JP4314133B2 - 光ピックアップ装置及びそれを搭載した光ディスクドライブ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置及びそれを搭載した光ディスクドライブ装置 Download PDF

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Description

本発明は、光源からの光束を光情報記録媒体の記録面上に集光させ、前記光情報記録媒体の記録と再生を行う光ピックアップ装置及び、その光ピックアップ装置を搭載した光ディスクドライブ装置に関する。
近年、光ディスクシステムに対する高記録密度化及び大容量化の要求がますます高まってきている。記録密度を向上させるためには、光ピックアップ装置に用いられている対物レンズの開口数(NA)を大きくするとともに、使用する光の波長を短くして、対物レンズによって集光される光のスポット径を小径化することが有効である。
また、大容量化に伴い、記録再生速度の向上も強く求められており、光源の高出力化、光学系の高効率化も重要な課題となっている。さらに、新しい規格の光ディスクシステムにおいて、従来市販されてきたCDやDVDディスクの記録再生が可能であるという互換性を有することも望まれている。
例えば、CDでは、対物レンズの開口数(NA)0.45、波長780nmであったのに対して、DVDでは、対物レンズの開口数(NA)0.65、波長660nmであり、CDよりもさらに高記録密度化及び大容量化がなされている。近年はさらにBlu−rayディスクと呼ばれる、対物レンズの開口数(NA)0.85、波長405nmの光ディスクシステム、あるいはAODと呼ばれる、対物レンズの開口数(NA)0.65、波長405nmの光ディスクシステムなどが開発されている。
複数の光源を持つ光ピックアップ装置では、光学系の簡易化のために光学部品、とりわけ対物レンズやカップリングレンズを共通化する技術が開発されてきている。
図10に従来のCD/DVDの光ピックアップ装置の光学系の概略を示す。
光ピックアップ装置の光学系は、DVDホロユニット111、カップリングレンズ110、ビームスプリッタ121、対物レンズ142a,142bをこの順にほぼ一直線上に備える。一方、この直線からほぼ直角方向にCDホロユニット112、カップリングレンズ120をこの順にビームスプリッタ121に向かってほぼ一直線上に備えている。そして、対物レンズ142a,142bを駆動するアクチュエータ114を備える。
DVDホロユニット111は、光源111L、ディスク反射光からの信号光を分離するためのホログラム111h、信号検出のための受光素子111pが一体となっている。同様に、CDホロユニット112においても、光源112L、ホログラム112h、受光素子112pが一体となっている。
対物レンズ142a,142bは、CDとDVDとで異なり、対物レンズ142a,142bの光源111L,112L側には、それぞれの対物レンズ142a,142bに対して、DVD用の開口141aとCD用の開口141bとが配置されている。これらの開口141a,141bは対物レンズホルダーの開口を用いて兼用される。
なお、対物142a,142bレンズと開口141a,141bとは一体となってレンズアクチェータ4により、フォーカス方向とトラック方向に駆動される。なお、115aはDVDディスク、115bはCDディスクである。
また、カップリングレンズ110,120はそれぞれの開口や、光源光束の最適な取り込み角度が異なるために、光源111L,112L毎に焦点距離の異なるレンズが採用される。
カップリングレンズ110の焦点距離をf1、カップリングレンズ120の焦点距離をf2とすると、ビームスプリッタ2への入射手前で少なくともf1、f2以上の光路長が必要となるために光学系が大きくなってしまうという問題がある。
また、カップリングレンズ110,120を共通化すると、片方の光源についてカップリング効率が低下してディスク115a,115b面上のスポットパワーが低下してしまうという問題がある。
これは、スポット径は、前述した波長と開口数(NA)以外にも、光軸中心部の光量に対する開口周辺部での光量比(RIM)によっても影響を受ける。RIMが大きくなるとスポット径は小さくなるが、光源からの光束を有効にディスク面上のスポットに集光するカップリング効率が低下し、パワー不足となって記録再生速度が低下してしまうという問題があった。
なお、通常の光ディスクシステムにおいては、例えば以下のようにRIMの設計目標値が決められている。
RIMの最小値(約)
CD :15%
DVD :30%
Blu−ray/AOD:50%
NAの等しいDVDとAODの場合においてカップリングレンズを共通にすると、例えばカップリングレンズの焦点距離をAODのRIM50%に合わせると、DVD側でも50%程度となってしまい、DVDのカップリング効率が低下する。また、DVDの30%に合わせると、同様にAOD側も30%程度となり、スポット径が増大してしまうという問題があった。さらに、開口数(NA)の異なる組み合わせでは、このような不具合が増大してしまうという問題があった。
そこで、2光源の片側光源に集光レンズを持つ第2の光源とダイクロイックプリズムとの間には、発散光束の広がり角をより小さな広がり角に変換してダイクロイックプリズムに導く集束光学系とを備える光ディスクドライブ装置が開示されており(例えば特許文献1)、2つの光源の片側に集光レンズを持たせることにより、この不具合を解決した。
また、色収差や球面収差を補正する従来技術として、カップリングレンズの1群を駆動させる例がある(例えば特許文献2)。詳しくは、カップリングレンズの1群を駆動して基板厚誤差を補正カップリングレンズを構成する2つのレンズ要素のうち、少なくとも1つを光軸方向に沿って変移可能とすることで、集光光学系中の各光学面、特に対物レンズの光学面で生じる球面収差の変動が補正可能となる。
従来の光情報記録媒体より高密度に情報を記録又は高密度記録された情報を再生するために必要な高開口数の対物レンズを用いた場合に問題となる、レーザ光源の発振波長の微少変動、温湿度変化、又は光情報記録媒体の透明基板の厚さの誤差等に起因して対物レンズで大きく発生する球面収差をリアルタイムで補正できるので、常に光情報記録媒体の情報記録面に適正なスポットを形成することができる。
