JP4305823B2 - 表面処理のマスキング方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理のマスキング方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンの軽量化を目的として、シリンダブロックはアルミ合金で形成されている。しかも、ピストンが摺動するシリンダボアの内壁面には、耐久性の向上を図るため、耐摩耗性のニッケルめっきなどが施されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−261055号公報
【0004】
このような表面処理の方法では、ピストンが摺動し得る部分に段差を残さないようにするため、図9に示す如く、シリンダボア52のホーニング面52aよりも半径が大きいホーニングリリース面52bを形成したシリンダブロック51において、シリンダボア52のホーニング面52aまたはシリンダボア52の内壁と連続する壁面における当該ホーニング面52a以外の面をシール手段のOリング53でシールすることが行われている。なお、シリンダボア52のホーニング面52aおよびテーパー面52cには、めっき皮膜54が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の表面処理の方法においては、めっき皮膜54を形成した後にホーニングリリース面52bとの角部を機械加工等で斜めに切断する必要があるので、手間が掛かるだけでなく、加工時に研削工具等がめっき皮膜54の端部に当たり、めっき皮膜54が剥離し易いという問題があった。
また、テーパー面52cでシールする方法においては、当該テーパー面52cにめっき皮膜54の端部の段差を生じることになる。この場合、ピストンが作動中に当該段差部に摺動するようなことはないが、エンジン組付け時にピストンをスカート側より挿入する場合には、ピストンおよびピストンリングが当該段差部に接触するので、めっき皮膜54が剥離したり、ピストンおよびピストンリングが傷付いたりするおそれがあった。なお、このようなテーパー面52cのめっき段差および花咲きをリューター等の工具で研削するのは難しく、特にクランクケース一体型のシリンダブロックにおいては正確な面取り作業の機械化を導入できず、他方、手作業においては熟練が必要であるという不具合を有していた。
【0006】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、被処理面端部の表面処理形状をテーパー形状に沿う形状に形成することによって、被処理面と表面処理不要面との境界に段部が生じるのを防止し、滑らかな形状とすることが可能となり、表面処理液の漏洩を確実に防ぎ、ワークに別部品を組付ける際の組付作業性の向上を図ることが可能な表面処理のマスキング方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、ワークの表面処理不要面をマスキング治具で覆い、その後、前記ワークの被処理面を表面処理液で満たすことにより前記ワークの被処理面のみに表面処理を施すものであって、前記ワークの被処理面に連続する表面処理不要面をテーパー面とし、該テーパー面に、前記マスキング治具に設けたテーパー面を密着させることにより前記表面処理液をシールする表面処理のマスキング方法において、前記ワークの表面処理不要面に、前記被処理面に対して直交する方向へ延びる平坦面を設ける一方、該平坦面に当接する面を前記マスキング治具に設け、該当接面で前記マスキング治具を前記ワークに位置決めし、前記マスキング治具のテーパー面の先端部を前記ワークの被処理面上に向けて突出させて配置することにより前記マスキング治具のテーパー面の先端部の突出量が前記ワークの被処理面に成膜する膜厚よりも大きくなるように設定し、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアである。
【0008】
また、本発明は、ワークの表面処理不要面を覆うマスキング治具を備え、該マスキング治具によって前記表面処理不要面を覆った状態で、前記ワークの被処理面を表面処理液で満たすことにより前記ワークの被処理面のみに表面処理を施すものであって、前記ワークの被処理面に連続する表面処理不要面をテーパー面とし、該テーパー面に密着させることにより前記表面処理液をシールするテーパー面を前記マスキング治具に設けた表面処理装置において、前記ワークへの前記マスキング治具の位置決め機構を更に備え、該位置決め機構は、前記ワークの表面処理不要面に設けられ、前記被処理面に対して直交する方向へ延びる平坦面と、前記マスキング治具に設けられ、前記平坦面に当接する面とを有し、前記マスキング治具のテーパー面の先端部を前記ワークの被処理面上に向けて突出させて配置することにより前記マスキング治具のテーパー面の先端部の突出量が前記ワークの被処理面に成膜する膜厚よりも大きくなるように設定し、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1〜図8は、本発明に係る表面処理のマスキング方法および装置の実施の形態を示している。本実施形態における表面処理のマスキング方法は、図1および図2に示すようなワークとしてのシリンダブロック1に適用されている。このシリンダブロック1は、クランクケース2が一体となった構造を有しており、その内部には表面処理を行う被処理面のシリンダボア3が設けられ、該シリンダボア3でピストンが上下動するように構成されている。このため、シリンダボア3の内面には、皮膜を形成する成膜処理によって後述のめっき皮膜が付着されるようになっている。
