JP4305085B2 - 電流生成供給回路及び電流生成供給回路を備えた表示装置 - Google Patents

電流生成供給回路及び電流生成供給回路を備えた表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、電流生成供給回路及び該電流生成供給回路を備えた表示装置に関し、特に、表示データに応じた階調電流に基づいて所定の輝度階調で発光動作する電流駆動型( 又は、電流指定型) の発光素子のように、供給する電流に応じて駆動状態が制御される負荷に対して、所望の電流値を有する駆動電流を生成して供給する電流生成供給回路及び該電流生成供給回路を備えた表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータや映像機器のモニタやディスプレイとして多用されている液晶表示装置(LCD)に続く次世代の表示デバイス(ディスプレイ)として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)や無機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「無機EL素子」と略記する)、あるいは、発光ダイオード(LED)等のような自己発光型の光学要素(発光素子)を、マトリクス状に配列した表示パネルを備えた発光素子型のディスプレイ(表示装置)の、実用化に向けた研究開発が盛んに行われている。
このような発光素子型ディスプレイ(特に、アクティブマトリックス駆動方式を適用した発光素子型ディスプレイ)においては、液晶表示装置に比較して、表示応答速度が速く、視野角依存性もなく、また、高輝度・高コントラスト化、表示画質の高精細化、低消費電力化等が可能であるとともに、液晶表示装置のようにバックライトを必要としないので、一層の薄型軽量化が可能であるという極めて優位な特徴を有している。
このようなディスプレイの一例は、概略、行方向に配設された走査ラインと列方向に配設されたデータラインの各交点近傍に発光素子を含む表示画素が配列された表示パネルと、画像表示信号(表示データ)に応じた階調信号を生成して、データラインを介して各表示画素に供給するデータドライバと、所定のタイミングで走査信号を順次印加して特定の行の表示画素を選択状態にする走査ドライバと、を備え、走査ドライバにより選択状態に設定された各表示画素に、データドライバから階調信号を供給することにより、各表示画素(発光素子)が表示データに応じた所定の輝度階調で発光動作して、所望の画像情報が表示パネルに表示される。なお、発光素子型のディスプレイの具体例については、後述する発明の実施の形態において、詳しく説明する。
ここで、上記ディスプレイにおける表示駆動動作としては、走査ドライバにより選択された特定の行の表示画素(発光素子)に対して、データドライバにより印加する階調信号の電圧値(階調信号電圧)を、表示データに応じて調整することにより、各発光素子に流す発光駆動電流の電流値を制御して、所定の輝度階調で発光動作させる電圧指定型の駆動方式や、データドライバにより供給する階調信号の電流値(階調電流)を調整することにより、各発光素子に流す発光駆動電流の電流値を制御する電流指定型の駆動方式等が知られている。
このような表示駆動方式のうち、電圧指定型の駆動方式においては、各表示画素において階調信号電圧の電圧成分を電流成分に変換する画素駆動回路を備える必要があるが、この画素駆動回路を構成する能動素子(薄膜トランジスタ等)の特性は外的環境や経時変化による影響を受けやすく、そのため、発光駆動電流の電流値の変動が大きくなり、長期間にわたり安定的に所望の発光特性を得ることが困難であるという問題があるのに対して、表示画素に供給する階調電流の電流値を調整する電流指定型の駆動方式においては、このような素子特性の変動の影響を抑制することができるという優位性を有している。なお、電流指定型の駆動方式に適用される画素駆動回路の構成例については、詳しく後述する。
そして、このような電流指定型の駆動方式を採用したディスプレイに適用されるデータドライバの具体的な構成としては、例えば、図21に示すように、電流路の一端側(エミッタ)が電源端子TMpに接続されるとともに、電流路の他端側(コレクタ)が基準電流入力端子TMrに接続されたトランジスタTPrと、電流路の一端側(エミッタ)が共通電源ラインLpを介して上記電源端子TMpに共通に接続されるとともに、電流路の他端側(コレクタ)が個別の出力端子OUT1、OUT2、・・・OUTmに接続され、かつ、各制御端子(ベース)が上記トランジスタTPrの制御端子(ベース)に並列的に接続された複数のトランジスタTP1、TP2、・・・TPmからなるカレントミラー回路を基本構成として備えた定電流生成供給回路を良好に適用することができる。
