JP4419433B2 - 液滴吐出装置及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドに代表される機能液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置及び電気光学装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリタのインクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド)は、微小な液滴を吐出でき、液滴重量や液滴着弾位置を精度よく制御できることから、例えば吐出液に特殊なインクや感光性の樹脂などの機能液を用いることにより、各種製品の製造分野へ応用されている。
【0003】
例えば、基板等のワークに対して相対移動するキャリッジを備え、ノズル面に開設した吐出ノズルを有する機能液滴吐出ヘッドをキャリッジに保持させ、この状態でキャリッジをワークに対して相対移動させつつ機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルからワークに向けて機能液滴を吐出して描画するような液滴吐出装置を用い、液晶表示装置や有機EL表示装置等を製造することが考えられている。
【0004】
このような液滴吐出装置は、各機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給する給液タンクを備え、機能液滴吐出ヘッドの駆動時のポンプ作用を利用して、給液タンク内の液面高さと機能液滴吐出ヘッドのノズル面の高さとの水頭差によって生ずる僅かな水頭圧で機能液を供給するようにしている。
この場合、給液タンクを昇降させる昇降機構と、給液タンク内の液面高さを検出する液面検出部と、昇降機構を制御する制御部を設け、給液タンクを昇降させることによって給液タンク内の液面高さ(液位)を一定に保つようにしている。すなわち、機能液滴吐出ヘッドに機能液を供給して給液タンク内の機能液が目減りしても、上下方向に固定的に設けられている機能液滴吐出ヘッドに対して、給液タンクを上昇させることで、水頭差を一定に保つ工夫がなされてきた(例えば、特許文献1および2参照。)。
また、この種の液滴吐出装置では、機能液滴吐出ヘッドの機能維持のためのポンプ吸引などの保守動作を行う保守装置が設けてあり、機能液滴吐出ヘッドをいずれかの保守装置に臨ませて、保守動作を行う。この場合、吸引ユニットやワイピングユニット等の保守装置では、吸引用キャップやワイピングシートを機能液滴吐出ヘッドに密接させる必要があるため、上下方向に固定的に設けられている機能液滴吐出ヘッドに対し、各保守装置は、キャップやワイピングシートを昇降させる昇降機構を備えている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−105627号公報
【特許文献2】
特開平3−278962号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の液滴吐出装置において、機能液滴吐出ヘッドを昇降させるヘッド昇降機構を設けて、保守ヘッド高さを可変とすれば、各保守装置に設けた昇降機構が不要となり、装置の簡素化や省スペース化やコストダウンが可能である。
しかし、機能液滴吐出ヘッドの高さを各保守装置に合わせて変えると、ノズル面の高さが変わり、急激且つ大きな水頭差変化が生じ、液垂れや吐出不能などに陥るおそれがある。吐出不能はもちろん、液垂れはワークを汚損したり、装置を汚損したり腐食したりする可能性があり、大きな問題である。
【0007】
本発明は、機能液滴吐出ヘッドの昇降に追従して水頭差を一定に保ち、安定且つ効果的なヘッド保守が行え、安定した描画を実現する、液滴吐出装置及び電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の液滴吐出装置は、機能液滴を吐出する機能液滴吐出ヘッドをワークに対向させ、ワーク上に機能液滴を吐出する描画動作と、機能液滴吐出ヘッドを複数の保守装置に臨ませ、機能液滴吐出ヘッドを保守する保守動作とを行うと共に、ヘッド昇降機構により、ワークと各保守装置との相互間の移動に伴って、機能液滴吐出ヘッドを昇降させる液滴吐出装置において、機能液滴吐出ヘッドへ供給する機能液を貯液する機能液タンクと、機能液タンクを昇降させるタンク昇降機構と、昇降する機能液滴吐出ヘッドのノズル面と機能液タンクの液位との水頭差が一定となるように、タンク昇降機構を制御するタンク昇降制御手段と、ヘッド昇降機構と共に、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットを支持するキャリッジと、キャリッジに取付けられ、ヘッドユニットに引上げ力を作用させるヘッドバランス機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、タンク昇降制御手段が、機能液滴吐出ヘッドのノズル面と機能液タンクの液位との水頭差が一定となるようにタンク昇降機構を制御するため、水頭差を一定に保つことができる。すなわち、保守動作のために機能液滴吐出ヘッドを大きく昇降させても、機能液タンクが追従して昇降し、水頭差を一定に保つことができる。
【0010】
この場合、タンク昇降制御手段は、ノズル面の高さ情報を、ヘッド昇降機構を制御するヘッド昇降制御手段から入力することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、タンク昇降制御手段は、ノズル面の高さ情報を、ヘッド昇降制御手段から入力するため、ノズル面の高さ測定が不要で、ノズル面の高さに対して予め定めた機能液タンクの高さに機能液タンクを移動させて、水頭差を一定に保つことができる。
【0012】
この場合、ノズル面の高さを検出するヘッド高さ検出手段をさらに備え、タンク昇降制御手段は、ノズル面の高さ情報を、ヘッド高さ検出手段から入力することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ノズル面の高さを検出するヘッド高さ検出手段を備えたことにより、ノズル面の実際の高さが把握できる。さらに、タンク昇降制御手段は、ノズル面の高さ情報を、ヘッド高さ検出手段から入力するため、ノズル面の実際の高さに対応した高さに機能液タンクを移動することができ、水頭差を精度良く一定に保つことができる。
【0014】
この場合、機能液タンク内の液位を検出する液位検出手段をさらに備え、タンク昇降制御手段は、機能液タンクの液位の情報を液位検出手段から入力することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、液位検出手段によって、実際の液位が検出でき、さらに、液位検出結果に基づいて機能液タンクを昇降させるため、水頭差をさらに厳密に一定に保つことができる。
【0016】
この場合、液滴吐出ヘッドを複数備え、これに対応して機能液タンクは複数設けられており、単一のタンク昇降機構で昇降されることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、タンクが複数設けられたため、異なる機能液を同時に供給することができ、より多様な描画処理(液滴吐出)が可能となる。
【0018】
この場合、タンク昇降機構に対し、複数の機能液タンクを個別に高さ調節可能な複数の高さ調節機構を、さらに備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、タンクは、個別にタンク昇降機構に対する高さを調整することができるため、予めタンク毎に高さ調節を行って、タンク毎の液位の初期設定を行うことができ、タンク毎に特性の異なる液を使用しても、各液に適した調整を行うことができる。
【0021】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、機能液滴吐出ヘッドからワーク上に機能液滴を吐出して成膜部を形成することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、ヘッドの昇降に追従して水頭差を一定に保つことができ、精度の高い安定した機能液滴吐出が実現できる液滴吐出装置を用いて製造されるため、信頼性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。
なお、電気光学装置としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma
Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、各種表示装置に用いるカラーフィルタは元より、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の液滴吐出装置を適用して構成した描画システムについて説明する。本実施形態の描画システムは、いわゆるフラットパネルディスプレイの一種である有機EL装置の製造ラインに組み込まれるものであり、有機EL装置の各画素となる発光素子を形成するものである。
【0028】
ここでは先ず、描画システムの説明に先立ち、有機EL装置の構造および製造工程について簡単に説明する。図1は、有機EL装置の断面図を示した図である。同図に示すように、有機EL装置701は、基板711、回路素子部721、画素電極731、バンク部741、発光素子751、陰極761(対向電極)、および封止用基板771から構成された有機EL素子702に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。
【0029】
同図に示すように、有機EL素子702の基板711上には、回路素子部721が形成され、回路素子部721上には、複数の画素電極731が整列している。そして、各画素電極731間には、バンク部741が格子状に形成されており、バンク部741により生じた凹部開口744に、発光素子751が形成されている。バンク部741および発光素子751の上部全面には、陰極761が形成され、陰極761の上には、封止用基板771が積層されている。
【0030】
有機EL素子702の製造プロセスは、バンク部741を形成するバンク部形成工程と、発光素子751を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子751を形成する発光素子形成工程と、陰極761を形成する対向電極形成工程と、封止用基板771を陰極761上に積層して封止する封止工程とを備えている。すなわち、有機EL素子702は、予め回路素子部721および画素電極731が形成された基板711(ワークW)の所定位置にバンク部741を形成した後、プラズマ処理、発光素子751および陰極761(対向電極)の形成を順に行い、さらに、封止用基板771を陰極761上に積層して封止することにより製造される。なお、有機EL素子702は、大気中の水分等の影響を受けて劣化しやすいため、有機EL素子702の製造は、ドライエアーまたは不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)雰囲気で行うことが好ましい。
【0031】
また、各発光素子751は、正孔注入/輸送層752およびR(赤)・G(緑)・B(青)のいずれかの色に着色された発光層753から成る成膜部で構成されており、発光素子形成工程には、正孔注入/輸送層752を形成する正孔注入/輸送層形成工程と、3色の発光層753を形成する発光層形成工程と、が含まれている。
【0032】
有機EL装置701は、有機EL素子702を製造した後、有機EL素子702の陰極761にフレキシブル基板の配線を接続すると共に、駆動ICに回路素子部721の配線を接続することにより製造される。
【0033】
次に、描画システムについて説明する。この描画システム1は、有機EL素子702の発光素子751を液滴吐出法(インクジェット法)で形成するものであり、機能液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用いて発光素子751(正孔注入/輸送層752および発光層753)を形成できるようになっている。具体的には、上記のバンク部形成工程およびプラズマ処理工程を経て、バンク部741が形成された基板711(ワークW)に対して、発光機能材料を導入した相対的に機能液滴吐出ヘッドを走査させることにより、基板711の画素電極731の位置(画素領域)に対応して、正孔注入/輸送層752および発光層753の成膜部を形成するものである。
【0034】
図示省略したが、描画システム1は、2台の液滴吐出装置2と、乾燥装置(図示省略)と、を備えている。2台の液滴吐出装置2は同様の構成をしており、液滴吐出装置2のうち、1台は、正孔注入/輸送層752を形成するための第1液滴吐出装置、もう1台は、R・G・B3色の発光層753を形成するための第2液滴吐出装置となっている。上述したように、有機EL素子702は大気中の水分等を嫌うため、これらの各装置は、それぞれチャンバ装置3内に収容されており、発光素子形成工程における大気の影響を排除できるようになっている。また、ワークWも大気の影響を避けるため、ドライエアー雰囲気に密閉したワークボックス4内に収容された状態で各装置に導入(搬入)されるようになっている。
