JP4311086B2 - カッター機構、及び、プリンタ - Google Patents

カッター機構、及び、プリンタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等に搭載されて用紙等の記録媒体を切断するカッター機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットヘッドやサーマルヘッドなどが搭載されたプリンタとしては、印刷後の記録媒体を所定の長さに切断するためのカッター機構が搭載されているものがある。
【0003】
このカッター機構は、記録媒体である用紙の排出路の下側位置において固定刃が用紙の幅方向に所定長さに亘って取り付けられ、その上側には固定刃に沿って移動可能なカッターキャリッジに円盤状の回転刃が取り付けられた構成となっている。
【0004】
そして、このカッターキャリッジの移動にともなって固定刃に沿って回転刃が移動することにより、これら固定刃と回転刃とによって用紙が幅方向に切断される。
【0005】
例えば、回転刃を支持するカッターキャリッジを固定刃に連結保持して固定刃に沿って移動させる構造としたカッター機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−52085号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたカッター機構は、回転刃を支持するカッターキャリッジを、固定刃を挟んで回転刃の反対側に位置する固定刃の裏側に配置された走行ガイド部と駆動手段とによって移動させる構造である。このような構造では、用紙の切断時にカッターキャリッジを移動させる力によって、該カッターキャリッジに支持された回転刃には、固定刃から離間させる方向の力が作用する。
【0008】
そこで、比較的厚い用紙を切断する際、カッターキャリッジは強い力で回転刃を固定刃側に押し付けなくてはならず、カッターキャリッジが大型化したり、カッターキャリッジを支持する走行ガイド部とカッターキャリッジとの間の負荷が大きくなり、カッターキャリッジの円滑な移動が困難になる可能性がある。
【0009】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、比較的厚い記録媒体でも容易に切断することができ、しかも、機構の簡略化、小型化が容易なカッター機構を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、長尺の固定刃と、該固定刃に沿って移動可能に支持されたカッターキャリッジと、該カッターキャリッジにおける前記固定刃の上面側で回転自在に支持された回転刃と、前記カッターキャリッジを移動させて前記固定刃上の記録媒体を前記回転刃によって切断させる駆動手段とを備えたカッター機構であって、前記カッターキャリッジが、前記固定刃の下面側に配設される案内支持部を有すると共に、前記駆動手段が、前記回転刃による前記記録媒体の切断箇所よりも上方に位置する動力接続部を介して、前記カッターキャリッジの変位を許容した状態で該カッターキャリッジに移動力を作用させており、前記案内支持部には、前記回転刃による前記記録媒体の切断箇所よりも切断時における移動方向後方側にて前記固定刃の下面に摺接する摺接部が設けられていることを特徴とするカッター機構により達成される。
【0011】
上記構成のカッター機構によれば、回転刃によって固定刃上の記録媒体を切断する際には、この切断箇所よりも上方に位置する動力接続部を介して、前記カッターキャリッジの変位を許容した状態で該カッターキャリッジに移動力が作用すると共に、該カッターキャリッジの移動方向後方側にて案内支持部の摺接部が固定刃の下面に支持される。
【0012】
そこで、切断時のカッターキャリッジには、摺接部と固定刃の下面との摺接箇所を支点とした回転力が生じ、この回転力は、回転刃自体を固定刃側に押し下げる力となるので、強い力で回転刃を固定刃側へ押し付ける必要がなく、駆動時の負荷が小さくなると共にカッターキャリッジを移動させる際の負荷も小さくでき、カッターキャリッジの円滑な移動が可能となる。
