JP4314880B2 - 機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法および電気光学装置 - Google Patents

機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法および電気光学装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板等のワークに対し、インクジェットヘッドに代表される機能液滴吐出ヘッドから機能液滴の吐出を行う描画動作と、機能液滴吐出ヘッドの各ノズルから吐出された機能液滴の飛行状態を撮像する撮像動作とを行う液滴吐出装置における機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法および電気光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液滴吐出装置では、吐出されたインク滴(機能液滴)を撮像するCCDカメラとLEDにより構成されるストロボとを備えた撮像手段により機能液滴の飛行状態を撮像して撮像動作を行い、機能液滴の飛行曲がり、サテライト(吐出された液体に起因して霧状に浮遊する微粒子)や不吐出(ドット抜け)の有無等を検出して、機能液滴吐出ヘッドの吐出状態を検査している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−206624号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の液滴吐出装置では、撮像動作を行う場合に、ノズル列の列方向に対して直交する方向からのみ機能液滴の飛行状態が撮像されるため、撮像方向と平行な方向に機能液滴の飛行曲がりが生じたときには、CCDカメラにはあたかも飛行曲がりが生じていないかのような画像が得られてしまうため、その検出を適切に行うことが困難であった。
また、撮像動作に要する時間を短縮するために、通常、複数のノズルからの機能液滴が同時に撮像されるが、この場合には、1つ1つのノズルから吐出される機能液滴の画像が小さくなることから、不吐出の有無を検出することは可能であるが、飛行曲がりの有無を適切に検出することが困難であった。
【0005】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドから吐出された機能液滴の飛行曲がりを三次元的に観察することができる機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法、液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法および電気光学装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法は、ノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドの各ノズルから吐出された機能液滴の飛行状態を側方から撮像する撮像手段を用いて、機能液滴吐出ヘッドの吐出状態を検査する機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法において、撮像手段により、ノズル列の列方向に平行な方向および直交する方向から機能液滴の飛行状態を撮像すると共に、ノズル列の列方向に直交する方向から撮像する場合、ストロボからの照明光を透光板により減光して照明を行いながら、複数のノズル単位で撮像を行い、ノズル列の列方向に平行な方向から撮像する場合、ストロボからの照明光で直接照明を行いながら、単一のノズル単位で撮像を行うことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、ノズル列に対して相互に異なる複数の撮像方向から機能液滴の飛行状態を撮像することで、機能液滴の飛行状態を三次元的に観察することができる。このため、ノズル列に対する複数の撮像方向のうちの一の撮像方向と平行な方向に機能液滴の飛行曲がりが生じたために、その撮像方向からは飛行曲がりが生じていないかのような画像が得られてしまう場合であっても、他の撮像方向からこれを適切に撮像することができる。
また、ノズル列に対して互いに略90度の角度を為す2つの撮像方向から機能液滴の飛行状態を撮像することができる。このため、2つの撮像方向のいずれか一方の撮像方向と平行な方向へ機能液滴の飛行曲がりが生じた場合であっても、その飛行曲がりの方向は他方の撮像方向に対して略直交するものであるため、他方の撮像方向からこれを適切に撮像することができる。
なお、ノズル列に対して相互に異なる複数の撮像方向から撮像するためには、例えば、水平面内において撮像手段に対し機能液滴吐出ヘッドを相対的に回転させながら、撮像手段により撮像すればよい。また、複数の撮像手段を、ノズル列に対する各撮像方向が相互に異なるように配設し、複数の撮像手段により撮像してもよい。
【0013】
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し、ノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行う描画動作と、ノズル列の各ノズルから吐出された機能液滴の飛行状態を側方から撮像する撮像動作とを行う液滴吐出装置において、機能液滴の飛行状態を撮像する撮像カメラ、飛行状態の機能液滴を照明するストロボ、およびストロボの前方に配設されストロボからの照明光を減光する透光板を有する撮像手段と、投光板をストロボの前方に臨む上昇位置と、ストロボの前方から退避する下降位置と、の間で昇降させる投光板昇降シリンダと、撮像動作時に、水平面内において撮像手段に対し機能液滴吐出ヘッドを相対的に回転させる回転手段と、撮像手段、投光板昇降シリンダおよび回転手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、回転手段を制御して、機能液滴吐出ヘッドを相対的に回転させながら、撮像手段によりノズル列の列方向に平行な方向および直交する方向から機能液滴の飛行状態を撮像させると共に、ノズル列の列方向に直交する方向から撮像する場合、投光板を前記上昇位置に上昇させて照明を行いながら、複数のノズル単位で撮像を行い、ノズル列の列方向に平行な方向から撮像する場合、投光板を下降位置に下降させて照明を行いながら、単一のノズル単位で撮像を行うことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、制御手段により回転手段および撮像手段を制御して、ノズル列に対して互いに異なる複数の撮像方向から機能液滴の飛行状態を撮像することで、機能液滴の飛行状態を三次元的に観察することができる。このため、ノズル列に対する複数の撮像方向のうちの一の撮像方向と平行な方向に機能液滴の飛行曲がりが生じたために、その撮像方向からは飛行曲がりが生じていないかのような画像が得られてしまう場合であっても、他の撮像方向からこれを適切に撮像することができる。
また、ノズル列に対し互いに略90度の角度を為す2つの撮像方向が形成される。このため、撮像手段により、ノズル列に対し互いに略90度の角度を為す2つの撮像方向から機能液滴の飛行状態を撮像することができる。したがって、2つの撮像方向のいずれか一方の撮像方向と平行な方向へ機能液滴の飛行曲がりが生じた場合であっても、その飛行曲がりの方向は他方の撮像方向に対して略直交するものであるため、他方の撮像方向からこれを適切に撮像することができる。
【0020】
この場合、撮像カメラとストロボとは、機能液滴吐出ヘッドを挟んで対向して配置されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、撮像手段は照射光を直接撮り込む。このため、機能液滴や背景の色彩に関らず、機能液滴の周囲は輝度の比較的高い白色に、機能液滴自体は遮光されるため輝度の比較的低い黒色になる映像を撮像することができ、機能液滴の画像をより鮮明に撮り込むことができる。
【0022】
この場合、撮像カメラは、電動ズームレンズ付きカメラであり、制御手段は、電動ズームレンズ付きカメラの撮像倍率を制御することが好ましい。
【0023】
この構成によれば、撮像カメラの焦点距離を変更することなく、撮り込まれる機能液滴の画像の大きさを拡大縮小させることができる。したがって、例えば、1つのノズルから吐出された機能液滴の飛行状態を詳細に検出する場合には、電動ズームレンズ付きカメラの撮像倍率を上げることにより、撮像カメラと撮像対象となるノズル列との距離を変更することなく、ズームアップされた機能液滴の画像を取り込むことができる。
【0024】
これらの場合、撮像カメラとストロボとを一体として、機能液滴吐出ヘッドに対し撮像方向に相対的に移動させる撮像系移動機構を、さらに備え、制御手段は、撮像カメラと撮像対象となるノズル列との距離が撮像カメラの焦点距離に合致するように、撮像系移動機構の移動を制御することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、撮像系移動機構により、機能液滴吐出ヘッドのノズルと撮像カメラとの距離を、撮像カメラの焦点距離に合致するように調整することができ、鮮明な画像を得ることができる。また、撮像系移動機構を駆動して撮像カメラを移動しても、撮像カメラとストロボとの相対位置が変わることがないため、一定の機能液滴の画像が得られる。したがって、飛行曲がりが生じているか否かの判定を正確に行うことができる。
【0026】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0028】
これらの構成によれば、機能液滴の吐出状態が適切に管理された液滴吐出装置を用いて製造されるため、電気光学装置を効率よく製造することが可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、液晶塗布、配向膜塗布、基板間の間隔を一定に保持するためのスペーサー(ギャップ材)散布、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の液滴吐出装置を適用して構成した描画システムについて説明する。本実施形態の描画システムは、いわゆるフラットパネルディスプレイの一種である有機EL装置の製造ラインに組み込まれるものであり、有機EL装置の各画素となる発光素子を形成するものである。
【0032】
ここではまず、描画システムの説明に先立ち、有機EL装置の構造および製造工程について簡単に説明する。図25は、有機EL装置の断面図を示した図である。同図に示すように、有機EL装置701は、基板721、回路素子部722、画素電極723、バンク部724、発光素子725、陰極726(対向電極)、および封止用基板727から成る有機EL素子711に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。
【0033】
同図に示すように、有機EL素子711の基板721上には、回路素子部722が形成され、回路素子部722上には、複数の画素電極723が整列している。そして、各画素電極723間には、バンク部724が格子状に形成されており、バンク部724により生じた凹部開口731に、発光素子725が形成されている。バンク部724および発光素子725の上部全面には、陰極726が形成され、陰極726の上には、封止用基板727が積層されている。
【0034】
有機EL素子711の製造プロセスは、バンク部724を形成するバンク部形成工程と、発光素子725を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子725を形成する発光素子形成工程と、陰極726を形成する対向電極形成工程と、封止用基板727を陰極726上に積層して封止する封止工程とを備えている。すなわち、有機EL素子711は、予め回路素子部722および画素電極723が形成された基板721(ワークW)の所定位置にバンク部724を形成した後、プラズマ処理、発光素子725および陰極726(対向電極)の形成を順に行い、さらに、封止用基板727を陰極726上に積層して封止することにより製造される。なお、有機EL素子711は、大気中の水分等の影響を受けて劣化しやすいため、有機EL素子711の製造は、ドライエアーまたは不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)雰囲気で行うことが好ましい。
【0035】
また、各発光素子725は、正孔注入/輸送層741およびR(赤)・G(緑)・B(青)のいずれかの色に着色された発光層(成膜部)742から構成されており、発光素子形成工程には、正孔注入/輸送層741を形成する正孔注入/輸送層形成工程と、3色の発光層742を形成する発光層形成工程と、が含まれている。
【0036】
有機EL装置701は、有機EL素子711を製造した後、有機EL素子711の陰極726にフレキシブル基板の配線を接続すると共に、駆動ICに回路素子部722の配線を接続することにより製造される。
【0037】
次に、描画システム1について説明する。この描画システム1は、有機EL素子711の発光素子725を液滴吐出法(インクジェット法)で形成するものであり、機能液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用いて発光素子725を形成できるようになっている。具体的には、上記のバンク部形成工程およびプラズマ処理工程を経て、バンク部724が形成された基板721に対して、発光機能材料を導入した相対的に機能液滴吐出ヘッドを走査させることにより、基板721の画素電極723の位置(画素領域)に対応して、発光素子725を形成するものである。
【0038】