このようなデータドライバにおいては、トランジスタTPrに流れる入力電流(基準電流)Irに応じて、複数のトランジスタTP1、TP2、・・・TPmに流れる階調電流(駆動電流)IP1、IP2、・・・IPmを個別の出力端子OUT1、OUT2、・・・OUTmを介して(もしくは、図示を省略した出力回路をさらに介して)、図示を省略した表示パネルを構成する複数の表示画素に一括して供給することにより、表示画素(発光素子)を発光動作させることができる。ここで、図21に示したようなデータドライバ(定電流生成供給回路)については、例えば、特許文献1等に、その基本構成や、出力電流間のバラツキを改善した構成が記載されている。この場合、画像表示信号に応じて各表示画素に供給される駆動電流の電流値を変化させるためには、入力電流Irを画像表示信号に応じて変化させることが必要となる。
また、入力信号がデジタル信号で供給される場合において、一定の基準電流に基づいて入力信号に応じた電流値を有するアナログ電流を生成する構成として、電流セル型のデジタルアナログ変換器に用いられる、重み付けされた定電流が流れる複数の定電流トランジスタと、入力デジタル信号に応じて動作される複数の電流スイッチを備えるデジタルアナログ変換回路が知られており、例えば、特許文献2等に記載されている。
特開2002−202823号公報 (第3頁、図2、図15) 特開2002−009623号公報 (第5〜6頁、図1、図2)
ところで、一般に、画像を表示するディスプレイにおいて、良好な色再現性を有する表示を得るために、人の目の視覚特性に起因して、ディスプレイの発光輝度と階調レベルとの関係が線形ではなく、図22に示すような非線形な特性(ガンマ特性)を持たせるように設定されている。
しかしながら、表示データがデジタル信号で供給され、電流指定型の駆動方式を用いる発光素子型ディスプレイ場合において、上記のような、複数の定電流トランジスタと複数の電流スイッチを備えたデジタルアナログ変換回路をデータドライバに適用した場合、デジタルアナログ変換回路によって生成される出力電流の電流値は、例えば、特許文献2の図2に記載されているように、入力デジタル信号(表示データ)のデータ値(階調値)に比例した、線形特性を有しており、発光素子型ディスプレイの発光輝度も表示データの階調値に比例した線形特性を有するようになり、ディスプレイの発光輝度特性を非線形な特性(ガンマ特性)に設定することは困難であった。
すなわち、従来においては、表示データがデジタル信号で供給される場合において、発光素子型ディスプレイの発光輝度特性は、表示データの階調値に比例した線形特性を有することとなり、良好な色再現性を有する表示品位を得ることができないという問題があった。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、デジタル信号の表示データの階調値に対し、電流値が所望のガンマ特性を有する負荷駆動電流を供給する電流生成供給回路、及びその制御方法を提供し、表示品位を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、負荷に所定の電流値を有する駆動電流を供給して、該負荷を所望の駆動状態で動作させる電流生成供給回路において、少なくとも、定電流源から供給される単一の基準電流が電流路に流れる単一の基準電流トランジスタと、前記基準電流トランジスタの制御端子に接続され、該基準電流トランジスタの前記電流路に前記基準電流を流したとき該基準電流の電流成分に応じた電荷を蓄積する一つの電荷蓄積手段と、制御端子が前記基準電流トランジスタの制御端子に共通に接続されて前記基準電流トランジスタとカレントミラー回路をなし、前記電荷蓄積手段に保持された電荷量に応じた単一の電圧成分に基づいて、前記基準電流に対して異なる電流比率を有する複数の単位電流を個別に生成する複数の単位電流トランジスタを有する単位電流生成手段と、前記負荷の駆動状態を設定する複数ビットのデジタル信号の各ビット値に基づいて前記単位電流を選択的に合成し、前記駆動電流として前記負荷に供給する駆動電流生成手段と、を備え、前記デジタル信号の前記各ビット値に基づく複数の階調レベルは複数の階調領域に分けられ、前記複数の単位電流トランジスタ2つ以上の所定の数の前記単位電流トランジスタからなる複数の単位電流トランジスタに分けられ、該各単位電流トランジスタ群に含まれる前記所定の数の単位電流トランジスタの各々によって生成される前記単位電流は単位電流群をなし、一つの前記単位電流群における前記各単位電流の電流値は、前記基準電流に対してC×2 (前記kは一つの単位電流トランジスタ群における各単位電流トランジスタに対応して設定される数であって、k=0、1、2、・・・に設定される。