JP4308808B2 - ストリップラインフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信モジュール等において高周波フィルタ回路として用いられるストリップラインフィルタに関する。
無線送受信機において、搬送波周波数に重畳された送受信信号の通過特性を有するBPF(バンドパスフィルタ)をアンテナの次段に設け、搬送波信号から重畳されている送信信号が取り出されている。かかるBPFは、一般にトップフィルタと呼ばれており、例えば5.8GHzに通過特性が設定される。BPFには阻止帯域の減衰特性が急峻で、しかも低い伝送損失が要求される。
図8(a)(b)(c)はトップフィルタとして用いられるBPFの構成例を示す構成説明図である。同図に示すBPF110は、誘電体基板111,112からなる多層基板の内部に共振器導体パターン113,114を形成したトリプレート構造を有している。誘電体基板111,112のそれぞれの表面にグラウンドパターン115,116が形成され、基板外周部に多数形成されたビアホール117を介して互いに導通している。共振器導体パターン113,114は、通過波長λの1/4の長さMを有しており、互いに平行に配置された状態で一端がグラウンドパターン115,116に接続されると共に他端が開放している。そして、共振器導体パターン113,114のそれぞれに側方へ延出する入出力パターン118,119が形成されている。
図9はBPF110の等価回路を示す回路構成図である。同図に示すように、BPF110は、共振器導体パターン113とグラウンドパターン115,116との間にキャパシタC1とインダクタンスL1とからなる並列共振回路PR1が形成され、共振器導体パターン114とグラウンドパターン115,116との間にキャパシタC2とインダクタンスL2とからなる並列共振回路PR2が形成され、共振器導体パターン113及び114の対向側面の間にキャパシタC3が形成され、並列共振回路PR1とPR2とがキャパシタC3を介して容量結合された構成である。
かかるBPF110によれば、一方の共振器導体パターン113から入力された波長λの高周波信号が、並列共振回路PR1とPR2とによって通過波長λの帯域において共振し、帯域外の高周波成分が除去されて出力される。
ところが、上記したBPF110は、同一層に形成した共振器導体パターン113及び114の対向側面にてキャパシタC3を形成しているので、結合する容量値が小さいために周波数帯域が狭く、伝送損失が大きくなる問題があった。共振器導体パターン113と114との距離を狭くして結合度を上げることによりキャパシタC3の容量値を増大させることも考えられるが、このような構成により所望のフィルタ特性を実現しようとした場合、製品の薄型化の要求に対して誘電体基板111,112の厚さを125μmとしてシミュレーションすると、パターン間隔が10μm程度と極めて狭くなり、パターン精度からして現実的でない。
そこで、共振器導体パターン113と共振器導体パターン114とを異なる層に形成し、互いのオープンスタブ(共振器導体パターンにおける接地されていない側のパターン)を、誘電体層を挟んで上下に対向配置し、これによりキャパシタを形成する対向面積を確保して容量値を大きくすることが考えられる。
特開2003−179405号公報
しかしながら、共振器導体パターンを積層して対向配置させる構造は、焼成前の基板材料を積み重ねてから焼成する製造方法を採用する場合、多層基板を形成する過程で各層の伸縮方向の違いから対向配置すべき共振器導体パターンの層間ずれが生じ、結合容量のバラツキが大きくなるといった問題がある。結合容量のバラツキはフィルタ特性に大きな影響を与えるため、できる限りバラツキを抑制することが望まれる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、多層基板の層間ずれによる結合容量のバラツキを抑制でき、十分な結合容量を確保できて小型化が可能であり、伝送損失が少なく、しかも良好な帯域特性を実現できるストリップラインフィルタを提供することを目的とする。
本発明のストリップラインフィルタは、複数の誘電体層と複数の導体層とが積層された多層基板と、前記多層基板に設けられ各々の一端が接地された入力ストリップライン及び出力ストリップラインと、前記複数の導体層の一つである第1導体層内に互いの側面を対向させて近接配置され、各々の一端が対応する前記入力ストリップライン又は前記出力ストリップラインの他端に接続された入力オープンスタブ及び出力オープンスタブと、前記複数の導体層の一つである第2導体層内に互いの側面を対向させて近接配置され、各々対応する前記入力オープンスタブ又は前記出力オープンスタブに対して導通接続された第1サブ入力オープンスタブ及び第1サブ出力オープンスタブと、前記入力オープンスタブと前記第1サブ入力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールと、前記出力オープンスタブと前記第1サブ出力