JP4314583B2 - 物理量センサの製造装置 - Google Patents
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Description
上述した機能を携帯端末装置に持たせるためには、磁気センサ、加速度センサ等の物理量センサを携帯端末装置に内蔵させることが必要となる。また、このような物理量センサにより三次元空間での方位や加速度を検知可能とするためには、物理量センサチップの設置面を傾斜させることが必要となる。
そして、この磁気センサは、これら一対の磁気センサチップにより検出された磁気成分により、地磁気の成分を3次元空間内のベクトルとして測定を行っている。
なお、これら2つの傾斜面がなす角度は、0°〜90°の範囲内とされており、20°以上が好ましく、30°以上であればさらに良好であるとされている。これは、角度が大きくなるにつれて、Z方向に対する検出感度(X、Y軸との分離による)が向上するためである。
ここで、ステージ部を傾斜させるには、まず、薄板状の金属板にステージ部を含むリードフレームをプレス加工等により形成する。次いで、ステージ部の先端側に、該ステージ部の下面側(裏面側)に突出する突出部を形成する。そして、所定の形状を有する金型により、リードフレームの上下から該リードフレームを挟み込んで固定する。この際、突出部の先端は、一方の金型の表面に押される。これにより、ステージ部は、基端側に連結された一対の連結部を結ぶ軸線回りに回転して曲げ加工され、図20に示す状態となる。その後、金型の内部に樹脂を流し込んで固定する。
これにより、ステージ部は、図20に示すように、先端側が樹脂モールド部の上面に向くように傾斜する形状となると共に、突出部によって傾斜が支持された状態となる。
請求項1に係る発明は、物理量センサチップが設置されたステージ部と、該ステージ部の近傍に配され、前記物理量センサチップに電気的に接続されたリードを有するフレーム部と、該フレーム部と前記ステージ部の一端とを連結する連結部とを備えた金属製薄板を、平坦面を有する基台に設置し、前記金属製薄板の全周を固定する設置・固定手段と、該設置・固定手段により前記金属製薄板が前記平坦面上に固定された状態で、前記金属製薄板の前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を、移動手段によって前記平坦面側に移動させ、この移動によって前記連結部を含む軸線を中心として前記連結部を屈曲させながら、前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる傾斜手段と、該傾斜手段によって前記ステージ部が傾斜した状態で、樹脂を射出して前記金属製薄板をモールドするモールド手段とを備え、前記移動手段は、前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を吸引する吸引部を備え、前記ステージ部には、該ステージ部の下面側に向けて突出する突出部が形成されており、前記傾斜手段は、前記吸引部によって前記ステージ部の近傍に配された前記フレーム部の下面を吸引することにより、前記平坦面により前記突出部を押圧し、前記ステージ部の他端を持ち上げることを特徴とする。
これにより、従来のように突出部を設けることなく、ステージ部を容易に傾斜させることができる。
これにより、従来のように突出部を設けることなく、ステージ部を容易に傾斜させることができる。
これにより、従来のように突出部を設けることなく、ステージ部を容易に傾斜させることができる。
以下、本発明の実施例における物理量センサの製造装置について、図面を参照して説明する。なお、本実施例では、物理量センサとして、地磁気を測定する三次元磁気センサを例にして説明する。
磁気センサ1は、相互に傾斜させた2つのステージ部2と、これら2つのステージ部2の上面2aにそれぞれ設置され、外部磁界の大きさ及び向きを測定する磁気センサチップ(物理量センサチップ)3と、この磁気センサチップ3にワイヤ4を介して電気的に接続されたリード5と、これらを一体的に固定する外装モールド部(樹脂モールド部)7とを備えている。そして外装モールド部7の側壁7aは、その底面7bに対して垂直に延びるように構成されている。
この磁気センサ1は、上記ステージ部2及びリード5を有する図2に示すリードフレーム10を利用して製造されるものである。
このリードフレーム10は、図3に示すように、銅板等の金属製薄板14にプレス加工やエッチング加工等を施して形成されるものである。なお、本実施例においては、一枚の金属製薄板14に複数のリードフレーム10を形成しているが、その形成する数や位置は適宜変更可能である。
これら複数のリードフレーム10は、図2に示すように、それぞれに、上面視矩形状に形成された上記2つのステージ部2と、これらステージ部2の周囲に配された複数の上記リード5を有するフレーム部11と、一部のリード5とステージ部2とを連結すると共に、ステージ部2の基端部(ステージ部2の一端)2bにこのステージ部2を挟んで対向配置された一対の連結部12とを備えている。
このフレーム部11に設けられた複数のリード5のうちの一部のリード5は、図2に示すように、フレーム部11にステージ部2を固定するための吊りリードとして機能するものであり、連結部12を介してステージ部2に接続されている。
なお、他方の磁気センサチップ3は、D方向感度を持つだけのタイプであっても構わない。また、他方の磁気センサチップ3は、水平(平ら置き)に設置しても良い。
