JP4311263B2 - 偏光分離素子を用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

偏光分離素子を用いた光ピックアップ装置 Download PDF

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Description

本発明は、有限系光ビームを光ディスクに照射し、反射された光ビームによって光ディスクが保持するデジタル信号の検出を行う光ピックアップ装置、および該装置に使用される偏光分離素子に関する。
従来より、多くの光ピックアップ装置においては、偏光方向によって光を透過または反射させる機能を有する偏光分離素子(PBS)が使用されている。例えば、図13に示す光ピックアップ装置の光学系の概念図では、光源51から射出する光が偏光分離素子にp偏光で入射するように配置する。偏光分離素子52に入射したp偏光はほぼ100%透過し、波長板53を透過し対物レンズ54によって集束されて光ディスク55に到達する。反射によって得られた信号光は、再び対物レンズ54及び波長板53を経て偏光分離素子52に入射する。この信号光は、波長板を2回通過することによって、s偏光になっているので今度は反射され、検出器56に達し、光ディスクが保持する信号が検出される。PBS52は一般に偏光分離膜57が2個の透明多面体(プリズム)で挟持されてなっている。
そのような従来の有限光学系において光源51から射出された光は発散角(広がり角)をもってPBS52に入射する。またPBS52に入射される光の透過率(反射率)は偏光分離膜57に対する入射角によって変動することが知られている。そのため、従来においては、光の有効利用の観点から、入射されたほとんど全ての光が透過するように、偏光分離膜を設計していた。例えば、入射角度が最も小さくなるか、または大きくなる、入射光スポットの周縁部の光であっても、反射しないように、偏光分離膜を設計していた。
一方、光ピックアップ装置においては、光源の出力を安定化させるために、光源から射出された光の強さ(光量)をモニターし、その情報に基づいて光源の出力を制御するオートパワーコントロールが一般的に行われている。従来のオートパワーコントロールにおいてモニター光は、以下に示す方法で取り出されている;
(1)光源51の裏側(後ろ側)から射出光の一部を取り出す方法;
(2)光路の途中においてハーフミラーなどを設置して射出光の一部を取り出す方法;
(3)PBSの一部に反射膜を別途、設けて射出光の一部を取り出す方法(特許文献1および2参照);
(4)PBSにおける偏光分離膜の一部を故意に設けずに、当該部分を通った光を取り出す方法;
等が挙げられる。
特開2001-344804号公報 特開2002-100069号公報
しかしながら、上記(1)の方法では、光源として青色レーザーダイオード(以下、青色LDという)等の光量が比較的小さいものを使用した場合、光損失が無視できなくなるので、全体としての光量が十分でない。また上記(2)〜(4)の方法では、構造が複雑で、製造が煩雑になるので、製造コストが増大する。
本発明は、光源として青色LDを使用しても十分な光量を確保しながらオートパワーコントロールを実施可能であり、しかも構造が比較的単純で、製造コストを低減可能な光ピックアップ装置、および該装置に使用される偏光分離素子を提供することを目的とする。
本発明は、
有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
光ビームを射出する光源と、
前記反射光を受光する光検出器と、
入射するp偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、p偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したp偏光を一部反射させ且つその他の入射角で入射したp偏光をほぼ100%透過させる特性を有するとともに、s偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の反射率特性を有し、
前記光モニターは、前記偏光分離素子で反射したp偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置に関する。

本発明はまた、
有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
光ビームを射出する光源と、
前記反射光を受光する光検出器と、
入射するs偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、s偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したs偏光を一部反射させ且つその他の入射角で入射したs偏光をほぼ100%透過させる特性を有するとともに、p偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の反射率特性を有し、
前記光モニターは、前記偏光分離素子で反射したs偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置に関する。
本発明の光ピックアップ装置は、偏光分離素子に入射される光ビームスポットの周縁部における一部の光を反射または透過によって取り出してモニターするので、オートパワーコントロールに伴う光損失を最小限に抑えることができ、結果として十分な光量を確保できる。そのため、本発明は光源として青色LD等の光量が比較的小さいものを使用した場合に特に有効である。
また本発明の光ピックアップ装置は、入射された光ビームスポットの周縁部における一部の光を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出してモニターするので、反射膜やミラー等の設置は必要とせず、また偏光分離膜の一部を設けないようにする作業等を行う必要もない。よって、構造が比較的単純で、製造時の煩雑さが解消され、結果として製造コストを低減できる。