描画システム1は、2台の液滴吐出装置11と、乾燥装置(図示省略)と、を備えている。2台の液滴吐出装置11は同様の構成をしており、液滴吐出装置11のうち、1台は、正孔注入/輸送層741を形成するための第1液滴吐出装置であり、もう1台は、R・G・B3色の発光層742を形成するための第2液滴吐出装置である。上述したように、有機EL素子711は大気中の水分等を嫌うため、これらの各装置は、それぞれチャンバ装置12内に収容されており、発光素子形成工程における大気の影響を排除できるようになっている。また、ワークWも大気の影響を避けるため、ドライエアー雰囲気に密閉したワークボックス13内に収容された状態で各装置に導入(搬入)されるようになっている。
【0039】
図1ないし図3に示すように、チャンバ装置12は、ドライエアーを連続的に導入すると共に排気することにより、チャンバ装置12内を良好なドライエアー雰囲気に維持するものであり、各装置を収容する3台のチャンバ装置12は、略同様の構成をしている。各チャンバ装置12は、各装置を直接収容する主チャンバ21と、ワークWを主チャンバ21内に導入(搬入および搬出)するための搬出入チャンバ22と、主チャンバ21のワーク導入エリアおよび搬出入チャンバ22の内部間に渡した、ワークWの搬送するための搬送部(図示省略)と、を備えている。搬出入チャンバ22には、ワークボックス13を着脱自在に装着可能な装着口(図示省略)が形成されていると共に、搬出入チャンバ22内には、ワークボックス13に収容されたワークWを仮置きする載置テーブル26が配設されている。
【0040】
主チャンバ21、搬出入チャンバ22は、それぞれ独立して個別にエアー管理されており、主チャンバ21内の雰囲気に極力変動が生じないようになっている。すなわち、ワークボックス13を搬出入チャンバ22の装着開口に装着して、ワークボックス13内のワークWを載置テーブルに載置し、搬出入チャンバ22内の雰囲気を主チャンバ21内の雰囲気と同じにパージした後、載置テーブル上のワークWを主チャンバ21のワーク導入エリアに搬入することにより、主チャンバ21内の雰囲気を変動させずに(ワークボックス13内の)ワークWを主チャンバ21内の各装置にセットできるようになっている。
【0041】
ここで、導入されたワークWに対する描画システム1の一連の作業プロセスについて説明する。まず、正孔注入/輸送層形成工程が行われ、ワークボックス13に収容されたワークWは、チャンバ装置12内の第1液滴吐出装置にセットされる。ワークWがセットされると、第1液滴吐出装置は、ワークWに対して、正孔注入層材料を溶剤に溶かした機能液を吐出させ、ワークWの画素領域に正孔注入層材料(機能液)を吐出(塗布)する。正孔注入層材料が塗布されたワークWは、再びワークボックス13に収容され、次に乾燥装置にセットされる。ここでは、ワークWを所定時間、気流を伴う高温のドライエアーの雰囲気に曝して溶剤を気化(乾燥)させることにより、正孔注入層材料を析出させ、正孔注入/輸送層741を形成する。
【0042】
正孔注入/輸送層741が形成されたワークWは、ワークボックス13を介して、第2液滴吐出装置にセットされ、発光素子形成工程が行われる。第2液滴吐出装置では、正孔注入層材料に代えて発光材料を溶剤に溶かした機能液が用いられ、第2液滴吐出装置にセットされたワークWには、正孔注入/輸送層741の上に重ねて発光材料(機能液)が吐出(塗布)される。発光材料が塗布されたワークWは、溶剤を気化させて発光層742を形成するため、正孔注入/輸送層形成工程と同様に乾燥装置へ搬送される。
【0043】
なお、発光素子形成工程では、ワークWに対して、R・G・Bに対応する機能液を1色分ずつ吐出させていき、1色分の機能液の塗布が終了する毎に乾燥を行うことによりR・G・Bの発光層742を1色ずつ形成する構成にしてもよいし、R・G・Bに対応する機能液を同時に吐出させることにより、3色分の発光層742を同時に形成する構成としてもよい。
【0044】
次に、液滴吐出装置11について説明する。この液滴吐出装置11は、正孔注入層材料や発光材料等の機能液をワークWに塗布するものであり、ワークWに対して機能液の吐出処理を行うものである。図1ないし図3に示すように、液滴吐出装置11は、機能液滴吐出ヘッド101を搭載したヘッドユニット91有し、ワークWに対して機能液を吐出するための吐出手段31と、吐出手段31(機能液滴吐出ヘッド101)のメンテナンスを行うメンテナンス手段32と、各手段に液体(例えば、機能液や洗浄液)を供給すると共に不要となった液体を回収する液体供給回収手段33と、各手段を駆動・制御するための圧縮エアー(ドライエアー)を供給するエアー供給手段34と、ワークWを吸引固定するためのエアー吸引手段37と、を備えている。
【0045】
液滴吐出装置11には、この他にも、ヘッドユニット91の位置認識を行うヘッド認識カメラ38や、ワークWの位置認識を行うためのワーク認識カメラ39、ワークWに吐出した機能液滴の描画結果を観察するための描画観察カメラ46、エアー吸引手段37を駆動させるための吸引用スイッチ40等の付帯装置が備えられている。また、液滴吐出装置11には、ホスト・コンピュータ45(制御手段)が接続されており、ホスト・コンピュータ45により、液滴吐出装置11全体の制御が行われている。
【0046】
図1ないし図3に示すように、液滴吐出装置11は、大小2つの機台41、42を備えており、エアー吸引手段37を除く液滴吐出装置11の主要部が、これら機台41、42上に配設されている。大型の機台41の近傍には、エアー吸引手段37が配設され、大型の機台41の左側には、小型の機台42が添設されている。大型の機台41は、吐出手段31およびメンテナンス手段32を支持する石定盤51と、石定盤51を支持する支持台52と、上記のチャンバ装置12および支持台52を支持する支持ベース53と、支持ベース53を支持する機台本体54と、を備えている。
【0047】
石定盤51の下面には、複数(9個)の調節脚55(アジャストボルト付支持脚)が取り付けられており、石定盤51の平面度を調節できるようになっている。石定盤51の左部上面は、平坦に削られて一段低くなっており、石定盤51の低くなった部分には、メンテナンス手段32の主要部が設置され、石定盤51の高くなった部分には、吐出手段31の主要部が設置されている(図2参照)。支持ベース53は、石定盤51および支持台52の平面形状よりも一回り大きく形成された方形の支持板61と、支持板61を機台本体54に支持させる複数の支持脚62と、を有している。石定盤51および支持台52からはみ出した支持板61の縁部は、チャンバ装置12(の主チャンバ21)を載せこむためのチャンバ支持部63、すなわち主チャンバ21の底板を兼ねており、石定盤51上に配設された吐出手段31およびメンテナンス手段32をチャンバ装置12で完全に囲うことができるようになっている。
【0048】
機台本体54は、キャビネット形式に構成されており、内部には収容室72が形成されている。収容室72には、大型の機台41にエアーを供給するエアー供給手段34の一部(図示省略)が収容されている。また、機台本体54の下面には複数(9個)の支持脚73が取り付けられている。
【0049】
小型の機台42は、開閉扉82を有するキャビネット形式の機台本体81を備えており、機台本体81上には、収容ボックス24が配設されている。収容ボックス24内には、機能液滴吐出ヘッド101に機能液を供給するための液体供給回収手段33の機能液供給系371(後述する)が収容されている。収容ボックス24および機台本体81には、それぞれ排気筒83が設けられており、排気筒83を介して、収容ボックス24および機台本体81内のエアーを排気するようになっている(排気処理設備に送る)。また、機台本体81には、収容室84が形成されており、収容室84には、液体供給回収手段33のタンク類と、小型の機台42にエアーを供給するエアー供給手段34の一部が収容されている。
【0050】
なお、収容ボックス24は、ドライエアーを導入するエアー導入筒86と、収容ボックス24内のエアーを排気するための排気筒87と、を備えている。エアー導入筒86は、収容ボックス24の上方に、排気筒87は、収容ボックス24の下方に設けられており、ヘパフィルタを介して上方からドライエアーを導入すると共に下方から排気を行うことにより、収容ボックス24内を上記した主チャンバ21内の雰囲気と同様に良好なドライエアー雰囲気とすることができるようになっている。図示省略したが、エアー導入筒86には、ヘパフィルタが配設されており、ヘパフィルタを介して上方からチャンバ内にドライエアーを導入する構成となっている。
【0051】
次に、液滴吐出装置11の各手段について説明する。図11に示すように、吐出手段31は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド101を搭載したヘッドユニット91と、ヘッドユニット91を支持し、ヘッドユニット91の水平面における角度および高さを調整可能なヘッド調整機構92と、ヘッド調整機構92を介して、ヘッドユニット91を支持するメインキャリッジ93と、ヘッドユニット91(機能液滴吐出ヘッド101)をワークWに対して相対的に移動させるX・Y移動機構94(図1参照)と、を備えている。
【0052】
図5ないし図7に示すように、ヘッドユニット91は、3個の機能液滴吐出ヘッド101と、3個の機能液滴吐出ヘッド101を搭載するヘッドプレート102と、ヘッドプレート102を支持するヘッドホルダ103と、を備えている。3個の機能液滴吐出ヘッド101r,101g,101bは、上記した有機EL素子711のR・G・Bの発光層742を形成するための3種類の機能液に対応させたものであり、それぞれの機能液滴吐出ヘッド101r,101g,101bに、R・G・Bの発光層742を形成する機能液が1種類ずつ対応するようになっている。
【0053】
図4示すように、機能液滴吐出ヘッド101は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針112を有する機能液導入部111と、機能液導入部111に連なる2連のヘッド基板113と、機能液導入部111の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体114と、を備えている。各接続針112は、配管アダプタ(図示省略)を介して、機能液供給系371の給液チューブ382(後述する)に接続されており、機能液滴吐出ヘッド101は、各接続針112から機能液の供給を受けるようになっている。ヘッド基板113には、配管アダプタに接続する給液チューブ382を支持するチューブ支持部121が形成されており、チューブ支持部121の上面に給液チューブ382を載せこむようになっている。ヘッド本体114は、2連のポンプ部131(ピエゾ圧電素子)と、ノズル面133を有するノズルプレート132と、で構成されている。ノズル面133の下面には、多数(180個)の吐出ノズル135からなるノズル列が2列形成されている。機能液滴吐出ヘッド101では、ポンプ部131の作用により吐出ノズル135から機能液を吐出するようになっている。
【0054】
図7に示すように、ヘッドプレート102は、略方形に成形されたステンレス製の厚板であり、機能液滴吐出ヘッド101を位置決め固定するための3個の装着開口141が横並びに形成されている。そして、機能液滴吐出ヘッド101は、ヘッド本体114を下方に突出させると共に、チューブ支持部121をはみ出すように、ヘッドプレート102に着脱自在に固定されるようになっている。したがって、3個の機能液滴吐出ヘッド101r,101g,101bは、相互のノズル列134が平行になるようにヘッドプレート102(キャリッジ)に搭載されている。また、ヘッドプレート102には、ヘッドプレート102をヘッドホルダ103に固定するためのヘッド側ねじ穴142が4個形成されている。なお、機能液滴吐出ヘッド101の個数および配列は、上記したものに限られるものではなく、状況に応じて任意に設定可能である。
【0055】
図5ないし図7に示すように、ヘッドホルダ103は、ヘッドプレート102を支持するホルダ本体151と、ホルダ本体151をヘッド調整機構92に支持させるための支持プレート152と、ホルダ本体151を支持プレート152に支持させると共に、ヘッドプレート102の支持姿勢(あおり)を調整するためのあおり調整機構153と、を備えている。ホルダ本体151は、ヘッドプレート102を水平に支持する下ホルダプレート161と、下ホルダプレート161に対向配置され、支持プレート152が固定される上ホルダプレート162と、上ホルダプレート162および下ホルダプレート161を連結する4本の支柱部材163と、を有している。そして、4本の支柱部材163に、上下ホルダプレート162、161がねじ止めされている。
【0056】
上下ホルダプレート162、161は、ヘッドプレート102と略同じ大きさに形成されており、ホルダ本体151から機能液滴吐出ヘッド101のチューブ支持部121がはみ出すようになっている。下ホルダプレート161には、ヘッドプレート102の平面形状に合わせて、凹部171が形成されており、凹部171にヘッドプレート102を遊嵌状態でセットするになっている。凹部171には、ヘッドプレート102に搭載された機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133を下ホルダプレート161から突出させるための開口部176が形成されている。また、凹部171には、ヘッドプレート102の端に当接して、ヘッドプレート102を位置決めするための3個の当接ピン177が立設されていると共に、ヘッドプレート102に形成されたヘッド側ねじ穴142と対応するホルダ側ねじ穴178が4個形成されている。ヘッドプレート102は、下ホルダプレート161の3個の当接ピン177により位置決めされた後、ヘッド側ねじ穴142およびホルダ側ねじ穴178を4本のねじ(図示省略)によって、下側から着脱自在に固定するようになっている。
【0057】