まず、プレス加工やエッチング加工等により、図3に示すように、上述したリードフレーム10を金属製薄板14に複数形成する(形成加工工程)。
そして、ステージ部2の上面2aに磁気センサチップ3をそれぞれ接着する(接着工程)。この際、感応方向が図2に示す方向となるように、磁気センサチップ3を接着する。
次いで、ワイヤ4により、磁気センサチップ3のボンディングパッド9とリード5とを接続する(接続工程)。これにより、磁気センサチップ3と複数のリード5とを互いに電気的に接続することができる。なお、ワイヤ4を接続する際には、ステージ部2を傾斜させたときに、ワイヤ4と磁気センサチップ3とのボンディング部分、及びリード5とのボンディング部分が互いに変化するため、ワイヤ4の材質は、曲げ易く柔らかいことが好ましい。
また、従来は、ステージ部2を傾斜させるために、上下の型を使って挟みこんでいたため、上述のMAP方式を採用することができなかった。そして、上下の型を使うと、外装モールド部7に離型のための抜き勾配を設ける必要があるため、外装モールド部7の底面7bの面積を小さくするのにも限界があった。本実施例によれば、上下の型を使わないでも容易にステージ部2を傾斜させるという、さらに別の効果も得ることができるため、MAP方式を採用することができる。そのため、外装モールド部7の底面7bの面積を小さくすることができ、磁気センサ1のさらなる小型化を図ることができる。
また、磁気センサチップ3を上面2aに設置するとしたが、これに限ることはなく、下面2dに設置するようにしてもよい。これにより、突出部15とワイヤ4とが干渉することなく、磁気センサチップ3とリード5との接続を容易にすることができる。
さらに、吸引孔22および吸引装置23を設けるとしたが、これに限ることはなく、吸引部としての構成は適宜変更可能である。例えば、吸引部として、磁石を基台に設け、この磁石の磁力により吸引するようにしてもよい。磁石は、永久磁石であっても、電磁石であってもよいが、電磁石にした方が、吸引タイミングや吸引力などを調整し易くすることができるだけでなく、通電を切ることにより、リードフレーム10や磁気センサ1を取り外し易くすることができる。
また、傾斜工程において、兼用部11aを平坦面18に密着させるようにしたが、これに限ることはなく、平坦面18から兼用部11aを浮かせた状態であってもよい。
以上より、迅速かつ確実にステージ部2を傾斜させることができる。
図11および図12は、本発明の第2の実施例を示したものである。
図11および図12において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例と上記第1の実施例とは基本的構成や工程は同一であり、以下の点においてのみ相違した構成とするものである。すなわち、ステージ部2の基端部2bが、上方に向けて立ち上げられた支持壁部29の上端に連結されており、これにより、リードフレーム10は、ステージ部2がフレーム部11に対して、上方にオフセットされて構成されている。そして、このような構成のリードフレーム10が、形成加工工程によって形成される。
さらに、上記と同様に、モールド工程およびダイシング工程を経て、磁気センサ1が製造される。
図13および図14は、本発明の第3の実施例を示したものである。
図13および図14において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、リード5がL字状に形成されており、フレーム部11に対して、上方に突出した状態になっている。そして、このリード5の上端と、ステージ部2の基端部2bとが、長手方向Fに沿って延びる連結部12によって連結されている。これにより、ステージ部2がフレーム部11に対して上方にオフセットされている。
このような構成のリードフレーム10が、形成加工工程によって形成され、上記と同様の工程により、磁気センサ1が得られる。
図15から図17は、本発明の第4の実施例を示したものである。
図15から図17において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、図15および図16に示すように、ステージ部2の近傍であって、このステージ部2の基端部2bに、上面2a側に外方に向けて斜めに延びる傾斜部33が形成されている。そして、このような構成のリードフレーム10が形成加工工程により形成される。
さらに、上記と同様に、モールド工程およびダイシング工程を経て、磁気センサ1が製造される。
図18及び図19は、本発明の第5の実施例を示したものである。
図18及び図19において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施例においては、設置・固定工程によって固定された状態の金属製薄板14が、複数の押圧ピン(移動手段)46によって、平坦面18と直交する方向に押圧されるようになっている。
押圧ピン46は、柱状に延ばされて形成されており、これら押圧ピン46は、矩形格子状に形成された支持フレーム45によって、この支持フレーム45と直交する方向に向けられて支持されている。そして、支持フレーム45を基台17上の所定の位置に配すると、基台17上に固定された縦横方向に延びる兼用部11aのそれぞれの交点に、押圧ピン46が対向配置されるようになっている。
これら傾斜した状態で、樹脂を流してモールド(モールド工程)し、支持フレーム45を取り外して、上記と同様に、ダイシング工程を経て、磁気センサ1が得られる。