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールと、を具備し、前記入力オープンスタブに対して前記第1サブ入力オープンスタブが対向配置され、前記出力オープンスタブに対して前記第1サブ出力オープンスタブが対向配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、第1導体層内に互いの側面を対向させて近接配置された入力オープンスタブと出力オープンスタブとの対向側面間に結合容量が形成されると共に、第2導体層内に互いの側面を対向させて近接配置された第1サブ入力オープンスタブと第1サブ出力オープンスタブとの対向側面間に結合容量が形成されるので、一対の入力オープンスタブ及び出力オープンスタブだけの結合容量に比べて十分に大きな結合容量を得ることができる。しかも、入力オープンスタブと出力オープンスタブとの対向側面の間隔及び第1サブ入力オープンスタブと第1サブ出力オープンスタブとの対向側面の間隔は、焼成過程で層間ずれが生じてもほとんど変化しないので結合容量のバラツキを抑制することもできる。
また本発明は、上記ストリップラインフィルタにおいて、前記複数の導体層の一つである第3導体層内に互いの側面を対向させて近接配置され、各々対応する前記入力オープンスタブ又は前記出力オープンスタブに対して導通接続された第2サブ入力オープンスタブ及び第2サブ出力オープンスタブを具備し、前記入力オープンスタブと前記第2サブ入力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールと、前記出力オープンスタブと前記第2サブ出力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールとを具備し、前記入力オープンスタブに対して前記第2サブ入力オープンスタブが対向配置され、前記出力オープンスタブに対して前記第2サブ出力オープンスタブが対向配置され、前記第1導体層を挟んで上下に前記第2導体層及び前記第3導体層が配置され、前記入力オープンスタブを前記第1サブ入力オープンスタブと前記第2サブ入力オープンスタブが挟むと共に、前記出力オープンスタブを前記第1サブ出力オープンスタブと前記第2サブ出力オープンスタブが挟むことを特徴とする。
この構成により、さらに第3導体層内に互いの側面を対向させて近接配置された第2サブ入力オープンスタブと第2サブ出力オープンスタブとの対向側面においても結合容量が生じるので、さらに大きな結合容量を得ることができる。また、導体層を増やすことなく第1サブ入力オープンスタブ及び第1サブ出力オープンスタブ、第2サブ入力オープンスタブ及び第2サブ出力オープンスタブを配置できると共に、三層の対向配置構造としたのでオープンスタブ側の占有容積を小さくできフィルタ全体を小型化することが可能になる。
また本発明は、上記ストリップラインフィルタにおいて、前記入力ストリップライン及び出力ストリップラインは、前記入力オープンスタブ及び出力オープンスタブと同一の第1導体層内に形成され、前記第2導体層は前記第1導体層に隣接した導体層からなり、前記入力ストリップライン及び出力ストリップラインの一端を接地するためのグラウンドが形成されていることを特徴とする。
この構成により、入力ストリップライン及び出力ストリップラインを接地するグラウンドと第1サブ入力オープンスタブ及び第1サブ出力オープンスタブを形成する導体層とを同一の第1導体層としたので、導体層を増やすことなく第1サブ入力オープンスタブ及び第1サブ出力オープンスタブを配置することができる。
なお、前記多層基板の最上層又は最下層となる導体層に回路パターンを形成すると共に電子部品を載置するためのランドを設ける構成としてもよい。
本発明によれば、多層基板の層間ずれによる結合容量のバラツキを抑制でき、十分な結合容量を確保できて小型化が可能であり、伝送損失が少なく、しかも良好な帯域特性を実現できる。
以下、本発明の一実施の形態に係るストリップラインフィルタの詳細について添付図面を参照して説明する。本実施の形態のストリップラインフィルタは、例えば図示しない無線送受信装置のアンテナ入出力部を構成するBPFに用いられ、アンテナにより送受信される例えば5.8GHz搬送波周波数に重畳された送受信信号の通過特性を有する。
図1は、本実施の形態に係るストリップラインフィルタを構成するストリップライン、オープンスタブ、ビアホール等を抜き出した斜視図であり、図2(a)(b)(c)は図1に示すストリップライン等をa,b,cの各方向から見た概略的な側面図である。なお、本実施の形態に係るストリップラインフィルタは第1〜第4の誘電体層と第1〜第5の導体層からなるものとするが、本発明はこのような多層基板に限定されるものではない。