前記Cは前記各単位電流トランジスタのトランジスタサイズに基づいて設定される定数である。)の比率を有し、前記定数Cは前記複数の単位電流トランジスタ群の各々で異なる値に設定され前記駆動電流生成手段は、前記階調レベルが含まれる前記階調領域に対応して前記複数の単位電流トランジスタのうちの少なくとも一つの前記単位電流トランジスタ群によって生成される前記単位電流群の前記各単位電流を前記各ビット値に基づいて選択的に合成して前記駆動電流を生成して、前記各階調レベルに対する前記駆動電流の電流値を非線形特性とすることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電流生成供給回路において、前記複数の階調レベルは前記階調レベルが低い領域からなる低階調領域と前記階調レベルが高い領域からなる高階調領域とに分けられ、前記複数の単位電流トランジスタ群は、前記定数が第1の値を有する第1の単位電流群を生成する第1の単位電流トランジスタ群と、前記定数が前記第1の値と異なる第2の値を有する第2の単位電流群を生成する第2の単位電流トランジスタ群と、を有し、前記駆動電流生成手段は、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき前記第1の単位電流群に含まれる前記各単位電流のみを選択的に合成し、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき、前記第1の単位電流群と前記第2の単位電流群に含まれる前記各単位電流を選択的に合成することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の電流生成供給回路において、前記第2の単位電流群における前記定数の値は、前記第1の単位電流群における前記定数の値より大きい値に設定されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の電流生成供給回路において、前記第2の単位電流群における前記定数の値は、前記第1の単位電流群における全規定数の値より小さい値に設定されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の電流生成供給回路において、前記駆動電流生成手段は、特性切換信号に基づいて、前記階調レベルに対応して選択的に合成する前記単位電流に対応する前記第1及び第2の単位電流群を変更して、前記階調レベルの増加に対する前記駆動電流の増加率を切り換える手段を備えることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の電流生成供給回路において、前記各単位電流トランジスタ群に含まれる前記各単位電流トランジスタは、該各単位電流トランジスタの各チャネル幅が、互いに2(k=0、1、2、3、・・・)で規定される、異なる比率に設定されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の電流生成供給回路において、前記電流生成供給回路は、前記複数ビットのデジタル信号を各ビットごとに保持する信号保持手段を備え、前記駆動電流生成手段は、前記信号保持手段に保持された前記デジタル信号の各ビット値に応じて、前記単位電流生成手段により生成される前記複数の単位電流を選択的に合成し、前記駆動電流として前記負荷に供給することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の電流生成供給回路において、前記負荷は、前記電流生成手段から供給される前記駆動電流の電流値に応じて、所定の輝度階調で発光動作する電流駆動型の発光素子を備えていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の電流生成供給回路において、前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、少なくとも、少なくとも、複数の走査線及び複数の信号線が相互に直交するように配設され、該複数の走査線及び該複数の信号線の各交点に、マトリクス状に複数の表示画素が配列された表示パネルと、前記各表示画素を行単位で選択状態にするための走査信号を前記各走査線に印加する走査駆動部と、表示信号に基づく階調電流を、前記各信号線を介して前記各表示画素に供給する信号駆動部と、を備え、選択状態にある前記表示画素に対して、所定の電流値を有する前記階調電流を供給することにより、前記表示パネルに所望の画像情報を表示する表示装置において、前記表示画素は、前記階調電流の電流値に応じた輝度で発光動作する電流駆動型の発光素子を備え、前記信号駆動部は、前記各表示画素に対応して、前記表示信号に基づく複数ビットのデジタル信号を各ビットごとに保持する