特開2001−126298号公報 特開2002−197712号公報
しかし、上記特許文献1では、2光源が近接配置されて1つのパッケージに実装された構成では、適用できない。また、光源の波長変動、多層ディスク、ディスクの基板厚誤差によって発生する色収差や球面収差を補正できないなどの問題があった。
また、上記特許文献2では、光源が1つしかなく、複数の光情報記録媒体に対応することができないという問題があった。
本発明の目的は、以上のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、複数光源を持つ光ピックアップ装置において、簡易な構成で各々の光源からの光束を効率良くカップリングすると共に、光源の波長変動、多層ディスク、ディスクの基板厚誤差によって発生する色収差や球面収差をも補正可能な光ピックアップ装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、光源からの光束を光情報記録媒体の記録面上に集光させ、前記光情報記録媒体の記録と再生を行う光ピックアップ装置において、
複数種類の光情報記録媒体に対応した複数の光源と、
該複数の光源に共通した複数群のレンズからなり、該複数群のレンズによって前記複数の光源のうちいずれかの光源からの発散光束を平行光とするカップリングレンズと、
該カップリングレンズにて平行光とされた光束の開口径を前記複数の光源に対応して変更しうる開口部と、
該開口部を通過した光束を前記複数の光源に対応したそれぞれの光情報記録媒体の記録面上に集光させる対物レンズとを備え、
前記開口部の開口径に応じて、前記複数群のレンズからなるカップリングレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させて、記録と再生を行う前記光情報記録媒体ごとで要求される前記開口部における光軸中心部の光量に対する開口周辺部での光量比の目標値を満たしつつ前記光源からの発散光束を平行光とするレンズ移動手段を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、複数種類の光情報記録媒体に対応した複数の光源と、その複数の光源に共通した複数群のレンズからなり、その複数群のレンズによって複数の光源のうちいずれかの光源からの発散光束を平行光とするカップリングレンズと、そのカップリングレンズにて平行光とされた光束の開口径を複数の光源に対応して変更しうる開口部と、その開口部を通過した光束を複数の光源に対応したそれぞれの光情報記録媒体の記録面上に集光させる対物レンズとを備え、開口部の開口径に応じて、複数群のレンズからなるカップリングレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させて、記録と再生を行う前記光情報記録媒体ごとで要求される前記開口部における光軸中心部の光量に対する開口周辺部での光量比の目標値を満たしつつ前記光源からの発散光束を平行光とするレンズ移動手段を備えるので、カップリングレンズの移動量を開口径と光源からの光束の最適な取り込み角から決めることが可能となり、各光源について常に最適なスポット径や最高のカップリング効率を得ることが可能となる。従って、簡易な構成で高速高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズが前記複数の光源に共通していることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、対物レンズが複数の光源に共通しているので、複数の光源に対してカップリングレンズと対物レンズを共通にした従来の光学系では、各光源ごとに対物レンズを設定した時よりも、光源ごとのカップリング効率を最適化しにくくなってしまうが、本発明により、カップリングレンズと対物レンズを共通化しても、光源ごとに最適なカップリング効率が設定可能となり、かつ光学系が小型化可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の光ピックアップ装置において、前記複数の光源のうち少なくとも2つの光源が、両者の発光点距離が数100μm以下となるように配設され、
前記カップリングレンズのうち少なくとも2群のレンズ、前記少なくとも2つの光源に対応した開口径に応じて各群のレンズを前記光軸方向に移動させる前記レンズ移動手段をそれぞれ備えることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも2つの光源が、両者の発光点距離が数100μm以下となるように配設され、カップリングレンズのうち少なくとも2群のレンズ、前記少なくとも2つの光源に対応した開口径に応じて各群のレンズを前記光軸方向に移動させる前記レンズ移動手段をそれぞれ備えるので、2つの光源を1つのパッケージに収めた従来の光学系において、片方の光源のカップリング効率の低下は避けられなかったが、本発明により、各光源ごとに最適なカップリング効率を設定可能となり、かつ光学系が小型化可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記複数の光源のうち少なくとも2つの光源の波長が異なり、
前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
前記レンズ移動手段により、前記少なくとも2つの光源のそれぞれの波長に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動させることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも2つの光源の波長が異なり、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、少なくとも2つの光源のそれぞれの波長に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動させるので、カップリングレンズの移動により、各光源ごとに最適なカップリング効率を満足しつつ、かつ色収差を補正し、最良のスポットを得ることが可能となり、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体が複数の記録面を有するように層状に形成され、