図1に示すように、第1導体層には、各々方形状をなす導体パターンからなる2本のストリップライン1,2が所定距離だけ離間して平行に形成されている。ストリップライン1,2の一端はビアホール3,4を介して後述する第2導体層及び第3導体層に形成されたグラウンドに接続される。一方のストリップライン1の他端には第4導体層に設けられた導体パターンからなる入力端5がビアホール6を介して導通しており、他方のストリップライン2の他端には第4導体層に設けられた導体パターンからなる出力端7がビアホール8を介して導通している。すなわち、一方のストリップライン1は一方の端部が入力端5に接続され、もう一方の端部がグラウンドに接続された先端短絡型の線路(ショートスタブ)である入力ストリップラインを構成する。またもう一方のストリップライン2は一方の端部が出力端7に接続され、もう一方の端部がグラウンドに接続された先端短絡型の線路(ショートスタブ)である出力ストリップラインを構成する。
また、第1導体層には、各々方形状をなし導体パターンからなる入力オープンスタブ9及び出力オープンスタブ10が形成されている。入力オープンスタブ9の一端は連結部11及びビアホール6(ストリップライン1における接地端に対する対向端)を介して入力端5に導通している。また出力オープンスタブ10の一端は連結部12及びビアホール8(ストリップライン2における接地端に対する対向端)を介して出力端7に導通している。図2(b)(c)に示すように、入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10とは、互いの側面が所定距離W1だけ離間し同一層内で対向している。入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10とは結合容量の容量値を増大するために互いの間隔W1が接近していることが望ましいが、入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10の側面の結合だけでは限界がある。
本実施の形態では、入力オープンスタブ9の上層側となる第2導体層に入力オープンスタブ9と略同形状をなす導体パターンからなる第1サブ入力オープンスタブ13を対向配置している。また入力オープンスタブ9の下層側となる第3導体層に入力オープンスタブ9と略同形状をなす導体パターンからなる第2サブ入力オープンスタブ14を対向配置している。第1サブ入力オープンスタブ13、入力オープンスタブ9及び第2サブ入力オープンスタブ14は、複数個所においてビアホール15にて導通している。同様に、出力オープンスタブ10の上層側となる第2導体層に出力オープンスタブ10と略同形状をなす導体パターンからなる第1サブ出力オープンスタブ16を対向配置している。また出力オープンスタブ10の下層側となる第3導体層に出力オープンスタブ10と略同形状をなす導体パターンからなる第2サブ出力オープンスタブ17を対向配置している。第1サブ出力オープンスタブ16、出力オープンスタブ10及び第2サブ出力オープンスタブ17は、複数個所においてビアホール18にて導通している。
このように、オープンスタブ側を三層構造とし、層間で容量部を形成するのではなく、第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16の対向側面、入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10の対向側面、第2サブ入力オープンスタブ14と第2サブ出力オープンスタブ17との対向側面といった具合に同一層毎に容量部を形成している。
図3は本実施の形態のストリップラインフィルタの上面図である。また、図4は入力側となるストリップライン及びオープンスタブに沿った図3に示すA−A線矢視断面図であり、ストリップラインフィルタ20の側断面構造を示している。なお、図4において各導体層は誇張されており、実際は誘電体層に比べて十分に薄い厚さで形成されている。また、出力側となるストリップライン及びオープンスタブに沿った断面構造は図示していないが、入力側と同様である。
本ストリップラインフィルタ20は、外形が長方形状をなす多層基板に構築されている。ストリップラインフィルタ20は、第1〜第4の誘電体層31〜34と第1〜第5の導体層35〜39とで構成された多層基板を備えている。第1の誘電体層31の上面に第4導体層38が形成されている。第4導体層38は、入力端5を形成する導体パターンが形成されている。第4導体層38には各種の回路パターンが形成されると共に各種電子部品を載置するランドが設けられる。
第1誘電体層31と第2誘電体層32との間に第2導体層36が形成されている。図5(a)は第2導体層36の平面図である。第2導体層36は、基板外形に対応したサイズの導体パターンからなるグラウンドを形成している。第2導体層36の中央部には、ビアホール6,8の形成領域と同心状に当該ビアホール6,8の直径よりも大きな径を有する円形開口41,42を形成している。すなわち、円形開口41,42に各ビアホール6,8を通し、ビアホール6,8とグラウンド(第2導体層36)とが導通しないように設定している。また、円形開口41,42に隣接して長方形の開口部43が形成されており、当該開口部43の中に開口部43内周縁から離間して、第1サブ入力オープンスタブ13及び第1サブ出力オープンスタブ16を配置している。第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16の夫々対向する側面間は第1誘電体層21の一部である誘電体材料で満たされている。第2導体層36の外延部には、第4導体層38の後述するグラウンドと導通させるために複数のビアホール44が形成されている。
