JP4310986B2 - 反応装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応流路の中で被処理物質を化学反応させる反応装置に係り、特に微小流路の中で被処理物質を化学反応せしめるマイクロリアクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学産業,医療,製薬,バイオ関連及び食品産業等の分野において、複数本の微小流路に気体及び液体を流通し、混合させることにより化学反応を起こさせ、または流路内壁に被覆された触媒あるいは流路内に設置された多孔質のセラミックスに担持された触媒で反応を起こす等のマイクロリアクタの開発が進められている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
マイクロリアクタの適用例は、特開平11−171857号公報,特願2002−113475号公報に示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−171857号公報(第2,5〜7頁、図1)
【特許文献2】
特開2002−113475号公報(第2〜5頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロリアクタの適用例の多くは、反応流路と冷却流路が一体化した構造になっている。このため、リアクタ本体のシール構造によっては、被処理物質と冷却媒体が本体内で混合することが考えられる。また、反応して生成した微量成分中に塩化水素等が含有している場合には、本体の腐食劣化等が考えられる。
【0006】
本発明の目的は、被処理物質と冷却媒体が反応装置本体内で混合するのを防止するとともに、原料・反応ガス又は冷却媒体を均等に分散してマイクロリアクタに供給することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理物質と反応ガスの混合物である原料・反応ガスを生成する混合器と、複数個の窓を有すると共に、該窓と窓との間に冷却流路を有した反応装置本体、及び前記混合器から供給された原料・反応ガスを処理する反応流路を設けた反応流路基板を前記窓にはめ込み、前記反応流路と前記冷却流路を分割したマイクロリアクタを備え、前記混合器からの原料・反応ガスを前記反応流路基板に分散して流入させるテーパ状拡管部と、該テーパ状拡管部に多数のガス流入孔を有するガス分散板とガラスウールを配置したことを特徴とする。
【0008】
反応流路の壁面或いは窓の内側に、数十μm厚さで触媒を蒸着等により被覆することにより、触媒の有効利用による分解効率の向上が図れる。また、腐蝕抑制にもなる。
【0009】
反応装置本体及び反応流路基板の材質には、石英ガラス,ステンレス,アルミナに代表されるセラミック,インコロイあるいはハステロイ等を用いることが、腐食劣化を抑制する点で好ましい。
【0010】
本発明をマイクロリアクタに適用する場合には、反応流路の幅は600〜1000μm、深さは600〜1000μmにすることが望ましい。
【0011】
本発明のように、反応流路と冷却流路を分割することにより、被処理物質と冷却媒体が本体内で混合するのを防止でき、またマイクロリアクタに適用する場合には構造が簡単になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例であるマイクロリアクタを、図1〜図8を用いて説明する。
【0013】
図8は、マイクロリアクタを備えた有機塩素化合物分解システムの系統図である。
【0014】
本システムは、被処理物質である有機塩素化合物の供給系,反応系及びガス精製系から成る。有機塩素化合物の供給系は有機塩素化合物1,ポンプ2,遮断用バルブ3,有機塩素化合物供給ライン4から成る。反応系は、マイクロリアクタ100を備えた恒温槽22と反応用ガス供給系とからなる。反応用ガス供給系には、水タンク5,水ポンプ6,遮断用バルブ7,水供給ライン8よりなる水供給系と、水素ボンベ9,圧力調節弁10,流量調節弁11,水素ガス供給ライン12からなる水素ガス供給系が設けられている。
【0015】
また、有機塩素化合物供給ライン及び反応用ガス供給ラインのパージのため及び恒温槽の昇温時のために窒素ガス供給系を有している。窒素ガス供給系には、窒素ボンベ13,圧力調節弁14,流量調節弁15,17及び窒素ガス流通ライン16,18が設けられている。
【0016】
恒温槽22には、混合器19とマイクロリアクタ100が設けられており、かつ混合器出口ライン20を有する。
【0017】
本システムの操作法を説明する。窒素ガスを流量調節弁15,17及び窒素ガス流通ライン16,18から流通しながら、恒温槽22内を昇温する。恒温槽22内の温度が設定温度400℃になったのを確認したならば、水供給ラインの遮断用バルブ7を開にして、水ポンプ6を起動し、水を水供給ライン8から混合器19に供給し、マイクロリアクタ100内の反応流路に流通する。
【0018】
その後、水素ガスを、圧力調節弁10と流量調節弁11及び水素ガス供給ライン12を流通させて混合器19内に供給する。水および水素ガスが安定に供給したのを確認後、遮断用バルブ3を開にし、ポンプ2を起動し、有機塩素化合物供給ライン4から有機塩素化合物1を供給する。混合器19で有機塩素化合物1,水素ガス及び水を混合した後、混合器出口ライン20を経て、マイクロリアクタ100内の反応流路に流通する。マイクロリアクタ100で生成した生成ガスはガス精製系に流通される。ガス精製系については後で述べる。
【0019】
マイクロリアクタ100について図1から図7を用いて詳細に説明する。図1には、マイクロリアクタ100の外観図を示した。図2には図1中のA−A断面図を示し、図3には図1中のC−C断面図、図4には図1中のB−B断面図を示した。
【0020】