前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
前記レンズ移動手段により、前記複数の記録面に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動させることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体が複数の記録面を有するように層状に形成され、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、複数の記録面に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動させるので、多層のディスクにおいても球面収差を補正可能とし、最良のスポットを得ることが可能となり、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体は光透過層を有し、
前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
前記レンズ移動手段により、前記光透過層の厚さ誤差に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動させることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体は光透過層を有し、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、光透過層の厚さ誤差に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動させるので、光透過層の厚さ誤差のあるディスクにおいても球面収差が補正可能となり、最良のスポットを得ることが可能となり、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
前記レンズ移動手段により、前記光源の波長変動に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動することを特徴とする。
請求項7の発明によれば、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、光源の波長変動に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動するので、光源の波長が温度変化などで変動した場合においても、色収差を補正することが可能となり、最良のスポットを得ることが可能となり、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記複数の光源のうち少なくとも1つの光源に対応した球面収差検出手段を備えることを特徴とする。
請求項8の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも1つの光源に対応した球面収差検出手段を備えるので、光源による波長の違いや温度変化による波長変動によって発生する色収差、多層ディスクや光透過層の厚さ誤差によって発生する球面収差が総合的に補正可能となり、最良のスポットを得ることが可能となり、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記カップリングレンズは、前記複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源からの光束を前記記録面上に集光して形成されるスポットの色収差を補正する色消しレンズであることを特徴とする。
請求項9の発明によれば、カップリングレンズは、複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源からの光束を記録面上に集光して形成されるスポットの色収差を補正する色消しレンズであるので、モードホップなど、光源の出力パワー変化による瞬時の波長変動時の色収差にも対応して補正可能となり、常に最良のスポットを得ることが可能となり、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置が提供可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源と、前記カップリングレンズとの光路に、前記光源からの光束の発散度を変更するレンズを備えることを特徴とする。
請求項10の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源と、カップリングレンズとの光路に、光源からの光束の発散度を変更するレンズを備えるので、補助のレンズを設けることにより、カップリングレンズの移動量を少なくすることができて光学系を小型化可能とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光ディスクドライブ装置である。
請求項1に記載の発明によれば、複数種類の光情報記録媒体に対応した複数の光源と、その複数の光源に共通した複数群のレンズからなり、その複数群のレンズによって複数の光源のうちいずれかの光源からの発散光束を平行光とするカップリングレンズと、そのカップリングレンズにて平行光とされた光束の開口径を複数の光源に対応して変更しうる開口部と、その開口部を通過した光束を複数の光源に対応したそれぞれの光情報記録媒体の記録面上に集光させる対物レンズとを備え、開口部の開口径に応じて、複数群のレンズからなるカップリングレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させて、記録と再生を行う前記光情報記録媒体ごとで要求される前記開口部における光軸中心部の光量に対する開口周辺部での光量比の目標値を満たしつつ前記光源からの発散光束を平行光とするレンズ移動手段を備えるので、カップリングレンズの移動量を開口径と光源からの光束の最適な取り込み角から決めることができ、各光源について常に最適なスポット径や最高のカップリング効率を得ることができる。