本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ストリーム等のデータの送受信や消費電力削減モードに支障をきたすことがなく、通信装置の状況に応じた通信経路の変更を決定する通信システム、および該通信システムで用いられる管理装置、通信装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することにある。
本発明の管理装置は、上記の課題を解決するために、複数の通信装置が複数の通信経路のうち少なくとも一つの通信経路を選択して通信を行う通信システムにおける管理装置において、前記通信経路の変更を禁止する所定の条件に基づいて、前記通信経路の変更を行うか否かの判定を行う通信経路変更判定手段と、前記通信経路変更判定手段の判定に応じて、前記通信装置に対して、通信経路の変更を行わせる通信経路変更手段とを備える。
また、本発明の通信管理方法は、上記の課題を解決するために、複数の通信装置が複数の通信経路のうち少なくとも一つの通信経路を選択して通信を行う通信システムにおける管理装置で用いられる通信管理方法であって、前記通信経路の変更を禁止する所定の条件に基づいて、前記通信経路の変更を行うか否かの判定を行う通信経路変更判定ステップと、該判定に応じて、前記通信装置に対して、通信経路の変更を行わせる通信経路変更ステップとを含む。
上記の構成または方法によれば、通信経路の変更を禁止する所定の条件に基づいて、通信経路の変更を行うか否かの判定を行う。そのため、所定の条件で禁止されている通信装置に対して、通信経路の変更を行わせない。
ここで、所定の条件とは、例えば、データの送受信を行っている通信装置に対する通信経路の変更を禁止する条件や、独占的にデータの送信権が付与された通信装置に対する通信経路の変更を禁止する条件などである。
これにより、通信装置の状況に応じた通信経路の変更を決定することができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信経路変更判定手段は、少なくとも前記通信装置がデータの送受信を行っている期間、該通信装置に対して通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、通信装置は、データの送受信を行っている間、通信経路を変更することがなくなる。よって、該通信装置は、データの送受信に支障をきたすことがなくなり、より安全にデータを送信することができる。
また、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記送信権付与手段が独占的にデータを送信できる帯域を確保した通信装置に対して、通信経路を変更させないと判定する。
送信権がある通信装置に付与されると、他の通信装置は、応答データ等を除いて、原則データの送受信を行うことができない。このとき、送信権を与えられた通信装置が通信を行えなくなくなると、該通信装置は、別に送信する期間を得る必要がある。これにより、他の通信装置の送信する期間がさらに限定されるおそれがある。
しかしながら、上記の構成によれば、送信権付与手段によって独占的にデータを送信できる帯域を確保された通信装置は、通信経路を変更しなくてよい。これにより、通信装置は、付与された送信権の期間内に、データの送信を終了させることができ、他の通信装置がデータを送信する時間がさらに限定されることもない。そのため、無駄な通信がなくなる。
また、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記送信権付与手段が送信権予告通知を送信してから送信権が終了するまでの期間、該送信権を付与した通信装置に対して、通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、通信装置は、送信権予告通知を受信してから送信権が終了するまでの期間、通信経路を変更しなくてよい。これにより、通信装置は、付与された送信権の期間内に、データの送信を終了させることができる。
また、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記送信権付与手段が送信権を付与した期間のみ、該送信権を付与した通信装置に対して、通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、通信装置は、送信権の期間、通信経路を変更しなくてよい。これにより、通信装置は、付与された送信権の期間内に、データの送信を終了させることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記送信権付与手段が送信権を付与した通信装置の通信先に関する通信先情報を取得する通信先情報取得手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記通信先情報取得手段が取得した通信先情報を基に、前記送信権付与手段が独占的にデータを送信できる帯域を確保した通信装置の通信先に対して、通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、通信経路変更判定手段は、通信先情報を基に、送信権付与手段が独占的にデータを送信できる帯域を確保した通信装置の通信先に対して、通信経路の変更を行わせない。そのため、送信権を付与した通信装置の通信先においても、送信権のための帯域確保ができた時点から、通信経路が変更されることがなくなり、途切れることなくデータを受信し続けることができる。
例えば、上記通信経路が無線チャンネルの場合、送信権が付与された通信装置は、通常、AVデータ等のストリームを送信する。この場合、ストリームを受信する側の装置ではストリームが途切れることがないので、ユーザの視聴に支障をきたすことがなくなる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記送信権付与手段が送信権を付与した通信装置の通信先に関する通信先情報を取得する通信先情報取得手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記通信先情報取得手段が取得した通信先情報を基に、前記送信権付与手段が送信権予告通知を送信してから送信権が終了するまでの期間、該送信権を付与した通信装置の通信先に対して、通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、送信権を付与した通信装置の通信先においても、送信権付与手段が送信権予告通知を送信してから送信権が終了するまでの期間、通信経路が変更されることがなくなり、途切れることなくデータを受信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記送信権付与手段が送信権を付与した通信装置の通信先に関する通信先情報を取得する通信先情報取得手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記通信先情報取得手段が取得した通信先情報を基に、前記送信権付与手段が送信権を付与した期間のみ、該送信権を付与した通信装置の通信先に対して、通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、送信権を付与した通信装置の通信先においても、送信権が付与された期間のみ、通信経路が変更されることがなくなり、途切れることなくデータを受信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記送信権付与手段が任意の通信装置に対して独占的にデータを送信できる帯域を確保した場合、全ての通信装置に対して通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、送信権付与手段が任意の通信装置に対して独占的にデータを送信できる帯域を確保した時点から、全ての通信装置が同一の通信経路を使用することとなる。そのため、送信権を取得した通信装置は、送信権の期間、いずれの他の通信装置に対しても、途切れることなくデータを送信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記送信権付与手段が任意の通信装置に対して送信権予告通知を送信してから該送信権が終了するまでの期間、全ての通信装置に対して通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、送信権付与手段が送信権予告通知を送信してから該送信権が終了するまでの期間、全ての通信装置が同一の通信経路を使用することとなる。そのため、送信権を取得した通信装置は、送信権の期間、いずれの他の通信装置に対しても、途切れることなくデータを送信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記送信権付与手段が任意の通信装置に対して送信権を付与した期間、全ての通信装置に対して通信経路を変更させないと判定する。
上記の構成によれば、送信権付与手段が送信権を付与した期間、全ての通信装置が同一の通信経路を使用することとなる。そのため、送信権を取得した通信装置は、送信権の期間、いずれの他の通信装置に対しても、途切れることなくデータを送信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置におけるデータの送受信状況に関する通信状況情報を取得する通信状況情報取得手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、さらに前記通信状況情報取得手段が取得した通信状況情報を基に、通信経路の変更を行わせるか否かの判定を行う。
上記の構成によれば、通信経路変更判定手段は、通信状況情報取得手段が取得した通信状況情報、つまり、実際の通信状況情報を基に、通信経路の変更を行わせるか否かを判定する。それゆえ、通信装置は、データの送受信を行っている間、通信経路の変更命令を受けることがなくなり、データの送受信が途切れることがなくなる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信状況情報は、通信装置同士で直接通信を行っているか否かを示す直接通信情報であり、前記通信経路変更判定手段は、前記直接通信情報を基に、直接通信を行っている通信装置に対して、通信経路を変更させないと判定する。
通信装置同士で直接通信が行われる場合、管理装置は、その直接通信にかかわらないため、いずれの通信装置が直接通信を行っているか把握できない。そのため、直接通信をしている通信装置が通信経路の変更命令を受け、データの送受信が途切れるおそれがあった。
しかしながら、上記の構成によれば、通信経路変更判定手段が、前記直接通信情報を基に、直接通信を行っている通信装置に対して、無線チャンネルの変更を行わせないと判定する。これにより、直接通信によりデータの送受信を行う通信装置は、通信経路を変更することがなくなる。よって、該通信装置は、直接通信を行う間、より安全にデータを送信することができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を前記通信装置に付与する送信権付与手段を備え、前記送信権付与手段は、前記通信経路変更判定手段が通信装置に対して通信経路を変更させる期間以外の期間に、該通信装置に対して送信権を付与する。
上記の構成によれば、送信権の期間と、通信経路を変更させる期間とが重なることがない。これにより、送信権の期間において、通信装置は、通信経路を変更することがなくなる。よって、該通信装置は、より安全にデータを送信することができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信経路変更判定手段は、全ての通信装置に対して、一斉に通信経路の変更を行わせると判定する。
上記の構成によれば、通信経路変更判定手段は、全ての通信装置に対して、一斉に通信経路の変更を行わせる。そのため、全ての通信装置は、同一の通信経路を使用することとなる。これにより、通信装置間のデータの送受信が確実に行われる。
また、複数の通信装置のうち、特定の通信装置に対してのみ通信経路の変更を行わせる場合、どの通信装置に対して通信経路の変更を行わせるかを決定する必要があるが、上記の構成によると、該決定を行う必要がなくなる。それゆえ、この決定に必要な情報を取得する必要がなくなる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信経路変更判定手段は、消費電力削減モードを使用している通信装置に対して通信経路の変更を行わせないと判定する。
上記の構成によれば、消費電力削減モードを使用している通信装置は、通信経路を変更することがない。これにより、通信経路の変更によって、消費電力削減モードから通常モードに戻ることがなく、より確実に消費電力を削減することができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信経路は無線チャンネルである。
上記の構成によれば、他の装置との間を有線で接続する必要がなく、各装置の配置における制限がなくなる。
また、本発明の通信装置は、上記の課題を解決するために、複数の通信装置が複数の通信経路のうち少なくとも一つの通信経路を選択して通信を行う通信システムにおける通信装置において、通信を行っている通信経路の変更を指示する通信経路変更命令に従うか拒否するかを判断する変更命令判断手段と、前記変更命令判断手段の判断に応じて、通信経路の変更を行う通信経路設定手段とを備える。