【0013】
又、切断時の回転刃には、固定刃側に押し下げる方向の力が作用し、回転刃自体が記録媒体の切断箇所へ移動することができるので、固定刃に対する回転刃の組付け精度を高精度にすることなく用紙を確実に切断することができ、コスト上昇を抑えることができる。
【0014】
尚、前記固定刃はプラテン上に固定され、前記駆動手段は、前記プラテンの上方にて前記記録媒体を横切る方向に移動しながら前記記録媒体に画像記録するインクキャリッジを有し、前記カッターキャリッジは、該カッターキャリッジの変位を許容した状態で前記インクキャリッジに係脱可能な係合手段を備え、該係合手段による前記インクキャリッジとの連結状態にて、このインクキャリッジの移動に伴って移動する構成が好ましい。
【0015】
この場合、カッターキャリッジを固定刃に沿って移動させる駆動手段を別個に設ける必要がなく、インクキャリッジの駆動力を利用することができるので、機構の簡略化、小型化を図ることができる。
【0016】
また、好ましくは前記案内支持部の摺接部には、前記固定刃との摩擦を低減する摩擦低減手段が設けられる。
【0017】
この場合、回転刃を固定刃側に押し下げる力の反力を受ける案内支持部の摺接部に、ころ等の転動体やフッ素樹脂等の低摩擦材からなる摩擦低減手段を設けることで、カッターキャリッジの更に円滑な移動が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るカッター機構を詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係るカッター機構を備えたプリンタの正面側から視た斜視図、図2は図1に示したプリンタの用紙搬送路近傍の構造を示す概略断面図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、プリンタ本体部1は、全体的な外観構造として、基部2の一端部に片持ち部4を介して画像記録部3が片持ち支持された構成となっている。そして、基部2と画像記録部3との間には、背面側から正面側に向かって記録媒体である用紙を搬送する用紙搬送路5が形成されている。
【0021】
この用紙搬送路5は、正面側開口5aと、背面側開口5bと、側面側開口5cと連通している。用紙搬送路5内に挿入された用紙は、背面側開口5b側から正面側開口5a側に向かう方向(以下、「用紙搬送方向」と呼ぶ)に搬送される。用紙は、正面側開口5a、背面側開口5b及び側面側開口5cの何れか一つの開口から用紙搬送路5内に挿入される。すなわち、プリンタ本体部1においては、用紙は、背面側からのみならず、正面側及び側面側からも用紙搬送路5内に挿入可能である。
【0022】
特に、手差し印刷を行う場合には、プリンタ本体部1は、側面側開口5cを介して、用紙搬送方向に垂直な方向から用紙搬送路5へ用紙を挿入することができる。つまり、プリンタ本体部1は、側面側開口5cを介して、基部2と画像記録部3との間の用紙搬送面に平行な方向から用紙搬送路5へ用紙が挿入可能に構成されている。
【0023】
次に、プリンタ本体1の内部構造について説明する。
【0024】
図2に示すように、背面側開口部5bから正面側開口5aに至る用紙搬送路5の下面は、主に紙案内部であるプラテン21によって構成されている。プラテン21は、基部2の上面を構成する板状部材であり、その上面21aがほぼ平らに構成されている。プラテン21と対向する用紙搬送路5の上面側には、上流側から順に用紙ガイド22、メイン用紙搬送ローラ23、インクキャリッジ25、カッター機構29、及び用紙先端検出器であるTOFレバー33が配置されている。
【0025】
用紙ガイド22は、用紙搬送路5の上流側で、プラテン21と対向して配置されている。用紙ガイド22の用紙搬送路5側表面は、凸曲面形状とされ、背面側開口5bから給紙される用紙が用紙搬送路5内に円滑に挿入されるように構成されている。背面側開口5bから挿入された用紙は、プラテン21と用紙ガイド22との間を搬送され、メイン用紙搬送ローラ23に送られる。
【0026】