上ホルダプレート162の中心には、後述するあおり調整機構153の基準ボルト203を貫通させるための貫通口181が形成されている。貫通口181の下半部は、後述する基準ボルト203の座面と相補的形状を為すように、球面状に拡開形成されている。また、上ホルダプレート162の上面には、上ホルダプレート162の短辺方向に向かって、あおり調整機構153の第2調整ねじ226(後述する)と当接するV溝182が1箇所形成されている。ホルダ本体151の側面は、ヘッドホルダ103内に挿入する給液チューブ382の挿入部分を除き、ヘッドカバー164で覆われている。
【0058】
支持プレート152は、上ホルダプレート162の上側に配設され、あおり調整機構153を介してホルダ本体151を支持している。支持プレート152の中心には、基準ボルト203の胴部211を貫通させるばか穴191が形成されている。また、支持プレート152には、ばか穴191を挟んで、2個の位置決めピン192が上面から突出している。図5に示すように、支持プレート152の上面からは、基準ボルト203の胴部211および2個の位置決めピン192が突出しており、これらによって、ヘッド調整機構92に対して支持プレート152を位置決めできるようになっている。
【0059】
また、支持プレート152の上面には、位置決めした支持プレート152をヘッド調整機構92に取り付けるための4個のねじ穴193が形成されている。なお、基準ボルト203の胴部211は、ヘッドプレート102(ホルダ本体151)の重心を通るθ軸上に形成されており、4個のねじ穴193は、突出する基準ボルト203の胴部211に対してそれぞれ対称に形成されている。そして、支持プレート152を介してヘッドプレート102が、ヘッド調整機構92に均一に支持されるようになっている。
【0060】
あおり調整機構153は、ヘッドプレート102のあおりを調整可能に、ホルダ本体151を支持プレート152に支持させるものである。すなわち、あおり調整機構153により、ヘッドプレート102に搭載された機能液滴吐出ヘッド101(のノズル面)の平行度を適切に調整することができるようになっている。あおり調整機構153は、ヘッドプレート102(ヘッドユニット91)の長辺方向における傾き(ピッチング)を調整する第1あおり調整機構201と、ヘッドプレート102の短辺方向における傾き(ローリング)を調整する第2あおり調整機構202と、あおりを調節するための基準となる基準ボルト203と、を有している。
【0061】
基準ボルト203は、その胴部211が支持プレート152の中心に形成されたばか穴191に螺合することによって、座面が上ホルダプレート162と当接した状態で固定される。基準ボルト203の座面は、冠球形状に形成されており、球面状に形成された上ホルダプレート162の貫通口181の下半部に自在継手様に連結されている(すなわち、基準ボルト203の座面および貫通口181の側面で球面すり合わせが形成されている)。
【0062】
第1あおり調整機構201は、下端が半球状に形成された第1調整ねじ221と、支持プレート152にホルダ本体151を固定させる第1ホルダ支持部材222と、を有している。第1調整ねじ221および第1ホルダ支持部材222は、ヘッドプレート102の長手方向における支持プレート152の中心を通る軸上に対向して配設されている。第1調整ねじ221は、支持プレート152を貫通し、その下端が上ホルダプレート162の上面に当接している。第1ホルダ支持部材222は、一端が上ホルダプレート162に固定され、他端が支持プレート152に固定されている。第1ホルダ支持部材222は、圧縮ばね等の弾性部材を内蔵しており、第1調整ねじ221の下端部が上ホルダプレート162に当接するように、ホルダ本体151を支持プレート152に弾力的に支持させている。
【0063】
第1調整ねじ221をねじ込むと、第1調整ねじ221の下端部によって、上ホルダプレート162が下に押され、基準ボルト203の座面にガイドされながら、上ホルダプレート162の第1ホルダ支持部材222が固定されていない側の端が押下げられ、ヘッドプレート102が押下げられる。また、第1調整ねじ221を緩めると、第1ホルダ支持部材222の弾性力により、上ホルダプレート162が上向きに力を受け、基準ボルト203の座面にガイドされながら、ヘッドプレート102が押上げられる。すなわち、第1調整ねじ221を上下することにより、基準ボルト203の座面を基準に、ヘッドプレート102をその長辺方向に傾動させ、ヘッドプレート102の長辺方向におけるあおりを調整するようになっている。
【0064】
第2あおり調整機構202は、下端が半球状に形成された第2調整ねじ226と、基準ボルト203を挟んで第2調整ねじ226に対向する第2ホルダ支持部材227と、を有しており、これらはヘッドプレート102の短辺方向に互いに対向して配設されている。第2調整ねじ226の下端部は、上ホルダプレート162に形成されたV溝182に当接し、第2調整ねじ226の長辺方向における位置決めがなされている。第2あおり調整機構202も、第1あおり調整機構201と同様の構成かつ機構を有しており、第2調整ねじ226を上下させてヘッドプレート102を傾動させることにより、ヘッドプレート102の短辺方向におけるあおりを調整できるようになっている。
【0065】
なお、ヘッドホルダ103には、ヘッドプレート102が着脱自在に固定されており、ヘッドプレート102に搭載された機能液滴吐出ヘッド101の交換を行う場合には、ヘッドプレート102ごとヘッドホルダ103から取り外すようになっている。
【0066】
ヘッド調整機構92は、ヘッドホルダ103を支持し、ヘッドホルダ103を介してヘッドプレート102を回動(回転)させるヘッド回動機構231(回転手段)と、ヘッド回動機構231を支持し、ヘッド回動機構231(ヘッドホルダ103)を介して、ヘッドプレート102を昇降させるヘッド昇降機構232と、を備えている。図11に示すように、ヘッド昇降機構232には、ヘッドユニット91およびヘッド回動機構231が、吊設されている。
【0067】
ヘッド回動機構231は、ヘッドプレート102(ヘッドユニット91)を、θ軸を中心に回動させることにより、水平面内における機能液滴吐出ヘッド101のノズル列134の向きを自在に変更させるものであり、後述するメンテナンス手段32に対応させて、機能液滴吐出ヘッド101の向きを変更する場合や、ワークWの種類に合わせて、吐出ノズル135のノズル間隔や機能液滴の塗布密度を調節する場合などに用いられる。図8ないし図10に示すように、ヘッド回動機構231は、ヘッド支持フレーム241と、ヘッド支持フレーム241に回動自在に支持され、ヘッドホルダ103を吊下げるように支持する吊設部材242と、吊設部材242を介し、ヘッドホルダ103に搭載されたヘッドプレート102を回動させるためのヘッド回動モータ243と、ヘッド回動モータ243の動力を吊設部材242に伝達する動力伝達機構(ハーモニックドライブ)(図示省略)と、を備えている。
【0068】
ヘッド支持フレーム241は、背面支持フレーム251と、背面支持フレーム251の上端から前方に延びる上フレーム255と、背面支持フレーム251の下端から前方に延びる上フレーム255に対向配置される下フレーム253と、背面支持フレーム251に固定され、上下両フレーム255,253の間に配設された一対のサイドフレーム257と、を有している。
【0069】
背面支持フレーム251は、ヘッド昇降機構232に対する(ヘッド回動機構231の)固定部材となっている。背面支持フレーム251は、平面視略方形状であり、背面支持フレーム251の両側の中央には、背面支持フレーム251をヘッド昇降機構232に対して位置決めするための左右一対の位置決め凸部252(位置決めピン)が設けられている。そして、一対の位置決め凸部252を上下に挟んで、背面支持フレーム251をヘッド昇降機構232に固定するためのねじ穴が4個形成されている。上フレーム255には、上フレーム255を貫通して、動力伝達機構を収容するケーシング256が固定されている。また、上フレーム255には、後述のヘッドバランス機構331の引張りばね334を固定するための3個のヘッド側フック333が固定されている。下フレーム253には、ケーシング256に回動自在に支持された吊設部材242を下方に突出させるための開口部254が形成されている。
【0070】
また、サイドフレーム257には、下方に向かい垂直に延在するアーム部材261を介して、ワークW(の上面)までの距離を検出する距離検出センサ262が固定されている。同図に示すように、アーム部材261は、サイドフレーム257に固定された断面「L」字状の固定部材263上(図11参照)に配設された調整ねじ264により、上下方向にスライド自在に構成されている。そして、距離検出センサ262の検出部265をヘッドユニット91の機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133と同じ高さに調整することにより、ノズル面133からワークWまでの距離(ワークギャップ)を検出できるようになっている。
【0071】
吊設部材242は、円柱状に形成されており、上フレーム255に固定されたケーシング256内にその中心がθ軸を通るように回動自在に軸支されている。吊設部材242は、下フレーム253の下側に突出しており、その下端には、ヘッドホルダ103の支持プレート152を固定する平面視円形のヘッド固定部281が固定されている。ヘッド固定部281には、支持プレート152から突出する基準ボルト203の胴部211および2個の位置決めピン192に対応して、3個の凹部(図示省略)が形成されており、ヘッド固定部281の各凹部に上記した支持プレート152から突出する基準ボルトの胴部211および位置決めピン192をそれぞれ係合させることにより、θ軸を中心に、支持プレート152(ヘッドユニット91)を位置決めできるようになっている。また、ヘッド固定部281には、位置決めした支持プレート152のねじ穴193に対応して、4個のねじ穴(図示省略)が形成されており、これらのねじ穴に小ねじ(図示省略)を螺合させることにより、ヘッド固定部281に支持プレート152を固定できるようになっている。また、吊設部材242の上部には、動力伝達機構の駆動歯車(図示省略)と噛合する従動歯車(図示省略)が固定されている。
【0072】
ヘッド回動モータ243(サーボモータ)は、ヘッドホルダ103の重心を通るθ軸を中心にヘッドホルダ103(ヘッドプレート102)を回動させるための駆動源となっている。ヘッド回動モータ243は、その出力軸がθ軸と一致するようにケーシング256に固定されている。また、図示省略したが、ヘッド回動モータ243の出力軸には、回動用ロータリエンコーダ(スリット円板とこれに臨むフォトインタラプタから成る)が固定されており、ヘッド回動モータ243の回転量(回転角度)に基づいて、吊設部材242の回動量を制御できるようになっている。動力伝達機構は、ヘッド回動モータ243の回転動力を減速して吊設部材242に伝達するためのものである。動力伝達機構には、ヘッド回動モータ243の出力軸に固定された歯車を有するハーモニックドライブ(図示省略)が組み込まれており、ハーモニックドライブの駆動歯車(図示省略)が吊設部材242の従動歯車(図示省略)に噛合して回転することにより、ヘッド回動モータ243の動力が減速して吊設部材242に伝達するようになっている。
【0073】
本実施形態では、ヘッドユニット91に搭載された機能液滴吐出ヘッド101の姿勢がX軸方向およびY軸方向に対して45°となる位置を所定のヘッド基準位置として、ヘッドユニット91が吊設部材242に取り付けられており、ヘッドプレート102を、この所定のヘッド基準位置である0°から±60°の範囲で回動させるようになっている。吊設部材242の側面には、この範囲内で吊設部材242の回動を止めるための回動規制部材271が固定されていると共に、各サイドフレーム257には、上記の回動規制部材271に当接して、ヘッドユニット91の基準位置から±60°の位置で、吊設部材242の回動を停止させる回動止め272(ストッパ)が固定されている。したがって、ヘッド回動機構231は、ヘッドホルダ103(機能液滴吐出ヘッド101)を、ノズル列134の列方向とY軸方向とが−15°から+105°までの角度を為す範囲で回動させることができる。そして、上記の回動用ロータリエンコーダにより、ノズル列134の列方向とY軸方向とが為す角度を、その範囲内で自由に制御できるようになっている。
【0074】
また、ヘッドプレート102(吊設部材242)を所定のヘッド基準位置から±60°の範囲で回動させるために、ヘッド回動機構には、吊設部材242の正逆回動端位置を検出するための(一対の)回動端検出センサ291と回動のセンター位置(すなわちヘッド基準位置)を検出するセンター位置検出センサ292と、が配設されており、上記した回動用ロータリエンコーダと回動端検出センサ291およびセンター位置検出センサ292に基づいてヘッド回動モータ243を制御するようになっている。回動端検出センサ291およびセンター位置検出センサ292は、下フレーム253の上面に固定された3個のフォトセンサ293から構成されている。各フォトセンサ293は、透過型のフォトインタラプタで構成されている。
【0075】
また、吊設部材242の側面には、下フレーム253に固定されたフォトセンサ293の高さに対応して、リング状の支持リング294が固定されている。そして、支持リング294には、フォトセンサ293の検出光を遮断するための遮光部材295が固定されている。遮光部材295は、支持リング294よりも一回り大きく、かつリング状の遮光材を、吊設部材242の回動範囲(すなわち120°)に対応させて(円弧状に)形成されている。支持リング294には、遮光部材295を固定するためのねじ穴(図示省略)が2個形成されている。そして、遮光部材295には、支持リング294のねじ穴に対応して、2個の長孔296が形成されており、支持リング294に対して遮光部材295の取付け位置を調整可能となっている。
【0076】
