JP7018835B2 - 気圧式倍力装置及びコイルばね - Google Patents

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Description

本発明は、気圧式倍力装置に関するものである。
ハウジング内部に支持されて移動可能なバルブボデー、このバルブボデーの先端に支持される出力ロッド、及び、この出力ロッドの外周を囲む態様でハウジング内に配置され、バルブボデーを一方向に付勢するリターンスプリング(コイルばね)等を含む気圧式倍力装置において、出力ロッドが傾くと、気圧式倍力装置に結合されるマスタシリンダのピストンが斜めに押し込まれることとなるため、マスタシリンダのピストン外周とシリンダ内周とが擦れ、ピストン外周に摺動キズが発生してしまう。このような事象を抑制するため、例えば特許文献1には、出力ロッドを支持するロッドホルダの形状に工夫を施すことで、出力ロッドを安定して支持する気圧式倍力装置が開示されている。
特開2007-230306号公報
ここで、本発明者は、上述したような出力ロッドの傾きが発生する要因を調査した結果、リターンスプリングの収縮時に発生するサイドフォース(スプリング径方向に働く力)によってバルブボデーが傾き、これによりバルブボデーの先端に支持されている出力ロッドが傾いてしまうことを見出した。特に、シングルタイプの気圧式倍力装置の場合、リヤシール部一点のみで内規部品をガイドしているため、内規部品を支持するリターンスプリングにサイドフォースが生じると、それにつられて内規部品を構成する出力ロッド等が容易に傾いてしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サイドフォースを低減して出力ロッドの傾きを抑制することにある。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、ハウジング内部に支持され、車両のブレーキペダルの踏み込みに応じて移動可能なバルブボデーと、該バルブボデーの先端に支持される出力ロッドと、該出力ロッドの外周を囲んで前記ハウジング内に配置され、前記バルブボデーを一方向に付勢するコイルばねと、を含む気圧式倍力装置において、前記コイルばねは、両端に位置する座巻の次の巻目の各々の、前記座巻に対して密着する、軸方向視で座巻端を基点とした角度領域が、前記ハウジング内への設置時で少なくとも90度までの領域、かつ、前記ブレーキペダルのフルストロークでの踏み込み時で270度を超えない領域になるように、自由状態での巻き上げ角度が調整されていることを特徴とするものである。
又、本発明は、前記コイルばねが、前記次の巻目の各々の、軸方向視での座巻端を基点とした角度領域毎の、自由状態における前記座巻に対する巻き上げ角度を、0~90度の領域で第1の巻き上げ角度、90~270度の領域で第2の巻き上げ角度、270~360度の領域で第3の巻き上げ角度とした場合、第1の巻き上げ角度<第2の巻き上げ角度<第3の巻き上げ角度の関係となっていることを特徴とするものである。
更に、本発明は、気圧式倍力装置においてバルブボデーを一方向に付勢するために用いられるコイルばねであって、両端に位置する座巻の次の巻目の各々の、軸方向視での座巻端を基点とした角度領域毎の、自由状態における座巻に対する巻き上げ角度を、0~90度の領域で第1の巻き上げ角度、90~270度の領域で第2の巻き上げ角度、270~360度の領域で第3の巻き上げ角度とした場合、第1の巻き上げ角度<第2の巻き上げ角度<第3の巻き上げ角度の関係となっていることを特徴とするものである。
本発明はこのように構成したので、サイドフォースを低減して出力ロッドの傾きを抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置の全体構造を示す断面図である。 図1の気圧式倍力装置のコイルばね(リターンスプリング)の構造を説明するための、コイルばねの端部を示すイメージ図である。 図2のコイルばねが収縮する様子を示す、コイルばねの端部を示すイメージ図である。 コイルばねのサイドフォースを抑制するメカニズムを説明するためのコイルばねの側面図である。
以下、実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図1~図4において、共通する部分については同一の符号を付しており、又、図1では左側を前方側(フロント側)、右側を後方側(リヤ側)として図示している。
