端が埋設一体化され、この金具41が外筒金具25の中間段差部25cに保持され、前記防振基体4との間に液室5を形成するようになっている。
【0029】
第2のダイヤフラム10は、切替弁8の下面凹部43に嵌合する中央押圧部材42を一体加硫した厚肉のゴム状弾性膜10aを有し、その外周部に環状のダイヤフラム金具45が埋設され、その金具45が外筒金具25の中間段差部25cに保持されている。
【0030】
押圧部材42は、樹脂又は金属などの剛性材料により下面が開放した逆コップ状に形成されたもので、その天部42aの下面には、スプリング13の上端を受ける着座面としてのリング状凹部42bが形成されている。また、天部42aの外周部は切替弁8の中央凹部43に嵌合され、両者が一体的に可動するようになっている。従って、本実施の形態では、両ダイヤフラム6、10を別体で構成した例を示したが、両者が一体的に成形されたものであってもよい。
【0031】
この押圧部材42の外周部であって、第1、第2のダイヤフラム6、10で囲まれた密閉空間が平衡室9となっている。この平衡室9は、副液室5bと切替室12との圧力差を緩和し、副液室5bを画成する第1のダイヤフラム6の安定した作動を確保するためのものであり、従って、本実施の形態のように密閉した空間以外に大気圧に開放した形態であってもよい。
【0032】
この第2のダイヤフラム10と外筒金具25の底部11との間に形成された切替室12には、スプリング13と、切替弁8の下降位置を規制して内側オリフィス16を所望の流路体積に保持するためのストッパ部材50と、切替室8を負圧状態と大気圧状態に選択的に切り替えるための負圧導入管51とが設けられている。
【0033】
ストッパ部材50は、図4のごとく、ストッパ金具53と、その側面及び上面を被覆するストッパゴム54とから構成されている。ストッパ金具53は、金属又は樹脂などの剛性材料で成形されたものであって、負圧導入管51を内嵌圧入する貫通孔の孔壁を構成する筒状部53aと、その下端から拡開形成された固定部53bと、筒状部53aの上端から外側に折曲された補強フランジ53cとから構成されている。固定部53bは、筒状部53aの下端から水平方向に折曲げられて拡開するフランジ53eと、その外周縁から垂下された円筒状の圧入壁53fとから逆深皿状に形成されてなるものである。
【0034】
ストッパゴム54は、この筒状部53aの周囲にあって、補強フランジ53cを埋設するよう加硫成形されたものであって、その高さは、切替弁8の下降位置が所望位置になるように設定されている。なお、このストッパゴム54の上面部には、打音防止と吸い付き防止のためのスリットを形成してもよい。
【0035】
一方、ストッパ部材50を固定する外筒金具25の底壁部11の中央には、切替室12側に突出する円筒状の突出部60がプレス成形され、この突出部60の上端外周壁にストッパ部材50の固定部53bが圧入固定されている。
【0036】
この固定部53bのフランジ53eと圧入壁54fとのコーナー部内面に、リング状のシールゴム部55が加硫接着され、このシールゴム部55が突出部60の上端コーナー部のR部分に押し付けられることで、外筒金具25とストッパ金具53との位置決めと同時に空気シール機能を発揮するようになっている。
【0037】
負圧導入管51は、金属又は樹脂の剛性材料から成形されたものであって、突出部60の上面に形成された導入穴61を貫通して、その内端が切替室12側に突出され、その内端部51aがストッパ金具53の筒状部53aに内嵌圧入されている。導入管51の外径は、突出部60の導入穴61の穴径よりも小に形成されており、この導入穴61に遊嵌状態で嵌合されている。
【0038】
負圧導入管51の外端には、コネクタなどの種々の接続手段により配管が接続され、外部の切換弁(図示略)を介して負圧源と大気中に選択的に連通するようになっている。負圧源としては内燃機関の吸気系に生じた負圧を利用することができる。
【0039】
スプリング13は、押圧部材42のリング状凹部42bとストッパ金具53の固定部53cの上面との間に介在されたコイル状のものであって、押圧部材42を介して切替弁8を上方(閉弁方向)に付勢するようになっている。切替弁8の降下位置は、切替室12への負圧導入時の圧力とスプリング13のばね定数とによって決まるので、通常、スプリング13は、第1のダイヤフラム6を正確に拘束しながら切替室12の負圧導入によって切替弁8と共に外筒金具25の底壁部11側に圧縮される程度のばね定数に設定される。
【0040】
なお、本実施の形態では、スプリング13の下端をストッパ金具53の固定部53cに着座させたが、これに限らず、突出部60の周囲にある外筒金具25の底壁部11に着座させる構成を採用してもよい。
【0041】
上記構成の切替型液封入式防振装置1は、外筒金具25とストッパ部材50及び負圧導入管51とを組み付け、第1、第2のダイヤフラム6、10を段差部25cに載置し、次に、液中にて、これらの部材に、仕切体7と、防振基体4で連結した上側取付金具2及び内筒金具26のアセンブリとを組み付け、大気中に取り出して残液調整を行った後、内筒金具26の上端部29を外筒金具25の上端締結部28でかしめ固定して製品を完成する。