回動端検出センサ291およびセンター位置検出センサ292を構成する3個のフォトセンサ293は、吊設部材242の回動に伴い移動する遮光部材295の軌跡に対応して、遮光部材295の移動範囲に均等に配設されている。そして、吊設部材242が回動すると、遮光部材295が各センサの検出光を遮光または透過するようになっており、回動端検出センサ291およびセンター位置検出センサ292は、3個のフォトセンサ293の検出結果の組合せから、ヘッド基準位置0°(センター)と、±60°(両端位置)の3つの角度状態を検出できるようになっている。
【0077】
ヘッド昇降機構232は、ヘッドホルダ103を支持するヘッド回動機構231を介して、ヘッドホルダ103(ヘッドプレート102)を昇降させるものであり、ワークWと機能液滴吐出ヘッド101のノズル面とのギャップ調整を行う場合や、後述するメンテナンス手段32の各ユニットに対応させて、機能液滴吐出ヘッド101(のノズル面133)を適切な所定の高さ位置に調節するためのものである。
【0078】
図11および図12に示すように、ヘッド昇降機構232は、上記のメインキャリッジ93に取り付けられており、メインキャリッジ93の正面に突設されるヘッド回動機構231を支持する左右一対の支持ブロック301と、ヘッド昇降ボールねじ302と、ヘッド昇降ボールねじ302を正逆回転させるヘッド昇降モータ303(サーボモータ)と、ヘッド昇降ボールねじ302に螺合し、左右一対の支持ブロック301を上下方向にスライド自在に支持する昇降ブロック304と、支持ブロック301の移動を案内する左右一対のヘッド昇降ガイド305と、を有している。
【0079】
そして、ヘッド昇降モータ303が正逆回転すると、昇降ブロック304を介して支持ブロック301が昇降し、ヘッドホルダ103(ヘッドプレート102に搭載した機能液滴吐出ヘッド101)が上下方向に移動するようになっている。各支持ブロック301には、ヘッド回動機構231の背面支持フレーム251の片側に形成された位置決め凸部252に係合する凹部311と、背面支持フレーム251に形成されたねじ穴(図示省略)に対応する2個のねじ穴312と、が形成されている。ヘッド昇降機構232は、断面略「コ」字状のメインキャリッジ93に組み込まれており、ヘッド昇降ボールねじ302および一対のヘッド昇降ガイド305は、メインキャリッジ93の正面に突設されている。
【0080】
なお、ヘッドプレート102には、基準となる所定のヘッド高さ位置が決められており、ヘッド高さ位置を基準として、ヘッドプレート102の上限位置および下限位置が予め設定されている。そして、メインキャリッジ93には、支持ブロック301の位置に基づいて、ヘッドプレート102の昇降限界を検出するための昇降位置検出センサ321が配設されている。昇降位置検出センサ321は、ヘッドプレート102のヘッド高さ位置を検出する基準位置検出センサ322と、ヘッドプレート102の上限位置を検出する上限検出センサ323と、ヘッドプレート102の下限位置を検出する下限検出センサ324と、を有している。また、ヘッド昇降モータ303の出力軸には、ヘッド昇降モータ303の回転量からヘッドプレート102の昇降量を検出する昇降用ロータリエンコーダ(図示省略)が固定されており、ヘッド昇降モータ303は、昇降位置検出センサ321および昇降用ロータリエンコーダに基づいて制御されるようになっている。
【0081】
メインキャリッジ93には、ヘッド回動機構231の他、ヘッドバランス機構331が取り付けられている。ヘッドバランス機構331は、ヘッド回動機構231を介してヘッドユニット91に引上げ力を作用させることにより、停電時等装置の非常停止時に、ヘッドユニット91が自身の重みで下がることを防止するためのものである。図11および図12に示すように、ヘッドバランス機構331は、メインキャリッジ93に固定したキャリッジ側フック332に一端を固定され、他端をヘッド回動機構231に固定したヘッド側フック333に固定された3本の引張りばね334を有している。また、ヘッドバランス機構331により、ヘッド回動機構231およびヘッドユニット91を上昇させるときのヘッド昇降モータ303にかかる負荷を軽減させることができるため、ヘッド昇降モータ303を比較的小型のもので構成することが可能となる。
【0082】
X・Y移動機構94は、いわゆるX・Yロボットであり、ワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル341と、メインキャリッジ93を介して、ヘッドユニット91をY軸方向(副走査方向)に移動させるY軸テーブル342と、を有している。X・Y移動機構94は、上記した石定盤51の高い部分に載置されており、ワークWの平坦度を維持すると共に、ヘッドユニット91を正確に移動させることができるようになっている。
【0083】
図1および図2に示すように、X軸テーブル341は、石定盤51のX軸方向に延在し、石定盤51上に直接設置されている。そして、X軸テーブル341はX軸ボックス343内に収容されている。X軸テーブル341は、ワークWをセットするためのセットテーブル351と、セットテーブル351を支持するθテーブル353と、θテーブル353をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ354と、θテーブル353およびセットテーブル351を介して、ワークWをX軸方向に移動させるX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸エアースライダ354に併設したX軸リニアスケール(図示省略)と、を備えている。X軸リニアモータ、X軸エアースライダ354、X軸リニアスケールは、X軸に対して平行に配設されている。なお、θテーブル353には、上記したヘッド認識カメラ38が固定されており、セットテーブル351に対して、ヘッドユニット91の位置を補正可能となっている。
【0084】
セットテーブル351の中心部には、ワークWをエアー吸引により吸着セットするための吸引溝352が形成されている。セットテーブル351には、上記したエアー吸引手段37のエアー吸引チューブ(図示省略)が接続されている。そして、上記した吸引用スイッチ40をONにすると、エアー吸引手段37が駆動してエアー吸引がなされ、セットされたワークWの平坦度を維持できるようになっている。X軸テーブル341では、X軸リニアモータの駆動により、θテーブル353とワークWを吸着セットしたセットテーブル351とが、X軸エアースライダ354を案内にしてX軸方向に移動する。
【0085】
図1ないし図3に示すように、Y軸テーブル342は、石定盤51に立設されたスタンド付のY軸フレーム344に載置されており、X軸テーブル341を跨ぎ、X軸テーブル341に直交して延在している。Y軸テーブル342は、ヘッドユニット91を搭載したメインキャリッジ93を正面に取り付ける取付けブロック361と、Y軸フレーム344にスライド自在に支持され、取付けブロック361を支持するY軸エアースライダ362と、Y軸エアースライダ362を介して、メインキャリッジ93をY軸方向に移動させるY軸リニアモータ(図示省略)と、Y軸エアースライダ362に併設したY軸リニアスケール(図示省略)と、を有している。なお、取付けブロック361とY軸エアースライダ362とを一体に形成することも可能である。
【0086】
なお、メインキャリッジ93には、取付けブロック361への取付け姿勢を調整するための上下一対の調整ねじ327を有する姿勢調整機構326が設けられており、ヘッド昇降機構232のボールねじ302が垂直に支持されると共に、ヘッドユニット91に搭載された機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133が水平になるように、メインキャリッジ93を取付けブロック361に固定できるようになっている(図11および図12参照)。
【0087】
また、Y軸フレーム344には、Y軸エアースライダ362の他に、エアースライダ366がスライド自在に支持されており、エアースライダ366には、上記したワーク認識カメラ39および描画観察カメラ46が固定されている。そして、エアースライダ366とY軸エアースライダ362は、独立して移動可能に構成されており、Y軸リニアモータの駆動により、ワーク認識カメラ39および描画観察カメラ46は、キャリッジとは独立にY軸方向へ移動するようになっている。なお、ワーク認識カメラ39は、ワークWの位置補正に用いられ、描画観察カメラ46は、吐出処理されたワークWに、機能液が適切に塗布されているか否かの観察にも用いられる。
【0088】
ここで、吐出手段31の一連の動作について簡単に説明する。まず、機能液を吐出する前の準備として、ワークWにワーク認識カメラ39を臨ませ、セットテーブル351にセットされたワークWの位置補正を行うと共に、ヘッド認識カメラ38およびヘッドユニット91を移動させて、ヘッド認識カメラ38にヘッドユニット91を臨ませ、ヘッド認識カメラ38により、ヘッドユニット91の位置補正を行う。また、距離検出センサ262により機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133からワークWまでの距離を測定し、ワークギャップが所定の描画高さとなるように、ヘッド昇降機構232によりヘッドユニット91の高さ調整を行う。
【0089】
次に、ヘッド回動機構231により、ヘッドユニット91を回動させて、ノズル列134の列方向がY軸方向に対して平行になるように機能液滴吐出ヘッド101の向きを調整する。ただし、この機能液滴吐出ヘッド101の向きは、ワークWに対して機能液の充分な塗布密度を確保する場合には、水平面内においてノズル列134の列方向がY軸方向に対して所定角度傾くように調整してもよい。
【0090】
続いて、X・Y移動機構94(X軸テーブル341)が、ワークWを主走査(X軸)方向に往動させる。ワークWの往動と同期して、機能液滴吐出ヘッド101が選択的に駆動され、ワークWに対する機能液の選択的な吐出動作が行われる。ワークWが一往動すると、X・Y移動機構94(Y軸テーブル342)は、ヘッドユニット91を副走査(Y軸)方向に移動させる。そして、X・Y移動機構94により、ワークWを復動させると共に、これと同期して機能液滴吐出ヘッド101の選択的な駆動を行う。ワークWの一復動が終了すると、X・Y移動機構94により、ヘッドユニット91を副走査させる。そして、ワークWの主走査方向へ往復動と機能液滴吐出ヘッド101の駆動と、を繰り返すことにより吐出手段31は、ワークWに対する機能液の吐出処理を行っている。なお、当然のことながら、ヘッドユニット91の描画高さは、ワークWの厚みや種類などを考慮して、常にセットテーブル351の上面よりも高い位置に設定される。
【0091】
次に、液体供給回収手段33について説明する。液体供給回収手段33は、ヘッドユニット91(各機能液滴吐出ヘッド101)に機能液を供給する機能液供給系371と、メンテナンス手段32の吸引ユニット462で吸引した機能液および吸引ユニット462に吐出された機能液を回収する機能液回収系373と、ワイピングユニット463に機能材料の溶剤を洗浄用として供給する洗浄液供給系374と、で構成されている。
【0092】
図2および図3に示すように、機能液供給系371は、機能液を貯留する機能液パック(図示省略)と、これを支持する機能液スタンド381と、機能液パックと各機能液滴吐出ヘッド101とを接続する給液チューブ382を有し、機能液パック内の機能液を各機能液滴吐出ヘッド101に供給している。機能液パックおよび機能液スタンド381は、上記した小型の機台42に配設された収容ボックス24内に収容されており、機能液パックの交換時に、大型の機台41に搭載された各手段を収容するチャンバ装置12内の雰囲気を破壊しないようになっている。
【0093】
図示省略したが、機能液パックは、機能液を貯留し、アルミ蒸着フィルム等で構成した袋状のパック本体と、パック本体の一端に取り付けられ、パック本体内の機能液の供給口となる機能液供給口部材と、を備えている。なお、機能液パックは密閉されており、パック内の機能液が外部エアーの影響を受けることはない。また、機能液パックの他に、カートリッジ形式のものやタンク形式のものを用いることも可能である。
【0094】
図13に示すように、機能液スタンド381は、機能液パックを載置する載置部材391と、載置部材391を支持する昇降プレート392と、昇降プレート392を介して機能液パックを上下させる昇降機構393と、を備えている。機能液スタンド381は、3個の載置部材391を有しており、昇降プレート392には、3個の載置部材391が横並びに配設されている。そして、液滴吐出装置11を発光素子の形成に用いる場合には、R・G・Bに対応する機能液を貯留する3種類の機能液パックを各載置部材391にそれぞれ載置するようになっている。また、昇降プレート392には、所定の基準位置が定められており、昇降機構393は、基準位置から所定の範囲内で昇降プレート392を昇降させるようになっている。
【0095】
各載置部材391は、機能液パックを載置する載置プレート401と、載置プレート401を支持するプレート支持部材402と、を有している。プレート支持部材402は、載置プレート401の高さを調整可能なプレート昇降機構403を有しており、昇降プレート392が基準位置に位置するときに、ヘッドユニット91に搭載された機能液滴吐出ヘッド101と機能液パックとの水頭差が予め規定された値となるように、各載置プレート401の高さを調整するようになっている。プレート昇降機構403は、載置プレート401を上下に移動させるラック・ピニオン406と、ピニオン(図示省略)に固定されたプレート高調整ねじ407と、を有しており、プレート高調整ねじ407を回転させると、ピニオンがラック408上を相対的に移動して、載置プレート401が上下に移動するようになっている。
【0096】
昇降機構393は、ベース411に立設され、昇降プレート392を上下方向にスライド自在に支持している。昇降機構393は、昇降プレート392を上下方向に移動可能なスライド部材412と、スライド部材412の移動を案内する昇降ガイド413と、スライド部材412を上下に移動させるための昇降モータ414と、昇降モータ414の駆動により正逆回転する昇降ボールねじ(図示省略)と、昇降ボールねじを正逆回転させると、昇降ボールねじに螺合すると共に、スライド部材412を支持する昇降部材415と、を備えている。
