JP4310906B2 - 周波数検出方法及び回路、並びに信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数検出方法及び回路、並びに信号処理装置に関し、特にBS(放送衛星)を介して伝送された信号を受信する受信装置に適用して好ましい周波数検出方法及び回路、並びに信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年において、ビデオ信号及びオーディオ信号等を符号化し、通信衛星(CS:Communication Satelite)や放送衛星(BS:Broadcasting Satelite) 等を介して伝送し、受信側においてこれを復調するようにしたシステム、いわゆるディジタル放送システムが開発され普及しつつある。
【0003】
上記BSやCSのディジタル放送システムにおいては、変調方式として、BPSK(Binary Phase Shift Keying) 方式やQPSK(Quadrature Phase Shift Keying) 方式が用いられ、さらにBSディジタル放送では、QPSK変調方式よりも伝送効率の高いTC8PSK(Trellis-Coded 8 Phase Shift Keying) 方式等も用いられるようになっている。すなわち、例えばBS信号には、BPSK変調信号、QPSK変調信号、及びTC8PSK変調信号が時分割多重化されて混在している。
【0004】
ここで、BSディジタル放送において伝送するビットストリームとしては、CS、地上波、ケーブル等の他のメディアとの整合性を図る観点から、MPEG(Moving Picture Image Coding Experts Group) 2で規定された、いわゆるトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)を基本としている。このTSは、1バイトの同期バイトを含んだ188バイトのパケットで構成されているが、CSディジタル多チャンネル放送、地上波ディジタル放送、ケーブルディジタル放送等では、これに誤り訂正用の16バイトのパリティを付加したリードソロモン符号(RS符号)が用いられていることから、BSディジタル放送でも、TSにRS符号化、具体的にはRS(204,188)符号化を行うようにしている。
【0005】
図5は、このような現在提案されているBSディジタル放送の送信装置の構成例を表している。188バイトのTSパケットには、RS(204,188)符号化により、16バイトのパリティが付加される。このパケットが48個集められて1フレームとされる。
【0006】
各フレームの48個のパケットの先頭の1バイトの同期バイトは、順次、連続して読み出され、フレーム同期およびTMCC発生回路201に入力される。フレーム同期およびTMCC発生回路201は、最初の2つのTSパケットの同期バイトをフレーム同期信号にすげ替える。また、フレーム同期およびTMCC発生回路201は、第3番目以降のTSパケットの同期バイトをTMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control) 信号にすげ替える。このTMCC信号には、後述する主信号の変調方式や符号化率などの伝送制御情報が含まれる。これにより、1フレームを構成する48個のパケットのうちの最初の2つのパケットの2個の同期バイトが、フレーム同期信号にすげ替えられ、第3番目以降のパケットの同期バイトが、TMCC信号にすげ替えられることになる。フレーム同期およびTMCC発生回路201で発生されたフレーム同期信号とTMCC信号は、BPSKマッピング回路202に入力され、所定の信号点にマッピングされる。
【0007】
1フレームのうちの最初の2個のTSパケットの主信号は、低階層用の画像信号LQとされ、この信号は、この2個のTSパケットの範囲内でインタリーブ回路203によりインタリーブされ、さらに、畳み込み符号化回路204に入力され、1/2の符号化率で畳み込み符号化される。そして畳み込み符号化された信号はパンクチャリング処理されて符号化率3/4とされてQPSKマッピング回路205に供給される。QPSKマッピング回路205において、QPSK方式で、所定の信号点にマッピングされる。
【0008】
一方、1フレームを構成する48個のパケットのうち、残りの46個のTSパケットの主信号は、高階層用の画像信号HQとされ、この信号は、インタリーブ回路206に入力され、インタリーブされた後、2/3トレリス符号化回路207において符号化され、さらに8PSKマッピング回路208において、信号点にマッピングされる。この2/3トレリス符号化回路207において、いわゆるプラグマティックトレリス符号化を行うようにすると、畳み込み符号化回路204と2/3トレリス符号化回路207は、共通の回路とすることができる。
【0009】
位相基準バースト発生回路209は、受信側での安定したキャリア再生を可能とするために、放送信号の予め定められた位置に挿入するBPSK変調信号を発生するものであり、具体的には、主信号の203シンボル毎に4シンボルの基準バーストを間欠的に多重するためのものである。
【0010】
多重化回路210は、BPSKマッピング回路202、QPSKマッピング回路205、8PSKマッピング回路208、及び位相基準バースト発生回路209からの出力を、フレーム単位で多重化し、出力する。従って、多重化回路210より出力される各フレームの信号は、最初に、BPSK変調されたフレーム同期信号とTMCC信号が配置され、その次に、QPSK変調された低階層用の主信号LQが配置され、最後に8PSK変調された高階層用の主信号HQが配置されたフォーマットとなる。また、主信号には所定周期で位相基準バースト発生回路209からの基準バーストが間欠的に多重される。
【0011】
図6は、BSの伝送信号中のキャリア同期用のBPSK変調信号の部分(図中の斜線部)の具体例を示すものであり、フレームの先頭から順に、32シンボルのBPSK変調されたフレーム同期信号、128シンボルのTMCC信号、32シンボルのBPSK変調されたフレーム同期信号が配置され、これらの192シンボルは全てBPSK変調信号である。これに続く主信号は、上述したように、BPSK変調信号、QPSK変調信号、TC8PSK変調信号のいずれかであるが、主信号の203シンボル毎に、位相基準バースト発生回路209からの4シンボルのBPSK変調信号が配置され、これらの主信号と位相基準信号とが207シンボル周期で繰り返される。なお、TMCC信号近傍部分の192シンボルは、前フレームの位相基準バースト信号部分の4シンボルから連続して配置されるから、これらの合計196シンボルがバースト状のBPSK信号部分として現れることになる。
【0012】
このようなBS信号を受信する受信側では、キャリアの同期を確立し、受信信号系列を監視することでBPSK変調されたフレーム同期信号を検出し、上述したTMCC信号の内容を解釈することにより、TMCC信号に続いて伝送されてくるペイロード情報を伝送する主信号部のシンボルの変調方式や符号化率等の伝送制御情報を知って、適切な復調、復号動作を行うようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、例えばBS信号には、BPSK変調信号、QPSK変調信号、及びTC8PSK変調信号が時分割多重化されて混在している。このようなBS信号を受信してディジタル信号を復号するためには、キャリア同期回路によるキャリア再生が必要であるが、各変調信号については、BPSK>QPSK>TC8PSKの変調波の順に安定したキャリア再生が行える。このため、キャリア同期をとる場合には、一般的に上記BPSK変調信号の部分が用いられるが、このBPSK変調信号の部分は連続しておらず、間欠的に、いわゆるバースト的に現れることになる。
【0014】
このようなバースト状に現れるキャリア信号に対して同期をとろうとする場合、あるいは同期をとるため等に周波数を検出しようとする場合には、周波数検出精度が充分に得られず、キャリア同期が不安定になって同期捕捉に時間がかかってしまう問題があった。また、C/N(キャリア/ノイズ比)が低い場合や、受信機のフロントエンド部での雑音が多い場合等に、同期外れを起こしやすい問題があった。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、バースト状に現れるキャリア信号の周波数検出が高精度に行えるような周波数検出方法及び回路、並びに信号処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述のような課題を解決するために、本発明に係る周波数検出方法及び回路は、キャリア同期のためのキャリア同期用信号部分を含み、該キャリア同期用信号部分の持続時間であるバースト長Ta 及び該キャリア同期用信号部分の繰り返し周期であるバースト周期Tb が一定の入力信号が供給され、上記入力信号の上記バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置し、上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出することを特徴とするものである。
【0017】
ここで、キャリア同期用信号部分を期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置するとは、上記入力信号を上記期間Tc を周期として順次区切って行ったときの各区切り部分(期間Tc に相当)を順次積み重ねる際に、上記バースト周期Tb のキャリア同期用バースト信号部分のみを取り出して重ねて配置することにより、換言すれば、上記期間Tc の範囲内に対して、上記周期Tb で繰り返されるバースト信号部分(長さTa )を含む入力信号を周期Tc で区切るときの各バースト信号部分の位相位置に当該バースト信号部分を配置することにより、上記期間Tc を上記バースト長Ta のキャリア同期用信号部分で充填することである。
【0018】
この場合、上記長さTa のバースト信号部分が上記期間Tc の範囲内に隙間無く充填されるための条件の一例としては、上記期間Tc を、
Tc =nTb −Ta
ただしnは整数
とすることが挙げられる。
【0019】
また、本発明に係る信号処理装置は、情報信号が複数の変調方式のいずれかで変調されて送信された信号を受信し、得られた受信信号中の所定の変調方式の部分に対応するキャリア同期信号部分に基づきキャリア信号を再生するキャリア同期手段と、上記キャリア同期手段からのキャリア信号に基づいて上記受信信号を復号処理して上記情報信号を得る復号手段とを有し、上記キャリア同期用信号部分は、持続時間であるバースト長Ta 及び繰り返し周期であるバースト周期Tb が一定とされ、上記受信信号のキャリア信号成分の周波数検出を行う周波数検出手段と、上記入力信号のキャリア信号成分の位相同期を行うためのPLL(位相ロックループ)手段とを有し、上記周波数検出手段は、上記入力信号の上記バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置し、上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出することを特徴とするものである。