また、第2誘電体層32と第3誘電体層33との間に第1導体層35が形成されている。図5(b)は第1導体層35の平面図である。第1導体層35において、入出力端(ビアホール6,8)を中心にして、一方の側に一対のストリップライン1,2を平行に延出し、他方の側に一対のオープンスタブ9,10を平行に延出している。これらストリップライン1,2及びオープンスタブ9,10の周囲を囲むように環状のグランウンドパターン45が形成されている。グランウンドパターン45は、ビアホール44を介して上下の第2導体層36及び第3導体層37と導通している。入力オープンスタブ9及び出力オープンスタブ10は、長方形の同一形状を有しており、所定距離W1だけ隔てて平行に配置されている。距離W1は実現可能な範囲で小さくすることが望ましい。入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10の夫々対向する側面間は第2誘電体層32の一部である誘電体材料で満たされている。
また、第3誘電体層33と第4誘電体層34との間に第3導体層37が形成されている。図5(c)は第3導体層37の平面図である。第3導体層37は、基板外形に対応したサイズの導体パターンからなるグラウンドを形成している。第2導体層36の開口部43と対向する領域に同一形状の開口部46が形成されている。当該開口部46の中に開口部46内周縁から離間して、第2サブ入力オープンスタブ14及び第2サブ出力オープンスタブ17を配置している。第2サブ入力オープンスタブ14と第2サブ出力オープンスタブ17の夫々対向する側面間は第3誘電体層33の一部で満たされている。第3導体層37の外延部には、第1導体層35のグランウンドパターン45を介して第2導体層36のグラウンドに連通する複数のビアホール44が形成されている。
上記第1サブ入出力オープンスタブ13,16と、入出力オープンスタブ9,10と、第2サブ入出力オープンスタブ14,17とは、積層方向に対向配置されるように精密に位置決めして形成される。但し、焼成過程で各層の伸縮の違いから従来同様にある程度の層間ずれは生じるものとする。
図6(a)は第1誘電体層31の上面に形成した回路パターン及びランドの構成例を示している。また、図6(b)は第4誘電体層34の下面に形成した回路パターン及びランドの構成例を示している。
以上のように構成されたストリップラインフィルタ20は、図8に示すトップフィルタと同様に図9に示す等価回路となる。すなわち、ストリップラインフィルタ20は、入力端5から高周波信号が入力された場合、入力側のストリップライン1と出力側のストリップライン2とが電磁結合する。そして、入力側のストリップライン1の上下に誘電体層32,33を介して対向配置されたグラウンドとなる第2導体層36及び第3導体層37との間にキャパシタC1とインダクタンスL1とからなる並列共振回路PR1が形成される。また、出力側のストリップライン2の上下に誘電体層32,33を介して対向配置されたグラウンドとなる第2導体層36及び第3導体層37との間にキャパシタC2とインダクタンスL2とからなる並列共振回路PR2が形成される。
一方、上記高周波信号の入力された入力端5と導通しているオープンスタブ側では、並列共振回路PR1と並列共振回路PR2とを容量結合するキャパシタC3が形成されている。すなわち、第1導体層35において入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10とが互いの側面を距離W1だけ隔てて近接配置しており、各オープンスタブ9、10の長さ及び厚ささらに距離W1等に応じて決まる結合容量C3−aが生じている。本実施の形態では、第2導体層36においても第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16とが互いの側面を距離W1だけ隔てて近接配置しており、第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16との間に距離W1等に応じて決まる結合容量C3−bが生じている。さらに、第3導電体層37においても第2サブ入力オープンスタブ14と第2サブ出力オープンスタブ17とが互いの側面を距離W1だけ隔てて近接配置しており、第2サブ入力オープンスタブ14と第2サブ出力オープンスタブ17との間に距離W1等に応じて決まる結合容量C3−cが生じている。図9に示す並列共振回路PR1と並列共振回路PR2とを容量結合するキャパシタC3は、第2導体層36で得られる結合容量C3−aと、第1導体層35で得られる結合容量C3−bと、第3導体層37で得られる結合容量C3−cとを合計した容量値となる。