よって、簡易な構成で高速高性能な多波長の光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、対物レンズが複数の光源に共通しているので、カップリングレンズと対物レンズを共通化しても、光源ごとに最適なカップリング効率が設定可能で、かつコンパクトな多波長の光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも2つの光源が、両者の発光点距離が数100μm以下となるように配設され、カップリングレンズのうち少なくとも2群のレンズ前記少なくとも2つの光源に対応した開口径に応じて各群のレンズを前記光軸方向に移動させる前記レンズ移動手段をそれぞれ備えるので、各光源ごとに最適なカップリング効率を設定可能で、かつコンパクトな多波長の光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも2つの光源の波長が異なり、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、少なくとも2つの光源のそれぞれの波長に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動させるので、カップリングレンズの移動により、各光源ごとに最適なカップリング効率を満足しつつ、かつ色収差を補正して、最良のスポットを得ることができ、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体が複数の記録面を有するように層状に形成され、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、複数の記録面に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動させるので、多層のディスクにおいても球面収差が補正可能となり、最良のスポットを得ることができ、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体は光透過層を有し、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、光透過層の厚さ誤差に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動させるので、光透過層の厚さ誤差のあるディスクにおいても球面収差が補正可能となり、最良のスポットを得ることができ、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、レンズ移動手段により、開口部の開口径に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させた後、レンズ移動手段により、光源の波長変動に応じて複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向にさらに移動するので、光源の波長が温度変化などで変動した場合においても、色収差を補正することが可能となり、最良のスポットを得ることができ、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも1つの光源に対応した球面収差検出手段を備えるので、光源による波長の違いや温度変化による波長変動によって発生する色収差、多層ディスクや光透過層の厚さ誤差によって発生する球面収差が総合的に補正することが可能となり、最良のスポットを得ることができ、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、カップリングレンズは、複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源からの光束を記録面上に集光して形成されるスポットの色収差を補正する色消しレンズであるので、モードホップなど、光源の出力パワー変化による瞬時の波長変動時の色収差にも対応して補正が可能となり、常に最良のスポットを得ることができ、高速で高性能な多波長光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源と、カップリングレンズとの光路に、光源からの光束の発散度を変更するレンズを備えるので、補助のレンズを設けることにより、カップリングレンズの移動量を少なくすることができ、かつコンパクトな多波長の光ピックアップ装置を提供することができる。
請求項11に記載の発明によれば、上記いずれかの効果を奏する光ピックアップ装置を搭載した光ディスクドライブ装置を提供することができる。
図1(a),(b)はこの発明の光ピックアップ装置の一実施の形態の光学系を示したものである。光学系1は、第1ホログラムユニット11、ビームスプリッタ2、カップリングレンズ系3、アクチュエータ4をこの順にほぼ一直線上に備える。一方、この直線からほぼ直角方向に第2ホログラムユニット12をビームスプリッタ2に向かって備えている。
なお、カップリングレンズ系(カップリングレンズ)3は、第1カップリングレンズ(1群のレンズ)31,第2カップリングレンズ(1群のレンズ)32,第2カップリングレンズ32を光軸方向aに駆動する1軸のアクチュエータ33などを備える。
また、アクチュエータ4は、アパーチャ(開口部)41a,41b、対物レンズ42a,42b、ホルダ43などを備え、対物レンズ42a,42bを駆動する。
なお、第1ホログラムユニット11には、レーザ光源11Lと、ディスクからの反射光を回折して必要な信号を得るためのホログラム素子11h、各種信号を生成するための受光素子11pを備える。
同様に、第2ホログラムユニット12には、レーザ光源12Lと、ディスクからの反射光を回折して必要な信号を得るためのホログラム素子12h、各種信号を生成するための受光素子12pを備える。
図1(a)は第1ホログラムユニット11が発光した状態を示した図である。この図において、第1ホログラムユニット11からの発散光束は、ビームスプリッタ2を透過して第1カップリングレンズ31を透過した後、第2カップリングレンズ32を透過する。カップリングレンズ系の焦点距離faとすると、発光点(レーザ光源11L)が焦点位置にある時には透過光は平行光となり、アパーチャ41aで開口径を制限された後に対物レンズ42aによりDVD(光情報記録媒体)5aの記録面上に集光する。DVD5aからの反射光は、対物レンズ42a、第2カップリングレンズ32、第1カップリングレンズ、ビームスプリッタ2を経て、再びホログラムユニット11に入射して、受光素子11pによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。