また、本発明の通信管理方法は、上記の課題を解決するために、複数の通信装置が複数の通信経路のうち少なくとも一つの通信経路を選択して通信を行う通信システムの通信装置で用いられる通信管理方法であって、通信を行っている通信経路の変更を指示する通信経路変更命令に従うか拒否するかを判断する通信経路変更命令判断ステップと、該判断に応じて、通信経路の変更を行う通信経路設定ステップとを含む。
従来、通信装置は、チャンネル測定などの通信経路の変更命令を受けた場合、データの送受信を行っている場合や消費電力削減モードであっても、その変更命令に従っていた。これにより、データの送受信が途切れたり、消費電力の削減が不十分であった。
しかしながら、上記の構成または方法によれば、通信を行っている通信経路の変更を指示する通信経路変更命令に従うか拒否するかを判断する。これにより、例えばデータの送受信を行っている場合や消費電力削減モードの場合に、通信経路変更命令を拒否することができる。これにより、通信装置は、自装置の状況に応じて通信経路の変更を決定することができる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、前記変更命令判断手段は、少なくともデータの送受信を行う期間、前記通信経路変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、データの送受信を行う期間、通信経路を変更することがなくなるため、データを途切れることなく送受信することができる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を取得する送信権取得手段を備え、前記送信権取得手段が将来取得する送信権のための帯域の確保に成功した旨の通知を受けた場合、前記変更命令判断手段は、前記通信経路変更命令を拒否する。
通信システムによっては、通信装置が、送信権をいつ取得できるかわからない場合がある。そのため、通信装置が、通信経路の変更命令を受け、通信経路を変更している間に、送信権を取得することがある。この場合、通信装置は、通信経路が別のものであるために、送信権を得たにもかかわらず、データを送信できないという問題があった。
しかしながら、上記の構成によれば、送信権取得手段が将来取得する送信権のための帯域の確保に成功した旨の通知を受けた場合、変更命令判断手段は、通信経路変更命令を拒否する。このように、送信権が付与される前から変更命令を拒否するため、通信経路を変更している間に、送信権を取得するということがなくなる。これにより、より一層効率的なデータの送受信が可能となる。
また、送信権の期間、通信経路の変更によってデータの送受信が途切れるということがない。これにより、付与された送信権の期間内に、データの送信が完了し、新たな送信権を取得する必要がなくなる。その結果、他の通信装置におけるデータを送信する時間がさらに限定されることがなくなる。
また、送信権が付与された場合、動画データ等のストリームを送信することが多い。このとき、通信チャンネルが変更されないため、該ストリームが途切れることがなくなる。これにより、ユーザの視聴に支障をきたすことがなくなる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を取得する送信権取得手段を備え、前記送信権取得手段が将来送信権を取得することを通知する予告通知を受けた場合、前記変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権取得手段が予告通知を受けたときから前記送信権を終了まで、前記通信経路変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、送信権取得手段が将来送信権を取得することを通知する予告通知を受けた場合、変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権取得手段が予告通知を受けたときから前記送信権を終了まで、通信経路変更命令を拒否する。このように、送信権が付与される前から変更命令を拒否するため、通信経路を変更している間に、送信権を取得するということがなくなる。これにより、より一層効率的なデータの送受信が可能となる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を取得する送信権取得手段を備え、前記変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権取得手段が取得した送信権の期間、前記通信経路変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、送信権の期間、通信経路の変更によってデータの送受信が途切れるということがない。これにより、付与された送信権の期間内に、データの送信が完了し、新たな送信権を取得する必要がなくなる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、他の通信装置に対してデータの送受信を行う場合に、その通信方法として、該他の通信装置と直接通信を行う方法と、さらに別の通信装置を介して通信を行う方法とを選択する通信選択手段を備え、前記変更命令判断手段は、前記通信選択手段が直接通信を行う方法を選択した場合、前記通信経路変更命令を拒否する。
上述したように、他の通信装置との直接通信の場合、通信経路の変更命令を行うさらに別の通信装置は、該直接通信に関わることがないため、直接通信を行っている通信装置を特定できない。そのため、通信装置は、直接通信を行っている場合に、通信経路変更命令を受け、直接通信が出来なくなるという問題がある。
しかしながら、上記の構成によれば、変更命令判断手段は、直接通信選択手段が直接通信を行う方法を選択した場合、通信経路変更命令を拒否する。つまり、通信経路設定手段は、直接通信選択手段が直接通信を行う方法を選択した場合、通信経路の変更を行わない。これにより、直接通信を行っている場合であっても、データの送受信が途切れるということがなくなる。よって、より安全にデータを送受信することができる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、前記変更命令判断手段は、少なくとも消費電力削減モードを使用している間、前記通信経路変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、通信装置は、消費電力削減モードを使用している場合、通信経路を変更することがない。これにより、通信経路の変更によって、消費電力削減モードから通常モードに戻ることがなく、より確実に消費電力を削減することができる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、前記通信経路は無線チャンネルである。
上記の構成によれば、他の装置との間を有線で接続する必要がなく、各装置の配置における制限がなくなる。
また、本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、上記管理装置と、複数の通信経路を使用することができ、該管理装置から通信経路の変更命令を受ける通信装置とを備える。
上記の通信管理システムによれば、管理装置は、通信装置の状況に応じた通信経路の変更を決定することができる。
また、本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、上記通信装置と、該通信装置に対して通信経路の変更命令を行う管理装置とを備えることを特徴としている。
上記の通信管理システムによれば、通信装置は、自装置の状況に応じて通信経路変更命令を拒否することができる。
さらに、本発明の通信管理システムは、上記の構成に加えて、少なくとも1つの前記通信経路は、複数の通信装置を経由する。このように、例えばインターネットのように複数の通信装置を経由する通信システムにも本発明の通信管理システムを適用することができる。
さらに、本発明の通信管理システムは、上記の構成に加えて、通信経路上の中継点となる通信装置も前記管理装置から通信経路の変更命令を受ける。これにより、通信システム全体で用いられる通信経路を中継点も含めて変更することができる。
さらに、本発明の通信管理システムは、上記の構成に加えて、前記管理装置は、前記通信装置の機能を備えている。これにより、管理装置もデータの送受信を行うことができる。
さらに、本発明の通信管理システムは、上記の構成に加えて、IEEE802.11およびIEEE802.11eおよびIEEE802.11hを利用している。これにより、無線LANにも本発明の通信管理システムを適用することができる。
また、本発明の通信管理プログラムは、コンピュータを上記の各手段として機能させるコンピュータ・プログラムである。
上記の構成により、コンピュータで上記管理装置あるいは通信装置の各手段を実現することによって、上記管理装置あるいは通信装置を実現することができる。
また、本発明の通信管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の各手段をコンピュータに実現させて、上記管理装置あるいは通信装置を動作させる通信管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
上記の構成により、上記記録媒体から読み出された通信管理プログラムによって、上記管理装置あるいは通信装置をコンピュータ上に実現することができる。
本発明に係る実施形態について以下に述べる。なお、以下の実施形態において、通常の通信はWチャンネルを使用するものとし、通信に使用できるチャンネルとして、他にX,Y,Zの各チャンネルがあるものとする。そして、通信局が上記X,Y,Zのチャンネル状態の測定を行うものとする。また、チャンネル測定のアルゴリズムを優先するものとする。
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について図1ないし図6に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態の通信システムは、中央管理局(管理装置)1と、複数の通信局(通信装置)(第1通信局2,第2通信局3,第3通信局4)とからなる。本実施形態の中央管理局1および各通信局は、図24で示した中央管理局1001および各通信局1002・1003・1004と同様に、無線回線により通信接続されている。
中央管理局1は、APおよびHCである。ただし、本実施形態における中央管理局1は、IEEE802.11eの機能のうち、TXOPを割り振る機能を使用しないものとする。上述したように、全ての設定のための通信(測定命令フレームやDLP要求フレームなど)は、APおよびHCである中央管理局1を通じて行われる。
図1を参照しながら、本実施形態に係る中央管理局1の詳細な構成について説明する。図1は、中央管理局1の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、中央管理局1は、通信部(通信経路変更手段)11、チャンネル判断・設定部(通信経路変更判定手段)12、DLP管理部(通信状況情報取得手段)13、スケジュール管理部(通信経路変更判定手段)14、データ管理部15、DLP情報記憶部16、スケジュール情報記憶部17およびデータ記憶部18からなる。
通信部11は、無線アンテナ11cを介して、無線回線との間でフレームの送受信を行うものである。通信部11が通信を行うチャンネル(周波数)は、チャンネル判断・設定部12により決定される。なお、通信部11が通信可能なチャンネルとしては、上述したように、チャンネルW・X・Y・Zがある。
通信部11は、チャンネル判断・設定部12、DLP管理部13、スケジュール管理部14およびデータ管理部15と接続されており、各部から送信すべきフレームを受取るとともに、各部に対して、無線回線から受信したフレームを送出する。通信部11は、図1に示されるように、受信部11aと送信部11bとを備えている。
受信部11aは、無線回線から受信したフレームの種類を解析し、解析した種類に応じて、後段の各部に受信したフレームを送出するものである。
フレームの種類がDLP要求フレームあるいはDLP応答フレームである場合、受信部11aは、該DLP要求フレームあるいはDLP応答フレームをDLP管理部13に送る。フレームの種類が測定報告フレームである場合、受信部11aは、該測定報告フレームをチャンネル判断・設定部12に送る。フレームの種類がデータフレームである場合、受信部11aは、該データフレームをデータ管理部15に送る。
送信部(通信経路変更手段)11bは、各部から受信したフレームを、アンテナ11cを介して、無線回線に送信する。なお、送信部11bは、DCF期間に、フレームを送信する。
また、送信部11bは、チャンネル判断・設定部12からチャンネル変更通知フレーム(後述する)を受け、通信局に対してチャンネル変更させる。さらに、送信部11bは、スケジュール管理部14から測定命令フレーム(後述する)を受け、該測定命令フレームを対応する通信局に送信し、他のチャンネルの測定をさせる。
チャンネル判断・設定部12は、受信部11aから受信した測定報告フレームを基に、チャンネル一括変更を行うか否かを判断する。なお、後述するように、測定報告フレームには、受信電界強度や受信ノイズ電力等が含まれている。