ここで、本実施の形態に係るストリップラインフィルタ20の製造方法として、誘電体層上に上記導体パターンを有する導体層となるグリーンシート等を重ねていき積層作業が完了した後、全体を焼成して第1〜第4の誘電体層31〜34と第1〜第5の導電層35〜39からなる多層基板を得る方法を用いるものとする。
この場合、焼成過程において誘電体材料又は導体層材料の伸縮作用により、例えば第2導体層36が全体的に図2(c)の矢印B方向へシフトし、第1導体層35が全体的に図2(c)の矢印C方向へシフトしたものとする。
入力オープンスタブと出力オープンスタブとを単純に上下に対向配置してその間にキャパシタC3を形成する構造であれば層間ずれによる結合容量変化が発生するが、本実施の形態は層間ずれによる結合容量変化は大幅に抑制される。
これは、第2導体層36が全体的に矢印B方向へシフトしても第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16との間隔W1は変化せずにそのまま維持されることによるものである。第2導体層36において第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16との間に形成される結合容量C3−aは、上記したように第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16との間隔W1に依存する。第2導体層36が全体的に矢印B方向へシフトしても、第1サブ入力オープンスタブ13及び第1サブ出力オープンスタブ16は同一方向(B方向)へ略同一距離だけシフトすることとなるので、第1サブ入力オープンスタブ13と第1サブ出力オープンスタブ16との間隔W1も維持される結果となる。また、層間ずれが生じているサブオープンスタブ13、16とオープンスタブ9,10との間は、ビアホール15,18を介して導通しているので、層間ずれの生じている積層方向には結合容量は生成されていないため、層間ずれによる結合容量の変化は生じない。
第1導体層35においても、第1導体層35が全体的に矢印C方向へシフトしても、上記同様に入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10との間隔W1が維持されるので、入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10との間に形成される結合容量C3−bはほとんど変化しない。第3導体層37においても、第3導体層37が全体的にいずれかの方向へシフトしても、上記同様に第2サブ入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10との間隔W1が維持されるので、第2サブ入力オープンスタブ14と第2サブ出力オープンスタブ17との距離W1はほとんど変化せず、結合容量C3−cはほとんど変化しない。したがって、図9の等価回路において並列共振回路PR1と並列共振回路PR2とを容量結合するキャパシタC3は、層間ずれが発生してもほとんど変化しないこととなる。
以上のように、入力側のストリップライン1で形成される並列共振回路PR1と、出力側のストリップライン2で形成される並列共振回路PR2とが、入出力オープンスタブ9,10の結合容量C3−bと第1入出力サブオープンスタブ13,16の結合容量C3−aと第2入出力サブオープンスタブ14,17の結合容量C3−cとを合計したキャパシタC3で容量結合される。
出力側のストリップライン2に接続された出力端7から、所定の周波数帯域の高周波信号が選択されて出力される。上述した構造を有するストリップラインフィルタ20に所定の数値を設定してフィルタ特性をシミュレーションした結果、図7に示すフィルタ特性が得られた。同図に示すように、高周波数の阻止帯域において急峻に立ち下がる良好なフィルタ特性が得られている。
このように本実施の形態によれば、結合容量を形成するオープンスタブを多層構造とし、同一層毎に側面を対向させて結合容量を形成すると共に積層方向はビアホール15、18で導通させたので、入力オープンスタブ9と出力オープンスタブ10だけの場合に比べて十分に大きな結合容量を得ることができる。しかも、焼成過程で層間ずれが発生しても各層の結合容量がほとんど変化しないので結合容量のバラツキを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、第2導体層36において同一層内にグラウンドと第1入出力サブオープンスタブ13,16を形成し、また第3導体層37において同一層内にグラウンドと第2入出力サブオープンスタブ14,17を形成したので、導体層を増やすことなくサブオープンスタブを積層することができた。
