JP2005232600A - ケミカルフィルタ用イオン交換紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 平行流型ケミカルフィルタの寿命を延長することにより、装置の小型化を図るとともに、フィルタ圧力損失、発塵量の低減を図ることができるフィルタ素材を提供する。
【解決手段】 カチオン交換体と熱融着性材料を含む湿式抄紙において、熱圧縮工程通過後の圧縮比が45%以上であること、湿式抄紙における乾燥温度が125℃以下であること、抄紙工程にてドライヤー面からの剥離性向上のために添加されるポリオレフィン系ポリマを主成分とする添加剤を原料スラリー重量に対して4.0重量%以下で添加すること、目付量50〜300g/m2以上である製造方法からなる。
【選択図】 なし
【解決手段】 カチオン交換体と熱融着性材料を含む湿式抄紙において、熱圧縮工程通過後の圧縮比が45%以上であること、湿式抄紙における乾燥温度が125℃以下であること、抄紙工程にてドライヤー面からの剥離性向上のために添加されるポリオレフィン系ポリマを主成分とする添加剤を原料スラリー重量に対して4.0重量%以下で添加すること、目付量50〜300g/m2以上である製造方法からなる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ケミカルフィルタ用濾材として用いられるケミカルフィルタ用イオン交換紙の製造方法に関し、さらに詳しくは濾材圧縮化により、フィルタ圧力損失を増大させることなく、ケミカルフィルタ内のイオン交換容量の増加による寿命増加及びフィルタのコンパクト化が図られ、発塵量の低減、接着性の向上などフィルタ易加工性を提供するケミカルフィルタ用イオン交換紙の製造方法に関する。
半導体の製造に於いて、雰囲気中アンモニアガスや亜硫酸ガス等のガス状汚染物質が存在すると、ウエハ上のパターン不良や絶縁破壊を発生させる原因となる。そのため半導体の製造工場では、ガス状汚染物質をppbレベルの超低濃度に低減させたクリーンルーム内で製造が行われ、そのクリーンルーム内の空気をエアフィルタで有害ガスを除去しながら強制循環させている。
従来ガス状汚染物質除去用フィルタとして、塩基性ガス除去用としてはカチオン交換樹脂を用い、酸性ガス除去用としてはアニオン交換樹脂を用いる方法がある。イオン交換体を用いたケミカルフィルタはイオン交換基が化学的に基材に結合されているため除去物質の再放出が低く、空気中の微量物質除去に好適である。
これらイオン交換体を含有したフィルタ濾材、すなわちイオン交換体含有紙の製造方法としては湿式抄紙による方法がある。一般に、イオン交換体含有紙は、イオン交換体を含む抄紙原料を水中にスラリーとして分散させ、そのスラリー原液を円網あるいは長網抄紙機を用いて濾過機構で抄紙フェルトへ転写後、主として水蒸気により内部から加熱された円筒ドライヤーを湿紙が通過し、乾燥する製造方法をとる。当該用途に使用されるイオン交換体含有紙はフィルタ要求性能のひとつである寿命を満たすためにイオン交換基をフィルタ内に効率よく充填する必要がある。そのため、平行流形式によるフィルタが開発されているのは公知の事実である。当該用途には形態維持、フィルタ内に充填される交換容量を大きくするために比較的目付量の高い厚紙様の製造が要求される。
一方、ケミカルフィルタに要求される主要な性能指標として寿命と圧力損失がある。寿命はフィルタ内に充填されるイオン交換容量と比例関係にあり、さらに交換速度の面からイオン交換体の形態にも影響することが知られている。従って、イオン交換体の単位容積あたりの充填量を増加、あるいはフィルタの通気方向の奥行きを増大すれば寿命の増大を図ることができる。しかし、これらの解決手法はフィルタ圧力損失を増大させることとなり、空調系全体の大型化や既存設備への据付に制限を与えることになる(特許文献1参照)。
特開2003−24725号公報
本発明の目的は、アンモニア除去用平行流型ケミカルフィルタの寿命を延長、すなわち単位容積あたりの交換容量を増大させることにより、小型化を図るとともに、フィルタによる圧力損失を低減することのできるケミカルフィルタ用イオン交換紙の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、熱融着繊維を含有したカチオン交換紙を湿式抄紙により生産したのち、熱圧縮工程(カレンダー工程)を通してなる圧縮カチオン交換紙をケミカルフィルタ用濾材として用いることで解決できることを見いだした。また本法の適用により、イオン交換紙から発生する短繊維状物による発塵を低減することや接着性向上など、ケミカルフィルタへの高次加工性の向上という相乗効果も有する。