【0035】
チャンバ装置3は、ドライエアーを連続的に導入すると共に排気することにより、チャンバ装置3内を良好なドライエアー雰囲気に維持するものであり、各装置を収容する3台のチャンバ装置3は、略同様の構成をしている。各チャンバ装置3は、各装置を直接収容する主チャンバ11と、ワークWを主チャンバ11内に導入(搬入および搬出)するための搬出入チャンバ12と、主チャンバ11のワーク導入エリアおよびと搬出入チャンバ12の内部間を架渡す、ワークWの搬送するための搬送部(図示省略)と、を備えている(図2ないし図4参照)。搬出入チャンバ12には、ワークボックス4を着脱自在に装着可能な装着開口(図示省略)が形成されていると共に、搬出入チャンバ12内には、ワークボックス4に収容されたワークWを仮置きする載置テーブル13が配設されている。
【0036】
主チャンバ11および搬出入チャンバ12は、それぞれ独立して個別にエアー管理されており、主チャンバ11内の雰囲気に極力変動が生じないようになっている。すなわち、ワークボックス4を搬出入チャンバ12の装着開口に装着して、ワークボックス4内のワークWを載置テーブル13に載置し、搬出入チャンバ12内の雰囲気を主チャンバ11内の雰囲気と同じにパージした後、搬送部を介して、載置テーブル13上のワークWを主チャンバ11のワーク導入エリアに搬入することにより、主チャンバ11内の雰囲気を変動させずに(ワークボックス4内の)ワークWを主チャンバ11内の各装置にセットできるようになっている。
【0037】
ここで、導入されたワークWに対する描画システム1の一連の作業プロセスについて説明する。まず、正孔注入/輸送層形成工程が行われ、ワークボックス4に収容されたワークWは、チャンバ装置3内の第1液滴吐出装置にセットされる。ワークWがセットされると、第1液滴吐出装置は、ワークWに対して、正孔注入層材料を溶剤に溶かした機能液を吐出させ、ワークWの画素領域に正孔注入層材料(機能液)を吐出(塗布)する。正孔注入層材料が塗布されたワークWは、再びワークボックス4に収容され、次に乾燥装置にセットされる。ここでは、ワークWを所定時間、気流を伴う高温のドライエアーの雰囲気に曝して溶剤を気化(乾燥)させることにより、正孔注入層材料を析出させ、正孔注入/輸送層752を形成する。
【0038】
正孔注入/輸送層752が形成されたワークWは、ワークボックス4を介して、第2液滴吐出装置にセットされ、発光素子形成工程が行われる。第2液滴吐出装置では、正孔注入層材料に代えて発光材料を溶剤に溶かした機能液が用いられ、第2液滴吐出装置にセットされたワークWには、正孔注入/輸送層752の上に重ねて発光材料(機能液)が吐出(塗布)される。発光材料が塗布されたワークWは、溶剤を気化させて発光層753を形成するため、正孔注入/輸送層形成工程と同様に乾燥装置へ搬送される。
【0039】
なお、発光素子形成工程では、ワークWに対して、R・G・Bに対応する機能液を1色分ずつ吐出させていき、1色分の機能液の塗布が終了する毎に乾燥を行うことによりR・G・Bの発光層753を1色ずつ形成する構成にしてもよいし、R・G・Bに対応する機能液を同時に吐出させることにより、3色分の発光層753を同時に形成する構成としてもよい。
【0040】
次に、液滴吐出装置2について説明する。この液滴吐出装置2は、正孔注入層材料や発光材料等の機能液をワークWに塗布するものであり、ワークWに対して機能液の吐出処理を行うものである。図2ないし図4に示すように、液滴吐出装置2は、機能液滴吐出ヘッド91を搭載したヘッドユニット81有し、ワークWに対して機能液を吐出するための吐出手段21と、吐出手段21(機能液滴吐出ヘッド91)のメンテナンスを行うメンテナンス手段22と、各手段に液体(例えば、機能液や洗浄液)を供給すると共に不要となった液体を回収する液体供給回収手段23と、各手段を駆動・制御するための圧縮エアー(ドライエアー)を供給するエアー供給手段24と、ワークWを吸引固定するためのエアー吸引手段25と、を備えている。
【0041】
液滴吐出装置2には、この他にも、ヘッドユニット81の位置認識を行うヘッド認識カメラ31や、ワークWの位置認識を行うためのワーク認識カメラ32、ワークWに吐出した機能液滴の描画結果を観察するための描画観察カメラ33、エアー吸引手段25を駆動させるための吸引用スイッチ34等の付帯装置が備えられている。また、液滴吐出装置2には、ホスト・コンピュータ26が接続されており、ホスト・コンピュータ26により、液滴吐出装置2全体の制御が行われている。
【0042】
図2または図3に示すように、液滴吐出装置2は、大小2つの機台41、42を備えており、エアー吸引手段25を除く液滴吐出装置2の主要部が、これら機台41、42上に配設されている。大型の機台41の近傍には、エアー吸引手段25が配設され、大型の機台41の左側には、小型の機台42が添設されている。大型の機台41は、吐出手段21およびメンテナンス手段22を支持する石定盤51と、石定盤51を支持する支持台52と、上記のチャンバ装置3および支持台52を支持する支持ベース53と、支持ベース53を支持する機台本体54と、を備えている。
【0043】
石定盤51の下面には、複数(9個)の調節脚61(アジャストボルト付支持脚)が取付けられており、石定盤51の平面度を調節できるようになっている。両図に示すように、石定盤51の左部上面は、平坦に削られて一段低くなっており、石定盤51の低くなった部分には、メンテナンス手段22の主要部が設置され、石定盤51の高くなった部分には、吐出手段21の主要部が設置されている(図3参照)。支持ベース53は、石定盤51および支持台52の平面形状よりも一回り大きく形成された方形の支持板62と、支持板62を機台本体54に支持させる複数の支持脚63と、を有している。石定盤51および支持台52からはみ出した支持板62の縁部は、チャンバ装置3(の主チャンバ11)を載せこむためのチャンバ支持部64、すなわち主チャンバ11の底板を兼ねており、石定盤51上に配設された吐出手段21およびメンテナンス手段22をチャンバ装置3で完全に囲うことができるようになっている。
【0044】
機台本体54は、キャビネット形式に構成されており、内部には大型の機台41にエアーを供給するエアー供給手段24の一部が収容されている。また、機台本体54の下面には複数(9個)の支持脚67が取付けられている。
【0045】
小型の機台42は、開閉扉72を有するキャビネット形式の機台本体71を備えており、機台本体71上には、収容ボックス73が配設されている。収容ボックス73内には、機能液滴吐出ヘッド91に機能液を供給するための液体供給回収手段23の機能液供給系541(後述する)が収容されている。収容ボックス73および機台本体71には、それぞれ排気筒74が設けられており、排気筒74を介して、収容ボックス73および機台本体71内のエアーを排気するようになっている(廃棄処理設備に送る)。また、機台本体71には、収容室75が形成されており、収容室75には、液体供給回収手段23のタンク類と、小型の機台42にエアーを供給するエアー供給手段24の一部が収容されている。
【0046】
次に、液滴吐出装置2の各手段について説明する。図5に示すように、吐出手段21は、機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッド91を搭載したヘッドユニット81と、ヘッドユニット81を支持し、ヘッドユニット81の水平面における角度および高さを調整可能なヘッド調整機構82と、ヘッド調整機構82を介して、ヘッドユニット81を支持するキャリッジ83と、ヘッドユニット81(機能液滴吐出ヘッド91)をワークWに対して相対的に移動させるX・Y移動機構84と、を備えている。
【0047】
ヘッドユニット81は、3個の機能液滴吐出ヘッド91と、3個の機能液滴吐出ヘッド91を搭載するヘッドプレート92と、ヘッドプレート92を支持するヘッドホルダ93と、を備えている。3個の機能液滴吐出ヘッド91は、上記した有機EL素子702のR・G・Bの発光層753を形成するための3種類の機能液に対応させたものであり、それぞれの機能液滴吐出ヘッド91に、R・G・Bの発光層753を形成する機能液が1種類ずつ対応するようになっている。
【0048】
図6に示すように、機能液滴吐出ヘッド91は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針102を有する機能液導入部101と、機能液導入部101に連なる2連のヘッド基板103と、機能液導入部101の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体105と、を備えている。各接続針102は、配管アダプタ111を介して、機能液供給系541の給液チューブ553(後述する)に接続されており、機能液滴吐出ヘッド91は、各接続針102から機能液の供給を受けるようになっている。ヘッド基板103には、配管アダプタ111に接続する給液チューブ553を支持するチューブ支持部104が形成されており、チューブ支持部104の上面に給液チューブ553を載せこむようになっている。ヘッド本体103は、2連のポンプ部106(ピエゾ圧電素子)と、ノズル面108を有するノズルプレート107と、で構成されている。ノズル面108の下面には、多数(180個)の吐出ノズル109からなるノズル列が2列形成されている。機能液滴吐出ヘッド91では、ポンプ部106の作用により吐出ノズル109から機能液を吐出するようになっている。
【0049】
ヘッドプレート92は、略方形に成形されたステンレス製の厚板であり、機能液滴吐出ヘッド91を位置決め固定するための3個の装着開口121が横並びに形成されている。そして、機能液滴吐出ヘッド91は、ヘッド本体105を下方に突出させると共に、チューブ支持部104をはみ出すように、ヘッドプレート92に着脱自在に固定されるようになっている(図8および図9参照)。また、ヘッドプレート92には、ヘッドプレート92をヘッドホルダ93に固定するためのヘッド側ねじ穴122が4個形成されている。なお、機能液滴吐出ヘッド91の個数および配列は、上記したものに限られるものではなく、状況に応じて任意に設定可能である。
【0050】
図7ないし図9に示すように、ヘッドホルダ93は、ヘッドプレート92を支持するホルダ本体131と、ホルダ本体131をヘッド調整機構82に支持させるための支持プレート132と、ホルダ本体131を支持プレート132に支持させると共に、ヘッドプレート92の支持姿勢(あおり)を調整するためのあおり調整機構133と、を備えている。ホルダ本体131は、ヘッドプレート92を水平に支持する下ホルダプレート141と、下ホルダプレート141に対向配置され、支持プレート132が固定される上ホルダプレート142と、上ホルダプレート142および下ホルダプレート141を連結する4本の支柱部材143と、を有している。そして、4本の支柱部材143に、上下ホルダプレート141、142がねじ止めされている。
【0051】
上下ホルダプレート141、142は、ヘッドプレート92と略同じ大きさに形成されており、ホルダ本体131から機能液滴吐出ヘッド91のチューブ支持部104がはみ出すようになっている。下ホルダプレート141には、ヘッドプレート92の平面形状に合わせて、凹部151が形成されており、凹部151にヘッドプレート92を遊嵌状態でセットするになっている。凹部151には、ヘッドプレート92に搭載された機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108を下ホルダプレート141から突出させるための開口部152が形成されている(図7および図8参照)。また、凹部151には、ヘッドプレート92の端に当接して、ヘッドプレート92を位置決めするための3個の当接ピン153が立設されていると共に、ヘッドプレート92に形成されたヘッド側ねじ穴122と対応するホルダ側ねじ穴154が4個形成されている。ヘッドプレート92は、下ホルダプレート141の3個の当接ピン153により位置決めされた後、ヘッド側ねじ穴122およびホルダ側ねじ穴154を4本のねじ(図示省略)によって、下側から着脱自在に固定するようになっている。
【0052】
上ホルダプレート142の中心には、後述するあおり調整機構133の基準ボルト183を貫通させるための貫通口(図示省略)が形成されている。貫通口の下半部は、後述する基準ボルト183の座面と相補的形状を為すように、球面状に拡開形成されている。また、上ホルダプレート142の上面には、上ホルダプレート142の短辺方向に向かって、あおり調整機構133の第2調整ねじ193(後述する)と当接するV溝162が1箇所形成されている。ホルダ本体131の側面は、ヘッドホルダ93内に挿入する給液チューブ553の挿入部分を除き、ヘッドカバー165で覆われている。
【0053】