なお、上記実施の形態ではオープンスタブ側を三層構造にしているが、例えばオープンスタブ9,10による結合容量C3−bと第1サブオープンスタブ13,16による結合容量C3−aとでキャパシタC3として十分な容量値を確保できるのであれば、第2サブオープンスタブ14,17は必ずしも必要ない。又は第2サブオープンスタブ14,17を残して第1サブオープンスタブ13,16を設けない構成としても良い。また、より大きな結合容量を確保するのであれば、オープンスタブ側を4層以上にして第3、第4のサブオープンスタブを設けるようにしても良い。また、ストリップライン1,2は必ずしも同一層内に配置しなくても良い。
本発明は、無線通信モジュール等の小型電子機器の高周波フィルタ回路に適用可能である。
一実施の形態に係るストリップラインフィルタにおけるストリップライン及びオープンスタブを抜き出した斜視図 (a)図1のa方向から見たストリップラインフィルタの側面図、(b)図1のb方向から見たストリップラインフィルタの右正面図、(b)図1のc方向から見たストリップラインフィルタの左正面図 上記一実施の形態に係るストリップラインフィルタの上面図 図3のA−A線矢視断面図 (a)図4に示す第2導体層の平面図、(b)図4に示す第1導体層の平面図、(c)図4に示す第3導体層の平面図 (a)図4に示す第4導体層の平面図、(b)図4に示す第5導体層の平面図 上記一実施の形態に係るストリップラインフィルタのフィルタ特性図 従来のトップフィルタの構成説明図 図8に示すトップフィルタの等価回路図
符号の説明
1,2 ストリップライン
3,4,6,8,15,18,44 ビアホール
5 入力端
7 出力端
9 入力オープンスタブ
10 出力オープンスタブ
11,12 連結部
13 第1サブ入力オープンスタブ
14 第2サブ入力オープンスタブ
16 第1サブ出力オープンスタブ
17 第2サブ出力オープンスタブ
20 ストリップラインフィルタ
31〜34 第1〜第4の誘電体層
35〜39 第1〜第5の導体層

Claims (4)

  1. 複数の誘電体層と複数の導体層とが積層された多層基板と、
    前記多層基板に設けられ各々の一端が接地された入力ストリップライン及び出力ストリップラインと、
    前記複数の導体層の一つである第1導体層内に互いの側面を対向させて近接配置され、各々の一端が対応する前記入力ストリップライン又は前記出力ストリップラインの他端に接続された入力オープンスタブ及び出力オープンスタブと、
    前記複数の導体層の一つである第2導体層内に互いの側面を対向させて近接配置され、各々対応する前記入力オープンスタブ又は前記出力オープンスタブに対して導通接続された第1サブ入力オープンスタブ及び第1サブ出力オープンスタブと、
    前記入力オープンスタブと前記第1サブ入力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールと、
    前記出力オープンスタブと前記第1サブ出力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールと、を具備し
    前記入力オープンスタブに対して前記第1サブ入力オープンスタブが対向配置され、
    前記出力オープンスタブに対して前記第1サブ出力オープンスタブが対向配置されたことを特徴とするストリップラインフィルタ。
  2. 前記複数の導体層の一つである第3導体層内に互いの側面を対向させて近接配置され、各々対応する前記入力オープンスタブ又は前記出力オープンスタブに対して導通接続された第2サブ入力オープンスタブ及び第2サブ出力オープンスタブを具備し
    前記入力オープンスタブと前記第2サブ入力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールと、
    前記出力オープンスタブと前記第2サブ出力オープンスタブとを導通接続する複数のビアホールとを具備し、
    前記入力オープンスタブに対して前記第2サブ入力オープンスタブが対向配置され、
    前記出力オープンスタブに対して前記第2サブ出力オープンスタブが対向配置され、
    前記第1導体層を挟んで上下に前記第2導体層及び前記第3導体層が配置され、
    前記入力オープンスタブを前記第1サブ入力オープンスタブと前記第2サブ入力オープンスタブが挟むと共に、前記出力オープンスタブを前記第1サブ出力オープンスタブと前記第2サブ出力オープンスタブが挟むことを特徴とする請求項1記載のストリップラインフィルタ。
  3. 前記入力ストリップライン及び出力ストリップラインは、前記入力オープンスタブ及び出力オープンスタブと同一の第1導体層内に形成され、前記第2導体層は前記第1導体層に隣接した導体層からなり、前記入力ストリップライン及び出力ストリップラインの一端を接地するためのグラウンドが形成されていることを特徴とする請求項1記載のストリップラインフィルタ。
  4. 前記多層基板の最上層又は最下層となる導体層に回路パターンを形成すると共に電子部品を載置するためのランドを設けたことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のストリップラインフィルタ。
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