【0020】
本発明によれば、バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内にキャリア同期用信号部分を充填するように配置して離散フーリエ変換(DFT)を施すことにより、入力信号のキャリア周波数を高精度に検出する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る周波数検出方法及び回路の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明を適用した周波数検出回路の構成例を示すブロック図である。この図1において、入力端子161には、図2に示すような周波数検出用信号部分の持続時間であるバースト長がTa で、該周波数検出用信号部分の繰り返し周期であるバースト周期がTb の入力信号が入力される。この周期的な入力信号は、例えば前記図6と共に説明したようなBSディジタル放送の受信信号(BS信号)中の4シンボルの位相基準バースト信号が207シンボル周期で現れる部分のみを取り出したものと考えることができる。この場合には、図2中のバースト長Ta が4(シンボル)、バースト周期Tb が207(シンボル)となる。
【0023】
図1のゲート回路162は、図2の周期的信号の周波数検出用信号部分(図中斜線部)、すなわち例えば上記BS信号の場合の4シンボルの位相基準バースト信号の部分を取り出して制御部163に送る。従って、制御部163には、キャリア同期用信号部分の持続時間であるバースト長Ta =4(シンボル)で、該キャリア同期用信号部分の繰り返し周期であるバースト周期Tb =207(シンボル)が一定の入力信号が供給される。
【0024】
制御部163では、メモリ164を用いて、図2の(A)〜(D)に示すように、上記入力信号の上記バースト周期Tb (207シンボル)よりも長い所定の期間Tc (例えば410シンボル)の範囲内に、上記バースト長Ta のキャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置するようにしている。すなわち、上記入力信号を上記期間Tc を周期として順次区切って行ったときの各区切り部分(期間Tc に相当)を順次積み重ねる際に、上記バースト周期Tb のキャリア同期用バースト信号部分のみを取り出して重ねて配置することにより、換言すれば、上記期間Tc の範囲内に対して、上記周期Tb で繰り返されるバースト信号部分(長さTa )を含む入力信号を周期Tc で区切るときの各バースト信号部分の位相位置に当該バースト信号部分を配置することにより、上記期間Tc を上記バースト長Ta のキャリア同期用信号部分で充填するようにしている。このように、上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものを離散フーリエ変換(DFT)回路165に送り、このDFT回路165でDFTを施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出するようにしている。検出された周波数は、出力端子166を介して取り出される。
【0025】
ここで、上記バースト長Ta の位相基準バースト信号のパケットをDFT周期である期間Tc 内に配置して行く手順を図2の(A)〜(D)を参照しながら説明する。上述したように、図2の(A)の410シンボルの期間Tc をDFT区間(DFT周期)とする際に、この期間Tc 内の中央位置に上記バースト長Ta (=4シンボル)の位相基準バースト信号のパケットP1 が配置される。次に、図2の(B)に示すように、次の位相基準バースト信号のパケットP2 を、期間Tc を周期としてDFT区間(DFT周期)を周期として上書きする形態で重ねて配置されるようにすると、このパケットP2 はDFT区間の先頭位置に配置されることになる。次に、図2の(C)は、その次の位相基準バースト信号のパケットP3 を、DFT区間を周期として上書きする形態で重ねて配置した状態を示し、このパケットP3 は、上記パケットP1 の次に連続して配置されることになる。このように、位相基準バースト信号の各パケットを、期間Tc を周期としてDFT区間(DFT周期)を周期として上書きする形態で重ねて配置してゆくことにより、図2の(D)に示す最後のパケットP103 までを用いて、DFT区間Tc 内に位相基準バースト信号のパケットが隙間無く充填される。なお、DFT区間Tc を充填するための最後の2つのパケットP102 とP103 とは、位相基準バースト信号の各4シンボルの内のそれぞれ3シンボルずつを使用することになる。これにより、キャリア同期用信号が連続している場合と等価なDFTサンプルが得られることになり、DFT処理の分解能を高めることができる。
【0026】
このような周波数検出回路は、例えばキャリア同期回路に用いられる。ここで、図3は、上述した図1と共に説明したような周波数検出回路を用いたキャリア同期回路の基本構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