すなわち、本発明は、カチオン交換体と熱融着性材料(例えば、熱融着繊維)を含むスラリーを湿式抄紙し、乾燥時は125℃以下で乾燥したのち、熱プレスロールによる圧縮工程を実施したことを特徴とするカチオン交換紙を提供することにある。
本発明によれば、カチオン交換体に熱融着性材料(例えば、熱融着繊維)を混合したスラリーを湿式抄紙し、抄紙時の乾燥温度が125℃と以下となるよう抄紙したのち、熱プレスロールでの熱接着工程を施すことにより、圧縮前後比が45%以上のカチオン交換紙を抄紙することができ、ケミカルフィルタ用濾材加工後の充填量を大幅に向上することができる。これにより、フィルタ圧力損失を低下させることなく、フィルタの寿命改善や小型化が可能となる。
本発明に用いるカチオン交換体の形態には球径樹脂、繊維状、粉末など特に限定はないが、抄紙工程での各ロールでの圧縮応力による変形、脆性を考慮して、イオン交換ポリマと補強用ポリマからなる繊維状形態を有することが好ましい。イオン交換様ポリマと補強用ポリマの混合態様は特に問わないが、例えばイオン交換ポリマを鞘成分の主成分に補強用ポリマを芯成分にした芯鞘型繊維、多芯混合及び多心型複合繊維が好ましく用いられる。特に多芯型複合繊維が十分な機械強度を有しており、繊維の脆性強化、かつイオン交換体としての比表面積が大きいので好ましい。
イオン交換ポリマとしては特に限定されないが、ポリスチレン系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ−α−オレフィン系化合物などにイオン交換基を導入したポリマをあげることができる。特に架橋不溶化したポリスチレン系化合物にイオン交換基を導入したポリマが本発明上きわめて重要なイオン交換性能及び化学的安定性の点で優れていて好ましい。
補強用ポリマとしてはポリ−α−オレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルなどをあげることができるが、これに限定されるものではない。中でも、イオン交換繊維の製造上ポリ−α−オレフィンが耐薬品性に優れ好ましい。ポリ−α−オレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-3-メチルブテン-1、ポリ-4-メチルペンテン-1 等があげられるがこれに限られない。また、補強用ポリマの含有比率は20〜80%であることが望ましい。
かかるカチオン交換体の直径は、比表面積を大きく保つため、乾燥状態にて15〜1000μmが好ましい、より好ましくは20〜700μm、特に25〜500μmが最も好ましい。また、繊維状の場合、繊維長は他の抄紙副原料との交絡性、水中分散性を保つため、0.1〜5mmが好ましい。より好ましくは、0.2〜3mm、特に0.3〜1.5mmが最も好ましい。
本発明におけるカチオン交換体に導入するイオン交換基はカチオン交換基を意味する。カチオン交換基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、イミノジ酢酸基等のアミノカルボン酸基が好ましく用いられるが、本発明における要求仕様よりスルホン酸基がより好ましい。
本発明におけるカチオン交換体の具体的製造方法としては、ポリスチレン系化合物とポリ−α−オレフィンからなる多心型混合もしくは複合繊維を酸触媒下でホルムアルデヒド源によりポリスチレン部を架橋不溶化し、次に公知の方法でイオン交換基を導入して製造する方法、ポリ−α−オレフィン繊維にスチレン−ジビニルベンゼンを含浸させ、共重合後イオン交換基を導入して混合繊維を製造する方法、ポリアクリロニトリル・ポリアミド・ポリエステル繊維などに化学修飾法・グラフト法などで、イオン交換基を導入する方法があげることができる。
イオン交換基の架橋度の調整はカチオン交換体を形成するポリマの性質によって異なり、各々にてきした手法を用いるが、ポリスチレン系化合物の場合はポリスチレン部分の3次元架橋度の割合を調節する方法、具体的には架橋不溶化の際、ホルムアルデヒド源を増減することにより架橋度を調整する方法や、球径樹脂の懸濁重合する際にジビニルベンゼンなどの架橋剤を加え共重合する方法があげられる。化学修飾法・グラフト法などでイオン交換基を導入する方法では、グラフト率を上下させることなどにより、親水性基と疎水性基の割合を変えて調整する方法があげられる。