支持プレート132は、上ホルダプレート142の上側に配設され、あおり調整機構133を介してホルダ本体131を支持している。支持プレート132の中心には、基準ボルト183の胴部184を貫通させるばか穴(図示省略)が形成されている。また、支持プレート132には、ばか穴を挟んで、2個の位置決めピン172が上面から突出している。図7に示すように、支持プレート132の上面からは、基準ボルト183の胴部184および2個の位置決めピン172が突出しており、これらによって、ヘッド調整機構82に対して支持プレート132を位置決めできるようになっている。
【0054】
また、支持プレート132の上面には、位置決めした支持プレート132をヘッド調整機構82に取付けるための4個のねじ穴173が形成されている。なお、基準ボルト183の胴部184は、ヘッドプレート92(ホルダ本体131)の重心を通るθ軸上に形成されており、4個のねじ穴173は、突出する基準ボルト183の胴部184に対してそれぞれ対称に形成されている。そして、支持プレート132を介してヘッドプレート92が、ヘッド調整機構82に均一に支持されるようになっている。
【0055】
図7に示すように、あおり調整機構133は、ヘッドプレート92のあおりを調整可能に、ホルダ本体131を支持プレート132に支持させるものである。すなわち、あおり調整機構133により、ヘッドプレート92に搭載された機能液滴吐出ヘッド91(のノズル面108)の平行度を適切に調整することができるようになっている。あおり調整機構133は、ヘッドプレート92(ヘッドユニット81)の長辺方向における傾き(ピッチング)を調整する第1あおり調整機構181と、ヘッドプレート92の短辺方向における傾き(ローリング)を調整する第2あおり調整機構182と、あおりを調節するための基準となる基準ボルト183と、を有している。
【0056】
基準ボルト183は、その胴部184が支持プレート132の中心に形成されたばか穴173に螺合することによって、座面が上ホルダプレート142と当接した状態で固定される。基準ボルト183の座面は、冠球形状に形成されており、球面状に形成された上ホルダプレート142の貫通口の下半部に自在継手様に連結されている(すなわち、基準ボルト183の座面および貫通口の側面で球面すり合わせが形成されている)。
【0057】
第1あおり調整機構181は、下端が半球状に形成された第1調整ねじ191と、支持プレート132にホルダ本体131を固定させる第1ホルダ支持部材192と、を有している。第1調整ねじ191および第1ホルダ支持部材192は、ヘッドプレート92の長手方向における支持プレート132の中心を通る軸上に対向して配設されている。第1調整ねじ191は、支持プレート132を貫通し、その下端が上ホルダプレート142の上面に当接している。第1ホルダ支持部材192は、一端が上ホルダプレート142に固定され、他端が支持プレート132に固定されている。第1ホルダ支持部材192は、圧縮ばね等の弾性部材を内蔵しており、第1調整ねじ191の下端部が上ホルダプレート142に当接するように、ホルダ本体131を支持プレート132に弾力的に支持させている。
【0058】
第1調整ねじ191をねじ込むと、第1調整ねじ191の下端部によって、上ホルダプレート142が下に押され、基準ボルト183の座面にガイドされながら、上ホルダプレート142の第1ホルダ支持部材192が固定されていない側の端が押下げられ、ヘッドプレート92が押下げられる。また、第1調整ねじ191を緩めると、第1ホルダ支持部材192の弾性力により、上ホルダプレート142が上向きに力を受け、基準ボルト183の座面にガイドされながら、ヘッドプレート92が押上げられる。すなわち、第1調整ねじ191を上下することにより、基準ボルト183の座面を基準に、ヘッドプレート92をその長辺方向に傾動させ、ヘッドプレート92の長辺方向におけるあおりを調整するようになっている。
【0059】
第2あおり調整機構182は、下端が半球状に形成された第2調整ねじ193と、基準ボルト183を挟んで第2調整ねじ193に対向する第2ホルダ支持部材194と、を有しており、これらはヘッドプレート92の短辺方向に互いに対向して配設されている。第2調整ねじ193の下端部は、上ホルダプレート142に形成されたV溝162に当接し、第2調整ねじ193の長辺方向における位置決めが為されている。第2あおり調整機構182も、第1あおり調整機構181と同様の構成かつ機構を有しており、第2調整ねじ193を上下させてヘッドプレート92を傾動させることにより、ヘッドプレート92の短辺方向におけるあおりを調整できるようになっている。
【0060】
なお、ヘッドホルダ93には、ヘッドプレート92が着脱自在に固定されており、ヘッドプレート92に搭載された機能液滴吐出ヘッド91の交換を行う場合には、ヘッドプレート92ごとヘッドホルダ93から取り外すようになっている。
【0061】
ヘッド調整機構82は、ヘッドホルダ93を支持し、ヘッドホルダ93を介してヘッドプレート92を回動させるヘッド回動機構201と、ヘッド回動機構201を支持し、ヘッド回動機構201(ヘッドホルダ93)を介して、ヘッドプレート92を昇降させるヘッド昇降機構202と、を備えている。図5に示すように、ヘッド昇降機構202には、ヘッドユニット81およびヘッド回動機構201が、吊設されている。
【0062】
図10ないし図12に示すように、ヘッド回動機構201は、ヘッドプレート92を、(ヘッドホルダ93の重心を通る)θ軸を中心に回動させることにより、水平面内における機能液滴吐出ヘッド91の向きを自在に変更させるものであり、後述するメンテナンス手段22に対応させて、機能液滴吐出ヘッド91の向きを変更する場合や、ワークWの種類に合わせて、吐出ノズル109のノズル間隔や機能液滴の塗布密度を調節する場合などに用いられる。ヘッド回動機構201は、ヘッド支持フレーム211と、ヘッド支持フレーム211に回動自在に支持され、ヘッドホルダ93を吊下げるように支持する吊設部材212と、吊設部材212を介し、ヘッドホルダ93に搭載されたヘッドプレート92を回動させるためのヘッド回動モータ213と、ヘッド回動モータ213の動力を吊設部材212に伝達する動力伝達機構214(ハーモニックドライブ)と、を備えている。
【0063】
ヘッド支持フレーム211は、背面支持フレーム221と、背面支持フレーム221の上端から前方に延びる上フレーム222と、背面支持フレーム221の下端から前方に延びる上フレーム222に対向配置される下フレーム223と、背面支持フレーム221に固定され、上下両フレーム222、223の間に配設された一対のサイドフレーム224と、を有している。
【0064】
背面支持フレーム221は、ヘッド昇降機構202に対する(ヘッド回動機構201の)固定部材となっている。図11および図12に示すように、背面支持フレーム221は、平面視略方形状であり、背面支持フレーム221の両側の中央には、背面支持フレーム221をヘッド昇降機構202に対して位置決めするための左右一対の位置決め凸部231(位置決めピン)が設けられている。そして、一対の位置決め凸部231を上下に挟んで、背面支持フレーム221をヘッド昇降機構202に固定するためのねじ穴232が4個形成されている。上フレーム222には、上フレーム222を貫通して、動力伝達機構214を収容するケーシング233が固定されている。また、上フレーム222には、後述のヘッドバランス機構203の引張りばね204を固定するための3個のヘッド側フック234が固定されている。下フレーム223には、ケーシング233に回動自在に支持された吊設部材212を下方に突出させるための開口部235が形成されている。
【0065】
また、図11に示すように、サイドフレーム224には、下方に向かい垂直に延在するアーム部材236を介して、ワークW(の上面)までの距離を検出する距離検出センサ237が固定されている。同図に示すように、アーム部材236は、サイドフレーム224に固定された断面「L」字状の固定部材240上に配設された調整ねじ238により、上下方向にスライド自在に構成されている。そして、距離検出センサ237の検出部239をヘッドユニット81の機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108と同じ高さに調整することにより、ノズル面108からワークWまでの距離(ワークギャップ)を検出できるようになっている。
【0066】
吊設部材212は、円柱状に形成されており、上フレーム222に固定されたケーシング223により、その中心がθ軸を通るように回動自在に軸支されている。吊設部材212は、下フレーム223の下側に突出しており、その下端には、ヘッドホルダ93の支持プレート132を固定する平面視円形のヘッド固定部241が固定されている。ヘッド固定部241には、支持プレート132から突出する基準ボルト183の胴部184および2個の位置決めピン172に対応して、3個の凹部(図示省略)が形成されており、ヘッド固定部241の各凹部に上記した支持プレート132から突出する基準ボルトの胴部184および位置決めピン172をそれぞれ係合させることにより、θ軸を中心に、支持プレート132(ヘッドユニット81)を位置決めできるようになっている。また、ヘッド固定部241には、位置決めした支持プレート132のねじ穴173に対応して、4個のねじ穴(図示省略)が形成されており、これらのねじ穴に小ねじ(図示省略)を螺合させることにより、ヘッド固定部241に支持プレート132を固定できるようになっている。また、吊設部材212の上部には、後述する動力伝達機構214の駆動歯車(図示省略)と噛合する従動歯車(図示省略)が固定されている。
【0067】
ヘッド回動モータ213(サーボモータ)は、ヘッドホルダ93の重心を通るθ軸を中心にヘッドホルダ93(ヘッドプレート92)を回動させるための駆動源となっている。ヘッド回動モータ213は、その出力軸がθ軸と一致するようにケーシング233に固定されている。また、図示省略したが、ヘッド回動モータ213の出力軸には、回動用ロータリエンコーダ(スリット円板とこれに臨むフォトインタラプタから成る)が固定されており、ヘッド回動モータ213の回転量(回転角度)に基づいて、吊設部材212の回動量を制御できるようになっている。動力伝達機構214は、ヘッド回動モータ213の回転動力を減速して吊設部材212に伝達するためのものである。動力伝達機構214には、ヘッド回動モータ213の出力軸に固定された歯車を有するハーモニックドライブ(図示省略)が組み込まれており、ハーモニックドライブの駆動歯車(図示省略)が吊設部材212の従動歯車(図示省略)に噛合して回転することにより、ヘッド回動モータ213の動力が減速して吊設部材212に伝達するようになっている。
【0068】
本実施形態では、ヘッドプレート92を、所定のヘッド基準位置(ヘッドユニット81に搭載された機能液滴吐出ヘッド91の姿勢がX軸およびY軸に対して45°となる位置)である0°から±60°の範囲で回動させるようになっており、吊設部材212の側面には、この範囲内で吊設部材212の回動を止めるための回動規制部材242が固定されていると共に、各サイドフレーム224には、上記の回動規制部材242に当接して、ヘッドユニット81の基準位置から±60°の位置で、吊設部材212の回動を停止させる回動止め243(ストッパ)が固定されている(図12参照)。
【0069】
また、図11および図12に示すように、ヘッドプレート92(吊設部材212)を所定のヘッド基準位置から±60°の範囲で回動させるために、ヘッド回動機構には、吊設部材212の正逆回動端位置を検出するための(一対の)回動端検出センサ251と回動のセンター位置(すなわちヘッド基準位置)を検出するセンター位置検出センサ252と、が配設されており、上記した回動用ロータリエンコーダと回動端検出センサ251およびセンター位置検出センサ252に基づいてヘッド回動モータ213を制御するようになっている。回動端検出センサ251およびセンター位置検出センサ252は、下フレーム223の上面に固定された3個のフォトセンサ253から構成されている。各フォトセンサ253は、透過型のフォトインタラプタで構成されている。
【0070】
また、吊設部材212の側面には、下フレーム223に固定されたフォトセンサ253の高さに対応して、リング状の支持リング261が固定されている。そして、支持リング261には、フォトセンサ253の検出光を遮断するための遮光部材262が固定されている。遮光部材262は、支持リング261よりも一回り大きく、かつリング状の遮光材を、吊設部材212の回動範囲(すなわち120°)に対応させて(円弧状に)形成されている。支持リング261には、遮光部材262を固定するためのねじ穴(図示省略)が2個形成されている。そして、遮光部材262には、支持リング261のねじ穴に対応して、2個の長孔263が形成されており、支持リング261に対して遮光部材262の取付け位置を調整可能となっている。
【0071】
回動端検出センサ251およびセンター位置検出センサ252を構成する3個のフォトセンサ253は、吊設部材212の回動に伴い移動する遮光部材262の軌跡に対応して、遮光部材262の移動範囲に均等に配設されている。そして、吊設部材212が回動すると、遮光部材262が各センサの検出光を遮光又は透過するようになっており、回動端検出センサ251およびセンター位置検出センサ252は、3個のフォトセンサ253の検出結果の組合せから、ヘッド基準位置0°(センター)と、±60°(両端位置)の3つの角度状態を検出できるようになっている。
