JP4307306B2 - 水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法 - Google Patents

水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4307306B2
JP4307306B2 JP2004090782A JP2004090782A JP4307306B2 JP 4307306 B2 JP4307306 B2 JP 4307306B2 JP 2004090782 A JP2004090782 A JP 2004090782A JP 2004090782 A JP2004090782 A JP 2004090782A JP 4307306 B2 JP4307306 B2 JP 4307306B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
proton conductor
hydrogen sensor
vinyl polymer
solid acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004090782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005274467A (ja
Inventor
繁 飯山
雅壽 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corona Corp
Original Assignee
Corona Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Corona Corp filed Critical Corona Corp
Priority to JP2004090782A priority Critical patent/JP4307306B2/ja
Publication of JP2005274467A publication Critical patent/JP2005274467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4307306B2 publication Critical patent/JP4307306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、水素センサに関し、特に改質型の燃料電池システムにおける燃料ガス(改質ガス)中の水素ガスの検出に使用される水素センサに関する。
近年、発電システムとしてクリーンでエネルギ効率の優れた燃料電池が注目されている。例えば、改質型の燃料電池システムでは、燃料電池の燃料極(アノード)側に水素ガスを含む改質ガスを供給すると共に、酸化剤極(カソード)側に空気(酸素)を供給することによって電気を発生させている。この改質型の燃料電池システムでは、改質器から燃料電池に供給される改質ガス中の水素ガスが水素センサによって検出されており、この水素センサから出力される検出信号によって改質ガスの供給量が調節され、燃料電池での発電量が制御されている。
従来、水素ガスを検出する水素センサとしては、バリウム−セリウム−ジルコニウム−インジウム系複合酸化物を一対の電極で挟持したもの(例えば、特許文献1参照)や、白金等の触媒薄膜を備えた光学式のもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
前記したバリウム−セリウム−ジルコニウム−インジウム系複合酸化物を使用した水素センサは、一対の電極間に通電した直流電流の電流値に基づいて水素ガス濃度の変化が検出されるようになっている。前記した光学式の水素センサは、白金等の触媒薄膜に光を投射してその反射光の光量に基づいて水素ガス濃度の変化が検出されるようになっている。
特開2003−098147号公報(段落0016、図4) 特開平5−196569号公報(段落0016、段落0017、図2)
しかしながら、バリウム−セリウム−ジルコニウム−インジウム系複合酸化物を使用した水素センサは、バリウム−セリウム−ジルコニウム−インジウム系複合酸化物の活性を維持するために、その動作温度が高い(350℃以上)。その一方で、改質器から燃料電池に供給される改質ガスの温度は、150℃乃至230℃である。その結果、この水素センサを燃料電池に適用しようとすれば、水素センサを昇温するためのヒータが不可欠となる。したがって、この水素センサでは、改質型の燃料電池システムの消費電力が増大するという課題がある。
また、光学式の水素センサは、触媒薄膜からの反射する光量を測定するための発光部及び測光部が不可欠となるため、水素センサ自体の構造が複雑化するという課題がある。
そこで、本発明は、消費電力が低減されると共に、その構造が簡単な水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明のプロトン伝導体は、シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸を含む固体酸膜を形成したことを特徴とする。
このプロトン伝導体は、シリカと有機材料であるビニルポリマとを含む複合物の多孔質体に固体酸を担持させたものであり、プロトン伝導性を有している。このプロトン伝導体は、従来のプロトン伝導体(例えば、特許文献1参照)と比較して、例えば、230℃以下といった低い温度で良好なプロトン伝導性を発揮する。したがって、このプロトン伝導体によれば、従来の水素センサ(例えば、特許文献1参照)と比較して動作温度が低い水素センサを得ることができる。
