JP4305530B2 - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器 Download PDF

Info

Publication number
JP4305530B2
JP4305530B2 JP2007054170A JP2007054170A JP4305530B2 JP 4305530 B2 JP4305530 B2 JP 4305530B2 JP 2007054170 A JP2007054170 A JP 2007054170A JP 2007054170 A JP2007054170 A JP 2007054170A JP 4305530 B2 JP4305530 B2 JP 4305530B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchanger
air
partition member
partition
moisture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2007054170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007147279A (ja
Inventor
秀元 荒井
健造 高橋
陽一 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2007054170A priority Critical patent/JP4305530B2/ja
Publication of JP2007147279A publication Critical patent/JP2007147279A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4305530B2 publication Critical patent/JP4305530B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

本発明は、流体間での熱交換を行なわせる主として空調分野に利用される積層構造の熱交換器及び熱交換換気装置に関するものである。
近年、暖房及び冷房などの空調機器は、発達かつ普及してきており、空調装置を用いた居住区域が拡大するにつれて、換気において温度及び湿度を回収できる空調用の熱交換器に対する重要性も高まってきている。このような従来の空調用熱交換器については例えば、特公昭47−19990号公報や特公昭51−2131号公報に開示されているものが広く採用されている。
これらの何れの従来における熱交換器も、伝熱性と通湿性とを有する仕切板により間隔板を挟み込み、所定の間隔をおいて、複数層に重ね合わせた基本構造を採っている。仕切板は、方形の平板となっており、間隔板は、投影平面において仕切板に一致する鋸波状又は正弦波状の波形を成形した波板となっている。
また、間隔板は、その波形の成形方向を交互に90度又はそれに近い角度を持たせて仕切板の間に挟着されている。二系統の流体通路は、一次気流と二次気流をそれぞれ別々に通しており、間隔板と仕切板から構成される各層間に、一層おきに交互に直交するように構成されている。
熱交換器の仕切板に要求される特性としては、通気性が低く、透湿性が高いことである。これは、使用時に屋外から屋内に吸込まれる新鮮な外気と屋内から屋外へ排気される汚れた空気とが混合することなく、しかも顕熱と同時に潜熱も熱交換できるようにするために、水蒸気を吸込み空気と排出空気の間で効率よく移行させることが要求されるからである。
そして、このような要求に対処できる仕切板の素材については例えば、特公昭58−46325号公報に示されているような気体遮蔽物が挙げられる。これは、多孔質部材に吸湿剤としてハロゲン化リチウムを含む水溶性高分子物質を含浸若しくは塗布することにより得られるものである。また、例えば特公昭53−34663号公報のものでは、必要に応じて水溶性高分子物質の中にグアニジン系の難燃剤を混ぜて含浸若しくは塗布することにより、難燃性を改善する工夫について示されている。
上記したような多孔質部材に水溶性高分子物質を含浸もしくは塗布した透湿性気体遮蔽物で仕切板を構成した熱交換器においては、夏期などの温度と湿度が高い条件下では、仕切板の吸湿により水溶性高分子物質の一部が溶け、ブロッキング現象がおき、コルゲート時等の巻き戻し作業時に素材が破れるといった問題点がある。また、この種の熱交換器は、仕切板を構成する素材に間隔板を構成する素材を、コルゲート加工しながら接着して得られる片面段ボール構造物を熱交換器構成部材として、複数枚積層することにより製造されている。
