以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態、具体的には現在の主流であるCRデジパチタイプでプリペイドカード専用機と呼ばれる遊技機について説明する。本実施形態における遊技機は、図1ないし図9に示すように、遊技球Pの球貸機であるCRユニット1に隣接する筐体10と、この筐体10のドア13に覆われる遊技盤40と、全体を制御する制御装置90と、少なくともこの制御装置90に電力を供給する電源回路110とを備え、図示しないホール(遊技店)のシマと呼ばれる一ブロックの木枠11に設置される。
遊技球Pは、例えば磁性を有する軟質線材やアルミキルド材を用いて直径11mm程度の球に形成されている。CRユニット1は、図1に示すように、プリペイドカードユニットとも呼ばれ、縦長のケースの正面にプリペイドカード用の挿入口2が形成されており、この挿入口2に遊技者の購入したプリペイドカード3が挿入され、かつ遊技機の貸球用ボタン4が押圧操作されることにより、所定の金額分の遊技球Pを貸球として供給するよう機能する。プリペイドカード3の残高は、遊技機の表示部に表示される。
筐体10は、図1ないし図3に示すように、正面視で縦長のフロントオープンボックスタイプに形成され、同じく縦長の木枠11内に複数のヒンジ機構12を介し前後方向に回転可能に嵌合支持されており、正面を開閉するドア13が複数のヒンジ14を介し回転可能に取り付けられている。この筐体10は、その正面側の下側部に、遊技盤40に遊技球Pを発射する発射装置15が半透明のカバー等を介して設置され、背面壁の上部には、一ブロックの補給パイプから遊技球Pが補給される払出装置16が設置されており、この払出装置16のタンク17から遊技球Pが貸球や賞球として筐体10の正面側に球経路を介して払い出される。
発射装置15には、遊技球Pの発射を検知する遊技球発射検知センサ18が取り付けられ、払出装置16には、遊技球Pの払い出しを検知する遊技球払出検知センサ19が取り付けられており、この払出装置16や球経路等には、遊技球Pの球詰まり等を検知するエラー検知センサが取り付けられている。
筐体10の背面壁の一側壁寄りには、木枠11に筐体10をロックするロック機構が装着されるとともに、筐体10にドア13をロックする複数のロック爪が上下方向に揺動可能に設けられている。筐体10の一側壁(正面視右側)側には、挿入されたキーの回転操作に伴いロック機構と複数のロック爪をそれぞれ動作させるドアロック20が装着されている。また、筐体10の他側壁(正面視左側)には、ドア13を支持する複数のヒンジ14が上下方向に間隔をおいて取り付けられている。
ドア13は、図1、図3に示すように、筐体10に対応する縦長に形成された中空のドア枠21と、このドア枠21の中空領域に背面側から着脱自在に装着された透明板22と、ドア枠21の中空下部に回転可能に嵌合支持された下部ドア23とを備え、筐体10の他側壁に前後方向に回転可能に支持されている。ドア枠21は、その一側部に、筐体10の一側壁側における複数のロック爪に係合するロック片が取り付けられ、他側部と筐体10の他側壁における複数のヒンジ14を介し前後方向に回転可能に支持されている。
透明板22は、所定の合成樹脂やガラス板等を使用して縦長の矩形に形成され、遊技盤40に対する遊技者の視認を可能とする。この透明板22の表面側の上部中央等には、点灯したり点滅する枠ランプ24がドア枠21に装着され、透明板22の表面側の上部両側には、ドア枠21に装着されたスピーカ25がそれぞれ位置し、各スピーカ25が効果音や報知音等を鳴り響かせる。
下部ドア23は、表面に様々な絵柄の描かれた横長の矩形に形成され、導出口26、受皿27、及びハンドル機構28等が配設されており、透明板22の直下に位置する。導出口26は、下部ドア23の上部一側(正面視右側の上部)に設けられ、払出装置16から貸球や賞球として払い出された遊技球Pを受皿27に導くよう機能する。
受皿27は、例えば各種の合成樹脂を使用して中空の略半楕球形に形成され、下部ドア23の表面略中央部に形成されており、導出口26からの遊技球Pを貯えるとともに、この貯えた遊技球Pが一杯になった場合には、下部ドア23の裏面の供給路上流側に遊技球Pを退避させるよう機能する。