図1は、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1の構成を概略的に示している。図示のように、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1は、フロントシェル11とリヤシェル12とからなるハウジング10を有し、ハウジング10内は、ダイアフラム13を備えたパワーピストン14により、定圧室15と変圧室16とに画成されている。パワーピストン14には、カップ形状の本体部17と小径の筒状部18とを連設してなる、バルブボデー19が同心に支持されている。バルブボデー19は、その本体部17が、パワーピストン14に連結される一方で、その筒状部18が、リヤシェル12を気密的にかつ摺動可能に挿通して、ハウジング10外へ延ばされている。なお、バルブボデー19の筒状部18の、ハウジング10外へ延出する部分は、ダストブーツ20により覆われている。
バルブボデー19には、その筒状部18内と定圧室15とを連通する負圧通路(軸方向孔)21が設けられるほか、その筒状部18内と変圧室16とを連通する大気通路(半径方向孔)22が設けられている。フロント側の定圧室15には、フロントシェル11に設けた管継手23を通じて、例えば、エンジン負圧が導入されるようになっており、一方、バルブボデー19の筒状部18内には、その後端部に嵌着したサイレンサ付きフィルタ24を通じて大気が導入されるようになっている。
バルブボデー19の本体部17は、そのカップ形状内に中空ボス部25を有している。中空ボス部25は、カップ形状の底部分からフロント側へ延ばされており、その中空内部は、カップ形状の底部分に形成した連通孔26により筒状部18内に連通されている。
中空ボス部25内及び連通孔26内には、プランジャ27が配設されている。プランジャ27は、ここでは、リヤ側の弁部材28とフロント側の反力受け部材29とが、オスメス嵌合部30を介して同心に連結された組立構造となっている。このプランジャ27を構成する2つの部材のうち、弁部材28は、連通孔26内に環状に突出形成されたガイド部31に摺動可能に嵌挿され、反力受け部材29は、中空ボス部25の開口端部内に嵌着されたリングガイド32に摺動可能に嵌挿されている。弁部材28には、ブレーキペダル(図示略)と連動する入力ロッド33が連結されており、プランジャ27は、この入力ロッド33によってバルブボデー19内を進退動するようになっている。なお、リングガイド32は、その端面が中空ボス部25の端面と面一になるように位置決めされている。
又、バルブボデー19の筒状部18内には、弁手段34が配設されている。弁手段34は、バルブボデー19の内周面に形成された環状弁座35、プランジャ27を構成する弁部材28の後端に形成された環状弁座36、バルブボデー19の筒状部18の内面に押え部材37により基端部が固定されたポペット弁38、及び、入力ロッド33に一端が係止され常時はポペット弁38を2つの弁座35、36に着座する方向へ付勢する弁ばね39からなっている。弁手段34は、ポペット弁38の先端の外周縁部とバルブボデー19の内周の弁座35とで負圧弁を、ポペット弁38の先端の内周縁部と弁部材28の後端の弁座36とで大気弁を、夫々構成し、これら負圧弁及び大気弁は、プランジャ27とバルブボデー19との相対移動に応じて開閉動作するようになっている。
ここで、押え部材37と入力ロッド33との間には戻しばね40が介装されており、プランジャ27は、ブレーキペダルからの入力がない非作動時には、この戻しばね40により、その弁部材28の後端の大気用弁座36をポペット弁38に当接させる状態を維持する。又、プランジャ27は、非作動時には、その反力受け部材29の先端をリングガイド32内に僅かに没入させる状態を維持する。
一方、バルブボデー19の本体部17に設けられた中空ボス部25の先端には、ゴム等の弾性体からなるリアクションディスク41と出力ロッド42の基端部とが配置されている。出力ロッド42の基端部はカップ形状部43となっており、このカップ形状部43にリアクションディスク41が完全に納められている。又、このカップ形状部43は、バルブボデー19の中空ボス部25の先端部に僅かに嵌合するように、その深さが設定されており、これにより出力ロッド42は、バルブボデー19(パワーピストン14)と同心に位置決めされている。なお、出力ロッド42の先端部は、フロントシェル11の前面に設けた開口部44内に嵌合された、図示を略すマスタシリンダ内に挿入される。
