JP2593267Y2 - 繊維質製の全熱交換用構造体 - Google Patents

繊維質製の全熱交換用構造体

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JP2593267Y2
JP2593267Y2 JP1993075372U JP7537293U JP2593267Y2 JP 2593267 Y2 JP2593267 Y2 JP 2593267Y2 JP 1993075372 U JP1993075372 U JP 1993075372U JP 7537293 U JP7537293 U JP 7537293U JP 2593267 Y2 JP2593267 Y2 JP 2593267Y2
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浩 芹澤
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東洋ファイバー株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は顕熱と潜熱を交換する全
熱交換器に用いる熱交換用構造体に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】全熱交換器には回転型と静止
直交型の2種類があり、何れの型式においても、それに
用いる全熱交換用構造体としては、一般にアスベスト
紙、セルロ−ズ紙、難燃紙などを使用し、これらを連続
的な波状に片段成形し、かつこれに平板を重ねて多段に
積層させた上で、塩化リチウム等の吸・脱湿剤を含浸さ
せて、素材に吸湿性および脱湿性の改善を図っている。
例えば前記直交型について例示すると、図2に示すとお
りで特公昭51-42334号公報にも開示されているように複
数枚の仕切板1の間に、鋸歯状に屈曲させた間隔板2を
介在させた状態の積層体を構成させ、かつ前記の各仕切
板を和紙、アスベスト紙または素焼のセラミック等で成
形したものが用いられている。しかし、周知のようにア
スベストには発癌性があり、一方、和紙などのセルロ−
ズ質シ−トは、製作時に水ガラス、塩化リチウムなどの
含浸乾燥を繰り返す工程があり、構造体としての強度が
要求されるため、単位面積当りの熱交換面積を増やすこ
とが困難であった。
【0003】
【問題点を解決するための手段】ここにおいて本考案
は、前記積層体を構成する仕切板および間隔板のすべて
をバルカナイズドファイバ−製もしくはパ−チメント紙
製またはそれらの加工紙で構成させることによって、前
記従来型の問題点を解消させようと図ったものである。
周知のように、バルカナイズドファイバ−は、植物繊維
を塩化亜鉛等のセルロ−ス膨潤剤によって表面膨潤を行
なった状態で圧着した後、当該膨潤剤を除去することに
よって製造した繊維板である。ファイバ−の素材は、植
物繊維であるから湿度変化による変動はあるが、化学的
に中性で緻密な組織で構成され、優れた機械強度と弾力
性を有し、耐水性、耐久性などをも具備している。一
方、パ−チメント紙は、植物繊維で抄紙した紙を硫酸溶
液で処理して製造した紙で、強靱性、耐久性、耐水性を
具備しているばかりでなく、繊維素繊維のもつ親水性を
も有し、しかも緻密な組織で構成され、かつ適度の加工
性を有しているので、本考案においては、前記したバル
カナイズドファイバ−と均等な素材として取扱うことが
できるのである。
【0004】本考案者は、前記したバルカナイズドファ
イバ−およびパ−チメント紙(以下両者を一括して「特
殊紙」という)の特性、特に前記両素材が共に緻密性、
剛性ならびに成型性に優れた素材であり、かつ親水性を
有している点に着目して、このもので全熱交換器の熱交
換用構造体を構成させ、かつこの構造体に塩化リチウム
等のリチウム化合物を含浸させるようにして、目的とす
る製品を得んとしたものである。
【0005】
【作用】前記した特殊紙を素材に用いて上記構成の片面
段ボ−ルの積層体を構成させた上で全熱交換適性を有す
るリチウム化合物を含浸させるときは、前記特殊紙が緻
密性と剛性ならびに加工性を併せ有するので、従来品に
較べ全体を薄く構成させたときにも熱交換機能を発揮す
るセルを大幅に細孔化し得、その結果、単位体積当りの
有効面積を従来型に比較して飛躍的に増大させることで
きる。また、本考案による構造体は、材質的にみて適度
の保水性を有するので、これに前記したリチウム化合物
を含浸させるときは、効率よくエンタルピ−交換を行な
わせることができる。
【0006】殊に本考案の特殊紙は、その米坪を100
g/m2以下に保持させて薄いシ−トとしてもピンホ−
ルのない緻密性に富んだ段ボ−ル原紙が得られ、しかも
この原紙は一般のクラフト紙などと比較して遙かに剛度
が高く、その上成型性をも保有しているので、この原紙
を使用すれば、波高の低い、したがって細かなピッチの
片面段ボ−ルを得ることができる。そのため、この段ボ
−ルを積層させた構造体の熱交換面積は、従来型に比較
して飛躍的に増加し、したがって全体に薄く、しかも熱
交換効率の優れた製品とすることができるのである。
【0007】
【実施例】まず、前記構造体に用いる素材としてのバル
カナイズドファイバーの原反を次のようにして得る。す
なわち使用パルプとして、NBKPおよびNDSPをそ