コルゲート加工は、間隔板の素材を成形する互いに噛み合って回転する歯車状の上下のコルゲーターと、仕切板の素材を間隔板の素材に回転しながら押付けるプレスロールを中核として構成されていて、間隔板の段形状を整えるために、上下のコルゲーターとプレスロールは通常、150℃以上の高温に維持されている。従って、仕切板の素材の水溶性高分子物質の一部がプレスロールの熱によって溶け、プレスロールに融着しやすく、プレスロールの温度を下げれば仕切板の素材のプレスロールへの融着は防止できるものの、温度を低くするとコルゲートの段形状が崩れ、熱交換器構成部材として使えないものになってしまう。
そこで、従来は、融着の起き難い温度にプレスロール及び上下のコルゲーターの温度を調整し、送りスピードを遅くして段形状の崩れを防止している。そのため、生産性が随分低く製造コストも高くついている。また、仕切板を構成するために、薬液加工を行わずに構成する方法として、熱交換器としては例えば、特許出願平5−109005号公報や特許出願平5−337761に開示されているようなものが広く採用されている。
仕切板を隔てて二種の気流を流通させ、この二種の気流の顕熱及び潜熱を仕切板を介して熱交換させるものにおいては、この仕切板を、多孔質シートの片面に水蒸気を透過させ得る非水溶性の親水性高分子薄膜を形成した複合透湿膜により構成する。これにより、結露を繰り返すような環境においても変形せず、しかも長期の使用でも性能が低下しない全熱交換器を得ることができる。しかも、親水性高分子薄膜が非水溶性であるため、流動することがなく、性能の経時的低下が起こらないようにできる。
上記したような樹脂膜を仕切板に用いた場合は、張り合わせるベースとなる素材が必要となり、仕切板トータルとして膜厚が厚くなり、その結果、透湿性能を低下させることがあった。
また、透湿性を向上させるために、吸湿剤を樹脂膜形成時の混ぜ込む等の作業を行うとうまく膜を成膜できず、成膜後に吸湿剤を含浸および塗工しようとしても必要とする量の吸湿剤を添加することができないでいた。
また、透湿性の高い樹脂膜が紙に代表されるような多孔質材をベースにするものと比較して、高価であるといった問題も残していた。
そこで、本発明は、上記した従来の課題を解消するためになされたもので、低コストで、かつ高い湿度交換効率を実現することができる熱交換器および熱交換換気装置を提供することを目的とするものである。
難燃性を有する略波形状の間隔部材と、セルロース繊維を主原料とする空気遮蔽機能性シート吸湿材を溶かした溶液を用いて含浸塗工することにより付与された透湿性能を有するが難燃剤を付与していない仕切部材とからなり、略波形状の間隔部材の頂点と仕切部材とを接着することにより隣合う仕切部材同士の間隔が保持されるように構成された
また、溶液には、バインダーが加えられている。
さらに、バインダーは、ポリビニルアルコールである。
またさらに、吸湿剤は、塩化リチウムである。
さらにまた、仕切部材は、透気度(JISP8117)が200sec/秒以上である。
また、間隔保持部材は、JIS.A1322適合品である。
本発明によれば、仕切部材へ吸湿材を十分な量塗布することができるで、透湿性能を向上させることができる。
以下に、本発明における実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(参考例1.)
図1は本発明に係る実施の形態1における熱交換器を示す斜視図、図2は図1に示す熱交換器の熱交換器構成部材を示す斜視図、図3は図2に示す熱交換器構成部材の拡大端面図、図4は図1に示す熱交換器におけるコルゲート加工を行うシングルフェーサ装置を示す構成図である。本実施の形態では、図1に示すような積層構造の六面体に構成された空調用に適した熱交換器1を例示して説明する。
熱交換器1は、伝熱性と通湿性とを有する薄肉の仕切部材2により間隔保持部材3を挟み込み、所定の間隔をおいて、複数層に重ね合わせて接着した構成となっている。熱交換器1を構成している仕切部材2は、正方形や菱形の平板として構成され、間隔保持部材3は、投影平面形状が仕切部材2に一致する鋸波状又は正弦波状の波形を成形した波板に形成されている。
この間隔保持部材3は、その波の目の方向を交互に90度又はそれに近い角度を持たせて仕切部材2の間に挟着されている。流体通路4と流体通路5は、間隔保持部材3と仕切部材2から構成される各層間に一層おきに交互に直交するように形成されている。流体通路4は、一次気流(イ)を通し、流体通路5は、二次気流(ロ)を通す。
熱交換器1は、図2、3に示すように、一枚の仕切部材2の片面に間隔保持部材3が接着された熱交換器構成部材6を積層接着することにより作成される。この熱交換器構成部材6は、図3に示すように、板状の空気遮蔽機能性シートを仕切部材2とし、流体通路4,5を構成する間隔保持部材3を、後述するコルゲート加工によって接着することにより連続的に作成される。