受皿27には、左右一対の排出ボタン29が押圧操作可能に取り付けられ、この一対の排出ボタン29が押圧操作されることにより、受皿27の底の一部が開口(図1参照)して遊技球Pを下部ドア23の下部に配置されるケース(ドル箱ともいう)に排出する。受皿27の他側部(正面視左側)には、CRユニット1に挿入されたプリペイドカード用の返却ボタン30、貸球用ボタン4、及び喫煙者用の回転可能な灰皿31が配設されている。
ハンドル機構28は、下部ドア23の下部一側(正面視右側の下部)に取り付けられ、この下部ドア23から回転可能に露出した略半球形の操作ハンドル32が遊技者に握持されて回転操作されることにより、受皿27に貯留され、供給路上流に位置する遊技球Pを下流の発射装置15に供給するとともに、この発射装置15の発射槌を駆動して遊技球Pを遊技盤40に打ち出すよう機能する。このハンドル機構28は、操作ハンドル32が時計方向に回転操作される程、遊技球Pが強く打ち出されるよう調整されている。操作ハンドル32には、遊技球Pの打ち出しを一時停止する一時停止ボタン(ウエイトボタンともいう)33が押圧操作可能に設けられている。
遊技盤40は、図2に示すように、例えば縦長で矩形のベニヤ板を備え、このベニヤ板の表面に遊技者が好む様々なデザインの印刷された合成樹脂シートが覆着されており、筐体10の略中央部よりも上方の部分で開口した正面の開口部に着脱自在に装着されている。この遊技盤40の表面周縁部には、筐体10下方の発射装置15から発射された遊技球Pを案内する内外複数のガイドレール41が湾曲して取り付けられるとともに、合成樹脂製の装飾された区画壁42が装着されている。
複数のガイドレール41は、例えば可撓性の長板を用いて略C字形や略逆J字形に形成され、区画壁42と共に遊技球Pの打ち込まれる遊技領域43を略半円形に区画形成しており、この遊技領域43の内外に、複数の釘44、複数の風車45、複数の盤面ランプ46、複数の入賞口装置47、始動入賞口装置48、可変表示装置49、大入賞口装置50、及びアウト穴51が配設されている。
複数の釘44は、例えば遊技盤40の上方に打ち込まれる天釘、始動入賞口装置48の真上に打ち込まれる命釘、遊技盤40の側部等に打ち込まれるハカマ釘、及びこれら以外のバラ釘とを備え、遊技領域43に打ち込まれた遊技球Pを予想外の方向に弾いたり、入賞を規制するよう機能する。この複数の釘44のうち、一の風車45の近傍部における釘44の隙間は、遊技球Pを始動入賞口装置48に導くための打ち込みの目安となるブッコミ領域(ワクともいう)52とされる。
複数の風車45は、例えば遊技領域43の上部両側や中央部両側に回転可能に軸支され、遊技球Pに当たると回転して遊技球Pの落下方向を変更したり、遊技球Pを加速させて遊技者を飽きさせないようにする。複数の盤面ランプ46は、所定の合成樹脂を使用して各種の造形物等を模して成形され、遊技領域43の両側部に配設されており、遊技中に点灯したり点滅し、遊技者の遊び心や射幸心を適度に煽るよう機能する。
複数の入賞口装置(チャッカーともいう)47は、例えば遊技領域43の下方寄りの両側部にそれぞれ装着されている。各入賞口装置47は、遊技領域43の入賞口を覆う上部の開口した被入賞体53と、この被入賞体53への遊技球Pの入賞を検知する小入賞球検知センサ54とを備え、この小入賞球検知センサ54の検知により、所定の数の遊技球Pが小当たりの賞球として受皿27に払い出される。
始動入賞口装置(スタートチャッカー、始動口、又はヘソともいう)48は、図2、図4ないし図6に示すように、遊技盤40に設けられる始動入賞口55と、この始動入賞口55に入賞する遊技球Pを貯留可能な貯留体57と、この貯留体57から始動入賞口55に遊技球Pを強制的に入賞させる強制入賞機構64と、電源回路110の投入時には閉塞して遊技盤40の一部を形成しながら始動入賞口55に遊技球Pを案内し、電源回路110の遮断時には開口して遊技球Pを回収する開閉可能な回収孔66とを備え、可変表示装置49と大入賞口装置50との間に介在配置されている。
始動入賞口55は、円形に穿孔され、内部奥方向には、遊技球Pの入賞を光学的あるいは磁気的に検知する始動入賞球検知センサ56が設置されている。