【0072】
ヘッド昇降機構202は、ヘッドホルダ93を支持するヘッド回動機構201を介して、ヘッドホルダ93(ヘッドプレート92)を昇降させるものであり、ワークWと機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108とのギャップ調整を行う場合や、後述するメンテナンス手段22の各ユニットに対応させて、機能液滴吐出ヘッド91(のノズル面108)を適切な所定の高さ位置に調節するためのものである。
図13および図14に示すように、ヘッド昇降機構202は、上記のキャリッジ83に取付けられている。ヘッド昇降機構202は、キャリッジの正面に突設されるヘッド回動機構201を支持する左右一対の支持ブロック271と、ヘッド昇降ボールねじ272と、ヘッド昇降ボールねじ272を正逆回転させるヘッド昇降モータ273(ブレーキ付サーボモータ)と、ヘッド昇降ボールねじ272に螺合し、左右一対の支持ブロック271を上下方向にスライド自在に支持する昇降ブロック274と、支持ブロック271の移動を案内する左右一対のヘッド昇降ガイド275と、を有しており、これらは左右対称に配設されている。
【0073】
そして、ヘッド昇降モータ273が正逆回転すると、昇降ブロック274を介して支持ブロック271が昇降し、ヘッドホルダ93(ヘッドプレート92に搭載した機能液滴吐出ヘッド91)が上下方向に移動するようになっている。各支持ブロック271には、ヘッド回動機構201の背面支持フレーム221の片側に形成された位置決め凸部231に係合する凹部276と、背面支持フレーム221に形成されたねじ穴232に対応する2個のねじ穴277と、が形成されている。ヘッド回動機構201は、キャリッジ83に組み込まれたヘッド昇降機構202の中心線と、ヘッドユニット81およびヘッド回動機構201の重心を通るθ軸とが平行に重なり合うように、ヘッド昇降機構202に固定されている。
【0074】
なお、ヘッドプレート92には、基準となる所定のヘッド高さ位置が決められており、ヘッド高さ位置を基準として、ヘッドプレート92の上限位置および下限位置が予め設定されている。そして、キャリッジ83には、支持ブロック271の位置に基づいて、ヘッドプレート92の昇降限界を検出するための昇降位置検出センサ281が配設されている。昇降位置検出センサ281は、ヘッドプレート92のヘッド高さ位置を検出する基準位置検出センサ282と、ヘッドプレート92の上限位置を検出する上限検出センサ283と、ヘッドプレート92の下限位置を検出する下限検出センサ284と、を有している。また、ヘッド昇降モータ273の出力軸には、ヘッド昇降モータ273の回転量からヘッドプレート92の昇降量を検出する昇降用ロータリエンコーダ(図示省略)が固定されており、ヘッド昇降モータ273は、昇降位置検出センサ281および昇降用ロータリエンコーダに基づいて制御されるようになっている。
【0075】
キャリッジ83には、ヘッド昇降機構202の他、ヘッドバランス機構203が取付けられている。ヘッドバランス機構203は、ヘッド回動機構201を介してヘッドユニット81に引上げ力を作用させることにより、停電時など装置の非常停止時に、ヘッドユニット81が自身の重みで下がることを防止するためのものである。図13および図14に示すように、ヘッドバランス機構203は、キャリッジ83に固定したキャリッジ側フック205に一端を固定され、他端をヘッド回動機構201に固定したヘッド側フック234に固定された3本の引張りばね204を有している。また、ヘッドバランス機構203により、ヘッド回動機構201およびヘッドユニット81の荷重が一部相殺されるため、ヘッド回動機構201およびヘッドユニット81を上昇させるときのヘッド昇降モータ273にかかる負荷を軽減させることができ、ヘッド昇降モータ273を比較的駆動力の小さな小型のもので構成することが可能となる。
【0076】
X・Y移動機構84は、いわゆるX・Yロボットであり、ワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル301と、キャリッジ83を介して、ヘッドユニット81をY軸方向(副走査方向)に移動させるY軸テーブル302と、を有している。X・Y移動機構84は、上記した石定盤51の高い部分に載置されており、ワークWの平坦度を維持すると共に、ヘッドユニット81を正確に移動させることができるようになっている。
【0077】
X軸テーブル301は、石定盤51のX軸方向に延在し、石定盤51上に直接設置されている。X軸テーブル301は、ワークWをセットするためのセットテーブル311と、セットテーブル311を支持するθテーブル312と、θテーブル312をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ(図示省略)と、θテーブル312およびセットテーブル311を介して、ワークWをX軸方向に移動させるX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸エアースライダに併設したX軸リニアスケール(図示省略)と、を備えている。なお、X軸リニアモータ、X軸エアースライダ、およびX軸リニアスケールは、X軸に対して平行に配設されており、X軸ボックス316内に収容されている。また、θテーブル312には、上記したヘッド認識カメラ31が固定されており、セットテーブル311に対して、ヘッドユニット81の位置を補正可能となっている。
【0078】
図2に示すように、セットテーブル311の中心部には、ワークWをエアー吸引により吸着セットするための吸引溝317が形成されている。セットテーブル311には、上記したエアー吸引手段25のエアー吸引チューブ(図示省略)が接続されている。そして、上記した吸引用スイッチ34をONにすると、エアー吸引手段25が駆動してエアー吸引がなされ、ワークWの平行度を維持しつつ不動にセットできるようになっている。X軸テーブル301では、X軸リニアモータの駆動により、θテーブル312とワークWを吸着セットしたセットテーブル311とが、X軸エアースライダを案内にしてX軸方向に移動する。
【0079】
Y軸テーブル302は、石定盤51に立設されたスタンド付のY軸フレーム321に載置されており、X軸テーブル301を跨ぎ、X軸テーブル301に直交して延在している。Y軸テーブル302は、ヘッドユニット81を搭載したキャリッジ83を正面に取付ける取付けブロック322と、Y軸フレーム321にスライド自在に支持され、取付けブロック322を支持するY軸エアースライダ(図示省略)と、Y軸エアースライダを介して、キャリッジ83をY軸方向に移動させるY軸リニアモータ(図示省略)と、Y軸エアースライダに併設したY軸リニアスケール(図示省略)と、を有している(図2等参照)。なお、取付けブロック322とY軸エアースライダとを一体に形成することも可能である。
【0080】
なお、キャリッジ83には、取付けブロック322への取付け姿勢を調整するための上下一対の調整ねじ298を有する姿勢調整機構297が設けられており、ヘッド昇降機構202のヘッド昇降ボールねじ272が垂直に支持されると共に、ヘッドユニット81に搭載された機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108が水平になるように、キャリッジ83を取付けブロック322に固定できるようになっている(図5、図13および図14参照)。
【0081】
また、Y軸フレーム321には、Y軸エアースライダの他に、エアースライダ(図示省略)がスライド自在に支持されており、エアースライダには、上記したワーク認識カメラ32および描画観察カメラ33が固定されている。エアースライダとY軸スライダは、独立して移動可能に構成されており、Y軸リニアモータの駆動により、ワーク認識カメラ32および描画観察カメラ33は、キャリッジとは独立にY軸方向へ移動する。なお、ワーク認識カメラ32は、ワークWの位置補正に用いられ、描画観察カメラ33は、機能液が適切に塗布されているか否かの観察に用いられる。
【0082】
ここで、吐出手段21の一連の動作について簡単に説明する。先ず、機能液を吐出する前の準備として、ワークWにワーク認識カメラ32を臨ませ、セットテーブル311にセットされたワークWの位置補正を行うと共に、ヘッド認識カメラ31およびヘッドユニット81を移動させて、ヘッド認識カメラ31にヘッドユニット81を臨ませ、ヘッド認識カメラ31により、ヘッドユニット81の位置補正を行う。また、距離検出センサ237により機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108からワークWまでの距離を測定し、ワークギャップが所定の値となるように、ヘッド昇降機構202によりヘッドユニット81の高さ調整を行う。(なお、ワーク処理時におけるヘッドユニット81の高さをヘッドユニット81の描画高さとする。)
【0083】
次に、X・Y移動機構84(X軸テーブル301)が、ワークWを主走査(X軸)方向に往動させる。ワークWの往動と同期して、機能液滴吐出ヘッド91が選択的に駆動され、ワークWに対する機能液の選択的な吐出動作が行われる。ワークWが一往動すると、X・Y移動機構84(Y軸テーブル302)は、ヘッドユニット81を副走査(Y軸)方向に移動させる。そして、X・Y移動機構84により、ワークWを復動させると共に、これと同期して機能液滴吐出ヘッド91の選択的な駆動を行う。ワークWの一復動が終了すると、X・Y移動機構84により、ヘッドユニット81を副走査させる。そして、ワークWの主走査方向へ往復動と機能液滴吐出ヘッド91の駆動と、を繰り返すことにより吐出手段21は、ワークWに対する機能液の吐出処理を行っている。なお、ワークギャップは、ワークWの厚みや種類などを考慮して設定されており、ヘッドユニット81の描画高さは、設定されたワークギャップに基づいてセットテーブル311の上面よりも常に高い位置に設定される。
【0084】
次に、メンテナンス手段22について説明する。メンテナンス手段22は、機能液滴吐出ヘッド91の保守を行うと共に、機能液滴吐出ヘッド91から適切に機能液が吐出されているか否かの検査を行い、機能液滴吐出ヘッド91による機能液の吐出を安定させるためのものである。
【0085】
メンテナンス手段22は、機能液滴吐出ヘッド91から予備吐出された機能液を受けるためのフラッシングユニット341と、機能液滴吐出ヘッド91の吸引を行う吸引ユニット342と、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108に付着する汚れを払拭するためのワイピングユニット343と、機能液滴吐出ヘッド91から吐出される機能液の吐出状態を検査するための吐出検査ユニット344と、機能液滴吐出ヘッド91から吐出された機能液の重量を測定する重量測定ユニット345と、を備えており、これら各ユニットは、セットテーブル311の周囲に集約的に配設されている。
【0086】
図2に示すように、吸引ユニット342、ワイピングユニット343、および重量測定ユニット345は、Y軸方向に移動するヘッドユニット81の移動軌跡(移動軸)上に配設されており、Y軸テーブル302によるヘッドユニット81の移動を利用して、ヘッドユニット81に臨み、保守に供するようになっている。また、同図に示すように、上記した石定盤51の低い位置には、共通支持フレーム351および移動テーブル352が横並びに設置されており、共通支持フレーム351上には、吸引ユニット342および吐出検査ユニット344が、移動テーブル352上にはワイピングユニット343がそれぞれ支持されている。
【0087】
共通支持フレーム351は、平面視略長方形のベース部361と、ベース部361の端に立設したスタンド部362と、を有しており、吸引ユニット342はスタンド部362に配設され、吐出検査ユニット344はベース部361に配設されている。なお、共通支持フレーム351は、ベース部361の長手方向がX軸と平行になるように配設されている(図19および図20参照)。
【0088】
移動テーブル352は、X軸と平行に配設されており、ワイピングユニット343を支持するX軸方向にスライド自在の移動スライダ371と、移動スライダ371を水平移動させる移動エアーシリンダ372と、移動スライダ371をスライド自在に支持すると共に移動スライダ371の移動をガイドする移動ガイド373と、を有している。移動エアーシリンダ372のピストンロッド374の先端には、断面「L」字状の固定片375が取付けられており、移動エアーシリンダ372は、固定片375を介して移動スライダ371に固定されている(図17参照)。移動テーブル352は、上記したヘッドプレート92をヘッドホルダ93から取り外すときに用いられ、ヘッドユニット81の移動軌跡上に位置するワイピングユニット343を、ヘッドユニット81の移動軌跡上から逃がすようになっている。
【0089】