チャンネル判断・設定部12は、各チャンネルのチャンネル状態を比較し、現在使用されておらず、かつ、受信状態の良いチャンネルを選択する。選択したチャンネルが現在のWチャンネルと異なる場合、チャンネル判断・設定部12は、チャンネルの一括変更を行うことを決定する。一方、選択したチャンネルが現在のWチャンネルと同じ場合、チャンネル判断・設定部12は、チャンネルの一括変更を行わない。
チャンネル一括変更を行うと判断した場合、チャンネル判断・設定部12は、一括変更後のチャンネルと、変更時間とを指定したチャンネル変更通知フレームを作成し、作成したチャンネル変更通知フレームを送信部11bに送る。さらに、チャンネル判断・設定部12は、変更時間になると、変更後のチャンネルで通信を行うように、通信に使用するチャンネルを一括変更する。
なお、チャンネル判断・設定部12は、スケジュール管理部14からの指示により、自らチャンネル測定を行い、測定報告フレームを作成することもできる。
DLP管理部13は、直接通信(DLP)を行っている通信局を特定するためのリストを作成し、作成したリストをDLP情報記憶部16に格納するためのものである。
受信部11aからDLP要求フレームを受信すると、DLP管理部13は、該DLP要求フレームに指定されたDLPの要求先である通信局を転送先として、該DLP要求フレームを送信部11bに送る。すなわち、DLP管理部13は、DLP要求フレームを、DLPの要求先である通信局に転送する。
また、受信部11aからDLP応答フレームを受信すると、DLP管理部13は、該DLP応答フレームに指定された応答先の通信局を転送先として、該DLP応答フレームを送信部11bに送る。すなわち、DLP管理部13は、DLP応答フレームを、DLPの応答先である通信局に転送する。
さらに、受信部11aからDLP応答フレームを受信すると、DLP管理部13は、該DLP応答フレームを基に、直接通信を行う通信局を識別するDLP通信局識別情報をDLP情報記憶部16に格納する。なお、DLP通信局識別情報は、例えば、各通信局名(第1通信局(略して第1)、第2通信局(略して第2)など)である。
通信局は、通信局同士におけるDLPで送受信されるフレームを検知する。そして、通信局は、該通信局間のDLPによる通信が成功したことを理解する。その際に、その通信局同士における、DLP継続判定のためのタイマーをリセットする。通信局は、通信局同士でDLPによる通信が起こらず、タイマーがある時間過ぎた後で、DLPの通信が終了したということを判定し、DLP削除命令を中央管理局1に送信する。中央管理局1のDLP管理部13は、通信部11を介して、DLP削除命令を受信し、このDLP削除命令に応じたDLP通信局識別情報を削除することで、DLP情報記憶部16を更新する。
以上のように、DLP管理部13は、DLP応答フレームを基にDLP通信局識別情報をDLP情報記憶部16に格納するとともに、通信局からのDLP削除命令に応じたDLP通信局識別情報をDLP情報記憶部16から削除する。
DLP情報記憶部16は、上記DLP通信局識別情報を記憶するメモリである。つまり、DLP情報記憶部16は、どの通信局とどの通信局とがDLPを行うかを記憶している。図4に、DLP情報記憶部16における一記憶例を示す。図4に示されるように、DLP情報記憶部16は、第1通信局と第2通信局とが直接通信を行うことを記憶している。
スケジュール管理部14は、各局が他のチャンネルの状態を測定するスケジュールを決定し、決定したスケジュール情報をスケジュール情報記憶部17に格納するためのものである。
スケジュール管理部14は、スケジュール情報記憶部17およびDLP情報記憶部16に接続しており、DLP情報記憶部16に記憶されている通信局以外の局にチャンネル測定を行わせるようにスケジュール情報を決定する。スケジュール管理部14は、DLP情報記憶部16が更新されるたびに、スケジュールを作成する。なお、スケジュール管理部14が行う具体的なスケジュール情報の決定方法については後述する。
スケジュール管理部14は、各チャンネル測定において、チャンネル測定を行う測定開始時間、測定時間(つまり、測定の長さ)、測定するチャンネルおよび測定を行う通信局を対応付けたスケジュール情報を決定し、決定したスケジュール情報をスケジュール情報記憶部17に格納する。
また、スケジュール管理部14は、決定したスケジュール情報を基に、各通信局に対応する測定チャンネル、測定開始時間、測定時間を指定した測定命令フレームを生成し、生成した測定命令フレームを送信部11bに送る。
スケジュール情報記憶部17は、上記スケジュール情報を記憶するものであり、RAM等により構成されている。図2は、スケジュール情報記憶部17の一記憶例である。図2に示されるように、スケジュール情報記憶部17は、例えば、第1通信局2が時間1:10からチャンネルYを10分だけ測定することを記憶している。
データ管理部15は、各通信局との間で送受信されるデータを管理するためのものである。データ管理部15は、スケジュール情報記憶部17およびデータ記憶部18に接続されている。各通信局へ転送すべきデータフレームを受信すると、データ管理部15は、スケジュール情報記憶部17からスケジュール情報を読み出し、転送先の通信局がチャンネル測定を行っているかを否かを確認する。
チャンネル測定を行っていない場合、データ管理部15は、すぐに、受信したデータフレームに対して転送先の通信局を指定し、該データフレームを送信部11bに送る。
一方、チャンネル測定を行っている場合、データ管理部15は、該チャンネル測定の測定終了時間と、受信したデータフレームとを対応づけて、いったんデータ記憶部18に格納する。そして、データ管理部15は、転送先の通信局におけるチャンネル測定の終了時間になると、該終了時間に対応するデータフレームをデータ記憶部18から読み出し、読み出したデータフレームに対して転送先の通信局を指定し、該データフレームを送信部11bに送る。なお、データ記憶部18は、データフレームを記憶するメモリである。
次に、各通信局の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1通信局2の構成を示すブロック図である。なお、第2通信局3,第3通信局4についても同様の構成である。
第1通信局2は、通信部21、チャンネル設定部(通信経路設定手段)22、測定部23、DLP要求・応答部24およびデータフレーム作成部25から構成される。
通信部21は、アンテナ21cおよび無線回線を介して、フレームの送受信を行うものである。通信部21は、チャンネル設定部22が設定するチャンネルW・X・Y・Zで、フレームの送受信を行う。
通信部21は、受信部21aおよび送信部21bとから構成され、チャンネル設定部22、測定部23、DLP要求・応答部24およびデータフレーム作成部25と接続されている。
受信部21aは、アンテナ21cが受信したフレームの種類を解析し、解析した種類に応じた処理を行う。フレームの種類がDLP要求フレームあるいはDLP応答フレームである場合、受信部21aは、該DLP要求フレームあるいはDLP応答フレームをDLP要求・応答部24に送る。また、フレームの種類が測定命令フレームである場合、受信部21aは、該測定命令フレームを測定部23に送る。さらに、フレームの種類がチャンネル変更通知フレームである場合、受信部21aは、該チャンネル変更通知フレームをチャンネル設定部22に送る。
送信部21bは、チャンネル設定部22、測定部23、DLP要求・応答部24およびデータフレーム作成部25からフレームを取得し、取得したフレームを、アンテナ21cを介して、無線回線に送信する。なお、送信部21bは、DCF期間に、該フレームを送信する。
また、送信部21bは、データフレーム生成部25からDLP用のフレームを受けると、DLPによる通信方法を選択し、DLPによって該フレームを送信する。つまり、送信部21bは、DLPによる送信か否かを選択する通信選択手段である。
DLP要求・応答部(通信選択手段)24は、直接通信を要求する通信局3,4を指定したDLP要求フレームを生成し、通信部21を介して、生成したDLP要求フレームを中央管理局1に送信する。
さらに、DLP要求・応答部24は、自身が送信したDLP要求フレームに対するDLP応答フレームを受信すると、通信局3,4に対してDLPを行うことができるものと判断する。そして、DLP要求・応答部24は、データフレーム生成部25に対して、通信局3,4に対するDLPが可能であることを表すDLP指示信号を通知する。
また、DLP要求・応答部24は、受信部21aよりDLP要求フレームを受信すると、該要求に対してDLPを行うかどうか判断し、行うと判断した場合、DLP応答フレームを生成し、送信部21bを介して、生成したDLP応答フレームを中央管理局1に送信する。
測定部23は、受信部21aからの測定命令フレームに応じて、チャンネル測定を行うものである。上述したように、測定命令フレームでは、測定を行う測定チャンネル、測定開始時間および測定時間が指定されている。
測定部23は、測定開始時間になると、チャンネル設定部22に対して、測定チャンネルおよび測定時間を付加したチャンネル一時移動指示信号を送り、通信部21が通信を行うチャンネルを測定チャンネルに一時移動(一時変更)させる。そして、測定部23は、指定された測定時間、一時移動した測定チャンネルの状態を測定する。例えば、測定部23は、測定チャンネルの受信電界強度やノイズ状態などを測定する。測定終了後、測定部23は、測定結果情報を含む測定報告フレームを生成する。測定部23は、生成した測定報告フレームを送信部21bに送る。
チャンネル設定部22は、通信部21が通信を行うチャンネルの設定を行うものである。チャンネル設定部22には、受信部21aからチャンネル変更通知フレームが、測定部23からチャンネル一時移動指示信号が入力される。
上述したように、チャンネル変更通知フレームには、変更後チャンネル、変更時間が指定されている。チャンネル変更通知フレームを取得した場合、チャンネル設定部22は、該フレームで指定されている変更時間になると、通信部21が通信を行うチャンネルを変更後チャンネルに設定する。
また、上述したように、チャンネル一時移動指示信号には、測定時間および測定チャンネルが付加されている。チャンネル一時移動指示信号を取得した場合、チャンネル設定部22は、上記測定時間だけ、通信部21が通信を行うチャンネルを上記測定チャンネルに設定する。
データフレーム生成部25は、送信すべきデータフレームを生成し、生成したデータフレームを送信部21bに送る。また、データフレーム生成部25は、DLP要求・応答部24からDLP指示信号を受けると、該DLP指示信号に示された通信局3,4に対するデータフレームについて、DLP用のフレームとして生成し、生成したDLP用のフレームを送信部21bに送る。
さらに、データフレーム生成部25は、受信部21aからデータフレームを受信し、受信したデータフレームを図示しないメモリに格納する。
次に、本実施形態の中央管理局1におけるスケジュール管理部14が行うチャンネル測定のスケジューリング、および、チャンネル測定について具体的に説明する。ここでは、第1通信局2が第2通信局3に対してDLPによる通信を要求するものとする。
まず、第1通信局2は、中央管理局1を介して、第2通信局3に対するDLP要求フレームを送信する。DLP要求フレームを受信した第2通信局3におけるDLP要求・応答部24は、DLPを行うことが可能であると判断した場合、DLP応答フレームを生成し、生成したDLP応答フレームを中央管理局1に送信する。なお、該DLP応答フレームは、第2通信局3が第1通信局2とDLPによるデータの送受信が可能であることを示している。
第2通信局3からDLP応答フレームを受信した中央管理局1において、受信部11aは、該DLP応答フレームをDLP管理部13に送る。DLP管理部13は、該DLP応答フレームを基に、第1通信局2と第2通信局3とがDLPを行うことを検知する。そして、DLP管理部13は、DLPを行う局を識別する局の名称(第1通信局および第2通信局)からなるDLP局リストを作成し、作成したDLP局リストをDLP情報記憶部16に格納する。このようにして、DLP情報記憶部16は、更新される。
DLP情報記憶部16が更新されると、スケジュール管理部14は、該DLP情報記憶部16が記憶するDLP局リストを基に、チャンネル測定のスケジュールを決定する。具体的には、スケジュール管理部14は、DLP情報記憶部16が記憶するDLP局リスト(図4参照)の第1通信局2および第2通信局3以外の局に対して、チャンネル測定を行わせるようにスケジューリングを行う。この場合、スケジュール管理部14は、例えば、図5に示されるように、第3通信局4に対して、チャンネル測定を行わせるようにスケジュールする。つまり、スケジュール管理部14は、チャンネル測定を行う局に第1通信局2および第2通信局3を含めないで、チャンネル測定のスケジューリングを行う。
これにより、DLPを行っている第1通信局2および第2通信局3が、チャンネル測定のために、データの送受信ができなくなるということがなくなる。その結果、送受信されるデータが映像データなどの場合、データを受信する側の第2通信局3は、途切れることなく映像を表示することができる。
また、スケジュール管理部14は、スケジュール情報記憶部17に記憶されているスケジュール情報を基に、チャンネル測定を行う通信局に対して、測定開始時間、測定チャンネル、測定時間を指定した測定命令フレームを生成し、生成した測定命令フレームを送信部21bに送る。送信部11bは、チャンネル測定を行う通信局に対して、DCF期間に該測定命令フレームを送信する。測定命令フレームを送信する時間は、測定開始時間より前であればよい。