貯留体57は、高透明性や剛性に優れるポリカーボネート等を使用して複数(本実施形態では4個)の遊技球Pを詰まることのないよう縦一列に貯留(保留)可能な透明の有底角筒形に成形され、遊技盤40の表面に装着されてその下部が始動入賞口55の横に隣接しており、上部が落下してきた遊技球Pを内部に導入する導入口58として機能する。この貯留体57は、縦一列に最大数貯留した遊技球Pの高さよりも短く低く形成され、縦一列に遊技球Pを最大数貯留した場合に、最上部に位置する遊技球Pの少なくとも上部を導入口58から露出させるよう機能する。
貯留体57の底部は、保留球として入賞した遊技球Pを光学的、磁気的、機械的に検知する保留球検知センサ59が設置され、横の始動入賞口55よりも僅かに下方に位置しており、高位の始動入賞口55との間には、遊技球Pを始動入賞口55に導くガイド板60が架設されるとともに、このガイド板60が斜め上がりに僅かに傾斜して遊技球Pが始動入賞口55に不用意に入賞するのを有効に規制する。また、貯留体57の正面側から裏面側に向かって、始動入賞口装置48を覆う正面視円形で透明のカバー61が装着され、このカバー61が、遊技領域43を落下する遊技球Pが貯留体57等に衝突するのを有効に規制する。
貯留体57の左右の両側壁下部における略水平方向には、それぞれ遊技球Pの直径よりもやや大きい開口62・62Aが形成され、この一対の開口62・62Aにおける始動入賞口55側の開口62Aが始動入賞口55に遊技球Pを移動させる通過口62Bとなる。また、貯留体57の両側壁上部には、徐々に外方向に広がるガイド片63がそれぞれ形成され、この一対のガイド片63が例え貯留体57内に遊技球Pを貯留できる余裕がある場合でも遊技球Pを確実に貯留体57の下方に貯留するよう案内する。
強制入賞機構64は、遊技盤40に設置されるモータ64Aと、このモータ64Aの駆動に基づいて所定の角度で回転するレバー65とを備え、始動入賞口55の反対側の横方向に位置する。モータ64Aは、例えばサーボモータやステッピングモータ等からなり、遊技盤40の裏面に設置されて貯留体57の上部側方付近に位置する。
レバー65は、例えば愛好者の多いゴルフのパター等を模して形成され、モータ64Aの駆動軸に連結されており、下方の自由端部にハンマーとして機能するヘッド65aが一体形成されている。このようなレバー65は、モータ64Aの正転駆動に基づいて貯留体57の最下部に位置する遊技球Pを貯留体57の開口62を介しヘッド65aで叩いて始動入賞口55に供給するとともに、モータ64Aの逆転駆動に基づいて貯留体57内に進入しているヘッド65aを元の待機位置に復帰させ、貯留体57の側壁下部の開口62から遊技球Pが反始動入賞口55方向に落下するのを規制する。レバー65が復帰すると、複数の遊技球Pが貯留されている場合には、貯留体57の底部に、上方に貯留されていた遊技球Pが落下する。
回収孔66は、図4や図8に示すように、遊技盤40に穿孔された開口と貯留体57の背面側下部の開口とにより形成され、遊技盤40の裏面側からシャッタ68により開閉可能に被覆されるとともに、このシャッタ68が揺動爪71の揺動により始動入賞口55を塞がないよう左右横方向にスライドする。この回収孔66は、遊技球Pの直径よりもやや大きく広く遊技盤40に切り欠かれ、その下部周縁67が遊技盤40の表面から裏面方向に向けて斜め下がりに傾斜しており、貯留体57の下部に貯留されている遊技球Pが遊技盤40の裏面方向に落下して回収されるのを容易にする。
シャッタ68は、回収孔66の形状に対応する板形に形成され、遊技盤40の裏面に上下一対の挟持板69を介して支持されるとともに、遊技盤40の裏面に復帰ばね70を介して連結されており、この復帰ばね70の復元作用により回収孔66を開放して始動入賞口55を横方向に拡大する。
揺動爪71は、電源回路110の投入時に駆動するモータ(図示せず)の駆動軸に連結され、このモータの駆動により回転してシャッタ68の被係止片に係止し、シャッタ68を復帰ばね70に抗しスライドさせて回収孔66を閉塞し、拡大していた始動入賞口55を通常の遊技球Pの直径程度の大きさに縮小する。この揺動爪71は、電源回路110の遮断時(例えば、ホールの営業終了時等)には、シャッタ68の被係止片との係止が解除可能となり、復帰ばね70の復元作用に伴うシャッタ68のスライドにより、シャッタ68との係止が解除され、貯留体57内に遊技球Pが貯留されたままの状態となるのを有効に防止する。
