以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図21を用いて説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、この機枠110の一側方には、該機枠110に対し回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸支されている。なお、図1は機枠110を有する遊技機100全体の背面側を示し、図2は機枠110から取り外された前面枠120を示す。
また、図1及び図2に示すように、前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150とを有する。また、前面枠本体130の裏面側には、表示ユニット170を備える裏機構枠160が回動可能に軸支されている。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うように前記クリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記クリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール(図示略)に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域(図示略)とされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域の前側を開放可能となっている。
クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域となる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域の部分が視認可能となっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。
発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル(図示略)とその下の下部パネル(図示略)とからなる。開閉パネルは、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿(図示略)を有している。また、開閉パネルの下側の下部パネルには、上皿に収容しきれない遊技球を収容する下皿(図示略)及び灰皿(図示略)と、遊技領域に向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域に遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル151、音声を出力するスピーカ(図示略)などが設けられている。
また、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。
図2に示すように、裏機構枠160の前面の左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に設けられた取付部材に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。
その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
前面枠本体130の開口部に嵌め込まれる遊技盤1は、木製の遊技盤本体の図示しない前面に略円形に配されたガイドレールで囲まれた遊技領域を有し、この遊技領域内に遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域内には、図示しないが、普図始動ゲート、この普図始動ゲートを遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器、普通図柄の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器が設けられている。また、普通変動入賞装置と、この普通変動入賞装置に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示領域となる表示用窓部12を形成する前面構成部材11(裏面側を図2に図示)、特別変動入賞装置、盤装飾ランプ、一般入賞口、風車と呼ばれる打球方向変換部材、多数の障害釘などが設けられている。
普図始動ゲート内には、該普図始動ゲートを通過した遊技球を検出するためのゲートセンサが設けられている。そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート内を通過すると、図示しない普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。なお、特図の変動表示ゲームの表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良い。この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)後述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置は左右一対の開閉部材を具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。
この普通変動入賞装置は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ(図示略)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
図2に示すように、遊技盤1(遊技領域)の略中央部には、特図の変動表示ゲームの表示領域となる表示用窓部12を形成する前面構成部材11が取り付けられている。
前面構成部材11は、断面が複雑な曲線となった筒状の部材であって、筒状の空間が延在する方向が遊技盤1の前後方向に沿うように、遊技盤1の略中央部に形成された表示用開口部に挿入された状態で取り付けられている。なお、表示用開口部は、断面が複雑な曲線となった前面構成部材11の断面形状に合わせて形成されている。
前面構成部材11の前端面には装飾が施されているとともに、盤装飾としての盤装飾ランプが設けられている。また、前面構成部材11の内周面のうち下側となる部分は、遊技球が転動可能なステージとなっている。前面構成部材11の後部は、遊技盤の裏面よりも後方に突出しており、その後端部16には、後述する裏機構枠160に取り付けられた表示ユニット170の前面が接するように配される。これによって、筒状の前面構成部材11の開口部である表示用窓部12を介して、表示ユニット170の画像表示面171の表示を遊技盤1の前面側から見ることができるようになっている。なお、画像表示面171の面積は表示用窓部12の面積よりも十分広くなっており、画像表示面171上の表示は表示用窓部12が配された領域のみで行われるように制御されている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置へ進入して始動条件が成立することに基づき、画像表示面171にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、画像表示面171において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、画像表示面171の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。
特別変動入賞装置は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉は、例えば、ソレノイドのような駆動装置により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサが配設されている。
また、遊技領域に設けられた各一般入賞口には、一般入賞口に入った遊技球を検出するための一般入賞センサが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口、始動入賞口(普通変動入賞装置)、大入賞口(特別変動入賞装置)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が後述の排出制御基板34(排出制御装置)の制御により排出装置200によって上皿に排出される(払い出される)ようになっている。
また、図1,2に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する主制御回路(主制御基板30、図1にだけ図示)、この主制御回路の制御下で各種の演出に関する制御を行う第1制御回路(演出ROM基板32)、第2制御回路(演出制御基板33)、賞球の払い出しの制御を行う排出制御回路(排出制御基板34)、発射装置による遊技球の発射を制御する発射制御回路(発射制御基板、図示略)、電力を供給する電源回路(電源基板37)を備えている。
主制御回路としての主制御基板30は、図示しないがCPU、RAM、ROM等を有する遊技用マイクロコンピュータ、入出力インタフェース、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(発振器)等により構成されている。
CPUは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。
RAMは、普通変動入賞装置内に設けられた始動口センサのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPUの作業領域等を備えている。
ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図の変動表示ゲームの大当り発生を判定するための、特図の変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェースには、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、普通変動入賞装置の始動口センサなどが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPUに対し出力される。
さらに、入出力インタフェースには、CPUから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普通変動入賞装置や特別変動入賞装置の駆動手段としての各種開閉ソレノイド、第1制御回路としての演出ROM基板32、賞球の排出を制御する排出制御回路としての排出制御基板34などに出力されている。
第1制御回路としての演出ROM基板32は、演出の制御内容を記憶した制御ROM、画像や映像データが記憶されたCGROM、音データが記憶された音データROMを備えている。なお、この演出ROM基板32に備えられた各種ROMの記憶内容は、遊技機の機種に依存するものである。
また、演出ROM基板32は、主制御基板30から出力される制御信号(各種コマンドなど)を中継して演出制御基板33に送信するようになっている。
さらに、演出ROM基板32は、盤装飾ランプなどの盤装飾を駆動する図示しない装飾ドライバを備えており、演出制御基板33が主制御基板30から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(主制御基板30の制御の下に)この盤装飾ドライバを制御し、盤装飾の制御を行うようになっている。
また、この演出ROM基板32と直接接続された第2制御回路としての演出制御基板33は、制御装置としてのCPU、RAMや、表示ユニット170(液晶表示パネル)における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP(video display processor)などを含むビデオ回路、音の出力を制御する音源LSI等を備えている。なお、この演出制御基板33は、複数の機種において共通使用可能なものである。
この演出制御基板33は、主制御基板30から演出ROM基板32を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(主制御基板30の制御の下に)枠装飾ランプなどによる枠装飾の制御、表示ユニット170の液晶表示パネル、液晶表示パネルに備えられたバックライトの制御、スピーカによる音の出力の制御を行う。
また、主制御基板30から演出ROM基板32を介して受信した制御信号(演出コマンド)基づいて(主制御基板30の制御の下に)演出ROM基板32に備えられた盤装飾ドライバを介して盤装飾を行う。
排出制御回路としての排出制御基板34は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを有し、主制御基板30からの制御信号(賞球コマンド)や、球貸機(図示略)からの制御信号(球貸しコマンド)に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出装置200から排出させる制御を行う。
また、発射制御回路としての発射制御基板は、発射装置による遊技球の発射制御を行う。
そして、上述の各制御基板や、遊技機100に備えられた各装置には、電源回路としての電源基板37から電力が供給されるようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。
主制御基板30のCPUでは、普通変動入賞装置に備えられた始動口センサからの遊技球の検出信号の入力に基づき、特図の大当たり判定用乱数値を抽出してROMに記憶されている判定値と比較し、特図の変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。また、この他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号を演出ROM基板32を介して演出制御基板33に出力する。演出制御基板33とこれに接続した演出ROM基板32では、主制御基板30からの制御信号に基づき、表示ユニット170の液晶表示パネルで特図の変動表示ゲームを表示する処理や、音の出力、ランプの点滅などの盤装飾、枠装飾を制御する処理を行う。そして、主制御基板30のCPUは、特図の変動表示ゲームが大当たりであった場合に、特別遊技状態を発生し、特別変動入賞装置6を動作する制御を行う。
また、主制御基板30のCPUは、普図始動ゲートに設けられたゲートセンサからの遊技球の検出信号の入力に基づき、上述と同様に普図の変動表示ゲームの当たり外れを判定するとともに演出ROM基板32を介して演出制御基板33に制御信号を出力し、普図変動表示器に普図変動表示ゲームを表示させる。そして、主制御基板30のCPUは、普図の変動表示ゲームが当たりであった場合に、普通変動入賞装置を動作する制御を行う。
また、主制御基板30のCPUは、各種入賞口に設けられたセンサから入力される遊技球の検出信号に基づき排出制御基板34に制御信号を出力する。排出制御基板34は、制御信号の入力に基づき排出装置200を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
また、主制御基板30のCPUは所定の入力信号に基づき、排出制御基板34を介して発射制御基板に制御信号を出力する。発射制御基板は、制御信号の入力に基づき発射装置を制御して遊技球が遊技領域に発射されるようにする。
すなわち、以上のことから主制御回路をなす主制御基板30は、遊技の進行を制御する遊技制御装置をなし、第1制御回路をなす演出ROM基板32と第2制御回路をなす演出制御基板33とが遊技機100における種々の演出を制御する演出制御装置をなす。
そして、これらの各基板は以下のように遊技機に取り付けられている。
図2に示すように、画像表示面171における表示データなど、機種に依存するデータが記憶された第1制御回路としての演出ROM基板32は、ボックス32aに収納された状態で、遊技盤1の裏面側であって後述する裏機構枠160の下部からその下側に取り付けられ、さらにその後側に遊技を制御する主制御回路としての主制御基板30がボックス30aに収納された状態で取り付けられている。そして、複数の機種で共通使用可能な第2制御回路としての演出制御基板33は、ボックス33aに収納された状態で前面枠本体130の裏面側に取り付けられた後述の裏機構枠160に取り付けられている。また、排出装置200による賞球の払い出しを制御する排出制御回路としての排出制御基板34、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源基板37は、それぞれボックス34a、37aに収納された状態で、前面枠本体130の裏面側の遊技盤1より下側となる位置に取り付けられている。なお、発射制御基板も前面枠本体130に取り付けられている。
すなわち、機種に依存する演出ROM基板32、主制御基板30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な演出制御基板33や排出制御基板34、発射制御基板、電源基板37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160を介して前面枠本体130に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する基板のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
裏機構枠160は、本体部161と、画像を表示する液晶表示パネルを備える表示ユニット170を支持、案内するための案内部162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する演出制御基板33、賞球などを排出する排出装置200、排出装置200に遊技球を供給する貯留タンク220やシュート240が取り付けられている。なお、排出装置200と貯留タンク220とは遊技機100におけるタンク排出装置230を構成する。