仕切部材2のシート厚みは、透湿性能の点を考慮すると、薄膜化することが望ましいが、薄くし過ぎると後加工時の引っ張り強度が小さくなり、加工時に破れ易くなる。透湿性能と引っ張り強度を考慮すると、仕切部材2の厚みは、10〜50μmが好ましい。仕切部材2を構成する紙素材の製造技術の安定性を考慮すると、下限は25μm程度である。
ここでは、厚みが10〜50μmの範囲で、坪量が10〜50(g/m)程度の紙材からなる仕切部材2を採用した。仕切部材2を構成する紙材における親水性繊維の主成分には、セルロース繊維を用いることが好ましい。このように、仕切部材2を構成する紙材の親水性繊維の主成分に、セルロース繊維を用いることにより、低コストで、かつ引っ張り強度を高くすることができる。
この仕切部材2は、アルカリ溶液等を用い、高度に粘状叩解した微細な親水性繊維を使用して、温水中で抄き合わせ水分率15〜25%の湿紙巻き取りを行った後、ロールで紙を圧縮するカレンダー加工の各工程条件の組み合わせによって作成する。これにより、空気遮蔽機能性シート状素材からなる仕切部材2が作成される。また、仕切部材2は、乾燥と同時に強圧力が加えられるため、高密度、透明性と高平滑度が確保された状態で作成される。
抄き合わせ水分率に関しては、湿りすぎていると巻き取り仕上げにブロッキングしたり紙切れし易くなり、また、乾きすぎた状態でカレンダー加工を行っても狙ったように密度の高い紙が得られ難い。これは、乾きすぎていると、繊維間での動きが少くなり、再結合による高密度化が進まないものと推定される。これらを考慮すると、抄き合わせ水分率は、15〜25%の範囲の湿紙巻き取りで行うことが好ましい。
仕切部材2の空隙率は、20%前後に抑えて透気度を5000秒(sec)/100cc以上を確保するように作成する。透気度が5000sec/100cc以上に確保されることにより、熱交換換気装置として重要項目である炭酸ガスの移行率は、1%以下に抑えることができる。このように、熱交換換気装置として重要項目である炭酸ガスの移行率を、1%以下に抑えることを考慮すると、透気度は、5000sec/100cc以上に確保することが好ましい。なお、炭酸ガス移行率で5%以下のものに適用させることを考慮すると、透気度は、200sec/100cc以上であればよい。
仕切部材2は、高度に粘状叩解させることにより作成したので、セルロース繊維が短く、毛羽立った状態にすることができる。このため、繊維が良く絡み合い引っ張り強度を強くすることができるほか、圧着したときに高密度にすることができる。ここで、仕切部材2に微細な親水性繊維を用いたのは、次のような理由による。セルロース繊維等の親水性繊維同士は、空気が通過できないほど高密度化している。
このため、水蒸気は、高濃度側から低濃度側に繊維間の空隙を抜けていくことが難しくなる。これは、繊維表面の水酸基に導かれたり、繊維の中を拡散則に従って低濃度側に移動し気化していくものと推定される。このような原理から、水酸基を多く含む材質でなければ、ポリエチレン等の樹脂フィルムと同様に透湿性が失われてしまう。従って、仕切部材2には、水酸基を多く含む材質からなる親水性繊維を用いなければならない。
仕切部材2は、空気遮蔽性を良好にするために、高密度に圧着させることが好ましい。また、後工程での薬液含浸に備え、抄紙時に湿潤紙力増強剤として熱硬化性樹脂であるメラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂等を用い、繊維間に人工的な結合を導入させる。そして、このようにして得られた空気遮蔽機能性シート状素材からなる仕切部材2は、更に、吸湿剤であるアルカリ金属塩の塩化リチウムと一般に紙難燃剤として使用されるグアニジン塩類の中でも、塩化リチウムと反応して塩を生じないスルファミン酸グアニジンを、シートに対してそれぞれ重量%で20%wtの含浸塗工の処理を施す。
このように、空気遮蔽機能性シート状素材からなる仕切部材2は、吸湿材が含有されるので、内部に水分を吸込ませ易くすることができ、水蒸気の移動をスムーズに行うことができるので、透湿性を向上させることができる。また、吸湿剤の主成分をアルカリ金属塩にしたため、水に良く溶かすことができる。このため、薬液の準備をスムーズに行えるので、作業を容易に行え設備機器の洗浄性も良好にすることができる。また、吸湿性に非常に優れているので、少量でも透湿性を向上させることができる。
吸湿剤の主成分であるアルカリ金属塩と反応しない難燃剤(塩酸グアニジ
ン、スルファミン系グアニジン)を用い、この難燃剤を仕切部材2に含有させて熱交換器1に難燃性を付与している。これにより、仕切部材2の薬液加工を一度に行うことができるので、作業効率を向上させることができる。紙の難燃剤として一般に良く使用されるものには、グアニジン塩類が挙げられる。