このような構成の始動入賞口装置48に遊技球Pが入賞し、始動入賞球検知センサ56に遊技球Pが検知されると、可変表示装置49に抽選用の複数の特別図柄72が表示され、この複数の特別図柄72を用いた抽選の結果、大当たり状態になると、通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。通常遊技状態とは、遊技球Pの出球率や利益獲得率の低い状態をいう。具体的には、遊技の開始あるいは特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態に移行するまでの遊技状態をいい、入賞口装置47への入賞の有無を特に問うものではない。
特別遊技状態とは、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態、換言すれば、通常遊技状態よりも遊技球Pの出球率や利益獲得率が高い状態をいう。この特別遊技状態には、少なくとも大入賞口装置50が開放動作する通常の大当たり状態、確率変動付き大当たり状態(確変ともいう)、及び確率変動付き大当たり状態の継続する状態(連荘ともいう)等が含まれる。
可変表示装置(本実施形態では特別図柄LCDともいう)49は、例えば薄い矩形の液晶モジュールからなり、遊技領域43の略中央部に穿孔された横長の装着口に遊技盤40の裏面側から嵌着されており、制御装置90による抽選結果に応じた制御に基づいて画面に文字や画像等からなる各種の模様を表示する。この横長の可変表示装置49は、表面が装飾された中空横長の装飾枠体に囲まれ、デモンストレーション映像、遊技映像、抽選用の複数の特別図柄72、リーチ予告等を表示する。
デモンストレーション映像としては、例えばホールに入店してきた者の興味を喚起する魅惑的なキャラクターを縦横に表示してその大きさを変更したり、表示したキャラクターを増減したり、あるいはキャラクターにアクション等の演出をさせる映像があげられる。遊技映像としては、例えば通常遊技状態時にテレビや漫画の登場人物をストーリーに応じて三次元的に表示し、遊技者に倦怠感が生じないようにする映像があげられる。
抽選用の複数の特別図柄72は、通常の大当たり状態の役を示す通常図柄74と、確率変動付き大当たり状態の役を示す特定図柄(確変図柄ともいう)75とを備えている。このような特別図柄72は始動入賞口装置48に対する遊技球Pの入賞を契機に、左、中、右の3つが横一列に表示されるとともに、各左、中、右の列毎に複数種類の特別図柄72が上方向から下方向へと回転表示され、その後に仮停止表示、及び確定停止表示を経て左、中、右の特別図柄72と組み合わされることにより、大当たり状態か外れかを報知するための図柄である。
通常の大当たり状態とは、例えば通常遊技状態よりも遊技球Pの出球率や利益獲得率の高い特別遊技状態をいい、本実施形態では大入賞口装置50が所定の時間開放動作する状態が該当する。通常図柄74は、文字、数字、図形等からなるが、本実施形態では「2」、「4」、「6」等とされている。
確率変動付き大当たり状態とは、通常の大当たり状態よりも遊技球Pの出球率や利益獲得率が高い特別遊技状態をいい、本実施形態では大入賞口装置50の開放動作の他、小当たりや大当たりの確率が通常の確率から予め定められた確率まで高くなる状態(具体的には、当選確率が1/317程度から1/67程度に向上する状態)が該当する。特定図柄75は、文字、数字、図形等からなるが、本実施形態では「1」、「3」、「7」等とされている。
特別図柄72の回転表示とは、例えば複数の特別図柄が縦1列に配列されたスロットマシンの3つの回転リールのように特別図柄72が高速で上下方向に回転する内容の演出表示をいう。特別図柄72の仮停止表示とは、例えば特別図柄72が最終的に停止せず、上下方向に細かくスクロールしたり、揺れ動く等の内容の演出表示をいい、遊技者をハラハラさせたり、やきもきさせて遊技に伴う感覚的刺激が弱まるのを防止する。また、特別図柄72の確定停止表示とは、例えば特別図柄72が最終的に停止する抽選結果の演出表示をいう。
抽選の結果、「2」「4」「7」のように3つの選択された特別図柄72の組み合わせが全く揃わず、予め定められた特別図柄72の組み合わせでない場合には、外れ状態となって遊技状態が次の入賞待ちの通常遊技状態のままとなり、「2」「2」「2」のように3つの選択された通常図柄74の組み合わせが全て揃い、予め定められた通常図柄74の組み合わせとなる場合には、遊技者に有利な通常の大当たり状態となる。