又、バルブボデー19の先端部には、出力ロッド42を支持するロッドホルダ45が配置されている。このロッドホルダ45は、出力ロッド42のカップ形状部43を覆うリング状平板部46の内径側に、出力ロッド42の軸部を摺動可能にガイドする内径側筒部47を、その外径側にバルブボデー19の先端部の外周に嵌合する外径側筒部48を、夫々有している。更に、このロッドホルダ45は、その外径側筒部48に隣接する部分に、定圧室15内に配設されたリターンスプリングとしてのコイルばね50の一端を受け、かつ、コイルばね50を半径方向へ拘束する段部49を有している。コイルばね50は、バルブボデー19を原位置に戻す役割をなすもので、概ね樽型であり、出力ロッド42の外周を囲うようにしてハウジング10内に配置され、その他端がフロントシェル11に係止されている。ロッドホルダ45は、このコイルばね50によってバルブボデー19の端面に押圧固定され、この状態で、ロッドホルダ45の内径側筒部47によって、出力ロッド42の軸部を摺動可能にガイドしている。又、このロッドホルダ45は、リアクションディスク41及び出力ロッド42の抜止めとしても機能している。
バルブボデー19は、大気通路(半径方向孔)22に挿入されたストップキー51が、リヤシェル12に設けられた段部52に当接する位置が、原位置となっている。一方、ストップキー51の先端部は、プランジャ27を構成する弁部材28に設けられた環状溝53内に係入されている。環状溝53は、ストップキー51の幅よりわずか広幅に形成されており、プランジャ27は、その環状溝53内でストップキー51が移動できる範囲内で、バルブボデー19との相対移動が許容されている。
更に、ハウジング10の前面及び後面には、円周方向に等配して複数のスタッドボルト54、55が夫々立設されている。これら前・後のスタッドボルト54、55は、ここでは、シール部56を介してパワーピストン14を摺動可能に貫通して軸方向へ延ばされ、両端がフロントシェル11とリヤシェル12とに係合された、連接ロッド57の両端に一体に設けられている。本気圧式倍力装置1は、ハウジング10の後面に立設されたスタッドボルト55を用いて車体に取り付けられ、この取付状態で入力ロッド33にブレーキペダルが連結される。一方、ハウジング10の前面に立設されたスタッドボルト54が用いられて、図示を略すマスタシリンダが本装置に連結される。
又、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1は、バルブボデー19を付勢するコイルばね50が、ハウジング10内に設置される前の自由状態において、図2に示すような構成を有している。図2の左側には、軸Sを中心として巻き上げられたコイルばね50の、一方の座巻60近傍の側方からの断面図を示しており、図2の右側には、軸S方向視で座巻端60aを基点とした角度領域R1~R3を図示しており、図中の矢印はコイルばね50の巻方向を示している。図示のように、コイルばね50は、軸S方向視での座巻端60aを基点とした角度領域R1~R3毎の、座巻60に対する巻き上げ角度を、夫々、0~90度の領域R1における巻き上げ角度を第1の巻き上げ角度A1、90~270度の領域R2における巻き上げ角度を第2の巻き上げ角度A2、270~360度の領域における巻き上げ角度を第3の巻き上げ角度A3としたとき、座巻60の次の巻目62において、第1の巻き上げ角度A1<第2の巻き上げ角度A2<第3の巻き上げ角度A3の関係となっている。
すなわち、コイルばね50は、座巻60の次の巻目62では、座巻端60aを基点とした0~90度の領域R1が、座巻60に対して巻き上げ角度A1で巻き上げられており、座巻端60aを基点とした90~270度の領域R2が、巻き上げ角度A1よりも大きい巻き上げ角度A2で巻き上げられており、座巻端60aを基点とした270~360度の領域R3が、巻き上げ角度A2よりも更に大きい巻き上げ角度A3で巻き上げられている。このような巻き上げ角度A1~A3の関係が、コイルばね50の両端の座巻60の、次の巻目62の各々において成立しているものである。
又、コイルばね50は、ハウジング10内に設置され、ブレーキペダルからの入力がない非作動時において、図3(a)に示す状態になる。図3(a)の上側には、コイルばね50の、一方の座巻60近傍の側方からの断面図を示しており、図3(a)の下側には、コイルばね50の座巻60の次の巻目62を、座巻端60aを基点とした角度領域R1~R3に分けて図示しており、座巻60に対して密着した部分を着色して示している。図示のように、コイルばね50は、ハウジング10内に設置されたセット長さ(図1に示す状態)で、座巻60の次の巻目62の、座巻端60aを基点とした0~90度の領域R1を僅かに超えた部分までが、座巻60に対して密着する。これは、図2に示したように、座巻60の次の巻目62の中で、座巻端60aを基点とした0~90度の領域R1の巻き上げ角度A1が、他の領域R2及びR3の巻き上げ角度A2及びA3よりも小さくなっており、0~90度の領域R1が座巻60に対して密着し易くなっているためである。このような密着状態が、コイルばね50の両端の座巻60の、次の巻目62の各々において表れる。