グアニジン塩類の中でも、リン酸グアニジンおよびスルファミン酸グアニジンが実用されている。しかしながら、吸湿剤であるリン酸グアニジンを紙に用いた場合、得られた難燃紙の熱安定性が不良になり易く、熱処理時の変色が著しくなる傾向がある。このため、実際に用いられる範囲は限定されており、スルファミン酸グアニジンの方がより好ましく用いられている。
また、吸湿剤として塩化リチウムを用いる場合、リンはリチウムと反応して塩を生成することが知られており使用できない。以上から、グアニジン塩類のなかでも、スルファミン酸もしくは塩酸グアニジンが好ましく用いることができる。後者の塩酸グアニジンには、吸湿性があるので、紙の難燃剤としては、適当ではないy等である。しかしながら、全熱熱交換装置においては、吸湿性が良好であるため、従来から塩酸グアニジンが使用されている。近年は、ダイオキシン問題で塩素を含む素材がさけられており、スルファミン酸グアニジンが使用される傾向がある。
仕切部材2用の空気遮蔽機能性シートは、高密度に圧着した無孔状シートに難燃・吸湿加工を施すことにより、空気遮蔽機能、吸湿機能、難燃機能を具備させることができる。これにセルロース繊維を主とする間隔保持部材3となる素材9(紙材)が図4に示すシングルフェーサ装置に送り込まれ、コルゲート加工されて片面段ボール状の熱交換器構成部材6が連続的に製造される。
コルゲート加工を行うシングルフェーサ装置は、間隔保持部材3を成形する互いに噛み合って回転する歯車状の上下のコルゲーター10,11と、仕切部材2の素材を間隔保持部材3の素材9に回転しながら押付けるプレスロール12並びに糊付ロール13を中核として構成されている。上下のコルゲーター10,11とプレスロール12は、間隔保持部材3の段形状を整えるために、段形状を整え易い高い温度に維持されている。
糊付ロール13は、下段コルゲーター11により送り出される段付きの間隔保持部材3の素材9の段の峰部分に、水溶媒系の酢酸ビニル系エマルジョン接着剤を塗布する。仕切部材2の素材は、プレスロール12側に透湿膜8のない面を向けて送られ、透湿膜8側の面が間隔保持部材3の素材9との接着面とされている。このようにして製造された熱交換器構成部材6を裁断し、交互に向きを90度変えて積層接着することにより図1に示すような熱交換器1が製造される。なお、裁断した熱交換器構成部材6を間隔保持部材3の波の目の方向を併行にして、積層することによって対向流型の熱交換器を得ることもできる。
この熱交換器1の製造方法の特徴は、水溶性および熱融着製の空気遮蔽機能の高分子膜を持たない。このため、図4に示すコルゲート加工を行うシングルフェーサ装置においては、段形状を整えるための上下のコルゲーター10,11とプレスロール12の温度を高く維持しても、プレスロール12に仕切部材2の素材である空気遮蔽機能性シートが融着するようなことがなく、段形状を整え易い高温下で送りスピードを速くしてコルゲート加工を行うことができる。
また、従来のように仕切板部材2の表面に空気遮蔽層である水溶性高分子膜が存在しないため、加工時の接着性が増し、さらに従来のコルゲート加工の送りスピードよりも高速で加工することができる。このため、著しく生産性を向上させることができる。さらに、従来使用していた多孔質紙素材と比較して、本実施の形態のものでは、叩解度を高度に保持していることにより、引き裂き強度は低下するものの、結合強度の向上により破裂強度、引っ張り強度、耐折れ強度を増加させることができる。また、薄膜化しても、後加工時の引っ張り強度に耐えうるものとすることができ、従来100ミクロン程度であった膜厚を20ミクロン程度まで薄膜化できるので、透湿抵抗を1/5まで低減することができる。
図5は図1に示す熱交換器を用いた熱交換換気装置を示す斜視図である。この換気装置は、対向する側面の一方に室内側の吸込口104と吹出口106とを有し、他方に室外側の吸込口105と吹出口107とを有する箱体101内に、上記吸込口104、105と吹出口107、106との間に設けた熱交換器112において互いに交差し熱交換するよう設けられた給気通路109および排気通路108とを備えている。
そして、箱体101に着脱可能に取り付けられた給気通路109と排気通路108に、それぞれ給気流又は排気流を形成する羽根121及び電動機126からそれぞれ構成される送風機110、111に対して、給気通路109と排気通路108に設けられた羽根ケーシング211と、本体の他の側面に設けた開口115から挿脱可能に設けられ、上記給気流と排気流との間で熱交換する熱交換器112とを備えている。
次に、その動作について説明する。上記のように構成された熱交換換気装置において、熱交換器112を利用した空調換気については、それぞれの送風機110、111を運転することにより、室内空気は、ダクトを介して室内側吸込口104から矢印Aのように吸い込まれ、熱交換器112および排気通路108を矢印Bのように通り、排気用送風機110により室外側吹出口107から矢印Cのように吹き出される。