また、本発明にかかるタンク排出装置230の貯留タンク220と排出装置200とは、互いに接合された状態に一体的に形成されているが、貯留タンク220に対して排出装置200が後述するように移動自在に取り付けられている。なお、後述するように貯留タンク220と排出装置200とは共有部分があり、貯留タンク220に対して移動自在に取り付けられる排出装置200には、貯留タンク220の排出装置200と共有する一部の構成が含まれた状態となっている。
また、貯留タンク220に対して移動自在な排出装置200は、貯留タンク220に対して一体的に接合した状態として、貯留タンク220から排出装置200に貯留された遊技球を流入させることが可能な流入状態と、貯留タンク220から排出装置200を離れるように移動させて、貯留タンク220の後述の底壁22aと、排出装置200の後述の誘導部22gとの間に球抜き開口部531(図9,10に図示)を開放し、貯留タンク220内の遊技球の球抜き(賞球としてではなく貯留タンク220を空にするための遊技球の排出)が可能な球抜き状態との間を移動するようになっている。
すなわち、この実施形態の遊技機は、外部から供給される遊技球を貯留する貯留タンク220と、該貯留タンク220の底壁22aの傾斜下流側に位置し該貯留タンク220と一体的に設けられ該貯留タンク220に貯留されている遊技球を所定数ずつ排出可能な排出装置200と、を備えたタンク排出装置230を有するものである。なお、後述のように、底壁22aは、貯留タンク220内の遊技球を排出装置200に誘導するように、遊技機100本体の左右方向にほぼ沿って排出装置200に向かって下り傾斜している。
また、貯留タンク220を遊技機100本体に取り付け、該貯留タンク220に対して前記排出装置200を前記底壁22aの傾斜下流側に移動可能にすることで、貯留タンク220から排出装置200に遊技球が流入可能な流入状態から、貯留タンク220の底壁22aの下流端部と排出装置200との間に球抜き開口部531を形成する球抜き状態へ変換可能に構成されている。
上述したように、裏機構枠160の前から見て左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に設けられた取付部材に回動可能に軸支されており、前面枠本体130に形成されて遊技盤1が嵌め込まれる開口部の上側略半分を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。
本体部161には、裏機構枠160が遊技盤1の裏面に臨む状態において、前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口する矩形箱状の凹部である表示ユニット配設部163が形成されている。
表示ユニット配設部163は、案内部162とともに表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168を形成するものである。
また、矩形箱状の凹部である表示ユニット配設部163の上下左右の周面を形成する周囲壁167のうち下側の周囲壁167は、角部に連続する一部を残して切り取られた状態となっている。
また、左右の周囲壁167の前側には、それぞれ案内部162が、左右の周囲壁167を前側に延長するように取り付けられている。なお、裏機構枠160の左右の周囲壁167のうちの前面枠本体130に回動自在に軸支される側となる遊技機の前側から見て左側の周囲壁167には、後述するようにシュート240が取り付けられている。
また、同じく前面枠本体130に軸支される側となる左側の案内部162が前面枠本体130に回動自在に取り付けられて、裏機構枠160の開閉を可能としている。
そして、左右の案内部162の互いに対向する内側面に対して、表示ユニット170の左右側縁部にそれぞれ上下一対ずつ設けられた被案内部が前後方向に案内され、表示ユニット170が前後に移動自在とされている。また、表示ユニット170は、図示しないバネ等の付勢手段により前側に付勢されている。
これにより、例えば、前面枠本体130を取り替えることなく、遊技盤1だけを変更することで、遊戯内容を変更した際に、交換後の遊技盤1において、表示ユニット170により表示される映像を遊技機100の前方側から視認可能とする表示用窓部12を有する前面構成部材11の後端の位置が前後どちらかに変わっても、それに対応して表示ユニット170の位置を前後にずらして対応することができる。
さらに、表示ユニット170内に配置される図示しない液晶表示パネル(液晶ディスプレイ)は、表示ユニット170内で、表示画面の面方向にそって左右上下に移動自在となっている。
そして、液晶表示パネルには、表示ユニット170の上側縁部及び左右の側縁部のうちの一方の側縁部から外方に突出する2つの被位置調整部材17b,17cが設けられ、遊技盤の前面構成部材11の上方と、左右の側方のうちの一方とに位置調整部材137,138が設けられ、位置調整部材137,138により被位置調整部材17b,17cの位置が調整されることで、表示用窓部12に対して、液晶表示パネルの画像表示面171を位置合わせできるようになっている。
そして、図3に示すように、裏機構枠160の本体部161の上壁16aには、貯留タンク220の後述する底壁22aの傾斜に対応して、遊技機100前面から見て右から左に下り傾斜する傾斜固定板16bが形成されている。貯留タンク220は、図1,2に示すように傾斜固定板16b上に載せられた状態で固定される。
また、本体部161の右端部上面及び右側の案内部162の上面は、ほぼ同じ高さ位置の平面とされるとともに、本体部161の右端部より左側に形成される前記傾斜固定板16bより高く形成され、傾斜固定板16bの右側に第1段差部16dが形成されている。
この第1段差部16dの段差面には、傾斜固定板16bの上面から上端部までの間に図示しない規制凹部が形成され、規制凹部の上側、すなわち、段差面の上側縁部が庇状に突出した状態とされている。第1段差部16dの段差面の庇状に突出した上側縁部が貯留タンク220の右側面に当接して、貯留タンク220を位置決めするとともに、貯留タンク220の右側面の下部から右側に突出する規制突出部222(図4等に図示)が前記固定用凹部に挿入されるようになっており、これにより貯留タンク220の上方側への移動を規制するようになっている。
また、裏機構枠160の本体部161の背面側の上部は、図1に示すように、第1段差部16dの下段側となる傾斜固定板16bよりも更に低く切欠かれた形状となっており、傾斜固定板16bの後方側が一段低くなるように形成され、これにより第2段差部16fが形成されている。この第2段差部16fの段差面に貯留タンク220の背面側の下部に形成された取付板221が固定されることで、貯留タンク220が裏機構枠160の本体部161に固定されるようになっている。
また、本体部161の左端部の上部には、上述の第2段差部16fの下段側より更に低くなった平面状の排出受け部16hが形成されており、貯留タンク220の左側に設けられた排出装置200の下部(後述の回転体収容部203)及び後述の第1球抜き流路501が排出受け部16hの上に配置されるようになっている。
すなわち、排出受け部16hには、排出装置200の回転体収容部203の下端部に設けられた排出用導出部20aと、回転体収容部203の貯留タンク側に隣設された後述の第1球抜き流路501とが下方に向かって遊技球を流下可能に配置されている。
また、排出受け部16h上は、貯留タンク220から離れる方向に移動可能な排出装置200及び第1球抜き流路501の移動空間となっている。
そして、排出受け部16hには、図3に示すように、貯留タンク220内の遊技球を前面枠本体130第2球抜き流路502の流入口503と、第1球抜き流路501の下端部に対応して突出する円弧状の上方延出壁504と、排出装置200の導出口(排出用導出部20a)から排出される遊技球が流入する排出流路248の球流入口248aと、後述のように排出装置200の下端部から下方に延出された移動支持部511を介して排出装置200の移動をガイドするガイド部505とを有する。
前記第2球抜き流路502の流入口503は、左右の側縁がそれぞれ円弧状にされ、前後の側縁が直線状にされている。これは、第1球抜き流路501の形状に合わせたものである。また、第1球抜き流路501の形状は、後述するように貯留タンク220と排出装置200とが分割された部分が円弧状となっていることにより、それに対応した形状となっている。また、第2球抜き流路502の流入口503の位置は、排出流路248の球流入口248aに近接する位置で、裏機構枠160の排出受け部16hが設けられた左右端部のうちの一方の端部において、球流入口248aより僅かに左右方向の中央側の位置となっている。
上方延出壁504は、後述のように第1球抜き流路501の下端部を第2球抜き流路502の流入口503上に移動する際に第1球抜き流路501を斜めとすることで、流入口503の左右の側縁のうちの排出装置200側の側縁(図中左側の側縁)と、第1球抜き流路501の下端の左側側縁との間に、遊技球が流出可能な間隔があくので、この間隔を閉塞するように設けられたものである。そして、上方延出壁504の形状は、第1球抜き流路501の下端の左側側縁の形状に対応して円弧状とされている。
また、排出流路248の球流入口248aは、上述のように第2球抜き流路502の流入口503より端側に設けられるとともに、貯留タンク220に対して離れるように移動可能な排出装置200を貯留タンク220から離すことなく接合した状態(流入状態)とした場合に、排出装置200の回転体収容部203の底部216に設けられた排出導出部20aと近接した状態となり、円滑かつ遊技球を漏出することなく、排出装置200から排出流路248に流下可能となっている。
ガイド部505は、排出流路248の球流入口248aの前後に設けられ、裏機構枠160の端側から傾斜上水平部505a、傾斜部505b、傾斜下水平部505cとなっている。そして、排出装置200の下方に突出する移動支持部511は、排出装置200が貯留タンク220に接合された状態で傾斜下水平部505cに接触した状態となっており、排出装置200を貯留タンク200から離すように移動すると、移動支持部511は、傾斜下水平部505cから傾斜部505bに移動し、排出装置200が貯留タンク220から離れるほど、傾斜部505bの上の傾斜下水平部505cから傾斜上水平部505aに向かって上に向かう斜面に沿って移動支持部511が上に向かうようになっている。尚、この際には、後述のように排出装置200が貯留タンク220から離れるとともに、傾斜部505bの傾斜に対応して排出装置200が斜めに傾くようになっている。
また、傾斜上水平部505cには、傾斜部505b側の側縁、すなわち、傾斜部505bとの境界部分にガイド部505上を移動する移動支持部511と係合する係合部505dが設けられている。係合部505dは、上述の傾斜部505bの側縁に沿って上方に突出するように形成された突条である。
また、係合部505dは、傾斜部505b側の側面が傾斜部505bから連続する傾斜面となっており、ガイド部505に下端部を接触させて排出装置200とともに移動する移動支持部511が容易に係合部505dを超えるようになっている。また、係合部505dの傾斜上水平部505c側の側面は、ほぼ鉛直な側面となっており、移動支持部511の下端部を係合(係止)できるようになっている。
従って、貯留タンク220から排出装置200を引き離すように手で移動する際に、移動支持部511の下端部がガイド部505に沿って傾斜部505bを超え、さらに係合部
505dを超えると、係合部505dに移動支持部511の下端部を係合することが可能となり、係合部505dに移動支持部511の下端部を係合させれば、手を離しても排出装置200が自重で移動支持部511が傾斜部505bを下るように移動してしまうことがなく、排出装置200を貯留タンク220から離した状態に保持できるようになっている。
すなわち、排出装置200に流入状態と球抜き状態との移動を支持する移動支持部511が設けられ、遊技機100本体の一部としての裏機構枠160に、移動支持部511をガイドするガイド部505が設けられ、ガイド部505に、排出装置200が球抜き状態で移動支持部511と係合する係合部505dが設けられている。
また、図8等に示すように、排出流路248は、球流入口248aから下側が裏機構枠160のさらに端側に向かうように斜めに形成され、上述のシュート240部分にいたるようなっている。同様に、第2球抜き流路502は、流入口503から下側が裏機構枠160のさらに端側に向かうように斜めに形成され、上述のシュート240部分にいたるようになっている。図1において、裏機構枠160の側部(裏機構枠160の前面枠本体130に軸支される側の端部)に形成されたシュート240の内部に裏機構枠160の上端部から下端に向かって、排出流路248及び第2球抜き流路502が内蔵された状態となっている。すなわち、シュート240は、排出流路248及び第2球抜き流路502を内蔵する部分である。
従って、排出流路248及び第2球抜き流路502の配置位置は、前面枠本体130の
機枠110に回動自在に軸支される側の側部で、例えば、前面枠本体130の遊技盤1が収納された部分よりも外側となる位置に配置される。従って、排出流路248、第2球抜き流路502は、遊技盤1の裏面側に膨出して設けられる各種部材、特に一般的には、遊技盤1の裏面側に設けられる変動表示装置の収納空間の大きさにほとんど影響を与えることがない。この実施例では、排出流路248、第2球抜き流路502が裏機構枠160の前面側の変動表示装置のディスプレイとなる表示ユニット170の収納空間に影響を当ることなく、前記収納空間を十分に確保することができる。
また、裏機構枠160に配置されたシュート240の下側には、排出流路248を流下した遊技球を受けて上皿に誘導する図示しない流路と、第2球抜き流路502を流下した遊技球を受けて球抜きされた遊技球の回収位置に誘導する図示しない流路とが前面枠本体側に形成されている。
以上のような構成から、排出装置200を移動可能でかつ一体的に設けた貯留タンク220は、遊技盤1を着脱可能に装着する前面枠本体130(本体枠)の裏面側上方部に配設され、前面枠本体130の裏面側には、遊技盤1の所要領域において表示ゲームを実行する表示ユニット170を当該前面枠本体130側に支持する支持手段としての裏機構枠160を設けた構成となっている。これにより、表示ユニット170を遊技盤1ではなく前面枠本体130側に配設したので、遊技盤1を新規なものに交換する際にも表示ユニット170を共通的に使用することが可能となる。しかも、排出装置200は貯留タンク220に一体的に備えられ前面枠本体130の上方に配設されるので、表示ユニット170およびそれを支持する裏機構枠160の配置スペース的な問題を解消することができる。なお、この例では、裏機構枠160の前面側で表示ユニット170を支持し、遊技盤1の上端部とほぼ同じ高さ位置から上方となる裏機構枠160の上部に排出装置200を一体的に設けた貯留タンク220が配置される。
そして、裏機構枠160の一側部側、すなわち、表示ユニット170の側方に排出装置200から排出された遊技球を下方に流下させるシュート240(排出流路248、第2球抜き流路502)が配置される。しかし、シュート240は、遊技球を流下させるだけの構造で例えば左右方向の幅を遊技球の直径より僅かに広い程度に構成することができ、遊技機100の裏面側においてシュート240が表示ユニット170の側方に有っても、僅かな左右幅しか占有せず、表示ユニット170として、遊技盤1の左右幅に対応するような広いものを使用することが可能となる。
次に、本発明にかかる遊技球排出機構の貯留タンク220及び排出装置200について説明する。
図1、2に示すように、貯留タンク220及びこの貯留タンク220に対して移動自在に取り付けられた排出装置200は、一体的に組み立てられた状態で、裏機構枠160の上部に取り付けられるようになっている。
すなわち、遊技機100の遊技球排出機構は、上面が開口する平面略長方形の箱形に形成され、外部(島設備の補給装置)から供給される遊技球を貯留する貯留タンク220と、該貯留タンク220の底壁22aの傾斜下流側に位置し該貯留タンク220と一体的に設けられ該貯留タンク220に貯留されている遊技球を所定数ずつ排出可能な排出装置200とを備える。
一体的に組み立てられた貯留タンク220及び排出装置200の裏機構枠160への取り付けは、貯留タンク220の背面側に沿って貯留タンク220の下端面から下方に突出した状態で左右に延在する取付板221(図1,6,7に図示)と、前から見て貯留タンク220の右端の下端部から右に突出する規制突出部222(図6〜8に図示)とによって行われる。
上述のように排出装置200と一体にされた貯留タンク220を裏機構枠160の
上壁16aの傾斜固定板16b上に貯留タンク220の底面を沿わせた状態とする。
さらに、規制突出部222を傾斜固定板16bの上面に沿わせた状態で、上述の第1段差部16dの段差面に形成された規制凹部内に挿入した状態とする。
また、上述の第2段差部16fの段差面に取付板221の前面を当接させ、取付板221を裏機構枠160の本体部161側となる段差面にビス等により固定する。これにより、排出装置200と一体的に接合された貯留タンク220が裏機構枠160に位置決めされて固定される。
そして、図5〜10に示すように、裏機構枠160を介して遊技機100の前面枠本体130に固定される貯留タンク220に対して排出装置200が遊技機100本体の左右方向に移動自在に取り付けられている。
なお、貯留タンク220と排出装置200は、基本的に一体的なもので、必ずしもこれらの境界が明確なものとなっておらず、貯留タンク220に対して移動自在な部分には、排出装置200以外(遊技球を排出する機能以外)に貯留タンク220の一部の構成(排出装置200に遊技球を供給するために遊技球を貯留する機能の一部)が含まれるが、ここでは、名称として、固定的に裏機構枠160に固定される部分を貯留タンク220とし、貯留タンク220に対して移動自在な部分を排出装置200とする。
以上のように、タンク排出装置230は、貯留タンク220と、排出装置200とからなる。