また、このプロトン伝導体は、シリカを含んでいるので、耐熱性に優れていると共に、有機材料であるビニルポリマを含んでいるので成型性に優れている。
また、前記プロトン伝導体において、前記ビニルポリマはポリスチレンが好ましく、前記固体酸は、CsHSO4、Cs2(HSO4)(H2PO4)、Rb3H(SeO42、(NH43H(SO42及びK3H(SO42から選択される少なくとも1種が好ましい。
このプロトン伝導体の製造方法は、シリカの微粒子の表面に放射線を照射して前記微粒子の表面にビニル基含有モノマをグラフト重合させてシリカ―ビニルポリマ複合微粒子を得る放射線グラフト重合工程と、前記シリカ―ビニルポリマ複合微粒子からなる粉体を加圧成型してシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体を得る多孔質体成型工程と、前記シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸を含む固体酸膜を形成する固体酸膜形成工程とを備えることを特徴とする。
また、このプロトン伝導体の製造方法によれば、シリカの微粒子の表面に放射線を照射して前記微粒子の表面にビニル基含有モノマをグラフト重合させてシリカ―ビニルポリマ複合微粒子を得る放射線グラフト重合工程と、前記シリカ―ビニルポリマ複合微粒子からなる粉体を加圧成型してシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体を得る多孔質体成型工程と、前記シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸を含む固体酸膜を形成する固体酸膜形成工程とを経て得られることを特徴とするプロトン伝導体を提供することができる。
このような製造方法で得られたプロトン伝導体では、シリカに有機材料であるビニルポリマが化学結合しているので、シリカに対するビニルポリマの結合力が高められる。その結果、このプロトン伝導体は耐久性に優れる。
また、本発明の水素センサは、前記プロトン伝導体が一対の電極で挟み込まれていることを特徴とする。
この水素センサでは、一対の電極間に直流電圧が印加されると、プロトン伝導体の孔内に形成された固体酸膜を伝わって直流電流が流れる。そして、改質ガスがプロトン伝導体に流されると、改質ガスが孔内を流れると共に、改質ガスが孔内に形成された固体酸膜に含まれる固体酸と接触する。その結果、一対の電極間に流れる直流電流は、孔内を流れる改質ガス中に含まれる水素ガスの濃度変化に応じてその電流値が変化する。つまり、この水素センサによれば、一対の電極間に流れる直流電流が測定されることによって改質ガス中の水素ガスの濃度変化が検出される。
また、この水素センサは、前記したようにプロトン伝導体が低い温度で良好なプロトン伝導性を発揮するので、例えば、燃料電池に供給される150℃乃至230℃の改質ガス中の水素ガスを検出する際に、従来の水素センサ(例えば、特許文献1参照)のようにヒータを必要としない。したがって、この水素センサによれば、改質型の燃料電池システムの消費電力が低減される。
また、この水素センサは、プロトン伝導体を一対の電極で挟持して構成されており、光学式の水素センサ(例えば、特許文献2参照)のように複雑な光学系を必要とせずにその構造が簡単となる。
本発明によれば、消費電力が低減されると共に、その構造が簡単な水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係る水素センサが組み込まれた燃料電池システムのブロック図、図2は、本実施形態に係る水素センサの模式図、図3は、本実施形態に係る水素センサの部分拡大断面図である。
ここでは、本実施形態に係る水素センサを説明するに先立って、この水素センサが組み込まれた燃料電池システムについて説明する。
図1に示すように、燃料電池システム1は、主に、脱硫器3、改質器4、シフト反応器5、CO(一酸化炭素)選択酸化器6、燃料電池スタック7及び水素センサ10で構成されている。この燃料電池システム1では、例えば、灯油、ガソリン等の炭化水素系燃料がタンク2から脱硫器3に供給される。脱硫器3では、炭化水素系燃料に含まれる硫黄が除去される。硫黄が除去された炭化水素系燃料は、改質器4に供給される。そして、改質器4には水がさらに供給される。改質器4では、炭化水素系燃料及び水が触媒の存在下で反応することによって改質ガス(水素含有ガス)が生成する。なお、この改質器4は、炭化水素系燃料及び水を反応させるために図示しないバーナで加熱される。
改質器4で生成した改質ガスは、シフト反応器5に送り込まれる。このシフト反応器5は、改質ガス中のCO(一酸化炭素)を低減するものである。このシフト反応器5は、触媒の存在下にCO+H2O→CO2+H2で表される反応を進行させることによって改質ガスを水素リッチにするようになっている。
水素リッチになった改質ガスは、CO選択酸化器6に送り込まれる。そして、CO選択酸化器6には空気(酸素含有ガス)がさらに供給される。このCO選択酸化器6は、燃料電池8の図示しない燃料極及び酸化剤極に使用される触媒(白金)の触媒毒となるCO(一酸化炭素)を改質ガスから除去するものである。このCO選択酸化器6は、触媒の存在下に2CO+O2→2CO2で表される反応を進行させることによって改質ガス中のCOを除去するようになっている。
そして、COが除去された改質ガスは、燃料電池スタック7に供給されるようになっている。このとき燃料電池スタック7に供給される改質ガスの温度は、150℃乃至230℃程度となっている。