【0097】
スライド部材412は、「L」字状に折り曲げられており、昇降プレート392に固定する固定部421と、上下方向にスライド移動可能なスライド部422と、を有している。スライド部422には、遮光板を「L」字に折り曲げた小片423が固定されている。昇降ガイド413は、スライド部422と当接し、スライド部422の移動をガイドする。昇降部材415は、スライド部材412の固定部421に固定されている。昇降モータ414が駆動すると、スライド部材412が昇降ガイド413にガイドされながら昇降し、昇降プレート392を安定的に上下に移動させるようになっている。
【0098】
上述したように、昇降機構393は、基準位置にある昇降プレート392を所定の範囲内で上下させるようになっており、昇降機構393に併設されたプレート位置検出センサ431に基づいて、昇降モータ414のパルス制御を行うことにより、所定の範囲内で昇降プレート392を上下させることができるようになっている。プレート位置検出センサ431は、昇降プレート392の上限位置および下限位置を検出するものであり、発光素子および受光素子を有するフォトセンサ(透過型のフォトインタラプタ)で構成されている。そして、スライド部材412に固定された小片423で発光素子の光を遮断させることにより、昇降プレート392の位置を検出できるようになっている。
【0099】
プレート位置検出センサ431は、昇降プレート392の基準位置を検出するプレート基準検出センサ432、昇降プレート392の上限位置を検出するプレート上限センサ433、および昇降プレート392の下限位置を検出するプレート下限センサ434と、を有している。プレート基準検出センサ432は、昇降プレート392の基準位置おける小片423の位置に対応して配設されており、昇降プレート392が基準位置に達すると、小片423がプレート基準検出センサ432の受光素子と発光素子との間に位置するようになっている。これと同様に、プレート上限センサ433、およびプレート下限センサ434は、昇降プレート392の上限位置おける小片423の位置、および昇降プレート392の下限位置おける小片423の位置に対応させて、それぞれ配設されている。
【0100】
機能液回収系373は、後述する吸引ユニット462のキャップ501を介して吸引した機能液および定期フラッシングでキャップ501に吐出された機能液を回収するためのものであり、機能液を貯留する再利用タンク443と、吸引ポンプ(図示省略)に接続され、吸引した機能液を再利用タンク443へ導く回収用チューブ(図示省略)と、を備えている。そして、キャップ501に排出された機能液は、吸引ポンプにより、再利用タンク443に導かれるようになっている。なお、本実施形態では、3個の再利用タンク443が設けられており、R、G、およびB色の機能液を個別に回収できるようになっている(図1参照)。
【0101】
洗浄液供給系374は、後述するワイピングユニット463のワイピングシート647に滴下する洗浄液を滴下ノズル665に供給するためのもので、洗浄液を貯留する洗浄液タンク444と、洗浄液タンク444と滴下ノズル665を接続する洗浄液供給チューブ446と、を有している。図17に示すように、洗浄液タンク444は、エアー供給手段34に接続されており、エアー供給手段34から洗浄液タンク444に圧縮エアーを導入することにより、洗浄液タンク444から洗浄液が加圧送液されるようになっている。なお、8個の滴下ノズル665に接続された各洗浄液供給チューブ446は、洗浄液タンク444に接続する1本の洗浄液供給チューブ446を(7個の)2分岐継手447によって分岐していったものである。洗浄液供給チューブ446は、均等に分岐されており、分岐された各洗浄液供給チューブ446内における洗浄液の圧力損失は略均一となっているため、各滴下ノズル665に供給される洗浄液の液量をほぼ一定にすることが可能である。また、洗浄液には、比較的揮発性の高い機能液の溶剤が用いられており、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133に付着する機能液を効率的に除去できるようになっている。
【0102】
なお、図1に示したように、小型の機台42の機台本体81には、引き出し形式の防液パン375が収容されており、機能液回収系373の再利用タンク443、および洗浄液供給系374の洗浄液タンク444は、防液パン375上に設置されている。
【0103】
次に、エアー供給手段34について説明する。エアー供給手段34は、ドライエアーを圧縮した圧縮エアーを各部に供給するためものである。エアー供給手段34は、大型の機台41に載置された各手段に圧縮エアーを供給する第1エアー供給ユニット(図示省略)と、小型の機台42に載置された収容ボックス24のエアー導入口(図示省略)に接続され、収容ボックス24に圧縮エアーを供給する第2エアー供給ユニット36(図2参照)と、を備えている。図示省略したが、第1エアー供給ユニットおよび第2エアー供給ユニット36には、ドライエアーを圧縮するエアーポンプ(コンプレッサー)と、エアーポンプからの圧縮エアーを供給先に応じて一定圧力に保つレギュレータと、エアーポンプと各部とを配管接続して、圧縮エアーを各部に供給するエアー供給チューブと、がそれぞれ備えられている。
【0104】
図1ないし図3に示すように、エアー吸引手段37は、エアー吸引を行う真空ポンプ451と、真空ポンプ451と、セットテーブル351の吸引溝352と真空ポンプ451とを接続するためのエアー吸引チューブ(図示省略)と、を備えている。
【0105】
次に、メンテナンス手段32について説明する。メンテナンス手段32は、機能液滴吐出ヘッド101の保守を行うと共に、機能液滴吐出ヘッド101から適切に機能液が吐出されているか否かの検査を行い、機能液滴吐出ヘッド101による機能液の吐出を安定させるためのものである。
【0106】
図1および図2に示すようにメンテナンス手段32は、機能液滴吐出ヘッド101から予備吐出された機能液を受けるためのフラッシングユニット461と、機能液滴吐出ヘッド101の吸引を行う吸引ユニット462と、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133に付着する汚れを払拭するためのワイピングユニット463と、機能液滴吐出ヘッド101から吐出される機能液の吐出状態を検査するための吐出検査ユニット464(撮像手段)と、機能液滴吐出ヘッド101から吐出された機能液の重量を測定する重量測定ユニット465と、を備えており、これら各ユニットは、セットテーブル351の周囲に集約的に配設されている。
【0107】
吸引ユニット462、ワイピングユニット463、および重量測定ユニット465は、Y軸方向に移動するヘッドユニット91の移動軌跡(移動軸)上に配設されており、Y軸テーブル342によるヘッドユニット91の移動を利用して、ヘッドユニット91に臨み、保守に供するようになっている。また、上記した石定盤51の低い位置には、共通支持フレーム466および移動テーブル467が横並びに設置されており、共通支持フレーム466上には、吸引ユニット462および吐出検査ユニット464が、移動テーブル467上にはワイピングユニット463がそれぞれ支持されている。
【0108】
図20および図21に示すように、共通支持フレーム466は、平面視略長方形のベース部471と、ベース部471の端に立設したスタンド部472と、を有しており、吸引ユニット462はスタンド部472に配設され、吐出検査ユニット464はベース部471に配設されている。なお、共通支持フレーム466は、ベース部471の長手方向がX軸と平行になるように配設されている。
【0109】
図16および図17に示すように、移動テーブル467は、X軸と平行に配設されており、ワイピングユニット463を支持するX軸方向にスライド自在の移動スライダ481と、移動スライダ481を水平移動させる移動エアーシリンダ482と、移動スライダ481をスライド自在に支持すると共に移動スライダ481の移動をガイドする移動ガイド483と、を有している。移動エアーシリンダ482のピストンロッド486の先端には、断面「L」字状の固定片487が取り付けられており、移動エアーシリンダ482は、固定片487を介して移動スライダ481に固定されている。移動テーブル467は、上記したヘッドプレート102をヘッドホルダ103から取り外すときに用いられ、ヘッドユニット91の移動軌跡上に位置するワイピングユニット463を、ヘッドユニット91の移動軌跡上から逃がすようになっている。
【0110】
フラッシングユニット461は、フラッシングの機能液を受けるためのものである。フラッシングとは、機能液滴吐出ヘッド101の吐出ノズル135から機能液を予備吐出(捨て打ち)することにより、吐出ノズル135のノズル詰まりを防止すると共に、吐出ノズル135に新鮮な機能液を導入するためのものである。フラッシングには、ワークWに対して機能液を吐出させる直前に行う吐出前フラッシングと、ワークWの交換時のように、ワークWに対する機能液の吐出が一時的に休止されるときに定期的に行われる定期フラッシングとがあり、フラッシングユニット461は、吐出前フラッシングの機能液を受けるものである。なお、詳細は後述するが、定期フラッシングの機能液は、吸引ユニット462で受けるようになっている。
【0111】
図1に示すように、フラッシングユニット461は、機能液を受ける一対のフラッシングボックス491と、一対のフラッシングボックス491をその両端部に固定したスライダ(図示省略)と、を備えている。各フラッシングボックス491には、機能液を吸収させる吸収材(図示省略)が敷設されている。また、各フラッシングボックス491の底面中央部には、機能液を排出するための排出口(図示省略)が形成されている。スライダ493は、X軸テーブル341のθテーブル353に固定されており、一対のフラッシングボックス491は、θテーブル353およびセットテーブル351を挟んでいる。
【0112】
すなわち、主走査におけるθテーブル353(ワークW)の移動に同期して、一対のフラッシングボックス491も、ヘッドユニット91へ向かってX軸方向に移動していくので、ワークWと共に、ヘッドユニット91に臨む構成となっている。したがって、機能液滴吐出ヘッド101は、ワークWに対して機能液を吐出させる直前に、順次フラッシングボックス491に臨んで、吐出ノズル135から機能液を順次予備吐出させることができるようになっている。
【0113】
吸引ユニット462は、機能液滴吐出ヘッド101を吸引することにより、機能液滴吐出ヘッド101の吐出ノズル135から機能液を強制的に排出させるものであり、例えば、新たにヘッドユニット91に機能液滴吐出ヘッド101を投入した場合のように機能液の充填を行う場合や、機能液滴吐出ヘッド101内で増粘した機能液を除去するための吸引(クリーニング)を行う場合に吸引ユニット462は用いられる。また、吸引ユニット462は、定期フラッシング時や、吐出検査ユニット464による飛行観測時において、機能液を受ける機能液受けとしても用いられる。
【0114】
図14および図15に示すように、吸引ユニット462は、ヘッドユニット91に搭載された機能液滴吐出ヘッド101に密着させる3個のキャップ501と、3個のキャップ501を支持するトレー状のキャップベース502と、キャップ501を介して機能液滴吐出ヘッド101の吸引を行う吸引ポンプ(図示省略)と、キャップベース502を支持するキャップスタンド503と、を備えている。また、図1に示すように、吸引ユニット462は、Y軸方向を移動するヘッドユニット91に臨むように、Y軸方向に移動するヘッドユニット91の移動軌跡上に配設されている。そして、ヘッドユニット91が吸引ユニット462に臨んだときに、上記したヘッド昇降機構232を駆動してヘッドユニット91を下降させることにより、機能液滴吐出ヘッド101をキャップ501に密着させることができるようになっている。
【0115】
各キャップ501は、キャップ本体511とキャップ本体511を支持するキャップホルダ512とで構成されている。キャップ本体511の上面には、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133を包含する凹部521が形成され、凹部521の周縁部には、ノズル面133に形成された吐出ノズル135を包含するようにシールパッキン522が取り付けられている。凹部521の底部には、小孔523が形成されている。この小孔523は、吸引用の接続チューブ(図示省略)を介して吸引ポンプに接続されるL字継手524と連通している。また、凹部521には、吸収材525が敷設されており、吸収材525は押え枠526によって押し付けられている。
【0116】
キャップホルダ512は、平面視略長方形であり、キャップホルダ512の長手方向に対し、その上面が僅かに傾斜した形状となっている。そして、キャップ本体511は、上方(キャップホルダ512)に付勢され、かつ僅かに上下動可能な状態でキャップホルダ512に保持されている。したがって、ヘッド昇降機構232を駆動して、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133をキャップ501に押し付けることにより、ノズル面133にならってシールパッキン522を密着させることができ、ノズル面133を確実に封止できるようになっている。
【0117】
キャップベース502には、ヘッドユニット91の(3個の)機能液滴吐出ヘッド101の配置に対応させて、キャップ501を取り付けるための取付け開口(図示省略)が形成されている。そして、キャップ501の下部を取付け開口に挿入して、キャップベース502にキャップホルダ512をねじ止めすることにより、ヘッドユニット91の機能液滴吐出ヘッド101の配置に対応させてキャップ501を固定できるようになっている。キャップスタンド503は、共通支持フレーム466のスタンド部472に立設されている。なお、キャップスタンド503には、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133の高さ位置を検出するノズル面検出センサ504が固定されている。