貯留タンク220は、上方が開放された遊技機100の左右方向に長い箱状に合成樹脂が一体成型されたもので、貯留タンク220の長手方向の一端部側(遊技機100の前から見て左端部側)に排出装置200が取り付けられるものである。なお、貯留タンク220は、上面が開放された箱状であるが、排出装置200が取り付けられる左端部側も開放された状態となっており、排出装置が取り付けられることで、左端部が閉塞された状態となるようになっている。
また、貯留タンク220の左端部側は、後述するように堰壁207が取り付けられることにより、遊技球を貯留可能部分の上部は、貯留タンク220の左端までとなるが、貯留タンク220の右端の上下半分より僅かに下から貯留タンク220の後述の底壁22aまでの部分においては、遊技球を貯留可能な部分が排出装置200側に延出した状態となっており、排出装置200の後述の駆動源取付部材206の下側から後述のスプロケット210及び後述の誘導部22gの上までの部分が貯留タンク220と連続して遊技球を貯留可能な部分となっている。従って、実際の遊技球を貯留するタンクとして機能する部分は、貯留タンク220と排出装置200の回転体としてのスプロケット210上の部分とに分けられた状態となっている。
排出装置200は、図4等に示すように、筐体部410と、排出装置200の駆動源となるステッピングモータ204と、ステッピングモータ204を排出装置200の筐体部410に取り付けるための駆動源取付部材206と、駆動源取付部材206に設けられ、貯留タンク220の上部側からの排出装置200側への遊技球の流入を堰き止める堰壁207と、堰壁207の左右側縁部(遊技機100の前後方向の前後の側縁部)に設けられて貯留タンク220に取り付けられるタンク取付部材402と、貯留タンク220内の遊技球を受け入れて排出用導出部20aに移動させるための複数(例えば、10個程度)の球受部208,…を備えた回転体としてのスプロケット210と、スプロケット210の中央部の上に配置される回転体上部材214と、排出装置200内(回転体収容部203内)の遊技球を下側から支持する略円板状の底部216と、筐体部410の下端部に固定されて底部216を支持するとともに、排出される遊技球を検出する排出球の検出センサ217を支持する底部材218と、貯留タンク220の排出装置200側部分に底壁22a(導入部202)から積み重なる遊技球の高さを制限する高さ制限部材260とを有する。
また、筐体部410は、回転体収容部203を有し、回転体収容部203は、筒体部201と、底部216と、底部材218とから構成される。すなわち、排出装置200は、導入部202の下方にスプロケット210を収容する回転体収容部を設けている。
図5〜17に示すように、貯留タンク220は、左右に延在する貯留タンク220の底を構成するとともに、左右方向の他方の端部側から排出装置200が設けられる一方の端部側に向かって下り傾斜する左右に長い概略矩形状の底壁22aと、この底壁22aの前から見て右側縁から略垂直に立設される右側壁22bと、底壁22aの前縁部から略垂直に立設される前壁22cと、底壁22aの後縁部から略垂直に立設される後壁22dとを有する。なお、貯留タンク220の排出装置200側の側壁となる部分は、排出装置200に設けられている。すなわち、この側壁となる部分として、排出装置200の左端部側に略垂直(鉛直)に円弧板状の左側壁22eが設けられている。
前記底壁22aは、図16に示すように、前から見て右から左(図中左から右)に向かって下り傾斜して配置されているとともに、さらに、図17(B)(C)に示すように、後から前側に向けて下り傾斜している。なお、底壁22aの右から左への傾斜は、底壁22a上面に、他方の端部から排出装置200が設けられた一方の端部側に、貯留タンク220に貯留された遊技球を流動させるための傾斜部22hを形成するためのものである。これにより、底壁22a上の傾斜部22hでは、その右から左への傾斜により底壁22aの遊技球複数個(例えば遊技球の直径の5倍から10倍程度)分となる前後の幅内で、排出装置200に向かって遊技球が複数条で流下可能となっている。なお、傾斜部22hは、遊技球が上下に積み重なる貯留タンク220の底部なので、遊技球は必ずしも直線的に流下するわけではなく、不規則に流下する。すなわち、貯留タンク220の底壁22aは遊技機100の左右方向一側に下り傾斜し、遊技球が複数幅で不規則に流下する傾斜部22hが形成されている。
また、底壁22aの後から前側へ向けての下り傾斜は、スプロケット210の順方向の回転方向に沿ったものとなっている。なお、底壁22aの傾斜は、長辺方向(右から左への下り傾斜)及び短辺方向(後から前への下り傾斜)とも、基本的に排出装置200が設けられる左端部の後述の円環状の誘導部22gの手前(右側)までとされており、排出装置200側となる円環状の誘導部22gでは、その外周側から中心側に向かって下り傾斜するようになっている。また、貯留タンク220の底壁22aは、円環状の誘導部22gとの境界部分で、貯留タンク220側と排出装置200側とに分割された状態となっており、底壁22aの排出装置200側端部は、図5に示すように円環状の誘導部22gの外周縁に沿って略半円状(円弧状)となっている。
そして、誘導部22gの内側に後述のようにスプロケット210が配置されるが、該スプロケット210の順方向の回転方向は、時計回り(右回り)となっており、スプロケット210の右側となる底壁22aの傾斜部22hでは、スプロケット210の回転方向は、後側から前側となる。従って、底壁22aを後から前側に向かって下り傾斜させることにより、図15に示すように、遊技球をスプロケット210の回転方向に誘導する状態となる。
すなわち、貯留タンク220の底壁22aには、遊技機100の左右方向一側に下り傾斜する傾斜部22hと、該傾斜部22hの傾斜下流側に誘導部22gとが形成され、傾斜部22hは、スプロケット210の回転方向に対応して、遊技機100の前後方向一側に下り傾斜している。なお、右から左に傾斜する傾斜部22h全体が後から前に下り傾斜している必要はなく、傾斜部22hの左側(排出装置200側)だけが後から前に下り傾斜するものとしても良い。
また、図11,12及び図17(C)に示すように、底壁22aには、その傾斜部22hの前から見て左側端部に、後側が高く前側が低い誘導段部22iが形成されている。なお、誘導段部22iは、左側(排出装置200側)に向かうに連れて、前側に向かうように斜めに形成され、誘導段部22iの段差は、底壁22aの後縁部の左右の略中央部から、円環状の誘導部22gの円環の略中心に向かった線分にそって形成されている。
すなわち、傾斜部22hに、前記スプロケット210の回転方向に対応して、前記誘導部22gへ流下する遊技球を、遊技機100の前後方向の一方側に誘導する誘導段部22iを設けている。なお、誘導段部22iも貯留タンク220内の遊技球の流れをスプロケット210の順方向の回転に沿わすように誘導するためのものである。
底壁22aの排出装置200側の側縁部の下面には、後述のように、球抜き開口部531から第1球抜き流路501へ遊技球を導入する際に、図5,8,9に示すように、遊技球の漏れを防止するための下方延出壁541が設けられている。下方延出壁541は、底壁22aの前記側縁部の形状に対応して底壁22aの略全幅に渡って円弧状に形成されるとともに、下方に延出して形成されている。
貯留タンク220の前記右側壁22bの前縁側に前壁22cが接合され、後縁側に後壁22dが接合されて前後と右側を囲んだ状態とするとともに、その下を底壁22aが閉塞した状態となっている。そして、右側壁22b、前壁22c、後壁22dの上側縁は、ほぼ水平な平面内に面一に配置されるようになっている。従って、前壁22c及び後壁22dは、その上縁が水平とされ、下縁が底壁22aと同様に傾斜した状態となっている。貯留タンク220は、他方の端部から排出装置200側の一方の端部に向かうに連れて深さが深くなるように構成されている。
そして、図5〜7に示すように、前壁22cと後壁22dとの排出装置200側端部には、上下二カ所に略水平に上下のガイドリブ521,522が形成されている。この上下のガイドリブ521,522は、排出装置200のタンク取付部材402に設けられた被ガイド支持板421の上下に配置されて、排出装置200の移動を補助するように案内するとともに、上述の流入状態として貯留タンク220に排出装置200が接合した状態で、貯留タンク220に対する排出装置200の固定を補助するものである。
前記被ガイド支持板421は、前記堰壁207の左右(遊技機本体の前後方向の前後)に形成されたタンク取付部材402から貯留タンク220(貯留タンク220の遊技機本体の左右方向における排出装置200の反対側となる端部)に向かう方向に延出する板状の部材で、左右に長い略矩形状の部材であるが、先端部が円弧状に形成されている。
また、そして、上下のガイドリブ521,522同士の間隔は、被ガイド支持板421の上下幅と略同じ(僅かに広い)ものとなっており、上下のガイドリブ521,522の間で被ガイド支持板421が左右に移動自在となっている。なお、被ガイド支持板421は、排出装置200と一体に移動することになる。
また、図6に示すように、下のガイドリブ522は、その排出装置200の反対側となる端部が排出装置200が流入状態のときの被ガイド支持板421の先端部と同じ位置とされ、その排出装置200側の端部が排出装置200が球抜き状態のときの被ガイド支持板421の先端部と同じ位置とされている。すなわち、下のガイドリブ522は、排出装置200の流入状態から球抜き状態までの全移動範囲に渡って、被ガイド支持板421の移動を支持するともにガイドし、被ガイド支持板421が下のガイドリブ522より下側となるのを規制している。
一方、上のガイドリブ521は、その排出装置200の反対側となる端部が、下のガイドリブ522と同様に、排出装置200が流入状態のときの被ガイド支持板421の先端部と同じ位置とされている。また、上のガイドリブ521は、下のガイドリブ522より短く、排出装置200側の端部は、下のガイドリブ522より手前となっている。
従って、貯留タンク220から排出装置200を離す方向に移動した場合に、図7に示すように、貯留タンク220から排出装置200を僅かに離した状態では、上のガイドリブ521が被ガイド支持板421をガイドし、被ガイド支持板421の上側への移動を規制することになるが、排出装置200が流入状態から球抜き状態に移動し終わる前の、流入状態と球抜き状態との間の所定位置に至った際、すなわち、被ガイド支持板421の先端部が上のガイドリブ521の排出装置200側端部に至った後に、上のガイドリブ521による被ガイド支持板421の上側への移動の規制が解除されることになる。
これにより、排出装置200を上述の所定位置まで移動した後にさらに球抜き状態側へ移動させた際には、被ガイド支持板421の基端部側を上にするように被ガイド支持板421を傾けることが可能となる。この際には、被ガイド支持板421の円弧状の先端部が下のガイドリブ522に接触することになり、被ガイド支持板421の先端部の円弧により円滑に被ガイド支持板421を傾けることが可能となる。
なお、この際には、後述の被ガイド支持板421に形成されたスリット422と、貯留タンク側に設けられた支持ピン406とによっても被ガイド支持板421が水平移動と傾く移動とを可能としている。
また、被ガイド支持板421が上述のように傾いた際には、排出装置200もその下端部が貯留タンク220から離れる側に傾くことになる。
また、上述のように排出装置200の移動支持部511が上述のようにガイド部505により排出装置200を傾斜部505bの傾斜に沿って上に移動するように案内することになる。これにより、上下のガイドリブ521,522による被ガイド支持板421の案内と、ガイド部505による移動支持部511の案内と、後述の被ガイド支持板421のスリット422と貯留タンク220の支持ピン406との案内とにより合成された排出装置200の移動として、排出装置200は、貯留タンク220から離れる方向に流入状態から球抜き状態に移動する際に、左右方向に移動しながら傾くように回転移動することになる。
図5に示すように、前壁22cと後壁22dとの排出装置200側端部には、それぞれ上下2カ所に、ピン孔403、404が形成されている。上下のピン孔403,404は、互いに上下及び左右に間隔をあけて配置されている。また、上のピン孔403は、前壁22cと後壁22dとの排出装置200側の端に近い位置に配置されるのに対して、下のピン孔404は上のピン孔403より前記端から少し遠い位置に配置される。そして、上のピン孔403には、容易に着脱自在な割りピンとしての係止ピン405(係止部材)が挿入されるものとなっている。
係止ピン405は、貯留タンク220に対して排出装置200を流入状態で固定するためのものであり、貯留タンクの前壁22cと後壁22dのピン孔403に、排出装置200のタンク取付部材402に設けられた後述のピン孔413を合わせて、これらピン孔403、413に係止ピン405を挿入することで、貯留タンク220に排出装置200が固定される。なお、この際に排出装置200を移動不可に固定しているのは係止ピン405だけとなるが、排出装置200は、上述の上下のガイドリブ521,522間に被ガイド支持板421が挟まれた状態に配置されることと、被ガイド支持板421のスリット422に貯留タンク220の支持ピン406が挿入されていることとで支持されており、係止ピン405だけに排出装置200の荷重等による負荷が集中することなく、十分な強度で排出装置200が支持される。
また、排出装置200を流入状態から球抜き状態に移動するためには、係止ピン405を取り外す必要がある。なお、係止ピン405は、割りピンとなっており、例えば、ペンチもしくは専用治具等で、貯留タンク220の内側から割りピンの先端部を狭めるように挟んで外側に押すことで外すことができる。なお、係止ピン405の先端部は、高さ制限部材260より上に設けられ、後述のように高さ制限部材260により遊技球の流入が阻止され、貯留タンク220に遊技球が満杯に貯留されても、遊技球に隠されないようになっている。従って、貯留タンク220が満杯でも、係止ピン405を容易に外すことができる。
また、下のピン孔404には、後述するように排出装置200の流入状態と球抜き状態との間の移動をガイドすると共に、排出装置200を移動自在に支持するための支持部材としての支持ピン406と止め輪407とが取り付けられるようになっている。支持ピン406は、下のピン孔404と被ガイド支持板421のスリット422とに挿入され、被ガイド支持板421(排出装置200)をスリット422方向に沿って移動自在とするとともに、被ガイド支持板421(排出装置200)を回転自在(傾斜可能)とする。
また、上下のピン孔403,404は、高さ制限部材260より上に設けられている。すなわち、高さ制限部材260により遊技球の流入が規制された位置にピン孔403,404が設けられているので、ピン孔403,404に挿入される係止ピン405や支持ピン406や止め輪407が貯留タンク220において遊技球の流下に影響を与えることがない。また、係止ピン405が遊技球の接触により外れるようなことがない。
排出装置200の筐体部410は、上下に機能が分かれている。すなわち、図8等に示すように、筐体部410は、上側の貯留タンク220とともに遊技球を貯留する貯留部411と、下側のスプロケット210を収納する回転体収容部203とが一体に形成された状態となっている。
貯留部411は、その外周壁となり、かつ、貯留タンク220とともに遊技球を貯留する空間の左側の壁を構成する左側壁22eと、貯留タンク220とともに遊技球を貯留する空間の排出装置200側の底壁を構成する誘導部22gとからなっている。
なお、貯留部411は、その上端部が前壁22c及び後壁22dの排出装置200側端部の高さの1/2より僅かに低くなった高さ位置しかなく、後述するように高さ制限部材260により貯留タンク220の貯留部411より上にある遊技球を下側に誘導することで、貯留される遊技球の高さが貯留タンク220より低くされるようになっている。
また、貯留部411上には後述するように略水平な駆動源取付部材206が配置されて、貯留部411の上面側が閉塞された状態となっている。
そして、左側壁22eは、貯留タンク220に対して遊技機100の前後方向に渡って配置されて、貯留タンク220の開放された排出装置200側端部を閉塞するようになっている。
そして、左側壁22eの前側端部は、貯留タンク220の前壁22cとほぼ同じ前後位置に配置され、前壁22cとほぼ連続して遊技機100の左右方向に沿って配置されている。また、左側壁22eの後側端部は、貯留タンク220の後壁22dとほぼ同じ前後位置に配置され、後壁22dとほぼ連続して遊技機100の左右方向にそって配置されている。
なお、貯留タンクの前壁22c及び後壁22dの排出装置200側の側縁(左端)と、左側壁22eの前端及び後端の側縁とは切り離された状態となっている。そして、上述の流入状態では、前壁22c及び後壁22dの前記側縁と、左側壁22eの前端及び後端の側縁とはほぼ当接した状態となっているが、排出装置200が流入状態から球抜き状態に移動した場合に離れる構成となる。
しかし、後述のように、前壁22c及び後壁22dの前記側縁と、左側壁22eの前端及び後端との間は、これらが当接した状態(流入状態)でも離れた状態(球抜き状態)でも、その外側がタンク取付部材402に覆われた状態となっている。従って、前壁22c及び後壁22dの前記側縁と、左側壁22eの前端及び後端との間が離れても、これらの間から遊技球が外部に流出することはない。
なお、前壁22c及び後壁22dと、左側壁22eとが離れた状態、すなわち、球抜き状態においては、図9,10に示すように、貯留タンク220の底壁22aと、排出装置200側で貯留タンク220の底の延長部分となる誘導部22gとの間が離れて、球抜き開口部531が開放された状態となり、球抜き開口部531から遊技球が第1球抜き流路501に流出することになる。
そして、左側壁22eの前側端部と後側端部とは、貯留タンク220の反対側でほぼ半円状の左側壁22eの本体により接続された状態となっており、この左側壁22eに囲まれた部分が排出装置200の貯留部411となっている。