また、「6」「?」「6」のように3つの特別図柄72中、2つの特別図柄72が揃う場合には、大当たり状態を示唆して遊技者に期待感を抱かせるリーチ状態となり、「7」「7」「7」のように3つの選択された特定図柄75の組み合わせが全て揃い、予め定められた特定図柄75の組み合わせとなる場合には、遊技者に最も有利な確率変動付き大当たり状態となる。
リーチ予告は、例えば複数の特別図柄72の回転表示前や回転表示中に図柄を変更したり、特定のキャラクターに画面を短時間横切らせたり、あるいは画面に所定の自然現象を短時間出現させる等の内容の演出をいい、リーチ状態にする確率を高めたり、低下等させて遊技者に心理学的な錯覚を生じさせる。
大入賞口装置(アタッカーともいう)50は、遊技領域43の下方寄りに装着され、始動入賞口装置48とアウト穴51の間に位置する。この大入賞口装置50は、遊技球Pを入賞させる横長の大入賞口77と、この大入賞口77を遊技盤裏面のソレノイドの駆動に基づき開閉する横長の受板78と、大入賞口77への遊技球Pの入賞を検知する大入賞球検知センサ79と、大入賞口77内の中央部に設けられ、遊技球Pが所定の確率で通過する継続入賞領域(Vゾーンとも呼ばれる)80と、この継続入賞領域80への遊技球Pの入賞を検知する継続球検知センサ81と、受板78の動作不良等を検知するエラー検知センサとから構成されている。
アウト穴51は、遊技領域43の下部に穿孔され、遊技盤40の裏面側において外れ球として落下してきた遊技球Pを回収し、筐体10の回収機構を介してシマ設備側に排出する。排出された遊技球Pは入賞口装置47、始動入賞口装置48、及び大入賞口装置50から排出された遊技球Pと共に洗浄装置に集められて洗浄され、その後、一ブロックの補給パイプに供給されて循環利用される。
制御装置90は、図9に示すように、球貸信号制御回路91やホールの集中管理装置92等に接続される主制御装置93と、この主制御装置93から制御信号を受信してその制御下で作動する副制御装置94とを備え、これら主制御装置93と副制御装置94とが筐体10の背面壁等に設置されるとともに、CRユニット1、発射装置15、払出装置16、枠ランプ24、スピーカ25、盤面ランプ46、入賞口装置47、始動入賞口装置48、可変表示装置49、大入賞口装置50等に電気的に接続されている。
主制御装置93は、プリント回路基板からなる回路基板に、水晶発振回路95、演算処理機能を有するCPU96、ROM97、RAM98、動作不良等を検知するエラー検知センサ、その他の電子部品が実装され、入力側に遊技球発射検知センサ18、遊技球払出検知センサ19、エラー検知センサ、小入賞球検知センサ54、始動入賞球検知センサ56、保留球検知センサ59、大入賞球検知センサ79、継続球検知センサ81等が基本的には入力インターフェイスを介し接続されるとともに、出力側に副制御装置94等が接続されており、不正改造されないよう透明の樹脂ケースに収納されて強固に封止されている。
水晶発振回路95は、発振パルスを分周することにより、制御動作の基準となるタイミングパルス(例えば、4ミリ秒毎のタイミングパルス)を生成するよう機能する。ROM97には、乱数テーブルを含む所定のプログラム(制御プログラムや遊技プログラム等)が記憶されている。
RAM98には、状態データテーブルや乱数メモリの他、遊技の履歴や遊技利益等が記憶されている。遊技の履歴とは、例えば電源回路110を投入してから、あるいは遊技機で遊技を開始してから現在に至るまでの遊技内容の経時的な記録をいう。具体的には、始動入賞口装置48に入賞した遊技球Pの球数、始動入賞口装置48の開放時間や回数、大入賞口装置50に入賞した遊技球Pの球数等があげられる。また、樹脂ケースの開閉蓋には、図示しない基板管理番号証が貼着されている。
このような構成の主制御装置93は、CPU96がRAM98を作業領域としてROM97に記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、副制御装置94と共にコンピュータとして所定の機能を実現する。所定の機能としては、例えば大当たり状態等を判定する乱数を生成する乱数生成機能、この乱数生成機能からの乱数を抽出して予め定められた数値と比較し、通常遊技状態から特別遊技状態に移行するか否かを抽選により判定する機能、通常遊技状態から特別遊技状態に移行する機能、通常の大当たり状態あるいは確率変動付き大当たり状態に移行する機能等があげられる。
