JP4315381B2 - コイルスプリングおよびこれを用いた流体圧倍力装置 - Google Patents

コイルスプリングおよびこれを用いた流体圧倍力装置 Download PDF

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Description

本発明は、本発明は、入力手段に加えられる入力を、流体圧を用いて倍力して出力する、負圧倍力装置や液圧倍力装置等の流体圧倍力装置等の各種装置に用いられるコイルスプリングの技術分野に関し、特に、装着された状態で振動騒音を抑制することのできるコイルスプリングおよびこれを用いた流体圧倍力装置の技術分野に関するものである。
自動車のブレーキシステムにおいては、小さなペダル踏力でも大きなブレーキ力を得ることができるようにするために、従来、ペダル踏力を流体圧で倍力して大きな出力を発生する流体圧倍力装置が多々採用されている。このような流体圧倍力装置の1つとして、負圧でペダル踏力を倍力して大きな出力を得る負圧倍力装置がある(例えば、特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に開示されている負圧倍力装置を示す断面図である。図中、1は負圧倍力装置、2はフロントシェル、3はリヤシェル、4はパワーピストン部材、5はダイヤフラム、6はパワーピストン、7は負圧に保持される定圧室、8は作動時に大気が導入される変圧室、9はバルブボディ、10は入力軸、11は弁プランジャ、12は弁プランジャ11に設けられた大気弁座、13はバルブボディ9に設けられた負圧弁座、14は制御弁体、15は制御弁、16,17,18は通路孔、19は出力軸、20はパワーピストン6を非作動位置方向に常時付勢するリターンスプリング、21はリアクションディスク、22は負圧導入管、および23は大気導入口である。
この負圧倍力装置1においては、定圧室7には常時負圧が負圧導入管22を介して導入されている。そして、負圧倍力装置1の非作動状態では、制御弁15の大気弁座12が制御弁体14に当接しているとともに、制御弁体14が負圧弁座13からわずか離座しており、制御弁15は非作動状態となっている。したがって、変圧室8は、大気から遮断され、かつ通路孔17,16、制御弁体14と負圧弁座13との間の隙間および通路孔18を介して定圧室7に連通されていて、この変圧室8には負圧が導入されている。
この非作動状態から、図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、入力軸10が前方(図6において左方)へストロークして、制御弁体14が負圧弁座13に着座し、その後、大気弁座12が制御弁体14から離れる。すなわち、制御弁15が切り換えられる。これにより、変圧室8が定圧室7から遮断されるとともに大気に連通する。すると、大気が大気導入口23から制御弁体14と大気弁座12との間の隙間および通路孔16,17を介して変圧室8に導入される。これにより、変圧室8と定圧室7との間に差圧が生じるので、パワーピストン部材4およびダイヤフラム5からなるパワーピストン6が前進(左方へ移動)して出力を発生する。この出力は、バルブボディ9、リアクションディスク21および出力軸19を介して図示しないブレーキマスタシリンダに伝達される。すると、ブレーキマスタシリンダが作動してブレーキ圧を発生する。
ブレーキマスタシリンダのブレーキ圧による反力で、出力軸19がリアクションディスク21を押圧するので、リアクションディスク21がバルブボディ9と出力軸19との間に挟圧されて弾性変形し、弁プランジャ11に当接する。すると、リアクションディスク21の弾性変形により発生する力が弁プランジャ11および入力軸10を介してブレーキペダルに反力として伝えられる。
変圧室8の圧力が高くなるにつれて、パワーピストン6の出力が大きくなってバルブボディ9が更に前進するので、制御弁体14が負圧弁座13との着座を保持しながら大気弁座12に当接する。これにより、変圧室8にはそれ以上大気が導入されなく、変圧室8の圧力は入力軸10に加えられた入力(ペダル踏力に関係した力)に対応した圧力となる。このときのパワーピストン6の出力はペダル踏力を倍力した大きな出力となり、その結果、マスタシリンダは入力軸10の入力に対応したブレーキ圧を発生するようになる。このマスタシリンダのブレーキ圧により、ブレーキが作動する。このときのブレーキ力はペダル踏力を倍力した大きなブレーキ力となる。