本発明で用いられるカチオン交換紙はカチオン交換体とともに熱融着性材料を含むことが重要である。カチオン交換体の形態を維持するため、ケミカルフィルタ用材料として不純物発生量を抑制する点において、熱融着性材料として熱融着繊維を用いるのが最も好ましい。熱融着繊維の溶融成分はカチオン交換繊維の融点(耐熱温度)より低い温度下で溶融する成分でよく、例えば、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ビニル系の低融点ポリマから必要に応じて選択するのがよい。また、当該繊維の断面形状が芯鞘型、海島型、単一形状などがあげられるが、抄紙後の形態保持性、繊維集合体内に空隙を持たせるためには芯鞘型繊維が最も好ましい。
本発明で用いられる抄紙方法はイオン交換体を水中に分散後、網上に湿紙を形成後乾燥させる、いわゆる湿式抄紙法による方法が好ましい。その湿紙形成にあたっては、一層でもよいし多層で形成されたものでもよい。具体的には、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜が多少色、これらの同種あるいは異種の抄紙機を2以上組み合わせたコンビネーションマシンなどを用いて抄紙し、1層あるいは多層に抄き合わせて製造される。
カチオン交換紙の目付量は30〜1000g/m2の範囲であることが望ましく、特に圧縮(カレンダー)工程、熱接着(コルゲート)工程での通過性や、濾材加工の容易性を考慮して50〜300g/m2であることが特に好ましい。
抄紙スラリー原料中に添加するカチオン交換体の比率は、30重量%以下ではフィルタ加工後のイオン交換容量が不足し、所定のケミカルフィルタ性能が得られないこと、80重量%以上では紙構造を保つことが困難になるため、30〜80重量%であることが望ましい。
乾燥工程での乾燥温度は原料カチオン交換体成分の耐熱温度以下とすることが重要であり、カチオン交換体の耐熱温度は125℃であるため、乾燥温度は当該温度以下であることが必要であって、好ましくは50℃〜125℃、より好ましくは100℃〜125℃である。カチオン交換体及び熱融着性材料の融点以上で乾燥し、かつ湿紙水分が十分除去された状態でカチオン交換紙に熱を与えられる条件となった場合、カチオン交換紙の収縮が起こり、圧縮(カレンダー)工程での圧縮率が低下し、フィルタ内への濾材充填量が減少するためである。また、抄紙工程での過度の乾燥は熱接着(コルゲート)工程での接着性が低下し、コルゲート加工品の生産が不可能となる。なお、抄紙工程の乾燥温度は熱融着性材料の接着温度、もしくは構成する熱融着性材料の接着温度付近で実施することがさらに好ましい。
乾燥工程において、ドライヤーからのカチオン交換紙剥離性を改善するため、高分子系添加剤を使用できる。添加剤として、ポリオレフィン系ポリマを主成分とするワックスをドライヤー表面に塗布あるいは抄紙原料スラリーに添加した場合、添加量に応じてドライヤー面からの剥離性向上に大きな効果を有するが、カチオン交換体、熱融着性材料の表面をコーティングするため、熱圧縮性不良や熱コルゲート加工時に接着性不良が生じる原因となる。
検討の結果より、該ワックスの添加量は原料スラリーまたは紙重量に対して4.0重量%以下であって、0.01重量%〜4.0重量%であることが好ましい。なお実施方法は、該ワックスを含む水溶液をスプレーにて噴霧する方法、ドライヤー表面に水溶液を含浸・滴下する方法、スラリー調整時に添加剤として内添する方法などがあげられるが、これらは限定されるものではない。
本発明におけるケミカルフィルタ用濾材構造体、すなわちケミカルフィルタ用カチオン交換紙は対象ガスの吸着効率と圧力損失が実用レベルに達しているならば格子型、波形、ハニカム型、円筒型など形態は問わないが、コルゲート加工を施されたものが単位体積あたりの濾材重量を多くでき、平行流で通気でき圧力損失が抑えられること、及び枠材に充填する際に圧縮充填圧をかけることによって隙間のないフィルタユニットを作成可能である点で好ましい。