この左側壁22eの円弧板状の本体は、スプロケット210の回転中心を中心とする半円状(円弧状)に形成されるものである。
貯留部411の底部を構成する誘導部22gは、内部に開口部22fを有する円環状に形成されている。また、概略円筒状となる筒体部201の上端部の円筒状の部分が開口部22fとほぼ同径とされ、誘導部22gの下側において、全開口部22fを囲むようにして誘導部22gの内周縁部と一体に接続された状態となっている。
また、誘導部22gは、その外周部側の直径が、貯留タンク220の前壁22cと後壁22dとの間隔(例えば、傾斜部22hの前後幅)とほぼ等しくされており、貯留タンク220内部の遊技機100の前後方向に沿った全幅に渡って誘導部22gが形成されている。
すなわち、傾斜部22hの遊技機100の前後方向の長さと、誘導部22gの外周直径の長さをほぼ同じに構成している。なお、後述のように誘導部22gも導入部202に含まれるものとした場合に、導入部202も貯留タンク220内部の遊技機100の前後方向に沿った全幅に渡って形成されるものとなる。
また、誘導部22gの外周部の貯留タンク220の反対側となる半円部分の外周縁部には、上述の左側壁22eの下端部が一体に接合された状態とされている。そして、誘導部22gの貯留タンク220側の円弧状の半円部分の外周部分には、左側壁22eが接続されておらず、後述するように底壁22aの排出装置200側の円弧凹状の側縁部の下に配置されるようになっている。そして、誘導部22gの貯留タンク220側の側縁部には、底壁22aの上述の側縁部と上下に重なる重複部が誘導部22gの外周に沿って形成されている。
また、誘導部22gの前記重複部の下側には、第1球抜き流路501の上端開口部の排出装置200側の後述の円弧状の辺が接続された状態となっている。
図11に示すように、誘導部22gは、上述のように外周部から中心に向かって下り傾斜するものとなっており、遊技球を開口部22f内に落下するように誘導するものである。なお、図14に示すように、開口部22fの下方には、スプロケット210が配置され、誘導部22gの内周の近傍となる位置には、スプロケット210の外周部に周方向にそって並んだ状態で球受部208,…が形成されており、誘導部22gが遊技球を開口部22f内の球受部208,…に誘導するものとなっている。また、誘導部22gの内周側から後述の回転誘導部21fとの円環状の間隔に上述の球受部208,…が配置されるようになっており、この間隔が球受部208,…に受け入れる遊技球が、貯留タンク220から排出装置200内に導入される導入部202とされている。
従って、誘導部22gと傾斜部22hとの関係から、傾斜部22hの傾斜下流側に前記導入部202が形成されていることになる。
また、誘導部22gの外周と内周との間の幅(外径と内径の差)は、遊技球の直径に対応したものとされ、例えば、遊技球の直径以上でかつ遊技球の直径の2倍以下とされている。また、誘導部22gの中で最も高い位置となる外周部は、底壁22aの排出装置200側に下り傾斜する傾斜部22hの最も低い位置となる排出装置200側端部よりも低くなっており、傾斜部22hと誘導部22gとの間に傾斜が急な段差が形成されている。
上述のように、排出装置200側の誘導部22gと、貯留タンク220側の傾斜部22hとは別体となっており、傾斜部22hの傾斜下側の端部となる底壁22aの排出装置200側の半円凹状の端部の下側に、誘導部22gの貯留タンク220側の半円凸状の端部が配置された状態となっている。
そして、流入状態では、後述するように、底壁22aの排出装置200側端部の下面に、誘導部22gの貯留タンク220側の端部の上面が当接した状態となっている。
なお、底壁22aの排出装置200側端部の下面には、底壁22aの排出装置200側の半円凹状の端に沿って下方に僅かに突出するリブが形成されており、このリブの下端に誘導部22gの貯留タンク側の外周縁部となる重複部の上面が当接するようになっている。
また、誘導部22gは、排出装置200の一部として、排出装置200とともに、貯留タンク220から離れる方向、すなわち、遊技機100の左右方向に沿って移動自在となっており、排出装置200を貯留タンク220から離す用に移動すると、貯留タンク220の底壁22a(傾斜部22h)との間に球抜き開口部531が形成されるようになっている。
また、排出装置200は、球抜き状態において、その下端部が貯留タンク220から離れ、その上端部が貯留タンク220に近付くように傾けられることになるが、この際に誘導部22gの貯留タンク220側部分で、貯留タンク220の長さ方向に沿った傾斜角度が小さくなるように変化することになり、排出装置200が球抜き状態での所定角度まで小さくなると、誘導部22gの貯留タンク220側部分の傾斜が誘導部22gの内周から外周に向って下り傾斜した状態となっている。すなわち、流入状態での誘導部22gの外周から内周に向かって下り傾斜する傾斜角度よりも、流入状態から球抜き状態に変化した際の排出装置200の傾斜角度の方が大きくなっている。これにより、球抜き状態において誘導部22g上の遊技球を確実に球抜き開口部531側に流下させることができる。
以上のことから、流入状態から球抜き状態への移動で排出装置200を斜め上方に移動し、導入部202が球抜き開口部531に向けて下り傾斜するようにしている。
筒体部201は、図12,17,18等に示すように、誘導部22gの前記開口部22fと略同径の内周を有し、スプロケット210を収納する回転体収容部203本体(底部216、底部材218を除いた部分)となっている。筒体部201は、底壁22aに接続される筒体部201の上部である円筒状の第1筒体21aと、筒体部201の下部であり第1筒体21aより内径が遊技球1個分程度小さい第2筒体21bと、これら第1筒体21aと第2筒体21bとの間に配置され、第1筒体21aと第2筒体21bとを接続した状態に配置される中間筒体21cとを有するものである。
第1筒体21aは、上下方向に渡って同径の円筒状に形成されている。第2筒体21bは、上述のように第1筒体21aより小径で、上方方向に渡って同径の円筒状に形成されているが、図18に示すように、排出用導出部20aを有する底部216に設けられた後述の導出凸部21iに対応する部分に切欠部21dが形成されている。中間筒体21cは、上端部が第1筒体21aに連続して形成されるとともに第1筒体21aと同径とされ、下端部が第2筒体21bに連続して形成されるとともに第2筒体21bと同径とされ、上端から下端に向かって径が小さくなるように筒状でかつ円錐台状に形成されている。従って、中間筒体21cの内周面は外側から内側に下り傾斜する傾斜面となっている。
また、第2筒体21bと中間筒体21cとの境界部分で、かつ、底部216に形成される排出用導出部20aの上となる部分には、図12,21に示すように、筒体部201の中心側(スプロケット210の中心方向)に突出する内周に沿ったリブ21eが形成されている。これは、球受部208,…に上下複数段に受け入れられた遊技球のうちの一番下の遊技球が排出用導出部20aから下方に導出された場合に、その上の遊技球まで一緒に導出してしまうのを前記リブ21eにより防止するものである。すなわち、後述のようにスプロケット210の外周部と筒体部201の内周面との間の配置された遊技球は、遊びがあまり無いので、少し突出したリブ21eにより下方に流下できない状態となる。
回転体収容部203の側壁(筒体部201)における排出用導出部20aの上方側所要範囲に、前記球受部208,…における最下段よりも一段上段の遊技球が排出用導出部20aに流下することを防止する(遊技球を球受部208,…内に保持する)ためのリブ21eをスプロケット210の中心方向に突設している。言い換えれば、前記回転体収容部203の側壁における前記排出用導出部20aの上方側に、前記球受部208,…における最下段よりも一段上段の遊技球を当該球受部208,…内に保持するためのリブを形成している。
このような構成により、スプロケット210が回転した場合に、排出用導出部20aから遊技球が導出されるが、この際にその上の遊技球はリブ21eにより下方への移動が規制されている。これにより、球受部208毎の複数個の遊技球を上下に保持可能となっていても、一番下の遊技球だけが排出用導出部20aから導出されることになり、スプロケット210が球受部208の1個分の角度(360/球受部の数)だけ回転する度に遊技球が一個宛排出用導出部20aから導出される。
そして、球受部208,…が排出用導出部20aの部分を通過したところで、リブ21eから離れ、球受部208,…内の下から二番目以降の遊技球が一段下方に移動し、一番下に遊技球が配置され、再び、排出用導出部20aまで移動した場合に遊技球を導出可能となる。また、球受部208,…の一番上の段に遊技球が無い状態となり、新たに遊技球を受け入れ可能な状態となる。
以上のことから、排出装置200は、回転軸20zを中心に回転可能に構成されるとともに、貯留タンク220の遊技球が導入される導入部202から遊技球を受け入れる複数の球受部208…を有するスプロケット210を備え、該スプロケット210の回転に応じて、該球受部208…に遊技球を受け入れるとともに受け入れた遊技球を導出部20aに1個宛導出するように構成さている。
また、貯留タンク220の下部の前側で排出装置200側の手前側には、図4に示すように、半端センサ22k(破線で図示)が配置される。この半端センサ22kは、基本的には、貯留タンク220内の遊技球の残量が1回に払い出される遊技球数のうちの最大数より少なくなった場合に、1回の排出数に満たない半端な数の遊技球が払い出されるのを防止するものである。また、半端センサ22kは、貯留タンク220に遊技球が無いのに、排出装置200が作動するのを防止すものである。そして、半端センサ22kは遊技球を非接触で検出する近接センサなど、遊技球を検出するセンサで構成され、半端センサ22kから遊技球を検出する信号が途絶えた場合(遊技球を検出していないことを示す信号が出力された場合)に、排出制御基板34が、島設備側から遊技球が補給されて、半端センサ22kから遊技球を検出していることを示す信号が入力するまで、遊技球の排出を停止する制御を行う。
また、貯留タンク220への遊技球の補給の制御は、島設備に設けられた遊技球補給装置が行うようになっており、貯留タンク220に内の遊技球の貯留量を検出するセンサは、遊技球補給装置側に接続されて、例えば、遊技機100を設置した際に、貯留タンク220に対応してセットされる。
第1球抜き流路501は、図5〜10に示すように、貯留タンク220の底壁22aに重なる誘導部22gに接続された状態となっている。そして、第1球抜き流路501の開放された球抜き開口部531からの遊技球の流入口は、概略四辺形状となっている。すなわち、第1球抜き流路501は、球抜き状態となった貯留タンク220の底壁22a及び排出装置200の誘導部22gに対応して、底壁22aの排出装置200側の円弧状の側縁に対応した円弧状の貯留タンク220側の辺と、誘導部22gの流入状態で底壁22aと重なる円弧状の部分に対応した排出装置200側の辺と、これら辺の両端部間をそれぞれ繋ぐ互いに平行で遊技機100の左右方向に沿った直線状の二辺から四辺形状となっている。
また、第1球抜き流路501の流入口は、排出装置200側の辺が誘導部22gの円弧状の側縁の裏面に接合された状態となっており、貯留タンク220側の辺は、排出装置200側の辺より低くされるとともに、底壁22aからも離れた状態とされており、排出装置2の移動を妨げないようになっている。また、排出装置200側の辺と貯留タンク220側の辺とを繋ぐ二辺は、排出装置200側の辺から貯留タンク220側の辺に向かって下り傾斜している。
そして、第1球抜き流路501の排出装置200側の辺から下方に延びる壁部分は円弧状のままほぼ垂直に下方に延びるように形成され、その長さが、誘導部22gの下面から裏機構枠160の上面の一部である排出受け部16hの僅かに上までとなっている。
また、貯留タンク220側の辺から下方に延びる壁部分は、円弧状のまま下方に延出して形成されるが垂直ではなく、排出装置200側に近付く方向に僅かに傾斜している。
これにより、第1球抜き流路501は先に行くほど流路が僅かに狭まるように形成され、流路の中心を見た場合に、下に行くほど僅かに排出装置200側に向かって傾斜した状態となっている。
また、第1球抜き流路501の流入口の排出装置200側の辺と貯留タンク220側の辺とを繋ぐ、二辺から下側に延びる壁部分は、略垂直に下側に延出している。また、第1球抜き流路501の下端部は、流入状態において略水平となっている。
そして、第1球抜き流路501は、図8に示すように、流入状態で、貯留タンク220の排出装置200側端部の直下に配置されている。
また、第1球抜き流路501は、図9,10に示すように、球抜き状態では、その流入口の排出装置200側の辺が誘導部22gの貯留タンク220側の側縁部に接続されているので、誘導部22g上、すなわち、排出装置200のスプロケット210より上にある遊技球を全て受け入れ可能な位置にあることになる。また、第1球抜き流路501の流入口の貯留タンク220側の辺は、排出装置200を流入状態から球抜き状態に移動することにより、貯留タンク220の底壁22aの排出装置200側側縁の真下より僅かに排出装置200の反対となる端部側の位置となり、底壁22aから球抜き開口部に流下する遊技球を全て第1球抜き流路に受け入れるようになっている。
なお、排出装置200は、流入状態から球抜き状態に至る際に、排出装置200の下端部が貯留タンク220から離れるように、すなわち、排出装置200の下端部が裏機構枠160の左右方向の排出装置200側の端部からさらに外側を向くように傾くことから、第1球抜き流路501の流入口の貯留タンク220側の辺は、貯留タンク20の底壁22aの排出装置200側端部から下方に離れた位置に配置されることになる。
それに対して、貯留タンク20の底壁22aの排出装置200側の端部の下面には、上述の流入口の貯留タンク220側の辺に沿う円弧状で、かつ、下方に延出する下方延出壁541が形成されている。
下方延出壁541は、言い換えれば、底壁22aの排出装置200側の円弧状の側縁部に沿って、底壁22aの側縁部の下方に延出している。また、下方延出壁541は、流入状態及び球抜き状態の何れにおいても第1球抜き流路501の流入口の内側に配置される。
そして、球抜き状態において、下方延出壁541は、第1球抜き流路501の内側で、流入口の貯留タンク220側の辺に近接した位置に配置され、この辺と、底壁22a下面との間に開いた隙間を閉塞するようになっており、この間からの遊技球の漏出を防止するようになっている。
また、第1球抜き流路501の流入口の排出装置200側の辺と、貯留タンク220側の辺とを繋ぐ二辺は、それぞれ、流入状態において、貯留タンク220の前壁22c及び後壁22dの直ぐ下にそれぞれ配置され、球抜き状態において、前壁22cと排出装置200の左側壁22eの前端との間の直ぐ下と、後壁22dと左側壁22eの後端部との間の直ぐ下とにそれぞれ配置されている。これにより、貯留タンク220から排出装置200を離して球抜き状態とすることにより、開口する球抜き開口部531からの遊技球を漏れなく第1球抜き流路に導入することが可能となっている。
また、第1球抜き流路501の流出口は、上述のように、流入状態では、排出受け部16hの第2球抜き流路502より裏機構枠160の中央側にあり、球抜き状態で第2球抜き流路502の流入口503上に配置される。この際には、上述のように第1球抜き流路501が斜めとなることで、第1球抜き流路501の流出口の裏機構枠160の端側の辺と、第2球抜き流路502の流入口503の裏機構枠160の端側の辺との間に遊技球が通過可能な間隔があくことになるが、この間隔が上方延出壁504によりほぼ閉塞され、遊技球が漏出することなく、第2球抜き流路502に流下する。
以上のことから、球抜き状態で貯留タンク220に貯留されている遊技球を球抜き開口部531から流下させ遊技機100外部に排出する球抜き流路を設け、球抜き流路は、排出装置200に設けられる第1球抜き流路501と、第1球抜き流路501の下流側で、裏機構枠160を介して遊技機100本体に設けられる第2球抜き流路502と、からなり、第1球抜き流路501は、排出装置200とともに移動し、球抜き状態で球抜き開口部531と、第2球抜き流路502とに連通する。
また、第1球抜き流路501は、球抜き状態において、流入状態の排出装置200の下部となる回転体収容部203の位置に移動することになり、流入状態で回転体収容部203が位置する領域の一部と、球抜き状態で第1球抜き流路501が位置する領域の一部とが重なることになる。
上述のように遊技球を貯留する空間は、貯留タンク220と排出装置200との両方に渡って形成された状態となっているが、貯留タンク220底壁22aの周囲を囲う右側壁22b、前壁22c及び後壁22dの高さに対して、排出装置200の誘導部22gの貯留タンク220の反対側を囲う左側壁22eの高さが半分程度となるように低くなっている。
従って、貯留タンク220に略一杯となるように遊技球を補給してしまうと、遊技球が貯留タンク220の排出装置200側端部から溢れてしまう。それに対して、排出装置200の駆動源となるステッピングモータ204を貯留タンク220に固定するための駆動源取付部材206が高さが低くされた排出装置200の左側壁22e部分から遊技球が漏出するのを防止する蓋として機能する。
駆動源取付部材206は、半円状の板体に前記半円の直径の幅を有する細板を延長させた形状を有するもので、半円部分が半円状の左側壁22eの本体上に配置され、延長された細板部分が左側壁22eの前後の端部上に架け渡された状態で配置される。
そして、駆動源取付部材206は、貯留タンク220の底壁22aの周囲を囲む壁(右側壁22b、前壁22c、後壁22d)より一段低くなった排出装置200の左側壁22eで囲まれる貯留部411の上を閉塞するようになっている。
また、駆動源取付部材206の前壁22c及び後壁22dの排出装置200側の側縁部、すなわち、円弧状の側縁の反対側となる側縁部には、前壁22c及び後壁22dの側縁に沿って上下に立設された堰壁207が取り付けられている。