フラッシングユニット341は、フラッシングの機能液を受けるためのものである。フラッシングとは、機能液滴吐出ヘッド91の吐出ノズル109から機能液を予備吐出(捨て打ち)することにより、吐出ノズル109のノズル詰まりを防止すると共に、吐出ノズル109に新鮮な機能液を導入するためのものである。フラッシングには、ワークWに対して機能液を吐出させる直前に行う吐出前フラッシングと、ワークWの交換時のように、ワークWに対する機能液の吐出が一時的に休止される時に定期的に行われる定期フラッシングとがあり、フラッシングユニット341は、吐出前フラッシングの機能液を受けるものである。なお、詳細は後述するが、定期フラッシングの機能液は、吸引ユニット342で受けるようになっている。
【0090】
図2に示すように、フラッシングユニット341は、機能液を受ける一対のフラッシングボックス381と、一対のフラッシングボックス381をその両端部に固定したスライダ(図示省略)と、を備えている。各フラッシングボックス381には、機能液を吸収させる吸収材(図示省略)が敷設されている。また、各フラッシングボックス381の底面中央部には、機能液を排出するための排出口(図示省略)が形成されている。スライダは、X軸テーブル301のθテーブル312に固定されており、一対のフラッシングボックス381は、θテーブル312およびセットテーブル311を挟んで配設されている。
【0091】
すなわち、主走査におけるθテーブル312(ワークW)の移動に同期して、一対のフラッシングボックス381も、ヘッドユニット81へ向かってX軸方向に移動していくので、ワークWと共に、ヘッドユニット81に臨む構成となっている。したがって、機能液滴吐出ヘッド91は、ワークWに対して機能液を吐出させる直前に、順次フラッシングボックス381に臨んで、吐出ノズル109から機能液を順次予備吐出させることができるようになっている。
【0092】
吸引ユニット342は、機能液滴吐出ヘッド91を吸引することにより、機能液滴吐出ヘッド91の吐出ノズル109から機能液を強制的に排出させるものであり、例えば、新たにヘッドユニット81に機能液滴吐出ヘッド91を投入した場合のように機能液の充填を行う場合や、機能液滴吐出ヘッド91内で増粘した機能液を除去するための吸引(クリーニング)を行う場合に吸引ユニット342は用いられる。
【0093】
図15および図16に示すように、吸引ユニット342は、ヘッドユニット81に搭載された機能液滴吐出ヘッド91に密着させる3個のキャップ391と、3個のキャップ391を支持するトレー状のキャップベース392と、キャップ391を介して機能液滴吐出ヘッド91の吸引を行う吸引ポンプ393と、キャップベース392を支持するキャップスタンド394と、を備えている。また、両図に示すように、吸引ユニット342は、Y軸方向を移動するヘッドユニット81に臨むように、Y軸方向に移動するヘッドユニット81の移動軌跡上に配設されている。そして、ヘッドユニット81が吸引ユニット342に臨んだときに、上記したヘッド昇降機構202を駆動してヘッドユニット81を下降させることにより、機能液滴吐出ヘッド91をキャップ391に密着させることができるようになっている。
【0094】
各キャップ391は、キャップ本体401とキャップ本体401を支持するキャップホルダ402とで構成されている。キャップ本体401の上面には、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108を包含する凹部411が形成され、凹部411の周縁部には、ノズル面108に形成された吐出ノズル109を包含するようにシールパッキン412が取り付けられている。凹部411の底部には、小孔413が形成されている。この小孔413は、吸引用の接続チューブ(図示省略)を介して吸引ポンプ393に接続されるL字継手414と連通している。また、凹部411には、吸収材415が敷設されており、吸収材415は押え枠416によって押し付けられている。
【0095】
キャップホルダ402は、平面視略長方形であり、キャップホルダ402の長手方向に対し、その上面が僅かに傾斜した形状となっている。そして、キャップ本体401は、上方(キャップホルダ402)に付勢され、かつ僅かに上下動可能な状態でキャップホルダ402に保持されている。したがって、ヘッド昇降機構202を駆動して、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108をキャップ391に押し付けることにより、ノズル面108にならってシールパッキン412を密着させることができ、ノズル面108を確実に封止できるようになっている。
【0096】
キャップベース392には、ヘッドユニット81の(3個の)機能液滴吐出ヘッド91の配置に対応させて、キャップ391を取付けるための取付け開口(図示省略)が形成されている。そして、キャップ391の下部を取付け開口に挿入して、キャップベース392にキャップホルダ402をねじ止めすることにより、ヘッドユニット81の機能液滴吐出ヘッド91の配置に対応させてキャップ391を固定できるようになっている。キャップスタンド394は、共通支持フレーム351のスタンド部362に立設されている。なお、キャップスタンド394には、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108の高さ位置を検出するノズル面検出センサ421が固定されている。
【0097】
上述したが、吸引ユニット342は、機能液滴吐出ヘッド91の吸引の他に、定期フラッシング時の機能液受けとして用いられている。この場合、ヘッドユニット81は、ヘッド昇降機構202により、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108とキャップ391との間に間隙が生じる所定のフラッシング位置まで下降するようになっており、機能液滴吐出ヘッド91はこのフラッシング位置からキャップ391に対してフラッシングを行う。そこで、キャップホルダ402の上面部には、機能液を受けるための機能液受け418が形成されている。また、キャップベース392はトレー状に形成されており、キャップホルダ402の機能液受け418からはみ出した機能液が飛び散らないようになっている。さらに、キャップスタンド394には、キャップベース392からはみ出した機能液を受ける廃液パン419が、キャップベース392に臨んで配設されている(図19および図20参照)。
【0098】
ワイピングユニット343は、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108を、ロール状に巻回されたワイピングシート421を繰り出しながら拭き取るものである。ワイピングユニット343は、上述した移動テーブル352上に配設され、X軸方向に移動可能に構成されている(図2参照)。図17および図18に示すように、ワイピングユニット343は、支持フレーム422と、ワイピングシート421を繰出しながら巻き取っていく巻取りユニット423と、繰り出されたワイピングシート421でノズル面108を拭き取るための拭き取りユニット424と、を有している。
【0099】
支持フレーム422は、「L」字状に折り曲げられ、移動スライダ352に固定された一対の鉛直プレート431と、一対の鉛直プレート431の上部に掛け渡した水平プレート432と、を有している。一対の鉛直プレート431には、巻取りユニット423が両持ち支持されており、水平プレート432上には、拭き取りユニット424が配設されている。
【0100】
巻取りユニット423は、ロール状のワイピングシート421を装填し、ワイピングシート421を繰り出す上側の繰出しリール441と、繰り出されたワイピングシート421を巻き取る下側の巻取りリール442と、巻取りリール442を回転させると共に、巻取りリール442の回転を介して繰出しリール441を回転させる巻取りモータ443と、を備えている。繰出しリール441および巻取りリール442は、鉛直プレート431により、回転自在に支持されている。繰出しリール441には、トルクリミッタ444等の制動機構が組み込まれており、繰出されたワイピングシート421に一定の張力を付与できるようになっている。巻取りリール442および巻取りモータ443との間には、タイミングベルト445が掛け渡されており、巻取りモータ443が回転することにより、タイミングベルト445を介して巻取りリール442が回転し、ワイピングシート421を繰出すと共に、これを順次巻き取るようになっている。
【0101】
拭き取りユニット424は、水平プレート432上に固定された一対のサブスタンド451と、サブスタンド451に支持され、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108にワイピングシート421を当接させる拭き取りローラ452と、サブスタンド451に支持され、繰出しリール441から繰出されたワイピングシート421を拭き取りローラ452に送る中間ローラ453と、繰出されたワイピングシート421に洗浄液を滴下する複数(8個)の滴下ノズル456と、を備えている。なお、移動テーブル352の移動スライダ371には、一対の鉛直プレート431に挟まれて洗浄液パン457が固定されており、ワイピングユニット343からはみ出した洗浄液で装置内が汚れないようになっている。
【0102】
拭き取りローラ452は、一対のサブスタンド451に回転自在かつ両持ちで、水平に支持されている。そして、拭き取りローラ452は、ワイピングシート421を当接させる機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108がサブスタンド451に衝突しないように、サブスタンド451からその上端がはみ出すように支持されている。また、拭き取りローラ452は、ローラ高調整ねじ462を有するローラ高調整機構461を介して、サブスタンド451に支持されており、ローラ高調整ねじ462により、拭き取りローラ452のローラ高さおよび平行度を微調整できるようになっている。なお、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108の損傷を防止するため、拭き取りローラ452は、柔軟性と弾力性を有するゴム等で構成することが好ましい。
【0103】
中間ローラ453は、ワイピングシート421を挟んで対峙する上下2つのローラ453a、453bからなるグリップローラで構成されており、サブスタンド451に回転自在かつ両持ちで、水平に支持されている。中間ローラ453の下側のローラ453bには、ローラの回転速度を検出する速度検出器465が固定されている。速度検出器465による検出結果に基づいてワイピングシート421の送り速度を検出できるようになっており、ワイピングシート421が所定の速度で送られるよう、巻取りモータ443は、速度検出器465の検出結果に基づいて制御されている。
【0104】
滴下ノズル456は、後述する液体供給回収手段23の洗浄液タンク613に接続されており、ワイピングシート421に洗浄液を滴下するものである。滴下ノズルは、サブスタンド451に水平支持されたノズル支持部材468に支持されている。ノズル支持部材468は、ワイピングシート421の送り方向における、中間ローラ453と拭き取りローラ452との間に固定されている。そして、複数の滴下ノズル456は、ワイピングシート421の幅方向に対して均一に洗浄液を滴下できるように、ワイピングシート421の幅に合わせて横並びに等間隔で支持されている。
【0105】
図18に示すように、ワイピングユニット343に装填されたワイピングシート421は、繰出しリール441から繰り出され、中間ローラ453、拭き取りローラ452を周回して、巻取りリール442に巻き取られるようになっている。一連の拭き取り動作について簡単に説明する。まず、Y軸テーブル302を駆動して、ヘッドユニット81をY軸方向に移動させて、ヘッドユニット81をワイピングユニット343に臨ませる。
【0106】
次に、滴下ノズル456からワイピングシート421に洗浄液を滴下させ、ワイピングシート421に洗浄液を含浸させる。洗浄液の滴下を続けながら、巻取りモータ443を駆動して、ワイピングシート421の洗浄液を含浸した部分を拭き取りローラ452に送っていく。さらに、洗浄液の滴下とワイピングシート421の送りを続けながら、上記したヘッド昇降機構202を駆動してヘッドユニット81を下降させ、洗浄液を含浸したワイピングシート421を介して、拭き取りローラ452に機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108を当接させる。そして、この状態のまま、再びヘッドユニット81をY軸方向へ移動させていき、ワイピングシート421で機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108を拭き取っていく。全ての機能液滴吐出ヘッド91が拭き取りローラ452を通過すると、拭き取り動作は完了となり、洗浄液の滴下およびワイピングシート421の送りが停止される。
【0107】