ブレーキペダルを解放すると、入力軸10および弁プランジャ11がともに後退し、制御弁体14が負圧弁座13から離座する。すると、変圧室8が定圧室7に連通し、変圧室8に導入された大気は通路孔17,16、制御弁体14と負圧弁座13との隙間、通路孔18および定圧室7を介して負圧導入管22から排出される。これにより、変圧室8の圧力が低下し、リターンスプリング20のばね力で、バルブボディ9、パワーピストン6および出力軸19がともに後退して非作動位置となり、また制御弁15が図示の非作動状態となる。こうして、この負圧倍力装置1では、小さなペダル踏力で大きな出力が得られるようになる。
ところで、この負圧倍力装置1のリターンスプリング20には、コイルスプリングが用いられている。図7(a)および(b)に示すように、このコイルスプリング24は線径が一定のばね線材から形成され、両端部の座巻き部25(図7(a)には一端側の座巻き部25のみが図示され、他端側の座巻き部は図示されていない)と、両端の座巻き部25の間に連続して設けられるコイル部26とからなっている。座巻き部25は、コイルスプリング24の長手方向(図7(a)において上下方向)に直交する面内で所定のコイル径で円弧状に巻かれている。なお、他端側の座巻き部およびこれに連続するコイル部26の部分は、図7(a)を上下逆にしたときの一端側のそれらと同じであるので、以後、この従来のコイルスプリング24および本発明のコイルスプリング24の説明は、一端側の座巻き部25およびこれに連続するコイル部26の部分について説明し、他端側ついては省略する。
コイル部26は座巻き部25の1巻きに到達する前の所定位置αから座巻き部25に連続して設けられており、ばね線材が巻かれるにしたがって長手方向に伸び出すように形成されている。その場合、コイル部26はばね線材の1巻きあたりに長手方向に進む距離であるピッチpに一定とされている。つまり、図7(a)および(c)に示すように、コイル部26を側方から見た傾斜角θがコイル部26の一端側から他端側まで一定に設定されている。
そして、このコイルスプリング24は、自由状態においてばね線材が1巻きされたときに、図7(a)に示すように座巻き部25の端25aにコイルスプリング24の長手方向に当接して形成されるか、あるいは端25aからコイルスプリング24の長手方向に離間して形成される。
ところで、負圧倍力装置1においては、コイルスプリング24は図7(a)に示す自由状態で用いられることはほとんどなく、予め設定された圧縮セット荷重Fが付与された圧縮状態で用いられている場合が多い。このようにコイルスプリング24を圧縮状態にセットして用いた場合、コイル部26におけるばね線材の2巻きの一部分26aが座巻き部25にコイルスプリング24の長手方向に当接可能となる。しかし、前述のようにコイルスプリング24が一定の線径のばね線材から一定のピッチpで形成されているため、図8(a)および図8(b)に示すように2巻きの一部分26aのすべてが座巻き部25に当接せず、一部分26aのうち、座巻き部25の端25a側の部分および端25a側と反対側の部分が密着するだけで、それらの部分の間は非接触で微小隙間gが生じる。
このように、2巻きの部分24bと座巻き部25の一部との間に微小隙間gが生じていると、ブレーキペダルが踏み込まれてパワーピストン6が前進した負圧倍力装置1の作動時に、リターンスプリング20のばね性でパワーピストン6が振動するようになる。そして、このパワーピストン6の振動が、リアクションディスク21、弁プランジャ11および入力軸10を介してブレーキペダルに伝達されるため、ペダルフィーリングが悪くなるいう問題がある。また、パワーピストン6の振動により、微小隙間gを介して離間している2巻きの部分24bと座巻き部25の一部とがどうしが接触するため、騒音が発生するという問題もある。
圧縮されたコイルスプリングにおいて、ばね線材どうしの接触による異音の発生を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に開示の異音発生防止の技術は、軟質合成樹脂製チューブをコイルスプリングのばね線材に装着してばね線材どうしが直接接触しないようにすることにより、異音の発生を防止するものである。
特開昭57−107945号公報。 特開2000−304079号公報。