【0011】
シリンダボア3のクランクケース2側の端部には、図2、図4および図5に示す如く、ジャーナル部4へ向かって径方向に拡径するテーパー面5が形成されている。すなわち、テーパー面5は、シリンダボア3に連続して形成されており、図3に示すキャップ治具(マスキング治具)6で覆われる表面処理不要面の一部を構成している。しかも、テーパー面5は、エンジンを組付ける際、挿入するピストン7およびピストンリング8(図5参照)のガイドとして機能している。
【0012】
また、クランクケース2のジャーナル部4には、図1に示す如く、テーパー面5の外周に沿って略半円形状に切欠いて加工した切欠き部9が形成されており、該切欠き部9によってクランクケース2側からのキャップ治具6の挿入が容易となり、かつ拡径機構などの複雑な機構が不要となるように構成されている。
さらに、テーパー面5の外周であって、シリンダブロック1の表面処理不要面には、シリンダブロック1へのキャップ治具6の過度の挿入を防止し、キャップ治具6の位置決めおよびシールを容易にする平坦面部10が設けられている。この平坦面部10は、シリンダブロック1へのキャップ治具6の位置決め機構を構成するものであり、シリンダボア3の内面に対して直交する方向へ延びる垂直な面に形成されている。
【0013】
一方、キャップ治具6は、図3および図4に示す如く、一端側に開口した凹部11を有する円柱状体であり、内周側の先端部12には、シリンダブロック1のテーパー面5に沿うように密着し、めっき前処理液およびめっき液(表面処理液)をシールするテーパー面13が反対側端部へ向かって径方向に拡径しながら設けられている。このキャップ治具6のテーパー面13は、シリンダブロック1のテーパー面5と相俟って表面処理装置を構成するものであり、表面処理液の漏洩を防止し、当該テーパー面13の箇所へのエッチング作用やめっき皮膜14の付着を抑制するために設けられている。
【0014】
また、キャップ治具6の先端部12に位置するテーパー面13の先端部分は、シリンダブロック1のシリンダボア3の内面上に向けて突出させて配置するように構成されている。テーパー面13の先端部分の突出量は、特に限定されるものではないが、シリンダブロック1のシリンダボア3の内面に成膜するめっき皮膜14の膜厚よりも大きくなるように設定することが好ましい。これによると、シリンダボア3の内面に成膜するめっき皮膜14をテーパー形状に形成することが可能となり、面取り加工が不要となる。
【0015】
一方、図6に示す如く、キャップ治具6の先端部12が短く、テーパー面13の先端部分がシリンダボア3の内面上に突出していない場合は、テーパー面13上にめっき皮膜14が形成されることになり、実線15までホーニング加工した後も、めっき皮膜14の段差が残るために好ましくない。
また、図7に示す如く、キャップ治具6の先端部12が図6に示すものよりも長く、テーパー面13の先端部分がシリンダボア3の内面と同一位置に配置されている場合は、実線15までホーニング加工した後、めっき皮膜14の端部がテーパー形状とならないために若干の引っ掛かりは生じるが、テーパー面13にめっき皮膜14の段差が残らないため、エンジン組付時には特に問題とならない。さらに、図8に示す如く、キャップ治具6の先端部12が図7に示すものよりも長く、テーパー面13の先端部分がシリンダボア3の内面に突出して配置されている場合は、めっき皮膜14の端部14aがシリンダブロック1のテーパー面5に沿った角度に切り欠いた形状に成膜することになる。すなわち、めっき皮膜14の端部14aのボア面より張り出す箇所には、切欠き16が形成されることになる。その結果、面取り加工工程において工具を当てた場合は、図8(b)の破線で示す如く、めっき皮膜14の端部14aがクサビ形状の切欠き16から容易に折損し、めっき皮膜14の端部14aは、図5に示す如く、テーパー形状に形成されることになる。
【0016】
また、キャップ治具6の先端部12側には、図3および図4に示す如く、シリンダブロック1の平坦面部10に当接し、キャップ治具6の位置決めおよびシールを容易にする当接面部17が設けられている。この当接面部17は、シリンダブロック1の平坦面部10と共にシリンダブロック1へのキャップ治具6の位置決め機構を構成するものであり、キャップ治具6のテーパー面13の後端に対して外周面へ向かって延びる垂直な面に形成されている。