吐出検査ユニット344は、機能液滴吐出ヘッド91から実際に吐出された飛翔中の機能液滴を撮像することにより、機能液滴吐出ヘッド91から機能液が適切に吐出されているか否かを検査するものである。吐出検査ユニット344は、飛翔中の機能液滴を撮像する撮像ユニット471と、撮像する機能液滴に光を照射する照明ユニット472と、を備えている。図19および図20に示すように、吐出検査のために吐出された機能液の機能液受けは吸引ユニット342が兼ねており、撮像ユニット471および照明ユニット472は、吸引ユニット342のキャップベース392を支持する共通支持フレーム351のスタンド部362を挟んで対向配置されている。
【0108】
両図に示すように、撮像ユニット471は、機能液滴を撮像するCCDカメラ481と、CCDカメラ481を支持するカメラスタンド482と、カメラスタンド482を介し、CCDカメラ481を移動させるカメラ移動機構483と、を備えている。図示省略したが、CCDカメラ481は、撮像用の対物レンズや、対物レンズにより結像した機能液滴の画像を電気信号に変換するCCD撮像素子などを有している。また、CCDカメラ481は、撮像倍率(視野)を変えるためのカメラズーム484を有しており、カメラズーム484用のズームモータ485を具備している。なお、CCDカメラ481は、吐出検査のための機能液滴吐出ヘッド91の駆動と同期しており、飛翔中の機能液滴を的確に撮像できるようになっている。カメラスタンド482には、CCDカメラ481(対物レンズ)の前後(X軸)方向の角度を微調整するためのカメラ角度調整機構486や、CCDカメラ481の高さを微調整するためのカメラ高さ調整機構487が組み込まれている。
【0109】
カメラ移動機構483は、CCDカメラ481の焦点距離を調整するために、CCDカメラ481を移動させるものである。カメラ移動機構483は、上記した共通支持フレーム351のベース部361に固定されている。カメラ移動機構483は、ベース部361の長手方向(X軸)に平行に配設されており、カメラスタンド482をX軸方向にスライド自在に支持するカメラ用スライダ488と、カメラ用スライダ488を移動させるためのカメラ用ボールねじ(図示省略)と、カメラ用ボールねじに併設されたカメラ用リニアスケール(図示省略)と、カメラ用ボールねじを正逆回転させるカメラ移動モータ489と、を備えている。カメラ移動モータ489が駆動すると、ボールねじが正逆回転して、カメラ用スライダ488を介してCCDカメラ481がX軸方向に移動する。
【0110】
照明ユニット472は、撮像の光源となるストロボ491と、ストロボ491から照射される照射光の光量を調節するための透光板492と、を有している。ストロボ491は、X軸方向に延在し、カメラスタンド482に固定されたアーム部材493に支持されている。アーム部材493には、ストロボ491の前後(X軸)方向の角度および高さを調整するためのストロボ位置調整機構494が組み込まれており、ストロボ491の光軸がCCDカメラ481の光軸と一致するように、ストロボ491の位置調整がなされる。ストロボ491は、カメラスタンド482に固定されたアーム部材493に支持されているため、ストロボ491は、その光軸をCCDカメラ481の光軸と一致させた状態で、CCDカメラ481の移動に追従するようになっている。なお、ストロボ491は、十分な光量を確保できると共に装置内への熱的影響が少ないLEDアレイで構成することが好ましい。
【0111】
ストロボ491も機能液滴吐出ヘッド91の駆動と同期しており、CCDカメラ481の撮像タイミングに合わせて発光するようになっている。したがって、機能液滴や背景の色に関わらず、機能液滴の周囲は比較的輝度の高い白色に、機能液滴は比較的輝度の低い黒色に撮像することができる。
【0112】
透光板492は、アクリル板等の透光性を有する透明の板で構成されている。透光板492は、ストロボ491の照射光を減光するためのもので、ストロボ491のCCDカメラ481側前方に配設されている。透光板492は、共通支持フレーム351のスタンド部362に固定された透光板昇降シリンダ495(エアーシリンダ)に支持されており、CCDカメラ481の撮像倍率に対応して、上下するようになっている(図19および図20参照)。すなわち、撮像倍率が高いときには、ストロボ491から十分な光量を得られるよう透光板492を下げ、撮像倍率が低いときには、ストロボ491からの照射光を減光するために透光板492を上昇させるようになっている。
【0113】
吐出検査ユニット344による吐出検査は、CCDカメラ481を間欠移動させながら、各機能液滴吐出ヘッド91のノズル列毎に行われる。具体的に説明すると、まず、ヘッドユニット81を移動させて吸引ユニット342に臨ませた後、ヘッド昇降機構202を駆動して、ヘッドユニット81を所定の撮像高さまで下降させる。そして、機能液滴吐出ヘッド91の1列目のノズル列を構成する吐出ノズル109から機能液滴を吐出させ、1列目の吐出ノズル109から吐出される機能液滴を撮像する。CCDカメラ481の視野内に、1列目を構成する全吐出ノズル109が収まらないときは、CCDカメラ481の視野に合わせて、1列目のノズル列を複数のグループに分割し、グループ毎に順次撮像を行うことにより1列分の吐出ノズル109から吐出される機能液滴を撮像する。すなわち、1つのグループの撮像が終了すると、次のグループの全吐出ノズル109がCCDカメラ481の視野内に収まるように、機能液滴吐出ヘッド91を移動させる、といった動作を繰り返し、1列目の全吐出ノズル109から吐出される機能液滴の撮像を行う。
【0114】
1列目の撮像が終了すると、カメラ移動モータ489を駆動して、2列目の吐出ノズル109から吐出される機能液滴に焦点が合うように、2列目のノズル列の位置に対応させて、CCDカメラ481を移動させる。そして、1列目と同様に、2列目の全吐出ノズル109から吐出される機能液滴を撮像する。そして、このような動作を繰り返し、1個の機能液滴吐出ヘッド91の全ノズル列について撮像を行う。1個の機能液滴吐出ヘッド91の吐出検査が終了すると、ヘッドユニット81またはCCDカメラ481を適宜移動させて、次の機能液滴吐出ヘッド91について吐出検査を行う。そして、これを機能液滴吐出ヘッド91の数(3回)、繰り返すことにより、ヘッドユニット81の全機能液滴吐出ヘッド91の吐出検査を行うことができるようになっている。
【0115】
なお、CCDカメラ481による撮像結果は、上記したホスト・コンピュータ26に送信されて画像認識され、この画像認識に基づいて、各機能液滴吐出ヘッド91の各吐出ノズル109が正常に機能液を吐出しているか否かが判断される。
【0116】
重量測定ユニット345は、機能液滴吐出ヘッド91から吐出された機能液滴の重量を測定することにより、機能液滴吐出ヘッド91の吐出不良を検出するためのものである。図21および図22に示すように、重量測定ユニット345は、機能液滴の重量を測定する電子天秤501と、電子天秤501を収容する略直方体の天秤収容ボックス502と、天秤収容ボックス502を支持する天秤スタンド503と、を備えている。
【0117】
電子天秤501は、機能液滴吐出ヘッド91から吐出された機能液滴を受ける受け皿511と、受け皿511を支持する支持部512と、支持部512を支持すると共に、受け皿511に吐出された機能液滴の重量を測定する測定部513と、を有している。受け皿511は、平面視方形状であり、ヘッドユニット81に搭載された3個の機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108が十分に収まるよう、大きめに形成されている。受け皿511の上面は、機能液を吸着するスポンジ状の吸着シート514が敷設されており、吐出された機能液を確実に受け皿511上に捕捉できるようになっている。
【0118】
天秤収容ボックス502は、内部に電子天秤501を収容し、電子天秤501の測定結果に対する気流の影響を防止するためのものである。天秤収容ボックス502の上面には、受け皿511の大きさに対応して、方形の開口部521が突出して形成されており、開口部521に受け皿511が位置するようになっている。図21および図22に示すように、天秤収容ボックス502は平面視長方形であり、天秤収容ボックス502には、開口部521を覆うと共に、天秤収容ボックス502の長手方向に対してスライド自在のカバー522が配設されている。そして、天秤収容ボックス502には、カバー522を移動させるカバー移動機構523が設けられており、機能液滴吐出ヘッド91から吐出された機能液滴を受け皿511に受けるときのみ、カバー522が移動して、受け皿511の上面が露出するようになっている。
【0119】
カバー移動機構523は、カバー522をスライド自在に支持するスライダ524と、スライダを移動させるためのエアーシリンダ525(復動シリンダ)と、天秤収容ボックス502の側面に固定され、天秤収容ボックス502の側面に形成又は固定され、スライダ524の移動を案内するスライダガイド(図示省略)と、を有している。スライダ524には、取付け片527が固定されており、取付け片527にエアーシリンダ525のピストンロッド526が固定されている。そして、エアーシリンダ525にエアーを供給すると、ピストンロッド526が往動することによりカバー522が開き、ピストンロッド526が復動することによりカバー522が閉じるようになっている。なお、エアーシリンダ525は、エアー供給手段24からエアー供給を受けるようになっている。
【0120】
天秤スタンド503は、ベースプレート531と、ベースプレート531に立設した4本の支柱部材532と、を有しており、4本の支柱部材532上に電子天秤501を収容した天秤収容ボックス502が固定されている。ベースプレート531は、電子天秤501の受け皿511がヘッドユニット81の移動軌跡上に位置するよう、上記した石定盤51の高い位置に設置される。支柱部材532は、電子天秤501の高さおよび平行度を調節可能な調節脚となっている。
【0121】
重量測定ユニット345の一連の動作について説明する。受け皿511に機能液滴吐出ヘッド91が臨むよう、ヘッドユニット81を重量測定ユニット345まで移動させた後、ヘッドユニット81を所定の重量測定高さまで下降させる。このとき、電子天秤501のゼロ点調整を行う。そして、カバー移動機構523を駆動してカバー522を開き、機能液滴吐出ヘッド91から機能液を受け皿511に(数百ショット)吐出させる。機能液の吐出が終了すると、ヘッドユニット81を上昇させると共に、カバー522を閉じ、受け皿511に吐出された機能液の重量を測定する。なお、機能液滴の重量測定方法は、任意に設定可能であり、機能液滴吐出ヘッド91単位で行うことも可能であるし、ノズル列毎に行うことも可能である。また、3個分の機能液滴吐出ヘッド91から吐出された機能液滴を同時に測定し、異常が検出されたときのみ各機能液滴吐出ヘッド91について測定を行うようにしてもよい。
【0122】
なお、上述したように、この液滴吐出装置2には、ヘッド昇降機構202が設けられ、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108の高さを調節することが可能であるため、ヘッド昇降機構202によるヘッドプレート92の昇降範囲に対応させて、メンテナンス手段22の各ユニットを構成すればよい。本実施形態では、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108と各メンテナンス手段22の各ユニットとの間に、ワーク交換などに利用する作業空間を確保して効率的に作業を行えるようにするため、メンテナンス手段22のほとんどのユニットは、その上端部がセットテーブル311よりも低くなるよう配設され、ヘッドプレート92の下限付近にその保守高さ、すなわち機能液滴吐出ヘッド91が各ユニットのメンテナンスに供されるときの高さが位置するようになっている(図3および図4参照)。
【0123】
次に、液体供給回収手段23について説明する。液体供給回収手段23は、ヘッドユニット81(各機能液滴吐出ヘッド91)に機能液を供給する機能液供給系541と、メンテナンス手段22の吸引ユニット342で吸引した機能液および吸引ユニット342に吐出された機能液を回収する機能液回収系543と、ワイピングユニット343に機能材料の溶剤を洗浄用として供給する洗浄液供給系544と、で構成されている。
【0124】
機能液供給系541は、機能液を貯留する機能液パック(図示省略)と、これを支持する機能液スタンド551と、機能液パックと各機能液滴吐出ヘッド91とを接続する給液チューブ553を有し、機能液パック内の機能液を各機能液滴吐出ヘッド91に供給するための給液チューブユニット552を備えている。機能液パックおよび機能液スタンド551は、上記した小型の機台42に配設された収容ボックス73内に収容されており、機能液パックの交換時に、大型の機台41に搭載された各手段を収容するチャンバ装置3(主チャンバ11)内の雰囲気を破壊しないようになっている。
【0125】
図示省略したが、機能液パックは、機能液を貯留し、アルミ蒸着フィルム等で構成した袋状のパック本体と、パック本体の一端に取り付けられ、パック本体内の機能液の供給口となる機能液供給口部材と、を備えている。なお、機能液パックは密閉されており、パック内の機能液が外部エアーの影響を受けることはない。また、機能液パックの他に、カートリッジ形式のものやタンク形式のものを用いることも可能である。