プラテン21の用紙搬送方向中央部近傍には、用紙送りローラ24が回転可能に配置されている。この用紙送りローラ24は、その上方に配置されたメイン用紙搬送ローラ23と対向しており、図示せぬモータによるメイン用紙搬送ローラ23の回転により従動する。用紙は、メイン用紙搬送ローラ23と用紙送りローラ24との間にニップされて、用紙搬送方向または用紙搬送方向とは逆方向に搬送される。
【0027】
用紙搬送ローラ23の近傍のプラテン21上には、BOFレバー27が配置されている。BOFレバー27は、用紙を検出するセンサであり、用紙がその上面に搬送されることによって、下方に押し下げられるように構成されている。そして、このBOFレバー27が用紙によって押し下げられると、制御部へ信号を出力する。
【0028】
メイン用紙搬送ローラ23の下流側には、インクキャリッジ25がプラテン21に対向して配置されている。インクキャリッジ25は、片持ち部4の用紙搬送路5側の端面と側面側開口5cを結ぶ方向(用紙搬送路方向に垂直な方向、すなわち、用紙幅方向)に沿って長手方向が配置されたガイド軸26によって摺動自在に保持されている。つまり、インクキャリッジ25は、このガイド軸26に沿って用紙搬送路方向に垂直な方向に移動自在に構成されている。
【0029】
このインクキャリッジ25は、用紙にインク滴を吐出する複数の開口を有するインクヘッド(不図示)がプラテン21側に向けて配置されている。インクキャリッジ25は、ガイド軸26に沿って移動しながら、インクヘッドの複数の開口からインク滴を吐出することにより、プラテン21上に配置された用紙上への画像記録を行う。また、このインクキャリッジ25には、インクヘッドにインクを供給するインクタンク(不図示)が着脱自在に取り付けられている。
【0030】
インクキャリッジ25の下流側には、カッター機構29が配置されている。カッター機構29は、インクキャリッジ25と並行に移動可能に支持されたカッターキャリッジ41と、このカッターキャリッジ41に設けられた回転軸30に回転可能に軸支された円盤形状の回転刃31とを備えている。回転刃31は、プラテン21上に配置された固定刃32の上面側に対向して配置されている。
【0031】
カッター機構29は、カッターキャリッジ41が、回転刃31を固定刃32のエッジに押し付けられながら用紙幅方向に移動することにより、固定刃32上に挿入されたロール紙等の用紙の切断を行う。
【0032】
カッター機構29の下流側である正面側開口5a近傍には、サブ用紙搬送ロール34が配置されている。サブ用紙搬送ロール34は、その回転軸34aがプラテン21に回転可能に軸支されている。
【0033】
サブ用紙搬送ローラ34は、図示しない板状のサブ用紙搬送ローラガイドと対向しており、サブ用紙搬送ローラガイドとの間に用紙をニップしながら、用紙を用紙搬送方向または用紙搬送方向とは逆方向に搬送する。用紙は、サブ用紙搬送ローラ34によって用紙搬送方向に搬送されて、正面側開口5aより排出される。
【0034】
図示せぬサブ用紙搬送ローラガイドには、TOFレバー33が設置されている。このTOFレバー33は、用紙を検出するセンサであり、用紙がその下面に搬送されることによって、上方に押し上げられるように構成されている。そして、このTOFレバー33が用紙によって押し上げられると、制御部へ信号を出力する。
【0035】
また、プラテン21は、図3に示すように、レリーズレバー15を押し下げて開状態にすることにより、プラテン21に取り付けられた各種部材とともに下方に変位する。プラテン21の下方への変位により、用紙搬送路5は、上下に広がり、手差しによる用紙の挿入やロール紙の挿入が可能な状態となる。
【0036】
そして、プラテン21は、レリーズレバー15を元の状態に戻し閉状態にすることにより、手差しによる用紙の挿入やロール紙の挿入が禁止される。このように、プラテン21は、レリーズレバー15を操作することにより、昇降する構造とされている。
【0037】
このようなプリンタ本体部1を用いることにより、手差しによる用紙や、図示しないロール紙ホルダから供給されるロール紙に、画像を記録することができる。
【0038】
次に、本実施形態のカッター機構29の構造について説明する。
【0039】