堰壁207により、前壁22c及び後壁22dと左側壁22eとの間の段差部分から遊技球が駆動源取付部材206側に流出するのを防止している。なお、この例においては、堰壁207より右側(他端部側)に高さ制限部材260が配置され、高さ制限部材260が遊技球を堰き止めるので、堰壁207が遊技球を堰き止める必要はないが、遊技球が撥ねて高さ制限部材260の上に載ってしまったような場合には、この遊技球の落下を防止することができる。
また、堰壁207は、駆動源取付部材206に設けられることで、駆動源取付部材206の補強部材としての機能を有する。また、堰壁207の左右側縁部(遊技機100の前後方向の前後側縁部)には、それぞれ、タンク取付部材402が設けられている。タンク取付部材402は、堰壁207の前後側縁部から直角に貯留タンク220側に延出する上下に長い矩形板状の部材である。
また、図5〜7に示すように、前側(後側)のタンク取付部材402は、貯留タンク220の前壁22c(後壁22d)の外側に前壁22c(後壁)と平行に配置され、前壁22c(後壁22d)と略当接した状態(当接もしくは近接した状態)となっている。
また、堰壁207の前後側縁部と、前後のタンク取付部材402との接合部の内側となる部分には、貯留タンク220側に向かって開放した状態で、前記接合部に沿って上下に溝部412が形成されており、この溝部412の遊技機100の前後方向の幅は、前壁22c及び後壁22dの厚みより僅かに広いものとなっている。
そして、この前後の溝部412には、それぞれ、前壁22cもしくは後壁22dの排出装置200側の側縁部が挿入された状態となっている。
また、前後のタンク取付部材402には、図7に示すように、上部にピン孔413が形成され、かつ、その下の中央部となる部分の貯留タンク220側の側縁部から前方に延出する被ガイド支持板421が設けられている。
ピン孔413は、排出装置200を流入状態とした場合に、上述のように2つのタンク取付部材402を貯留タンク220の前壁22c、後壁22dに係止ピン405で固定するためのものである。
被ガイド支持板421は、上述のように、その上下の中央部に被ガイド支持板421の長さ方向(水平方向)に延在するスリット422を有し、上下のガイドリブ521,522の間の被ガイド支持板421が挟まれた状態に配置されることと、スリット422に貯留タンク220に固定される支持ピン406が挿入されることで、排出装置200の流入状態と球抜き状態との間での左右の移動と、排出装置200を傾ける移動とを案内させるためのものである。
そして、溝部412に前壁22c、後壁22dの側縁部が挿入された状態、すなわち、貯留タンク220に排出装置200を取り付ける状態で、前側(後側)のタンク取付部材402のピン孔413が貯留タンク220の前壁22c(後壁22d)の上側のピン孔403と重なり、前側(後側)のタンク取付部材402と前壁22c(後壁22d)とを貫通するように係止ピン405をピン孔413及び上のピン孔403に挿通させることができる。また、係止ピン405は、上述のように取り外しすることができる。
一方、貯留タンク220及び排出装置200の組み立て時に、上述のように貯留タンク220に排出装置200を取り付ける状態で、前側(後側)のタンク取付部材402の被ガイド支持板421のスリット422が貯留タンク220の前壁22c(後壁22d)の下側のピン孔404と重なり、前側(後側)のタンク取付部材402と前壁22c(後壁22d)とを貫通するように支持ピン406をスリット422及び下のピン孔404に挿通させることができる。
支持ピン406は、前側(後側)のタンク取付部材402の被ガイド支持板421と前壁22c(後壁22d)とを貫通させた状態で、支持ピン406の頭部と反対側となる位置に止め輪407が取り付けられることで、支持ピン406の頭部と止め輪407とにより、支持ピン406がスリット422及び下側のピン孔404から抜けないようになっている。
前記駆動源取付部材206は、その下面が平面状とされるとともに、上面側に補強用リブやステッピングモータ204の取付部材等が形成されている。また、駆動源取付部材206の半円部分の円の中心となる位置には、ステッピングモータ204の回転軸を貫通する貫通孔が形成されている。
すなわち、駆動源取付部材206は、その上側にステッピングモータ204を支持するようになっている。
また、駆動源取付部材206の堰壁207が設けられた側の側縁部、すなわち、貯留タンク220の排出装置200が設けられた端部とは反対となる端部側を向いた側縁部には、後述するように高さ制限部材260の取付部26aが取り付けられている。
また、駆動源取付部材206は、その外周部の複数箇所に互いに間隔を開けて固定片20xが外方に向かって突出して形成されている。そして、左側壁22eに貯留部411の外側となるように突出して形成されたボス20yに、前記固定片20xがビス止めされることで、駆動源取付部材206が貯留タンク220に固定されている。すなわち、タンク取付部材402が堰壁207を介して取り付けられた駆動源取付部材206に、ステッピングモータ204と、左側壁22eを有する筐体部410とが接続されることで、タンク取付部材402を有する駆動源取付部材206を介して排出装置200全体が貯留タンク220に取り付けられた状態となっている。
駆動源取付部材206の堰壁207側の側縁部には、図16,17に示すように、傾斜部22hを流下して導入部202に流入する遊技球の積み重なる高さを制限する高さ制限部材260が貯留タンク220の遊技機100の前後方向に渡って設けられている。
高さ制限部材260は、駆動源取付部材206に取り付けられる取付部261と、該取付部261の傾斜部の傾斜上流側に延出する延設部262と、該延設部262の先端部から湾曲して上方に延出する湾曲部263を有する。
なお、取付部261、延設部262及び湾曲部263は、互いに必ずしも明確な境界で分けられているものではなく、後述のように櫛歯状にされた高さ制限部材260の各櫛歯部264,…毎に取付部261、延設部262、湾曲部263が一体に形成されている。
また、取付部261から湾曲部263の先端まで、傾斜部の左右方向(遊技機の左右方向)の傾斜に沿って、前後方向に互いに間隔を開けてスリット状の切り込み265,…(切り欠き)が形成され、これにより高さ制限部材260は、湾曲部263及び延設部262が切り込み265,…により完全に各櫛歯部264,…毎に切離された櫛歯状の形状となっている。
また、各切り込み265,…同士の遊技機100前後方向の間隔もしくは各櫛歯部264,…の遊技機100前後方向の幅が略遊技球の直径に等しいものとされている。
そして、高さ制限部材260は、弾性を有する合成樹脂製となっており、外力がかかった場合に各櫛歯部264,…毎に弾性変形して撓むことが可能となっている。
すなわち、高さ制限部材260は、傾斜部22hの傾斜下流側で貯留タンク220に取り付けられる取付部261と、該取付部261から傾斜部22hの傾斜上流側に延出する延設部262と、該延設部262から上方に向かって湾曲する湾曲部263と、からなり、且つ、取付部261から湾曲部263の先端まで複数切り欠かれた櫛歯状に形成されるとともに、各々の櫛歯部264,…が傾斜部22hを流下する遊技球の圧力により撓むように構成されている。
また、高さ制限部材260は、遊技球の略直径に対応して切り欠き(切り込み265,…)が設けられている。
この高さ制限部材260により、貯留タンク220内の傾斜部22h上に、駆動源取付部材206の下面より高く積み重なるように遊技球が貯留された場合に、高さ制限部材260の主に湾曲部263が、駆動源取付部材206と略同じ高さ位置となる延設部262より上となる遊技球を堰き止めるとともに下側に誘導し、延設部262は、湾曲部263より排出装置200側で遊技球の積み重なる高さを延設部262より下側にするとともに、取付部261側に向かうにつれて遊技球の積み重なる高さを徐々に低くするようになっている。
この際に、高さ制限部材260が各櫛歯部264,…毎に弾性変形し、高さ制限部材260により上側を規制されるとともに積み重なった状態の遊技球同士が噛み合ってブリッジを形成するのを防止することができる。
また、この高さ制限部材260と、駆動源取付部材206とにより誘導部22gの内周側(導入部202)で露出する回転体であるスプロケット210及び回転体上部材214上に積み重なる遊技球の高さを制限し、駆動源取付部材206が設けられた部分で球詰まりが発生することを防止するとともに、遊技球の荷重に基づく球圧がスプロケット210及び回転体上部材214の回転に及ぼす影響を制限している。
そして、上述のように、駆動源取付部材206に高さ制限部材260の取付部261を取り付けたので、駆動源取付部材206を介してステッピングモータ204の作動時の振動が高さ制限部材260に伝わるので、球が噛みあってブリッジが生じたような場合に、前記振動でブリッジを崩すことができ、これにより確実に球詰まりを防止できる。
また、前記駆動源取付部材206の左側壁22eの反対側となる堰壁207側の側縁部は、スプロケット210の回転中心より僅かに傾斜部22h側となっており、この側縁部に取り付けられる高さ制限部材260の取付部261は、前端部と後端部とを除いて回転体であるスプロケット210上に配置されている。すなわち、取付部261の一部は、スプロケット210の直上に位置している。
そして、駆動源取付部材206に取り付けられた取付部261はほとんど撓まない状態となるので、撓みによる球詰まりの解除を望めないが、取付部261の下となるスプロケット210の回転力が遊技球により伝動されることで、取付部261の下側でブリッジが発生してもこれをスプロケット210の回転により生じる回転力や振動で崩し、球詰まりを防止することができる。
以下に、上述の筒体部201とともに排出装置200を構成する各構成要素について説明する。
ここで、排出装置200は、上下方向に設定された(ほぼ垂直な)回転軸を中心に回転可能に構成されるとともに、貯留タンク220の遊技球が導入される導入部202から遊技球を受け入れる複数の球受部208,…を有するスプロケット210を備え、該スプロケット210の回転に応じて、該球受部208,…に遊技球を受け入れるとともに受け入れた遊技球を下方に設定された排出用導出部20aに1個宛導出するように構成されている。
ステッピングモータ204は、パルス状の駆動電力が1パルス入力する度に所定角度回転するモータであり、排出制御基板34から出力されるパルス状の電力に応じて回転するようになっている。なお、ステッピングモータ204は、例えば、遊技球を1個払い出すことが可能な回転角度ずつ回転可能なように制御されており、後述するようにスプロケット210の外周部には、遊技球を受け入れる10個の球受部208,…が周方向に並んで配置され、各球受部208,…に遊技球が受け入れられるようになっている。そこで、ステッピングモータ204は、1/10回転ずつ回転可能とされている。そして、排出制御基板34は、払い出すべき遊技球数に対応してステッピングモータ204を回転させるように制御することになり、ステッピングモータ204を払い出すべき遊技球数に1/10を乗算した回転数だけ回転させることになる。
なお、ステッピングモータ204の制御の具体例は後に説明する。
また、ステッピングモータ204は、上述のように駆動源取付部材206の上側に、回転軸20zを下方に略垂直に向けて配置されている。そして、ステッピングモータ204の下側にスプロケット210が固定されることになる。すなわち、回転体としてのスプロケット210を駆動させる駆動源としてのステッピングモータ204をスプロケット210の上方に駆動源取付部材206により取り付けている。これによりステッピングモータ204をスプロケット210の下方に設けた場合のようにステッピングモータ204が貯留タンク220の下側に大きく突出するようなことがなく、排出装置200をコンパクトに配置することができる。
また、駆動源取付部材206は、貯留タンク220の右側壁22b、前壁22c、後壁22dの上縁部より、上縁部が低くされた左側壁22e上に固定されるので、駆動源取付部材206が貯留タンク220の上側縁部より貯留タンク220の最も深い部分の上下幅の半分程度の距離だけ低い位置に配置される。従って、駆動源取付部材206の上にステッピングモータ204を配置するものとしても、ステッピングモータ204の貯留タンク220より上に突出する長さを僅かなものとすることができ、貯留タンク220と排出装置200とを合わせた大きさをコンパクトにすることができる。
そして、図18等に示すように、ステッピングモータ204の回転軸20zには、回転体上部材214が回転軸20zと一体に回転可能に取り付けられている。すなわち、回転体上部材214の中心部に設けられた挿入口に回転軸20zが挿入されるとともに、回転軸20zと回転体上部材214とが互いに回転不可となるように接合されている。
そして、回転体上部材214の下端部にスプロケット210が固定され、回転体上部材214とスプロケット210がその軸回り、すなわち、ステッピングモータ204の回転軸20z回りに一体に回転するようになっている。なお、ステッピングモータ204の回転軸は略垂直(鉛直)となるように配置されており、回転体上部材214及びスプロケット210の回転の中心軸もほぼ垂直となる。
回転体上部材214は、その下部が円板状に形成された回転誘導部21fとされ、その上部が回転誘導部21fの中央部から上方に延出する概略円錐台状の延出部21gとされている。すなわち、スプロケット210の回転誘導部21fの内側に、回転軸20zに沿って上方に延出する延出部21gを設けている。
回転誘導部21fは、円板状に形成されるがその中央部に延出部21gが配置されているので、円環状の構造を有するものとなっており、その上面が中央側から外周側に下り傾斜している。また、回転誘導部21fの内周縁から外周縁までの幅は、例えば、遊技球の直径以上で直径の2倍以下とされている。
そして、上述の貯留タンク220の底壁22aの排出装置200側端部に形成された誘導部22gと、その内側に配置される回転誘導部21fとの間には、遊技球の直径より僅かに広い間隔があくようになっている。そして、この間隔は円環状の誘導部22gの内周縁と、同じく円環状の回転誘導部21fの外周縁との間に円環状に形成されることになる。また、この間隔部分の下側にスプロケット210上部の外周部に設けられた球受部208,…の上方に開放された部分の全てが露出するようになっている。
そして、誘導部22gと回転誘導部21fとの間の間隔に露出した球受部208,…に貯留タンク220内の遊技球が流入して導入されるようになっており、誘導部22gと回転誘導部21fとの間の円環状の間隔が、排出装置200に遊技球を導入する導入部202となっている。
また、上記説明では、導入部202を誘導部22gと回転誘導部21fとの間としたが、誘導部22g及び回転誘導部21fが、これらの間の間隔に配置される球受部208,…に遊技球を導入させるものであることから、導入部202に誘導部22g及び回転誘導部21fが含まれるものとしても良い。
この場合に、導入部202は、底壁22aに設けられ、スプロケット210の外周を囲み略遊技球1個分の幅で円形に形成されるとともに、スプロケット210側に下り傾斜して球受部208,…に遊技球を誘導する誘導部22gと、スプロケット210の上面に円形に形成され、回転軸から球受部208,…に向けて下り傾斜して球受部208,…に遊技球を誘導する回転誘導部21fとを備えるものである。
なお、誘導部22gの最も低くなる内周縁部と、回転誘導部21fの最も低くなる外周縁部の高さ位置がほぼ同じとされている。
ここで、貯留タンク220の誘導部22g、球受部208,…、回転誘導部21fの上にこれらを完全に覆うように遊技球が貯留された場合に、誘導部22g、球受部208,…、回転誘導部21f上に遊技球が配置される。なお、球受部208,…内に遊技球が一杯に流入した状態では、球受部208,…上にも遊技球が溜まることになる。従って、導入部202には、球受部208,…へ取り込まれる遊技球が誘導部22g上、球受部208,…上および回転誘導部21f上に3列の同心円状に待機可能となる。
上述のように遊技球の直径に対応した幅を有する円環状の誘導部22gの直径と、貯留タンク220の前後幅、すなわち、上面が傾斜部22hとされた底壁22aの前後幅がほぼ等しいことから、傾斜部22hの遊技機100の前後方向の長さと、導入部202の遊技機100の前後方向の長さをほぼ同じに構成している。また、貯留タンク220からの遊技球が導入される導入部202に対して、スプロケット210の全て(複数)の球受部208,…が臨むようにしている。
また、延出部21gは、遊技球の直径の2倍程度以上の高さを有するとともに、最も細く形成された上端部で遊技球の直径程度の径を有するものとなっている。そして、スプロケット210の中央部分上に延出部21gを配置することでスプロケット210の中央部分上に遊技球が滞留してしまうのを防止するとともに、延出部21gの回転により延出部21gに接触した遊技球の噛み合いを崩し、遊技球を円滑に導入部202側に流動させるようにしている。
スプロケット210は、その外周部に上述の複数の球受部208,…を有するものであり、その上下高さが後述の回転軸部20nを除くと、遊技球の直径の2倍より長く、直径の3倍より僅かに短いものとなっている。また、スプロケット210の各球受部208,…は、上下三段に遊技球を受入可能となっており、スプロケット210は、その上部となる第1回転体20pと、下部となる第2回転体20qと、これら第1回転体と第2回転体の中間となる中間回転体20rとからなっている。
また、スプロケット210は、筒体部201内に収容された状態となっており、筒体部201の最も内径が大きな第1筒体21aに第1回転体20pが収納され、最も内径が小さい第2筒体21bに第2回転体20qが収容され、これら第1回転体20pと第2回転体20qの中間となる中間回転体20rが、第1筒体21aと第2筒体21bの中間となる中間筒体21c内に収容される。なお、実際には、筒体部201の第1筒体21a、中間筒体21c、第2筒体21bの各下端に対して、スプロケット210の第1回転体20p、中間回転体20r、第2回転体20qの各下端が少し高くされ、それにより、筒体部201の中間筒体21c、第2筒体21bの各上端に対して、スプロケット210の中間回転体20r、第2回転体20qの各上端が少し高くされている。