副制御装置94は、図柄制御装置99、ランプ制御装置100、音声制御装置101、払出制御装置102、可動物制御装置103、及び発射制御基板104を備え、一部の例外を除き、基本的には主制御装置93に出力インターフェイスを介して接続されており、不正改造されないよう透明の樹脂ケースに収納されて強固に封止されている。樹脂ケースの開閉蓋には、図示しない基板管理番号証が貼着されている。
図柄制御装置99は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、可変表示装置49にグラフィック情報を管理するビデオディスプレイプロセッサ等を介して接続されている。このような構成の図柄制御装置99は、主制御装置93の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、可変表示装置49の表示を制御するよう機能する。
ランプ制御装置100は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、枠ランプ24と盤面ランプ46に接続されている。このようなランプ制御装置100は、主制御装置93の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、枠ランプ24と盤面ランプ46の点灯や点滅を制御するよう機能する。
音声制御装置101は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装されており、主制御装置93の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、スピーカ25を制御するよう機能する。払出制御装置102は、回路基板にCPU、ROM、RAM、その他の電子部品が実装され、主制御装置93の制御信号に基づき、CPUがRAMを作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、CRユニット1と払出装置16とを制御する。
可動物制御装置103は、回路基板にCPU105、ROM106、RAM107、その他の電子部品が実装され、主制御装置93の制御信号に基づき、CPU105がRAM107を作業領域としてROM106に記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、始動入賞口装置48や大入賞口装置50の受板78等を制御する。
この可動物制御装置103と主制御装置93とは、通常遊技状態で遊技球Pを保留球検知センサ59が検知した場合には、強制入賞機構64を作動させて遊技球Pを貯留体57から始動入賞口55に入賞させ、特別図柄72を用いた抽選時に遊技球Pを保留球検知センサ59が検知するとともに、特別遊技状態が終了して停止していた複数の特別図柄72が再度変動表示可能な場合には、強制入賞機構64を作動させて遊技球Pを貯留体57から始動入賞口55に入賞させるよう制御する。
発射制御基板104は、回路基板に各種の電子部品が実装されることにより構成され、ハンドル機構28の操作ハンドル32や一時停止ボタン33からの信号に基づき、発射装置15を制御する。
電源回路110は、外部接続端子に電気的に接続する電源ケーブルや電源スイッチ等を備え、筐体10の背面壁に設置されている。この電源回路110は、CRユニット1、発射装置15、払出装置16、枠ランプ24、スピーカ25、盤面ランプ46、入賞口装置47、始動入賞口装置48、可変表示装置49、大入賞口装置50、及び制御装置90等に電気的に接続され、複数種の直流電圧を発生させる。
次に、遊技機の一般的な遊技方法について説明すると、遊技機を使用して遊技する場合には、CRユニット1を利用して複数の遊技球Pを借り、受皿27を遊技球Pで満たし、ハンドル機構28の操作ハンドル32を適宜回転操作して遊技球Pを発射装置15から発射すれば良い。
すると、遊技球Pは、発射装置15からガイドレール41に案内されつつ遊技盤40の遊技領域43上方に次々と打ち込まれ、釘44や風車45との衝突に伴い軌道や速度を不規則に変更しながら落下し、入賞口装置47や始動入賞口装置48に入賞したり、アウト穴51に回収される。入賞口装置47の小入賞球検知センサ54に遊技球Pが検知されると、受皿27に所定の数の遊技球Pが賞球として払い出される。