ここで、図4はカッター機構の構造を説明するカッター機構部分の斜視図、図5はカッター機構の側面図、図6はカッター機構の要部断面図、図7はカッター機構の分解斜視図である。
【0040】
図4乃至図7に示すように、カッター機構29は、前述した回転刃31が回転自在に保持されたカッターキャリッジ41を有している。
【0041】
このカッターキャリッジ41は、その下端部に、断面矩形状の案内支持部42を有している。この案内支持部42は、プラテン21上に固定された長尺の固定刃32の下面側(裏面側)に配設され、該固定刃32の下面側に形成された摺動溝43内に摺動可能に収容されている。
【0042】
そして、摺動溝43内に収納される案内支持部42は、用紙切断時におけるカッターキャリッジ41の進行方向(図5中矢印イ方向)後方側に延在されており、その後端部における上面側が固定刃32の下面に摺接する摺接部42aとされている。これにより、カッターキャリッジ41は、その案内支持部42が摺動溝43内に配設され、固定刃32に沿って移動自在に保持されている。
【0043】
回転刃31は、図6及び図7に示すように、その中心に孔部31aを有しており、この孔部31aには、保持部材45が嵌合されている。この保持部材45は、大径に形成されたフランジ部45aと、小径部45bとを有するもので、小径部45bが回転刃31の孔部31aに嵌合されている。
【0044】
また、この保持部材45には、Oリング46が取り付けられており、このOリング46は、保持部材45の小径部45bを回転刃31の孔部31aに嵌合させることにより、回転刃31とフランジ部45aとによって挟持されている。
【0045】
また、保持部45の小径部45bには、回転刃31を介して止め輪47が係合されており、回転刃31は、この止め輪47によって保持部材45に固定されている。
【0046】
回転刃31が固定された保持部材45は、その中心に挿通孔45cを有し、この挿通孔45cに、カッターキャリッジ41に形成された回転軸30を挿通するようにカッターキャリッジ41に装着される。
【0047】
また、カッターキャリッジ41と保持部材45との間には、一対の付勢片49aを有するバネ部材49が配設されており、このバネ部材49によって保持部材45に保持された回転刃31が、固定刃32のエッジ側に付勢されて当接されている。
【0048】
また、カッターキャリッジ41には、カバー51が取り付けられている。このカバー51は、回転刃31をカッターキャリッジ41に保持させるもので、回転刃31が固定された保持部材45を、その挿通孔45cに回転軸30を挿通させながらカッターキャリッジ41に装着した状態にて、その側部から取り付けることにより、回転刃31をカッターキャリッジ41に保持する。
【0049】
カッターキャリッジ41の上部側には、動力接続部61が設けられている。この動力接続部61は、本実施形態における駆動手段であるインクキャリッジ25に係脱可能な係合手段を構成する係合レバー62を有している。
【0050】
この係合レバー62の基端部63は、水平方向及び鉛直方向のそれぞれの軸線を中心として該係合レバー62が回動自在にカッターキャリッジ41に連結されている。
【0051】
また、係合レバー62は、カッターキャリッジ41の側方へ突出する腕部60を有しており、この腕部60とカッターキャリッジ41の上部に形成された係止凸部64との間には、バネ65が掛け渡されている。そこで、係合レバー62の先端部近傍は、該バネ65により上方及び一側方(図5中、手前)へ付勢されている。更に、係合レバー62には凸部62dが形成されており、この凸部62dおよび腕部60がカッターキャリッジ41に当接することにより、バネ65による付勢方向への回動が位置規制され、該係合レバー62は略水平に配置されている。
【0052】
更に、係合レバー62の先端側には、先端傾斜面62a及び傾斜側面62bが形成されている。先端傾斜面62aは、先端へ向かって次第に下方へ傾斜する傾斜面とされ、傾斜側面62bは、先端へ向かって次第にインクキャリッジ25側へ傾斜する傾斜面とされている。更に、この係合レバー62の先端側には、その上面側に係合部62cが形成されている。