燃料電池スタック7は、複数の燃料電池8(単セル)が積層された積層体で構成されている。改質ガスは、燃料電池8(単セル)の図示しない燃料極(アノード)に供給されるようになっている。その一方で、燃料電池スタック7には、空気(酸素含有ガス)が供給されるようになっている。この空気(酸素含有ガス)は、燃料電池8(単セル)の図示しない酸化剤極(カソード)に供給されるようになっている。
この燃料電池8(単セル)では、図示しない燃料極に供給された改質ガス中の水素ガスが燃料極に含まれる触媒(白金)によってイオン化されることによってプロトンが生成される。生成されたプロトンは、図示しない酸化剤極に供給された空気(酸素含有ガス)と触媒(白金)の存在下に反応することによって水を生成する。このようにプロトンが生成され、そしてこのプロトンと酸素とが反応して水が生成される過程において、燃料電池8(単セル)は発電する。そして、プロトンと酸素とが反応して水が生成された際に生じる熱は回収される。
次に、本実施形態に係る水素センサ10について説明する。
水素センサ10は、改質ガス中の水素ガスの濃度変化を検出するものであり、図2に示すように、プロトン伝導体11と、電極12とで構成されている。
プロトン伝導体11は、図3に示すように、シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体16と固体酸膜17とを備えている
シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体16は、後記する工程を経て得られたものであり、一対の電極12間で延びるように不定形の孔16aを有している。このプロトン伝導体11では、孔16aを通じて改質ガスが通流するようになっている。
固体酸膜17は、シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体16の孔16a内に形成されており、孔16aを取り囲むシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体16の壁面に沿うように形成されている。この固体酸膜17には固体酸が含まれている。この固体酸は、可動プロトンを有する固体として周知のものであり、中でも、固体酸は、CsHSO4、Cs2(HSO4)(H2PO4)、Rb3H(SeO42、(NH43H(SO42及びK3H(SO42から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
このようなプロトン伝導体11は、厚みが0.5mm乃至3.0mm程度の膜状に形成されている。
電極12は、本実施形態ではガス透過性を有するもので構成されており、例えばカーボンペーパといったガス透過性を有する多孔質材料や、プロトン伝導体11の表面に塗布された銀ペーストで形成することができる。水素センサ10は、このような電極12を一対有しており、プロトン伝導体11がこれら電極12によって挟み込まれている。
このようなプロトン伝導体11と電極12とで構成される水素センサ10は、図1に示すように、CO選択酸化器6と燃料電池スタック7との間で延びる改質ガス供給配管9のバイパス配管9aに配置されている。そして、水素センサ10は、図2に示すように、バイパス配管9aを通流する改質ガスが一対の電極12及びプロトン伝導体11を通過するように支持部材13でバイパス配管9aに取り付けられている。
そして、この水素センサ10には、図2に示すように、直流電源14と電流計15が配設されている。直流電源14は、水素センサ10の電極12に直流電圧を印加するものである。電流計15は、一対の電極12間に流れる直流電流の電流値を測定するものである。
次に、この水素センサ10の動作について図1乃至図3を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、150℃乃至230℃の改質ガスが、バイパス配管9aを通じて水素センサ10に向けて供給されると、改質ガスは、図2に示すように、一対の電極12及びプロトン伝導体11を通過する。そして、改質ガスは、プロトン伝導体11の孔16a(図3参照)内を流れると共に、孔16a内に形成された固体酸膜17(図3参照)に含まれる固体酸と接触する。
その一方で、図2に示すように、直流電源14によって一対の電極12間に直流電圧が印加されると、直流電流がプロトン伝導体11の孔16a内に形成された固体酸膜17(図3参照)を伝わって流れる。この際、一対の電極12間に流れる直流電流は、図3に示す孔16a内を流れる改質ガス中に含まれる水素ガスの濃度変化に応じてその電流値が変化する。そして、この水素センサ10では、電流計15(図2参照)がその電流値の変化を測定する。つまりこの水素センサ10では、一対の電極12間に流れる直流電流が測定されることによって改質ガス中の水素ガスの濃度変化が検出される。
また、この水素センサ10は、そのプロトン伝導体11が230℃以下といった低い温度で良好なプロトン伝導性を発揮する。つまり、水素センサ10は、バイパス配管9a(図1参照)を通流する150℃乃至230℃の改質ガス中に含まれる水素ガスの濃度変化をヒータで加熱されなくとも良好に検出する。
以上のような水素センサ10によれば、改質ガス中の水素ガスの濃度変化を検出する際に、ヒータで加熱しなくともよいので、従来のバリウム−セリウム−ジルコニウム−インジウム系複合酸化物を使用した水素センサ(例えば、特許文献1参照)と比較して改質型の燃料電池システムの消費電力を低減することができる。