しかしながら、このようにばね線材に軟質合成樹脂製チューブを装着するようにしたのでは、コイルスプリングの部品点数が増えるばかりでなく、軟質合成樹脂製チューブのコイルスプリングへの組付工程が必要となり、コイルスプリングの製造工数が多くなるとともにコイルスプリングのコストが高くなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、部品点数および製造工数を増加することなく、振動を減衰して異音の発生を抑制することのできる安価なコイルスプリングおよびこれを用いた流体圧倍力装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明のコイルスプリングは、ばね線材から形成されるとともに、両端部の座巻き部と、これらの座巻き部の間に連続して設けられるコイル部とからなるコイルスプリングにおいて、前記コイル部、両端部と、これらの両端部の間に連続して設けられる定常部とからなり、前記定常部が一定の傾斜角に設定されており、前記両端部がそれぞれ、前記座巻き部から連続して形成されかつ前記定常部の一定の傾斜角より小さい傾斜角に設定される部分と、この小さい傾斜角の部分から連続して形成されかつ前記定常部に連続して形成されるとともに前記定常部の一定の傾斜角より大きい傾斜角に設定される部分とからなり、予め設定された圧縮セット荷重が付与されて圧縮状態にセットされたとき、前記コイル部の一部分が前記座巻き部のすべてに隙間なく密着するようになっていることを特徴としている。
また、請求項の発明の流体圧倍力装置は、流体圧がピストンに作用することでこのピストンが作動して出力するとともに、前記ピストンを非作動位置方向に付勢するリターンスプリングとを少なくとも備えている流体圧倍力装置において、前記リターンスプリングが、請求項1に記載のコイルスプリングであることを特徴としている。
このように構成された本発明に係るコイルスプリングによれば、このコイルスプリングが用いられる装置に装着された際の圧縮セット荷重が付与された圧縮状態では、2巻き目のコイル部の一部分が座巻き部のすべてに隙間なく密着するようになる。
したがって、圧縮セット荷重が付与されてセットされた圧縮状態のコイルスプリングに操作力が加えられたときに発生するコイルスプリングの振動を効果的に減衰することができ、その結果、異音の発生を抑制することができる。
また、コイルスプリングに、特許文献2に開示されているような軟質合成樹脂製チューブを設ける必要はないので、コイルスプリングの部品点数を低減することができる。これにより、コイルスプリングの製造工数を削減することができるとともにコイルスプリングのコストを安価にできる。
特に、発明のコイルスプリングによれば、簡単な構成でコイルスプリングの圧縮状態で、2巻き目のコイル部の一部分を座巻き部のすべてに隙間なく密着させることができる。
また、請求項の発明の流体圧倍力装置によれば、作動時にコイルスプリングに起因する振動を減衰して、異音の発生を抑制できるので、流体圧倍力装置の操作フィーリングを良好にできるとともに、流体圧倍力装置のコストを低減することができる。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るコイルスプリングの実施の形態の一例を示し、(a)は部分的に示す正面図、(b)は下面図、(c)はコイル部のばね線材の傾斜角の説明図である。なお、以下の説明において、その例より前の例および前述の図7に示す従来例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
図1(a)および(b)に示すように、この例のコイルスプリング24は線径が一定のばね線材から形成され、両端部の座巻き部25(図1(a)には一端側の座巻き部25のみが図示されている)と、両端の座巻き部25の間に連続して設けられるコイル部26とからなっている。
座巻き部25は、コイルスプリング24の長手方向に直交する面内で所定のコイル径で円弧状に巻かれている。その場合、座巻き部25の周方向長さ(端25aから所定位置αまでの周方向の長さ)は比較的長く設定することが、コイルスプリング24の座り(コイルスプリング24の倒れ防止や安定性)を確保するうえで求められる。
コイル部26は座巻き部25から連続して形成されており、自由状態において、このコイル部26のばね線材が1巻きされたときに座巻き部25の端25aにコイルスプリング24の長手方向(図1(a)において上下方向)に当接して形成されている。なお、本発明のコイルスプリング24は端25aからコイルスプリング24の長手方向に離間して形成されてもよい。