なお、対物レンズ42aは2軸のアクチェータ4により、トラック信号やフォーカス信号に従ってサーボがかけられて常にディスクの動きに追従してDVD5a上に回折限界のスポットを集光する。
図1(b)は第2ホログラムユニット12が発光した状態を示した図である。この図において、第2ホログラムユニット12からの発散光束は、ビームスプリッタ2を経て第1カップリングレンズ31を透過した後、第2カップリングレンズ32を透過する。カップリングレンズ系の焦点距離fbとすると、発光点(レーザ光源12L)が焦点位置にある時には透過光は平行光となり、アパーチャ41bで開口径を制限された後に対物レンズ42bによりCD(光情報記録媒体)5bの記録面上に集光する。CD5bからの反射光は、対物レンズ42b、第2カップリングレンズ32、第1カップリングレンズ、ビームスプリッタ2を経て、再び第2ホログラムユニット12に入射して、受光素子12pによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。
なお、対物レンズ42bは2軸のアクチェータ4により、トラック信号やフォーカス信号に従ってサーボがかけられて常にディスクの動きに追従してCD5b上に回折限界のスポットを集光する。
ここで、第2カップリングレンズ32は、1軸のアクチェータ33により光軸方向aに移動しているために、カップリングレンズ系(第1カップリングレンズ31,第2カップリングレンズ32)3での焦点距離fbを図1(a)の焦点距離faと違えることができる。
すなわち、一般に2つの薄肉レンズ系における合成焦点距離fは以下の式で与えられる。
1/f=1/f1+1/f2−d/(f1×f2) ・・・(1)
f1:第1カップリングレンズの焦点距離
f2:第2カップリングレンズの焦点距離
d:第1カップリングレンズと第2カップリングレンズとの間隔
従って、dを変えることによりfを変えることができる。
第2ホログラムユニット12の発光点(レーザ光源12L)とカップリングレンズ系3との焦点距離がfbの位置にある時には、カップリングレンズ系3からアパーチャ41bへの透過光は平行光となる。そして、アパーチャ41bで開口径を制限された後、対物レンズ42bによりCD5bの記録面上に集光する。
2つのレーザ光源11L,12Lについて、対物レンズ42a,42bの開口径φとRIM仕様を満足する発散光束の取り込み角度θが決まると、カップリングレンズ系3の焦点距離fは以下の式で与えられる。
f=φ/(2×sinθ) ・・・(2)
従って、(1),(2)式から各々のレーザ光源11L,12Lについて、最適なθの値から合成焦点距離fを求め、これより、第1カップリングレンズと第2カップリングレンズとの間隔dの値を求めて、第2カップリングレンズ32の移動すべき値を得ることができる。
カップリングレンズ系3からの光束が非平行光の場合にも、同様の計算式により上記第1カップリングレンズと第2カップリングレンズとの間隔dの値を求めることができる。
ここで1例として、AODとDVDの場合について、具体的な設計例を下記表1に示す。
Figure 0004314133
上記表1と図2(a)より、AODのレーザ光源からの取り込み角度θaodは、光源の発散角(半値全角)の1/2、すなわち5°となる。
従って(2)式からfa=3.9/(2×sin5°)=22.4mmが得られる。
一方、図2(b)において、DVDのレーザ光源からの取り込み角度θdvdは、ガウス分布の一般式から以下の式で与えられる。
θdvd= 〔{ln(Ra)/ln(Rb)}×θaod21/2 ・・・(3)
この(3)式において、Ra=0.3,Rb=0.5,θdvd=6.6°とすると、(2)式からfb=17.0mmを得る。
また、(1)式において、f1=12mm,f2=−20mmとすると、合成焦点距離は、da=3mm、db=6mm付近で、それぞれfaとfbの値を得る。
以上の結果から、実際にカップリングレンズ系3を設計した例を図3(a),(b)に示す。
カップリングレンズL1の厚みを2.0mm,カップリングレンズL2の厚みを1.2mmとし、それぞれのレンズの焦点距離をf1=12mm,f2=−20mmとすると、合成焦点距離は、da=1.5mm,db=4.5mm付近で、それぞれfa=22.4mm,fb=17.0mmとなった。
すなわち、カップリングレンズL1をカップリングレンズL2から遠ざける方向に3mm移動させることにより、それぞれの開口径に対するRIMの最小値を得て、条件を満足することができる。
ところで、対物レンズ42a,42bは例えば図4に示すような、回転切替え式の2軸アクチェータ4に搭載される。
すなわち、アクチュエータ4は、円盤状のホルダ43の厚み方向に2つの貫通孔を形成し、それぞれにアパーチャ41a,41bと対物レンズ42a,42bとを備える。そして、ホルダ43の中心に軸44を貫通させて、この軸44を回転中心として矢印のB方向に回転自在にする。また、ホルダ43の外周部には、コイル45を設ける。このコイル45は、例えばトラックコイルとフォーカスコイルの機能を備える。さらに、コイル45の外側には、コイル45と所定の間隙をもって近接してマグネット46を支持部48に設ける。そして、ホルダ43の下方には、立ち上げミラー47を設ける。
このように構成されたアクチュエータ4は図4(a)において、光束Aが立上げミラー47で反射して開口41aを経て対物レンズ42aに入射する。このアクチュエータ4はB方向に回転することにより、対物レンズ42a,42bの切替えと、トラッキングサーボ動作を行なう。
ホルダ43はさらに、コイル45とマグネット46との磁力により矢印のC方向に移動してフォーカスサーボ動作を行なう。