この図3において、入力端子61には、上述したようなBSディジタル放送の受信信号(BS信号)が複素信号の形態で入力され、この複素入力信号は、周波数検出部63に、また、複素乗算器62を介して位相検出部64にそれぞれ送られる。周波数検出部63として、上記図1に示すような周波数検出回路を用いることができ、この周波数検出部63では、上述したように、入力信号の上記バースト周期Tb (207シンボル)よりも長い所定の期間Tc (例えば410シンボル)の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分(4シンボル)を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置した後、DFT(離散フーリエ変換)処理により入力信号のキャリア信号成分の周波数を検出する。位相検出部64では、1次のPLL(位相ロックループ)により入力信号のキャリア信号成分の位相同期を行うようにしている。これらの周波数検出部63及び位相検出部64からの出力信号は、加算器65で加算され、単位遅延素子66を介して、再び複素信号に変換するための変換部67に送られる。変換部67は、入力された信号の複素エクスポネンシャル(exponential) をとる、すなわち、入力位相xを単位円上の複素数 exp(jx)に変換するものである。変換部67からの複素信号は、複素共役(conjugate) 部68に送られて位相が反転され、上記入力側の複素乗算器62に送られることによって、PLLのループが形成される。なお、複素共役部68からの複素信号は、端子69を介して取り出されるようになっている。
【0028】
次に、図4は、上述したようなキャリア同期回路を用いて、BS信号を受信する受信装置を構成する場合のいわゆるフロントエンド部を概略的に示すブロック図である。
【0029】
この図4において、入力端子221を介して入力された受信信号は、分離部222に送られ、同相成分I信号と直交成分Q信号とに分離される。これは、複素入力信号を実部(リアルパート:I信号)と虚部(イマジナリパート:Q信号)とに分離することに相当する。これらのI信号及びQ信号は、それぞれナイキストフィルタ(Raised Cosine Filter)223及び224に送られた後、合成部225に送られて、再び複素信号に戻される。フィルタ223及び224は、ルートロールオフフィルタであり、入力されたI信号及びQ信号を帯域制限して出力する。合成部225からの出力信号は乗算部226に送られ、この乗算部226は供給された信号を2乗して出力する。乗算部226からの出力信号は、端子241を介してキャリア同期部240に送られる。また、乗算部226からの出力信号は、デマッピング部227に送られる。
【0030】
キャリア同期部240では、上記BS信号中のキャリア再生が行われ、再生されたキャリア信号が端子242を介してデマッピング部227に送られる。このキャリア同期部240は、具体的には上記図3と共に説明したような構成となっており、BS信号中のBPSK変調部分に相当する部分を選択して取り出して、上記周波数検出部63により周波数を検出し、上記位相検出部64により位相検出を行うようにしている。
【0031】
デマッピング部227では、上記送信側におけるBPSK、QPSK、TC8PSKの変調の際にマッピングされた信号点を検出するようなデマッピング処理を行い、その信号点に対応するメトリックを発生して、ビタビ復号部228に送る。ビタビ復号部228では、デマッピング部227からの信号を畳み込み復号処理し、デインターリーブ部229に送る。デインターリーブ部229は、上記送信側でのインターリーブに対応するデインターリーブ処理を行い、その出力をリードソロモン復号部230に送る。リードソロモン復号部230では、上述したRS(204,188)符号の復号処理を行う。このリードソロモン復号部230からの出力信号は、端子231を介して図示しないMPEG復号部に送られる。
【0032】
受信側では搬送波やクロックの同期を確立した後、受信信号系列を監視することでBPSK変調されたフレーム同期信号を検出し、フレーム同期を確立する。このフレーム同期信号の後には、BPSK変調されたTMCCが続いているので、フレーム同期が確立すれば、フレーム同期信号の次の信号をBPSK信号として受信、復調し、TMCC信号を得ることができる。このTMCC信号の内容を解釈することにより、TMCC信号の後に引き続き伝送されてくるペイロード情報を伝送する主信号部のシンボルの変調方式や符号化率等の伝送制御情報を知ることができるので、これに基づいて、主信号の受信および内符号の復号を行うことができる。
【0033】
その後、復調信号中のフレーム同期信号とTMCC信号は、元のように、TSの同期信号に置き換えられ、1バイトの同期信号と203バイトの主信号とからなるRS(204,188)符号化されたTSに戻され、さらにこのRS符号を復号することにより、送信されたTSを得ることができる。
【0034】
以上説明したような本発明の実施の形態によれば、キャリア同期用バースト信号部分にキャリア同期する場合、バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用バースト信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置し、上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出するこことにより、バースト状のキャリア同期信号の周波数検出が高精度に行え、キャリア同期も高精度で行える。
【0035】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、例えばバースト長Ta 、バースト周期Tb 及び所定の期間Tc は、上述した実施の形態の各値(Ta =4、Tb =207、Tc =410)に限定されないことは勿論である。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る周波数検出よれば、キャリア同期のためのキャリア同期用信号部分として、バースト長Ta 、バースト周期Tb の入力信号が供給され、上記入力信号の上記バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置し、上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出するこことにより、バースト状のキャリア同期信号の周波数検出が高精度に行え、キャリア同期も高精度で行える。
【0037】
また、このような周波数検出が行われるキャリア同期手段を有するディジタル放送装置等の信号処理装置によれば、C/N(キャリア/ノイズ比)が低い場合や、受信機のフロントエンド部での雑音が多い場合でも同期外れの生じない安定した同期検波が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となる周波数検出回路の構成を示すブロック図である。
【図2】一定周期のキャリア同期用バースト信号を集めてDFTするときの動作を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態となる周波数検出回路が用いられたキャリア同期回路の具体例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の周波数検出回路が用いられたキャリア同期回路を有して構成される受信装置の一例を示すブロック図である。
【図5】BSディジタル放送の送信装置の一例を示す図である。
【図6】BSディジタル放送信号中のキャリア同期用のBPSK変調信号の部分の一例を示す図である。
【符号の説明】
63 周波数検出部、 64 位相検出部、 162 ゲート回路、 163制御部、 164 メモリ、 165 DFT(離散フーリエ変換)回路
Claims (6)
- キャリア同期のためのキャリア同期用信号部分を含み、該キャリア同期用信号部分の持続時間であるバースト長Ta 及び該キャリア同期用信号部分の繰り返し周期であるバースト周期Tb が一定の入力信号が供給され、
上記入力信号の上記バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置し、
上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出すること
を特徴とする周波数検出方法。 - 上記期間Tc として、
Tc =nTb −Ta
ただしnは整数
とすることを特徴とする請求項1記載の周波数検出方法。 - キャリア同期のためのキャリア同期用信号部分を含み、該キャリア同期用信号部分の持続時間であるバースト長Ta 及び該キャリア同期用信号部分の繰り返し周期であるバースト周期Tb が一定の入力信号が供給され、
上記入力信号の上記バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置する手段と、
上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出する手段と
を有することを特徴とする周波数検出回路。 - 上記期間Tc として、
Tc =nTb −Ta
ただしnは整数
とすることを特徴とする請求項3記載の周波数検出回路。 - 情報信号が複数の変調方式のいずれかで変調されて送信された信号を受信し、得られた受信信号中の所定の変調方式の部分に対応するキャリア同期信号部分に基づきキャリア信号を再生するキャリア同期手段と、
上記キャリア同期手段からのキャリア信号に基づいて上記受信信号を復号処理して上記情報信号を得る復号手段とを有し、
上記キャリア同期用信号部分は、持続時間であるバースト長Ta 及び繰り返し周期であるバースト周期Tb が一定とされ、
上記受信信号のキャリア信号成分の周波数検出を行う周波数検出手段と、
上記入力信号のキャリア信号成分の位相同期を行うためのPLL(位相ロックループ)手段とを有し、
上記周波数検出手段は、
上記入力信号の上記バースト周期Tb よりも長い所定の期間Tc の範囲内に、上記キャリア同期用信号部分を上記期間Tc を周期として上書きする形態で重ねて配置し、
上記期間Tc 内に上記キャリア同期用信号部分が配置され充填されたものに対して離散フーリエ変換(DFT)を施して、上記入力信号のキャリア周波数を検出する
ことを特徴とする信号処理装置。 - 上記期間Tc として、
Tc =nTb −Ta
ただしnは整数
とすることを特徴とする請求項5記載の信号処理装置。
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