また、図1(c)に示すように、コイル部26は、その両端部とこれらの両端部の間の定常部とでばね線材の傾斜角が異なるように設定されている。すなわち、定常部での傾斜角は、図7(c)に示す従来と同様に一定の傾斜角θ(つまり、定常部でのピッチpは等ピッチである)に設定されているのに対して、コイル部26の両端部の傾斜角は傾斜角θとは異なっている。これをコイル部26の一端側で説明すると、座巻き部25から連続するコイル部26の一端部の傾斜角は傾斜角θより小さい傾斜角θ1(θ1<θ)に設定されているとともに、この小さい傾斜角θ1の部分に連続する部分の傾斜角が傾斜角θより大きい傾斜角θ2(θ2>θ)に設定されている。そして、この大きい傾斜角θ2の部分に連続して傾斜角θの定常部分が形成される。その場合、大きい傾斜角θ2の部分から傾斜角θの定常部分に移行する境界点β(図1(c)に図示)がほぼばね線材の1巻きが終了する点であり、この境界点βは座巻き部25の端25aに位置するようにされている。したがって、傾斜角θ1、傾斜角θ2、および小さい傾斜角θ1の部分から大きい傾斜角θ2の部分に移行する境界点は、後述するようにばね線材の2巻き目のコイル部26の一部分26aのすべてが座巻き部25に密着するように適宜設定される。
このように構成されたこの例のコイルスプリング24は、これが用いられる負圧倍力装置1にリタースプリング20として圧縮セット荷重Fが付与された圧縮状態でセットとされたとき、図2(a)に示すように2巻き目のコイル部26の一部分26aが座巻き部25のすべてに密着し、一部分26aと座巻き部25との間に従来のような隙間gは生じない。
これにより、圧縮セット荷重Fが付与されてセットされた状態のコイルスプリング24に操作力が加えられたときに発生するコイルスプリング24の振動が減衰して、異音の発生を抑制することができる。
また、コイルスプリング24に、特許文献2に開示されているような軟質合成樹脂製チューブを設ける必要はないので、コイルスプリング24の部品点数を低減することができる。これにより、コイルスプリング24の製造工数を削減することができるとともにコイルスプリング24のコストを安価にできる。特に、コイルスプリング24のコイル部26の両端部の傾斜角を異なる傾斜角θ1およびθ2に単に設定するだけで、簡単な構成で、コイルスプリング24の圧縮状態で2巻き目のコイル部26の一部分26aを座巻き部25のすべてに隙間なく密着させることができる。
そして、このコイルスプリング24を図6に示すような負圧倍力装置1のリターンスプリング20に用いることで、負圧倍力装置1の作動時にコイルスプリング20に起因する振動を減衰して、異音の発生を抑制できる。したがって、負圧倍力装置1の操作フィーリングを良好にできるとともに、負圧倍力装置1のコストを低減することができる。
ところで、コイル部26の一部分26aが密着する座巻き部25の周方向長さに関し、異音の発生が効果的に抑制される座巻き部25の周方向長さについて、試験により検討した。
図3は、この試験に用いた試験装置を模式的に示す図である。
図3に示すように、試験装置27は、装置本体28に負圧倍力装置1を取り付ける。その場合、負圧倍力装置1のリターンスプリング20として、座巻き部25の周方向長さが座巻き部25の端25aからコイルの中心軸を中心として225°に相当する周方向長さに設定された本発明のコイルスプリング24と、座巻き部25の周方向長さが座巻き部25の端25aからコイルの中心軸を中心として180°に相当する周方向長さに設定された本発明のコイルスプリング24と、図7に示すコイル部26のすべてが等ピッチp(傾斜角が一定の傾斜角θ)である従来例のコイルスプリング24とを用いた。
したがって、本発明のコイルスプリング24(225°および180°)を用いたリターンスプリング20はその負圧倍力装置1に対応して設定された圧縮セット荷重Fが付与されて圧縮状態で装着されているとともに、リターンスプリング20の両端の座巻き部25のすべてにコイル部26の一部分26aが隙間なく密着している。また、従来のコイルスプリング24(当ピッチp;傾斜角θ一定)を用いたリターンスプリング20もその負圧倍力装置1に対応して設定された圧縮セット荷重Fが付与されて圧縮状態で装着されているが、リターンスプリング20の両端の座巻き部25とコイル部26の一部分26aとの間に部分的に隙間が生じている。
また、負圧倍力装置1には、従来の負圧倍力装置を用いた一般的なブレーキシステムと同様に、タンデム型のマスタシリンダ29が取り付けられるとともに、このマスタシリンダ29にブレーキ配管30,31を介して4輪の各ホイールシリンダ32,33,34,35が接続される。また、ブレーキ配管30,31にはアンチスキッド制御回路36(なお、本試験には直接関与しない)が設けられている。マスタシリンダ29のピストン(不図示)は負圧倍力装置1の出力軸19によって作動されるようになっている。