【0042】
外筒金具25とストッパ部材50及び負圧導入管51との組み付け作業は、まず、ストッパ部材50のストッパ金具53の筒状部53aに負圧導入管51の内端を気密状態で圧入し、負圧導入管51の外端を外筒金具25の内側から底壁突出部60の導入穴61に差込みつつ、ストッパ金具53の固定部53bを突出部60に外嵌圧入して両者を固定する。
【0043】
この場合、ストッパ部材50は、固定部材である外筒金具25に設置しているので、ダイヤフラム10などの可動部材に設けるよりも他の部品に影響を与えずにストッパ部材50の位置決めが行える。しかも、切替弁8の規制位置に合わせて、ストッパ部材のみを変更すればよいので、その対応も簡単に行える。
【0044】
また、ストッパ部材50及び負圧導入管51からなるストッパ機構の配置に伴う切替室12のシールは、固定部53bの内面R状のコーナー部にシールゴム55が加硫接着されており、このシールゴム55が突出部60の上端コーナー部のR形状に沿って押し付けられることになり、外筒金具の突出部60とストッパ部材50との位置決めと同時に切替室12の空気シールが行われ、負圧導入管51と突出部60の導入穴61とが遊嵌状態であっても、切替室12の空気シールが簡単に行えることになる。しかも、負圧導入管51は、その内端がストッパ金具53の筒状部53aに内嵌圧入されており、その固定部長さを大きく取れるので、負圧導入管51の脱落が防止でき、かつ気密状態の圧入により、ストッパ部材50と負圧導入管51との気密性も十分確保できる。
【0045】
なお、負圧導入管51のストッパ金具53への圧入荷重を調整すれば、負圧導入管51の圧入は、ストッパ金具53の外筒金具25への圧入の前又は後のいずれであってもよい。
【0046】
上記構成の切替型液封入式防振装置1の使用時においては、エンジン等の振動体から発生する振動によって防振基体4が変形し、この変形によって主液室5aから液体が仕切体7のオリフィス6,10を通して流出入し、このオリフィス6、10の共振特性により振動減衰効果を発揮する。
【0047】
図2は切替室12の大気圧状態を示すものであるが、この状態では、切替室12に負圧導入管51を通して大気圧が導入された場合、第1のダイヤフラム6の中央にある切替弁8がスプリング13によって上方へ付勢され、切替弁8の突出部8bが仕切体7の中央開口16aに嵌まり込んで、切替弁8の平板部8aが開口周縁部に着座し、内側オリフィス16を閉弁するため、内側オリフィス16での液体の流出入は遮断され、外側オリフィス15のみでの液体流動効果を発揮し、所定の周波数域、例えばシェイク振動を効果的に減衰する。
【0048】
図3は切替室12の負圧状態を示すものであるが、この状態では、切替室12が負圧になることによって、第2のダイヤフラム10が外筒金具25の底壁部11側に吸引されると共に、スプリング13の付勢力に抗して切替弁8も下方へ移動し、仕切体7の開口16aを開弁するので、内側オリフィス16が開放し、主液室5aと副液室5bとの連通状態となる。内側オリフィス16は、外側オリフィス15に比べて大きい断面積でかつ流路も短いため、液体は内側オリフィス16に優先的に流れ、所定の周波数域の振動、例えばアイドル振動を効果的に減衰することができる。
【0049】
[第2の実施形態]
図5はストッパ部材50の第2の実施形態を示す断面図である。この実施形態では、ストッパ金具53を、樹脂製の筒状部53aと、その下側に配置されたフランジ状の金属製固定部53bとから構成し、この筒状部53aに内嵌圧入される負圧導入管51も樹脂製のものを採用したものである。この場合においても、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することになる。
【0050】
なお、スプリング13の配置は、第1の実施形態と同様に、ストッパ部材50の固定部53bを着座面とすることもできるが、図5のごとく、突出部60の周囲の底壁部11に着座させるようにしてもよい。その他の構成及び作用については、上記第1の実施の形態と同様である。
【0051】
[第3の実施形態]
図6はストッパ機構の第3の実施形態を示す断面図である。この実施の形態では、外筒金具25の底壁部に設けた円筒状の突出部の一部を窪ませて、側壁の一部外側に開放部63を形成し、負圧導入管51の外端側51bを軸直角方向に折り曲げて開放部63から側方に配向するようにしている。
【0052】
この場合、開放部63を構成する部分は、突出部60の1/2周未満、好ましくは負圧導入管51の外径よりもわずかに大きな幅を有しておればよく、突出部60におけるストッパ金具53の圧入代は、突出部60の1/2周以上が確保されている。開放部63の天部を構成する切替室12側は平坦部63aとされ、また、これに対応して固定部53bにも平板部53dが形成されている。
【0053】
そして、開放部63側の平坦部63aには、突出部60の上端コーナー部に連続するよう溝部64が凹設され、この溝部64に固定部53b側のシールゴム55が内挿押圧されている。