【0118】
上述したが、吸引ユニット462は、機能液滴吐出ヘッド101の吸引の他に、定期フラッシング時の機能液受けとして用いられている。この場合、ヘッドユニット91は、ヘッド昇降機構232により、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133とキャップ501との間に間隙が生じる所定のフラッシング位置まで下降するようになっており、機能液滴吐出ヘッド101はこのフラッシング位置からキャップ501に対してフラッシングを行う。そこで、キャップホルダ512の上面部には、機能液を受けるための機能液受け505が形成されている。また、キャップベース502はトレー状に形成されており、キャップホルダ512の機能液受け505からはみ出した機能液が飛び散らないようになっている。さらに、キャップスタンド503には、キャップベース502からはみ出した機能液を受ける廃液パン506が、キャップベース502に臨んで配設されている(図20および図21参照)。
【0119】
ワイピングユニット463は、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133を、洗浄液を染み込ませたワイピングシート647で拭き取るものである。図16および図17に示すように、ワイピングユニット463は、上述した移動テーブル467上に配設され、X軸方向に移動可能に構成されている。ワイピングユニット463は、支持フレーム641と、ワイピングシート647を繰り出しながら巻き取っていく巻取りユニット642と、繰り出されたワイピングシート647でノズル面133を拭き取るための拭き取りユニット643と、を有している。
【0120】
支持フレーム641は、「L」字状に折り曲げられ、移動スライダ481に固定された一対の鉛直プレート644と、一対の鉛直プレート644の上部に掛け渡した水平プレート645と、を有している。一対の鉛直プレート644には、巻取りユニット642が両持ち支持されており、水平プレート645上には、拭き取りユニット643が配設されている。
【0121】
巻取りユニット642は、ロール状のワイピングシート647を装填し、ワイピングシート647を繰り出す上側の繰出しリール651と、繰り出されたワイピングシート647を巻き取る下側の巻取りリール652と、巻取りリール652を回転させると共に、巻取りリール652の回転を介して繰出しリール651を回転させる巻取りモータ653と、を備えている。繰出しリール651および巻取りリール652は、鉛直プレート644により、回転自在に支持されている。繰出しリール651には、トルクリミッタ655等の制動機構が組み込まれており、繰り出されたワイピングシート647に一定の張力を付与できるようになっている。巻取りリール652および巻取りモータ653との間には、タイミングベルト656が掛け渡されており、巻取りモータ653が回転することにより、タイミングベルト656を介して巻取りリール652が回転し、ワイピングシート647を繰り出すと共に、これを順次巻き取るようになっている。
【0122】
拭き取りユニット643は、水平プレート645上に固定された一対のサブスタンド661と、サブスタンド661に支持され、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133にワイピングシート647を当接させる拭き取りローラ662と、サブスタンド661に支持され、繰出しリール651から繰り出されたワイピングシート647を拭き取りローラ662に送るガイドローラ663および中間ローラ664と、繰り出されたワイピングシート647に洗浄液を滴下する複数(8個)の滴下ノズル665と、を備えている。なお、移動テーブル467の移動スライダ481には、一対の鉛直プレート644に挟まれて洗浄液パン646が固定されており、ワイピングユニット463からはみ出した洗浄液で装置内が汚れないようになっている。
【0123】
拭き取りローラ662は、一対のサブスタンド661に回転自在かつ両持ちで、水平に支持されている。そして、拭き取りローラ662は、ワイピングシート647を当接させる機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133がサブスタンド661に衝突しないように、サブスタンド661からその上端がはみ出すように支持されている。また、拭き取りローラ662は、ローラ高調整ねじ667を有するローラ高調整機構を介して、サブスタンド661に支持されており、ローラ高調整ねじ667により、拭き取りローラ662のローラ高さおよび平行度を微調整できるようになっている。なお、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133の損傷を防止するため、拭き取りローラ662は、柔軟性と弾力性を有するゴム等で構成することが好ましい。
【0124】
中間ローラ664は、ワイピングシート647を挟んで対峙する上下2つのローラからなるグリップローラで構成されており、サブスタンド661に回転自在かつ両持ちで、水平に支持されている。中間ローラ664の下側のローラには、ローラの回転速度を検出する速度検出器668が固定されている。速度検出器668による検出結果に基づいてワイピングシート647の送り速度を検出できるようになっており、ワイピングシート647が所定の速度で送られるよう、巻取りモータ653は、速度検出器668の検出結果に基づいて制御されている。
【0125】
滴下ノズル665は、後述する液体供給回収手段33の洗浄液タンク444に接続されており、ワイピングシート647に洗浄液を滴下するものである。滴下ノズルは、サブスタンド661に水平支持されたノズル支持部材669に支持されている。ノズル支持部材669は、ワイピングシート647の送り方向における、中間ローラ664と拭き取りローラ662との間に固定されている。そして、複数の滴下ノズル665は、ワイピングシート647の幅方向に対して均一に洗浄液を滴下できるように、ワイピングシート647の幅に合わせて横並びに等間隔で支持されている。
【0126】
図17に示すように、ワイピングユニット463に装填されたワイピングシート647は、繰出しリール651から繰り出され、ガイドローラ663、中間ローラ664、拭き取りローラ662を周回して、巻取りリール652に巻き取られるようになっている。
【0127】
ここで、本実施形態の液滴吐出装置11における一連のワイピング動作について説明する。まず、X・Y移動機構94のY軸テーブル342を駆動して、ヘッドユニット91をワイピングユニット463に臨ませる。次に、滴下ノズル665からワイピングシート647に洗浄液を滴下させ、ワイピングシート647に洗浄液を含浸させる。洗浄液の滴下を続けながら、巻取りモータ653を駆動して、ワイピングシート647の洗浄液を含浸した部分を拭き取りローラ662に送っていく。さらに、洗浄液の滴下とワイピングシート647の送りを続けながら、上記したヘッド昇降機構232を駆動してヘッドユニット91を下降させ、洗浄液を含浸したワイピングシート647を介して、拭き取りローラ662が機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133に適切に押し当てられた状態とする。そして、この状態のまま、再びヘッドユニット91をX・Y平面(ノズル面133に平行な面)内でY軸方向へ移動させていき、ワイピングシート647で機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133を拭き取っていく。そして、ワイピング動作が完了すると、洗浄液の滴下およびワイピングシート647の送りが停止される。
【0128】
重量測定ユニット465は、機能液滴吐出ヘッド101から吐出された機能液滴の重量を測定することにより、機能液滴吐出ヘッド101の吐出不良を検出するためのものである。図18および図19に示すように、重量測定ユニット465は、機能液滴の重量を測定する電子天秤591と、電子天秤591を収容する略直方体の天秤収容ボックス592と、天秤収容ボックス592を支持する天秤スタンド593と、を備えている。
【0129】
電子天秤591は、機能液滴吐出ヘッド101から吐出された機能液滴を受ける受け皿601と、受け皿601を支持する支持部(図示省略)と、支持部を支持すると共に、受け皿601に吐出された機能液滴の重量を測定する測定部(図示省略)と、を有している。受け皿601は、平面視方形状であり、ヘッドユニット91に搭載された3個の機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133が十分に収まるよう、大きめに形成されている。受け皿601の上面は、機能液を吸着するスポンジ状の吸着シートが敷設されており、吐出された機能液を確実に受け皿601上に捕捉できるようになっている。
【0130】
天秤収容ボックス592は、内部に電子天秤591を収容し、電子天秤591の測定結果に対する気流の影響を防止するためのものである。天秤収容ボックス592の上面611には、受け皿601の大きさに対応して、方形の開口部612が突出して形成されており、開口部612に受け皿601が位置するようになっている。図19に示すように、天秤収容ボックス592は平面視長方形であり、天秤収容ボックス592には、開口部612を覆うと共に、天秤収容ボックス592の長手方向に対してスライド自在のカバー613が配設されている。そして、天秤収容ボックス592には、カバー613を移動させるカバー移動機構614が設けられており、機能液滴吐出ヘッド101から吐出された機能液滴を受け皿601に受けるときのみ、カバー613が移動して、受け皿601の上面が露出するようになっている。
【0131】
カバー移動機構614は、カバー613をスライド自在に支持するスライダ621と、スライダを移動させるためのエアーシリンダ622(復動シリンダ)と、天秤収容ボックス592の側面に固定され、スライダの移動を案内するスライダガイド(図示省略)と、を有している。スライダには、取付け片623が固定されており、取付け片623にエアーシリンダ622のピストンロッド624が固定されている。そして、エアーシリンダ622にエアーを供給すると、ピストンロッド624が往動することによりカバー613が開き、ピストンロッド624が復動することによりカバー613が閉じるようになっている。なお、エアーシリンダ622は、エアー供給手段34からエアー供給を受けるようになっている。
【0132】
天秤スタンド593は、ベースプレート631と、ベースプレート631に立設した4本の支柱部材632と、を有しており、4本の支柱部材632上に電子天秤591を収容した天秤収容ボックス592が固定されている。ベースプレート631は、電子天秤591の受け皿601がヘッドユニット91の移動軌跡上に位置するよう、上記した石定盤51の高い位置に設置される。支柱部材632は、電子天秤591の高さおよび平行度を調節可能な調節脚となっている。
【0133】
重量測定ユニット465の一連の動作について説明する。受け皿601に機能液滴吐出ヘッド101が臨むよう、ヘッドユニット91を重量測定ユニット465まで移動させた後、ヘッドユニット91を所定の重量測定高さまで下降させる。このとき、電子天秤591のゼロ点調整を行う。そして、カバー移動機構614を駆動してカバー613を開き、機能液滴吐出ヘッド101から機能液を受け皿601に(数百ショット)吐出させる。機能液の吐出が終了すると、ヘッドユニット91を上昇させると共に、カバー613を閉じ、受け皿601に吐出された機能液の重量を測定する。なお、機能液滴の重量測定方法は、任意に設定可能であり、機能液滴吐出ヘッド101単位で行うことも可能であるし、ノズル列毎に行うことも可能である。また、3個分の機能液滴吐出ヘッド101から吐出された機能液滴を同時に測定し、異常が検出されたときのみ各機能液滴吐出ヘッド101について測定を行うようにしてもよい。
【0134】
吐出検査ユニット464は、機能液滴吐出ヘッド101から実際に吐出された飛行中の機能液滴を撮像することにより、機能液滴吐出ヘッド101から機能液が適切に吐出されているか否かを検査するものである。図20および図21に示すように、吐出検査ユニット464は、飛行中の機能液滴を側方から撮像する撮像ユニット531と、撮像する機能液滴に光を照射する照明ユニット532と、撮像ユニット531および照明ユニット532を一体として移動させるカメラ移動機構533(撮像系移動機構)と、を備えている。なお、上述したように、吐出検査のために吐出された機能液の機能液受けは吸引ユニット462が兼ねている。
【0135】
撮像ユニット531は、機能液滴を撮像するCCDカメラ541(撮像カメラ)と、CCDカメラ541を支持するカメラスタンド542と、を備えている。CCDカメラ541は、その光軸L(撮像方向)がX軸方向と平行になるようにカメラスタンド542に支持されており、撮像用の対物レンズ551や、対物レンズにより結像した機能液滴の画像を電気信号に変換するCCD撮像素子552などを有している。なお、CCDカメラ541は、吐出検査のための機能液滴吐出ヘッド101の駆動と同期しており、飛行中の機能液滴を的確に撮像できるようになっている。カメラスタンド542には、CCDカメラ541(対物レンズ)の前後(X軸)方向の角度を微調整するためのカメラ角度調整機構561や、CCDカメラ541の高さを微調整するためのカメラ高さ調整機構562が組み込まれている。
【0136】