更に、装置本体28には、一端にブレーキペダル37を支持したブレーキレバー38の他端が回動可能に支持されているとともに、ブレーキレバー38の中間部に負圧倍力装置1の入力軸10が相対回動可能に連結されている。ブレーキペダル37には踏力計39およびペダル加速度計40が設けられている。
試験は、ブレーキペダル37に予め設定された低荷重の約20Nの踏力を加え、振動発生後約0.5sec後からの2sec間のペダル振動Gをペダル加速度計40で測定した。225°の本発明のコイルスプリング24を用いた場合の測定結果を図4(a)に示し、また180°の本発明のコイルスプリング24を用いた場合の測定結果を図4(b)に示し、更に従来例のコイルスプリング24を用いた場合の測定結果を図4(c)に示す。
図4(a)に示すように、座巻き部25の周方向長さを、座巻き部25の端25aからコイルの中心軸を中心として225°に相当する周方向長さに設定した場合に、ペダルの振動の振幅が小さい測定結果が得られた。したがって、この場合にはリターンスプリング20の振動が最も効果的に減衰され、その結果、異音の発生がより確実に抑制されることがわかった。また図4(b)に示すように、座巻き部25の周方向長さを、180°に相当する周方向長さに設定した場合に、ペダルの振動の振幅が比較的小さいが、225°に設定した場合に比べると大きい測定結果が得られた。したがって、この場合にはリターンスプリング20の振動は減衰されるが、225°に設定された場合に比べて減衰効果が小さく、その結果、異音の発生も抑制されるが、225°に設定された場合に比べて異音発生の抑制が小さいことがわかった。また、図示しないが座巻き部25の周方向長さを225°に相当する周方向長さより長く設定した場合にも、同様に振動の減衰効果が小さく、異音発生の抑制が小さいことがわかった。以上のことから、コイル部26の一部分26aが密着する座巻き部25の周方向長さが225°に対応する周方向長さより小さくてもまた大きくても、振動の減衰効果が小さく異音発生の抑制は低下する。
したがって、図2(b)に示すようにコイル部26の一部分26aが密着する座巻き部25の周方向長さは225°に対応する周方向長さが最も好ましく、この225°を中心に±45°の範囲に対応する周方向長さが、振動の減衰効果およびコイルスプリング24の座り(コイルスプリング24の倒れ防止や安定性)の確保の点で実用に供し得る程度に好ましい。
そして、この例のコイルスプリング24を、図6に示すブレーキ用の負圧倍力装置1のリターンスプリング20に用いることで、ブレーキ作動時のコイルスプリング24の振動を減衰して異音の発生を抑制できるとともに、ペダルフィーリングを良好にすることができる。
なお、図4(c)に示すように従来例のリターンスプリング20では、座巻き部25の周方向長さを225°に相当する周方向長さに設定しても、座巻き部25とコイル部26の一部分26aとの間に隙間gが生じているため、ペダルの振動の振幅は大きい測定結果が得られた。したがって、この場合にはリターンスプリング20の振動があまり減衰されず、その結果、異音の発生がほとんど抑制されないことがわかった。
図5は、本発明のコイルスプリングの実施の形態の他の例を示し、(a)は部分正面図、(b)は(a)におけるIVB部の拡大図、(c)は圧縮セット状態を示す部分正面図である。
前述の図1に示す例では、コイル部26の両端部の傾斜角が定常部の傾斜角θより小さく傾斜角θ1と大きい傾斜角θ2の2つの異なる傾斜角に設定することで、コイルスプリング24の圧縮セット時に、コイル部26の一部分26aのすべてが座巻き部25に密着するようにしているが、図5(a)および(b)に示すように、この例のコイルスプリング24は、コイル部26が全体にわたって図7に示す従来と同様に一定の傾斜角θに設定されている。
また、この例のコイルスプリング24は、座巻き部25が、コイル部26の一部分26aが密着する座巻き部25の部分において削られている。その場合、座巻き部25の部分の削り量は座巻き部25の端25aが最も大きく、コイル部26に向かって連続的に小さくなるように設定されている。すなわち、コイル部26の一部分26aが密着する座巻き部25の部分が、端25aからコイル部26に向かって連続的に上り坂となる、つまり座巻き部25の肉厚が連続して大きくなるような傾斜面25bにされている。
このように構成されたこの例のコイルスプリング24においても、負圧倍力装置1にリタースプリング20として圧縮セット荷重Fが付与された圧縮状態にセットされたとき、図5(c)に示すように2巻き目のコイル部26の一部分26aのすべてが座巻き部25に密着し、一部分26aと座巻き部25との間に従来のような隙間gは生じない。特に、コイルスプリング24の座巻き部25における、コイル部26の一部分26aが密着する部分を、単に傾斜面25bとするだけで、簡単な構成で、コイルスプリング24の圧縮状態で2巻き目のコイル部26の一部分26aを座巻き部25のすべてに隙間なく密着させることができる。