マイクロリアクタ100は、反応装置本体21と反応流路基板43を具備する。反応装置本体21には冷却流路45と窓42が設けられている。冷却流路45は冷却媒体44を流すためのものであり、窓42は反応流路基板43をはめ込むためのものである。
【0021】
図8の混合器出口ライン20を経て送られた有機塩素化合物と反応ガスの混合物である原料・反応ガス41は、ガス流入部91とテーパ状の拡管部46aを通して反応流路基板43に設けられた反応流路54に流入する。原料・反応ガス41は反応流路54で処理され、生成ガス41aはテーパ状の拡管部46bを通ってガス流出部92から排出される。テーパ状の拡管部46aには、図3に見られるように多数のガス流入孔を有するガス分散板49とガラスウール50が配置されている。ガス分散板とガラスウールは、ガスを均等に分散させるために設けられている。
【0022】
冷却媒体44は、流入部93とテーパ状の拡管部47aを通して冷却流路45に送られた後、テーパ状の拡管部47bと流出部94を通して排出される。テーパ状の拡管部47aには、図4に見られるように多数の孔を有するガス分散板51とガラスウール52が冷却媒体を均等に分散させるために設けられている。
【0023】
図5は、反応装置本体21を拡大して示したものである。この図では、反応流路基板43は窓にはめ込まれていない。反応装置本体21に設けられた窓の内面には、触媒80の層が形成されている。触媒層は、反応促進,分解率向上のほかに反応装置本体の腐蝕劣化抑制の効果を有する。図3に示したテーパ状の拡管部46a,46bは、止めネジ部48にて反応装置本体21に接続される。
【0024】
図6は、反応流路基板43の斜視図である。反応流路基板には多数の反応流路54が設けられ、反応流路の内壁には触媒85の層が形成されている。図7に示すように反応流路基板を複数個積層して窓にはめ込むようにしてもよい。また、反応流路を設けたハニカム触媒を窓にはめ込むようにしてもよい。
【0025】
反応流路基板43に設けられた反応流路54にて原料・反応ガス41が処理されることによって生成された生成ガス41aは、ガス精製系に送られる。図8に戻ってガス精製系について説明する。ガス精製系には、冷却塔28,排水タンク29,廃水処理装置30,緊急用タンク35,ガスタンク34,水素分離器36,触媒燃焼器37及び焼却炉39が備えられている。マイクロリアクタ100で分解した生成ガス41a中には塩化水素等の物質が含まれていることから、この生成ガス41aを冷却塔入口ライン40から冷却塔28に供給する。また、水酸化ナトリウム希釈液流通ライン27から水酸化ナトリウム希釈液24をポンプ25と弁26を介して冷却塔28内に噴霧供給する。冷却塔28内で生成ガス41aと水酸化ナトリウム希釈液が接触し、水酸化ナトリウム希釈液24に塩化水素が吸収される。塩化水素を吸収した水酸化ナトリウム希釈液は、排水タンク29内に回収された後、廃水処理装置30で処理され、廃水処理液排出ライン31から排出される。
【0026】
塩化水素が除去された生成ガス41aはブロワ33で吸引され、冷却塔28の上部から生成ガスライン32を流通した後、一旦ガスタンク34内に貯蓄される。その後、水素分離器36により水素ガスが分離され、触媒燃焼器37及び焼却炉39で焼却された後、大気開放される。
【0027】
以上のようにマイクロリアクタを反応装置本体と反応流路基板とに分割し、反応装置本体には窓と冷却流路を設け、窓に反応流路基板をはめ込む構造にすることにより、被処理物質と冷却媒体が本体内で混合してしまうのを防止できる。また、マイクロリアクタに適用した場合には構造が簡単になると共に、スケールアップした時に反応流路と冷却流路への被処理物質,反応ガス及び冷却媒体の分配性がよくなる。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、被処理物質と冷却媒体が反応装置本体内で混合するのを防止するとともに、原料・反応ガス又は冷却媒体を均等に分散してマイクロリアクタに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すマイクロリアクタの斜視図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のC−C断面図。
【図4】図1のB−B断面図。
【図5】反応装置本体の断面図。
【図6】反応流路基板の斜視図。
【図7】反応流路基板を反応装置本体の窓にはめ込んだ状態を示す斜視図。
【図8】本発明のマイクロリアクタを備えた有機塩素化合物分解システムの系統図。
【符号の説明】
21…反応装置本体、41…原料・反応ガス、41a…生成ガス、42…窓、43…反応流路基板、44…冷却媒体、45…冷却流路、49,51…ガス分散板、50,52…ガラスウール、54…反応流路、80,85…触媒、100…マイクロリアクタ。
Claims (2)
- 被処理物質と反応ガスの混合物である原料・反応ガスを生成する混合器と、
複数個の窓を有すると共に、該窓と窓との間に冷却流路を有した反応装置本体、及び前記混合器から供給された原料・反応ガスを処理する反応流路を設けた反応流路基板を前記窓にはめ込み、前記反応流路と前記冷却流路を分割したマイクロリアクタを備え、
前記混合器からの原料・反応ガスを前記反応流路基板に分散して流入させるテーパ状拡管部と、該テーパ状拡管部に多数のガス流入孔を有するガス分散板とガラスウールを配置したことを特徴とする被処理物質分解システム。 - 請求項1記載の被処理物質分解システムであって、
前記マイクロリアクタの冷却流路に冷却媒体を分散して流入させるテーパ状拡管部と、該テーパ状拡管部に多数の孔を有するガス分散板とガラスウールを配置したことを特徴とする被処理物質分解システム。
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