また、CCDカメラ541は、撮像倍率(視野)を変えるためのカメラズーム553を有しており、カメラズーム553用のズームモータ554を具備している。したがって、CCDカメラ541の焦点距離を変更することなく、撮り込まれる機能液滴の画像の大きさを拡大縮小させることができる。したがって、例えば、1つの吐出ノズル135から吐出された機能液滴の飛行状態を詳細に検出する場合には、CCDカメラ541の撮像倍率を上げることにより、CCDカメラ541と撮像対象となるノズル列134との距離を変更することなく、ズームアップされた機能液滴の画像を取り込むことができる(図23参照)。
【0137】
照明ユニット532は、撮像の光源となるストロボ581と、ストロボ581から照射される照射光の光量を調節するための透光板582と、X軸方向に延在し、ストロボ581を支持するアーム部材583と、アーム部材583を固定する照明スタンド585と、を有している。ストロボ581の発光は、ホスト・コンピュータ45により機能液滴吐出ヘッド101の吐出駆動に同期して行われ、撮像する飛行中の機能液滴を照射する。なお、ストロボ581は、十分な光量を確保できると共に装置内への熱的影響が少ないLEDアレイで構成することが好ましい。
【0138】
アーム部材583には、ストロボ581の前後(X軸)方向の角度および高さを調整するためのストロボ位置調整機構584が組み込まれており、ストロボ581の光軸(照射方向)がCCDカメラ541の光軸Lとほぼ一致するように、ストロボ581の位置調整がなされる。実際の撮像では、CCDカメラ541の光軸Lに対し、ストロボ581の光軸を幾分ずらすように設定すると鮮明な画像が得られることから、適宜、モニタリングしながらストロボ位置調整機構584によりストロボ581の位置調整をするようにしている。
【0139】
照明スタンド585は、吸引ユニット462の廃液パン506とスタンド部472との間に水平に配設されたプレート部586と、カメラスタンド542の照明ユニット側の端に立設され、プレート部586を載置する照明スタンド脚587と、を有し、アーム部材583を、吸引ユニット462を挟んでCCDカメラ541に対向してプレート部586上に固定している。すなわち、撮像時において、CCDカメラ541は、機能液滴吐出ヘッド101を挟んでストロボ581に対向する。したがって、CCDカメラ541はストロボ581の光を直接撮り込むため、機能液滴や背景の色に関らず、機能液滴の周囲は輝度の比較的高い白色に、機能液滴自体は遮光されるため輝度の比較的低い黒色になる映像を撮像することができ、機能液滴の画像を鮮明に撮り込むことができる。
【0140】
また、カメラスタンド542および照明スタンド585により、CCDカメラ541とストロボ581とが連結されている。したがって、カメラ移動機構533により、CCDカメラ541およびストロボ581が一体となって移動する。(詳細は後述する)。
【0141】
透光板582は、アクリル板等の透光性を有する透明の板で構成されている。透光板582は、ストロボ581の照射光を減光するためのもので、ストロボ581のCCDカメラ541側前方に配設されている。透光板582は、共通支持フレーム466のスタンド部472に固定された透光板昇降シリンダ589(エアーシリンダ)に支持されており、CCDカメラ541の撮像倍率に対応して、上下するようになっている。すなわち、撮像倍率が高いときには、ストロボ581から十分な光量を得られるよう透光板582を下げ、撮像倍率が低いときには、ストロボ581からの照射光を減光するために透光板582を上昇させるようになっている。
【0142】
カメラ移動機構533は、CCDカメラ541の焦点距離を調整するために、撮像ユニット531および照明ユニットを一体として移動させるものである。カメラ移動機構533は、上記した共通支持フレーム466のベース部471に固定されている。カメラ移動機構533は、ベース部471の長手方向(X軸)に平行に配設されており、カメラスタンド542をX軸方向にスライド自在に支持するカメラスライダ571と、カメラ用スライダ571を移動させるためのカメラ用ボールねじ(図示省略)と、カメラ用ボールねじに併設されたカメラ用リニアスケール(図示省略)と、カメラ用ボールねじを正逆回転させるカメラ移動モータ572と、を備えている。上述したように、カメラスタンド542および照明スタンド585により、CCDカメラ541とストロボ581とが連結されているため、カメラ移動モータ572が駆動すると、ボールねじが正逆回転して、カメラ用スライダ571を介してCCDカメラ541およびストロボ581が一体となってX軸方向に移動する。したがって、カメラ移動機構533を駆動してCCDカメラ541を移動しても、CCDカメラ541とストロボ581との相対位置が変わることがなく、一定の機能液滴の画像を得ることができる。
【0143】
ここで、図22を参照して、本実施形態の液滴吐出装置11における吐出検査ユニット464による吐出検査について詳細に説明する。まず、X・Y移動機構94のY軸テーブル342により、ヘッドユニット91を吐出検査ユニット464(吸引ユニット462)に臨ませた後、ヘッド昇降機構232を駆動して、ヘッドユニット91を所定の撮像高さまで下降させる。このとき、ホスト・コンピュータ45により、ヘッド回動機構231を制御して、水平面内において吐出検査ユニット464に対し機能液滴吐出ヘッド101を回動させ、ノズル列134の列方向がY軸方向と平行になるようにする。これにより、CCDカメラ541の光軸L(X軸方向)、すなわち撮像方向がノズル列134の列方向(Y軸方向)と直交する(同図(a)参照)。
【0144】
続いて、Y軸テーブル342により、ヘッドユニット101をY軸方向に微小移動して撮像対象の吐出ノズル135がCCD541の視野内に入るようにすると共に、カメラ移動機構533により、CCD541カメラ(およびストロボ581)をX軸方向に微小移動して撮像対象のノズル列134からCCD541までの距離がCCD541の焦点距離に合致するようにした後、CCD541により機能液滴の撮像を行う。
【0145】
この撮像は、機能液滴吐出ヘッド101のノズル列134毎に行われると共に、CCD541の視野単位で機能液滴吐出ヘッド101を移動させて行われる。すなわち、一方のノズル列134を連続する複数(図23ではA〜Fの6つ)の吐出ノズル135からの機能液滴を同時に撮像すると、機能液滴吐出ヘッド101をY軸テーブル342により間欠的に送り、そのノズル列134の次の連続する6つの吐出ノズル135について撮像を行う。これを繰り返して、一方のノズル列134の全吐出ノズル135(180個の吐出ノズル135)について撮像が完了する。
【0146】
一方のノズル列134の全吐出ノズル135の撮像が完了すると、機能液滴吐出ヘッド101をY軸方向に移動して他方ノズル列134の撮像対象の吐出ノズル135がCCDカメラ541の視野内に入るようにする共に、カメラ移動機構533により、CCDカメラ541をX軸方向にノズル列134間の距離だけ移動して他方のノズル列134とCCDカメラ541との距離がCCDカメラ541の焦点距離に合致するようにする。そして、他方のノズル列134についても同様に撮像が行われる。
【0147】
1個の機能液滴吐出ヘッド101の吐出検査が終了すると、機能液滴吐出ヘッド101およびCCDカメラ541を適宜移動させて、次の機能液滴吐出ヘッド101について吐出検査を行う。そして、これを機能液滴吐出ヘッド101の数、繰り返すことにより、ヘッドユニット91の全機能液滴吐出ヘッド101の吐出検査を行うことができるようになっている。このようにして、3個の機能液滴吐出ヘッドの全ノズル列134に対して、ノズル列134の列方向に直交する撮像方向からの撮像が完了する。
【0148】
ノズル列134の列方向に直交する撮像方向からの撮像が完了すると、ホスト・コンピュータ45により、ヘッド回動機構231を制御して、水平面内において吐出検査ユニット464に対し機能液滴吐出ヘッド101を90°回動させ、ノズル列134の列方向がX軸方向と平行になるようにする。これにより、CCDカメラ541の光軸L(X軸方向)、すなわち撮像方向がノズル列134の列方向(X軸方向)と平行になる(図22(b)参照)。そして、先程と同様に、Y軸テーブル342およびカメラ移動機構533による微調整を行った後、CCD541によりノズル列134毎に機能液滴の撮像を行う。
【0149】
この撮像は、複数の吐出ノズル135単位で行うと、機能液滴同士が重なり合って撮像されてしまうため、1個の吐出ノズル単位でCCDカメラ541を移動させて行われる。すなわち、一方のノズル列134の1個の吐出ノズル135からの機能液滴を撮像した後、カメラ移動機構533によりCCDカメラ541(およびストロボ581)をX軸方向に吐出ノズル135間の距離だけ移動し、次の吐出ノズル135とCCDカメラ541との距離がCCDカメラ541の焦点距離に合致するようにして、そのノズル列134の次の吐出ノズル135について撮像を行う。これを繰り返して、一方のノズル列134の全吐出ノズル135(180個の吐出ノズル135)について撮像が完了する。
【0150】
一方のノズル列134の全吐出ノズル135の撮像が完了すると、機能液滴吐出ヘッド101をY軸方向に移動して他方ノズル列134がCCDカメラ541の視野内に入るようにする共に、カメラ移動機構533によりCCDカメラ541をX軸方向に移動して、次の撮像対象の吐出ノズル135とCCDカメラ541との距離がCCDカメラ541の焦点距離に合致するようにする。そして、このノズル列134についても同様に撮像が行われる。
【0151】
1個の機能液滴吐出ヘッド101の吐出検査が終了すると、機能液滴吐出ヘッド101およびCCDカメラ541を適宜移動させて、次の機能液滴吐出ヘッド101について吐出検査を行う。そして、これを機能液滴吐出ヘッド101の数、繰り返すことにより、ヘッドユニット91の全機能液滴吐出ヘッド101の吐出検査を行うことができるようになっている。このようにして、3個の機能液滴吐出ヘッドの全ノズル列134に対して、ノズル列134の列方向に平行な撮像方向からの撮像が完了する。なお、この場合、ズームモータ554を駆動し、CCDカメラ541の撮像倍率を上げることにより、1つの吐出ノズル135から吐出された機能液滴の飛行状態を詳細に検出することができる。
【0152】
以上のようにして、ノズル列134の列方向に対して平行な方向および直交する撮像方向から、すなわち、ノズル列に対して互いに90度の角度を為す2つの撮像方向から機能液滴の飛行状態が撮像される。
なお、上記の実施形態では、2つの撮像方向を、ノズル列134の列方向に対して平行な方向および直交する方向としているが、ノズル列134の列方向に対して略45度を為す方向および略135度を為す方向としてもよい。この場合、ノズル列134の列方向に対して平行な撮像方向から撮像する場合のように、同一のノズル列134を形成する複数の吐出ノズル135から吐出される機能液滴同士が重なり合って撮像されることがない。したがって、2つの撮像方向のいずれからも、CCDカメラ541の視野単位で、すなわち複数の吐出ノズル135単位で機能液滴の飛行状態を撮像することができ、撮像動作に要する時間を短縮することができる。なお、この場合は、撮像ユニット531までの距離が各吐出ノズル135毎に異なるものとなるため、被写体深度が深い撮像カメラを用いることが好ましい。
【0153】
また、上記の実施形態では、水平面内において吐出検査装置464に対し機能液滴吐出ヘッド101を回動させながら、CCDカメラ541により撮像することで、ノズル列134に対して相互に異なる2つの撮像方向から撮像しているが、水平面内において機能液滴吐出ヘッド101に対し吐出検査装置464を回動させながら、CCDカメラ541により撮像してもよい。さらに、2つのCCDカメラ541を、ノズル列134に対する各撮像方向が相互に異なるように配設し、この2つのCCDカメラにより撮像することにより、ノズル列134に対して相互に異なる2つの撮像方向から撮像するようにしてもよい。
【0154】
図23は、ノズル列134の列方向に対して直交する方向および平行な方向からCCDカメラ541により機能液滴の飛行状態を撮像した撮像画面を模式的に示したものである。同図に示すように、CCDカメラ541は、機能液滴吐出ヘッド101のノズルプレート132と共に、飛行中の機能液滴681を側方から撮像する。また、CCDカメラ541は、ノズル列134の列方向に対して直交する撮像方向から撮像する場合は、多数の吐出ノズル135のうちの複数(図23(a)ではA〜Fの6つ)の吐出ノズル135からの機能液滴151を同時に視野内に捕捉可能に構成されている。
【0155】
また、CCDカメラ541により、各吐出ノズル135から複数個(図示では4つ)の機能液滴が画像として得られる。具体的には、吐出検査ユニット464による一連の検査作業では、機能液滴吐出ヘッド101の1つの吐出ノズル135から機能液滴を1個(ワンショット)吐出させると共に、CCDカメラ541の視野から外れるまでにストロボ581を複数回(図示では4回)発光させることにより、複数個の機能液滴機能液滴が画像として得られる。すなわち、各吐出ノズル135からの機能液滴の飛行軌跡が図示では4点の画像で得られる。そして、撮像結果が判定手段(ホスト・コンピュータ45)により画像認識されて、各吐出ノズル135の吐出が正常か否かの判定がなされる。
【0156】
ここで、ノズル列134の列方向に直交する撮像方向から、A〜F番の吐出ノズル135の機能液滴を撮像した撮像画面(図23(a)参照)、およびノズル列134の列方向に平行な撮像方向から、A〜F番の吐出ノズル135の機能液滴を吐出ノズル135毎にズームアップして撮像した各撮像画面(図23(b)参照)に基づいて説明する。
【0157】
ノズル列134の列方向に直交する撮像方向から撮像した画像では、D番ノズルについては、軸線に対し機能液滴が外れて斜め方向に吐出されており、飛行曲がりが発生しているが、他のノズルについては飛行曲がりの発生が認められない。
【0158】