【0126】
機能液スタンド551は、機能液パックを載置する載置部材561と、載置部材561を支持する昇降プレート562と、昇降プレート562を介して機能液パックを上下させる昇降機構563と、を備えている。図23に示すように、機能液スタンド551は、3個の載置部材561を有しており、昇降プレート562には、3個の載置部材561が横並びに配設されている。そして、液滴吐出装置2を発光素子の形成に用いる場合には、R・G・Bに対応する機能液を貯留する3種類の機能液パックを各載置部材561にそれぞれ載置するようになっている。また、昇降プレート562には、所定の基準位置が定められており、昇降機構563は、基準位置から所定の範囲内で昇降プレート562を昇降させるようになっている。
【0127】
各載置部材561は、機能液パックを載置する載置プレート571と、載置プレート571を支持するプレート支持部材572と、を有している。プレート支持部材572は、載置プレート571の高さを調整可能なプレート昇降機構573を有しており、昇降プレート562が基準位置に位置するときに、ヘッドユニット81に搭載された機能液滴吐出ヘッド91と機能液パックとの水頭差が予め規定された値となるように、各載置プレート571の高さを調整するようになっている。プレート昇降機構573は、載置プレート571を上下に移動させるラック・ピニオン574と、ピニオン(図示省略)に固定されたプレート高調整ねじ575と、を有しており、プレート高調整ねじ575を回転させると、ピニオンがラック576上を相対的に移動して、載置プレート571が上下に移動するようになっている。
【0128】
昇降機構563は、ベース581に立設され、昇降プレート562を上下方向にスライド自在に支持している。昇降機構563は、昇降プレート562を上下方向に移動可能なスライド部材582と、スライド部材582の移動を案内する昇降ガイド583と、スライド部材582を上下に移動させるための昇降モータ(図示省略)と、昇降モータの駆動により正逆回転する昇降ボールねじ(図示省略)と、昇降ボールねじを正逆回転させると、昇降ボールねじに螺合すると共に、スライド部材582を支持する昇降部材586と、を備えている。なお、昇降モータおよび昇降ボールねじは、ケーシング584内に収容されている。本実施形態では、昇降モータは、中空軸モータで構成されており、昇降ボールねじは昇降モータを貫通して固定されている。
【0129】
スライド部材582は、「L」字状に折り曲げられており、昇降プレート562に固定する固定部587と、上下方向にスライド移動可能なスライド部588と、を有している。スライド部588には、遮光板を「L」字に折り曲げた小片589が固定されている。昇降ガイド583は、スライド部588と当接し、スライド部588の移動をガイドする。昇降部材586は、スライド部材588の固定部587に固定されている。昇降モータが駆動すると、スライド部材582が昇降ガイド583にガイドされながら昇降し、昇降プレート562を安定的に上下に移動させるようになっている。
【0130】
上述したように、昇降機構563は、基準位置にある昇降プレート562を所定の範囲内で上下させるようになっており、昇降機構563に併設されたプレート位置検出センサ591に基づいて、昇降モータのパルス制御を行うことにより、所定の範囲内で昇降プレート562を上下させることができるようになっている。プレート位置検出センサ591は、昇降プレート562の上限位置および下限位置を検出するものであり、発光素子および受光素子を有するフォトセンサ(透過型のフォトインタラプタ)で構成されている。そして、スライド部材582に固定された小片589で発光素子の光を遮断させることにより、昇降プレート562の位置を検出できるようになっている。
【0131】
プレート位置検出センサ591は、昇降プレート562の基準位置を検出するプレート基準検出センサ592、昇降プレート562の上限位置を検出するプレート上限センサ593、および昇降プレート562の下限位置を検出するプレート下限センサ594と、を有している。プレート基準検出センサ592は、昇降プレート562の基準位置おける小片589の位置に対応して配設されており、昇降プレート562が基準位置に達すると、小片589がプレート基準検出センサ592の受光素子と発光素子との間に位置するようになっている。これと同様に、プレート上限センサ593、およびプレート下限センサ594は、昇降プレート562の上限位置おける小片589の位置、および昇降プレート562の下限位置おける小片589の位置に対応させて、それぞれ配設されている。
【0132】
機能液回収系543は、吸引ユニット342のキャップ391を介して吸引した機能液および定期フラッシングでキャップ391に吐出された機能液を回収するためのものであり、機能液を貯留する再利用タンク611と、吸引ポンプ393に接続され、吸引した機能液を再利用タンク611へ導く回収用チューブ(図示省略)と、を備えている。そして、キャップ391に排出された機能液は、吸引ポンプ393により、再利用タンク611に導かれるようになっている。なお、本実施形態では、3個の再利用タンク611が設けられており、R、G、およびB色の機能液を個別に回収できるようになっている(図2参照)。
【0133】
洗浄液供給系544は、ワイピングユニット343のワイピングシート421に滴下する洗浄液を滴下ノズル456に供給するためのもので、洗浄液を貯留する洗浄液タンク613と、洗浄液タンク613と滴下ノズル456を接続する洗浄液供給チューブ(図示省略)と、を有している。洗浄液タンク613は、エアー供給手段24に接続されており、エアー供給手段24から洗浄液タンク613に圧縮エアーを導入することにより、洗浄液タンク613から洗浄液が加圧送液されるようになっている。なお、8個の滴下ノズル456に接続された各洗浄液供給チューブは、洗浄液タンク613に接続する1本の洗浄液供給チューブを(7個の)二分岐継手615によって分岐していったものである(図18参照)。洗浄液供給チューブは、均等に分岐されており、分岐された各洗浄液供給チューブ内における洗浄液の圧力損失は略均一となっているため、各滴下ノズル456に供給される洗浄液の液量をほぼ一定にすることが可能である。また、洗浄液には、比較的揮発性の高い機能液の溶剤が用いられており、機能液滴吐出ヘッド91のノズル面108に付着する機能液を効率的に除去できるようになっている。
【0134】
なお、小型の機台42の機台本体71には、引き出し形式の防液パン621が収容されており、機能液回収系543の再利用タンク611、および洗浄液供給系544の洗浄液タンク613は、防液パン621上に設置されている。
【0135】
次に、エアー供給手段24について説明する。エアー供給手段24は、ドライエアーを圧縮した圧縮エアーを各部に供給するためものである。エアー供給手段24は、大型の機台41に載置された各手段に圧縮エアーを供給する第1エアー供給ユニット631と、小型の機台42に載置された収容ボックス73に圧縮エアーを供給する第2エアー供給ユニット632と、を備えている。図示省略したが、第1・第2エアー供給ユニット631、632には、ドライエアーを圧縮するエアーポンプ(コンプレッサー)と、エアーポンプからの圧縮エアーを供給先に応じて一定圧力に保つレギュレータと、エアーポンプと各部とを配管接続して、圧縮エアーを各部に供給するエアー供給チューブと、がそれぞれ備えられている。
【0136】
エアー吸引手段25は、エアー吸引を行う真空ポンプ641と、セットテーブル311の吸引溝317と真空ポンプ641とを接続するためのエアー吸引チューブ(図示省略)と、を備えている。
【0137】
次に、液滴吐出装置2に接続されるホスト・コンピュータ26について説明する。図示省略したが、ホスト・コンピュータ26は、パソコン等で構成されており、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAMと、各種記憶領域を有し、液滴吐出装置2の制御プログラムや液滴吐出装置2に関する各種データを記憶するハードディスクと、ハードディスクに記憶されたプログラム等に基づいて、各種データを演算処理するCPUと、これらを互いに接続するバスと、を備えている。
【0138】
ホスト・コンピュータ26では、CPUが、RAMや液滴吐出装置2からの各種検出信号、各種指令、各種データ等を、ハードディスクの制御プログラムに従って処理しており、CPUの出力に基づいて、液滴吐出装置2の制御信号が出力される。これにより、液滴吐出装置2の各手段が有機的に制御され、液滴吐出装置2全体が制御されるようになっている。
【0139】
また、図示省略したが、ホスト・コンピュータ26は、各種データやメッセージ等を表示し、ユーザの視認に用いられるモニタディスプレイや、FDドライブやCDドライブ等の各種ドライブを備えている。
【0140】
次に、関連づけて制御される機能液滴吐出ヘッド91の昇降動作と機能液供給系541の昇降動作とについて、詳細に説明する。上述したように、ヘッドユニット81は、3個の機能液滴吐出ヘッド91と、3個の機能液滴吐出ヘッド91を搭載するヘッドプレート92と、ヘッドプレート92を支持するヘッドホルダ93と、を備えている。ヘッドホルダ93は、ヘッド回動機構201を介して、ヘッド昇降機構202に、昇降自在に吊設されている。
【0141】
ヘッド昇降機構202は、ヘッドユニット81を昇降させるヘッド昇降モータ273(ブレーキ付サーボモータ)を有し、またヘッド昇降モータ273は、後述するヘッド昇降制御手段507に接続されている。ヘッド昇降制御手段507からの制御信号によって、ヘッド昇降モータ273が正逆回転することにより、ヘッドユニット81が昇降する。
【0142】
この場合、機能液滴吐出ヘッド91においては、ワークWに対するノズル面108の高さであるヘッド基準高さが定められている。そして、ヘッド基準高さを検出する基準位置検出センサ282が、ヘッド昇降機構202に併設されている。
【0143】
一方、上述したように、機能液供給系541は、3個の機能液滴吐出ヘッド91に機能液を供給する3個の機能液パック555と、これらを一体として昇降させる昇降機構563と、を備えている。また、3個の機能液パック555の高さを手動より個別に調整可能なプレート昇降機構573を有している。
【0144】
昇降機構563は、昇降モータ(ステッピングモータ)585を有し、昇降モータ585は、後述する液パック昇降制御手段508に接続されている。液パック昇降制御手段508からの制御信号によって、昇降モータ585が正逆回転すると、3個の機能液パック555が、一体として昇降する。
【0145】
この場合、機能液パック555においては、上記ヘッド基準高さにあるノズル面108に対する液面556の高さ位置(液位)である液パック基準高さが定められている。機能液パック555における、内部の機能液の液面556の高さ(液位)は、機能液パック555と給液チューブ553の接続部の高さがこれに相当する。そして、昇降プレート562の高さを検出することによって、機能液パック555の液パック基準高さを検出するプレート基準検出センサ592が、昇降機構563に併設されている。
【0146】
なお、ホスト・コンピュータ26では、CPUが、RAMや液滴吐出装置2からの各種検出信号、各種指令、各種データ等を、ハードディスクの制御プログラムに従って処理しており、CPUの出力に基づいて、液滴吐出装置2の制御信号が出力されるが、機能液滴吐出ヘッド91の昇降の制御に関る部分を、以下、ヘッド昇降制御手段507と呼び、機能液パック555の昇降の制御に関る部分を、液パック昇降制御手段508と呼ぶ。
【0147】
最初に、機能液滴吐出ヘッド91と、機能液パック555の適切な高さ関係について、説明する。機能液滴吐出ヘッド91と機能液パック555を昇降させる基準高さとして、ヘッド基準高さと液パック基準高さを設定する。このヘッド基準高さと液パック基準高さとの上下方向の寸法差、すなわち水頭差は予め一定の値に定められている。
【0148】
機能液滴吐出ヘッド91が、ヘッド基準高さにあり、機能液パック555の高さが液パック基準高さのとき、図24のように、機能液パック555内の機能液の液面556とノズル面108との水頭差が所定の値aになるように各高さ関係を定める。本実施形態では、aはノズル面108における機能液の水頭圧が負圧になるように設定してある。すなわち、機能液滴吐出ヘッド91から適切な液滴吐出が行われると共に、機能液の液垂れが起こることのないように、水頭圧が設定してある。
【0149】
機能液滴吐出ヘッド91のヘッド基準高さは、基準位置検出センサ282で検出される。一方、機能液パック555の液パック基準高さは、プレート基準検出センサ592で検出される。プレート基準検出センサ592と機能液パック555の高さ関係は、プレート昇降機構573によって載置プレート571の昇降プレート562に対する高さを調整することで調整可能であり、基準位置検出センサ282とプレート基準検出センサ592とが基準高さを検出したときに、水頭差が所定の値aになるように、初期設定しておく。本実施形態では、機能液パック555は3個設けられており、初期設定は各機能液パック555毎に個別に実施する。
【0150】
