JP4539153B2 - ナノファイバーからなるケミカルフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、ケミカルフィルターに関し、詳しくは、クリーンルーム、クリーンブース、クリーンベンチなどのクリーン閉空間におけるケミカル汚染物質について、ppbオーダーの極めて低濃度のレベルまで低減・除去することを可能にし、さらにはケミカルフィルターとしての長寿命化が図れることにより、従来よりも交換時期を延長することを可能にするケミカルフィルターに関するものである。
なお、以下の説明において、ナノファイバーという語を用いて説明をするが、本発明でいうナノファイバーとは、単繊維直径が1〜250nmの範囲内にある繊維のことをいい、形態的には、単繊維がバラバラに分散したもの、単繊維が部分的に結合しているもの、複数の単繊維が凝集した集合体(例えば束状のもの)などの形態を呈するものであって、いわゆる繊維状の形態であればよく、その長短や断面形状などにはこだわらないものであって、さらに詳しくは、本発明は、そのようなナノファイバーを少なくとも一部に含むケミカルフィルターに関するものである。
近年、電気・電子工業分野、バイオケミカル分野等でクリーンルーム等、クリーン閉空間での作業の必要性が急増している。それぞれの製造技術レベルの向上が進むにつれて、そのクリーン度への要求も厳しいものとなり、また、それに付随した分析技術がここ数年で飛躍的に向上したことにより、これまでは問題として顕在化しなかった物質の除去がいかに必要かということも明らかになってきた。
具体的に述べると、超LSI等を製造する電子工業分野では、その集積度が上がるにしたがってこれらの化学物質の存在によりパターン不良や絶縁破壊などが頻発し、直接製品の歩留まりを悪化させる現象が特定されるに至り、HEPAフィルタのような微粒子を捕捉するフィルターとは異なり、化学物質をppbオーダーまでの極低濃度に吸着・除去するフィルターのニーズが生まれてきた。
ここで、このようなニーズに応えるものとして、イオン交換繊維によって化学物質を吸着・除去するケミカルフィルターについての提案がなされている(特許文献1)。
しかしながら、イオン交換繊維は、例えばポリスチレン繊維を硫酸を反応させてスルホン化して製造されるが、スルホン化に長時間を要するために高コストとなることや、原料のポリスチレンの靭性が低いために、反応時にポリスチレン繊維がダメージを受け、ケミカルフィルター加工時に繊維に対して応力がかかると、繊維表面の一部が剥離したり、反応副生成物が生成しやすいといった問題があった。特に、半導体製造工程では、ケミカルフィルターからこのような剥離物や反応生成物が発生すると、半導体製品の汚染が起こるために、重大な問題となる場合がある。
また、活性炭を担持させたタイプのケミカルフィルターについての提案がなされている(特許文献2)。
しかしながら、活性炭を担持させたものは、活性炭の量を多くすると脱落の懸念があるため、ケミカルフィルターの性能をさらに高めようとした際に活性炭の担持量を上げることができないといった問題があった。
さらに、吸着・除去効率の向上やケミカルフィルターの長寿命化のために、上記イオン交換繊維と活性炭を併用したようなケミカルフィルターも提案されている(特許文献3)。
しかしながら、このケミカルフィルターも吸着・除去性能の向上やある程度の長寿命化には寄与するものの、フィルター基材からの微粒子の剥離や脱落、反応副生成物による汚染の問題を全て解決するにはいたらなった。
特開2000−33217号公報 特開2001−317000号公報 特開2001−317243号公報
上記の問題点に鑑みて、本発明は、クリーン閉空間における化学物質の吸着・除去性能を向上させ、さらにはこれまで以上に長寿命化することのできるケミカルフィルターを提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成からなる。
すなわち、本発明のケミカルフィルターは、数平均による単繊維繊度が1×10−8〜2×10−4dtexであり、単繊維繊度1×10−8〜2×10−4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上の範囲である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に含む紙状物からなるフィルター濾材を枠材内に内蔵してなることを特徴とするものである。
なお、本発明において、前述「クリーン閉空間」とは、クリーンルーム、クリーンブース、クリーンベンチ等の内部空間をいい、主として外部から遮断された空間を意味するが、系外の外部から空気などの被処理流体を取り込む空間も含まれるものとする。
以下、さらに詳しく本発明のケミカルフィルターについて説明をする。
本発明のケミカルフィルターは、数平均による単繊維繊度が1×10−8〜2×10−4dtexであり、単繊維繊度1×10−8〜2×10−4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上の範囲である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に含む紙状物からなるフィルター濾材を枠材内に内蔵してなるものである。
そして、本発明では、このナノファイバーの単繊維繊度の平均値とばらつきの2つの要件が特に重要なものである。
なお、本発明で言うナノファイバーとは、前述したように、単繊維直径が1〜250nmの範囲内にある繊維のことをいい、形態的には、単繊維がバラバラに分散したもの、単繊維が部分的に結合しているもの、複数の単繊維が凝集した集合体(例えば束状のもの)などの形態を呈するものであってよく、すなわち、いわゆる繊維状の形態であればよく、その長短や断面形状にはこだわらないものである。
本発明において、ナノファイバーの単繊維繊度の平均値とばらつきは、ナノファイバーを少なくとも一部に含むフィルター濾材の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一横断面内で無作為抽出した50本以上のナノファイバーの単繊維直径を測定するが、これを3カ所以上で行い、少なくとも合計150本以上の単繊維直径を測定することで求めるものである。また、フィルター濾材中のナノファイバーが異形断面の場合、まず、単繊維の断面積を測定し、その面積を仮に断面が円の場合の面積とする。その面積から直径を算出することによって単繊維直径を求めることができる。ここで、単繊維繊度の平均値は、以下のようにして求める。まず、単繊維直径をnm単位で小数点の1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入する。その単繊維直径から単繊維繊度を算出し、それの単純な平均値を求める。これを「数平均による単繊維繊度」と本発明ではいうものである。