また、スプロケット210の外周には、外周に沿って球受部208,…が設けられることになるが、各球受部208,…は、スプロケット210の外周において上から下まで断面円弧状の溝状に形成されているとともに、溝の上下が開放された状態となっている。なお、この断面円弧状の溝の円弧の直径は、遊技球の直径より僅かに長いものとされている。また、各球受部208,…の各高さ位置で最も深い部分(最もスプロケット210の中心軸に近い部分)と筒体部201の内周面との距離は、遊技球の直径より僅かに長いものとなっている。
ここで、スプロケット210の各球受部208,…同士の間の外側に向かって突出する突出部を歯(スプロケットの歯)と称する。また、スプロケット210の各高さ位置における球受部208,…の最も深い部分における直径、半径を歯底円直径、歯底円半径と称する。また、歯の先端(歯先)となる最も直径が長くなる部分のスプロケット210の各高さ位置の直径、半径を歯先円直径、歯先円半径と称する。
上述のことから、筒体部201とスプロケット210との間には、各球受部208,…毎に上下に遊技球を通過可能な空間が形成されるようになっている。また、スプロケット210は、第1筒体21aの直径に対して第2筒体12bの直径が遊技球の直径程度短くなっていることから、スプロケット210の第1回転体20pの歯底円直径に対して第2回転体20qの歯底円直径が遊技球の直径程度短くなっている。すなわち、スプロケット210の上部である第1回転体20pの歯底円直径よりスプロケット210の下部である第2回転体20qの歯底円直径が短くされている。なお、スプロケット210の各高さ位置の歯先にあたる部分の歯先円直径も第1回転体20pより第2回転体20qの方が短くされている。
また、中間回転体20rは、その上端部が第1回転体20pと一体に接合されるとともに歯底円直径が第1回転体20pと等しくされ、下端部が第2回転体20qと一体に接合されるとともに、歯底円直径が第2回転体20qと等しくされている。これにより、中間回転体20rは、中間筒体21cに対応する形状として、歯底円直径が上から下に向かうにつれて小さくなる概略円錐台状の形状を有する。これにより、中間筒体21cの内周面は、傾斜面となっている。
なお、歯底から歯先までの歯の長さは、第1回転体20pが最も長く、第2回転体20qが最も短くされ、中間回転体20rにおいては、第1回転体20pの歯の長さから第2回転体20qの歯の長さまで、歯の長さ上から下に向かって短くなるようになっている。
また、各球受部208,…内には、上下複数段、ここでは上下三段に渡って遊技球が配置されるようになっている。すなわち、各球受部208,…においては、遊技球が第1筒体21aと第1回転体20pとの間となる第1球受部211に1個、中間筒体21cと中間回転体20rとの間となる中間球受部213に1個、第2筒体21bと第2回転体20qとの間となる第2球受部212に1個配置される。すなわち、スプロケット210を、各球受部208,…において上下方向に複数の遊技球を受け入れ可能に構成している。
すなわち、スプロケット210の球受部208,…は、貯留タンク220の遊技球を導入するための導入部202から遊技球を受け入れる上段の第1球受部211と、第1球受部211よりも下方であって、第1球受部211が配列する円周の径よりも小径の円周上に配列され、排出用導出部20aに遊技球を導出する第2球受部212と、第1球受部211と第2球受部212との間に所定の上下寸法で設定されて設けられ、該第1球受部211の内側面から第2球受部212の内側面に連続する傾斜面を有する中間球受部213とを備えている。
また、各球受部208,…は、第1回転体20pから中間回転体20rを経て第2回転体20qまでに渡って設けられており、それぞれ径(歯底円直径)の異なる第1回転体20p、中間回転体20r、第2回転体20qの外周に同数の遊技球が配置可能な構成となる。従って、第1回転体20pの外周部は、第2回転体20qの外周部より円周が長いので、各遊技球の間の間隔が第2回転体20qの外周部より第1回転体20pの外周部のほうが広くなる。
ここで、球受部208,…のスプロケット210の周方向に沿った広さを下から上に向かうほど広くしてしまうと、第1回転体20pの外周部における各球受部208,…内での遊技球の遊びが大きくなりすぎる可能性があるので、第1回転体20pにおいては歯の長さを遊技球の半径より長くして(第1回転体20pの歯底円から第1筒体21aの内面までの長さの1/2より長くして)、遊技球の中心部同士の間に歯を配置するようにすることで、遊技球同士の間隔のスペーサとして機能させるようになっている。これにより、遊技球同士の間隔が長くても遊技球の遊びが大きくならないようにしている。なお、球受部208,…の一番上の遊技球の遊びが大きすぎると、この遊技球の大きな移動により、下の遊技球にかかる力の方向が大きく変化し、遊技球の排出装置200からの導出に悪影響を与える可能性がある。
また、第1球受部211の形状を遊技球の広い範囲(半径以上の範囲)を囲うようにすることにより遊技球を確実に受け入れることが可能となる。すなわち、球受部208,…の歯の突出量が小さい場合には、隣接する遊技球の間に歯が無くなることから遊技球の受入領域がその両隣の遊技球の間となるが、このような構成であると受入領域が遊技球の移動により変化し、さらに、この変化により、導入部202内の各遊技球の位置がランダムになりやすく、その高低差が大きくなることから、その上の遊技球が大きく跳ねたりして遊技球の受け入れに支承が生じるが、上述のように第1球受部211において、歯を長くすることで、上述のような問題を解消できる。
一方、第2回転体20qにおいては、遊技球同士の間隔が互いに接触しそうな程狭くされる(接触する可能性もある)ので、遊技球同士の間隔を狭くできるように、歯を遊技球の半径より短くする(第2回転体20qの歯底円から第2筒体21bの内面までの長さの1/2より短くする)とともに、歯により遊技球を押して円周方向の移動可能としている。
以上のことから、スプロケット210の外周部において、スプロケット210の外周から外側に突出して球受部208,…を構成する突出部としての歯が設けられている。また、スプロケット210の外周から外側に突出して前記第1球受部211を構成する歯(突出部)の突出量よりも、前記第2球受部212を構成する歯(突出部)の突出量を小さく設定している。
また、上述のような構成により、各球受部208,…において、上側の遊技球より下側の遊技球を内側にずらして配置する構成としたことにより、上側の遊技球の荷重が下側の遊技球に鉛直方向にかかるのを防止している。例えば、上側の遊技球(一番上の遊技球及び二番目の遊技球)の荷重の一部が中間筒体21cの傾斜面となった内周面にかかるような構成となり、遊技球の荷重が分散され、一番下の遊技球にかかる荷重が低減されることになる。
なお、球受部208,…の上段の遊技球の最も高い位置は、誘導部22gの内周縁、回転誘導部21fの外周縁(ほぼスプロケット210の上面の高さ)、スプロケット210の歯の上縁(基本的にスプロケット210の上面の高さ)とほぼ同じ位置となり、遊技球の一番上が球受部208の上縁より上に突出しないようになっている。これにより、スプロケットの球受部208,…から遊技球の上端が突出した状態でスプロケット210が回転することにより、その上の遊技球が球受部208,…から突出する遊技球と衝突して撥ねたり、スプロケット210の回転に大きな負荷がかかったりするのを防止できるようになっている。また、逆に球受部208,…内の遊技球よりスプロケット210の歯が上方に突出して歯が遊技球と衝突することにより、遊技球が撥ねたり、スプロケット210の回転に大きな負荷がかかったりするのを防止することができる。
スプロケット210の第2回転体20qの下面(スプロケット210本体の下面)はほぼ水平な平面とされるとともに、その中心部から下方に突出する回転軸部20nが設けられている。回転軸部20nは、第2回転体20qの下面の中心部からほぼ鉛直方向に垂設された円柱状の部材である。さらに、回転軸部20nの下端からは、回転軸部20nと同心円状に形成された円柱状の挿入軸部20mが下方に突出して設けられている。
この挿入軸部20mは、底部216の中心に形成される後述の軸受孔21nに挿入され、上方に設けられたステッピングモータ204の回転軸20zにより回転させられるスプロケット210の回転を安定させるようになっている。
また、軸受孔21nの内径は、挿入軸部20mの直径より広く、その上の回転軸部20nの直径より狭くなっている。言い換えると回転軸部20nと挿入軸部20mとからスプロケット210の下側の回転軸となる下部回転軸が形成され、下部回転軸部の上部となる回転軸部20nが軸受孔21nより径の大きな大径部とされ、下部回転軸の下部となる挿入軸部20mが軸受孔21nより径の小さな小径部とされている。これにより、回転軸部20nが軸受孔21n内に挿入されることがなく、回転軸部20nが第2回転体20qの下面(スプロケット210の歯の下面)と底部216上面との間隔を後述のように遊技球の半径程度とするスペーサとなっている。従って、回転軸部20nの上下長さは、遊技球の略半径の長さとなっている。
底部216は、図19に示すように、筒体部201の開放された下端部を閉塞するものであり、ほぼ円板状に形成されると共に、その中心部に上述の軸受孔21nが形成されている。そして、底部216は、上述のようにスプロケット210の各球受部208,…に上下複数段(三段)に受け入れられた遊技球を下方から支持する底となり、筒体部201の内周面と、スプロケット210の球受部208,…の円弧状内周面と、底部216上面とで、球受部208,…内に受け入れた遊技球を保持するようになっている。
また、底部216には、スプロケット210が回転した場合に、スプロケット210の球受部208,…に受け入れられた遊技球を排出装置200からシュート240の排出流路248に導出するための開口部である前記排出用導出部20aが形成されている。
この排出用導出部20aは、底部216において、底壁22aの傾斜部22hの反対側となる位置に形成されている。
排出用導出部20aは、スプロケット210の球受部208,…を形成するように隣り合う球受部208,…の間となる歯の部分と、排出用導出部20aとなる開口部の周縁部との間に遊技球を挟み込むことを防止するために、球受部208,…内で一番下の段である第2球受部212に保持された遊技球の周方向に沿った遊技球の直径幅を有する遊技球の軌跡範囲と完全に重なる位置よりも外側にずらして配置している。
ここで、排出装置200においては、遊技機100の遊技で特別遊技状態が発生した場合には、短期間内に多くの遊技球の入賞が発生し、該入賞に対応して大量の賞球が発生し、賞球としての遊技球を排出することになるが、入賞の発生と、賞球の排出との間に時間的に大きな間隔があかないようにするためには、短期間に大量の遊技球を排出する必要があり、この場合に、スプロケット210が高速で回転する必要がある。
この場合に、導出部20aとなる開口部の側縁とスプロケット210の歯の側縁との間に遊技球を挟んでしまう可能性が高まるが、スプロケット210の本体下面と、底部216の上面との間に遊技球の半径程度の間隔をあけることで、遊技球が挟まれるのが防止される。さらに、確実に遊技球が挟まれるのを防止すために、賞球及び貸球の排出を行うための排出用導出部20aを遊技球の周方向に沿った遊技球の直径幅を有する軌跡範囲と完全に重なる位置よりも外側にずらして配置している。
すなわち、導出口である排出用導出部20aを、スプロケット210の球受部208,…(第2回転体20q)に保持された遊技球の円軌道上から外側にずらした位置に形成している。
なお、排出用導出部20aの位置は、遊技球が挟まれないようにする上では、スプロケット210の下部となる第2回転体20qの歯先円より外側となっていることが好ましく、ここでは、歯先円の外側となっている。また、排出用導出部20aの位置を、スプロケット210の球受部208,…の最下段となる第2球受部212に保持された遊技球の中心の軌跡より外側としている。すなわち、排出用導出部20aが遊技球の中心の軌跡とが重ならない該軌跡の外側に位置している。
そして、底部216には、排出用導出部20aを遊技球の中心の軌跡より外側に配置するために円板状の本体から外側に突出する導出凸部21iが形成されている。
そして、排出用導出部20aは、図19,20に示すように、外周縁部が、上述の遊技球の中心の軌跡より遊技球の半径分外側となる円周方向に沿った遊技球の外周側軌跡の一点から接線方向に沿った外側縁部301と、前記外周側軌跡の一点より遊技球の軌跡となる円の半径方向の内側となり、かつ、遊技球の中心の軌跡より僅かに外側の位置から、遊技球の中心の軌跡より僅かに外側で遊技球の中心の軌跡に沿って、円弧状に延出する内側縁部302と、外側縁部301の外周側軌跡の一点側となる一方の端部と内側縁部302の前記一点側に対応する一方側の端部とをほぼ円弧状の曲線で結んだ形状となる始点側縁部303と、外側縁部301の他方の端部と内側縁部302の他方の端部とをほぼ円弧状の曲線で結んだ形状となる終点側縁部304とから構成された形状を有する。
なお、円弧状の終点側縁部304の円弧を構成する円の直径は遊技球の直径より僅かに大きなものとなっている。
また、前記外周縁部のうちの内側縁部302及び始点側縁部303は、外周側から内周側に向かって下り傾斜する斜面となっている。また、これら斜面は、遊技球を始点側縁部303から終点側縁部304側に向かって誘導するように形成されている。また、この斜面は、少なくとも一部が最下段の遊技球の中心の軌跡と重なる位置となっている。
また、底部216の下側には、排出用導出部20aと上下に重なる位置に後述のように排出球の検出センサ217が設けられている。すなわち、導出口としての排出用導出部20aに排出球を計数するための検出センサ217(近接センサ)を設けている。この検出センサ217は、遊技球用の周知のセンサであり、全体として長方形の板状で、一方の端部側に遊技球が通過可能な検出孔306が形成され、この検出孔306を通過する遊技球を非接触で検出可能となっている。
そして、底部216の下側において、検出センサ217は、排出用導出部20aを閉塞するように排出用導出部20aと上下に重なる位置に配置され、検出センサ217の検出孔306と、排出用導出部20aの終点側縁部304側の端部が重なるようになっている。また、検出孔306の直径と、円弧状(略半円状)の終点側縁部304の直径とがほぼ等しくされ、検出孔306の外周と終点側縁部304がほぼ重なるようになっている。これにより、排出用導出部20aに誘導された遊技球は、始点側縁部303側から終点側縁部304側に誘導され、終点側縁部304側の端部から下方に流下し、検出孔306を通過するようになっている。
なお、排出用導出部20aの終点側縁部304側の端部を除いて、排出用導出部20aの幅、すなわち、外側縁部301と内側縁部302との間隔は、遊技球の直径より短くなっているとともに、始点側縁部303から終点側縁部304に向かって広がるようになっており、これにより排出用導出部20aの始点側に導入された遊技球は、終点側に案内されて終点側で下方に流下することになる。
また、排出用導出部20aの検出孔306と上下に重なっている以外の部分、すなわち、終点側端部を除く部分では、検出センサ217(検出孔306を除く部分)と排出用導出部20aが重なった状態となり、排出用導出部20aから検出センサ217が露出した状態となるが、外側縁部301と内側縁部302との間隔、検出センサ217の上面と、底部216上面との距離と、後述の導出部囲い壁21kなどから、排出用導出部20aの始点側から終点側に移動する遊技球が検出センサ217の上面に触れないようになっている。
そして、上述のような構成により後述するようにスプロケット210の回転により、排出用導出部20aの位置に球受部208,…の最下段の遊技球が搬送されると、内側縁部302及び始点側縁部303の排出用導出部20a側に下り傾斜する斜面と、外側縁部301と内側縁部302との間隔が始点側縁部303から終点側縁部304に向かって広がっていることと、スプロケット210の回転による遠心力と、スプロケット210の最下段において球受部208,…同士の間の歯の歯元から歯先までの長さが遊技球の直径より短く、歯が遊技球の中心よりスプロケット210の回転軸側を押す状態となっていることから、遊技球が、遊技球の中心の軌跡より外側の排出用導出部20aに誘導される。
そして、球受部208,…の最下段(第2球受部212)の遊技球が排出用導出部20aに流下することになる。この際には、上述のリブ21eにより、球受部208,…の排出用導出部20aに流下する遊技球より上段(中間球受部213、第1球受部211)の遊技球が、最下段より上に留まったままとなるが、リブ21eの無い部分まで回転することで、最下段より上段の遊技球が下方に移動する。これによって、中段(中間球受部213)の遊技球が最下段に移動し、最上段(第1球受部211)の遊技球が中段に移動するので、球受部208,…の最上段が空いた状態となり、球受部208,…の最上段に遊技球を受入可能となる。
すなわち、スプロケット210を回転させることで、球受部208,…の最上部で遊技球を受け入れるとともに最下部の遊技球を導出するようになっている。
前記底部216の導出凸部21iは、上述のように、円板状の底部216本体より外側に突出することで、筒体部201より外側に露出することになる。
また、筒体部201の下部となる第2筒体21bの前記導出凸部21iに対応する位置には、上述の切欠部21dが形成されている。そして、前記切欠部21dから露出する導出凸部21iを囲うように、底部216には、導出部囲い壁21kが設けられている。導出部囲い壁21kは、底部216の上面に立設され、導出凸部21iの外周部を含み、かつ、排出用導出部20aの始点側縁部303及び内側縁部302を除く、外側縁部301及び終点側縁部304を囲むように形成されている。すなわち、排出用導出部20aの遊技球が流入する側を除いて、排出用導出部20aを囲むように、導出部囲い壁21kが設けられている。