本発明の光ピックアップ装置は、有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離しつつ、反射光によって光ディスクが保持するデジタル信号の検出を行うものであり、新たな構成部品を用いることなく、偏光分離素子に入射角度依存性を持たせることによって、該偏光分離素子からモニター光を取り出して光源のオートパワーコントロールを行うことを特徴とする。
本明細書中、入射角度依存性とは、偏光分離素子が有する偏光分離膜に対する入射角の大きさによって反射率や透過率が変化することを利用して、入射された光ビームの周縁光の一部、すなわち最大または最小の入射角近傍で入射した光に、他の光とは異なる挙動を採らしめる特性をいう。詳しくは、例えば、入射光がp偏光のときは、最大または最小の入射角近傍で入射したp偏光を反射させ、その他のp偏光を透過させ得る特性を意味する。また例えば、入射光がs偏光のときは、最大または最小の入射角近傍で入射したs偏光を透過させ、その他のs偏光を反射させ得る特性を意味する。
また入射された光ビームの周縁光とは、偏光分離素子に入射された光ビームが当該素子の偏光分離膜を照射して形成される略楕円形状のビームスポットのうち周縁領域の光を意味するものとする。本発明においてはそのような周縁光のうち、偏光分離膜に対する入射角が最大値または最小値近傍の光が取り出され、モニターされる。
(第1実施形態)
本発明の光ピックアップ装置の第1実施形態を図1を用いて説明する。図1(A)は光ピックアップ装置の概略構成図を示している。図1(A)の装置は、光ビームを射出する光源1、光ディスク5によって反射された光ビームを受光する光検出器6、光ビームを、光源1から光ディスク5に至る往路光学系と、光ディスク5から光検出器6に至る復路光学系とに分離する偏光分離素子2、該偏光分離素子によって取り出された光の光量をモニターする光モニター8、光ビームの偏光方向を変える波長板3、および光ビームを集束する対物レンズ4を有してなっている。所望により有限系ビームをコリメータ光に変換するコリメータレンズ9を有していてもよい。
図1(A)において光源1から射出された有限系光ビームは偏光分離素子2にp偏光で入射してその中を透過する。偏光分離素子2を透過した光ビーム(p偏光)は、所望により、コリメータレンズ9によってコリメータ光となり、その後、波長板3を通過し、対物レンズ4によって光ディスク5上に集束される。光ディスク5によって反射された信号光としての復路の光ビームは、再び対物レンズ4、波長板3およびコリメータレンズ9を経て、偏光分離素子2に入射される。偏光分離素子2に復路で入射される光ビームは波長板3を2回通過することによって既にs偏光に変換されているため、当該偏光分離素子2よって分離(反射)され、検出器6に入射される。光検出器6では入射光を電気信号に変換し、光ディスクが保持する信号を検出する。
対物レンズで集束する光スポット径は、光ディスク5に記録されたピットサイズに対応したものでなければならない。同じNAのレンズを使う場合、使用する波長が短い方が小さいスポットを形成できる。ここでは、光源1として波長405nmの青色レーザーダイオード(以下、青色LD)を用いている。
本実施形態においては、偏光分離素子2中、光源1から入射されたほとんどの光ビーム(p偏光)が透過する一方で、偏光分離素子2に入射角度依存性を持たせているので、入射された光ビームの周縁光の一部が偏光分離膜に対する入射角に基づいて反射により取り出され、光モニター8に導かれるようになっている。すなわち、従来より、入射される光ビームの透過率(反射率)は偏光分離膜7に対する入射角によって変化することが知られており、入射された全ての光が透過するように偏光分離膜が調整されていたが、図1(A)においては最小の入射角α近傍の光が反射され、モニター光として利用される。図1(A)中、βは最大の入射角である。
そのように最小の入射角α近傍の光を反射させる偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を図1(B)に示す。図1(B)は、入射角を最小のαから最大のβまで変化させると、s偏光は一定して反射率ほぼ100%を維持するが、p偏光は入射角に依存して反射率が変化することを示している。このようにp偏光はその光ビームスポットにおける周縁部の一部、すなわち最小入射角α近傍のみにおいて反射を示すので、当該反射光をモニター光として利用することにより、十分な光量を確保しながらオートパワーコントロールを有効に実施できる。p偏光の反射率が0になるときの入射角x1および入射角αのときの反射率y1、それぞれの値は特に制限されるものではないが、光量の確保とオートパワーコントロールの有効実施の観点から、x1は40〜43°、特に41〜42°であり、y1は10〜50%、特に20〜30%であることが好ましい。
本実施形態における偏光分離膜7の薄膜構成は、上記図1(B)のような入射角−反射率曲線を示す限り、各層の構成材料、屈折率および厚みならびに層の合計数は特に制限されない。例えば、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、以下の特徴を有する多層薄膜が挙げられる;
(1-1)高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差が0.4以上、特に0.5以上である;屈折率差が0.4より小さいと、入射角に対するs偏光の反射帯域とp偏光の透過帯域が近づくので、分離が不十分となり、好ましくない。
(1-2)層の合計数が30以上、特に40以上である;層数が30より少ないと十分な立下りもしくは立ち上がり特性が得られないので、光量損失が大きくなり、好ましくない。
(1-3)各層の厚さは適宜設定されてよいが、通常いずれも20〜300nm、好ましくは30〜200nmである。
(第2実施形態)
本発明の光ピックアップ装置の第2実施形態を図2を用いて説明する。第2の実施形態の装置は、最大の入射角近傍の光が反射され、モニター光として利用されること、およびそれに伴い、図2(A)に示すように光源1、偏光分離素子2、光検出器6および光モニター8が配置されること以外、図1(A)に示す装置と同様である。図2(A)において、図1(A)と同じ符号は、特記しない限り、同じ部材を示すものとし、それらの説明を省略する。
本実施形態においては、偏光分離素子2中、光源1から入射されたほとんどの光ビーム(p偏光)が透過する一方で、偏光分離素子2に入射角度依存性を持たせているので、入射された光ビームの周縁光の一部が偏光分離膜に対する入射角に基づいて反射により取り出され、光モニター8に導かれるようになっている。すなわち、図2(A)においては最大の入射角β近傍の光が反射され、モニター光として利用される。図2(A)中、αは最小の入射角である。
そのように最大の入射角β近傍の光を反射させる偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を図2(B)に示す。図2(B)は、入射角を最小のαから最大のβまで変化させると、s偏光は一定して反射率ほぼ100%を維持するが、p偏光は入射角に依存して反射率が変化することを示している。このようにp偏光はその光ビームスポットにおける周縁部の一部、すなわち最大入射角β近傍のみにおいて反射を示すので、当該反射光をモニター光として利用することにより、十分な光量を確保しながらオートパワーコントロールを有効に実施できる。p偏光の反射率が増大し始めるときの入射角x2および入射角βのときの反射率y2、それぞれの値は特に制限されるものではないが、光量の確保とオートパワーコントロールの有効実施の観点から、x2は47〜50°、特に48〜49°であり、y2は10〜50%、特に20〜30%であることが好ましい。
上記のような偏光分離素子2の構成は、偏光分離膜7が最大の入射角近傍の光を反射するように形成されること以外、図1(A)の偏光分離素子と同様である。
本実施形態における偏光分離膜7の多層薄膜構成は、上記図2(B)のような入射角−反射率曲線を示す限り、各層の構成材料、屈折率および厚みならびに層の合計数は特に制限されない。例えば、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、第1実施形態と同様の特徴(1-1)〜(1-3)を有する多層薄膜が挙げられる。(1-1)〜(1-3)の特徴は記載の範囲内で適宜選択されればよい。
(第3実施形態)
本発明の光ピックアップ装置の第3実施形態を図3を用いて説明する。図3(A)は光ピックアップ装置の概略構成図を示している。図3(A)の装置は、偏光分離素子22中、光源1から入射されたほとんどの光ビーム(s偏光)が反射する一方で、偏光分離素子22に入射角度依存性を持たせているので、入射された光ビームの周縁光の一部が偏光分離膜に対する入射角に基づいて透過により取り出され、光モニター8に導かれるようになっていること以外、図1(A)に示す装置と同様である。図3(A)において、図1(A)と同じ符号は、特記しない限り、同じ部材を示すものとし、それらの説明を省略する。
図3(A)において光源1から照射された有限系光ビームは偏光分離素子22にs偏光で入射して偏光分離膜27によって反射する。反射された光ビーム(s偏光)は、所望により、コリメータレンズ9によってコリメータ光となり、その後、波長板3を通過し、対物レンズ4によって光ディスク5上に集束される。光ディスク5によって反射された信号光としての復路の光ビームは、再び対物レンズ4、波長板3およびコリメータレンズ9を経て、偏光分離素子22に入射される。偏光分離素子22に復路で入射される光ビームは波長板3を2回通過することによって既にp偏光に変換されているため、当該偏光分離素子2よって分離(透過)され、検出器6に入射される。光検出器6では入射光を電気信号に変換し、光ディスクが保持する信号を検出する。
本実施形態においては、偏光分離素子22中、光源1から入射されたほとんどの光ビーム(s偏光)が反射する一方で、偏光分離素子22に入射角度依存性を持たせているので、入射された光ビームの周縁光の一部が偏光分離膜27に対する入射角に基づいて透過により取り出され、光モニター8に導かれるようになっている。すなわち、従来より、入射される光ビームの透過率(反射率)は偏光分離膜27に対する入射角によって変化することが知られており、入射された全ての光が反射するように偏光分離膜が調整されていたが、図3(A)においては最小の入射角α近傍の光が透過され、モニター光として利用される。図3(A)中、βは最大の入射角である。
そのように最小の入射角α近傍の光を透過させる偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を図3(B)に示す。図3(B)は、入射角を最小のαから最大のβまで変化させると、p偏光は一定して反射率ほぼ0%を維持するが、s偏光は入射角に依存して反射率が変化することを示している。このようにs偏光はその光ビームスポットにおける周縁部の一部、すなわち最小入射角α近傍のみにおいて透過を示すので、当該透過光をモニター光として利用することにより、十分な光量を確保しながらオートパワーコントロールを有効に実施できる。s偏光の反射率が100%になるときの入射角x3および入射角αのときの反射率y3、それぞれの値は特に制限されるものではないが、光量の確保とオートパワーコントロールの有効実施の観点から、x3は40〜43°、特に41〜42°であり、y3は50〜90%、特に70〜80%であることが好ましい。
本実施形態における偏光分離膜27の多層薄膜構成は、上記図3(B)のような入射角−反射率曲線を示す限り、各層の構成材料、屈折率および厚みならびに層の合計数は特に制限されない。例えば、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、第1実施形態と同様の特徴(1-1)〜(1-3)を有する多層薄膜が挙げられる。(1-1)〜(1-3)の特徴は記載の範囲内で適宜選択されればよい。
(第4実施形態)
本発明の光ピックアップ装置の第4実施形態を図4を用いて説明する。第4の実施形態の装置は、最大の入射角近傍の光が透過され、モニター光として利用されること、およびそれに伴い、図4(A)に示すように光源1、偏光分離素子22、光検出器6および光モニター8が配置されること以外、図3(A)に示す装置と同様である。図4(A)において、図3(A)と同じ符号は、特記しない限り、同じ部材を示すものとし、それらの説明を省略する。
本実施形態においては、偏光分離素子22中、光源1から入射されたほとんどの光ビーム(s偏光)が反射する一方で、偏光分離素子22に入射角度依存性を持たせているので、入射された光ビームの周縁光の一部が偏光分離膜に対する入射角に基づいて透過により取り出され、光モニター8に導かれるようになっている。すなわち、図4(A)においては最大の入射角β近傍の光が透過され、モニター光として利用される。図4(A)中、αは最小の入射角である。
そのように最大の入射角β近傍の光を透過させる偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を図4(B)に示す。図4(B)は、入射角を最小のαから最大のβまで変化させると、p偏光は一定して反射率ほぼ0%を維持するが、s偏光は入射角に依存して反射率が変化することを示している。このようにs偏光はその光ビームスポットにおける周縁部の一部、すなわち最大入射角β近傍のみにおいて透過を示すので、当該透過光をモニター光として利用することにより、十分な光量を確保しながらオートパワーコントロールを有効に実施できる。s偏光の反射率が低下し始めるときの入射角x4および入射角βのときの反射率y4、それぞれの値は特に制限されるものではないが、光量の確保とオートパワーコントロールの有効実施の観点から、x4は47〜50°、特に48〜49°であり、y4は50〜90%、特に70〜80%であることが好ましい。
上記のような偏光分離素子22の構成は、偏光分離膜27が最大の入射角近傍の光を透過するように形成されること以外、図3(A)の偏光分離素子と同様である。
本実施形態における偏光分離膜27の多層薄膜構成は、上記図4(B)のような入射角−反射率曲線を示す限り、各層の構成材料、屈折率および厚みならびに層の合計数は特に制限されない。例えば、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、第1実施形態と同様の特徴(1-1)〜(1-3)を有する多層薄膜が挙げられる。(1-1)〜(1-3)の特徴は記載の範囲内で適宜選択されればよい。
上記図1(B)、図2(B)、図3(B)および図4(B)ではp偏光またはs偏光の一方において最小または最大のいずれかの入射角近傍で反射または透過が起こっているが、本発明は光検出器において十分な光量が得られる限り、それらに制限されるものではなく、それらの反射または/および透過が複合的に起こることを妨げるものではない。
(実施例1)
表1に示す構成の多層薄膜を真空蒸着法により形成し、当該多層薄膜が2個の透明多面体(屈折率1.52)で挟持された偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図1(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図5の特性が得られた。なお、使用する光源の波長は405nmであり、光の拡がり角は6°である。また、PBSの材料はBK7であり、その屈折率は1.52である。これらの条件は図6〜図12まで同じである。
(実施例2)
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと以外、実施例1と同様の方法で偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図2(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図6の特性が得られた。
(実施例3)
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと以外、実施例1と同様の方法で偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図3(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図7の特性が得られた。
(実施例4)
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと以外、実施例1と同様の方法で偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図4(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図8の特性が得られた。
(実施例5)
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと、およびTiO2の代わりにLaAlO3(n=1.9)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で、偏光分離素子および光ピックアップ装置を製造した。この節で図9の特性が得られた。図9によれば、P偏光42°の反射率立下りをモニタ光に利用でき、一方P偏光の反射率は42°近傍を除けばほぼゼロなので、効率よい利用が可能である。
(比較例1)
表2に示す構成の多層薄膜を形成したところ、図10の特性が得られた。図10によれば、S偏光48°の反射率立下りをモニタ光に利用できるものの、P偏光は42°近傍でもれ光(反射光)が生じるので、光量損失が大きい。これは、低屈折率層と高屈折率層の屈折率差が0.3と小さいため、S偏光の反射帯域とP偏光の透過帯域が近づいているためと考えられる。
(比較例2)
表3に示す構成の多層薄膜を形成したところ、図11の特性が得られた。図11によれば、S偏光48°の反射率立下りをモニタ光に利用できるものの、P偏光は42°近傍でもれ光(反射光)が生じるので、光量損失が大きい。比較例1に比べて層数を増やしたが、S偏光の反射帯域とP偏光の透過帯域の分離がまだ不十分である。
(比較例3)
表4に示す構成の多層薄膜を形成したところ、図12の特性が得られた。図12によれば、S偏光48°の反射率立下りをモニタ光に利用できるものの、P偏光は42°近傍でもれ光(反射光)が生じるので、光量損失が大きい。これは層数が25層と少ないので、P偏光の反射率が立ち上がりがなだらかになっているためと考えられる。
Figure 0004311263
Figure 0004311263
Figure 0004311263
Figure 0004311263
反射率特性
図5〜図12において(A)は、偏光分離膜に対する入射角が42°、45°および48°のときのp偏光およびs偏光の波長−反射率曲線を示している。(B)はp偏光およびs偏光の入射角−反射率曲線を示している。
(A)は本発明の第1実施形態の光ピックアップ装置の概略構成図を示し、(B)は(A)の装置に使用される偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を示す。 (A)は本発明の第2実施形態の光ピックアップ装置の概略構成図を示し、(B)は(A)の装置に使用される偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を示す。 (A)は本発明の第3実施形態の光ピックアップ装置の概略構成図を示し、(B)は(A)の装置に使用される偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を示す。 (A)は本発明の第4実施形態の光ピックアップ装置の概略構成図を示し、(B)は(A)の装置に使用される偏光分離素子の入射角−反射率曲線の一例を示す。 (A)および(B)は実施例1の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は実施例2の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は実施例3の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は実施例4の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は実施例5の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は比較例1の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は比較例2の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 (A)および(B)は比較例3の偏光分離素子の反射率特性を示す曲線である。 従来の光ピックアップ装置の概念図を示す。
符号の説明
1:光源、2:22:偏光分離素子、3:波長板、4:対物レンズ、5:光ディスク、6:光検出器、7:27:偏光分離膜、8:光モニター、9:コリメータレンズ、51:光源、52:偏光分離素子、53:波長板、54:対物レンズ、55:光ディスク、56:光検出器、57:偏光分離膜。

Claims (4)

  1. 有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
    光ビームを射出する光源と、
    前記反射光を受光する光検出器と、
    入射するp偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
    前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
    前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
    前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、p偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したp偏光を一部反射させ且つその他の入射角で入射したp偏光をほぼ100%透過させる特性を有するとともに、s偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の反射率特性を有し、
    前記光モニターは、前記偏光分離素子で反射したp偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置
  2. 有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
    光ビームを射出する光源と、
    前記反射光を受光する光検出器と、
    入射するs偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
    前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
    前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
    前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、s偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したs偏光を一部透過させ且つその他の入射角で入射したs偏光をほぼ100%反射させる特性を有するとともに、p偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の透過率特性を有し、
    前記光モニターは、前記偏光分離素子で透過したs偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置
  3. 偏光分離膜が高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、層の合計数が30以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置
  4. 偏光分離膜が高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差が0.4以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置
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