ここで、本発明のナノファイバーの構造例について説明するため、そのナノファイバーの繊維横断面の写真を図1に示した。かかる図1に示したように、本発明のナノファイバーは、ほぼ全部が100nm以下の単繊維直径であり、単繊維直径が10nm前後から100nm付近の単繊維直径を示しながら、単繊維直径10nm前後から100nm付近のレベルまで分布しているものである。
そして、本発明では、数平均による単繊維繊度が1×10-8〜2×10-4dtex(単繊維直径で1〜150nm相当)であることが重要である。これは、従来の海島複合紡糸により得られる極細繊維の単繊維直径に比べ1/10〜1/1000という細さであり、表面積も飛躍的に大きくなるため、従来ではほとんど起こり得なかった化学物質の吸着性能がナノファイバーを適用することで初めて発現し、さらにはナノファイバーの著しい吸着容量によって十分な寿命を持つ高性能なケミカルフィルターを得ることができる。数平均による単繊維繊度は好ましくは1×10-8〜1×10-4dtex(単繊維直径で1〜100nm相当)を満足すること、より好ましくは8×10-6〜6×10-5dtex(単繊維直径で30〜80nm相当)を満足することである。
また、本発明においてケミカルフィルターを構成するナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、以下のようにして評価するものである。すなわち、ケミカルフィルター中のナノファイバーそれぞれの単繊維繊度をdtiとしその総和を総繊度(dt1+dt2+…+dtn)とする。また、同じ単繊維繊度を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総繊度で割ったものをその単繊維繊度の繊度比率とする。
これはケミカルフィルターの濾材中に含まれるナノファイバー全体に対する各単繊維繊度成分の重量分率(体積分率)に相当し、この値が大きい単繊維繊度成分がケミカルフィルターの吸着性能に対する寄与が大きいことになるものである。
なお、本発明においては、かかるナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、前述の単繊維繊度の平均値を求めるのと同様に、ナノファイバーを少なくとも一部に含む紙状物からなるフィルター濾材の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、同一横断面内で無作為抽出した50本以上のナノファイバーの単繊維直径を測定するが、これを3カ所以上で行い、少なくとも合計150本以上の単繊維直径を測定することで求めるものであり、前述の単繊維繊度の平均値を求めるのと同様のN数として求めればよいものである。
本発明では、繊度比率の60%以上が1×10-8〜2×10-4dtex(単繊維直径で1〜150nm相当)の範囲に入るものであることが重要である。
すなわち、2×10-4dtexより大きいナノファイバーの存在がゼロに近いことを意味するものである。これにより、ケミカルフィルターの性能を十分発揮するとともに、吸着性能や吸着容量などのケミカルフィルターの品質安定性も良好とすることができる。好ましくは、繊度比率の60%以上が1×10-8〜1×10-4dtex(単繊維直径で1〜100nm相当)、より好ましくは1×10-8〜6×10-5dtex(単繊維直径で1〜80nm相当)の範囲である。さらに好ましくは、繊度比率の75%以上が1×10-8〜6×10-5dtex(単繊維直径で30〜80nm相当)の範囲内にあるものである。さらに好ましくは、繊度比率の75%以上が8×10-6〜6×10-5dtex(単繊維直径で30〜80nm相当)の範囲内にあるものである。
本発明でいう熱可塑性ポリマーとは、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等が挙げられるが、ポリエステルやポリアミドに代表される重縮合系ポリマーは融点が高いものが多く、より好ましい。ポリマーの融点は165℃以上であるとナノファイバーの耐熱性が良好であり好ましい。例えば、ポリ乳酸(PLA)は170℃、PETは255℃、N6は220℃である。また、ポリマーには粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有させていても良い。またポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていても良い。
本発明における繊度ばらつきを表すもう一つの指標として、フィルター濾材中のナノファイバーがどれくらいの単繊維直径差を有してナノファイバー集団を構成しているかという要素があり、特に、フィルター濾材中のナノファイバーの単繊維直径差が30nm以内の範囲に入る単繊維の繊度比率なるパラメーターに着目すると有効であり、すなわち、このパラメーターは、中心繊度付近へのばらつきの集中度を意味しており、この単繊維繊度比率が高いほどばらつきが小さいことを意味している。
本発明では、単繊維直径差が30nmの幅に入る単繊維繊度比率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。
本発明のフィルター濾材の形態は特に限定されず、形態としては、特に紙状物であることが重要である。フィルター濾材が紙状物であると、他の形態に比べて厚みを薄くできるとともに、コシがあるために種々の形状に加工することが容易となる。紙状物の抄紙方法については、特に限定はされないが、例えば、ナノファイバーとその他の必要材料を水中で混合してスラリー状に分散させ、金網や濾布等の上に均一に乗せる形で漉き、その後、水分を一気に抜き取り、乾燥工程を経て紙状にする方法が挙げられる。紙状物の目付は30〜1000g/mの範囲が好ましく、特に50〜500g/mが好ましい。特に、この紙状物を折ったり曲げたりする後工程を考慮すると100〜300g/mがもっとも好ましい。
また、紙状物とする形態はナノファイバー以外の材料を均一に工業化レベルで簡単に混合して抄紙することが可能であり、抄紙性を向上させるためにセルロース、パルプ、無機繊維等の骨材としての繊維を混合することもできるし、熱融着性材料を混合することもできる。 もちろん、これらの混合比率については特に限定はないが、ケミカルフィルターの性能を低下させないために、ナノファイバーの比率が50%以上となるように上記繊維や材料等を混合することが好ましい。