【0053】
インクキャリッジ25のカッター機構29側には、係合レバー62と協働して該インクキャリッジ25に係脱可能な係合手段を構成する係止部66が突設されている。この係止部66には、その下端側に係止凸部66a及び押圧傾斜面66bが形成されている。
【0054】
そして、これら係合レバー62及び係止部66により、本実施形態のカッター機構29では、カッターキャリッジ41の上部側に設けられた係合レバー62が、用紙の切断時にインクキャリッジ25に連結され、駆動手段であるインクキャリッジ25が前記カッターキャリッジ41の変位を許容した状態で該カッターキャリッジ41に移動力を作用させる。
【0055】
次に、本実施形態のカッター機構29の動作を説明する。
【0056】
図8乃至13は、カッター機構の動作を説明するカッター機構部分の斜視図及び平面図である。
【0057】
先ず、インクキャリッジ25によるロール紙への印字(画像記録)が終了すると、このインクキャリッジ25は、カッター機構29のカッターキャリッジ41が配置されている一端側の待機位置側へ移動する。
【0058】
これにより、図8及び図9に示すように、インクキャリッジ25の係止部66に形成された押圧傾斜面66bが、カッターキャリッジ41の係合レバー62の先端傾斜面62aに当接し、該係合レバー62の先端部をバネ65の付勢力に抗して押し下げる。
【0059】
さらに、インクキャリッジ25が待機位置側へ移動し、係止部66が係合レバー62の先端傾斜面62aを越えて係合部62cに達すると、図10及び図11に示すように、係合レバー62の先端部がバネ65の付勢力により引き上げられ、係止部66が係合部62c内に入り込み、係止凸部66aが係合部62cに係合する。
【0060】
この状態において、インクキャリッジ25が用紙の幅方向(図10中、矢印ロ方向)に移動すると、インクキャリッジ25とともにカッターキャリッジ41が用紙の幅方向に移動し、回転刃31が固定刃32に沿って移動するので、ロール紙が幅方向に切断される。
【0061】
ここで、本実施形態のカッター機構29によれば、回転刃31によって固定刃32上の記録媒体を切断する際には、この切断箇所Sよりも上方に位置する動力接続部61を介して、カッターキャリッジ41の変位(図5中、反時計回りの変位)を許容した状態で該カッターキャリッジ41に移動力を作用させる(図5、参照)。
【0062】
即ち、係合レバー62の基端部63は、水平方向及び鉛直方向のそれぞれの軸線を中心として該係合レバー62が回動自在に、カッターキャリッジ41の切断箇所Sよりも上方の位置で連結されており、該カッターキャリッジ41には、係合レバー62の基端部63が連結された連結部Tを介して、インクキャリッジ25の引張り力(移動力)Aが作用する。
【0063】
また、カッターキャリッジ41における案内支持部42の摺接部42aは、該カッターキャリッジ41の移動方向後方側(図5中、右方側)にて固定刃32の下面に支持される。
【0064】
そこで、用紙切断時にインクキャリッジ25の引張り力(移動力)Aが作用するカッターキャリッジ41には、図5に示すように、案内支持部42の摺接部42aと固定刃32の下面との摺接箇所Pを支点とした反時計回りの回転力αが生じ、この回転力αは回転刃31自体を固定刃32側に押し下げる方向の力Cとなるので、強い力で回転刃31を固定刃32側へ押し付ける必要がなく、駆動時の負荷が小さくなると共にカッターキャリッジ41を移動させる際の負荷も小さくでき、カッターキャリッジ41の円滑な移動が可能となる。
【0065】
又、用紙切断時の回転刃31には、固定刃32側に押し下げる方向の力Cが作用し、回転刃31自体が記録媒体の切断箇所Sへ移動することができるので、固定刃32に対する回転刃31の組付け精度を高精度にすることなく用紙を確実に切断することができ、コスト上昇を抑えることができる。
【0066】
尚、カッターキャリッジ41の回転支点となる摺接箇所Pには、回転刃31自体を固定刃32側に押し下げる方向の力Cに対する反力Bが作用するが、該摺接箇所Pは切断箇所Sから十分離れており、所謂てこ作用によって反力Bは力Cに比べて小さくできるので、摺接部42aは滑らかに摺動することができる。