この例のコイルスプリング24の他の構成および他の作用効果は、図1に示す例のコイルスプリング24と実質的に同じである。
なお、コイルスプリング24に圧縮セット荷重Fを付与した圧縮状態で、コイル部26の一部分26aのすべてを座巻き部25に密着させる手段として、図1および図5に示す例について説明しているが、本発明はこれらに限定されることはなく、コイル部26の一部分26aのすべてを座巻き部25に密着できる手段であれば、どのような手段でもよい。
また、前述の各例では、本発明のコイルスプリング24を負圧倍力装置1のリターンスプリング20に用いるものとしているが、例えばブレーキシステム等に用いられる液圧倍力装置や圧縮空気による倍力装置等の流体圧倍力装置のリターンスプリングを始め、予め設定された圧縮セット荷重Fを付与した状態で装置に装着されるとともに外的操作力が加えられるコイルスプリングであれば、どのようなコイルスプリングにも適用することができる。
本発明に係るコイルスプリングは、予め設定された圧縮セット荷重Fを付与した状態で装置に装着されるとともに外的操作力が加えられるようなコイルスプリングに好適に利用可能である。
また、本発明に係る流体圧倍力装置は、ブレーキシステムの倍力装置を始め、操作員の操作力を倍力して用いるようなシステムや装置に好適に利用可能である。
本発明に係るコイルスプリングの実施の形態の一例を示し、(a)は部分的に示す部分正面図、(b)は下面図、(c)はコイル部のばね線材の傾斜角の説明図である。 図1に示す例のコイルスプリングに圧縮セット荷重Fが加えられた圧縮状態を示し、(a)は部分正面図、(b)は座巻き部および2巻き目の部分を2巻き目側から見て説明する図である。 本発明に係るコイルスプリングおよび従来例のコイルスプリングの試験装置を模式的に示す図である。 試験による測定結果を示し、(a)は座巻き部を225°に設定した場合の測定結果、(b)は座巻き部を180°に設定した場合の測定結果、(c)は従来例のの測定結果である。 本発明のコイルスプリングの実施の形態の他の例を示し、(a)は部分正面図、(b)は(a)におけるIVB部の拡大図、(c)は圧縮セット状態を示す部分正面図である。 従来の負圧倍力装置の一例を示す図である。 図6に示す従来例の負圧倍力装置に用いられているコイルスプリングを示し、(a)は部分的に示す部分正面図、(b)は下面図、(c)はコイル部のばね線材の傾斜角の説明図である。 図7に示す従来例のコイルスプリングに圧縮セット荷重Fが加えられた圧縮状態を示し、(a)は部分正面図、(b)は座巻き部および2巻き目の部分を2巻き目側から見て説明する図である。
符号の説明
1…負圧倍力装置、6…パワーピストン、10…入力軸、15…制御弁、19…出力軸、20…リターンスプリング、24…コイルスプリング24、25…座巻き部、25a…端、25b…傾斜面、26…コイル部、26a…座巻き部25に密着するコイル部26の一部分、27…試験装置

Claims (2)

  1. ばね線材から形成されるとともに、両端部の座巻き部と、これらの座巻き部の間に連続して設けられるコイル部とからなるコイルスプリングにおいて、
    前記コイル部は、両端部と、これらの両端部の間に連続して設けられる定常部とからなり、
    前記定常部は一定の傾斜角に設定されており、
    前記両端部はそれぞれ、前記座巻き部から連続して形成されかつ前記定常部の一定の傾斜角より小さい傾斜角に設定される部分と、この小さい傾斜角の部分から連続して形成されかつ前記定常部に連続して形成されるとともに前記定常部の一定の傾斜角より大きい傾斜角に設定される部分とからなり、
    予め設定された圧縮セット荷重が付与されて圧縮状態にセットされたとき、前記コイル部の一部分が前記座巻き部のすべてに隙間なく密着するようになっていることを特徴とするコイルスプリング。
  2. 流体圧がピストンに作用することでこのピストンが作動して出力するとともに、前記ピストンを非作動位置方向に付勢するリターンスプリングとを少なくとも備えている流体圧倍力装置において、
    前記リターンスプリングは、請求項1に記載のコイルスプリングであることを特徴とする流体圧倍力装置。
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