本発明では、紙状物中に熱融着材料が混合されていることが好ましい。熱融着材料が混合されていると、熱と圧着圧力のみで非常に容易に構造体を形作ることができる。この熱融着材料はナノファイバーの融点よりも低い融点を持つポリマーであれば良く、特に限定されるものではない。ポリエステル系、ポリオレフィン系、ビニル系等の低融点ポリマーから必要に応じて適宜選択すればよく、その形態も特に限定されるものではない。なお、ナノファイバーとの混合性や抄紙性を考慮すると、熱融着繊維であることがより好ましい。
さらに、本発明ではフィルター濾材が三次元濾過構造体であることが好ましい。本発明における三次元濾過構造体とは、後に図面を参照しながら具体例を詳述するが、立体的な構造を持つもののことを差し、例えば格子型、波型、ハニカム型、円筒型、コルゲート型などが挙げられる。
上記構造体にすることで、非常に低圧損のケミカルフィルターにすることができる。
また、本発明では紙状物からなるフィルター濾材が熱圧着のみで三次元濾過構造体を形成していることが好ましい。骨材や形態保持材ならび接着剤等を用いずに熱圧着のみで三次元濾過構造体を作製して枠材内に内蔵すると、ケミカルフィルターのトータル性能にとって非常に有用である。例えば形態保持材を用いて紙状物からなるシート状の濾材を枠材内に内蔵するのに対して、濾材のみで構造体を作製して内蔵する方法のほうが単位体積あたりの濾材比率が大きくなるのは自明である。また、接着剤や骨材・形態保持材から放出される微量のガス(アウトガス)の発生の懸念が無いということである。本発明のケミカルフィルターを必要とするようなクリーン閉空間においては、存在するガス濃度レベルが通常空間とは異なり低濃度でなければならず、内部に存在する材料からどれだけアウトガスが放出されているかということが極めて大きな問題となる。
例えば、接着剤を使用して、濾材を加工したり、枠材に装着したりすることは半導体の基板を汚染して歩留まりが悪くなる等、ケミカルフィルターとしては致命的な欠点となる可能性が高い。また、骨材や形態保持材といった他材料からのアウトガスの発生がないことも非常に有効な利点である。
本発明のケミカルフィルターは、紙状物からなるフィルター濾材中に酸性物質あるいは塩基性物質が含まれていることが好ましい。ナノファイバーだけでもアンモニアやアミン類などの塩基性ガス、あるいはフッ化水素酸などの酸性ガスを吸着・除去することが可能であるが、酸性物質あるいは塩基性物質があらかじめフィルター濾材中に含まれていると、さらに化学物質の吸着・除去性能を高めることができる。特に、上記の酸性物質あるいは塩基性物質がフィルター濾材中のナノファイバー部分に多量に存在した場合、ナノファイバーの高表面積の効果によって酸性ガスあるいは塩基性ガスの吸着・除去性能が飛躍的に向上する。ここで、酸性物質とは特に限定されるものではないが、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸およびそれらの金属塩などが挙げられ、コストや取り扱い性の観点から、リン酸が好ましく用いられる。また、塩基性物質とは特に限定されるものではないが、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、シュウ酸塩などが挙げられ、コストや取り扱い性の観点から、炭酸カリウムが好ましく用いられる。
以下、本発明の好ましい実施の形態の一例を図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は、三次元濾過構造体としての濾材1aが格子型に形成された本発明のケミカルフィルターの斜視図であり、紙状物からなるフィルター濾材が、例えばアルミニウム等の適当な材質からなる矩形状の枠材1b中に充填されており、被処理流体が矢印方向に通気することにより高精度の濾過がされるようになっている。濾材1aは、被処理流体となるべく多く接触させる機会を持たせるため三次元方向に形成されて、いわゆる三次元濾過構造体を形成し、所定体積の枠材1b内に高密度に充填されている。この三次元濾過構造体の態様としては、特に限定されないが、例えば、図4に示す波形2、図5に示すハニカム型3、図6に示す円筒型4、図7に示すコルゲート型5などの態様にすることができる。
上述したように、本発明における三次元濾過構造体の形状的特徴についての限定は特にない。最終的にフィルターとなった際に、吸着すべきガスの吸着効率とその際の圧力損失が実用レベルで達成できているものであればどんな形でも基本的にはかまわない。三次元濾過構造体の空隙率についても特に限定はされない。しかし、紙状物からなるフィルター濾材にそのまま通気する直交流7ではなく、矢印8で示す被処理流体の通気方向とが平行流となっていることが好ましい。
三次元濾過構造体の空隙部分を利用して材料の内壁に平行に通気する平行流8を作るためには、一定の流路をもつような三次元濾過構造体の空隙率を保持することが好ましい。三次元濾過構造体の具体例としては、例えば、図3〜図6の濾材1aに示すように、格子型、波型、ハニカム型、円筒型等が挙げられるが、もちろん、これに限ったものではない。
また、これら三次元濾過構造体の濾材1aは、図5の符号1cで示すように、被処理流路の流路内壁面に同一材質の繊維を電植するなどして被処理流体との接触面積を増やすこともできる。しかし、本発明の目的にはそのうちでも図7で示したコルゲート形状を有するものが、単位体積あたりの充填量を大きくでき、かつ平行流8で通気できるため圧力損失が抑えられること、熱圧着のみの工程で容易に加工できること、枠材に充填する際に圧縮充填圧をかけることによって隙間のないしっかりとしたものを接着剤なしで作成可能である、というような理由から好ましい。コルゲート形状とは図7に示すように、波形シート(中芯材)5aと平面状シート(ライナ材)6とを、熱接着し、交互に積層された多数の小透孔6aを持つように形成されたもので、この小透孔6a内を被処理流体が通過するものをいう。なお、本発明において、「平行流」とは、三次元濾過構造体中の流路内壁面が上記小透孔のように、被処理流体の通気方向とほぼ平行であって、かつ、流路の入口から出口までが連通した流路内を被処理流体が流れる状態をいうものとする。上記「ほぼ平行」とは、流路の入口と出口とが連通した状態でありさえすればよいのであって、流路が図中の直交流タイプ7のようなものでなく、平行流タイプ8のような流路であれば、流路内部に多少の凹凸した状態が含まれていてもよい。
また、コルゲート形状を有する濾材の構成は任意であり、中芯の枚数を複数にしたり、その山高さを変えるなどの工夫を加えることはなんら問題ない。基本的にはライナ及び少なくとも一つの中芯からなるコルゲート形状を有するものであれば良い。熱融着コルゲート加工品の製法としては、中芯用基材となる紙状物を表面に凸凹を有するロールに接触させながら通過させて波状加工した後、中芯側に波状の形状を持つロール、ライナ側にフラットな形状を持ったロールとしたロールにそれぞれの紙状物を挟む形で中芯用基材の波形の山の部分をライナ用基材に圧着・加熱することにより、中芯の一部のみが溶融接着した形にする方法が用いられることが多いが、最終的に同様の形態を作ることができるものであるならば特にこれに限られるものではない。