そして、導出部囲い壁21kは、排出用導出部20aの遊技球が流入する側を除いて、排出用導出部20aを囲うことで、遊技球を確実に排出用導出部20a内に流下させるようになっている。
また、導出部囲い壁21kの内周面の終点側縁部304の左右幅の略中央の上となる部分には、始点側に突出する流下ガイド部21mが設けられている。流下ガイド部21mは、略半円状である終点側縁部304の半径より僅かに長く、排出用導出部20aの終点側縁部304の半円の中心より先に突出した状態となっている。
そして、流下ガイド部21mの先端部の下面は、底部216の上面からの高さが遊技球の直径より僅かに高いものとされ、さらに、流下ガイド部21mの下面は、基端部側(導出部囲い壁21kの内周面側)に向かうにつれてほぼ円弧状に湾曲して下り傾斜するように構成されている。
これにより流下ガイド部21mの下面が排出用導出部20a上に流下してきた遊技球のほぼ水平方向となる進行方向を円滑に下方に変換して、遊技球を円滑に排出用導出部20a内に流下させるようになっている。これにより、遊技球が排出用導出部20aの部分で撥ねたりして遊技球の排出用導出部20aへの流下が遅れ、次ぎに排出される遊技球と衝突して、遊技球の排出に支障がでるのを防止することができる。
導出部囲い壁21kにより筒体部201の切欠部21dから露出する導出凸部21iの周囲が覆われることになるが、導出凸部21iの上方が開放した状態となってしまうので、導出部囲い壁21kの筒体部201の切欠部21dから筒体部201(第2筒体21b)の円周の外側となる部分の上に天板部21hが形成されている。
また、導出囲い壁21kは、筒体部201の切欠部21dから突出しているように形成されているので、筒体部201の内周面側から見ると凹部となり、この凹部内に誘導された遊技球が排出用導出部20aから導出されることになる。
従って、回転体収容部203の側壁となる筒体部201における第2球受部212に対応する部位を外側に凹ませることで遊技球を導出するための導出凹部205を形成するとともに、該導出凹部205の底部となる導出凸部21iの流下端部に前記排出用導出部20a(の閉塞されていない部分)を形成している。
ここで、排出用導出部20aの検出孔306と上下に重なっている以外の部分、すなわち、終点側端部を除く部分は、検出センサ217と上下に重なって閉塞された状態となる。排出用導出部20aの閉塞された部分は、必ずしも開口している必要はなく、検出センサ217の上面部分のほぼ高さ位置で閉塞されていても良い。この場合にこの閉塞された部分が導出凹部205の底部となる。そして、上述の排出用導出部20aの傾斜した内側縁部302及び外側縁部301が導出凹部205の底部となり、この導出凹部205の底部は、底部216の筒体部201の内部側の上面、すなわち、回転体収容部203の底部より一段低くなっており、排出用導出部20aの傾斜した内側縁部302がこれら底部の段差部分となる。また、排出用導出部20aの検出センサ217の検出孔306と重なる部分が排出用導出部20aとなる。なお、上述の構成においても、排出用導出部20aの検出孔306と重ならない部分は、検出センサ217により閉塞されており、実質的に検出孔306と上下に重なる部分が排出用導出部20aとなる。
以上のことから、排出用導出部20aの一部を閉塞する底部を設けた場合に、導出凹部205の底部は回転体収容部203の底部よりも下方に段差を設けて形成するとともに、回転体収容部203の底部から導出凹部205の底部に架けて傾斜面(傾斜した内側縁部302)を形成したことになる。
以上の排出用導出部20aを有する底部216と、筒体部201と、後述の底部材218からスプロケット210を収納する回転体収容部203が構成される。すなわち、遊技機100の排出装置200は、スプロケット210を収納するとともに、底部216に球受部208,…からの遊技球を下流側に排出するための導出口(排出用導出部20a)が形成される回転体収容部203を有する。
底部材218は、図4に示すように、概略、薄い(軸方向の長さが短い)有底円筒状の形状を有するもので、その径が筒体部201の下端部となる第2筒体21bと略等しくされている。そして、底部材218の外周部の上部には、互いに周方向に間隔を開けて複数(3個)の固定片311が設けられている。この固定片311は、筒体部201の下段の第2筒体21bの外周部に互いに周方向に間隔をあけて形成された固定ボス312に対応して形成れたものである。そして、固定片311,…を固定ボス312にビス止めすることにより筒体部201の下端部に底部材218が固定される。また、底部材218には、底部216が位置決めされて載置された状態となっており、筒体部201に底部材218を固定することで、底部216が筒体部201に固定される。
底部材218には、その中央部に、前記底部216下面の中央部から下方に突出する筒状の軸受孔21nの下端部が嵌合する嵌合孔を有する円筒状の嵌合筒315が設けられている。
また、底部材218には、検出センサ217を収容した状態に固定する四角筒状のセンサ取付部313が設けられている。なお、検出センサ217は、その検出孔306が排出用導出部20aに対応して筒体部201から一部外側にはみ出すように構成されており、センサ取付部313も円筒状の底部材218本体から一部(検出センサ217の検出孔306が配置される部分)が外側に突出した状態となる。
底部材218の底板の検出センサ217の検出孔306と重なる位置には、検出孔306と上下に重なるように遊技球が通過可能で、検出孔306と略同径の穴が形成され、この穴を介して排出用導出部20aから遊技球をシュート240の排出流路248の流入口に流下させるようになっている。
以上のような遊技機において、貯留タンク220及び排出装置200においては、以下のようにして遊技球を排出することになる。
まず、貯留タンク220には、遊技機100が設置された遊技店の島設備(遊技機100の外部)から遊技球が供給され、基本的に貯留タンク220に溢れ出ない程度の量の遊技球が貯留された状態となっている。
そして、貯留タンク220内に貯留された遊技球は、その底壁22aの上面の傾斜部22hの左右方向の傾斜により、貯留タンク220の排出装置200が設けられた一方の端部に対して反対側となる他方の端部から、一方の端部に流動可能な状態となる。さらに、傾斜部22hがスプロケット210の回転方向に対応して、遊技機100の前後方向にも傾斜していることと、この傾斜の上流側より下流側の方を段差を設けて低くした誘導段部22iを設けたことから、図15に示すように、傾斜部22hと誘導部22gとの境界部分からスプロケット210の回転方向に進んだ側の部分において、スプロケット210の回転方向に沿った方向に遊技球が流動可能となっている。
これにより、貯留タンク220の排出装置200と重なった状態となる一方の端部の底壁22aに設けられたそれぞれ円環状で互いに同心円状に配置された外周側の誘導部22gと内周側の回転誘導部21fと、これらの間に配置された導入部202との部分上に貯留タンク220の他方の端部から遊技球が供給されるとともに、スプロケット210の回転に対応して、スプロケット210の外周部の導入部202から露出する球受部208,…に遊技球が導入されることになる。
また、貯留タンク220内の遊技球が他方の端部から一方の端部側に流動する際に、高さ制限部材260と駆動源取付部材206とにより、上述の誘導部22g、導入部202、回転誘導部21f上に積み重なる遊技球の高さが低くされる。すなわち、貯留タンク220の高さ制限部材260は、傾斜部22hと誘導部22gとの境界部分より僅かに傾斜部22h側から配置され、上述の先端側の湾曲部263及びその後の延設部262により、貯留タンク220の一方の端部より他方の端部側の遊技球の積み重なる高さに対して、一方の端部側に積み重なる遊技球の高さを低くするようになっている。
これにより、誘導部22g及びそれより内側の部分上に積み重なる遊技球の高さが低くされ、この部分において遊技球の荷重により下方向に向かう球圧が低減される。また、高さ制限部材260は、略遊技球の直径間隔で配置された切り込み265,…により、櫛歯状とされることで、各櫛歯部264,…がそれぞれ個別に弾性変形可能となって、撓むことにより、高さ制限部材260と貯留タンク220の底壁22aとの間に遊技球が流入した際に、高さ制限部材260と底壁22aとの間に遊技球が噛み合ってブリッジを形成して流動しずらい状態となるの防止することができる。
また、高さ制限部材260の取付部261が、ステッピングモータ204を載せた状態の駆動源取付部材206に取り付けられていることにより、ステッピングモータ204を作動させた場合に、それによって生じる振動が駆動源取付部材206から高さ制限部材260に伝わり、上述のブリッジが生じてしまった場合でも、これを崩すことができる。
そして、貯留タンク220の排出装置200側端部においては、上述のように高さ制限部材260と、駆動源取付部材206により、貯留タンク220に貯留された遊技球を排出装置200内に導入する導入部202上に積み重なる遊技球の高さが制限され、導入部202及びその近傍において、遊技球の荷重に基づく球圧を減少させ、導入部202から円滑に排出装置200内(スプロケット210の球受部208,…内)に遊技球を導入させることができる。
また、貯留タンク220とほぼ同じ幅を有する導入部202においては、外周部の上面が略水平で略垂直な回転軸回りに回転するスプロケット210の外周部に設けられた10個の球受部208,…の上部開口が全て臨んだ状態とされ、さらに、導入部202の外周側から内側に下り傾斜する誘導部22gが形成され、導入部202の内側のスプロケット210上面に回転誘導部21fが形成さていることで、導入部202の直上、外側の誘導部22g、内側の回転誘導部21fから遊技球が流入可能となる。また、上述の構成から球受部208,…がどの回転位置にあっても略同じ条件で遊技球が流入するようになっているので、球受部208,…に遊技球が流入可能な空きができれば、いつでも遊技球が流入可能となる。
これにより、確実に球受部208に遊技球を流入させることができる。また、球受部208,…には、上下三段に遊技球が流入可能となっているので、万が一に、球受部208,…が遊技球を導出する位置に来るまでに新たに遊技球が球受部208,…に流入しなくても、球受部208,…には、遊技球が1個もしくは2個配置されていることになり、球受部208,…が遊技球を導出する位置に移動したにも拘わらず、球受部208,…に遊技球が無いことによって、遊技球が導出されないような事態を防止することができる。
従って、スプロケット210の回転によって円滑に遊技球を導出することができる。すなわち、球受部208,…には、遊技球が上下三段分保持されれば、スプロケット210が3周する間に遊技球が流入すれば、遊技球が導出されないような事態を防止することができる。また、上述のようにいつでも遊技球が球受部208,…に流入可能なので、球受部208,…に2つ以上の空きが生じた場合も、直ぐに遊技球が流入して空きがなくなる可能性が高く、たまたまスプロケット210が一周する間に遊技球が流入しなかった球受部208,…があっても問題が生じることがない。
また、球受部208,…に遊技球を上下三段に保持可能とすると、最下段の遊技球に、それより上の遊技球の荷重がかかることになるが、上述のように上下三段の遊技球を垂直に一列に配置することなく、上側の遊技球に対して下側の遊技球が内側に斜めに配置されるようにしている。例えば、スプロケット210の上下三段の遊技球のうちの中段の遊技球が配置される中間球受部213の位置においては、回転体収容部203の側壁となる筒体部201の中間筒体21cの内周面が、中段の遊技球の斜め下側に接触する傾斜面とされていることにより、最上段及び中間に配置される遊技球の荷重の一部を回転体収容部203の側壁の傾斜面が受けて、最下段の遊技球に上段の遊技球によってかかる荷重を低減することができ、スプロケット210の回転に支障が生じることを防止している。
そして、球受部208,…においては、最上段から受け入れた遊技球が、順次下に移動し最下段に至った後に、排出用導出部20aから導出されることになる。
この際には、スプロケット210が高速で回転すると上述のように導出口の周縁とスプロケット210の歯との間に導出すべき遊技球を挟んで、遊技球を導出できなくなるとともに、挟まれた遊技球を取り除かないとスプロケット210の回転を再開できない状態となる。
そこで、導出口としての排出用導出部20aにおいては、その導出口となる部分が、スプロケット210の最下段となる第2回転体20qの歯先円より外側にずらして配置されていることにより、排出用導出部20aの周縁とスプロケット210の歯とにより遊技球を挟むことがない構成となっている。
例えば、図20(A)及び図21(A)に示すように、排出用導出部20aの手前側で排出用導出部20aに近接した遊技球は、その中心の軌跡より外側となる排出用導出部20aに、スプロケット210の回転時の遠心力と、排出用導出部20aの内側周縁部に形成され、かつ、スプロケット210の回転時の遊技球の中心の軌跡と重なる位置にあり、さらに、排出用導出部20a側(遊技球の中心の軌跡の外側)に向かって下り傾斜する傾斜面とによって導かれる。そして、図20(B)及び図21(B)に示すように、スプロケット210の歯によりさらに遊技球が押されて排出用導出部20aに近付くが、この際には、遊技球の進行方向が円弧状とならず、図20(A)及び図21(A)の時点における遊技球の回転経路の接線方向の延長線に沿ったものとなる。
そして、図20(C)及び図21(C)に示すように、遊技球が下方に流下可能となる排出用導出部20aの終点側端部に至る前に、遊技球がスプロケット210の歯から外側に完全に離れた状態となり、遊技球が排出用導出部20aから下方に流下する段階では、スプロケット210の歯と排出用導出部20aの終点側縁部304との間に遊技球が挟まれることが不可能な状態となる。
以上のことから、排出装置200においては、スプロケット210の回転角度に応じた数の遊技球が必ず排出されるとともに、導出口において遊技球を挟むことで、スプロケット210が回転しない状態となってしまうの防止することができる。特に、スプロケット210が回転しない状態となると、係員による作業が必要になる可能性があるが、これを確実に防止することで、遊技者が係員の作業待ちで遊技ができない状態となるようなことがなく、遊技者が遊技ができない状態となることへの不満を抱くような事態の発生を確実に防止することができる。
以上のような排出装置200の排出制御基板34の制御では、遊技中、遊技盤1の前面側の遊技領域に設けられた各入賞口(各種入賞装置を含む)のセンサから遊技球が入賞したことを示す信号が主制御基板30に入力されると、主制御基板30から各入賞口に対応する賞球数のデータを含む賞球コマンドが排出制御基板34に出力される。
そして、排出制御基板34においては、賞球数に対応する回転角度だけスプロケット210(ステッピングモータ204の回転軸20z)を回転するように、ステッピングモータ204に上述の回転角度に対応する数のパルスが順次出力される。
ここで、上述のようにスプロケット210の外周に周方向に一列に並んで互いに等間隔に10個の球受部208,…が設けられるものとすると、1/10回転すなわち、36.0度ずつスプロケット210が回転するたびの1個の遊技球が導出されることになる。また、遊技球が導出されると、検出センサ217が排出される遊技球を検出し、検出信号を排出制御基板34に出力し、排出制御基板34はスプロケット210の回転角度に対応して遊技球が導出したことを検出することができるようになっている。
また、この例のステッピングモータ204は、1ステップの回転角度すなわち1パルスの入力に対する回転角度が1.8度とされているので、例えば、1個の遊技球を払い出すのに必要な36.0度回転するのに20パルス入力される必要がある。また、賞球の払い出し時にスプロケット210を順方向に回転させる場合に排出制御基板34は、ステッピングモータにパルスを3ms(ミリ秒)おきに出力するようになっている。従って、ステッピングモータを連続回転させた場合には、1分すなわち、60000msに20000回パルスが出力され、36000度回転する、すなわち、100回転することになる。従って、スプロケット210は、順方向に毎分100回転で回転可能とされ、最大、毎分1000個の遊技球を排出可能に設定されている。
従って、例えば、賞球数が5であることを示す賞球コマンドが排出制御基板3に出力された場合には、スプロケット210を36.0×5度だけ回転させるために、3ms毎に100パルス出力されることなり、300msすなわち0.3秒でスプロケット210が180度回転して5個の遊技球が順次払い出されることになる。そして、排出制御基板34は、賞球数のデータに対応した個数の遊技球が排出されたか否かを検出センサからの検出信号により確認し、実際に検出された遊技球数が少ない場合には、不足する遊技球数分だけ再びスプロケット210を回転する。すなわち、遊技球が一つ不足する毎に遊技球を1個排出する回転角度として36.0度ずつスプロケット210を再び回転させるようになっている。
この制御により、万が一にも遊技球を導出する位置まで回転した球受部208,…から遊技球が排出されない事態が発生しても、所定の賞球数となる遊技球を排出することができる。また、排出制御基板34は、遊技機100に隣設して設けられた球貸機から入力される貸球コマンドに基づいても遊技球を排出可能となっている。この場合の排出装置200における貸球の払い出しの制御は、基本的に賞球の払い出しと同様となる。
また、これら賞球及び貸球の払い出しの制御においては、上述の半端センサ22kからの遊技球の検出信号が途絶えた場合、すなわち、遊技球が検出できないことを示す信号が排出制御基板34に入力した場合には、排出装置200を作動させないようになっている。これにより、貯留タンク220に1回の排出に必要な遊技球が十分に無い可能性がある場合に遊技球の排出を行わないようになっている。
次ぎに、排出装置200と一体となった貯留タンク220における球抜き方法を説明する。まず、遊技機100において、機枠110に対して前面枠120を開放した状態にし、裏機構枠160上の排出装置200貯留タンク220を見える状態とする。