本発明では、フィルタへの充填重量を増加し、かつ充填量増加に伴う圧力損失増大を防ぐために、カチオン交換紙の熱プレスロールによる熱圧縮工程を、コルゲート加工前に実施することが重要である。これにより、抄紙工程で混抄した熱融着性材料が熱圧縮作用により融着し、繊維密度が向上するため、紙厚を減少することができる。また熱圧縮の実施により、コルゲート加工後の濾材厚みを大幅に減じることができるため、充填容量を増大することができる。加えてコルゲート後の中芯(波形シート)とライナー(平面状シート)間のクリアランスが圧縮未実施品と比較して大きくとれるため、平行流フィルタとした際の圧力損失低減にも効果がある。加えて、抄紙後の粗面が圧縮ロールの作用で平滑化し、カチオン交換紙からの発塵量の低下にも寄与する。
圧縮方法は特に限定しないが、一定のクリアランスを有する2本の熱プレスロール間を通過させ、一定張力で巻き取る形態が作業効率の観点から好ましい。また、圧縮による充填率向上、圧力損失低減の効果を得るために、熱圧縮工程通過後の圧縮率が30%以上であること、さらに好ましくは45%以上であることが望ましい。また、過大に圧縮した場合、アンモニアなどppbオーダーの微量除去対象物質が紙層横断方向への拡散が阻害されることにより、充填量を増大させても効率よく除去できなくなるため、圧縮比は45%〜80%であるのが一番よい。ここで、圧縮比は以下の式で定義される。
圧縮比[%]=100×[1−(圧縮後の紙厚/圧縮前の紙厚)]
圧縮比[%]=100×[1−(圧縮後の紙厚/圧縮前の紙厚)]
また、熱プレスロール間をカチオン交換紙が通るとき、原紙の水分保持量が平衡水分率を越える場合、熱プレスロール表面と接する紙との間で水分の蒸発が起こり、原紙とロール間に発生する気泡による紙ジワが発生し、通過性不良や外観不良を発生させることがある。よって、抄紙工程終了時点の水分率はJIS P-8111 で規定された調湿空間(25±1℃、50±2%RH)で平衡状態に達した水分率(平衡水分率)より低いことが好ましい。
本発明によって得られた圧縮されたカチオン交換紙は一方の熱ロールが凹凸を有し、他方の熱ロールが平滑面であるコルゲートマシンに2枚の紙を重ね合わせ通過させることにより、コルゲート加工物を得ることができる。この手法によれば、接着に熱融着性材料を用いているため、溶剤系接着剤を使用した濾材と比較して、アウトガス発生量を低減できる効果を有する。
以下、本発明の実施例をもって説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
実施例1
カチオン交換体としてのカチオン交換繊維を次のようにして製造した。イオン交換ポリマ(海成分)がポリスチレン、補強剤ポリマ(島成分)がポリエチレンである多芯海島型複合繊維(補強剤ポリマの成分が50%、直径40μm)を長さ0.3mmに切断し、カットファイバーを得た。該カットファイバー1重量部を98%硫酸13.5重量部、パラホルムアルデヒド0.05重量部からなる架橋・スルホン化液に加え、85℃で4.5時間反応させ、架橋・スルホン化液を分離後、9倍量のイオン交換水で水洗することによりイオン交換繊維を得た。
カチオン交換体としてのカチオン交換繊維を次のようにして製造した。イオン交換ポリマ(海成分)がポリスチレン、補強剤ポリマ(島成分)がポリエチレンである多芯海島型複合繊維(補強剤ポリマの成分が50%、直径40μm)を長さ0.3mmに切断し、カットファイバーを得た。該カットファイバー1重量部を98%硫酸13.5重量部、パラホルムアルデヒド0.05重量部からなる架橋・スルホン化液に加え、85℃で4.5時間反応させ、架橋・スルホン化液を分離後、9倍量のイオン交換水で水洗することによりイオン交換繊維を得た。
該イオン交換繊維の交換容量は次の方法で測定した。0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液100mLにイオン交換繊維を1g入れ、2時間攪拌する。その後、該処理液を20mL採取し、0.1N塩酸水溶液と混合後、0.1N水酸化ナトリウム水溶液により中和滴定して計算する。このイオン交換繊維の交換容量は3.2meq/gであった。
該イオン交換繊維の含水度は次の方法で測定した。イオン交換繊維をイオン交換水にて十分に含浸したのち、卓上遠心脱水機で脱水して、重量(W)を測定し、そのまま、120℃の乾燥機で2時間放置することで絶乾状態での重量を測定した(W0)。該イオン交換繊維の含水度は2.0g-H20/gであった。