最後に、この三次元濾過構造体1aを枠材1bにどんな方向で充填するかは、特に限定はされないが、最終的にフィルターとなった際に、吸着すべきガスの吸着効率とその際の圧力損失が実用レベルで達成できているものであれば基本的にはかまわない。しかし、濾材面に直交流で被処理空気を通気する方法はそれだけで圧力損失が高くなることが容易に推定されるため、適度な吸着効率を保持できる限りの面風速であれば複数枚積層して、被処理空気の通気方向に対して平行流になるように、枠材に充填することが好ましい。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
B.融点
Perkin Elmaer DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
C.ポリマーアロイ繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
D.TEMによる紙状物横断面観察
紙状物をエポキシ樹脂で包埋し、横断面方向に超薄切片を切り出して透過型電子顕微鏡(TEM)で紙状物横断面を観察した。また、必要に応じ金属染色を施した。
TEM装置 : 日立社製H−7100FA型
E.ナノファイバーの数平均による単繊維繊度、直径
単繊維繊度の平均値は以下のようにして求めた。すなわち、TEMによる紙状物横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて単繊維直径および繊度を計算し、それの単純な平均値を求める。これを「数平均による単繊維繊度」とした。また、平均に用いるナノファイバー数は同一横断面内で無作為抽出した50本以上の単繊維直径を測定し、これを3カ所以上で行い、合計150本以上の単繊維直径を用いて計算した。
F.ナノファイバーの単繊維繊度ばらつき
ナノファイバーの単繊維繊度ばらつきは、以下のようにして評価する。すなわち、上記数平均による単繊維繊度を求める際に使用したデータを用い、ナノファイバーそれぞれの単繊維繊度をdtiとしその総和を総繊度(dt1+dt2+…+dtn)とする。また、同じ単繊維繊度を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総繊度で割ったものをその単繊維繊度の繊度比率とする。
G.ナノファイバーの直径ばらつき幅
ナノファイバーの直径ばらつき幅は、以下のようにして評価した。すなわち、ナノファイバーの単繊維直径の中心値付近で単繊維直径差が30nmの幅に入る単繊維の繊度比率で評価する。これは、中心繊度付近へのばらつきの集中度を意味しており、この繊度比率が高いほどばらつきが小さいことを意味している。これも上記数平均による単繊維繊度を求める際に使用したデータを用いた。
H.力学特性
繊維10mの重量をn=5回測定し、これの平均値から繊度(dtex)を求めた。そして、室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割ったものを伸度として強伸度曲線を求めた。
I.アンモニア吸着寿命試験
実施例あるいは比較例のケミカルフィルターユニットを用い、アンモニア濃度100μg/m3 に調整したエアを面風速0.5m/sになるように試験用フィルタに流し、一定時間ごとにケミカルフィルタユニットの前後のガスをサンプリング・分析し、除去効率が90%を下回るまで測定を続けた。ここで除去効率が90%を下回るまでの日数を寿命とした。なお、サンプリングはインピンジャーと呼ばれる補集器具に超純水を充填し、そこに対象エアを通気させることによりアンモニアを溶解させて捕集した。なお、アンモニアの除去効率はイオンクロマトグラフィーを用いた微量分析のデータから求めた。
J.トルエン吸着寿命試験
実施例あるいは比較例のケミカルフィルターユニットを用い、トルエン濃度30μg/m3 に調整したエアを面風速0.5m/sになるように試験用フィルタに流し、一定時間ごとにケミカルフィルタユニットの前後のガスをサンプリング・分析し、除去効率が90%を下回るまで測定を続けた。ここで、除去効率が90%を下回るまでの日数を寿命とした。なお、サンプリングは吸着剤(TENAX−GR)を充填した捕集管に通気させ濃縮することによって行った。なお、トルエンの除去効率は前述の吸着剤をヘッドスペースサンプラー(日本分析工業社製)で熱脱着させて、GC/MSおよびガスクロマトグラフィーを用いた微量分析のデータから求めた。
K.圧力損失の測定
実施例および比較例のケミカルフィルターユニットを用い、エアーを面風速0.5m/sになるように試験用フィルターに流し、フィルター前後の圧力差を微差圧計にて測定した。
実施例1
溶融粘度53Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(20重量%)と溶融粘度310Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点225℃のイソフタル酸を8mol%、ビスフェノールAを4mol%共重合した融点225℃の共重合PET(80重量%)を2軸押し出し混練機で260℃で混練してポリマーアロイチップを得た。なお、この共重合PETの262℃、1216sec-1での溶融粘度は180Pa・sであった。このときの混練条件は、以下のとおりであった。
ポリマー供給は、N6と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。スクリューは、直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1のものを用い、温度は260℃とした。
このポリマーアロイを、図14に装置概略を示したプロセスで、まず275℃の溶融部10で溶融し、紡糸温度280℃のスピンブロック11に導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度262℃とした口金13から溶融紡糸した。図14において、9はホッパー、11はスピンブロック、12は紡糸パック、14はチムニー、15は糸条、16は集束給油ガイド、17は第1引き取りローラー、18は第2引き取りローラー、19は巻き取り糸である。口金としては、図15に示すように吐出孔上部に直径0.3mmの計量部20を備えた、吐出孔径22が0.7mm、吐出孔長21が1.75mmのものを用いた。そして、このときの単孔あたりの吐出量は2.9g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点(チムニー14の上端部)までの距離は9cmであった。