一方、ノズル列134の列方向に平行な撮像方向から撮像した画像では、ノズル列134の列方向に直交する撮像方向から撮像した場合には飛行曲がりが認められなかったB番ノズルに飛行曲がりの発生が認められる。すなわち、B番ノズルには、ノズル列134の列方向に直交する方向に機能液滴の飛行曲がりが生じたために、ノズル列134の列方向に直交する撮像方向からは飛行曲がりが生じていないかのような画像が得られたが、その飛行曲がりの方向は他方の撮像方向(ノズル列134の列方向に平行な方向)に対して直交するものであるため、他方の撮像方向からこれを適切に撮像することができる。
なお、D番ノズルについては、ノズル列134の列方向に直交する撮像方向から撮像した場合と同様に、ノズル列134の列方向に平行な撮像方向から撮像した画像でも飛行曲がりの発生が認められる。したがって、X軸方向およびY軸方向に対して略45°を為す角度に飛行曲がりが生じたことがわかる。
【0159】
このようにして、ノズル列134に対する2つの撮像方向のうちの一の撮像方向と平行な方向に機能液滴の飛行曲がりが生じたために、その撮像方向からは飛行曲がりが生じていないかのような画像が得られてしまう場合であっても、他の撮像方向からこれを適切に撮像することができる。なお、吐出検査ユニット464では、機能液滴の飛行状態を三次元的に観察することで、機能液滴の飛行曲がりの有無の他、サテライト(吐出された液体に起因して霧状に浮遊する微粒子)や不吐出(ドット抜け)の有無等を適切に検出している。
【0160】
ホスト・コンピュータ45は、図24に示すように、CPUを有して各手段の動作を制御するためのものであり、液滴吐出装置11の制動動作を実行するための制御プログラムや制御データを記憶する記憶していると共に、各種制御処理を行うための作業領域を有している。そして、ホスト・コンピュータ45は、上記した各手段・装置の要素と接続されて液滴吐出装置11全体を制御している。
【0161】
例えば、ワークWに対して描画動作を行う場合には、ホスト・コンピュータ45は、複数の液滴吐出ヘッド101の吐出駆動をそれぞれ制御すると共に、X・Y移動機構94によりワークWおよびヘッドユニット91の相対的な移動動作を制御する。
【0162】
さらに、ホスト・コンピュータ45は、撮像動作において、ヘッド回動機構231を制御して、撮像ユニット531に対し機能液滴吐出ヘッド101を相対的に回転させながら、撮像ユニット531によりノズル列134に対して互いに異なる複数の撮像方向から機能液滴の飛行状態を撮像するように制御している。また、カメラ移動機構533の移動や、CCDカメラ541の撮像倍率も制御している。
【0163】
ところで、上記した液滴吐出装置11は、有機EL装置701の他、各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることが可能である。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置11は、液晶表示装置、FED装置(電子放出装置)、PDP装置および電気泳動表示装置等の製造に適用することができる。また、液晶表示装置や有機EL装置等のカラーフィルタの製造に適用することができる。もちろん、ワイピングユニット463により、機能液滴吐出ヘッド101のノズル面133が汚れのない状態に管理されている。
【0164】
ここで、上記の液滴吐出装置11を液晶表示装置の製造に適用した場合について、説明する。図26は、液晶表示装置801の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置801は、カラーフィルタ802と、対向基板803と、カラーフィルタ802と対向基板803との間に封入された液晶組成物804と、バックライト(図示省略)と、で構成されている。対向基板803の内側の面には、画素電極805と、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示省略)とがマトリクス状に形成されている。そして、画素電極805に対向する位置に、カラーフィルタ802の赤、緑、青の着色層813が配列するようになっている。また、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ内側の面には、液晶分子を一定方向に配列させる配向膜806が形成されており、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ外側の面には、偏光板807が接着されている。
【0165】
カラーフィルタ802は、透光性の透明基板811と、透明基板811上にマトリクス状に並んだ多数の画素(フィルタエレメント)812と、画素812上に形成された着色層813と、各画素812を仕切る遮光性の仕切り814と、を備えており、着色層813および仕切り814の上面には、オーバーコート層815および電極層816が形成されている。
【0166】
液晶表示装置801の製造方法について説明すると、まず、透明基板811に仕切り814を作り込んだ後、画素812部分にR(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813を形成する。そして、透明アクリル樹脂塗料とスピンコートしてオーバーコート層815を形成し、さらに、ITO(indium tin oxide)から成る電極層816を形成して、カラーフィルタ802を作成する。また、対向基板803には、画素電極805とTFT素子を作り込んでおく。次に、作成したカラーフィルタ802および画素電極805が形成された対向基板803に配向膜806の塗布を行った後、これらを貼り合わせる。そして、カラーフィルタ802および対向基板803との間に液晶組成物804を封入した後、偏光板807およびバックライトを積層する。
【0167】
液滴吐出装置11は、上記したカラーフィルタのフィルタエレメント(R(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813)の形成に用いることができる。また、画素電極805に対応する液体材料を用いることにより、画素電極805の形成にも用いることが可能である。
【0168】
また、他の電気光学装置としては、液晶塗布、配向膜塗布、基板間の間隔を一定に保持するためのスペーサー(ギャップ材)散布、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0169】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法および液滴吐出装置によれば、ノズル列に対して相互に異なる複数の撮像方向から機能液滴の飛行状態を撮像することで、機能液滴の飛行状態を三次元的に観察することができる。したがって、機能液滴吐出ヘッドから吐出されら機能液滴の飛行曲がりの有無を適切に検出することができる。
【0170】
本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器によれば、機能液滴の吐出状態が適切に管理された液滴吐出装置により製造されるため、信頼性の高い電気光学装置や電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る描画システムの平面図である。
【図2】実施形態に係る描画システムの正面図である。
【図3】実施形態に係る描画システムの側面図である。
【図4】実施形態に係る機能液滴吐出ヘッドの斜視図である。
【図5】実施形態に係るヘッドユニットの斜視図である。
【図6】(a)実施形態に係るヘッドユニットの正面図、(b)実施形態に係るヘッドユニットの側面図である。
【図7】実施形態に係るヘッドユニットの断面図である。
【図8】実施形態に係るヘッド回動機構の斜視図である。
【図9】実施形態に係るヘッド回動機構の正面図である。
【図10】実施形態に係るヘッド回動機構の断面図である。
【図11】実施形態に係るヘッド昇降機構、メインキャリッジおよびヘッドバランス機構の斜視図である。
【図12】実施形態に係るヘッド昇降機構、メインキャリッジおよびヘッドバランス機構の正面図である。
【図13】実施形態に係る機能液スタンドの斜視図である。
【図14】実施形態に係る吸引ユニットの斜視図である。
【図15】(a)実施形態に係る吸引ユニットの平面図、(b)実施形態に係る吸引ユニットの正面図である。
【図16】実施形態に係るワイピングユニットおよび移動テーブルの斜視図である。
【図17】実施形態に係るワイピングユニットの側面図である。
【図18】実施形態に係る重量測定ユニットの斜視図である。
【図19】実施形態に係る重量測定ユニットの平面図である。
【図20】実施形態に係る吐出検査ユニットおよび共通支持フレームの斜視図である。
【図21】実施形態に係る吐出検査ユニットおよび共通支持フレームの正面図である。
【図22】(a)実施形態に係るノズル列の列方向に直交する撮像方向からの機能液滴の撮像を示す模式図、(b)実施形態に係るノズル列の列方向に平行な撮像方向からの機能液滴の撮像を示す模式図である。
【図23】(a)実施形態に係るCCDカメラによるノズル列の列方向に直交する撮像方向からの撮像画面を模式的に示した図、(b)実施形態に係るCCDカメラによるノズル列の列方向に平行な撮像方向からの撮像画面を模式的に示した図である。
【図24】実施形態に係る液滴吐出装置の主要部のブロック図である。
【図25】実施形態の液滴吐出装置で製造する有機EL装置の断面図である。
【図26】実施形態の液滴吐出装置で製造する液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
11 液滴吐出装置 31 吐出手段
32 メンテナンス手段 45 ホーム・コンピュータ
91 ヘッドユニット 92 ヘッド調整機構
94 X・Y移動機構 101 機能液滴吐出ヘッド
103 ヘッドホルダ 134 ノズル列
135 吐出ノズル 231 ヘッド回動機構
232 ヘッド昇降機構 341 X軸テーブル
342 Y軸テーブル 464 吐出検査ユニット
531 撮像ユニット 532 照明ユニット
533 カメラ移動機構 541 CCDカメラ
553 カメラズーム 554 ズームモータ
581 ストロボ 701 有機EL装置
801 液晶表示装置 W ワーク

Claims (7)

  1. ノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドの各ノズルから吐出された機能液滴の飛行状態を側方から撮像する撮像手段を用いて、前記機能液滴吐出ヘッドの吐出状態を検査する機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法において、
    前記撮像手段により、前記ノズル列の列方向に平行な方向および直交する方向から前記機能液滴の飛行状態を撮像すると共に、
    前記ノズル列の列方向に直交する方向から撮像する場合、ストロボからの照明光を透光板により減光して照明を行いながら、複数の前記ノズル単位で撮像を行い、
    前記ノズル列の列方向に平行な方向から撮像する場合、前記ストロボからの照明光で直接照明を行いながら、単一の前記ノズル単位で撮像を行うことを特徴とする機能液滴吐出ヘッドの吐出検査方法。
  2. ワークに対し、ノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドから機能液滴を吐出させて描画を行う描画動作と、前記ノズル列の各ノズルから吐出された機能液滴の飛行状態を側方から撮像する撮像動作とを行う液滴吐出装置において、
    前記機能液滴の飛行状態を撮像する撮像カメラ、飛行状態の前記機能液滴を照明するストロボ、および前記ストロボの前方に配設され前記ストロボからの照明光を減光する透光板を有する撮像手段と、
    前記投光板を前記ストロボの前方に臨む上昇位置と、前記ストロボの前方から退避する下降位置と、の間で昇降させる投光板昇降シリンダと、
    撮像動作時に、水平面内において前記撮像手段に対し前記機能液滴吐出ヘッドを相対的に回転させる回転手段と、
    前記撮像手段、前記投光板昇降シリンダおよび前記回転手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記回転手段を制御して、前記機能液滴吐出ヘッドを相対的に回転させながら、前記撮像手段により前記ノズル列の列方向に平行な方向および直交する方向から機能液滴の飛行状態を撮像させると共に、
    前記ノズル列の列方向に直交する方向から撮像する場合、前記投光板を前記上昇位置に上昇させて照明を行いながら、複数の前記ノズル単位で撮像を行い、
    前記ノズル列の列方向に平行な方向から撮像する場合、前記投光板を前記下降位置に下降させて照明を行いながら、単一の前記ノズル単位で撮像を行うことを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 前記撮像カメラと前記ストロボとは、前記機能液滴吐出ヘッドを挟んで対向して配置されていることを特徴とする請求項に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記撮像カメラは、電動ズームレンズ付きカメラであり、
    前記制御手段は、前記電動ズームレンズ付きカメラの撮像倍率を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記撮像カメラと前記ストロボとを一体として、前記機能液滴吐出ヘッドに対し前記撮像方向に相対的に移動させる撮像系移動機構を、さらに備え、
    前記制御手段は、前記撮像カメラと撮像対象となる前記ノズル列との距離が前記撮像カメラの焦点距離に合致するように、前記撮像系移動機構の移動を制御することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  6. 請求項2ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 請求項2ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
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