【0017】
本発明の実施の形態に係るキャップ治具6の材質は、特に限定されるものではないが、シール性を考慮した場合、ウレタンゴム、シリコンゴム、ユニレート(登録商標)およびMCナイロン(登録商標)などが好適である。また、キャップ治具6として、金属製キャップ治具も使用可能であるが、耐食性に優れるステンレス鋼やチタン合金が好ましい材質である。ただし、シリンダブロック1と接する部分は、導通があるとめっき皮膜14が成長してしまうために、絶縁構造とする必要がある。
本発明の実施の形態で実施するめっきの種類は、特に限定されるものではないが、例えばニッケルめっきが挙げられる。
【0018】
本発明の実施形態に係るマスキング方法および表面処理装置を用いて、シリンダブロック1のシリンダボア3の内面にめっき皮膜14を形成するには、先ず、キャップ治具6をクランクケース2側から挿入し、当接面部17をシリンダブロック1の平坦面部10に当接させると共に、テーパー面13をシリンダブロック1のテーパー面5に密着させてシールする。次いで、ワークの被処理面をめっき前処理液およびめっき液などで満たす一般的なめっき処理工程において、図示しないめっき装置を用いてニッケルめっき等を施すと、めっき皮膜14がシリンダボア3の内面に形成されることになる(図8参照)。そして、ホーニング加工などによってめっき皮膜14を削り取れば、所定の膜厚に仕上げられ、テーパー形状の端部14aを有するめっき皮膜14が得られる(図4参照)。しかる後、ピストンリング8を装着したピストン7を図5の矢印に示す方向からシリンダボア3に挿入して、シリンダブロック1に組付ける。
【0019】
本発明の実施形態の表面処理装置を用いたマスキング方法では、シリンダブロック1のシリンダボア3に連続する表面処理不要面をテーパー面5とし、キャップ治具6に設けたテーパー面13をシリンダブロック1のテーパー面5に密着させることにより表面処理不要面を覆って表面処理液をシールしているため、シリンダブロック1のテーパー面5にめっき皮膜14が形成されず、めっき皮膜14の端部14aが当該テーパー面5に沿うテーパー形状に形成され、めっき皮膜14の端部14aの花咲きも抑制されることになる。したがって、シリンダブロック1のテーパー面5におけるめっき皮膜14の端部14aの面取り作業を廃止することができ、コスト削減および品質向上を図ることができる。このような箇所での面取りは、めっき皮膜14の端部14aの形状が複雑な上に精度が要求されることから、自動化が難しく、手作業の場合も熟練が必要となる。特にクランクケース2が一体となった一体型構造のシリンダブロック1では、リューター等の面取り加工機の取回し自由度がないため、面取り作業そのものが実施できない場合も生じるからである。
しかも、クランクケース2側からピストン7を挿入してエンジンの組付けを行う場合に、シリンダブロック1のテーパー面5は挿入するピストン7のガイドとして機能するため、シリンダボア3に形成しためっき皮膜14をピストン7およびピストンリング8によって傷付けたり、あるいは剥離させたりすることも極めて少なく、ピストン7およびピストンリング8への傷付きを防止しながらスムーズに挿入してシリンダブロック1に組付けることができる。
【0020】
また、従来のクランクケース一体型構造のシリンダブロックでは、ジャーナル部がシリンダボアの内径側に張り出しているため、マスキング治具を収縮させた状態で挿入し、その後、拡径機構によってマスキング治具を膨張させる必要があった。これに対して、本発明の実施形態の表面処理装置を用いたマスキング方法では、テーパー面5の外周に沿って略半円形状に切欠いた切欠き部9をシリンダブロック1のジャーナル部4に形成しており、キャップ治具6をクランクケース2側からシリンダブロック1に挿入するだけでシールすることが可能であり、キャップ治具6を拡径させるなどの機構が不要となるため、めっき装置を簡略化して安価な設備とすることができる。
さらに、本発明の実施形態の表面処理装置を用いたマスキング方法では、シリンダボア3の内面に対して垂直な平坦面部10をシリンダブロック1のテーパー面5の外周に形成し、当該平坦面部10に当接する当接面部17をキャップ治具6の先端部12側に形成して、シリンダブロック1へのキャップ治具6の位置決め機構を構成しているため、キャップ治具6の過度の挿入を防止でき、位置決めおよびシールを簡単かつ確実に行うことができる。