【0054】
このように、外筒突出部60は、円筒形である必要がなく、1/2周以上の圧入代があればストッパ部材50をかしめ固定することができる。また、突出部60に側方へ開放する開放部63を設ければ、外筒金具25を車体側に取り付ける際に負圧導入管51の配向も自由に設定できるようになる。
【0055】
[第4の実施形態]
図7はストッパ部材の第4の実施形態を示す断面図である。この実施の形態では、ストッパ部材50と外筒金具25との固定手段として、上記実施形態の突出部60とストッパ金具53とのかしめ固定に代わり、負圧導入管51を利用して、その内端51aを切替室側に大きく突出させて外筒金具25の底壁部11に溶接固定し、その内端をストッパ部材50の貫通孔59を形成するストッパ金具53の筒状部53aに圧入したものである。
【0056】
この場合、負圧導入管51の固定部長さは、外筒金具25との溶接と、ストッパ部材50への圧入とにより、大きく取ることができ、また、切替室12のシール性については、負圧導入管51のストッパ金具53への圧入と、ストッパゴム54を外筒金具25の底壁部11に押し付けることで十分確保することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、切替弁の開弁姿勢を規制するストッパ部材を切替室の室壁側に配置したので、従来のように、ダイヤフラム側にストッパ部材を配置した構成に比べてダイヤフラムのマス部分を小さくでき、切替えをスムーズにすることができ、また、このストッパ部材に形成した貫通孔に負圧導入管を圧入するようにすれば、負圧導入管の脱落を防止でき、安定性に優れた防振装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態を示す負圧切替型液封入式防振装置の斜視図
【図2】同じくその切替室大気圧状態の縦断面図
【図3】同じくその切替室負圧状態の縦断面図
【図4】同じくストッパ機構を示す要部断面図
【図5】ストッパ機構の第2の実施形態を示す断面図
【図6】ストッパ機構の第3の実施形態を示す断面図
【図7】ストッパ機構の第4の実施形態を示す断面図
【符号の説明】
1 液封入式防振装置
2 上側取付金具
3 下側取付金具
4 防振基体
5 液室
5a 主液室
5b 副液室
6 第1のダイヤフラム
7 仕切体
8 切替弁
9 平衡室
10 第2のダイヤフラム
11 底壁部
12 切替室
15 外側オリフィス
16 内側オリフィス
25 外筒金具
26 内筒金具
50 ストッパ部材
51 負圧導入管
53 ストッパ金具
60 突出部
61 導入穴
63 開放部

Claims (7)

  1. 装置本体の防振基体と取付金具との間に形成された空間が、ダイヤフラムにより、防振基体側の液室と取付金具側の切替室とに区画され、液室側に形成されたオリフィスの連通状態を調節する切替弁と、該切替弁を閉弁方向に付勢するスプリングとを備え、該スプリングの反力を前記切替室における負圧と大気圧との切替により相殺させて異なる周波数の減衰効果を発揮させるようにした負圧切替型液封入式防振装置であって、前記切替弁の開弁方向を規制するストッパ部材が、前記切替室において前記ダイヤフラムと反対側に位置する取付金具の底壁部側に配置され、前記ストッパ部材の下部に半径方向外側に深皿フランジ状の固定部が延設され、前記底壁部に前記切替室側に突出する突出部が形成され、該突出部に前記固定部が圧入されたことを特徴とする負圧切替型液封入式防振装置。
  2. 前記ストッパ部材に軸方向に貫通する貫通孔が形成され、前記切替室に負圧又は大気圧を導入する負圧導入管の内端が、前記底壁部に形成された導入穴を貫通して切替室に突出され、その内端が前記ストッパ部材の貫通孔に圧入されたことを特徴とする請求項1に記載の負圧切替型液封入式防振装置。
  3. 前記負圧導入管の外端側が軸直角方向に折り曲げられ、その外端が前記突出部の側壁一部外側に形成された開放部から側方に配向されたことを特徴とする請求項2に記載の負圧切替型液封入式防振装置。
  4. 前記ストッパ部材の固定部に前記突出部との間を空気シールするシール部が設けられたことを特徴とする請求項2又は3記載の負圧切替型液封入式防振装置。
  5. 前記負圧導入管は、前記切替室の底壁部に形成された導入穴に遊嵌状態で貫通されたことを特徴とする請求項4に記載の負圧切替型液封入式防振装置。
  6. 前記ストッパ部材は、前記固定部を含むストッパ金具と、該ストッパ金具に加硫接着されたストッパゴム部とから構成され、前記貫通孔の周壁に前記負圧導入管を圧入するストッパ金具の筒状部が配置されたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の負圧切替型液封入式防振装置。
  7. 前記ストッパ金具は、前記筒状部と固定部との2ピース分割構造であることを特徴とする請求項6に記載の負圧切替型液封入式防振装置。
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