次に該イオン交換繊維を乾燥品換算で70重量部、天然パルプを乾燥品換算で15重量部、熱融着繊維(クラレソフィットN720、繊維長5mm、ポリエステル系芯鞘繊維、鞘成分接着温度110℃)15重量部を水に加え、十分に攪拌混合し、目付量200g/m2となるよう連続湿式抄紙を行い、カチオン交換紙を得た。連続湿式抄紙機付属の乾燥機温度は接触式表面温度計での測定結果が110℃であった。水中分散性の指標として引張強度(抄出方向)の測定、抄紙直後の水分率、平衡水分率、坪量(乾燥重量基準)の測定をJIS法に従い実施した。結果を表1に記す。
次に得られたカチオン交換紙(12×20cm)を熱プレスロール(110℃、20kgf/cm2、片面ゴム、片面加熱面)に通過させ、通過前後の紙厚を測定し、圧縮前後比を測定した。結果を表1に記す。
次に2枚のカチオン交換紙を重ね合わせ、ロール温度130℃(両面)、ロールクリアランス0.3mm、ロール速度1.1m/秒で熱接着した後、20mm幅で100mm/分のヘッドスピードにて90°剥離強度試験を実施し、カチオン交換紙の熱接着性の指標とした。結果を表1に示す。
実施例2、比較例1
乾燥工程における乾燥温度を120℃(実施例2)、130℃(比較例1)とした以外、実施例1と同様の方法で実験を行った。実験結果を表1に示す。
乾燥工程における乾燥温度を120℃(実施例2)、130℃(比較例1)とした以外、実施例1と同様の方法で実験を行った。実験結果を表1に示す。
実施例3〜5
抄紙工程にてスラリー調整時にドライヤー面からの剥離性向上剤として、ポリオレフィン系ワックス(メイカテックスPEC-10、明成化学)を抄紙スラリー固形成分に対して0.5%(実施例3)、1.2%(実施例4)、2.5%(実施例5)添加し、乾燥温度を120℃とした以外、実施例1と同様の方法で実験を行った。実験結果を表2に示す。
抄紙工程にてスラリー調整時にドライヤー面からの剥離性向上剤として、ポリオレフィン系ワックス(メイカテックスPEC-10、明成化学)を抄紙スラリー固形成分に対して0.5%(実施例3)、1.2%(実施例4)、2.5%(実施例5)添加し、乾燥温度を120℃とした以外、実施例1と同様の方法で実験を行った。実験結果を表2に示す。
比較例2、3
ポリオレフィン系ワックス(メイカテックスPEC-10、明成化学)を抄紙スラリー固形成分に対して2.5%(比較例2)、5.0%(実施例5)添加し、乾燥温度を130℃とした以外、実施例1と同様の方法で実験を行った。実験結果を表2に示す。
ポリオレフィン系ワックス(メイカテックスPEC-10、明成化学)を抄紙スラリー固形成分に対して2.5%(比較例2)、5.0%(実施例5)添加し、乾燥温度を130℃とした以外、実施例1と同様の方法で実験を行った。実験結果を表2に示す。
表1および表2から明らかなように、実施例1〜5は比較例3に比して接着強度に優れている。したがって、本発明によれば、コルゲート加工が熱接着のみで行うことが可能となる。よって溶剤系接着剤が不要であるため、低アウトガスであるケミカルフィルタ用素材として好適である。
また、実施例1〜5は比較例3に比して紙厚が薄いことから、コルゲート形成時の開口度を維持しながらフィルタ内への素材充填量を増加でき、フィルタの総交換容量を増大することができる。これら2つの特性改善によりフィルタ圧力損失を低下させることなく、フィルタの寿命改善や小型化が可能となる。
Claims (5)
- カチオン交換体と熱融着性材料を含むスラリーを湿式抄紙して湿紙を形成し、該湿紙を乾燥後に熱圧縮工程を通過させることからなり、該通過後の圧縮比が45%〜80%であることを特徴としたケミカルフィルタ用カチオン交換紙の製造方法。
- カチオン交換体と熱融着性材料を含む湿紙において、乾燥温度が50℃〜125℃であることを特徴とする請求項1記載のケミカルフィルタ用カチオン交換紙の製造方法。
- 乾燥工程にてドライヤー面からの剥離性向上のために添加されるポリオレフィン系ポリマを主成分とする添加剤を原料スラリー重量に対して0.01重量%〜4.0重量%で添加することを特徴とする請求項1または2に記載のケミカルフィルタ用カチオン交換紙の製造方法。
- 目付量50〜300g/m2であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のケミカルフィルタ用カチオン交換紙の製造方法。
- カチオン交換体が繊維状であることを特徴とした請求項1から4のいずれかに記載のケミカルフィルタ用イオン交換紙の製造方法。
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