れぞれ50%づつ配合した紙料を用いて、米坪55g/
2の原紙を抄造する。この原紙2枚を69°ボ−メ、
40℃の塩化亜鉛溶液に浸漬後、圧搾、加温圧着、空気
熟成を経て約30°ボ−メの塩化亜鉛溶液槽に浸漬した
後、逐次、低濃度の塩化亜鉛溶液槽にて熟成を行って塩
化亜鉛を溶出させる。次いで塩酸槽にて酸洗いをした
後、水洗槽に送り塩化亜鉛を除去した上でシリンダドラ
イヤ−にて乾燥する。次いで更にキャレンダ−掛けを行
って0.09〜0.15mm厚のバルカナイズドファイ
バー原反を得る。
【0008】一方、木綿繊維または前記の如き木材化学
パルプを用いて抄造した原紙を、一例として濃度71.
5%の濃硫酸で処理した後、完全に水洗いしてから乾燥
させて本考案で用いるパ−チメント紙を得る。前記厚み
のバルカナイズドファイバー製原反もしくは前記パ−チ
メント紙(米坪40g/m2)を用いて、図1に示すよ
うな形態の片面段ボ−ルに加工する。片面段ボ−ルにお
ける波形紙のピッチについて例示すると、一般に段ボ−
ル業界においてE段、S段またはX段等と呼称されるピ
ッチに加工することができ、また本考案によれば、波高
(段の高さ)1mm段数30cm当り127段の片面段
ボ−ルとすることもできる。いずれにして、できるだけ
細かなピッチの片面段ボ−ルに成型することが好ましく
この片面段ボ−ルを多段に積層させて図示のような形状
の構造体を得るようになす。その際に用いる接着剤とし
ては酢酸ビニ−ル系もしくはアクリル樹脂系の接着剤を
単味で、もしくは適宜ブレンドして用いるのがよい。
【0009】以下、図示の構造体について具体的に説明
すると、平板状の仕切板11と波形状に成型した間隔板12
で構成された片面段ボ−ルシ−トを多数枚重ね合わせて
積層させ、かつそれらを耐水性を有する酢酸ビニ−ル系
もしくはアクリル樹脂系の接着剤を使用して接着させ
る。なお、積層に際しては前記した波形状間隔板のフル
−ト方向が交互に直交するようになす。また、前記積層
体に加工する前の個々の段ボ−ルシ−ト、換言すれば、
平板状の仕切板11と波状の間隔板12とで構成する単
位の段ボ−ルシ−トを基準にとってその寸法を具体的に
説明すると、段ボ−ルの種類でいうEフル−ト(30c
m当りの段数が、90〜96、段の高さ1.5〜2.0
mmの寸法)とするのがよい。
【0010】単位の片面段ボ−ルシ−トを積層させる
と、仕切板11の間には波状の間隔板12におけるフル
−ト方向に空気の流通層が形成されるが、この層の高さ
が低く、かつフル−トを形成する段の数が多いほど熱交
換面積が増加するので、前記Eフル−トよりもさらに段
数の多いS段やX段の段ボ−ルシ−トとすることもでき
る。また、上記構成の積層体に対しては一例として塩化
リチウムなどのリチウム化合物を含浸させた後に、乾燥
させて所定の熱交換効率を有するように仕上げる。以上
の構成を有する構造体を装着した熱交換器においては、
高温側から低温側へと仕切板11を介して熱伝導・熱通過
が行われ、それによって温度(顕熱)交換がなされる。
また、湿度(潜熱)交換は、水蒸気の分圧差により前記
仕切板を介して高湿側から低湿側へ水蒸気移動が行われ
ることによってなされるものである。この場合、前記仕
切板11および間隔板12に前記リチウム化合物が含浸され
ていると、高湿時における吸湿効果が高く、一方、低湿
時には放湿効果を発揮するので前記の熱交換作用がさら
に効率的に行われる。
【0011】
【考案の効果】以上に述べたように、本考案にあっては
全熱交換用の構造体を薄くて剛性を有するバルカナイズ
ドファイバ−またはパ−チメント紙を用いた段ボ−ル積
層体で構成させたから、単位体積当りの熱交換面積が大
幅に増大し、そればかりでなく吸湿状態においても剛性
が失われないので、省スペ−スの点で顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案における全熱交換用構造体の一例を示す
斜視図。
【図2】従来型の全熱交換用構造体を示す斜視図。
【符号の説明】
11 仕切板 12 波形状の間隔板

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルカナイズドファイバ−もしくはパ−
    チメント紙またはそれらの加工品を素材に用いて形成さ
    せた片面段ボ−ルシ−トを多数枚積層させたものを全熱
    交換用構造体として用いたことを特徴とする繊維質製の
    全熱交換用構造体。
  2. 【請求項2】 片面段ボ−ルシ−トにおける段数(波
    数)を30cm当り、60以上とし、かつその段高(波
    高)を0.7mm〜10mm範囲に保ち、さらに前記片
    面段ボ−ルシ−トの積層体にリチウム化合物を含浸させ
    てなる請求項1記載の全熱交換用構造体。
JP1993075372U 1993-12-29 1993-12-29 繊維質製の全熱交換用構造体 Expired - Lifetime JP2593267Y2 (ja)

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JP4305530B2 (ja) * 2007-03-05 2009-07-29 三菱電機株式会社 熱交換器
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