また、ダクトを介して室外側吸込口105から矢印Dのように吸い込まれ、熱交換器112および給気通路109を矢印Eにように通り、給気用送風機111により室内側吹出口106から矢印Fのように吹き出され、ダクトを介して室内に給気される。このとき、熱交換器112では排気流と給気流との間で熱交換が行われ、排気熱を回収して冷暖房負荷を軽減するものである。上記本実施の形態における熱交換器を用いれば、熱交換換気装置の湿度交換効率を約10%改善することができる。
実施の形態1.
本実施の形態は、実施の形態1と同様に積層構造の六面体に構成された空調用に適した熱交換器に関するものである。本実施の形態も、仕切部材の組成を除けば基本的には実施の形態1と同じである。従って、図1〜3はこれを援用するとともに、実施の形態1のものと同じ部分については、実施の形態1のものと同一の符号を用い、それらについての説明は省略する。
本実施の形態における熱交換器1も、図1に示すように、伝熱性と通湿性とを有する薄肉の仕切部材2により間隔保持部材3を挟み込み、所定の間隔をおいて、複数層に重ね合わせ接着した構成となっている。熱交換器1を構成している仕切部材2は、正方形や菱形の平板として構成され、間隔保持部材3は、投影平面形状が仕切部材2に一致する鋸波状又は正弦波状の波形を成形した波板に形成されている。
この間隔保持部材3は、その波の目の方向を交互に90度又はそれに近い角度を持たせて仕切部材2の間に挟着されている。流体通路4と流体通路5は、間隔保持部材3と仕切部材2から構成される各層間に一層おきに交互に直交するように形成されている。流体通路4は、一次気流(イ)を通し、流体通路5は、二次気流(ロ)を通す。
この熱交換器1も、実施の形態1のものと同様に、図2、3に示すように、一枚の仕切部材2の片面に間隔保持部材3が接着された熱交換器構成部材6を積層することにより製造される。熱交換器構成部材6は、実施の形態1と同一の空気遮蔽機能性シートを仕切部材2とし、このシートに吸湿剤である塩化リチウムにより含浸塗工を行い、形成された仕切部材2となる気体遮蔽物に、流体通路4、5を構成する間隔保持部材3となる素材9を、コルゲート加工により接着することにより連続的に作成される。
仕切部材2となる空気遮蔽機能性シートには、実施の形態1と同様なシートが選ばれる。含浸塗工は、より透湿性能を向上させるために、吸湿剤である塩化リチウムのみを水溶媒に溶かして行われる。空気遮蔽機能性シートは、空隙率の低さによる薬液の浸透が悪く、その結果、薬液を多く塗工できないという恐れがある。即ち、透湿性能を向上させるべく、吸湿剤である塩化リチウムを多く塗ろうとしても、難燃剤と同時に塗工しようとすると、十分な量を塗工できなくなる。
そこで、空気遮蔽機能性シートには、吸湿剤として塩化リチウムのみを塗工することにより、実施の形態1のものが、約2g/mの塩化リチウムの付着量に対して約4g/mと約2倍の付着量を得ることができ、透湿性能をさらに向上させることができる。難燃性の付与に関しては、間隔保持部材3に難燃紙と称されるJIS.A1322適合品を用いれば、ユニットとして難燃化した熱交換器構成部材6を構成することができる。
この難燃紙は、水不溶性で微粉末の難燃化剤を、紙内部に抄き込む内添法もしくは、抄紙後の紙に水分散液の難燃化剤を含浸、スプレー、コーティングする後加工法で製造される厚さ60〜120μm程度で、坪量が25〜150(g/m)の紙材である。仕切部材2を構成する空気遮蔽機能性シートは、高密度に圧着された無孔状シートに吸湿加工を施すことにより、空気遮蔽機能、吸湿機能を具備したものとなる。
これにセルロース繊維を主とする難燃性を兼ね備えた間隔保持部材3となる素材9は、シングルフェーサ装置に送り込まれ、実施の形態1で説明した方法と同様の方法で、コルゲート加工されて、片面段ボール状の熱交換器構成部材6が連続的に製造される。このようにして製造された熱交換器構成部材6を裁断し、交互に向きを90度変えて積層接着することにより、図1に示すような熱交換器1が製造される。
この製造方法によれば、予め難燃処理を施した難燃紙材を、間隔保持部材3の素材とするため、透湿膜8を形成するための薬液塗工量を実施の形態1の方法よりも少なくすることができ、製造工程における薬液塗工スピードを速めることにより生産性を一層向上させることができる。これ以外の効果は、実施の形態1と同じである。
さらに従来使用していた多孔質紙素材と比較して、叩解度を高度にしていることにより、引き裂き強度は低下するものの、結合強度の向上により破裂強度、引っ張り強度、耐折れ強度を増加させることができる。しかも、薄膜化しても後加工時の引っ張り強度に耐えうるものとすることができ、従来100ミクロン程度であった膜厚を、20ミクロン程度まで薄膜化でき、これにより透湿抵抗を1/5まで低減することができる。