すなわち、図1(a),(b)に示したように、レーザ光源11L,12Lからの光束をDVD5a、CD5b(ともに光情報記録媒体)の記録面上に集光させ、DVD5a、CD5bの記録と再生を行う光ピックアップ装置において、DVD5a、CD5bに対応した複数のレーザ光源11L,12Lと、そのレーザ光源11L,12Lに共通した第1カップリングレンズ(1群のレンズ)31,第2カップリングレンズ(1群のレンズ)32からなり、その第1カップリングレンズ31,第2カップリングレンズ32によってレーザ光源11L,12Lからの光束を集光するカップリングレンズ系(カップリングレンズ)3と、そのカップリングレンズ系3にて集光された光束の開口径をレーザ光源11L,12Lに対応して変更しうるアパーチャ(開口部)41a,41bと、そのアパーチャ41a,41bを通過した光束をレーザ光源11L,12Lに対応したそれぞれのDVD5a、CD5bの記録面上に集光させる対物レンズ42a,42bとを備え、アパーチャ41a,41bの開口径に応じて、第1カップリングレンズ31,第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のカップリングレンズを光軸方向aに移動させるアクチュエータ(レンズ移動手段)33を備える。
なお、本発明において、光学系のレーザ光源は2つに限定されるものではない。また、カップリングレンズ系のレンズ群は2つに限定されるものではない。
図5(a)は、ホログラムユニット11´に、2つのレーザ光源11L1,11L2を有する光ピックアップ装置の光学系1aを示した図である。
この光学系1aにおいては、ホログラム11hや受光素子11pは2つのレーザ光源11L1,11L2で共通である。そして、第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32をそれぞれ1軸アクチェータ34、33で光軸方向aに独立して駆動させることによって、2つのレーザ光源11L1,11L2についてそれぞれ最適なRIMとカップリング効率を得ることができるようになっている。このとき、2つのレーザ光源11L1,11L2の発光点距離は、数100μm以下となるようにする。
なお、この場合、図1における対物レンズ42a,42bは、片方の入射光束を発散光にしたり、レンズ面に回折格子を設けた回折レンズにすることにより共通化して対物レンズ42とする。その際には、アパーチャ41a,41bも波長選択性を持った波長フィルターや回折格子で共通化してアパーチャ41とする。
すなわち、対物レンズ42a,42bがレーザ光源11L,12Lに共通している。
また、2つのレーザ光源11L,12Lが、両者の発光点距離が数100μm以下となるように配設され、カップリングレンズ系3の第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32が、2つのレーザ光源11L,12Lの開口径に応じて光軸方向aに移動させる1軸アクチェータ(レンズ移動手段)34,33をそれぞれ備える。
図5(b)は、1軸アクチェータ34、33を光軸方向aにそれぞれ独立して駆動させて、第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32をそれぞれ移動させた様子を示したものである。
ところで、AODとDVDのように光源波長が異なる場合には、開口数(NA)や基板厚が同じであっても、レンズ系や基板で色収差が発生する。この色収差は、上記動作に加えて、1軸アクチェータ34、33で第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32をそれぞれ所定の距離だけさらに移動させることによって、カップリングレンズ系3からの光束を非平行にすることにより補正できる。従って、カップリングレンズ系3は光源切替えの時に、あらかじめこの色収差を考慮して駆動されることにより、常に収差のない良好なスポットを得ることができる。
すなわち、2つのレーザ光源11L,12Lの波長が異なり、1軸アクチェータ(レンズ移動手段)34,33により、アパーチャ(開口部)41a,41bの開口径に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aに移動させた後、1軸アクチェータ34,33により、2つのレーザ光源11L,12Lのそれぞれの波長に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aにさらに移動させる。なお、光学系のレーザ光源は2つに限定されるものではない。
図6に示すように、光ピックアップ装置の光学系1bにおいて、層状に形成された複数の記録面を持つ光情報記録媒体5の場合には、各層によって光透過層の厚さが異なるために、球面収差が発生する。この球面収差は、カップリングレンズからの光束を非平行にすることにより補正できる。第1層Lay0の光透過層の厚さtをt0とすると、これにより発生する球面収差は設計時にあらかじめ対物レンズ42で補正されているので、カップリングレンズ系3からの光束は平行光となる。しかし、第2層Lay1の時の光透過層の厚さtをt1とすると、このt1とt0との差だけ球面収差が発生する。この時、第2カップリングレンズ32は1軸アクチェータ33により光軸方向aに移動されてカップリングレンズ系3からの光束は非平行光となり、この球面収差を打ち消すような光束を対物レンズに入射させる。
従って、カップリングレンズ系3は光情報記録媒体5の各層の切替えの時に、この球面収差を補正するように第2カップリングレンズ32が移動されることにより、常に収差のない良好なスポットを得ることができる。
すなわち、複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体5が2つの記録面Lay0,Lay1を有するように層状に形成され、1軸アクチェータ(レンズ移動手段)33により、アパーチャ(開口部)41の開口径に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aに移動させた後、1軸アクチェータ33により、複数の記録面Lay0,Lay1に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aにさらに移動させる。
なお、光情報記録媒体5の記録面は2層に限定されるものではない。