ところで、アルミダイカスト材(ADC12等)のめっき前処理として、リン酸などの酸性溶液を用いて電解エッチングを行う方法が知られている。このような電気的表面処理においては、ボア端部などの角部に電荷が集中することによりオーバーエッチングに成り易い。これに対し本実施形態におけるシリンダボア3の端部は、突出して配置されるキャップ治具6の先端部12によってカバーされているため、電荷の集中を抑制し、均一な表面処理を行うことができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。例えば、クランクケース2のジャーナル部4を略半円状に切欠いて容易にシールできる構造とした既述の実施の形態のシリンダブロック1およびキャップ治具6は、めっきのみならず電解エッチングやアルマイト等の表面処理全般に適用可能である。また、無電解めっきおよび電気めっき等のめっき方法についても特に限定されるものではないが、花咲きを生じ易い電気めっき方法においては、より好適な効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係る表面処理のマスキング方法は、ワークの表面処理不要面をマスキング治具で覆い、その後、前記ワークの被処理面を表面処理液で満たすことにより前記ワークの被処理面のみに表面処理を施すものであって、前記ワークの被処理面に連続する表面処理不要面をテーパー面とし、該テーパー面に、前記マスキング治具に設けたテーパー面を密着させることにより前記表面処理液をシールするものにおいて、前記ワークの表面処理不要面に、前記被処理面に対して直交する方向へ延びる平坦面を設ける一方、該平坦面に当接する面を前記マスキング治具に設け、該当接面で前記マスキング治具を前記ワークに位置決めし、前記マスキング治具のテーパー面の先端部を前記ワークの被処理面上に向けて突出させて配置することにより前記マスキング治具のテーパー面の先端部の突出量が前記ワークの被処理面に成膜する膜厚よりも大きくなるように設定し、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアであるので、表面処理液の漏洩を確実に防ぎ、被処理面端部の表面処理形状をテーパー形状に沿う形状とすることが可能となり、被処理面と表面処理不要面との境界に段部が生じるのを防止できると共に、滑らかな形状の被処理面を得ることができる。しかも、本発明のマスキング方法により表面処理を施したワークに別部品を組付ける場合、ワークのテーパー面がガイドとなるので、部品の組付作業性の向上を図ることができる。また、本発明のマスキング方法によれば、マスキング治具の被処理面への過度の挿入を防止し、マスキング治具の位置決めおよびシールを容易に行うことができると共に、皮膜端部の面取り作業を簡易に行うことができる。さらに、本発明のマスキング方法によれば、皮膜端部を確実にテーパー形状に形成することが可能となり、面取り加工を無くすことができる。一方、本発明の表面処理のマスキング方法において、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアであるので、ボア端部の電荷の集中を防止でき、シリンダボアに対して均一な表面処理を行うことができる。
【0023】
かも、前記シリンダブロックをクランクケースと一体に形成し、該クランクケースに形成されるジャーナルのボア面より張り出す箇所を前記シリンダブロックのテーパー面に沿って切り欠いた場合には、マスキング治具の挿入が容易となり、複雑な拡径機構などを設ける必要がなく、マスキング治具を簡素な構造とし、安価なめっき装置を用いることができると共に、ピストンリングをスカート側から挿入でき、組付作業性の向上を図ることができる。
【0024】
本発明に係る表面処理装置は、ワークの表面処理不要面を覆うマスキング治具を備え、該マスキング治具によって前記表面処理不要面を覆った状態で、前記ワークの被処理面を表面処理液で満たすことにより前記ワークの被処理面のみに表面処理を施すものであって、前記ワークの被処理面に連続する表面処理不要面をテーパー面とし、該テーパー面に密着させることにより前記表面処理液をシールするテーパー面を前記マスキング治具に設けたものにおいて、前記ワークへの前記マスキング治具の位置決め機構を更に備え、該位置決め機構は、前記ワークの表面処理不要面に設けられ、前記被処理面に対して直交する方向へ延びる平坦面と、前記マスキング治具に設けられ、前記平坦面に当接する面とを有し、前記マスキング治具のテーパー面の先端部を前記ワークの被処理面上に向けて突出させて配置することにより前記マスキング治具のテーパー面の先端部の突出量が前記ワークの被処理面に成膜する膜厚よりも大きくなるように設定し、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアであるので、上記発明のマスキング方法と同様の効果を得ることができる。
【0025】