【0067】
勿論、この摺接部42aに、ころ等の転動体やフッ素樹脂等の低摩擦材からなる摩擦低減手段を設けることで、固定刃32との摩擦を低減すれば、カッターキャリッジ41の更に円滑な移動が可能となる。
【0068】
そして、用紙の切断後、インクキャリッジ25が切断時とは逆方向に移動すると、インクキャリッジ25がカッターキャリッジ41の突出片41aに当接し、これにより、カッターキャリッジ41がインクキャリッジ25とともに移動し、待機位置に戻される。
【0069】
また、このとき、インクキャリッジ25の係止部66は、カッターキャリッジ41の係合レバー62の先端部に形成された傾斜側面62bよりも基端部63側に移動されて係合部62cから外れる。これにより、係合レバー62の先端部は、バネ65の付勢力により略水平な上方へ引き上げられる。
【0070】
その後、図12及び図13に示すように、インクキャリッジ25が印字のために用紙の幅方向(図12中、矢印ロ方向)に移動すると、インクキャリッジ25の係止部66が、カッターキャリッジ41の係合レバー62の傾斜側面62bに当接することにより、係合レバー62の先端部がバネ65の付勢力に抗してインクキャリッジ25から離間する方向へ押し出される。これにより、インクキャリッジ25は、カッター機構29との連結が解除され、単独で移動し、用紙への印字を行うことができる(図4、参照)。
【0071】
尚、本発明のカッター機構は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは勿論である。
【0072】
例えば、上記実施形態においては、インクキャリッジを駆動手段としてカッターキャリッジに移動力を作用させたが、該カッターキャリッジはガイド軸に保持された状態で駆動手段としての専用モータにより固定刃に沿って移動可能とすることもできる。即ち、本発明の駆動手段は、回転刃による記録媒体の切断箇所よりも上方に位置する動力接続部を介して、カッターキャリッジの変位を許容した状態で該カッターキャリッジに移動力を作用させるものであれば、どのような駆動手段でも良い。
【0073】
但し、上記実施形態のように、プラテン21の上方にて用紙を横切る方向に移動しながら用紙に画像記録するインクキャリッジ25を駆動手段としてカッターキャリッジ41に移動力を作用させる場合には、カッターキャリッジ41を移動させる駆動手段を別個に設ける必要がなく、これにより、機構の簡略化及び小型化を図ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明のカッター機構によれば、回転刃によって固定刃上の記録媒体を切断する際には、この切断箇所よりも上方に位置する動力接続部を介して、前記カッターキャリッジの変位を許容した状態で該カッターキャリッジに移動力が作用すると共に、該カッターキャリッジの移動方向後方側にて案内支持部の摺接部が固定刃の下面に支持される。
【0075】
そこで、切断時のカッターキャリッジには、摺接部と固定刃の下面との摺接箇所を支点とした回転力が生じ、この回転力は、回転刃自体を固定刃側に押し下げる力となるので、強い力で回転刃を固定刃側へ押し付ける必要がなく、駆動時の負荷が小さくなると共にカッターキャリッジを移動させる際の負荷も小さくでき、カッターキャリッジの円滑な移動が可能となる。
【0076】
又、切断時の回転刃には、固定刃側に押し下げる方向の力が作用し、回転刃自体が記録媒体の切断箇所へ移動することができるので、固定刃に対する回転刃の組付け精度を高精度にすることなく用紙を確実に切断することができ、コスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るカッター機構を備えたプリンタの正面側から視た斜視図である。
【図2】 図1に示したプリンタの用紙搬送路近傍の構造を示す概略断面図である。
【図3】 図2に示した用紙搬送路の下面を構成する部材が押し下げられた状態を示す概略断面図である。
【図4】 図2に示したカッター機構の構造を説明するための斜視図である。