続いて、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1の作用を説明する。
図1を参照して、上述した車体への取付状態でブレーキペダルが踏み込まれると、入力ロッド33が前進してプランジャ27が前進し、プランジャ27を構成する弁部材28の後端の弁座(大気用弁座)36がポペット弁38から離間して大気弁が開く。これにより、サイレンサ付フィルタ24を通してバルブボデー19の筒状部18内に大気が流入し、この大気は、大気用通路22を経て変圧室16に導入される。この結果、変圧室16と負圧が導入されている定圧室15との間に差圧が発生し、この差圧により、コイルばね50のばね力に抗ってパワーピストン14(バルブボデー19)が推進し、その推力がバルブボデー19からリアクションディスク41及び出力ロッド42を経て、マスタシリンダへと出力される。このとき、出力ロッド42からの出力反力の一部が、リアクションディスク41及び反力受け部材29(プランジャ27)を介して入力ロッド33に伝達され、これにより、ブレーキペダルの踏力(入力)に比例した所定のブースタ出力が得られる。
一方、コイルばね50は、上述したようにパワーピストン14(バルブボデー19)が推進すると、フロントシェル11とロッドホルダ45との間で収縮され、図3(a)に示したセット長さの状態から、図3(b)に示すように、座巻60の次の巻目62が座巻60に対して密着する角度領域が増大する。図3(b)には、ブレーキペダルがフルストロークまで踏み込まれたときの、図3(a)と同様の主旨のコイルばね50の状態を示している。すなわち、コイルばね50は、ブレーキペダルがフルストロークまで踏み込まれて収縮すると、セット長さ時には0~90度の領域R1を僅かに超えた部分までであった、次の巻目62の座巻60に対する密着領域が、図3(b)に示すように、270~360度の領域R3に達する手前まで、90~270度の領域R2において増大する。これは、図2に示したように、座巻60の次の巻目62の中で、座巻端60aを基点とした90~270度の領域R2の巻き上げ角度A2が、270~360度の領域R3の巻き上げ角度A3よりも小さくなっており、90~270度の領域R2が座巻60に対して密着し易くなっているためである。このような密着状態が、コイルばね50の両端の座巻60の、次の巻目62の各々において表れる。
他方、ブレーキペダルに対する踏力が解放されると、図1を参照して、入力ロッド33が戻しばね40のばね力によって後退すると共に、プランジャ27も後退し、これにより、プランジャ27を構成する弁部材28の後端の大気用弁座36がポペット弁38に当接して、大気弁が閉じられる一方で、ポペット弁38がプランジャ27によりバルブボデー19の内周の弁座(負圧用弁座)35から持ち上げられて、負圧弁が開かれる。これにより、変圧室16に負圧通路21及び大気通路22を通じて定圧室15内の負圧が導入され、上述した差圧が解消される。その後は、定圧室15内のコイルばね50のばね力によりバルブボデー19(パワーピストン14)が後退して、ストップキー51がリヤシェル12内の段部52に当接する原位置にバルブボデー19が復帰し、これと同時にプランジャ27も原位置に復帰して負圧弁が閉じられる。このとき、コイルばね50は、図3(a)に示したように、セット長さの状態に復帰する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1は、バルブボデー19を付勢するコイルばね(リターンスプリング)50が、以下のような条件を満たすように、自由状態での巻き上げ角度が調整されているものである。具体的に、コイルばね50は、図3に示すように、両端に位置する座巻60の次の巻目62の各々の、座巻60に対して密着する領域(軸S方向視で座巻端60aを基点とした角度領域)が、ハウジング10内への設置時で少なくとも90度までの領域(図3(a)参照)、かつ、ブレーキペダルのフルストロークでの踏み込み時で270度を超えない領域(図3(b)参照)になるように、自由状態での巻き上げ角度が調整されている。すなわち、コイルばね50は、バルブボデー19を付勢するようにハウジング10内にセットされて僅かに収縮されたとき(図1参照)に、0~90度の領域R1を含む領域が、図3(a)に示すように座巻60に対して密着する。そして、ブレーキペダルが踏み込まれ、入力ロッド33が変位すると共にバルブボデー19が前進すると、バルブボデー19を付勢しているコイルばね50は、ハウジング10内で更に収縮され、図3(b)に示すように、90~270度の領域R2において、270~360度の領域R3に達する手前まで、換言すれば、90度を超えた領域~270度に満たない領域までが、更に座巻60に対して密着する。