上記通常遊技状態で始動入賞口装置48の貯留体57内に遊技球Pが落下して保留球検知センサ59が検知すると、強制入賞機構64のモータ64Aが駆動してレバー65を僅かに揺動させ、このレバー65のヘッド65aが遊技球Pを貯留体57下部の開口62を介して遊技球Pを叩き、この遊技球Pが貯留体57の通過口62Bからガイド板60上を経由して始動入賞口55に入賞する。遊技球Pを叩いたヘッド65aは、モータ64Aが駆動して直ちにレバー65が揺動することにより、元の待機位置に復帰する。
遊技球Pが始動入賞口55の始動入賞球検知センサ56に検知されると、乱数抽選が行なわれ、その抽選結果に基づいて可変表示装置49の表示が抽選結果報知用の複数の特別図柄72を順次回転させる表示に切り替わり、その後、各特別図柄72が順次回転、仮停止、確定停止の表示となる。
この複数の特別図柄72の変動表示の際、始動入賞口装置48の貯留体57内に遊技球Pが落下すると、遊技球Pは、保留球検知センサ59に検知されるものの、特別図柄72の変動中なので、貯留体57内に保留球としてそのまま視認可能に貯留され、強制入賞機構64により始動入賞口55に直ちに供給されることがない。
貯留体57内に遊技球Pが保留球として貯留され、続いて複数の遊技球Pが新たに落下すると、その複数の遊技球Pは、貯留体57の上下方向に積層して貯留され、最大数貯留された場合には、最上部に位置する遊技球Pの上部が導入口58から露出するとともに、この遊技球Pの湾曲した上部表面に新たに落下してきた遊技球Pを衝突させて左右に流し分け、遊技者が通常予想し得ない動的意匠を実現する。
複数の特別図柄72は回転表示されるが、その際に回転表示の契機となった抽選制御に応じ、可変表示装置49にリーチ状態に移行する可能性を示す予告が表示されたり、複数の特別図柄72中、1つ以外の複数の特別図柄72が同じ図柄で揃い、大当たり状態を示唆するリーチ状態が表示されたりする。
抽選の結果、「6」「6」「6」のように3つの通常図柄74が揃い、予め定められた通常図柄74の組み合わせに該当して通常の大当たり状態になると、遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に移行、換言すれば、大入賞口装置50の閉じていた受板78が開いて大入賞口77を開放し、この開放した大入賞口77に遊技領域43を落下してきた遊技球Pが短時間のうちに多数入賞し、この遊技球Pの入賞数に応じて受皿27に遊技球Pが大当たりの賞球として多数払い出される。
この際、大入賞口装置50は、例えば、開放時間が30秒経過するか、あるいは遊技球Pが10個入賞するまで開放動作する。また、大入賞口77内の継続入賞領域80に遊技球Pが入賞し、この入賞を継続球検知センサ81が検知すると、大入賞口装置50の開放動作回数(ラウンドともいう)が予め定められた回数(例えば最高16回)となるまで更新される。
また、抽選の結果、「7」「7」「7」のように3つの特定図柄75が揃い、予め定められた特定図柄75の組み合わせに該当して確率変動付き大当たり状態になると、大入賞口装置50の開放動作の他、それ以後の通常遊技状態において小当たりや大当たりの確率が向上し、早期に大当たり状態を発生させる確率が高まる。
さて、始動入賞口装置48の貯留体57内の遊技球Pを保留球検知センサ59が検知し、特別遊技状態が終了して可変表示装置49に停止表示されていた複数の特別図柄72が変動表示可能な場合には、強制入賞機構64のモータ64Aが駆動してレバー65を揺動させ、このレバー65のヘッド65aが保留球として貯留された最下部の遊技球Pを貯留体57下部の開口62を介して叩き、遊技球Pが貯留体57の通過口62Bからガイド板60上を経由して始動入賞口55に入賞する。
遊技球Pを叩いたヘッド65aは、モータ64Aが駆動して直ちにレバー65が揺動することにより元の位置に復帰する。遊技球Pが始動入賞球検知センサ56に検知されると、可変表示装置49に表示される各左、中、右の特別図柄72が順次回転、仮停止、確定停止し、以下、上記遊技が繰り返される。
上記構成によれば、貯留体57やカバー61が視認可能な透明に形成されて保留球である遊技球P自体を遊技者に視覚的に直接把握させるので、例え遊技者が遊技機に関する知識に乏しい主婦等でも、保留球の意味を直接かつ一義的に理解することができ、これを通じて遊技球Pや遊技盤40等の動きを大いに楽しむことができる。