【図5】 図2に示したカッター機構の構造を説明するための側面図である。
【図6】 図5に示したカッター機構の構造を説明するための要部断面図である。
【図7】 図5に示したカッター機構の構造を説明するための分解斜視図である。
【図8】 図4に示したカッター機構の動作を説明するための斜視図である。
【図9】 図8に示したカッター機構の平面図である。
【図10】 図4に示したカッター機構の動作を説明するための斜視図である。
【図11】 図10に示したカッター機構の平面図である。
【図12】 図4に示したカッター機構の動作を説明するための斜視図である。
【図13】 図12に示したカッター機構の平面図である。
【符号の説明】
21・・プラテン
25・・インクキャリッジ(駆動手段)
29・・カッター機構
31・・回転刃
32・・固定刃
41・・カッターキャリッジ
42・・案内支持部
42a・・摺接部
61・・動力接続部
62・・係合レバー(係合手段)
66・・係止部(係合手段)

Claims (4)

  1. 長尺の固定刃と、該固定刃に沿って移動可能に支持されたカッターキャリッジと、該カッターキャリッジにおける前記固定刃の上面側で回転自在に支持された回転刃と、前記カッターキャリッジを移動させて前記固定刃上の記録媒体を前記回転刃によって切断させる駆動手段とを備えたカッター機構であって、
    前記カッターキャリッジが、前記固定刃の下面側に配設される案内支持部を有すると共に、
    前記駆動手段が、前記回転刃による前記記録媒体の切断箇所よりも上方に位置する動力接続部を介して、前記回転刃を前記固定刃側に押しつける方向への前記カッターキャリッジの変位を許容した状態で該カッターキャリッジに移動力を作用させており、
    前記案内支持部には、前記回転刃による前記記録媒体の切断箇所よりも切断時における移動方向後方側にて前記固定刃の下面に摺接する摺接部が設けられていることを特徴とするカッター機構。
  2. 前記固定刃はプラテン上に固定され、前記駆動手段は、前記プラテンの上方にて前記記録媒体を横切る方向に移動しながら前記記録媒体に画像記録するインクキャリッジを有し、
    前記カッターキャリッジは、該カッターキャリッジの前記変位を許容した状態で前記インクキャリッジに係脱可能な係合手段を備え、該係合手段による前記インクキャリッジとの連結状態にて、このインクキャリッジの移動に伴って移動することを特徴とする請求項1に記載のカッター機構。
  3. 前記案内支持部の摺接部には、前記固定刃との摩擦を低減する摩擦低減手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカッター機構。
  4. プラテンの上方にて記録媒体を横切る方向に移動しながら前記記録媒体に画像記録するインクキャリッジを備え、
    前記プラテン上に固定される長尺の固定刃と、該固定刃に沿って移動可能に支持されたカッターキャリッジと、該カッターキャリッジにおける前記固定刃の上面側で回転自在に支持された回転刃と、前記カッターキャリッジを移動させて前記固定刃上の記録媒体を前記回転刃によって切断させる駆動手段とを備え、前記カッターキャリッジが、前記固定刃の下面側に配設される案内支持部を有すると共に、前記駆動手段が、前記回転刃による前記記録媒体の切断箇所よりも上方に位置する動力接続部を介して、前記回転刃を前記固定刃側に押しつける方向への前記カッターキャリッジの変位を許容した状態で該カッターキャリッジに移動力を作用させており、前記案内支持部には、前記回転刃による前記記録媒体の切断箇所よりも切断時における移動方向後方側にて前記固定刃の下面に摺接する摺接部が設けられたカッター機構を備え、
    前記カッターキャリッジは、該カッターキャリッジの前記変位を許容した状態で前記インクキャリッジに係脱可能な係合手段を備え、
    前記駆動手段は、該係合手段による前記インクキャリッジとの連結状態にて、該インクキャリッジの移動に伴って前記カッターキャリッジを移動させる
    ことを特徴とするプリンタ。
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