図5に示すようなスケジュールの場合、スケジュール管理部14および送信部11bは、時間1:10までに、測定開始時間1:10、測定時間(測定長さ)10、測定チャンネルXを指定した測定命令フレームを生成し、第3通信局4に対して、生成した測定命令フレームを送信する。
該測定命令フレームを受信した第3通信局4において、測定部23は、測定チャンネルの状態を測定し、その測定結果を示す測定報告フレームを生成し、送信部21bを介して、生成した測定報告フレームを中央管理局1に送信する。
測定報告フレームを受信した中央管理局1では、チャンネル判断・設定部12が、該測定報告フレームを基に、チャンネル一括変更を行うかどうかを判断し、その判断結果に応じた処理を行う。
また、第3通信局4がチャンネル測定をしている間に、中央管理局1は、第3通信局4宛のデータフレームを受信することがある。このような場合、中央管理局1では、以下のような処理が行われる。
第3通信局4宛のデータフレームを受信すると、受信部11aは、データ管理部15に該データフレームを送る。データ管理部15は、該データフレームを基に、転送先が第3通信局4であることを理解する。同時に、データ管理部15は、スケジュール情報記憶部17からスケジュール情報を読み出し、転送先の第3通信局4が現在チャンネル測定を行っているかどうかを判断する。
現在チャンネル測定を行っている場合、データ管理部15は、スケジュール情報記憶部17から読み出したスケジュール情報を基に、チャンネル測定の終了時間を算出する。図5に示すスケジュール情報の場合、データ管理部15は、最後のチャンネル測定の測定開始時間1:30に測定時間10分を加えた時間1:40を、チャンネル測定の終了時間とする。そして、データ管理部15は、算出した終了時間とデータフレームとを対応付けて、データ記憶部18に格納する。その後、算出した終了時間になると、データ管理部15は、該終了時間に対応するデータフレームをデータ記憶部18から読み出し、読み出したデータフレームを送信部21bに送る。そして、送信部21bは、受けたデータフレームを、その転送先の第3通信局4に転送する。
上記具体例について、時間に対する各局の行う動作を図6に示す。図6では、DCF期間(101〜107,111)でデータフレームを送信している。図4で示したように、第1通信局2と第2通信局3とは、DLPを行う予定である。そのため、DCF期間104〜107で送信されるフレームは、直接第1通信局2あるいは第2通信局3に送信される可能性がある。そのため、第1通信局2あるいは第2通信局3が他のチャンネルに移動しないように、チャンネル測定のスケジューリングがされている。
また、第3通信局4は、時間1:10にチャンネルXの測定108を、時間1:20にチャンネルYの測定109を、時間1:30にチャンネルZの測定110を、それぞれ行う。そのため、第3通信局4において、通信を行うチャンネルが一時移動される。
また、時間1:10から1:40までにある通信局が第3通信局4と通信を行う場合、中央管理局1が中継を行うので、中央管理局1は、1:10から1:40までの期間中に、第1通信局2あるいは第2通信局3から第3通信局4宛てのフレームを受信することがある。しかしながら、第3通信局4においては、チャンネルが一時移動されている。
そのため、中央管理局1は、上述したように、第3通信局4のチャンネル測定の終了時間を算出し、終了時間後のDCF期間(例えば、参照符号103)に、受信した第3通信局4宛てのデータフレームの転送を行う。第3通信局4に対してのデータフレームの送信は遅れるが、どのDCF期間中も相手局が他のチャンネルに一時移動しているということが無く、帯域を効率よく利用することができる。
なお、図6において、測定命令フレームについては省略している。測定命令フレームは、中央管理局1から各通信局2,3,4に対して、DCF期間などでチャンネル測定が行われるまでに送信されていれば良い。また、以下の実施形態の時間と各局の行う動作の例を示した図でも、同様に測定命令フレームについては省略する。
また、本実施形態では、DLPを行っている通信局2,3,4にチャンネル測定を行わないようにする。しかしながら、これに限らず、DLPを行っている通信局2,3,4の両方の局に対して、同時に異なるチャンネルに移動させ、チャンネル測定をスケジュールしても良い。この場合、APである中央管理局1は、チャンネル測定をしている通信局2,3,4に対して、通信を行わなければ、通信の無駄になることはない。この場合において、同時に同じチャンネルに移動している通信局2,3,4は、その局の間で移動しているチャンネルを用いて通信を行ってもよい。
〔第2の実施形態〕
本発明の他の実施形態について図7ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態の通信システムは、中央管理局1’と、複数の通信局(第1通信局2’・第2通信局3’・第3通信局4’)とからなる。中央管理局1’および各通信局2’・3’・4’は、図24で示した中央管理局1001および各通信局1002・1003・1004と同様に、無線回線により通信接続されている。
中央管理局1’は、APおよびHCであり、TXOPを割り振るIEEE.11eの機能を有する。ただし、各通信局2’・3’・4’は、直接通信を行うというDLPの機能を使用しないで、中央管理局1’とのみ通信を行うものとする。
図7は、第1通信局2’の構成を示すブロック図である。なお、他の通信局3’・4’も、第1通信局2’と同じ構成を有している。
図7に示されるように、第1通信局2’は、上記実施形態の第1通信局2と、DLP要求・応答部24の代わりに、ADDTS生成部(送信権取得手段)26を備える点で異なる。
ADDTS生成部26は、送信するデータの内容と、該データを識別するためのTSIDを含むADDTS要求フレームを生成し、生成したADDTS要求フレームを送信部21bに送るものである。そして、送信部21bは、該ADDTS要求フレームを中央管理局1’に送信する。なお、ADDTS生成部26は、本実施形態のデータフレーム生成部25から送信すべきデータの内容およびTSIDを受取り、それを基にADDTS要求フレームを生成する。
なお、本実施形態のデータフレーム生成部(送信権取得手段)25は、送信権を取得して送信することを要求するデータの内容と、該データを識別するためのTSIDとをADDTS生成部26に送出する。また、データフレーム生成部25は、受信部21aが受信したADDTS応答フレームおよびCF−Pollを受取る。
そして、本実施形態におけるデータフレーム生成部25は、ADDTS応答フレームを受取ると、送信すべきデータをフレーム形式に加工する。また、データフレーム生成部25は、自身の局名が記された上記CF−Pollを受取り、送信権開始時間に、TSIDに対応するデータを、送信部21bを介して送信する。
また、本実施形態における受信部(送信権取得手段)21aは、無線回線からADDTS応答フレームおよびCF−Pollを受取る。そして、受信部21aは、受取ったADTS応答フレームおよびCF−Pollを、データフレーム生成部25に送る。
なお、ADDTS応答フレームが「成功」である場合、該ADDTS応答フレームは、中央管理局1’にて第1通信局2’に対する送信権のための帯域が確保されたことを示す。つまり、ADDTS応答フレームが成功であれば、送信権の要求が認められたことになる。
また、CF−Pollは、送信権を得る通信局2’・3’・4’の局名と、送信権の開始する時間(送信権開始時間)と、送信権の付与時間(送信権付与時間)と、TSIDとを含む。ここで、CF−Pollは、将来送信権を取得することを通知する送信権予告通知である。なお、本実施形態では、送信権が開始される時間は、各通信局がCF−Pollを受信した直後に設定されている。
図30は、通信局2’・3’・4’における送信権付与の時間変化を示す図である。図30に示されるように、通信局2’・3’・4’は、「成功」を示すADDTS応答フレームを受けて、帯域が確保されたことを知る。その後、送信権が開始される前に、通信局2’・3’・4’は、CF−Poll(送信権予告通知)を受信し、送信権開始時間等を知る。そして、通信局2’・3’・4’は、この送信権開始時間から送信権が終了するまでの期間、データの送信を行う。
図8は、中央管理局1’の構成を示すブロック図である。図8に示されるように、中央管理局1’は、上記実施形態と比較して、DLP管理部13の代わりにTXOP管理部(送信権付与手段)19を、DLP情報記憶部16の代わりにTXOP情報記憶部20を備える点で異なる。
本実施形態の受信部11aは、無線回線から上記ADDTS要求フレームを受信し、受信したADDTS要求フレームをTXOP管理部19に送る。
TXOP管理部19は、各通信局2’・3’・4’に対して、送信権を付与するためのものである。TXOP管理部19は、各通信局2’・3’・4’からADDTS要求フレームを受信する。そして、TXOP管理部19は、中央管理局1’が制御できる帯域幅の中で、現在使用されていない帯域と、ADDTS要求フレームに含まれるデータの内容を考慮して、通信局2’・3’・4’がそのデータを送信できるかどうかの示すADDTS応答フレームを生成し、該ADDTS応答フレームを送信部11bに送る。
つまり、TXOP管理部19は、通信局2’・3’・4’がデータを送信するための帯域を確保できた場合、「成功」を示すADDTS応答フレームを生成する。
また、TXOP管理部19は、送信権を付与する通信局の局名と、送信権開始時間と、送信権付与時間(つまり、送信権を得ている時間の長さ)と、TSIDとが対応付けられたTXOP付与スケジュールを作成し、作成したTXOP付与スケジュールをTXOP情報記憶部20に格納する。そして、TXOP管理部19は、現在の時間と、TXOP情報記憶部20に格納された送信権開始時間とを比較し、現在時間と一致する送信権開始時間に対応する通信局の局名、送信権付与時間およびTSIDをTXOP情報記憶部20から読み出す。TXOP管理部19は、読み出した通信局の局名、送信権付与時間およびTSIDからなるCF−Pollを作成し、送信部11bを介して、作成したCF−Pollを無線回線に送信する。
TXOP情報記憶部20は、上記TXOP付与スケジュールを記憶するメモリである。図9は、TXOP情報記憶部20の一記憶例である。なお、図9において、送信権付与時間を「長さ」と表示している。図9に示されるように、TXOP情報記憶部20は、第1通信局2’と、送信権開始時間1:10と、送信権付与時間10分と、TSID=Aとを対応づけ、さらに、第2通信局3’と、送信権開始時間1:20と、送信権付与時間10と、TSID=Bとを対応づけて記憶している。
また、本実施形態のスケジュール管理部14は、上記TXOP情報記憶部20に接続されており、TXOP情報記憶部20に記憶されたTXOP付与スケジュールを基に、チャンネル測定のスケジューリングを行う。スケジュール管理部14は、送信権を得る通信局2’・3’・4’に対して、そのTXOP期間中にチャンネルの測定をさせないように、チャンネル測定のスケジューリングを行う。
例えば、TXOP情報記憶部20が図9に示すようなTXOP付与スケジュールを記憶しているとする。この場合、図10に示されるように、スケジュール管理部14は、時間1:10から10分間、送信権を得ている第1通信局2’以外の第2通信局3’および第3通信局4’にチャンネル測定を行わせる。また、スケジュール管理部14は、時間1:10から10分間、送信権を得ている第2通信局3’以外の第1通信局2’および第3通信局4’にチャンネル測定を行わせる。さらに、時間1:30からの10分間については、いずれの通信局2’・3’・4’も送信権を得ていないので、スケジュール管理部14は、任意の局(例えば、図5では、第2通信局3’)にチャンネル測定を行わせる。
このように、スケジュール管理部14は、TXOP付与スケジュールを基に、送信権を得ている通信局2’・3’・4’に対して、そのTXOP期間中にチャンネルの測定をさせないように、チャンネル測定のスケジューリングを行う。これにより、送信権を得ている通信局2’・3’・4’において、チャンネル測定によりデータ送受信ができなくなるということを防止することができる。
次に、本実施形態の通信システムにおける時間に対する各局の行う動作の具体例について、図11を参照しながら説明する。なお、TXOP情報記憶部20は、図9に示すTXOP付与スケジュールを記憶し、スケジュール情報記憶部17は、図10に示すスケジュール情報を記憶しているとする。
図11に示されるように、時間1:10になると、中央管理局1’のTXOP管理部19は、TXOP情報記憶部20から送信権開始時間1:10に対応する第1通信局2’、送信付与時間10分およびTSID=Aを読み出し、これらからなるCF−Poll201を生成する。そして、TXOP管理部19は、送信部11bを介して、該CF−Poll201を無線回線に送信する。
送信権取得局として第1通信局2’を指定するCF−Poll201を受信した第1通信局2’では、データフレーム生成部25が、TXOP204の間、送信部21bを介して、自由にデータの送信を行う。TXOP204の間、第2通信局3’および第3通信局4’は、通信を行えないのでチャンネル測定207・210を行う。
同様に、時間1:20になると、中央管理局1’は、第2通信局3’、送信付与時間10分およびTSID=Bを指定するCF−Poll202を送信する。該CF−Poll202を受信した第2通信局3’では、データフレーム生成部25が、TXOP208の間、送信部21bを介して、自由にデータの送信を行う。TXOP208の間、第1通信局2’および第3通信局4’は、通信を行えないのでチャンネル測定205・211を行う。
時間1:30以降は、TXOP付与のスケジュールがないため、各局は、DCF203・206・212・213を用いて、データの送受信を行う。このとき、第2通信局3’は、チャンネル測定209を行う。
以上のように、本実施形態では、スケジュール管理部14は、TXOPの割り振りに対して、その時間にぶつからないようにチャンネル測定のスケジュールを決定する。これにより、送信権を得ている通信局2’・3’・4’において、チャンネルの一時移動によりデータ送受信ができなくなるということを防止することができる。
しかしながら、これに限らず、TXOP管理部19が、チャンネル測定のスケジュールに対して、重複しないようにTXOPの割り振りを決定しても良い。この場合、TXOP管理部19は、スケジュール情報記憶部17が記憶するスケジュール情報を基に、TXOPの割り振りを決定する。この方法を取ったとしても、ある通信局2’・3’・4’において、同時刻に、TXOP期間とチャンネル測定の期間が重なることがなく、チャンネルの一時移動によりデータ送受信ができなくなるということを防止することができる。
また、上記説明では、スケジュール管理部14は、TXOP期間中にチャンネル測定を行わないようにスケジュールをするとした。つまり、図30の「c」で示した期間にチャンネル測定を行わないようにした。
これに限らず、スケジュール管理部14は、ADDTS要求フレームを受けて帯域の確保ができ、成功を示すADDTS応答フレームを送信した時点以降の全て期間、該ADDTS要求フレームを送信した通信局に対してチャンネル測定をさせないようにスケジューリングをしてもよい。つまり、図30の「a」で示した期間にチャンネル測定を行わないようにしてもよい。
また、スケジュール管理部14は、CF−Pollを送信した時点から送信権が終了するまでの期間、該送信権を付与した通信局に対して、チャンネル測定をさせないようにスケジューリングをしてもよい。つまり、図30の「b」で示した期間にチャンネル測定を行わないようにしてもよい。
また、中央管理局1’は、送信権を付与した通信局に限らず、TXOP期間(或いは、帯域を確保した時点以降、または、CF−Pollを送信してから送信権が終了するまでの期間)、中央管理局1’が管理している全ての通信局に対して、チャンネル測定をさせないようにしてもよい。
〔第3の実施形態〕
本実施形態の通信システムでは、DLPの機能およびTXOPを割り振るIEEE.11eの機能の両方を使用している。
仮に上記第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせると、スケジュール管理部14は、DLPを行っている局とHCがTXOPを割り当てた局とに対して、測定命令を出さない。図5および図10を組み合わせると、第3通信局以外の全ての局に対して測定命令を送信することができなくなる。また、図9のようなTXOP付与スケジュールを組んだとすると、各時間における送受信していない局を考えると、時間1:10から第3通信局が通信を行うことができなくなる。
ADDTS要求フレームによる送信権の申請は、通常、送信する側の通信局のアドレスおよびTSIDを指定しており、データ(ストリーム)を受信する側の通信局に関する情報を含まない。そのため、HCである中央管理局は、データ(ストリーム)を受信する側の通信局を特定できない。例えば、中央管理局は、時間1:20において、第2通信局が中央管理局、第1通信局および第3通信局のどの局に対してデータを送信するのかという情報を持っていない。そのため、送信権を得た第2通信局がデータの送受信を効率的に行うためには、スケジュール管理部14は、そのTXOP期間中、第2通信局と通信可能な中央管理局、第1通信局および第3通信局のすべてを、チャンネル測定のスケジュールから除外する必要がある。ただし、第2通信局と第3通信局は、DLPを行っていないので、第1の実施形態で示した方法で、第3通信局は、第2通信局とその時間帯において通信を行わないということが分かる。しかし、1TXOPでストリームを送受信する局が1組と考えると、第2通信局と通信を行える全ての局をスケジュールから除外するのは、効率が悪い。
そこで、本実施形態の通信システムでは、TXOP管理部19が、第2通信局3’のTXOP時間中に、第2通信局3’がどの局と通信を行っているのかを確認し、その結果を基に、スケジュール管理部14がチャンネル測定のスケジューリングを行う。なお、本実施形態の中央管理局1’および通信局2’・3’・4’の概略構成は、上記第2の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施形態のTXOP管理部(通信先情報取得手段)19は、TXOP期間に送信されるデータの受信側の局(中央管理局1’、あるいは、通信局2’・3’・4’)を確認し、その確認結果を加えたTXOP付与スケジュールを作成する。そして、TXOP管理部19は、作成したTXOP付与スケジュールをTXOP情報記憶部20に格納する。なお、TXOP期間に送信されるデータの受信局の確認方法については、後述する。
図12は、本実施形態のTXOP情報記憶部20の一記憶例である。図12に示されるように、TXOP情報記憶部20は、時間1:10からの第1通信局2’のTSID=Aのストリームが第2通信局3’との通信であることを記憶している。同様に、TXOP情報記憶部20は、時間1:20からの第2通信局3’のTSID=Bのストリームが中央管理局1’との通信であることを記憶している。
スケジュール管理部14は、TXOP情報記憶部20が記憶するTXOP付与スケジュールを基に、チャンネル測定のスケジュールを決定する。例えば、TXOP情報記憶部20が図12に示すようなTXOP付与スケジュールを記憶している場合、スケジュール管理部14は、図13に示すようなスケジュール情報を作成する。すなわち、スケジュール管理部14は、時間1:10からのTXOP期間、該TXOP期間中にデータの送受信を行う第1通信局2’および第2通信局3’以外の局である第3通信局4’にチャンネル測定を行わせる。同様に、スケジュール管理部14は、時間1:20からのTXOP期間、該TXOP期間中にデータの送受信を行う第2通信局3’および中央管理局1’以外の局である第1通信局2’および第3通信局4’にチャンネル測定を行わせる。時間1:30以降は、TXOPが付与されていないので、自由にチャンネル測定スケジュールを作成しても良い。この例では、第1通信局2’と第2通信局3’にそれぞれX、Zチャンネルの測定を行わせている。
上記具体例について、時間に対する各局の行う動作を図14に示す。1:10になると、中央管理局1’は、CF−Poll 301を送信する。該CF−Poll 301は、第1通信局2に対して送信権を付与し、該第1通信局2がTSID=Aのストリームを送信することを表している。該CF−Poll 301を受信した第1通信局2’は、指定されたTXOP304の間、自由に送信ができる。なお、このTXOP304の期間では、第1通信局2’は、第2通信局3’にデータを送信している。よって、TXOP304の期間において、第3通信局4’は、データの送受信を行えないので、チャンネル測定309を行っている。
同様に、時間1:20になると、中央管理局1’は、CF−Poll 302を送信する。該CF−Poll 301は、第2通信局3’に対して送信権を付与し、該第2通信局3’がTSID=Bのストリームを送信することを表す送信権予告通知である。該CF−Poll 302を受信した第2通信局3’は、指定されたTXOP307の期間、自由に送信ができる。なお、このTXOP307の期間において、第2通信局3’は、中央管理局1’にデータを送信している。よって、TXOP307の期間において、第1通信局2’および第3通信局4’は、データの送受信を行えないので、チャンネル測定305・310を行っている。
時間1:30以降については、TXOP期間が付与されていないので、各局は、DCF期間303・311・312を利用して、データの送受信を行う。
このように、TXOP管理部19が、TXOP期間中に、送信権を得た通信局がどの局と通信を行っているのかを確認し、その結果を基に、スケジュール管理部14がチャンネル測定のスケジューリングを行う。これにより、TXOP期間にデータの送受信を行っている局が現在のチャンネルにとどまり、TXOP期間にデータの送受信を行っている局以外の局がチャンネルの一時移動を行うこととなる。その結果、通信の効率化が図れる。
次に、TXOP管理部19が受信側の局を確認する方法について説明する。第1の方法は、受信部11aが実際のデータフレームやAckフレームといった送受信フレームを受信して、TXOP管理部19が、そのあて先アドレスなどから受信局を割り出す方法である。ただし、この場合、TXOPの開始時間経過後に、TXOP管理部19は、受信局を確認する。そのため、スケジュール管理部14は、TXOPの開始時間経過後に、該TXOP期間中にデータの送受信を行わない通信局に対して、チャンネル測定を行わせるスケジュールおよび測定命令フレームを作成する。
また、第2の方法は、中央管理局1’が、送信権を付与した通信局2’・3’・4’から、受信局を通知するためのフレームを送信するように要求してもよい。TXOP管理部19は、該要求に対する応答を基に、通信先を特定したTXOP付与スケジュールを作成する。
第3の方法としては、様々な設定情報を確認することで実現してもよい。例えば、DLPの設定において、宛先を確認してもよいし、IEEE802.11eにて定義されているBA(BlockAck)の設定フレームを受信することで確認してもよい。BAについては、TSIDごとに設定を行うので、CF−Pollごとに細かいチャンネル移動のスケジュールをたてることができる。
なお、第1,第3の方法については、HCが他の局宛のフレームを受信することができなければならない。
また、上記の例では、TXOP期間にのみ、送受信を担当する通信局に対して、チャンネル測定のスケジュールをいれないというについて説明した。つまり、図30の「c」で示す期間、送信権を取得した通信局と該通信局からのデータを受信する通信局とに対して、チャンネル測定のスケジュールをいれないとした。
しかしながら、これに限らず、スケジュール管理部14は、TXOPを割り与えている間、つまり、「成功」を示すADDTS応答フレームを返信した直後以降の期間(つまり、図30の「a」の期間)、送信権を取得した通信局と該通信局からのデータを受信する通信局とに対して、チャンネル測定のスケジュールからはずすということをしてもよい。
もしくは、スケジュール管理部14は、CF−Pollを送信した直後から送信権が終了するまでの期間(図30の「b」の期間)、送信権を取得した通信局と該通信局からのデータを受信する通信局とに対して、チャンネル測定のスケジュールからはずすということをしてもよい。
また、本実施形態では、TXOP管理部19が、TSIDを指定したCF−Pollを送信するとしたが、これに限らず、TSIDを指定せずに、通信局2’・3’・4’のみを指定してTXOPを与えることもできる。その場合は、与えられたTXOP期間中であれば、通信局2’・3’・4’は、好きなように通信を行うことができる。そのため、中央管理局1’は、通信局2’・3’・4’が複数ストリームを定義していると、どのストリームをどの局に対して送信するかということは、分からない。1ストリームしか送信しないかもしれないし、1TXOP中に複数のストリームを毎回同じように送信するかもしれないし、異なる順序、時間で送信をするかもしれない。この場合、スケジュール管理部14は、そのTXOP期間中、通信局2’・3’・4’と通信を行う可能性のある全ての局をチャンネル測定のスケジュールから外す。これにより、データの送受信が効率的に行われる。
また、本実施形態では、スケジュール管理部14は、TXOP期間中にのみ、データの送受信を行う局に対して、チャンネル測定を行わないようにスケジューリングを行う。しかしながら、TXOP期間中に限らず、スケジュール管理部14は、データの送受信を行う局に対して、チャンネル測定命令の送信を行わないということをしても良い。これによって、スケジュール管理部14は、複雑なスケジュールをする必要が無くなる。
上記説明では、DLPを使用していてTXOPを付与するような場合において、TXOP期間中に、中央管理局1’がデータの送受信をしていなければ、データを送受信していない通信局に対して、他のチャンネルの測定を行わせることを説明した。この場合、該TXOP期間中、中央管理局1’も、データを送受信できないので、他のチャンネルを測定してもよい。
〔第4の実施形態〕
上記実施形態では、DLP情報あるいはTXOP情報を基に、スケジュール管理部14がチャンネル測定のスケジュールを行い、TXOPやDLPを行っている局に対して、その時間に、他のチャンネルに移動させないようにしていた。そのため、中央管理局1・1’は、DLP情報あるいはTXOP情報を取得する必要があり、そのために面倒な処理を行う必要がある。また、スケジュール管理部14が行うスケジューリング処理が複雑となる。
本実施形態は、中央管理局1・1’が取得する情報が少なくてすみ、かつ、スケジュール管理部14におけるスケジューリング処理が容易である通信システムである。