吐出された糸条は、20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金13から1.8m下方に設置した給油ガイド16で給油された後、非加熱の第1引き取りローラー17および第2引き取りローラー18を介して900m/分で巻き取った。そして、図16に示したように、これを第1ホットローラー25の温度を90℃、第2ホットローラー26の温度を130℃として延伸熱処理した。図16において、23は未延伸糸、24はフィードローラー、25は第1ホットローラー、26は第2ホットローラー、27は第3ローラー(室温)、28は延伸糸である。このとき、第1ホットローラー25と第2ホットローラー26間の延伸倍率を3.2倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は120dtex、12フィラメント、強度4.0cN/dtex、伸度35%、U%=1.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、図2に示したように、共重合PETが海(薄い部分)、N6(濃い部分)が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は53nmであり、N6が超微分散化したナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維が得られた。
このポリマーアロイ繊維を98℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することにより、ポリマーアロイ繊維中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、ギロチンカッターで2mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。タッピースタンダードナイヤガラ試験ビータ(東洋精機製)に水20Lと先ほど得られたカット繊維30gを仕込み、5分間1次叩解し、その後、余分な水を切って繊維を回収した。この1次叩解後の繊維濃度は10重量%であった。この1次叩解繊維を自動式PFIミル(熊谷理機製)に仕込み、回転数1500回転、クリアランス0.2mmで6分間2次叩解した。2次叩解後の繊維濃度は10重量%であった。2次叩解後の繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を60:20:20の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙マシンで抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取ってN6ナノファイバーを含有する紙状物を得た。この紙状物の坪量は200g/m2 、紙厚0.5mm、密度0.40g/m3 であった。
この紙状物中のナノファイバーのみをTEM写真から解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は56nm(3×10-5dtex)と従来にない細さであり、また単繊維繊度が1×10-8〜1×10-4dtexの繊度比率は99%であり、特に単繊維直径で55〜84nmの間の単繊維繊度比率は70%であり、単繊維繊度のばらつきはごく小さいものであった。この結果を表1に示した。
Figure 0004539153
また、ナノファイバーの単繊維直径および単繊維繊度のヒストグラムを図8、9に示すが、このとき、単繊維直径で10nm刻みで本数(頻度)および繊度比率を数えた。単繊維直径で10nm刻みとは、例えば単繊維直径55〜64nmのものは単繊維直径60nm、また糸直径75〜84nmのものは単繊維直径80nmとして数えたことを意味している。
上記ナノファイバーを含有する紙状物をコルゲート加工マシンにおいて波形の表面形状を有するロール(120〜130℃)、中芯用紙状物、ライナ用紙状物、及びフラットな表面形状を持つプレッシャーロールの順になるようにして、ロール間に圧力を与えながらそれぞれのロールを回転し、中芯用紙状物とライナ用紙状物とを加熱・加圧圧着し、コルゲート構造体5を製造した。
上記コルゲート構造体5を590×70mmの長方形にカットしてシート状にした。このシートを積み重ねて、横590×縦590×奥行き70mmの三次元濾過構造体になるようにアルミ製枠材1bにはめ込み、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルター5を用いて、アンモニアの吸着性能実験を行ったところ、本ケミカルフィルターの寿命は40日となった。また、圧力損失は1.6mmAqと非常に低いものであった。この結果を表2に示した。
Figure 0004539153
実施例2
溶融粘度500Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(40重量%)として実施例1と同様に溶融紡糸を行い、ポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維は126dtex、36フィラメント、強度4.2cN/dtex、伸度38%、U%=1.8%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、実施例1と同様に共重合PETが海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は80nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
このポリマーアロイ繊維から実施例1と同様にして2次叩解繊維を得た。2次叩解後の繊維濃度は12重量%であった。2次叩解後の繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を70:15:15の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙マシンで抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取ってN6ナノファイバーを含有する紙状物を得た。この紙状物の坪量は180g/m2 、紙厚0.4mm、密度0.45g/m3 であった。
この紙状物中のナノファイバーのみをTEM写真から解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は84nm(6×10-5dtex)と従来にない細さであり、単繊維繊度のばらつきはごく小さいものであった。この結果を表1に示した。