なお、本実施例において、支持フレーム45を矩形格子状としたが、これに限ることはなく、例えば板状のように、その形状は適宜変更可能である。
また、押圧ピン46が兼用部11aの交点を押圧するとしたが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、兼用部11aの全長にわたって所定の間隔を空けて押圧するようにしてもよい。
また、本発明の技術範囲は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
Claims (5)
- 物理量センサチップが設置されたステージ部と、該ステージ部の近傍に配され、前記物理量センサチップに電気的に接続されたリードを有するフレーム部と、該フレーム部と前記ステージ部の一端とを連結する連結部とを備えた金属製薄板を、平坦面を有する基台に設置し、前記金属製薄板の全周を固定する設置・固定手段と、
該設置・固定手段により前記金属製薄板が前記平坦面上に固定された状態で、前記金属製薄板の前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を、移動手段によって前記平坦面側に移動させ、この移動によって前記連結部を含む軸線を中心として前記連結部を屈曲させながら、前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる傾斜手段と、
該傾斜手段によって前記ステージ部が傾斜した状態で、樹脂を射出して前記金属製薄板をモールドするモールド手段とを備え、
前記移動手段は、前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を吸引する吸引部を備え、
前記ステージ部には、該ステージ部の下面側に向けて突出する突出部が形成されており、
前記傾斜手段は、前記吸引部によって前記ステージ部の近傍に配された前記フレーム部の下面を吸引することにより、前記平坦面により前記突出部を押圧し、前記ステージ部の他端を持ち上げることを特徴とする物理量センサの製造装置。 - 物理量センサチップが設置されたステージ部と、該ステージ部の近傍に配され、前記物理量センサチップに電気的に接続されたリードを有するフレーム部と、該フレーム部と前記ステージ部の一端とを連結する連結部とを備えた金属製薄板を、平坦面を有する基台に設置し、前記金属製薄板の全周を固定する設置・固定手段と、
該設置・固定手段により前記金属製薄板が前記平坦面上に固定された状態で、前記金属製薄板の前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を、移動手段によって前記平坦面側に移動させ、この移動によって前記連結部を含む軸線を中心として前記連結部を屈曲させながら、前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる傾斜手段と、
該傾斜手段によって前記ステージ部が傾斜した状態で、樹脂を射出して前記金属製薄板をモールドするモールド手段とを備え、
前記移動手段は、前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を吸引する吸引部を備え、
前記ステージ部は、前記フレーム部に対して上方にオフセットされており、
前記傾斜手段は、前記ステージ部の他端の下面を前記吸引部によって吸引して、前記ステージ部の他端を引き下げることを特徴とする物理量センサの製造装置。 - 物理量センサチップが設置されたステージ部と、該ステージ部の近傍に配され、前記物理量センサチップに電気的に接続されたリードを有するフレーム部と、該フレーム部と前記ステージ部の一端とを連結する連結部とを備えた金属製薄板を、平坦面を有する基台に設置し、前記金属製薄板の全周を固定する設置・固定手段と、
該設置・固定手段により前記金属製薄板が前記平坦面上に固定された状態で、前記金属製薄板の前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を、移動手段によって前記平坦面側に移動させ、この移動によって前記連結部を含む軸線を中心として前記連結部を屈曲させながら、前記ステージ部を前記フレーム部に対して傾斜させる傾斜手段と、
該傾斜手段によって前記ステージ部が傾斜した状態で、樹脂を射出して前記金属製薄板をモールドするモールド手段とを備え、
前記移動手段は、前記ステージ部の端部または前記ステージ部の近傍を吸引する吸引部を備え、
前記ステージ部の一端には、該ステージ部の上面側に向けて斜めに延びる傾斜部が形成されており、
前記傾斜手段は、前記傾斜部の下面を前記吸引部によって吸引して、前記傾斜部を引き下げることによって、前記ステージ部の他端を持ち上げることを特徴とする物理量センサの製造装置。 - 前記設置・固定手段は、前記平坦面に対して垂直に延びるクランプによって、前記金属製薄板の全周を固定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の物理量センサの製造装置。
- 前記モールド手段は、前記クランプと前記平坦面とによって区画されたモールド領域に樹脂を射出して前記金属性薄板をモールドすることを特徴とする請求項4に記載の物理量センサの製造装置。
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