例えば、本実施形態におけるTXOP管理部19は、TXOP期間(すなわち、TXOPの開始時間とその長さ)に関する情報のみを、TXOP情報記憶部20に格納する。そして、スケジュール管理部14は、TXOP情報記憶部20が記憶するTXOP期間中について、いずれの局に対してもチャンネル測定を行わせないように、スケジューリングを行う。
本実施形態のスケジュール管理部14が行うスケジューリング方法では、DCF中の局がDLPを使用した場合に、データの送受信ができなくなるという欠点がある。しかしながら、TXOP期間だけ、チャンネルの測定を停止すればよいので、スケジュール管理部14におけるスケジューリングが簡単になる。
また、AVデータ等は、通常TXOP期間中に送受信される。したがって、スケジュール管理部14が、TXOP期間中に、いずれの局に対してもチャンネル測定を行わせないようスケジューリングすることにより、AVデータ等は、確実に送受信される。その結果、ユーザの視聴に支障をきたすということはない。
また、逆に、DLPを使用している局を同時に同じチャンネルに移動させるということも考えられる。移動したチャンネルにおいて、空き領域があれば、そこでストリームの送受信を行うということも考えられる。また、ストリームの送受信に関連していない通信局がチャンネルを測定するということができる。ただし、そのときには、ストリームを送受信しているということをチャンネル移動した通信局もしくは中央管理局に通知することが望ましい。そうしなければ、実際に測定をしているチャンネルが空きチャンネルなのかということの判断ができないからである。
〔第5の実施形態〕
上記第1の実施形態では、中央管理局1がDLPを行っている通信局2・3・4を把握し、その局をチャンネル測定のスケジュールリストから外すという構成とした。この場合、中央管理局1は、どの通信局2・3・4がDLPを行っているかどうかを把握するためのリストを記憶する必要がある。そのため、中央管理局1の構成が複雑となってしまう。
そこで、本実施形態の通信システムは、中央管理局の構成をより簡単にすることが可能なものである。本実施形態の通信システムは、中央管理局と通信局2”・3”・4”からなる。
本実施形態の中央管理局は、上記第1の実施形態の中央管理局1と比較して、上記DLP管理部13およびDLP情報記憶部16を備えない構成とする。よって、本実施形態の中央管理局は、簡単な構成となる。また、スケジュール管理部14は、従来と同様に、各通信局に対して任意にチャンネル測定のスケジューリングを行う。そして、送信部11bは、各通信局に対して、任意の時間に測定命令フレームを送信する。
次に、本実施形態の通信局2”・3”・4”について説明する。図15は、本実施形態の第1通信局2”の概略構成を示すブロック図である。なお、第2通信局3”および第3通信局4”も、第1通信局2”と同じ構成を有する。
第1通信局2”は、上記第1の実施形態の第1通信局2と比較して、測定部23の代わりに、測定判断部27を備える点で異なる。
測定判断部27は、チャンネル測定を行うかどうかを判断し、行うと判断した場合にのみ、チャンネル測定を行うものである。測定判断部27は、測定許可部(変更命令判断手段)27aと測定部(通信経路設定手段)27bとからなる。
測定許可部27aは、チャンネル測定の実施を許可するか否かを決定するものである。測定許可部27aは、受信部21aから測定命令フレームを受信すると、DLP要求・応答部(通信選択手段)24がDLP応答フレームを取得し、送信部(通信選択手段)21bがDLP用のフレームを送信しているか否かを判断する。
つまり、DLP要求・応答部24および送信部21bがDLPを用いたデータの通信を選択している場合、測定許可部27aは、チャンネル測定の実施を許可しないことを決定する。この場合、測定許可部27aは、測定要求を拒否する旨を通知する測定要求拒否フレームを作成し、送信部21bを介して、中央管理局1に送信する。これにより、第1通信局2”は、DLPを行っている間に、チャンネル測定のためにチャンネルを一時移動する必要がなく、データを取りこぼすことがなくなる。
一方、通信部21においてDLPを用いたデータの送受信が行われていない場合、測定許可部27aは、チャンネル測定の実施を行うことを決定する。この場合、測定許可部27aは、測定部27bに、測定命令フレームを送出する。
測定部27bは、測定許可部27aから測定命令フレームを受取った場合にのみ、所定のチャンネル測定の処理を行う。なお、測定部27bが行う処理は、上記実施形態の測定部13と同様であるため、説明を省略する。
上記のような場合に、測定要求拒否フレームを受信したAPである中央管理局は、再度、測定要求拒否フレームを送信した局に対して、測定命令フレームを送信してもかまわない。ただし、さらに拒否される可能性があるので、中央管理局は、該測定命令フレームを、測定要求拒否フレームを送信した局に送信しないことが望ましい。
また、測定要求拒否フレームでは、拒否を行った詳しい理由を示さない。そのため、中央管理局は、測定要求拒否フレームを送信した局と通信を行い、どのような理由で、測定要求を拒否したのかということを確認しても良い。また、中央管理局は、拒否された測定命令フレームを他の局に振り替えたり、チャンネル測定のためのスケジューリングを変更したりしても良い。
また、上記第2の実施形態では、中央管理局1’が送信権を取得している通信局2’・3’・4’を把握し、その局をチャンネル測定のスケジュールリストから外すという構成とした。この場合、中央管理局1’は、どの通信局2’・3’・4’が送信権を取得しているかを把握するためのリストを記憶する必要がある。そのため、中央管理局1’の構成が複雑となってしまう。
さらに、第2の実施形態では、ADDTSを送信した局は、いつCF−Pollを中央管理局1から受信するかわからない。
このような場合であっても、本実施形態を適用することが可能である。すなわち、各通信局が、第2の実施形態で説明した通信局の構成(図7に示す構成)において、測定部23の代わりに測定判断部27を備える構成とする。この場合、各通信局が備える測定許可部27bは、受信部(送信権取得手段)21aからADDTS応答フレームを取得する。
そして、測定許可部27aは、受信部21aが成功を示すADDTS応答フレームを受信してから、TXOP期間が終了するまでの間、TXOP期間中を含む測定命令フレームを受信したとしても、測定要求拒否フレームを作成し、送信部21bを介して、中央管理局に送信する。この場合、中央管理局は、TXOP情報記憶部20を備えなくてよい。また、他のデータの送受信をしなければならない状態であれば、測定要求拒否フレームは、TXOP期間が終了してからでもよい。
これにより、各通信局は、TXOP期間中に、チャンネル測定のためにチャンネルを一時移動する必要がなく、データを取りこぼすことがなくなる。
なお、この場合、測定許可部27aは、受信部21aがCF−Pollを受信してから送信権が終了するまでの期間(図30の「b」の期間)に、TXOP期間中を含む測定命令フレームを受信したとき測定要求拒否フレームを作成してもよい。
もしくは、測定許可部27aは、受信部21aが受信したCF−Pollを基に、送信権開始時間から送信権が終了するまでの期間(図30の「c」の期間)に、測定命令フレームを受信したら測定要求拒否フレームを作成してもよい。
〔第6の実施形態〕
上記第3の実施形態では、チャンネル測定の測定時間と、TXOP期間との両方が同じくらいの時間である場合を例として説明した。しかしながら、チャンネル測定の測定時間と、TXOP期間とは、同じものではなく、異なる場合も生じる。
例えば、第1通信局2’におけるチャンネル測定の測定時間が、第2通信局3’におけるTXOP期間よりも長い場合を考える。この場合、第2通信局3’のTXOP期間が、第1通信局2’のチャンネル測定よりも先に終了する。すなわち、TXOP期間が終了しても、第1通信局2’は、チャンネル測定を行っている。このとき、TXOP期間が終了してDCFが開始されたとしても、チャンネル測定を行っている第1通信局2’は、チャンネルの一時移動をしているため、他の局からのデータを受信することができない。そのため、データの転送効率が悪くなる。
また、例えば、第1通信局2’におけるチャンネル測定の測定時間が、第2通信局3’におけるTXOP期間よりも短い場合を考える。この場合、第1通信局2’のチャンネル測定が、第2通信局3’のTXOP期間よりも先に終了する。このとき、第1通信局2’は、TXOP期間のため、データの送受信を行うことができず、無駄な時間を過ごすこととなる。
本実施形態の通信システムは、上記問題点を解決することができるものである。なお、本実施形態の中央管理局1’および各通信局の概略構成は、上記第2・3の実施形態と同様である。
図16は、本実施形態におけるTXOP情報記憶部20が記憶するTXOP付与スケジュールの一例を示している。図16に示されるように、TXOP情報記憶部20は、時間1:10から10分間だけ、第1通信局2’にTXOPが付与されることを記憶している。同様に、TXOP情報記憶部20は、時間1:20から19分間だけ、第2通信局3’にTXOPが付与されることを記憶している。
本実施形態のスケジュール管理部14は、上記TXOP情報記憶部20が記憶するTXOP付与スケジュールを基に、チャンネル測定のスケジューリングを行う。すなわち、スケジュール管理部14は、TXOP付与スケジュールにおけるTXOP期間と同じ期間だけチャンネル測定の測定時間を設定し、チャンネル測定のスケジューリングを行う。
例えば、図16に示されるTXOP付与スケジュールを基に、スケジュール管理部14は、図17に示すようなスケジュール情報を作成する。すなわち、スケジュール管理部14は、時間1:10からのチャンネル測定の測定時間を、時間1:10からのTXOP期間と同じ10分として設定する。同様に、スケジュール管理部14は、時間1:20からのチャンネル測定の測定時間を、時間1:20からのTXOP期間と同じ19分として設定する。
次に、本実施形態の通信システムにおける時間に対する各局の行う動作の具体例について、図18を参照しながら説明する。
図18に示されるように、第1通信局2’に割り振られた時間1:10からのTXOP604と、第3通信局4’が行う時間1:10からのチャンネル測定607とは、その期間が同じである。同様に、第2通信局3’に割り振られた1:20からのTXOP606と、第1通信局2’および第3通信局4’が行う1:20からのチャンネル測定605・608とは、その期間が同じである。
これにより、第1通信局2’および第3通信局4’は、チャンネル測定の後、TXOP期間のためにデータの送受信をすることができないということがなくなる。
なお、上記説明では、TXOP情報記憶部20に記憶されているTXOP付与スケジュールを基に、スケジュール管理部14がTXOP期間と同じ期間だけチャンネル測定のスケジューリングを行うものとした。
しかしながら、この逆であってもよい。すなわち、スケジュール情報記憶部17に記憶されているチャンネル測定のスケジュール情報を基に、TXOP管理部19が測定期間と同じ期間だけTXOPの割り振りをおこなってもよい。すなわち、いずれかの通信局がチャンネル測定を行っている期間中、TXOP管理部19は、チャンネル測定を行っている通信局と通信を行わない他の通信局に必ずTXOP期間を割り振るということをする。そうすることによって、他の局の通信が失敗するということが防げる。
どちらの場合であっても、TXOPのためにチャンネルが使用されていて通信ができない、もしくは、通信をすべき通信局がチャンネル測定のためチャンネルの一時移動をしており通信ができないという状態を解消することができる。これにより、帯域を有効利用することができる。
また、上記では、TXOP期間に合わせて、同じチャンネルの測定時間を延ばすこととしたが、異なるチャンネルをスケジュールしても良い。すなわち、TXOP期間の前半において、Xチャンネルを測定し、後半において、Yチャンネルを測定するように、スケジュール管理部14がスケジューリングを行う。また、TXOP期間が十分にある場合は、複数のチャンネルを一度に測定させるようなスケジュールをしても良い。
〔第7の実施形態〕
上記実施形態では、同じ時間帯に、BSS内で少なくとも二つの局が現在のWチャンネルで通信を行う構成とした。
本実施形態では、データの送受信を行うときに、全ての局が同じチャンネルにいるようにする。これにより、データの送受信が確実に行われる。また、スケジュール管理部14は、同じ時間帯に、全ての局に対して、現在使用しているWチャンネルと異なるチャンネルを測定するようにスケジューリングを行う。そのため、スケジュール管理部14は、どの局同士がその時間帯にデータの送受信をしているかという情報を考慮しなくてもよくなる。
また、本実施形態の通信システムでは、APである中央管理局以外の通信局が他のチャンネルを測定している間に、Quiet Timeをスケジューリングする。こうすることで、他の通信局がわざわざデータの送受信をすることを止めて、現在使用中のWチャンネルを測定することによるデータ転送効率が落ちることを防ぐことができる。
本実施形態のスケジュール情報記憶部17の一記憶例を図19に、本実施形態における時間と各局の行う動作を示す図を図20に示す。
図19、20に示されるように、同時刻(1:10および1:30)に全ての局(中央管理局および通信局)がチャンネル測定701・704・707・710を行う。また、時間1:30では、各通信局が他のチャンネル測定706・709・711をしている間に、中央管理局は、QuietTime702として、現在の使用チャンネルWを測定している。これにより、各通信局が通信できない期間を少なくして、帯域の有効利用を行っている。