信号保持手段と、定電流源から供給される単一の基準電流が電流路に流れる単一の基準電流トランジスタと、前記基準電流トランジスタの制御端子に接続され、該基準電流トランジスタの前記電流路に前記基準電流を流したとき該基準電流の電流成分に応じた電荷を蓄積する一つの電荷蓄積手段と、制御端子が前記基準電流トランジスタの制御端子に共通に接続されて前記基準電流トランジスタとカレントミラー回路をなし、前記電荷蓄積手段に保持された電荷量に応じた単一の電圧成分に基づいて、前記基準電流に対して異なる電流比率を有する複数の単位電流を個別に生成する複数の単位電流トランジスタを有する単位電流生成手段と、前記信号保持手段に保持された前記デジタル信号の各ビット値に基づいて前記単位電流生成手段により生成される前記単位電流を選択的に合成し、前記表示画素に対して前記階調電流として供給する階調電流生成手段と、を有する電流生成供給回路を備え、前記デジタル信号の前記各ビット値に基づく複数の階調レベルは複数の階調領域に分けられ、前記複数の単位電流トランジスタ2つ以上の所定数の前記単位電流トランジスタからなる複数の単位電流トランジスタに分けられ、該各単位電流トランジスタ群に含まれる前記所定の数の単位電流トランジスタの各々によって生成される前記単位電流は単位電流群をなし、一つの前記単位電流群における前記各単位電流の電流値は、前記基準電流に対してC×2 (前記kは一つの単位電流トランジスタ群における各単位電流トランジスタに対応して設定される数であって、k=0、1、2、・・・に設定される。前記Cは前記各単位電流トランジスタのトランジスタサイズに基づいて設定される定数である。)の比率を有し、前記定数Cは前記複数の単位電流トランジスタ群の各々で異なる値に設定され前記階調電流生成手段前記階調レベルが含まれる前記階調領域に対応して前記単位電流群の少なくとも一つを選択の前記単位電流トランジスタ群によって生成される前記単位電流群の前記各単位電流を前記各ビット値に基づいて選択的に合成して前記階調電流を生成する手段を備えて、前記階調レベルに対する前記階調電流の電流値の特性が、前記階調レベルに対する前記発光素子の発光輝度の特性が所定のガンマ特性に近づくように、非線形に設定されていることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の表示装置において、前記複数の階調レベルは前記階調レベルが低い領域からなる低階調領域と前記階調レベルが高い領域からなる高階調領域とに分けられ、前記複数の単位電流トランジスタ群は、前記定数が第1の値を有する第1の単位電流群を生成する第1の単位電流トランジスタ群と、前記定数が前記第1の値と異なる第2の値を有する第2の単位電流群を生成する第2の単位電流トランジスタ群と、を有し、前記階調電流生成手段は、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき前記第1の単位電流群に含まれる前記各単位電流のみを選択的に合成し、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき、前記第1の単位電流群と前記第2の単位電流群に含まれる前記各単位電流を選択的に合成することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の表示装置において、前記階調電流生成手段は、特性切換信号に基づいて、前記階調レベルに対応して選択的に合成する前記単位電流に対応する前記第1及び第2の単位電流群を変更して、前記階調レベルの増加に対する前記駆動電流の増加率を切り換える手段を備えることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項10記載の表示装置において、前記各単位電流トランジスタ群に含まれる前記各単位電流トランジスタは、該各単位電流トランジスタの各チャネル幅が、互いに2(k=0、1、2、3、・・・)で規定される、異なる比率に設定されていることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項10乃至13のいずれかに記載の表示装置において、前記信号駆動部は、前記基準電流が供給される基準電流供給線を備え、前記複数の表示画素に対応する複数の前記電流生成供給回路の各々が、前記基準電流供給線に並列に接続され、該基準電流供給線を介して前記基準電流が供給されることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項10乃至14のいずれかに記載の表示装置において、前記信号駆動部は、少なくとも、前記信号線の各々に対して2組の前記電流生成供給回路を備え、一方の前記電流生成供給回路において前記信号保持手段に先のタイミングで保持した前記複数ビットのデジタル信号に基づいて、前記単位電流生成手段及び前記階調電流生成手段により生成された前記階調電流を、前記表示画素に供給する動作期間中に、他方の前記電流生成供給回路において前記信号保持手段に次の前記複数ビットのデジタル信号を保持する動作を、交互に順次繰り返し実行することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項10乃至15のいずれかに記載の表示装置において、前記単位電流生成手段及び前記階調電流生成手段は、前記階調電流の信号極性を、前記表示画素側から引き込む方向に流すように設定することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項10乃至15のいずれかに記載の表示装置において、前記単位電流生成手段及び前記階調電流生成手段は、前記階調電流の信号極性を、前記表示画素に流し込む方向に流すように設定することを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項10乃至17記載の表示装置において、前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る電流生成供給回路は、有機EL素子や発光ダイオード等のように、電流値に応じて所定の駆動状態(発光輝度)で動作する負荷に対して、所定の電流値を有する駆動電流(負荷駆動電流)を個別に供給する電流駆動回路において、少なくとも、定電流源から供給される単一の基準電流が電流路に流れる単一の基準電流トランジスタと、前記基準電流トランジスタの制御端子に接続され、該基準電流トランジスタの前記電流路に前記基準電流を流したとき該基準電流の電流成分に応じた電荷を蓄積する一つの電荷蓄積手段と、制御端子が前記基準電流トランジスタの制御端子に共通に接続されて前記基準電流トランジスタとカレントミラー回路をなし、前記電荷蓄積手段に保持された単一の電荷量に応じた電圧成分に基づいて、所定の電流比率を有する複数の単位電流を個別に生成する複数の単位電流トランジスタを有する単位電流生成手段と、複数ビットのデジタル信号の各ビット値に基づいて上記単位電流を選択的に合成して、駆動電流を生成する駆動電流生成手段と、を備え、前記デジタル信号の前記各ビット値に基づく複数の階調レベルは複数の階調領域(少なくとも、低階調領域及び高階調領域で)に分けられ、上記単位電流生成手段における複数の単位電流トランジスタ2つ以上の所定の数の前記単位電流トランジスタからなる複数の単位電流トランジスタ群に分けられ、該各単位電流トランジスタ群に含まれる前記所定の数の単位電流トランジスタの各々によって生成される前記単位電流は単位電流群をなし、一つの前記単位電流群における前記各単位電流の電流値は、前記基準電流に対してC×2 (前記kは一つの単位電流トランジスタ群における各単位電流トランジスタに対応して設定される数であって、k=0、1、2、・・・に設定される。前記Cは前記各単位電流トランジスタのトランジスタサイズに基づいて設定される定数である。)の比率を有し、前記定数Cは前記複数の単位電流トランジスタ群の各々で異なる値に設定され、前記駆動電流生成手段は、前記階調レベルが含まれる前記階調領域に対応して前記各単位電流トランジスタ群によって生成される前記単位電流群の前記各単位電流を前記各ビット値に基づいて選択的に合成して前記駆動電流を生成して、階調レベルに対する上記駆動電流の電流値が非線形特性を有するようにした構成を有している。
ここで、上記駆動電流の電流値に設定される非線形特性は、具体的には、例えば、高階調領域での線形特性の階調レベルの増加に対する駆動電流の増加率を、低階調領域での増加率よりも大きく(又は、小さく)設定することにより、下に凸(又は、上に凸)となる折れ線特性を有する電流値が得られ、任意の特性曲線に近似した電流特性を実現することができる。これにより、負荷を所望の駆動特性で動作させることができ、これを用いた表示装置において、所望のガンマ特性に近似した特性を実現して、良好な表示品位を得ることができる。
また、上記単位電流生成手段として、定電流源から供給される一定の基準電流が流れる基準電流トランジスタと、上記各単位電流が流れるとともに、トランジスタサイズが相互に異なるように設定された複数の単位電流トランジスタと、を備え、これらのトランジスタの制御端子相互を共通に接続したカレントミラー回路構成を適用することができる。
さらに、上記単位電流生成手段は、基準電流トランジスタの制御端子に、基準電流トランジスタに基準電流が流れることにより生じる電圧成分を保持(電荷を保持)する電荷蓄積手段(コンデンサ)を備え、該電荷蓄積手段に蓄積された電圧成分に基づいて、上記複数の単位電流トランジスタの導通状態を均一に制御して、基準電流に対して所定の電流比率を有する複数の単位電流を生成する回路構成を適用することができる。