た、前記マスキング治具の材質が、ステンレス鋼またはチタン合金である場合には、耐食性に優れるマスキング治具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法が適用されるシリンダブロックを示す概略平面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法で用いられるキャップ治具であり、(a)はその側面図、(b)はその断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法において、シリンダブロックのテーパー面に沿うようにキャップ治具のテーパー面を密着させた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法によってシリンダブロックのシリンダボアにピストンを挿入する状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法において、シリンダブロックのテーパー面に沿うように密着させるキャップ治具のテーパー面の先端部が短く、シリンダブロックのテーパー面にめっき皮膜が形成される場合を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法において、シリンダブロックのテーパー面に沿うように密着させるキャップ治具のテーパー面の先端部がシリンダボア内面と同一で、シリンダブロックのテーパー面にめっき皮膜の段差が残らない場合を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る表面処理のマスキング方法において、シリンダブロックのテーパー面に沿うように密着させるキャップ治具のテーパー面の先端部がシリンダボア内面よりも突出し、シリンダボア内面のめっき皮膜に切欠きが形成されている場合を示す断面図である。
【図9】従来の表面処理のマスキング方法によってシリンダブロックのボア内面およびテーパー面にめっき皮膜が形成され、当該テーパー面にめっき皮膜の段差が生じている状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック(ワーク)
2 クランクケース
3 シリンダボア(被処理面)
4 ジャーナル部
5 テーパー面
6 キャップ治具(マスキング治具)
9 切欠き部
10 平坦面部
12 キャップ治具の先端部
13 テーパー面
14 めっき皮膜
14a 端部
16 切欠き
17 当接面部

Claims (5)

  1. ワークの表面処理不要面をマスキング治具で覆い、その後、前記ワークの被処理面を表面処理液で満たすことにより前記ワークの被処理面のみに表面処理を施すものであって、前記ワークの被処理面に連続する表面処理不要面をテーパー面とし、該テーパー面に、前記マスキング治具に設けたテーパー面を密着させることにより前記表面処理液をシールする表面処理のマスキング方法において、前記ワークの表面処理不要面に、前記被処理面に対して直交する方向へ延びる平坦面を設ける一方、該平坦面に当接する面を前記マスキング治具に設け、該当接面で前記マスキング治具を前記ワークに位置決めし、前記マスキング治具のテーパー面の先端部を前記ワークの被処理面上に向けて突出させて配置することにより前記マスキング治具のテーパー面の先端部の突出量が前記ワークの被処理面に成膜する膜厚よりも大きくなるように設定し、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアであることを特徴とする表面処理のマスキング方法。
  2. 前記シリンダブロックをクランクケースと一体に形成し、該クランクケースに形成されるジャーナルのボア面より張り出す箇所を前記シリンダブロックのテーパー面に沿って切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の表面処理のマスキング方法。
  3. ワークの表面処理不要面を覆うマスキング治具を備え、該マスキング治具によって前記表面処理不要面を覆った状態で、前記ワークの被処理面を表面処理液で満たすことにより前記ワークの被処理面のみに表面処理を施すものであって、前記ワークの被処理面に連続する表面処理不要面をテーパー面とし、該テーパー面に密着させることにより前記表面処理液をシールするテーパー面を前記マスキング治具に設けた表面処理装置において、前記ワークへの前記マスキング治具の位置決め機構を更に備え、該位置決め機構は、前記ワークの表面処理不要面に設けられ、前記被処理面に対して直交する方向へ延びる平坦面と、前記マスキング治具に設けられ、前記平坦面に当接する面とを有し、前記マスキング治具のテーパー面の先端部を前記ワークの被処理面上に向けて突出させて配置することにより前記マスキング治具のテーパー面の先端部の突出量が前記ワークの被処理面に成膜する膜厚よりも大きくなるように設定し、前記ワークがシリンダブロックであり、前記被処理面がシリンダボアであることを特徴とする表面処理装置
  4. 前記マスキング治具の材質が、ステンレス鋼またはチタン合金であることを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
  5. 前記シリンダブロックをクランクケースと一体に形成し、該クランクケースに形成されるジャーナルのボア面より張り出す箇所を前記シリンダブロックのテーパー面に沿って切り欠いたことを特徴とする請求項に記載の表面処理装置。
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