また、本実施の形態の熱交換器においても、実施の形態1の図5に示した熱交換換気装置に同様に適用させることができる。そして、上記本実施の形態における熱交換器を用いれば、熱交換換気装置の湿度交換効率を約10%改善することができる。なお、本実施の形態においても、裁断した熱交換器構成部材6を間隔保持部材3の波の目の方向を併行にして積層することによって、対向流型の熱交換器を得ることができる。
実施の形態2.
上記実施の形態2で説明した熱交換器においては、吸湿剤である塩化リチウムを水溶媒に溶いて、塗工しても塗工量に限界がある。そこで、吸湿剤とポリビニルアルコール(PVA)を水溶媒に溶かし、ポリビニルアルコールをバインダーとして用いれば、塩化リチウムの塗工量を大幅に増加することができる。この薬剤を仕切部材2となる空気遮蔽機能性シートの片面にのみ塗工を行い、薬液塗工面とコルゲート加工を行えば、コルゲート時にPVA樹脂のべとつきがなく、良好な加工を行うことができる。
上記方法によれば、塩化リチウムを約6g/mまで塗工することができる。この塗工後、熱交換器に加工した後、塗工された薬液が湿度を吸って一部液化する。これにより、徐々に空気遮蔽機能性シート内部に塩化リチウムが浸透していき、表裏での透湿性の差が無くなり、透湿性能を向上させることができる。
また、本実施の形態の熱交換器においても、実施の形態1の図5に示した熱交換換気装置に同様に適用させることができる。そして、上記本実施の形態における熱交換器を用いれば、熱交換換気装置の湿度交換効率を従来比約20%改善することができる。なお、本実施の形態においても、裁断した熱交換器構成部材6を間隔保持部材3の波の目の方向を併行にして積層することによって、対向流型の熱交換器を得ることができる。
本発明に係る実施の形態1における熱交換器を示す斜視図である。 図1に示す熱交換器の熱交換器構成部材を示す斜視図である。 図2に示す熱交換器構成部材の拡大端面図である。 図1に示す熱交換器におけるコルゲート加工を行うシングルフェーサ装置を示す構成図である。 図1に示す熱交換器を用いた熱交換換気装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 熱交換器、2 仕切部材、3 間隔保持部材、4、5 流体通路、6 熱交換器構成部材、8 透湿膜。

Claims (6)

  1. 難燃性を有する略波形状の間隔部材と、
    セルロース繊維を主原料とする空気遮蔽機能性シート吸湿材を溶かした溶液を用いて含浸塗工することにより付与された透湿性能を有するが難燃剤を付与していない仕切部材とからなり、前記略波形状の間隔部材の頂点と前記仕切部材とを接着することにより隣合う前記仕切部材同士の間隔が保持されるように構成された熱交換器。
  2. 溶液には、バインダーが加えられていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  3. バインダーは、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
  4. 吸湿剤は、塩化リチウムであることを特徴とする請求項2乃至3記載の熱交換器。
  5. 仕切部材は、透気度(JISP8117)が200sec/秒以上であることを特徴とする請求項1乃至4記載の熱交換器。
  6. 間隔保持部材は、JIS.A1322適合品であることを特徴とする請求項1乃至5記載の熱交換器。
JP2007054170A 2007-03-05 2007-03-05 熱交換器 Expired - Lifetime JP4305530B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007054170A JP4305530B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007054170A JP4305530B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 熱交換器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001351213A Division JP3969064B2 (ja) 2001-11-16 2001-11-16 熱交換器及び熱交換換気装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007147279A JP2007147279A (ja) 2007-06-14
JP4305530B2 true JP4305530B2 (ja) 2009-07-29

Family