なお、全ての局が一斉に異なるチャンネルに移動すると、他のBSSの通信局が空いているチャンネルだと検出して、現在使用中のWチャンネルに移動してくることが考えられる。これを防ぐために、Beaconを送出するAPの中央管理局だけが同じWチャンネルにとどまって、他のBSSが移動してくることを防ぐようにしても良い。また、フレームを送信することによって、Wチャンネルを使用しているということを示しても良い。このとき、フレームは、どのようなものでもよく、測定にきた他のBSSの通信局が、このWチャンネルが使用中であると分かればそれでよい。
また、図20では、各局のデータの送受信は、DCF期間703・705・708・712として示しているが、チャンネル測定を行っていない期間で、TXOP管理部19が、TXOPを割り当てるようにしても良い。
〔第8の実施形態〕
上記実施形態では、チャンネル測定のスケジューリングによって、ストリームの送受信が途切れない構成を説明した。しかしながら、チャンネル測定の結果、より電波状態の良いチャンネルを発見して、そのBSSで通信を行うための通信チャンネルに移動する場合(すなわち、チャンネル判断・設定部12が、送信部11bを介して、チャンネル変更通知フレームを送信する場合)、各局は、チャンネル一括変更を行うためにかかる期間や、チャンネルを変更した後にさまざまな設定を行っている期間において、データの送受信ができない。そのため、瞬間的にストリームが途切れる可能性がある。これにより、映像が乱れ、ユーザの視聴に支障をきたす可能性が考えられる。
そこで、本実施形態の通信システムの中央管理局において、チャンネル判断・設定部12は、TXOP情報記憶部20に格納されたTXOP付与スケジュールを読み出し、HCF期間にストリームの送受信をしている通信局がいる場合、送信部11bを介して、チャンネル変更通知フレームを送信しないこととする。そして、チャンネル判断・設定部12は、HCF期間の終了後に、送信部11bを介して、チャンネル変更通知フレームを送信する。
これにより、HCF期間におけるストリームの送受信が終了してから、チャンネルを一括変更するため、チャンネルの一括変更によるストリームの途切れがなくなり、ユーザの視聴に支障をきたすことがなくなる。また、チャンネルを一括変更する場合には、ユーザに対して、よりよい通信状態を確保するためにチャンネルを変更するので、一時的に映像が乱れる可能性があることを告知し、チャンネルを変更するかどうかを選択させることが望ましい。
上記のように、HCF期間が終了してから、チャンネルを一括変更する場合に、HCのTXOPなどの設定が保持されるのであれば、チャンネル一括変更後すぐに、ストリームの送受信が可能となる。しかしながら、チャンネル一括変更が行われるときに、設定がクリアされる場合も考えられる。このような場合には、HCF期間後でもチャンネルの一括変更をせずに、元のチャンネルを保持しつづけることで、ストリームが切断されるということが回避される。
〔第9の実施形態〕
IEEE802.11eでは、図27に示されるように、CF−Pollは、送信権を与える通信局に対して、毎回一つずつ送信されていた。本実施形態は、第2の実施形態における複数のCF−Pollに含まれる情報を、一つのCF−Pollにまとめた形態である。
図28は、図27や第2の実施形態と同様の各局の動作を示す図である。また、図29は、図11と同様なスケジューリングを行う例を示す図である。
図28および図29に示すように、本実施形態のCF−Poll901・911は、送信権を得る通信局2’・3’・4’の局名と、送信権を開始する時間(送信権開始時間)と、送信権の付与時間(送信権付与時間)と、TSIDとを含む。
このように、第2の実施形態(図11参照)では、CF−Pollを通信局ごとに送付していたが、本実施形態では、第1通信局と第2通信局に対するCF−Pollが一つにまとめられている。このような場合のCF−Pollには、送信権開始時間と送信権付与時間が含まれている。
中央管理局は、その送信権の時間をはずして、チャンネル測定の命令を行う。これにより、各通信局は、TXOP期間903・904・913・914以外の時間にチャンネル測定914・916・918・919・920を行うこととなる。
中央管理局が作成するチャンネル測定スケジュールは、図10と同様に示される。なお、第2の実施形態では、チャンネル測定スケジュールは、送信権の開始時間を基本に作成されていた。しかしながら、中央管理局は、CF−Pollを送信した時間から送信権が終了するまでの時間を、チャンネル測定スケジュールからはずすようにしてもよい。このようなチャンネル測定スケジュールを行う場合、中央管理局は、図29における第2通信局で行われるXチャンネル測定916の測定命令を行わない。つまり、CF−Pollを送信してから、第2通信局の送信権が終了するTXOP917の終了時点の間、チャンネル測定スケジュールから第2通信局がはずされる。
上記説明では、CF−Pollを全ての通信局で一つにまとめているときの例としたが、同様のCF−Pollの構成で、1通信局に対して、複数のストリーム(TSID)宛のCF−Pollを送信してもよい。
また、上記送信権付与時間の代わりに、送信権が終了する送信権終了時間をCF−Pollに含ませても良い。
さらに、本実施形態は、例を挙げた第2の実施形態以外の他の実施形態にも適用できることはいうまでもない。
〔実施形態10〕
上記実施形態では、帯域を確保した通信局に対して、その通信を途切れさせないように、チャンネル変更しないチャンネル測定スケジュールを行うものとして説明した。しかしながら、帯域を確保した通信局が通信を途切れないようにするためのスケジュールは、チャンネル測定に限られず、別のスケジュールにも適用できる。
例えば、パワーセーブを行うことによる低消費電力の設定スケジュールにも適用できる。中央管理局が管理している通信局のうち、帯域が確保されている通信を行う送信側および受信側の通信局以外は、データの送受信を行うことができないので、パワーセーブを行うことができる。
本実施形態は、中央管理局のスケジュール管理部14がパワーセーブを行っている通信局をチャンネル測定スケジュールからはずす形態である。すなわち、本実施形態の中央管理局は、各通信局のパワーセーブを行う間隔を記憶するパワーセーブ間隔記憶部を備えている。通信局からS−APSDを利用している旨の通知を受けた場合、中央管理局は、各通信局に対して決定したパワーセーブの間隔をパワーセーブ間隔記憶部に格納しておく。また、通信局からU−APSDを利用している旨の通知を受けた場合、中央管理局は、U−APSDのパワーセーブを行っているために、どのような間隔でパワーセーブを行っているかがわからない。そのため、中央管理局は、U−APSDを利用している旨の通知を送信した通信局が常にパワーセーブを行っていることを示す情報をパワーセーブ間隔記憶部に格納しておく。そして、スケジュール管理部14は、パワーセーブ間隔記憶部を基に、パワーセーブを行っている通信局をチャンネル測定スケジュールからはずす。
これにより、パワーセーブを行う通信局は、パワーセーブを行っている間にチャンネル測定を行うことがない。その結果、通信を行っていない場合のパワーセーブによる消費電力の低減効果が、チャンネル測定によって実現できなくなるということがない。
また、中央管理局がパワーセーブを行っている通信局をチャンネル測定スケジュールからはずす代わりに、通信局が、パワーセーブを行っていて、中央管理局から測定命令フレームを受信したのであれば、測定要求拒否フレームを送信してもよい。これによっても、パワーセーブによる消費電力の低減効果が、チャンネル測定によって実現できなくなるということがない。
なお、上記各実施形態において、測定命令フレームは、APである中央管理局から送信されることとした。しかしながら、これに限らず、STAである通信局から送信されても良い。このとき、測定命令フレームを受信した通信局が、DLPやHCFでデータの送受信を行っている場合、該測定要求を拒否して、測定要求拒否フレームを送信すればよい。
なお、APである中央管理局以外の通信局が測定命令フレームを送信する場合、該通信局は、上記スケジュール管理部14およびスケジュール情報記憶部17を備えている。そして、測定命令フレームを送信する通信局は、APである局やHCである局から、DLPまたはHCFでデータの送受信を行う局に関する情報を取得し、上記中央管理局と同様に、チャンネル測定のスケジューリングを行うものとする。このとき、測定命令フレームを送信する通信局は、他の通信局のチャンネル測定を管理する管理装置であるといえる。
また、上記実施形態において、直接通信をおこなうDLPについて説明をしたが、UpLink(QSTAからHCに対してストリームを送信)の場合や、DownLink(HCからQSTAに対してストリームを送信)の場合にも適用できることは、言うまでも無い。
以上の実施形態では、帯域を確保している時間帯には、チャンネル測定をさせないスケジュールを組むようにしていた。しかしながら、HCが、STAからの要求で、帯域確保の命令が成功する前に、チャンネル測定のスケジュールを行い、チャンネル測定命令を送信し、その後に帯域確保が成功する場合も考えられる。
このような場合には、HCは、帯域確保の時間を優先させることが好ましい。なぜなら、帯域確保することによってデータを安定して送受信しなければならず、帯域確保を行うことがチャンネル測定よりも優先度が高いからである。そこで、HCは、すでに送信しているチャンネル測定命令をキャンセルすることを示すフレームを送信するか、もしくは、帯域確保された時間になったら、CF−Pollを送信する。STAは、キャンセル命令を受信したら、チャンネル測定をやめる。もしくは、STAは、チャンネル測定時間の帰還に少しでも入るようなCF−Pollを受信したら、チャンネル測定がキャンセルされたものとみなして、チャンネル測定を行わずに、CF−Pollに示された時間に従ってデータを送信する。この場合、STAは、チャンネル測定結果を返信する必要がない。STAは、チャンネル測定を失敗した、できなかった、拒否したなどのエラーでHCに対して報告を行っても良い。
たとえば、第3の実施形態のように、データの送受信をしている局の情報を取得する場合、UplinkやDownlinkでの送受信局のアドレスを取得することで、同様の動作をすることができる。また、第4の実施形態などのように、DLP情報を使用しない場合、上記実施の形態をUpLinkやDownLinkにも、そのまま適用することができる。
また、上記各実施形態では、IEEE802.11における無線通信での例を示したが、IEEE802.11に限定されることなく、チャンネル変更を伴う全ての通信に適用されることは、言うまでもない。
さらに、無線機器に限らず、通信機器であればどのような機器にでも適用可能であることは言うまでもない。
たとえば、IEEE1394のように、Isochronous伝送とAsync伝送の両方を持ち、通信論理チャンネルを持っているような通信プロトコルにおいても、上記実施形態を適用することができる。たとえば、Isochronous伝送をTXOP期間、Async伝送をDCF期間、通信論理チャンネルを無線チャンネルと考えると、上記実施形態と同じようなことが考えられる。ただし、有線接続なので、直接通信(DLP)という概念はない。
また、上記チャンネルは、通信経路であるといえるため、インターネット網における、ルーティング規則というふうに当てはめることができる。例えば、第8の実施形態の場合、ストリームを送受信している場合は、通信経路を変更することによって映像の乱れがおこるかもしれないので、ストリームを送受信している間は、ルーティング規則を変更しないようにする。
また、通信経路中のそれぞれのノードは、上記に示した通信局と同様の構成であってもよい。これにより、ノードは、中央管理局からの通信経路の変更命令を受信でき、自身が接続しているどの通信局に対してデータを中継すればよいかを判断することができる。また、中央管理局からの通信経路変更命令などの各種命令は、通信経路上に送信され、通信経路上の中継する通信局で解釈されてもよい。さらに、中央管理局は、通信経路上の通信局を把握し、通信経路上の任意の通信局に対して、経路変更のための命令を送信することをしてもよい。そうすることにより、通信経路上の任意の通信局からの通信経路を変更することができる。
また、上記実施形態でのチャンネル測定でのスケジューリングでは、どのチャンネルを測定するかという点には詳細に説明していない。どのチャンネルを測定するかは、どのようなアルゴリズムを使用しても良い。例えば、第2通信局は、必ずZチャンネルを測定しに行くようにしても良いし、順番に測定するようにしても良い。また、同じ時間に測定にいく通信局は、必ず異なるチャンネルを測定させるようにしても良いし、同じチャンネルを測定するようなことをしても良い。
また、W,X,Y,Zのチャンネルを使用するとして説明したが、もちろん、使用できるチャンネルは、4チャンネルのみである必要はないし、異なる名前でも良い。
また、通信チャンネルを4チャンネルの中から1チャンネルを選ぶような構成としたが、通信部が複数のチャンネルに対応していたり、同時に複数のチャンネルを選択できるような構成であってもよい。そのような場合においても、上記実施形態を適用することが可能である。
さらに、第9の実施形態の除く形態では、CF−Pollは送信権を与えるときに各通信局に対して別々に送付されていた。また、チャンネル測定命令は、随時、各通信局に対して別々に送付されていた。しかしながら、TXOPスケジュール表やチャンネル測定スケジュール表を同時に送付したり、ブロードキャストなどを用いて、全ての通信局に対して通知をするようなことをしてもよい。