ここで、コイルばね50は、スプリングの有効巻数が円周(位相)毎に均一になっている方が、サイドフォースが小さくなる傾向にある。図4には、両端の座巻60を除いて90度の円周毎に角度位置P1~P15を図示した、5.5巻のコイルばねを示しており、このコイルばねでは、角度位置P1、P5、P9及びP13が共通する位相(「第1の位相」とする)にあり、角度位置P2、P6、P10及びP14が共通する位相(「第2の位相」とする)にあり、角度位置P3、P7、P11及びP15が共通する位相(「第3の位相」とする)にあり、角度位置P4、P8及びP12が共通する位相(「第4の位相」とする)にある。このような5.5巻のコイルばねを例に説明すると、有効巻数は、自由状態において、両端の座巻60を除いた3.5巻となる。
そして、図3(a)に示したように、ハウジング10内にセットされ、座巻60の次の巻目62の、座巻端60aを基点として0~90度を超えた領域が密着すると、角度位置P1~P15のうち、P1、P2、P14及びP15が両端の座巻60の何れか一方に密着することになる。この状態において、90度の円周(位相)毎の有効巻数、すなわち、密着していない角度位置の数は、第1の位相で角度位置P5、P9及びP13の3つ、第2の位相で角度位置P6及びP10の2つ、第3の位相で角度位置P3、P7及びP11の3つ、第4の位相で角度位置P4、P8及びP12の3つとなる。すなわち、第2の位相における有効巻数のみが2で、残りの90度毎の位相における有効巻数は3である。このため、このような状態からは、全位相における有効巻数が2になるようにコイルばねを密着させることで、サイドフォースを小さくすることができる。
そこで、図3(a)に示した状態から、コイルばねが更に収縮された状態を検討し、座巻60の次の巻目62の、座巻端60aを基点として180度を超えた領域までが密着すると、角度位置P1~P15のうち、新たに角度位置P3及びP13が座巻60に対して密着する。この状態において、90度の円周毎の密着していない角度位置の数は、第1の位相で角度位置P5及びP9の2つ、第2の位相で角度位置P6及びP10の2つ、第3の位相で角度位置P7及びP11の2つ、第4の位相で角度位置P4、P8及びP12の3つとなる。すなわち、第1の位相における有効巻数が3から2となり、第3の位相における有効巻数が3から2となるため、全位相における有効巻数が2に近づくことが分かる。
更に、座巻60の次の巻目62の、座巻端60aを基点として270度を超えた領域までが、仮に座巻60に対して密着した場合を検討すると、角度位置P1~P15のうち、新たに角度位置P4及びP12が座巻60に対して密着する。この状態において、90度の円周毎の密着していない角度位置の数は、第1の位相で角度位置P5及びP9の2つ、第2の位相で角度位置P6及びP10の2つ、第3の位相で角度位置P7及びP11の2つ、第4の位相で角度位置P8の1つとなる。すなわち、座巻60の次の巻目62が、座巻端60aを基点として270度を超えた領域まで密着すると、第4の位相における有効巻数が減るものの、他の位相における有効巻数2よりも少ない1まで減少する。従って、座巻端60aを基点として90度を超えた領域まで密着した状態からは、270度を超えない領域まで密着領域が増加するにつれて、円周(位相)毎の有効巻数が均一(本例では2)に近づいていくことが分かる。
ここで、図3(b)を参照して説明したように、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1で用いられるコイルばね50は、ハウジング10内にセットされた状態からブレーキペダルが踏み込まれて収縮すると、座巻60の次の巻目62において、座巻端60aを基点として90度を超えた領域まで座巻60に対して密着した状態から、270度を超えない領域までが、座巻60に対して密着するように構成されている。換言すれば、気圧式倍力装置1の作動時に増大する、次の巻目62の座巻60に対する密着範囲が、座巻端60aを基点として90度を超えた領域から270度を超えない領域までに設定されている。これにより、円周毎の有効巻数が均一に近づくように、コイルばね50が収縮することになるため、サイドフォースを小さくすることができる。