本実施形態のヘッド基準高さは、描画動作時のヘッド高さ(描画時ヘッド高さ)をヘッド基準高さとしている。したがって、描画動作時には、機能液滴吐出ヘッド91の上下方向の位置は、ワークギャップを考慮したヘッド基準高さに位置しており、機能液パック555は、液パック基準高さに位置し、両者の水頭差が所定の値aになっている。一方、本実施形態における保守装置であるメンテナンス手段22の各メンテナンスユニットは、ワークWの高さに対して、その処理動作位置が下方に設置されている。従って、各メンテナンス時の好適なヘッド高さは、描画時ヘッド高さ(ヘッド基準高さ)より下方にあり、メンテナンス動作を行うには、各メンテナンスユニットに対して好適なヘッド高さとすべく、機能液滴吐出ヘッド91は下降して、各メンテナンスユニットに臨むようになっている。
【0151】
例えば、重量測定を行う場合には、受け皿511に機能液滴吐出ヘッド91が臨むよう、ヘッドユニット81を重量測定ユニット345まで平面移動させた後、ヘッド昇降制御手段507からの信号に従ってヘッド昇降モータ273が回転し、ヘッドユニット81を所定の重量測定高さまで下降させる。液滴吐出ヘッド91が下降すると同時に、液パック昇降制御手段508が、昇降モータ585を、機能液滴吐出ヘッド91の昇降量に対応した回転数だけ回転させ、昇降プレート562を下降させる。すなわち、機能液パック555を重量測定の液パック高さまで、下降させる。水頭差aが保たれ、能液滴吐出ヘッド91への良好な給液が可能である。
【0152】
機能液滴吐出ヘッド91が、他のメンテナンスユニットに臨んでメンテナンス動作が行われるときも同様に、機能液滴吐出ヘッド91の昇降に追従して、機能液パック555を昇降させることによって、水頭差aが保たれ、能液滴吐出ヘッド91への良好な給液が可能である。
【0153】
本実施形態のように、機能液パック555を使用する場合や、機能液タンクを使用する場合であっても上下方向寸法が小さい機能液タンクを使用する場合には、機能液タンクや機能液パック555内の機能液が供給されて減少し、液位が下がっても、機能液滴吐出ヘッド91の吸引力で吸引できる範囲(水頭差aの許容誤差範囲)であり、給液は良好に行われる。もっとも、この場合には、機能液パック555を横置きに設置することが好ましい。
【0154】
ヘッド基準高さ及び液パック基準高さは、本実施形態のように検出手段を設けて基準高さ検出をしてもよいし、上側または下側に度当りを設けて、停止した位置を基準高さとしてもよい。
【0155】
ヘッド昇降モータ273はサーボモータであり、昇降モータ585はステッピングモータであり、モータの回転数から、機能液滴吐出ヘッド91の高さはおよび機能液パック555の高さが検出できるが、別途リニアエンコーダを設けるなどして昇降量を直接検出してもよい。また、機能液タンクの液面を直接検知してもよい。
【0156】
リニアエンコーダを設けて、ヘッドプレート92の昇降量を検出し、検出された高さ情報をノズル面108高さ情報として、液パック昇降制御手段508にフィードバックしてもよい。この場合、ノズル面108の高さを実際に測定しているため、ノズル面108の高さにばらつきがあっても対応することができ、設定高さが変更されても対応することができる。さらに、ヘッド昇降機構202の異常作動などによる、機能液滴吐出ヘッド91の高さ異常の検出も可能である。ヘッド昇降機構202が誤動作した場合でも、機能液パック555はノズル面108の高さに対応する高さまで昇降させられるため、水頭差aが保たれ、液垂れが起こることはない。
【0157】
リニアエンコーダを設けて、昇降プレート562の昇降量を検出し、検出された高さ情報を液位情報として、液パック昇降制御手段508にフィードバックしてもよい。液パック昇降制御手段508は、得られた現在液位と、ノズル面108の高さ情報から求められる水頭差が一定になる「あるべき液位」との差を求め、現在液位が「あるべき液位」になるように、機能液パック555を昇降して、水頭差aが保たれるようにすることができる。
【0158】
機能液パック555の設置数は、3個に限らず、機能液の種類や、必要な機能液量や、機能液滴吐出ヘッド91の数などを考慮して、適当な数を設置すればよい。
【0159】
次に、上記の液滴吐出装置2を液晶表示装置の製造に適用した場合について、説明する。図25は、液晶表示装置801の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置801は、カラーフィルタ802と、対向基板803と、カラーフィルタ802と対向基板803との間に封入された液晶組成物804と、バックライト(図示省略)と、で構成されている。対向基板803の内側の面には、画素電極805と、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示省略)とがマトリクス状に形成されている。そして、画素電極805に対向する位置に、カラーフィルタ802の赤、緑、青の着色層813が配列するようになっている。また、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ内側の面には、液晶分子を一定方向に配列させる配向膜806が形成されており、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ外側の面には、偏光板807が接着されている。
【0160】
カラーフィルタ802は、透光性の透明基板811と、透明基板811上にマトリクス状に並んだ多数の画素(フィルタエレメント)812と、画素812上に形成された着色層813と、各画素812を仕切る遮光性の仕切り814と、を備えており、着色層813および仕切り814の上面には、オーバーコート層815および電極層816が形成されている。
【0161】
液晶表示装置801の製造方法について説明すると、先ず、透明基板811に仕切り814を作り込んだ後、画素812部分にR(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813を形成する。そして、透明アクリル樹脂塗料とスピンコートしてオーバーコート層815を形成し、さらに、ITO(indium tin oxide)から成る電極層816を形成して、カラーフィルタ802を作成する。また、対向基板803には、画素電極805とTFT素子を作り込んでおく。次に、作成したカラーフィルタ802および画素電極805が形成された対向基板803に配向膜806の塗布を行った後、これらを貼り合わせる。そして、カラーフィルタ802および対向基板803との間に液晶組成物804を封入した後、偏光板807およびバックライトを積層する。
【0162】
液滴吐出装置2は、上記したカラーフィルタのフィルタエレメント(R(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813)の形成に用いることができる。また、画素電極805に対応する液体材料を用いることにより、画素電極805の形成にも用いることが可能である。
【0163】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の他、プレパラート形成を包含する装置が考えられる。上記した液滴吐出装置2を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0164】
【発明の効果】
本発明の液滴吐出装置によれば、機能液滴吐出ヘッドの昇降に追従して機能液タンクが昇降して水頭差が一定に保たれ、保守動作時の水頭差と描画時の水頭差を同一にすることができる。したがって、描画時と同じ条件で各種保守動作が実施でき、より良好な液滴吐出が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL装置の縦断面図である。
【図2】本実施形態の描画システムの平面図である。
【図3】本実施形態の描画システムの正面図である。
【図4】本実施形態の描画システムの右側面図である。
【図5】本実施形態の描画システムで適用される、液滴吐出装置の吐出手段廻りの外観斜視図である。
【図6】(a)は機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図、(b)は機能液滴吐出ヘッドを配管アダプタに装着したときの断面図である。
【図7】液滴吐出装置のヘッドホルダの外観斜視図である。
【図8】ヘッドホルダの説明図であり、(a)は、ヘッドホルダの正面図、(b)は、ヘッドホルダの側面図である。
【図9】上ホルダプレートを外したヘッドホルダの平面図である。
【図10】ヘッド回動機構廻りの外観斜視図である。
【図11】ヘッド回動機構の正面図である。
【図12】ヘッド回動機構の説明図であり、図11のA−A断面図である。
【図13】キャリッジ廻りの外観斜視図である。
【図14】キャリッジ廻りの正面図である。
【図15】吸引ユニットの外観斜視図である。
【図16】吸引ユニットの説明図であり、(a)は、吸引ユニットの平面図、(b)は、吸引ユニットの側面図である。
【図17】移動テーブルに設置されたワイピングユニット廻りの外観斜視図である。
【図18】ワイピングユニットの左側面図である。
【図19】共通支持フレームに設置された吐出検査ユニット廻りの外観斜視図である。
【図20】吐出検査ユニットの側面図である。
【図21】重量測定ユニットの外観斜視図である。
【図22】重量測定ユニットの説明図であり、(a)は、天秤収容ボックスの上面を除いたときの平面図であり、(b)は、重量測定ユニットの正面図である。
【図23】機能液供給系の機能液スタンドの説明図であり、(a)は、機能液スタンドの正面図、(b)は、機能液スタンドの左側面図である。
【図24】本発明の実施形態に係る、機能液滴吐出ヘッドと機能液タンクの高さ関係を示す説明図である。
【図25】液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 描画システム 2 液滴吐出装置
22 メンテナンス手段 91 機能液滴吐出ヘッド
108 ノズル面 202 ヘッド昇降機構
273 ヘッド昇降モータ 282 基準位置検出センサ
507 ヘッド昇降制御手段 508 液パック昇降制御手段
555 機能液パック 556 液面
563 昇降機構 585 昇降モータ
592 プレート基準検出センサ W 基板(ワーク)
Claims (7)
- 機能液滴を吐出する機能液滴吐出ヘッドをワークに対向させ、前記ワーク上に前記機能液滴を吐出する描画動作と、
前記機能液滴吐出ヘッドを複数の保守装置に臨ませ、前記機能液滴吐出ヘッドを保守する保守動作とを行うと共に、
ヘッド昇降機構により、前記ワークと前記各保守装置との相互間の移動に伴って、前記機能液滴吐出ヘッドを昇降させる液滴吐出装置において、
前記機能液滴吐出ヘッドへ供給する機能液を貯液する機能液タンクと、
前記機能液タンクを昇降させるタンク昇降機構と、
昇降する前記機能液滴吐出ヘッドのノズル面と前記機能液タンクの液位との水頭差が一定となるように、前記タンク昇降機構を制御するタンク昇降制御手段と、
前記ヘッド昇降機構と共に、前記機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットを支持するキャリッジと、
前記キャリッジに取付けられ、前記ヘッドユニットに引上げ力を作用させるヘッドバランス機構と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記タンク昇降制御手段は、前記ノズル面の高さ情報を、前記ヘッド昇降機構を制御するヘッド昇降制御手段から入力することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記ノズル面の高さを検出するヘッド高さ検出手段をさらに備え、
前記タンク昇降制御手段は、前記ノズル面の高さ情報を、前記ヘッド高さ検出手段から入力することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。 - 前記機能液タンク内の液位を検出する液位検出手段をさらに備え、
前記タンク昇降制御手段は、前記機能液タンクの液位情報を前記液位検出手段から入力することを特徴とする請求項1、2または3に記載の液滴吐出装置。 - 前記機能液滴吐出ヘッドを複数備え、これに対応して前記機能液タンクは複数設けられており、
単一の前記タンク昇降機構で昇降されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置。 - 前記タンク昇降機構に対し、前記複数の機能液タンクを個別に高さ調節可能な複数の高さ調節機構を、さらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の液滴吐出装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記機能液滴吐出ヘッドから前記ワーク上に機能液滴を吐出して成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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