ID=38208869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007054170A Expired - Lifetime JP4305530B2 (ja) 2007-03-05 2007-03-05 熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4305530B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5610777B2 (ja) * 2010-01-14 2014-10-22 株式会社テクノフロンティア 全熱交換素子

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5142334B2 (ja) * 1972-08-10 1976-11-15
JPS5142334A (ja) * 1974-10-05 1976-04-09 Wakabayashi Patento Enjiniarin Kaidotobirashijisochi
JPS5159785A (en) * 1974-11-21 1976-05-25 Mitsubishi Electric Corp Boenseino kaizensareta toshitsuseikitaishaheibutsu
JPS5846325B2 (ja) * 1978-02-27 1983-10-15 三菱電機株式会社 透湿性気体遮蔽物の製造方法
JPS5572797A (en) * 1978-11-22 1980-05-31 Mitsubishi Electric Corp Total heat exchanger
JPH0648149B2 (ja) * 1985-02-07 1994-06-22 日本バイリーン株式会社 全熱交換素子
JP2593267Y2 (ja) * 1993-12-29 1999-04-05 東洋ファイバー株式会社 繊維質製の全熱交換用構造体
JP3460358B2 (ja) * 1995-02-15 2003-10-27 三菱電機株式会社 熱交換器及び熱交換器の間隔板並びに熱交換器の仕切板
JPH1054691A (ja) * 1996-08-08 1998-02-24 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器の間隔板及び熱交換器用部材及び熱交換器並びにその製造方法
JP3791726B2 (ja) * 1997-12-19 2006-06-28 特種製紙株式会社 全熱交換器用紙及びそれを使用した全熱交換器用エレメント
JP3501075B2 (ja) * 1999-05-10 2004-02-23 三菱電機株式会社 熱交換器及び熱交換器の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007147279A (ja) 2007-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3969064B2 (ja) 熱交換器及び熱交換換気装置
JP4206894B2 (ja) 全熱交換素子
US8726978B2 (en) Heat exchanger element and heat exchanger
JP4855386B2 (ja) 全熱交換素子及び全熱交換器
JP3501075B2 (ja) 熱交換器及び熱交換器の製造方法
US6536514B1 (en) Heat exchanger and method for preparing it
JP5503285B2 (ja) 全熱交換素子およびその製造方法
JPH1054691A (ja) 熱交換器の間隔板及び熱交換器用部材及び熱交換器並びにその製造方法
JP5610777B2 (ja) 全熱交換素子
JP2738284B2 (ja) 熱交換器及びその間隔板並びに熱交換器の仕切板の製造方法
JP4305530B2 (ja) 熱交換器
WO2019180834A1 (ja) 全熱交換素子および全熱交換器
JP2002228382A (ja) 熱交換器
JP2007003161A (ja) 熱交換器とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071211

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080822

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090420

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4305530

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term