さらに、上記実施形態では、分かりやすいように時間の単位を分単位で説明を行ったが、この単位は、実際の通信に即したものでよい。
上記のようなシステムを利用する応用例として、無線AV伝送を行う、ビデオ機器やテレビ、PC、ホームシアターシステムなどがあげられる。また、IP電話など特定の帯域を利用するもの、トランシーバーのような直接通信を行うものなども考えられる。また、それらのシステムに上述した通信局や中央管理局が内蔵されていてもよいし、アダプタのような形で接続されるような形態をとってもよい。
また、中央管理局と通信局とは、常に一定でなくてもよく、そのときの状況に応じて入れ替わったりしてもよい。そのような場合には、お互いに持っている情報を交換することが望ましい。
また、中央管理局も通信局となって、データの送受信などを行ってもよい。上記にあげた応用例は、一例であり、通信を行う全ての機器に適応できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、中央管理局1,1’または通信局2,2’,2”の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、中央管理局1,1’または通信局2,2’,2”は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである中央管理局1,1’または通信局2,2’,2”の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記AVデータ再生装置10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、中央管理局1,1’または通信局2,2’,2”を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。
本発明の管理装置は、通信装置との間でデータの送受信を行うとともに、前記通信装置が複数の通信経路を使用することができる管理装置であって、前記通信装置に対して、通信経路の変更を行わせるか否かを判断し、行わせると判断した場合に、通信経路の変更命令を行う通信経路変更判定手段および通信経路変更手段を備え、前記通信経路変更手段は、少なくとも前記通信装置がデータの送受信を行っている期間、該通信装置に対して、通信経路の変更を行わせないと判断する。
上記の構成によれば、通信経路変更手段は、少なくとも通信装置がデータの送受信を行っている期間、該通信装置に対して、通信経路の変更を行わせない。これにより、通信装置は、データの送受信を行っている間、通信経路を変更することがなくなる。よって、該通信装置は、データの送受信に支障をきたすことがなくなり、より安全にデータを送信することができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置に対して、独占的にデータを送信できる送信権を付与する送信権付与手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、少なくとも前記送信権付与手段が付与した送信権の期間、送信権を付与した通信装置に対して、通信経路の変更を行わせない。
上記の構成によれば、通信装置は、送信権の期間、通信経路が変更されることがなくなり、通信経路の変更に伴うデータの送受信が途切れることがない。これにより、通信装置は、付与された送信権の期間内に、データの送信を終了させることができ、他の通信装置がデータを送信する時間がさらに限定されることもない。そのため、無駄な通信がなくなる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置が複数であり、前記送信権付与手段が送信権を付与した通信装置の通信先に関する通信先情報を取得する通信先情報取得手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記通信先情報取得手段が取得した通信先情報を基に、少なくとも前記送信権付与手段が付与した送信権の期間、送信権を付与した通信装置の通信先に対して、通信経路の変更を行わせないと判定する。
上記の構成によれば、送信権を付与した通信装置の通信先においても、送信権の期間、通信経路が変更されることがなくなり、途切れることなくデータを受信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置が複数であり、前記通信経路変更判定手段は、少なくとも前記送信権付与手段が付与した送信権の期間、全ての通信装置に対して通信経路の変更を行わせないと判定する。
上記の構成によれば、少なくとも送信権の期間、全ての通信装置が同一の通信経路を使用することとなる。そのため、送信権の期間、途切れることなくデータを受信し続けることができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置におけるデータの送受信状況に関する通信状況情報を取得する通信状況情報取得手段を備え、前記通信経路変更判定手段は、前記通信状況情報取得手段が取得した通信状況情報を基に、通信経路の変更を行わせるか否かを判定する。
上記の構成によれば、通信装置は、データの送受信を行っている間、より確実に通信経路の変更命令を受けることがなくなり、データの送受信が途切れることが一層なくなる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置が複数であり、前記通信状況情報が、通信装置同士で直接通信を行っている否かを示す直接通信情報であり、前記通信経路変更判定手段は、前記直接通信情報を基に、直接通信を行っている通信装置に対して、無線チャンネルの変更を行わせないと判定する。
通信装置同士で直接通信が行われる場合、管理装置は、その直接通信に関わらないため、いずれの通信装置が直接通信を行っているか把握できない。そのため、直接通信をしている通信装置が無線チャンネルの変更命令を受け、データの送受信が途切れるおそれがあった。
しかしながら、上記の構成によれば、直接通信によりデータの送受信を行う通信装置は、通信チャンネルを変更することがなくなる。よって、該通信装置は、直接通信を行う間、より安全にデータフレームを送信することができる。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置に対して、独占的にデータを送信できる送信権を付与する送信権付与手段を備え、前記送信権付与手段は、前記通信経路変更手段が通信装置に対して変更命令を行う期間以外の期間に、該通信装置に対して送信権を付与する。
上記の構成によれば、送信権の期間と、通信経路の変更命令を行う期間とが重なることがない。これにより、送信権の期間において、通信装置は、通信経路を変更することがなくなる。よって、該通信装置は、より安全にフレームを送信することができるという効果を奏する。
さらに、本発明の管理装置は、上記の構成に加えて、前記通信装置が複数であり、前記通信経路変更手段は、全ての通信装置に対して、一斉に通信経路の変更命令を行う。
上記の構成によれば、通信経路変更手段は、全ての通信装置に対して、一斉に通信経路の変更命令を行う。そのため、通信経路の変更命令が行われていない期間において、全ての通信装置は、同一の通信経路を使用することとなる。これにより、通信装置間のデータの送受信が確実に行われる。
また、複数の通信装置のうち、特定の通信装置に対してのみ通信経路の変更命令を行う場合、どの通信装置に対して変更命令を行うかを決定する必要があるが、上記の構成によると、該決定を行う必要がなくなる。それゆえ、この決定に必要な情報を取得する必要がなくなる。
また、本発明の通信装置は、外部装置との間でデータの送受信を行い、複数の通信経路を用いることができる通信装置において、外部から通信経路の変更命令を受け、該変更命令に従うか拒否するかを判断する変更命令判断手段と、前記変更命令判断手段の判断に応じて、通信経路の変更を行う通信経路設定手段とを備え、前記判断手段は、少なくともデータの送受信を行う期間、前記変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、変更命令判断手段は、少なくともデータの送受信を行う期間、通信経路の変更命令を拒否する。これにより、データの送受信を行う期間、通信経路を変更することがなくなるため、途切れることなく、データを送受信することができる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、独占的にデータを送信できる送信権を取得する送信権取得手段を備え、前記変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権取得手段が取得した送信権の期間、前記変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権取得手段が取得した送信権の期間、前記変更命令を拒否する。そのため、送信権の期間、通信経路を変更しなくてよいでの、通信経路の変更に伴うデータの送受信が途切れることがない。これにより、付与された送信権の期間内に、データの送信が完了し、他の通信装置におけるデータを送信する時間がさらに限定されることもない。そのため、無駄な通信がなくなる。
また、送信権が付与された場合、動画データ等のストリームを送信することが多い。このとき、通信チャンネルが変更されないため、該ストリームが途切れることがなくなる。これにより、ユーザの視聴に支障をきたすことがなくなる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、前記送信権取得手段は、将来送信権を取得することができる旨を通知する予告通知を取得し、前記変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権取得手段が予告通知を取得したときから前記送信権の終了まで、前記変更命令を拒否する。
上記の構成によれば、送信権が付与される前から変更命令を拒否するため、通信経路を変更している間に、送信権を取得するということがなくなる。これにより、より一層効率的なデータの送受信が可能となる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、データの送受信を行う前記外部装置が独占的にデータを送信できる送信権を取得した場合、前記変更命令判断手段は、少なくとも前記送信権の期間、前記変更命令を拒否する。
しかしながら、上記の構成によれば、データの送受信を行う前記外部装置が独占的にデータを送信できる送信権を取得した場合、前記変更命令判断手段は、少なくとも送信権の期間、変更命令を拒否する。これにより、送信権が付与された他の通信装置から送信されるデータを途切れることなく受信することができる。特に、送信されるデータがAVデータ等である場合、ユーザは、途切れることなく画像・音声等を視聴することができる。
さらに、本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、前記外部装置が、他の通信装置と、前記変更命令を送信する管理装置とを含み、前記他の通信装置に対してデータの送受信を行う場合、通信方法として、前記管理装置を介して通信を行う方法と、前記管理装置を介さずに直接通信を行う方法とを選択する直接通信選択手段を備え、前記変更命令判断手段は、前記直接通信選択手段が直接通信を行う方法を選択した場合、前記変更命令を拒否する。
上述したように、他の通信装置との直接通信の場合、管理装置は、該直接通信に関わることがないため、直接通信を行っている装置を特定できない。そのため、通信装置は、直接通信を行っている場合、管理装置から通信経路の変更命令を受け、直接通信が出来なくなるという問題がある。
しかしながら、上記の構成によれば、変更命令判断手段は、前記直接通信選択手段が直接通信を行う方法を選択した場合、前記変更命令を拒否する。つまり、通信経路設定手段は、直接通信選択手段が直接通信を行う方法を選択した場合、通信経路の変更を行わない。これにより、直接通信を行っている場合であっても、データの送受信が途切れるということがなくなる。よって、より安全にデータを送受信することができる。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信経路を使用することのできる通信装置と、該通信装置に対して通信経路の変更命令を行う管理装置とを含む通信システムで用いられる通信管理方法であって、前記管理装置は、少なくとも前記通信装置がデータの送受信を行っている期間、該通信装置に対して、通信経路の変更命令を行わない。
上記の方法によれば、管理装置は、データの送受信を行う通信装置に対して、通信経路の変更命令を行わない。これにより、データの送受信が途中で途切れることがなく、該送受信に支障をきたすことがない。
また、本発明に係る通信管理方法は、複数の通信経路を使用することのできる通信装置と、該通信装置に対して通信経路の変更命令を行う管理装置とを含む通信システムで用いられる通信管理方法であって、前記通信装置は、データの送受信を行う場合に、前記変更命令を拒否する。
上記の方法によれば、通信装置は、データの送受信を行う場合に、前記変更命令を拒否する。これにより、データの送受信が途中で途切れることがなく、該送受信に支障をきたすことがない。