次ぎに、貯留タンク220において、係止ピン405を取り外すことで、貯留タンク220から排出装置200を取り外し可能とする。
次ぎに、排出装置200を手で持って、排出装置200を貯留タンク200から切り離す方向に移動する。この際には、図6に示すように、排出装置200は、その被ガイド支持板421が貯留タンクの上下のガイドに案内されるとともに、被ガイド支持板421のスリット422が支持ピン406に案内され、かつ、排出装置200の移動支持部511が裏機構枠160の排出受け部16hに設けられたガイド部505に案内される。
そして、貯留タンク220から排出装置200を僅かに離した状態では、被ガイド支持板421が略水平な上下のガイドに挟まれた状態で、かつ、移動支持部511がガイド部505の略水平な傾斜下水平部505c上を移動する状態となるので、排出装置200は、傾くことなく、略水平方向に移動することになる。
そして、貯留タンク220から排出装置200を離すにつれて、貯留タンク220の底壁22aと排出装置200の誘導部22gとの間の間隔が開くことで球抜き開口部が開放されていくことになる。
この際に、底壁22aと誘導部22gとの間に遊技球の直径以上の間隔が開くと、遊技球が球抜き開口部531から下方に流下し始めることになる。この際には、排出装置200の誘導部22gから貯留タンク220側に向かって開口した状態に設けられる第1球抜き流路501の流入口は、球抜き開口部531の下方に有り、流入状態から完全に球抜き状態となる前に、球抜き開口部531から遊技球が流下しても全て、第1球抜き流路501に流入することになる。
この際に、第1球抜き流路501が未だ第2球抜き流路502の流入口503まで至っていない場合には、第1球抜き流路501の下端部に近接した状態(遊技球の直径より近い状態)の排出受け部16hが第1球抜き流路501の流出口を閉塞した状態なので、遊技球が漏出することがない。
また、排出装置200を僅かに移動させれば、第1球抜き流路501の流出口の一部と、第2球抜き流路502の流入口503の一部が上下に重なった状態となり、この重なった部分の排出装置200の移動方向に沿った幅が遊技球の直径より長くなれば、第1球抜き流路501から第2球抜き流路502に遊技球が流下することになる。
なお、球抜き開口部531が完全に開く前に遊技球が第1球抜き流路501に流入する際に、第1球抜き流路501の流入口の排出装置200側の辺は、誘導部22gに接続され、流入口の貯留タンク220側の辺は、底壁22aの下側に配置されるとともに、下方延出壁541より奥側となるので、第1球抜き流路501内に流入した遊技球が第1球抜き流路501の流入口から外部に溢れ出ることはない。
また、第1球抜き流路501の流出口の一部と第2球抜き流路502の流入口503の一部が重なり、第1球抜き流路501から第2球抜き流路502に遊技球が流入した際には、第2球抜き流路502の第1球抜き流路501と重なっていない部分が開放した状態となっているが、第2球抜き流路502内に流入した遊技球は、下方にそのまま流下されるので、第2球抜き流路502の開放部分から遊技球が外部に漏れることがない。また、第2球抜き流路502の流入口503の遊技機100の左右方向に沿った幅は、遊技球の直径の2倍程度より僅かに広いものとされているので、第1球抜き流路501の流出口と第2球抜き流路502の流入口503とが、遊技球が第1球抜き流路501から第2球抜き流路502に流入可能な状態まで重なった場合に、重なっていない第2球抜き流路502の開放部分は、遊技球がほとんど流通できない状態となる。
なお、第2球抜き流路502の流入口503の上述の開放部分が遊技球が飛び出す程度に開放され、かつ、万が一に流下する遊技球が撥ねることにより、上述の開放部分を遊技球が通過しようとしても、上方延出壁504により遊技球が撥ねて外部に飛び出るのを防止することができる。
従って、排出装置200の流入状態から球抜き状態への移動途中において、遊技球が外部に流出することがない。
そして、さらに貯留タンク220から排出装置200を離す方に移動すると、図7に示すように、被ガイド支持板421の先端部が上のガイドリブ521より端側となり、被ガイド支持板421の上方への移動の規制が解除されるとともに、移動支持部511がガイド部505の傾斜部505bを移動することで、排出装置200を上側に向かって案内することになる。また、被ガイド支持板421は、スリット422に支持ピン406が挿入されることで、被ガイド支持板421の回転は許容するが、支持ピン406の位置におけるスリット422の上下動を規制した状態となり、排出装置200は、略水平に移動しながら、上端部を貯留タンク220側に近づけ、下端部を貯留タンク200側から離すように回転して排出装置200が傾くことになる。
そして、排出装置200が球抜き状態となると、図9,10に示すように、第1球抜き流路501は、その流入口と球抜き開口部531がほぼ重なった状態となり、その流出口と第2球抜き流路502の流入口503が重なった状態となる。また、この際に排出装置200が傾くこととにより第1球抜き流路501の下端部は、排出装置200の水平移動の移動量よりさらに裏機構枠160の端側に移動し、第2球抜き流路502を裏機構枠160において表示ユニット170の邪魔にならない端側に設けることが容易となる。
すなわち、排出装置200の下部となり、排出導出部20aを有する回転体収容部203の流入状態における位置と、球抜き状態における第1球抜き流路501の位置とが重なるようになっているので、第1球抜き流路501に連通する第2球抜き流路502を、排出装置200の排出導出部20aからの遊技球が流入する排出流路248とほぼ同じ位置に配置可能となり、第2球抜き流路501を排出流路248と同様に遊技盤1と前後に重なる位置より左右方向の外側もしくは遊技盤1の端となる側縁部と重なる位置に配置することが可能となる。
そして、排出装置200を球抜き状態の位置に配置した際には、移動支持部511がガイド部505の傾斜上水平部505aに至ることになるが、この際には、ガイド部505の傾斜部505bと傾斜上水平部505aとの境界部分に設けられた係合部505dを移動支持部511が乗り越え、移動支持部511の下端部を係合部505dに係合した状態に保持できるので、排出装置200を球抜き状態まで移動した後に、排出装置200から手を離しても排出装置200は球抜き状態に維持される。そして、球抜き状態においては、貯留タンク220内に遊技球が底壁22aの傾斜に沿って全て第1球抜き流路501を介して第2球抜き流路502に流出する。また、排出装置200側に貯留される遊技球は、排出装置200を誘導部22gの傾斜角より大きな角度で傾けることで、誘導部22gの全ての部分において、その上面の傾斜が球抜き開口部531側に傾斜することになり、誘導部22g及びスプロケット210上の遊技球が全て第1球抜き流路501を介して第2球抜き流路502に流出する。なお、第2球抜き流路502の裏機構枠160より下方には、例えば、さらに遊技球を下方に誘導する流路を設けても良いし、例えば、ホース状のフレキシブルな流路を接続し、球箱や島設備の排出球集合樋等に遊技球を流出可能としても良い。これにより、遊技球は遊技機100の外部に排出される。
以上のようなこの実施形態の遊技機100は、外部から供給される遊技球を貯留する貯留タンク220と、該貯留タンク220の底壁22aの傾斜下流側に位置し該貯留タンク220と一体的に設けられ該貯留タンク220に貯留されている遊技球を所定数ずつ排出可能な排出装置200と、を備えたタンク排出装置230を有する。そして、前記貯留タンク220を遊技機100本体に取り付け、該貯留タンク220に対して前記排出装置200を前記底壁22aの傾斜下流側に移動可能にすることで、前記貯留タンク220から前記排出装置200に遊技球が流入可能な流入状態から、前記貯留タンク220の底壁22aの下流端部と前記排出装置200との間に球抜き開口部531を形成する球抜き状態へ変換可能に構成し、前記球抜き状態で前記貯留タンク220に貯留されている遊技球を前記球抜き開口部531から流下させ当該遊技機100外部に排出する球抜き流路を設け、前記球抜き流路は、前記排出装置に設けられる第1球抜き流路501と、前記第1球抜き流路501の下流側で、前記遊技機100本体に裏機構枠160を介して設けられる第2球抜き流路502と、からなり、前記第1球抜き流路501は、前記排出装置200とともに移動し、前記球抜き状態で前記球抜き開口部531と、前記第2球抜き流路502とに連通するようにしている。
従って、貯留タンク220から排出装置200に遊技球を直接流入できるように、貯留タンク220と排出装置200とが一体に形成された状態で、該貯留タンク220に対して前記排出装置200を前記底壁22aの傾斜下流側に移動可能にすることで、前記貯留タンク220から前記排出装置200に遊技球が流入可能な流入状態から、前記貯留タンク220の底壁22aの下流端部と前記排出装置200との間に球抜き開口部531を形成する球抜き状態へ変換可能となっている。従って、排出装置200を貯留タンク220の底壁22aの下流側、すなわち、貯留タンク220から離れる側に移動して、球抜き開口部531を開放することにより、短時間に多くの遊技球を貯留タンク220を空にするための球抜き用として排出可能となる。すなわち、短時間で貯留タンク220を空にすることができる。
また、排出装置200に設けられる第1球抜き流路501を、その下側の遊技機100本体側(裏機構枠160)に設けた第2球抜き流路502に連通させることで、貯留タンク220から排出された遊技球は、排出装置200の第1球抜き流路501から遊技機100本体側の第2球抜き流路502に流下して球抜きされる。この際に、第1球抜き流路501は、球抜き開口部531を開放するために、排出装置200を貯留タンク220の底壁22aの傾斜下流側に移動させることで、第1球抜き流路501は、遊技機100本体の左右の中央部よりの位置から排出装置200側に移動することになる。すなわち、第1球抜き流路501の下端部が、排出装置200の移動に伴って排出装置の排出口に連通する排出用の球流路(排出流路248)側に近付く方向、すなわち、遊技機100本体の左右の中央から離れる方向に移動することになる。
従って、貯留タンク220と移動した排出装置200との間、すなわち、遊技機100本体の左右の中央に比較的近い位置に球抜き開口部531が開放するものとしても、球抜き開口部531から遊技機100本体側の第2球抜き流路502に遊技球を導出させる第1球抜き流路501が遊技機100本体の左右の中央よりの位置から左右の中央より端となる位置、特に、移動前の排出装置200の位置側に移動することになることから、遊技機100本体側の第2球抜き流路502は、排出装置200から払出される遊技球(賞球)用の球流路(排出流路248)に近い位置に配置可能となる。これにより、第2球抜き流路502が遊技盤1裏面側上部の左右の中央よりに配置されることがなく、第2球抜き流路502が、遊技盤1裏面の変動表示装置が配置される空間を狭めてしまうのを防止できる。なお、排出装置200から排出される賞球用の球流路は、上述のように貯留タンク220と排出装置200とを一体的に設けることで、球流路の途中に排出装置200が配置されることがなく、左右幅を狭くすることができ、遊技機100本体の端側によせて配置することで、遊技盤1裏面に大きな空間をあけることに貢献している。
以上のように、貯留タンク220と排出装置200とが一体に設けられ、かつ、貯留タンク220の底壁22aの傾斜下流側の端部に排出装置200が配置され、貯留タンク220から排出装置200をさらに底壁22aの傾斜下流側に移動すること、すなわち、貯留タンク220から排出装置200を離すように移動することで、球抜き開口部531を貯留タンク220と排出装置200との間に開放する構成としても、球抜き開口部531から遊技機100本体側の第2球抜き流路502に遊技球を導出させる第1球抜き流路501が遊技機100本体の左右の中央よりの位置から左右の中央より端となる位置に移動することになることから、遊技機100本体側の第2球抜き流路502を賞球を払出す排出流路248とほぼ同じ左右位置に配置可能となり、遊技盤1裏面に大きな空間を確保可能となる。
また、排出装置200は、貯留タンク220の底壁22aの下流側から遊技球が流入する構成となるので、排出装置200の少なくとも下部は、貯留タンク220の底壁22aより下側となる。そして、流入状態における第1球抜き流路501は、排出装置200よりも貯留タンク220の底壁22aの中央側となる。そこで、第1球抜き流路501の下端部は、上述の大型化された変動表示装置の配置位置に干渉しないように、排出装置200の下端部とほぼ同じ高さ位置となっていることが好ましい。
また、この実施形態の遊技機100において、前記排出装置200は、回転軸20zを中心に回転可能に構成されるとともに、前記貯留タンク220の遊技球が導入される導入部202から遊技球を受け入れる複数の球受部208を有するスプロケット210を備え、該スプロケット210の回転に応じて、該球受部208…に遊技球を受け入れるとともに受け入れた遊技球を導出部20aに1個宛導出するように構成され、前記流入状態から前記球抜き状態への移動で前記排出装置200を斜め上方に移動し、前記導入部202が前記球抜き開口部531に向けて下り傾斜するようにしている。
従って、回転軸20zを中心に回転可能に構成されるとともに、前記貯留タンク220の遊技球が導入される導入部202から遊技球を受け入れる複数の球受部208を有するスプロケット210を備え、該スプロケット210の回転に応じて、該球受部208に遊技球を受け入れるとともに受け入れた遊技球を導出部20aに1個宛導出するが、この際に、導入部202は、上述のように傾斜している必要があり、この際に導入部202上の遊技球は、導入部202の傾斜により、貯留タンク220の開放された球抜き開口部531から流出せず、貯留タンク220内に残ってしまう可能性がある。
そこで、排出装置200は、流入状態から前記球抜き状態への移動で前記排出装置を斜め上方に移動して傾けることにより、前記導入部202が前記球抜き開口部531に向けて下り傾斜するようにしたので、導入部202上の遊技球も排出装置200を傾けることで、球抜き開口部531から流出することになり、貯留タンク220内に遊技球が残るのを防止することができる。
また、排出装置200を斜め上方に移動させた場合に、第1球抜き流路501を斜めに移動させることができ、第1球抜き流路501の貯留タンク220側となる上端部を球抜き開口部531に向けた状態で、第1球好き流路501の下端部を、上述のように球抜き開口部531より外側となった第2球抜き流路502側に近づけるように移動することができる。なお、第1球抜き流路501を移動前から斜めとし、水平な平行移動で、遊技機100本体の左右方向の中央よりの球抜き開口部531から端よりの第2球抜き流路502に排出装置200とともに移動させることも可能であるが、排出装置200とともに第1球抜き流路501を斜めとした方が排出装置200の移動量に対して効率的に第1球抜き流路501で排出される遊技球を遊技機100本体の左右方向の端側に誘導できる。
また、この実施形態の遊技機100において、前記排出装置200は、前記導入部202の下方に前記回転体としてのスプロケット210を収容する回転体収容部203を設け、前記流入状態で前記回転体収容部203が位置する領域の一部と、前記球抜き状態で前記第1球抜き流路501が位置する領域の一部とが重なるようにしている。
従って、排出装置200を上述のように傾けて球抜き開口部531を開放させる球抜き状態とした際に、排出装置200の導入部202の下方に設けられた回転体収容部203が流入状態の位置に、第1球抜き流路501が移動することになる。すなわち、第1球抜き流路501の少なくとも下端部が排出装置200の導出部20aに近付くことになり、第2球抜き流路502と、導出部20aから排出される遊技球の流路(排出流路284)とを略同じ位置にすることが可能となる。
すなわち、遊技機100本体側の第2球抜き流路502を確実に遊技機100本体の裏面の端側に配置することが可能となり、遊技機100本体の裏面側に大きな空間を確実に確保できる。
また、この実施形態の遊技機100において、前記排出装置200に前記流入状態と前記球抜き状態との移動を支持する移動支持部511が設けられ、前記遊技機100本体に、前記移動支持部511をガイドするガイド部505が設けられ、前記ガイド部505に、前記排出装置200が前記球抜き状態で前記移動支持部511と係合する係合部505dが設けられている。
従って、前記排出装置200に前記流入状態と前記球抜き状態との移動を支持する移動支持部511が設けられ、前記遊技機100本体に、前記移動支持部511をガイドするガイド部505が設けられているので、ガイド部505に移動支持部511を支持させることが可能となり、移動支持部511を介して移動中の排出装置200を遊技機100本体側に支持させることができる。
すなわち、排出装置200を貯留タンク220だけで移動自在に支持する場合は、貯留タンク220と排出装置200との連結部分を高い強度を有する構造とする必要があり、組み立ての作業製やコスト的に問題があるが、遊技機100本体側でも排出装置200の移動をガイドする構造とすることで、排出装置200を移動自在としても強度的に問題が無くスムーズに排出装置200を移動できる。
また、前記ガイド部505に、前記排出装置200が前記球抜き状態で前記移動支持部511と係合する係合部505dが設けられているので、貯留タンク220内の遊技球を全て排出するまで、排出装置200を手で支えていなくても、係合部505dに移動支持部511を係合させることで、排出装置200を球抜き状態に保持することができるので、作業員は、貯留タンク220内の遊技球を排出している間に、他の作業を行うことができ、例えば、排出された遊技球を球箱等に入れたりすることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施形態のパチンコ遊技機に限られるものではなく、遊技球を払い出す各種遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。