また、この水素センサ10は、プロトン伝導体11を一対の電極12で挟持して構成されており、従来の光学式の水素センサ(例えば、特許文献2参照)のように複雑な光学系を必要とせずにその構造が簡単となる。したがって、この水素センサ10によれば、水素センサ10の製造を容易にすることができると共にその製造コストを低減することができる。
次に、本発明に係るプロトン伝導体の製造方法の一実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図4は、本実施形態に係るプロトン伝導体の製造方法の工程図、図5(a)乃至図5(c)は、図4中の放射線照射グラフト重合工程を示す概念図である。
本実施形態に係るプロトン伝導体の製造方法は、図4に示すように、放射線照射グラフト重合工程S1と、多孔質体成型工程S2と、固体酸膜形成工程S3とを備える。
(放射線照射グラフト重合工程)
放射線照射グラフト重合工程S1は、シリカの微粒子の表面に放射線を照射すると共に、前記微粒子の表面にビニル基含有モノマをグラフト重合させてシリカ―ビニルポリマ複合微粒子を得る工程である。
5(a)に示すように、シリカの微粒子(SiO2nは、周知のとおり、その表面にOH基を有している。まず、本実施形態に係るプロトン伝導体の製造方法では、このようなシリカの微粒子(SiO2nの表面に放射線が照射される。
この放射線としては、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、加速電子線等が挙げられ、中でもガンマ線及び加速電子線が好ましい。なお、ここでは放射線としてガンマ線を使用した場合について説明する。放射線の照射線量は、50Gy程度でよい。
シリカの微粒子(SiO2nの表面にガンマ線(放射線)が照射されると、図5(b)に示すように、シリカの微粒子(SiO2nのOH基が脱離することによってラジカルが形成される。本実施形態に係るプロトン伝導体の製造方法では、このラジカルにビニル基含有モノマがグラフト重合される。
このビニル基含有モノマとしては、例えば、スチレン;α−メチルスチレン等のスチレン置換体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル;ビニルピリジン、ビニルナフタレン等のビニル芳香族化合物;(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物;アクロレイン、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物などが挙げられ、中でもスチレンが好ましい。
このようなビニル基含有モノマがラジカルにグラフト重合していくと、図5(c)に示すように、シリカの微粒子(SiO2nの表面には、シリカの微粒子(SiO2nと化学的に結合したビニルポリマが形成される。このようにビニルポリマが形成されることによってシリカ―ビニルポリマ複合微粒子が得られる。なお、シリカの微粒子(SiO2nの表面にビニル基含有モノマをグラフト重合させる方法は、シリカの微粒子(SiO2nとビニル基含有モノマとの共存下でガンマ線(放射線)を照射して行う同時照射法、またはガンマ線(放射線)をシリカの微粒子(SiO2nに予め照射した後、これにビニル基含有モノマを接触させて行う前照射法のいずれでも可能である。
(多孔質体成型工程)
多孔質体成型工程S2(図4参照)は、放射線照射グラフト重合工程S1(図4参照)で得られたシリカ―ビニルポリマ複合微粒子からなる粉体を加圧成型してシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体を得る工程である。
この多孔質体成型工程S2では、まず、メタノール等の有機溶剤でシリカ―ビニルポリマ複合微粒子が洗浄される。この洗浄によって未反応のビニル基含有ポリマがシリカ―ビニルポリマ複合微粒子から除去される。
次に、洗浄されたシリカ―ビニルポリマ複合微粒子からなる粉体は、乾燥後に加圧成型される。例えば、一軸加圧成型する場合には、その圧力は300kg/cm2程度でよい。このようにシリカ―ビニルポリマ複合微粒子からなる粉体が加圧成型されてシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体が得られる。なお、このシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔径は、数μm程度である。
(固体酸膜形成工程)
固体酸膜形成工程S3(図4参照)は、多孔質体成型工程S2(図4参照)で得られたシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸を含む固体酸膜を形成する工程である。
まず、固体酸膜形成工程S3では、固体酸を水に溶解させて固体酸のゾル溶液が調製される。このゾル溶液の固体酸の濃度は、50質量%程度でよい。
次に、調製したゾル溶液に多孔質体成型工程S2(図4参照)で得られたシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体が浸漬される。この浸漬によってゾル溶液はシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に入り込んでいく。
次に、シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体は、ゾル溶液から引き上げられて乾燥される。シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内には、ゾル溶液が乾固することによって固体酸を含む固体酸膜が形成される。このようにシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸膜が形成されることによって本発明のプロトン伝導体が得られる。
このようなプロトン伝導体の製造方法によれば、シリカとビニルポリマとを化学結合させることができるので、シリカに対するビニルポリマの結合力が高められる。その結果、この製造方法によって得られたプロトン伝導体は耐久性及び耐熱性に優れる。したがって、このプロトン伝導体は、ビニルポリマの融点を超える温度に晒されたとしても、その形状を維持することができる。
また、このプロトン伝導体の製造方法では、シリカや、ビニルモノマといった安価で入手が容易な原材料が使用される。したがって、このプロトン伝導体の製造方法によれば、プロトン伝導体を容易にしかも安価に製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、前記実施形態では、水素センサ10をバイパス配管9a(図1参照)に配置したが、改質ガス供給配管9(図1参照)内に直接配置してもよい。
また、前記実施形態では、150℃乃至230℃の改質ガス中の水素ガスの検出に水素センサ10が使用されているが、本発明の水素センサは、室温乃至230℃の水素ガスの検出に使用されてもよい。
次に、本発明の実施例を示しながら本発明をさらに具体的に説明する。
(プロトン伝導体の作製)
シリカの粉体(平均一次粒子径7nm、比表面積380m2/g、密度2.2g/cm3)1.86gにガンマ線を照射した。このときのガンマ線の照射量は50Gyであった。このシリカの粉体にスチレン50gを加えて80℃で5時間撹拌した。
得られたシリカとスチレンを含む組成物をメタノールで3回洗浄した後、50℃で3日間、減圧乾燥した。その後、乾燥した組成物を300kg/cm2の圧力で一軸加圧成型することにより、直径が約1.5cmのペレットを得た。
その一方で、蒸留水10mLにCsHSO44.0gを加えて、これに超音波を30分照射することによってCsHSO4のゾル溶液を得た。
次に、このゾル溶液に前記ペレットを浸漬すると共に、これを100℃で2時間加熱した。その後、ゾル溶液から引き上げたペレットを100℃で2時間、減圧乾燥することによってプロトン伝導体を作製した。
(水素センサの作製)
作製したペレット状のプロトン伝導体の両面に銀ペーストを塗布することによって、プロトン伝導体の両面に一対の銀電極が形成された。このようにプロトン伝導体に電極が形成されて水素センサが作製された。
(水素センサの評価試験)
次に、前記のようにして得られた水素センサについて、150℃の窒素(N2:100%)雰囲気下におけるプロトン伝導度(S/cm)が所定時間の経過ごとに測定された。なお、この測定は、交流インピーダンス法を使用した。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、水素センサは、40時間経過した後もプロトン伝導度(S/cm)がほとんど変化しておらず、この水素センサのプロトン伝導体は、水が蒸発する温度の雰囲気下であっても多孔質体の形状を維持することができることが確認された。
実施形態に係る水素センサが組み込まれた燃料電池システムのブロック図である。 実施形態に係る水素センサの模式図である。 実施形態に係る水素センサの部分拡大断面図である。 実施形態に係るプロトン伝導体の製造方法の工程図である。 図5(a)乃至図5(c)は、図4中の放射線照射グラフト重合工程を示す概念図である。 実施例で作製した水素センサのプロトン伝導度(S/cm)の測定結果を示すグラフである。
10 水素センサ
11 プロトン伝導体
12 電極
16 シリカ―ビニルポリマ複合多孔質
16a 孔
17 固体酸膜
S1 放射線照射グラフト重合工程
S2 多孔質体成型工程
S3 固体酸膜形成工程

Claims (5)

  1. シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸を含む固体酸膜を形成したことを特徴とするプロトン伝導体。
  2. 前記ビニルポリマは、ポリスチレンであることを特徴とする請求項1に記載のプロトン伝導体。
  3. 前記固体酸は、CsHSO4、Cs2(HSO4)(H2PO4)、Rb3H(SeO42、(NH43H(SO42及びK3H(SO42から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロトン伝導体。
  4. シリカの微粒子の表面に放射線を照射して前記微粒子の表面にビニル基含有モノマをグラフト重合させてシリカ―ビニルポリマ複合微粒子を得る放射照射グラフト重合工程と、
    前記シリカ―ビニルポリマ複合微粒子からなる粉体を加圧成型してシリカ―ビニルポリマ複合多孔質体を得る多孔質体成型工程と、
    前記シリカ―ビニルポリマ複合多孔質体の孔内に固体酸を含む固体酸膜を形成する固体酸膜形成工程とを備えることを特徴とするプロトン伝導体の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプロトン伝導体が一対の電極で挟み込まれていることを特徴とする水素センサ。
JP2004090782A 2004-03-26 2004-03-26 水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4307306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004090782A JP4307306B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004090782A JP4307306B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005274467A JP2005274467A (ja) 2005-10-06