上記ナノファイバーを含有する紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工し、アルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルターを用いて、アンモニアの吸着性能実験を行ったところ、本ケミカルフィルターの寿命は30日となった。また、圧力損失は1.4mmAqと非常に低いものであった。この結果を表2に示した。
実施例3
溶融粘度120Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点225℃のPBTと2エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリエスチレン(co−PS)PBTの含有率を20重量%とし、混練温度を240℃として実施例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、単孔吐出量1.0g/分、紡糸速度1200m/分で実施例1と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度100℃、延伸倍率を2.49倍とし、熱セット温度115℃として実施例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は161dtex、36フィラメントであり、強度1.4cN/dtex、伸度33%、U%=2.0%であった。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、co−PSが海、共重合PETが島の海島構造を示し、共重合PETの数平均による直径は45nmであり、共重合PETがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
このポリマーアロイ繊維をトリクレンに浸漬することにより、海成分であるco−PSの99%以上を溶出した後に乾燥し、ギロチンカッターで2mm長に切断して、PBTナノファイバーのカット繊維を得た。
このカット繊維から実施例1と同様に2次叩解繊維を得た。2次叩解後の繊維濃度は8重量%であった。2次叩解後の繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を50:20:30の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙マシンで抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取ってPBTナノファイバーを含有する紙状物を得た。この紙状物の坪量は120g/m2、紙厚0.3mm、密度0.40g/m3であった。
この紙状物からナノファイバーのみを抜き取り、実施例1と同様にして解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は50nm(2×10-5dtex)と従来にない細さであり、また単繊維繊度のばらつきもごく小さいものであった。この結果を表1に示した。
上記ナノファイバーを含有する紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工し、アルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルターを用いて、トルエンの吸着性能実験を行ったところ、本ケミカルフィルターの寿命は26日となった。また、圧力損失は1.5mmAqと非常に低いものであった。この結果を表2に示した。
実施例4
実施例1で用いたN6と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)を用い、N6の含有率を20重量%とし、混練温度を220℃として実施例1と同様に溶融混連し、ポリマーアロイチップを得た。ここで、ポリL乳酸の重量平均分子量は以下のようにして求めた。すなわち、試料のクロロホルム溶液にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し、測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。なお、実施例1で用いたN6の剪断速度2432sec-1での溶融粘度は57Pa・sであった。また、このポリL乳酸の215℃、剪断速度1216sec-1での溶融粘度は86Pa・sであった。得られたポリマーアロイチップを用いて、溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、紡糸速度3200m/分として実施例1と同様に溶融紡糸して未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率を1.5倍、熱セット温度130℃として実施例1と同様に延伸熱処理し、ポリマーアロイ繊維を得た。このポリマーアロイ繊維は70dtex、36フィラメントであり、強度3.4cN/dtex、伸度38%、U%=0.7%であった。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、ポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島成分であるN6の数平均による直径は55nmであり、N6がナのサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維であった。
得られたポリマーアロイ繊維を98℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、2mm長に切断して、N6ナノファイバーのカット繊維を得た。
さらに、このカット繊維から実施例1と同様にして2次叩解繊維を得た。2次叩解後の繊維濃度は10重量%であった。2次叩解後の繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を80:10:10の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙マシンで抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取ってN6ナノファイバーを含有する紙状物を得た。この紙状物の坪量は150g/m2 、紙厚0.4mm、密度0.38g/m3 であった。
この紙状物中のナノファイバーのみをTEM写真から解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は56nm(3×10-5dtex)と従来にない細さであり、また単繊維繊度が1×10-8〜1×10-4dtexの繊度比率は99%であり、特に単繊維直径で55〜84nmの間の単繊維繊度比率は70%であり、単繊維繊度のばらつきはごく小さいものであった。この結果を表1に示した。
上記ナノファイバーを含有する紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工し、アルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルターを用いて、アンモニアの吸着性能実験を行ったところ、本ケミカルフィルターの寿命は39日となった。また、圧力損失は1.4mmAqと非常に低いものであった。この結果を表2に示した。
実施例5〜8
実施例5では実施例1の紙状物を、実施例6では実施例2の紙状物を、実施例7では実施例3の紙状物を、実施例8では実施例4の紙状物を用いた。それぞれの紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工した後、リン酸の10%水溶液に30分間浸漬して十分リン酸水溶液をコルゲートに染み込ませた。このコルゲートを80℃で乾燥したところ、実施例5、実施例6、実施例8ではナノファイバーのポリマー基質がN6であるため、ナノファイバーが溶解して、コルゲートがぼろぼろになってしまった。リン酸などの酸の添着には、実施例7のようにポリエステル系などの耐酸性のナノファイバーが好ましいことがわかった。実施例7のコルゲートを実施例1と同様にアルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした後、実施例1と同様にアンモニアの吸着性能実験を行ったところ、本ケミカルフィルターの寿命は32日で、圧力損失は1.5mmAqと非常に低いものであり、長寿命かつ低圧損のケミカルフィルターであることがわかった。この結果を表2に示した。
実施例9
溶融粘度300Pa・s(220℃、121.6sec-1)、融点162℃のPP(20重量%)と実施例4のポリL乳酸(80重量%)とし、混練温度を220℃として実施例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。
これを溶融温度220℃、紡糸温度220℃(口金面温度205℃)、単孔吐出量2.0g/分、紡糸速度1200m/分で実施例1と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率を2.0倍とし、熱セット温度130℃として実施例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は101dtex、12フィラメントであり、強度2.0cN/dtex、伸度47%であった。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、ポリL乳酸が海、PPが島の海島構造を示し、PPの数平均による直径は150nmであり、PPがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
得られたポリマーアロイ繊維を98℃の5%水酸化ナトリウム水溶液にて1時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のポリL乳酸成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥し、2mm長に切断して、PPナノファイバーのカット繊維を得た。
このカット繊維から実施例1と同様に2次叩解繊維を得た。2次叩解後の繊維濃度は6重量%であった。2次叩解後の繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を実施例1と同様の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙マシンで抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取ってPPナノファイバーを含有する紙状物を得た。この紙状物の坪量は115g/m2 、紙厚0.3mm、密度0.38g/m3 であった。
この紙状物からナノファイバーのみを抜き取り、実施例1と同様にして解析した結果、ナノファイバーの数平均による単繊維直径は150nm(2×10-4dtex)と従来にない細さであり、また単繊維繊度のばらつきもごく小さいものであった。この結果を表1に示した。
上記ナノファイバーを含有する紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工した後、実施例7と同様にリン酸を添着したところ、リン酸に溶解することはなく、耐酸性に優れるものであった。このコルゲートをアルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルターを用いて、アンモニアの吸着性能実験を行ったところ、本ケミカルフィルターの寿命は30日となった。また、圧力損失は1.5mmAqと非常に低いものであった。この結果を表2に示した。
比較例1
溶融粘度150Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点220℃のN6と溶融粘度145Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点105℃のPEとをN6のブレンド比率を20重量%となるようにそれぞれのポリマーを計量しながら2軸押し出し機に導く図17の装置を用い、2軸押し出し機29の温度を260℃として溶融した後、口金孔数12、吐出孔径0.30mm、吐出孔長0.50mmのずん胴口金として実施例1と同様に溶融紡糸を行った。図17において、30はチップ計量装置である。
ただし、N6とPEのブレンド斑が大きく、口金下で大きなバラスが発生しただけでなく、曳糸性にも乏しく、安定して糸を巻き取ることはできなかったが、少量の未延伸糸を得て、実施例1と同様に延伸・熱処理を行い、82dtex、12フィラメントの延伸糸を得た。このときの延伸倍率は2.0倍とした。この繊維を85℃のトルエンにより1時間以上浸漬することで不織布中のPEの99%以上を溶出除去し、乾燥した後、実施例1と同様に2mm長にカットして極細N6糸からなるカット繊維を得た。
このカット繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を60:20:20の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙マシンで抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取って極細N6糸を含有する紙状物を得た。
得られた紙状物から極細N6糸のみを実施例1と同様に解析した結果、図10および図11に示したように、単繊維直径が100nm〜1μm(単繊維繊度9×10-5〜9×10-3dtex)の超極細糸が生成していることを確認した。このN6極細糸の数平均による単繊維繊度は1×10-3dtex(単繊維直径384μm)と大きいものであり、単繊維繊度ばらつきも大きいものであった。
上記紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工し、アルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルターを用いて、アンモニアの吸着性能実験を行ったが、アンモニアの吸着性能が低く、本ケミカルフィルターの寿命は0.5日であった。この結果を表3と表4に示した。
比較例2
特公昭60−28922号公報の第11図記載の紡糸パックおよび口金を用いて、比較例1記載のPSおよびPETを用い、比較例1と同様に海島複合糸を得た。このとき、海島複合糸の島成分はPSとPETの2:1(重量比)のブレンドポリマー、海成分としてPSを用いた(海島複合比は重量比で1:1)。具体的には該公報第11図においてA成分をPET、BおよびC成分をPSとした。そして、この繊維をトリクレンに浸浸して、PSの99%以上を除去し、乾燥した後、実施例1と同様に2mm長のカット繊維とした。
このカット繊維と熱融着繊維(商品名“ソフィットN720”:クラレ社製低融点PET)および抄紙副材料のマニラ麻を60:20:20の重量比率で混合して回転濾布型の大型抄紙機で抄紙し、連続して120℃のドラム回転式乾燥機で乾燥してから巻き取って極細PET糸を含有する紙状物を得た。
得られた紙状物から極細PET糸のみを実施例1と同様に解析した結果、図12および図13に示したように、最小で単繊維直径100nm程度の単繊維もごく微量存在したが、PS中へのPETの分散が悪いため、これの数平均による単繊維繊度は9×10-4dtex(単繊維直径326nm)と大きいものであり、極細PET糸の単繊維繊度ばらつきも大きなものであった。
上記紙状物を実施例1と同様にコルゲート加工し、さらに実施例7と同様にリン酸を添着させた後にアルミ製枠材にはめ込んで、ケミカルフィルターとした。このケミカルフィルターを用いて、アンモニアの吸着性能実験を行ったが、アンモニアの吸着性能が低く、本ケミカルフィルターの寿命は0.3日であった。この結果を表3と表4に示した。
Figure 0004539153
Figure 0004539153
本発明のN6ナノファイバーの繊維横断面を示すTEM写真である。 実施例1に用いたポリマーアロイ繊維の横断面を示すTEM写真である。 本発明に係る格子型のケミカルフィルターの一実施例を示した斜視図である。 本発明に係る波型の三次元濾過構造体の斜視図である。 本発明に係るハニカム型の三次元濾過構造体の斜視図である。 本発明に係る円筒型の三次元濾過構造体の斜視図である。 本発明に係るコルゲート型の三次元濾過構造体の斜視図である。 本発明の実施例1のナノファイバーの単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 本発明の実施例1のナノファイバーの単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 比較例1の超極細糸の単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 比較例1の超極細糸の単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 比較例2の超極細糸の単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 比較例2の超極細糸の単繊維繊度ばらつきをあらわす図である。 本発明の実施例で用いた紡糸機を示す図である。 本発明の実施例で用いた口金を示す図である。 本発明の実施例で用いた延伸機を示す図である。 比較例で用いた紡糸機を示す図である。
符号の説明
1:格子型
1a:濾材
1b:枠材
2:波型
3:ハニカム型
4:円筒型
5:コルゲート型
5a:波形シート(中芯)
6:平面状シート(ライナ)
7:直交流タイプ
8:平行流タイプ
9:ホッパー
10:溶融部
11:スピンブロック
12:紡糸パック
13:口金
14:チムニー
15:糸条
16:集束給油ガイド
17:第1引き取りローラー
18:第2引き取りローラー
19:巻き取り糸
20:計量部
21:吐出孔長
22:吐出孔径
23:未延伸糸
24:フィードローラー
25:第1ホットローラー
26:第2ホットローラー
27:第3ローラー(室温)
28:延伸糸
29:2軸押出混練機
30:チップ計量装置

Claims (8)

  1. 数平均による単繊維繊度が1×10−8〜2×10−4dtexであり、単繊維繊度1×10−8〜2×10−4dtexの単繊維繊度比率の和が60%以上の範囲である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーを少なくとも一部に含む紙状物からなるフィルター濾材を枠材内に内蔵してなることを特徴とするケミカルフィルター。
  2. 前記ナノファイバーが、単繊維繊度比率で50%以上が単繊維直径差で30nm以内の範囲に入るものであることを特徴とする請求項1に記載のケミカルフィルター。
  3. 前記紙状物中に熱融着性材料が混合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のケミカルフィルター。
  4. 熱融着性材料が、繊維形態のものであることを特徴とする請求項に記載のケミカルフィルター。
  5. フィルター濾材が、三次元濾過構造体を呈して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のケミカルフィルター。
  6. フィルター濾材が、自己接合によって三次元濾過構造体を呈して形成されていることを特徴とする請求項に記載のケミカルフィルター。
  7. フィルター濾材が、ライナ材と、少なくとも一つの中芯材とからなるコルゲート形状を有するものであることを特徴とする請求項に記載のケミカルフィルター。
  8. 三次元濾過構造体を形成するフィルター濾材が複数枚積層され、かつ、該三次元濾過構造体内を通過する被処理空気の流路がフィルター濾材に対して平行流となるように、前記複数枚積層されたフィルター濾材が枠材内に充填されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のケミカルフィルター。
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