また、遊技者が狼狽したり、不安感等が生じて遊技を終了してしまうおそれがない。また、強制入賞機構64が貯留体57から始動入賞口55に遊技球Pを強制的に入賞させるので、保留球の数に応じて抽選を引き続き確実に継続することができる。また、強制入賞機構64が遊技球Pを強制的に入賞させる度に、保留球の消化状態やタイミング等を視覚的に楽しむことが可能になる。
また、電源回路110の遮断時には、シャッタ68のスライドにより、回収孔66が開放して始動入賞口55を拡大し、遊技盤40や始動入賞口装置48の遊技球Pを確実に回収することができるので、遊技盤40や始動入賞口装置48に残存した遊技球Pを使用して不正行為等に及ぶおそれを未然に排除することが可能になる。さらに、遊技者が金銭と交換して使用した遊技球Pを確実に返却できるようになる。
次に、図10は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、強制入賞機構64を、遊技盤40の裏面に設置されたモータ(図示せず)の駆動に基づいて回転する螺子棒(図示せず)と、この螺子棒に遊技盤40の溝孔を介し螺嵌されて始動入賞口55の反対側横方向に位置する進退動可能なプランジャ111とから構成するようにしている。
螺子棒と遊技盤40の溝孔とは、それぞれ遊技盤40の水平左右方向に指向し、遊技盤40の裏面に螺子棒が複数の軸受を介し回転可能に軸支されており、この螺子棒がモータの駆動軸に連結されている。
プランジャ111は、その先端部が躍動感を醸し出すボクシングのグローブに模して形成され、モータの駆動により螺子棒が回転すると、貯留体57下部の開口62内に水平に進出して遊技球Pを横方向から押圧し、この遊技球Pを貯留体57からガイド板60を経由して始動入賞口55に入賞させるよう機能する。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、螺子棒を使用するので、プランジャ111の高精度の移動が期待できるのは明らかである。
なお、上記実施形態の賞球と玉貸しの球経路は、分離せずに区別不能な構造としても良いし、分離して区別可能な構造としても良い。また、筐体10の背面壁に、払出装置16からの遊技球Pを振り分ける振分け装置を設置しても良い。また、下部ドア23に複数の受皿27を上下に並べて配設しても良い。また、一時停止ボタン33を、操作ハンドル32ではなく、下部ドア23の操作ハンドル32近傍部に設けても良い。
また、釘44、風車45、盤面ランプ46、入賞口装置47、始動入賞口装置48の数は、適宜増減変更することができる。また、強制入賞機構64のレバー65は、ハンマー、ゴルフクラブ、ホッケーのスティック、ゲートボールのシャフト、ブーツ等を模して形成することができる。また、シャッタ68を揺動爪71の上下動により上下方向にスライドさせることもできる。
また、プランジャ111には、槍、フェンシングのフルーレ、シューズ、啄木鳥、人形、戦車等の模造体を取り付けることができる。また、特別図柄72を用いた抽選の際、可変表示装置49に、左、中、右の特別図柄72をそれぞれ上、中、下というように合計9つ表示することもできる。また、遊技領域43の略中央部に可変表示装置49を設置するのではなく、複数本の回転リール等を並べて設置し、この複数本の回転リール等により、特別図柄72を用いた抽選を実現することもできる。
また、装飾枠体の下部に、遊技球Pを始動入賞口装置48の真上付近に導くステージを設けることも可能である。また、装飾枠体に、遊技球Pを道釘を経ることなく、始動入賞口装置48の上方付近に導く経路(ワープゾーンともいう)を設けることも可能である。また、主制御装置93と副制御装置94のCPU、ROM、RAMをそれぞれ一体化してワンチップにすることも可能である。また、主制御装置93と副制御装置94のCPUは、単数複数に適宜増減することも可能である。
また、主制御装置93と副制御装置94の各基板に電源回路110をそれぞれ接続しても良い。また、主制御装置93のRAM98に遊技の履歴や遊技利益等を記憶させるのではなく、ハードディスク等の公知の記憶装置に記憶させても良い。さらに、主制御装置93で賞球の払出個数を監視しても良い。さらにまた、大当たり状態の確定時に3つの特別図柄72を再度回転表示させ、再抽選して遊技者の期待度を高めても良い。