加えて、光情報記録媒体5のそれぞれの光透過層の厚さtは、ディスク製造時や環境温度などにより設計厚に対して誤差が生じる。この誤差によって球面収差が発生するが、この球面収差はカップリングレンズ系3からの光束を非平行にすることにより補正できる。従って、光学系1bに図示しない光透過層厚さ測定手段を設けて、光情報記録媒体5のそれぞれの光透過層の厚さtを測定し、その測定値に基づいて、カップリングレンズ系3が球面収差を補正するように移動することにより、常に収差のない良好なスポットを得るようにしてもよい。
すなわち、複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体5は2つの記録面Lay0,Lay1に光透過層を有し、1軸アクチェータ(レンズ移動手段)33により、アパーチャ(開口部)41の開口径に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aに移動させた後、1軸アクチェータ33により、光透過層の厚さ誤差に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aにさらに移動させる。
なお、光情報記録媒体5の記録面は2層に限定されるものではない。
また、レーザ光源11L,12Lの波長は設計波長を中心として、温度や出力パワーの変化によって変動する。この波長変動によって、レンズ系や基板で色収差が発生する。この色収差は、カップリングレンズ系3からの光束を非平行にすることにより補正できる。従って、光学系1bに図示しない波長測定手段を設けて、レーザ光源11L,12Lのそれぞれの波長を測定し、その測定値に基づいて、カップリングレンズ系3が色収差を補正するように移動することにより、常に収差のない良好なスポットを得るようにしてもよい。
すなわち、1軸アクチェータ(レンズ移動手段)33により、アパーチャ(開口部)41の開口径に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aに移動させた後、1軸アクチェータ33により、レーザ光源11L,12Lの波長変動に応じて第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32のうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向aにさらに移動する。
図7は、図6の光学系1bのカップリングレンズ系3とアクチュエータ4との間に球面収差検出手段50を追加した例である。球面収差検出手段50は、ビームスプリッタ6、レンズ7、ホログラム8、受光素子9などを備えている。なお、ホログラム8は2つの異なる回折領域8a,8bを有し、受光素子9は2つの受光素子9a,9bを有する。その他の構成は、図1と同様であるので説明を省略する。
この例では、光情報記録媒体5から反射した光束の一部がビームスプリッタ6にて反射して、レンズ7に集光され、回折領域8a,8bにて、それぞれ受光素子9a,9bへ向けて光束を回折する。そして、受光素子9aと受光素子9bの受光量を比較することによって光情報記録媒体5の反射光の球面収差の量と方向を検出できる。なお、色収差がある場合についても、同様にこの検出手段で検出可能である。
したがって、このような球面収差検出手段50により、カップリングレンズ系3の第1カップリングレンズ31または第2カップリングレンズ32を移動させて検出信号を0とすることにより、常にディスク面スポットに球面収差や色収差を発生させないようにすることができる。
すなわち、レーザ光源11L,12Lのうち少なくとも1つのレーザ光源に対応した球面収差検出手段50を備える。
ところで、レーザ光源の半導体レーザは、出力パワーが変わると瞬時に波長も変わってしまう。したがって、再生時と記録時には波長がわずかに異なり、色収差が発生する。この色収差は瞬時に発生するため、カップリングレンズ系を駆動させて補正したのでは、時間的な遅れが出てしまい再生や記録エラーの原因となる。
この不具合を解決するには、カップリングレンズを色消しにするのが有効であり、特に図8に示すようにカップリングレンズ系3の固定側である、第1カップリングレンズ31´に貼り合せレンズを用いる。すなわち、カップリングレンズ系3の第1カップリングレンズ31´は、2つのレーザ光源11L,12Lのうち少なくとも1つ以上のレーザ光源からの光束を光情報記録媒体5の記録面上に集光して形成されるスポットの色収差を補正する色消しレンズである。
なお、この発明の光ピックアップ装置の光学系におけるレーザ光源は2つに限定されるものではない。
これにより、駆動部の重量を増やすことなく色収差をなくすことができる。なお、カップリングレンズ系3の第1カップリングレンズ31´以外の構成は、図1と同様であるので説明を省略する。
図9に示すように、3つのホログラムユニット、すなわち第1ホログラムユニット11,第2ホログラムユニット12,第3ホログラムユニット13を用いる場合、第2カップリングレンズ32の移動距離が長くなりすぎる場合がある。このようなときには、例えばレーザ光源11Lに対して、固定レンズ11Sを設けることにより移動距離を短縮してもよい。すなわち、3つのレーザ光源11L,12L,13Lのうち少なくとも1つ以上のレーザ光源(例えばレーザ光源11L)と、カップリングレンズ系(カップリングレンズ)3との光路に、レーザ光源11Lからの光束の発散度を変更する固定レンズ(レンズ)11Sを備える。
なお、固定レンズ11Sを設けるレーザ光源は11Lに限定されるものではない。また、ホログラムユニットは3つに限定されるものではない。
この図のその他の構成は図1と同様であるので、説明を省略する。
以上の説明から明らかなようにこの発明によれば、簡易な構成で各々の光源からの光束を効率良くカップリングすると共に、光源の波長変動、多層ディスク、ディスクの基板厚誤差によって発生する色収差や球面収差をも補正可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
なお、光ディスクドライブ装置に上述の光ピックアップ装置を搭載した構成としてもよい。
この発明の光ピックアップ装置の実施の形態における光学系の概略構成図であり、(a)は第1ホログラムユニットが発光したときであり、(b)は第2ホログラムユニットが発光したときである。 図1におけるカップリングレンズ系の焦点距離を説明するための図であり、(a)は光記録媒体をAODとしたときの例であり、(b)は光記録媒体をDVDとしたときの例である。 (a),(b)は図1におけるカップリングレンズ系を設計した実施例である。 図1のアクチュエータの詳細図であり、(a)は平面図であり、(b)は概略断面図である。 (a),(b)は、この発明の光ピックアップ装置の実施の形態における光学系の変形例を説明するための図である。 この発明の光ピックアップ装置の実施の形態における光学系の別の変形例を説明するための図である。 この発明の光ピックアップ装置の実施の形態における光学系のさらに別の変形例を説明するための図である。 この発明の光ピックアップ装置の実施の形態における光学系のさらに別の変形例を説明するための図である。 この発明の光ピックアップ装置の実施の形態における光学系のさらに別の変形例を説明するための図である。 従来の光ピックアップ装置の光学系を説明するための図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c 光学系
2,21,22 ビームスプリッタ
3 カップリングレンズ系(カップリングレンズ)
31,31´,L1 第1カップリングレンズ(1群のレンズ)
32,L2 第2カップリングレンズ(1群のレンズ)
33,34 1軸アクチュエータ
4 アクチュエータ
41,41a,41b アパーチャ(開口部)
42,42a,42b 対物レンズ
43 ホルダ
44 軸
45 コイル
46 マグネット
47 立ち上げミラー
48 支持部
5 光情報記録媒体
5a DVD(光情報記録媒体)
5b CD(光情報記録媒体)
11,11´ 第1ホログラムユニット
11h,12h,13h ホログラム素子
11L,11L1,11L2,12L,13L レーザ光源(光源)
11p,12p,13p 受光素子
12 第2ホログラムユニット
13 第3ホログラムユニット
a 光軸方向
fa,fb 焦点距離
Lay0 第1層
Lay1 第2層

Claims (11)

  1. 光源からの光束を光情報記録媒体の記録面上に集光させ、前記光情報記録媒体の記録と再生を行う光ピックアップ装置において、
    複数種類の光情報記録媒体に対応した複数の光源と、
    該複数の光源に共通した複数群のレンズからなり、該複数群のレンズによって前記複数の光源のうちいずれかの光源からの発散光束を平行光とするカップリングレンズと、
    該カップリングレンズにて平行光とされた光束の開口径を前記複数の光源に対応して変更しうる開口部と、
    該開口部を通過した光束を前記複数の光源に対応したそれぞれの光情報記録媒体の記録面上に集光させる対物レンズとを備え、
    前記開口部の開口径に応じて、前記複数群のレンズからなるカップリングレンズのうちの少なくとも1群のレンズを光軸方向に移動させて、記録と再生を行う前記光情報記録媒体ごとで要求される前記開口部における光軸中心部の光量に対する開口周辺部での光量比の目標値を満たしつつ前記光源からの発散光束を平行光とするレンズ移動手段を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記対物レンズが前記複数の光源に共通していることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記複数の光源のうち少なくとも2つの光源が、両者の発光点距離が数100μm以下となるように配設され、
    前記カップリングレンズのうち少なくとも2群のレンズ、前記少なくとも2つの光源に対応した開口径に応じて各群のレンズを前記光軸方向に移動させる前記レンズ移動手段をそれぞれ備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記複数の光源のうち少なくとも2つの光源の波長が異なり、
    前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
    前記レンズ移動手段により、前記少なくとも2つの光源のそれぞれの波長に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体が複数の記録面を有するように層状に形成され、
    前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
    前記レンズ移動手段により、前記複数の記録面に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記複数の光情報記録媒体のうち少なくとも1つの光情報記録媒体は光透過層を有し、
    前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
    前記レンズ移動手段により、前記光透過層の厚さ誤差に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記レンズ移動手段により、前記開口部の開口径に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させた後、
    前記レンズ移動手段により、前記光源の波長変動に応じて前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向にさらに移動することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記複数の光源のうち少なくとも1つの光源に対応した球面収差検出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記カップリングレンズは、前記複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源からの光束を前記記録面上に集光して形成されるスポットの色収差を補正する色消しレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記複数の光源のうち少なくとも1つ以上の光源と、前記カップリングレンズとの光路に、前記光源からの光束の発散度を変更するレンズを備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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