従って、収縮時にコイルばね50に作用するサイドフォースを低減することができ、出力ロッド42の傾きを抑制することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1は、コイルばね50が、自由状態において、以下のような条件を満たすように巻き上げられているものである。すなわち、コイルばね50は、図2に示すように、両端の座巻60の次の巻目62において、軸S方向視(図2の右図参照)での座巻端60aを基点とした角度領域(0~90度の領域R1、90~270度の領域R2及び270~360度の領域R3)毎の、座巻60に対する巻き上げ角度を、0~90度の領域R1で第1の巻き上げ角度A1、90~270度の領域R2で第2の巻き上げ角度A2、270~360度の領域R3で第3の巻き上げ角度A3とした場合、第1の巻き上げ角度A1<第2の巻き上げ角度A2<第3の巻き上げ角度A3の関係になっているものである。
これにより、コイルばね50がハウジング10内にセットされて僅かに収縮されたときに、座巻60の次の巻目62の中で、巻き上げ角度A1が一番小さくなっている0~90度の領域R1を含む領域、換言すれば、0~90度を超える領域を、図3(a)に示すように、座巻60に対して密着し易くすることができる。一方、ブレーキペダルが踏み込まれてバルブボデー19が前進し、バルブボデー19を付勢しているコイルばね50が更に収縮されたときに、図3(b)に示すように、座巻60の次の巻目62の中で、巻き上げ角度A2が2番目に小さい90~270度の領域R2において、巻き上げ角度A2よりも大きい巻き上げ角度A3で巻き上げられている270~360度の領域R3に達する手前まで、換言すれば、90度を超えた領域~270度に満たない領域までを、座巻60に対して密着し易くすることができる。
なお、本実施の形態では、1つのパワーピストン14を備えたシングルタイプの気圧式倍力装置1に適用されたが、当然ながら、2つのパワーピストンを備えたタンデム型の気圧式倍力装置に適用することも可能である。又、図4に示したコイルばねは、サイドフォースを抑制するメカニズムを説明するための模式的な図であり、本発明の実施の形態に係る気圧式倍力装置1で用いるコイルばね50の形状や構成を限定するものではない。更に、本実施の形態では、巻き方向が右巻きのコイルばねを例に記載しているが、これに限定されるものではなく、左巻きのコイルばねとしてもよい。
1:気圧式倍力装置、10:ハウジング、19:バルブボデー、42:出力ロッド、50:コイルばね(リターンスプリング)、60:座巻、60a:座巻端、62:座巻の次の巻目、A1:第1の巻き上げ角度、A2:第2の巻き上げ角度、A3:第3の巻き上げ角度、R1:0~90度の領域、R2:90~180度の領域、R3:270~360度の領域、S:コイルばねの軸

Claims (2)

  1. ハウジング内部に支持され、車両のブレーキペダルの踏み込みに応じて移動可能なバルブボデーと、
    該バルブボデーの先端に支持される出力ロッドと、
    該出力ロッドの外周を囲んで前記ハウジング内に配置され、前記バルブボデーを一方向に付勢するコイルばねと、
    を含む気圧式倍力装置において、
    前記コイルばねは、両端に位置する座巻の次の巻目の各々の、前記座巻に対して密着する、軸方向視で座巻端を基点とした角度領域が、前記ハウジング内への設置時で少なくとも90度までの領域、かつ、前記ブレーキペダルのフルストロークでの踏み込み時で270度を超えない領域になるように、自由状態での巻き上げ角度が調整されており、
    前記コイルばねは、前記次の巻目の各々の、軸方向視での座巻端を基点とした角度領域毎の、自由状態における前記座巻に対する巻き上げ角度を、0~90度の領域で第1の巻き上げ角度、90~270度の領域で第2の巻き上げ角度、270~360度の領域で第3の巻き上げ角度とした場合、
    第1の巻き上げ角度<第2の巻き上げ角度<第3の巻き上げ角度
    の関係となっていることを特徴とする気圧式倍力装置。
  2. 気圧式倍力装置においてバルブボデーを一方向に付勢するために用いられるコイルばねであって、
    両端に位置する座巻の次の巻目の各々の、軸方向視での座巻端を基点とした角度領域毎の、自由状態における座巻に対する巻き上げ角度を、0~90度の領域で第1の巻き上げ角度、90~270度の領域で第2の巻き上げ角度、270~360度の領域で第3の巻き上げ角度とした場合、
    第1の巻き上げ角度<第2の巻き上げ角度<第3の巻き上げ角度
    の関係となっていることを特徴とするコイルばね。
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