JP4307306B2 true JP4307306B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=35174287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004090782A Expired - Fee Related JP4307306B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4307306B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102401626B (zh) * 2011-11-20 2013-11-20 中国科学院光电技术研究所 一种永磁同步电机转子位置传感器安装偏差估计方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4803577B2 (ja) * 2005-10-19 2011-10-26 独立行政法人産業技術総合研究所 固体電解質及びその製造方法
KR101470926B1 (ko) * 2013-09-11 2014-12-09 한국에너지기술연구원 고체산 프로톤 전도체, 그 제조방법, 및 그를 이용한 기체분리막 모듈, 암모니아 합성모듈 및 연료전지

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102401626B (zh) * 2011-11-20 2013-11-20 中国科学院光电技术研究所 一种永磁同步电机转子位置传感器安装偏差估计方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005274467A (ja) 2005-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7344791B1 (en) Electrolytic membrane for fuel cell and its manufacturing method, and fuel cell and its manufacturing method
JP5059413B2 (ja) バイオ電池
JP2006140152A (ja) 燃料電池用電極、これを含む燃料電池用膜/電極アセンブリ、及び燃料電池システム
WO2003075386A1 (fr) Film electrolyte et pile a combustible a membrane polymere solide utilisant ledit film
JP4307306B2 (ja) 水素センサ並びにこれに用いるプロトン伝導体及びその製造方法
US6985082B1 (en) Carbon monoxide sensor and method of use
JPWO2003102971A1 (ja) 表面改質無機多孔体及び該多孔体を電解質とする燃料電池
JP4352878B2 (ja) モノマー化合物、グラフト共重合化合物、及びそれらの製造方法、高分子電解質膜、並びに燃料電池
AU2002320440A1 (en) Carbon monoxide sensor and method of use
EA011221B1 (ru) Газоблокирующий анод для жидкостного топливного элемента прямого действия
JP2004055382A (ja) 触媒電極及びその製造方法、並びに電気化学デバイス及びその製造方法
US6797151B2 (en) CO sensor and method of measuring CO concentration
JPH10208757A (ja) 燃料電池発電装置
JP2009099486A (ja) 燃料電池用触媒担持粉体、その製造方法及びそれを含有する燃料電池用触媒層
Kaneto et al. A new method to evaluate oxygen permeability and biofuel diffusion in barrier films using fuel cells
JP2009151938A (ja) 燃料電池用固体高分子電解質膜及び燃料電池
JP4521797B2 (ja) 定電位電解式水素センサ
JP4868745B2 (ja) 電解質膜の製造方法、電解質膜、燃料電池及び電子機器
JP4550920B2 (ja) 燃料電池
JP2006019028A (ja) 燃料電池用固体高分子電解質膜及びその製造方法
US8632925B2 (en) Apparatus and methods for making high performance fuel cell
JP4143906B2 (ja) 膜電極接合体、拡散層含有材料及び燃料電池
JP2008270063A (ja) 燃料電池用電解質膜の評価方法及び評価装置
KR20090016137A (ko) 그라프트 고분자막, 이를 이용한 고분자 전해질막 제조방법 및 고온 운전용 고분자 연료전지
JP2003130844A (ja) 可燃性ガスセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090421

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees