JP4311263B2 - 偏光分離素子を用いた光ピックアップ装置 - Google Patents
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Description
(1)光源51の裏側(後ろ側)から射出光の一部を取り出す方法;
(2)光路の途中においてハーフミラーなどを設置して射出光の一部を取り出す方法;
(3)PBSの一部に反射膜を別途、設けて射出光の一部を取り出す方法(特許文献1および2参照);
(4)PBSにおける偏光分離膜の一部を故意に設けずに、当該部分を通った光を取り出す方法;
等が挙げられる。
有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
光ビームを射出する光源と、
前記反射光を受光する光検出器と、
入射するp偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、p偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したp偏光を一部反射させ且つその他の入射角で入射したp偏光をほぼ100%透過させる特性を有するとともに、s偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の反射率特性を有し、
前記光モニターは、前記偏光分離素子で反射したp偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置に関する。
有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
光ビームを射出する光源と、
前記反射光を受光する光検出器と、
入射するs偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、s偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したs偏光を一部反射させ且つその他の入射角で入射したs偏光をほぼ100%透過させる特性を有するとともに、p偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の反射率特性を有し、
前記光モニターは、前記偏光分離素子で反射したs偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置に関する。
また本発明の光ピックアップ装置は、入射された光ビームスポットの周縁部における一部の光を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出してモニターするので、反射膜やミラー等の設置は必要とせず、また偏光分離膜の一部を設けないようにする作業等を行う必要もない。よって、構造が比較的単純で、製造時の煩雑さが解消され、結果として製造コストを低減できる。
また入射された光ビームの周縁光とは、偏光分離素子に入射された光ビームが当該素子の偏光分離膜を照射して形成される略楕円形状のビームスポットのうち周縁領域の光を意味するものとする。本発明においてはそのような周縁光のうち、偏光分離膜に対する入射角が最大値または最小値近傍の光が取り出され、モニターされる。
本発明の光ピックアップ装置の第1実施形態を図1を用いて説明する。図1(A)は光ピックアップ装置の概略構成図を示している。図1(A)の装置は、光ビームを射出する光源1、光ディスク5によって反射された光ビームを受光する光検出器6、光ビームを、光源1から光ディスク5に至る往路光学系と、光ディスク5から光検出器6に至る復路光学系とに分離する偏光分離素子2、該偏光分離素子によって取り出された光の光量をモニターする光モニター8、光ビームの偏光方向を変える波長板3、および光ビームを集束する対物レンズ4を有してなっている。所望により有限系ビームをコリメータ光に変換するコリメータレンズ9を有していてもよい。
(1-1)高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差が0.4以上、特に0.5以上である;屈折率差が0.4より小さいと、入射角に対するs偏光の反射帯域とp偏光の透過帯域が近づくので、分離が不十分となり、好ましくない。
(1-2)層の合計数が30以上、特に40以上である;層数が30より少ないと十分な立下りもしくは立ち上がり特性が得られないので、光量損失が大きくなり、好ましくない。
(1-3)各層の厚さは適宜設定されてよいが、通常いずれも20〜300nm、好ましくは30〜200nmである。
本発明の光ピックアップ装置の第2実施形態を図2を用いて説明する。第2の実施形態の装置は、最大の入射角近傍の光が反射され、モニター光として利用されること、およびそれに伴い、図2(A)に示すように光源1、偏光分離素子2、光検出器6および光モニター8が配置されること以外、図1(A)に示す装置と同様である。図2(A)において、図1(A)と同じ符号は、特記しない限り、同じ部材を示すものとし、それらの説明を省略する。
本発明の光ピックアップ装置の第3実施形態を図3を用いて説明する。図3(A)は光ピックアップ装置の概略構成図を示している。図3(A)の装置は、偏光分離素子22中、光源1から入射されたほとんどの光ビーム(s偏光)が反射する一方で、偏光分離素子22に入射角度依存性を持たせているので、入射された光ビームの周縁光の一部が偏光分離膜に対する入射角に基づいて透過により取り出され、光モニター8に導かれるようになっていること以外、図1(A)に示す装置と同様である。図3(A)において、図1(A)と同じ符号は、特記しない限り、同じ部材を示すものとし、それらの説明を省略する。
本発明の光ピックアップ装置の第4実施形態を図4を用いて説明する。第4の実施形態の装置は、最大の入射角近傍の光が透過され、モニター光として利用されること、およびそれに伴い、図4(A)に示すように光源1、偏光分離素子22、光検出器6および光モニター8が配置されること以外、図3(A)に示す装置と同様である。図4(A)において、図3(A)と同じ符号は、特記しない限り、同じ部材を示すものとし、それらの説明を省略する。
表1に示す構成の多層薄膜を真空蒸着法により形成し、当該多層薄膜が2個の透明多面体(屈折率1.52)で挟持された偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図1(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図5の特性が得られた。なお、使用する光源の波長は405nmであり、光の拡がり角は6°である。また、PBSの材料はBK7であり、その屈折率は1.52である。これらの条件は図6〜図12まで同じである。
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと以外、実施例1と同様の方法で偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図2(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図6の特性が得られた。
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと以外、実施例1と同様の方法で偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図3(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図7の特性が得られた。
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと以外、実施例1と同様の方法で偏光分離素子を製造した。得られた偏光分離素子を用いて図4(A)に示す光ピックアップ装置を製造した。この節で図8の特性が得られた。
表1に示す構成の多層薄膜を形成したこと、およびTiO2の代わりにLaAlO3(n=1.9)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で、偏光分離素子および光ピックアップ装置を製造した。この節で図9の特性が得られた。図9によれば、P偏光42°の反射率立下りをモニタ光に利用でき、一方P偏光の反射率は42°近傍を除けばほぼゼロなので、効率よい利用が可能である。
表2に示す構成の多層薄膜を形成したところ、図10の特性が得られた。図10によれば、S偏光48°の反射率立下りをモニタ光に利用できるものの、P偏光は42°近傍でもれ光(反射光)が生じるので、光量損失が大きい。これは、低屈折率層と高屈折率層の屈折率差が0.3と小さいため、S偏光の反射帯域とP偏光の透過帯域が近づいているためと考えられる。
表3に示す構成の多層薄膜を形成したところ、図11の特性が得られた。図11によれば、S偏光48°の反射率立下りをモニタ光に利用できるものの、P偏光は42°近傍でもれ光(反射光)が生じるので、光量損失が大きい。比較例1に比べて層数を増やしたが、S偏光の反射帯域とP偏光の透過帯域の分離がまだ不十分である。
表4に示す構成の多層薄膜を形成したところ、図12の特性が得られた。図12によれば、S偏光48°の反射率立下りをモニタ光に利用できるものの、P偏光は42°近傍でもれ光(反射光)が生じるので、光量損失が大きい。これは層数が25層と少ないので、P偏光の反射率が立ち上がりがなだらかになっているためと考えられる。
図5〜図12において(A)は、偏光分離膜に対する入射角が42°、45°および48°のときのp偏光およびs偏光の波長−反射率曲線を示している。(B)はp偏光およびs偏光の入射角−反射率曲線を示している。
Claims (4)
- 有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
光ビームを射出する光源と、
前記反射光を受光する光検出器と、
入射するp偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、p偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したp偏光を一部反射させ且つその他の入射角で入射したp偏光をほぼ100%透過させる特性を有するとともに、s偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の反射率特性を有し、
前記光モニターは、前記偏光分離素子で反射したp偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 有限系光ビームを偏光分離素子に入射させて、光ディスクへの照射光と光ディスクからの反射光とに分離する光ピックアップ装置であって、
光ビームを射出する光源と、
前記反射光を受光する光検出器と、
入射するs偏光の有限系光ビームの周縁光の一部を偏光分離膜に対する入射角に基づいて取り出し、光モニターに導く偏光分離素子と、
前記偏光分離素子によって導かれた前記周縁光の一部についての光量をモニターする光モニターと、
前記有限系光ビームの偏光方向を変える波長板と、
前記偏光分離素子からの前記有限系光ビームを集束する対物レンズと、を有し、
前記偏光分離素子は、前記光源の波長において、s偏光に対しては、最大又は最小の入射角近傍で入射したs偏光を一部透過させ且つその他の入射角で入射したs偏光をほぼ100%反射させる特性を有するとともに、p偏光に対しては、入射角の範囲においてほぼ100%の透過率特性を有し、
前記光モニターは、前記偏光分離素子で透過したs偏光の光ビームの周縁光のみをモニターすることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 偏光分離膜が高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、層の合計数が30以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
- 偏光分離膜が高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層してなり、高屈折率層と低屈折率層との屈折率の差が0.4以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
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