これにより、負荷に直接駆動電流を供給する電流生成供給回路において、一定の基準電流及び複数ビットのデジタル信号に基づいて、負荷を所望の駆動状態で動作させることができる電流値を有する駆動電流を生成することができるので、電流生成供給回路により生成する駆動電流の電流値が微少な場合や、負荷への駆動電流の供給時間が短い場合であっても、上記基準電流を供給する信号線に付加する配線容量(寄生容量)への充放電動作に起因する信号遅延の影響を排除することができ、電流生成供給回路の動作速度の低下を抑制して、負荷をより迅速に動作させることができる。
そして、本発明に係る表示装置においては、相互に直交する走査ライン及びデータラインの交点近傍に、発光素子を備えた表示画素をマトリクス状に配列してなる表示パネルを備えた表示装置において、上述したような電流生成供給回路を、各データライン(又は、表示画素)に対応して設けられる信号駆動部(データドライバ)の階調電流生成回路に適用し、単位電流生成手段において生成される単位電流(さらには、階調電流生成手段において複数の単位電流を選択的に合成して生成される階調電流)の、階調レベルに対する電流値(電流特性)が、発光素子の発光輝度特性が所定のガンマ特性に近づくように、非線形に設定されている。
これにより、各階調電流生成回路から各表示画素に供給される階調電流の電流特性を、上述したように、発光素子の発光輝度が所定のガンマ特性に近似するように、非線形に設定することができるので、表示パネルの発光特性を、所望のガンマ特性に良好に近似させることができ、所望の画像情報の色再現性を改善して、表示画質の向上を図ることができる。さらに、上記階調電流の電流特性を、特性切換信号に基づいて適宜切り換え制御する構成を適用することにより、表示画素(発光素子)の発光特性を簡易に切り換え設定することができる。
なお、本発明に係る表示装置においては、表示画素が接続された各列のデータラインごとに上述した階調電流生成回路を2組備え、該2組の階調電流生成回路を交互に選択状態に設定して、一方の階調電流生成回路から所定の行の表示画素群に階調電流を供給する動作を実行しつつ、並行して、他方の階調電流生成回路において、次の行の表示画素に対応した表示データ(複数ビットのデジタル信号)を取り込み保持する動作を実行するように構成したものであってもよい。
これによれば、特定の行の表示画素に階調電流を供給する動作と、次行の表示画素に供給する階調電流を生成するための表示データを取り込む動作を、2組の階調電流生成回路により交互に繰り返し実行することにより、各行の表示画素に対して連続的に階調電流を生成して供給することができるので、実質的に信号駆動部の動作速度を向上させて、表示装置の画質の向上を図ることができる。
以下、本発明に係る電流生成供給回路及びその制御方法並びに電流生成供給回路を備えた表示装置について、実施の形態を示して詳しく説明する。
まず、本発明に係る電流生成供給回路及びその制御方法について、図面を参照して説明する。
<電流生成供給回路の第1の実施形態>
図1は、本発明に係る電流生成供給回路の第1の実施形態を示す概略構成図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る電流生成供給回路ILAは、少なくとも、電流値を指定するための複数ビットのデジタル信号(本実施形態においては、便宜的に3ビットの場合を示す)d0、d1、d2(d0〜d2)を取り込んで保持(ラッチ)するラッチ回路LC0、LC1、LC2(LC0〜LC2)を備えたデータラッチ部(信号保持手段)10と、定電流発生源(定電流源)IRAから供給される一定の電流値を有する基準電流Irefを、基準電流供給線Lsを介して取り込み、上記データラッチ部10(各ラッチ回路LC0〜LC2)から出力される出力信号(非反転出力信号)d10、d11、d12(d10〜d12)に基づいて、上記基準電流Irefに対して所定比率の電流値を有する負荷駆動電流(駆動電流)IDを生成し、駆動電流供給線Ldを介して図示を省略した負荷に出力する電流生成部20Aと、を備えた構成を有している。ここで、本実施形態においては、定電流発生源IRAは、電流供給線Lsを介して電流生成部20Aから基準電流Irefを引き抜くように、低電位電源(例えば、接地電位)−Vに接続されている。
なお、図1(a)に示したデータラッチ部10の構成は、本明細書においては、便宜的に図1(b)に示すような回路記号で示す。図1(b)において、IN0〜IN2は、各々、図1(a)に示した各ラッチ回路LC0〜LC2の入力接点INを示し、OT0〜OT2は、各々、各ラッチ回路LC0〜LC2の非反転出力接点OTを示し、OT0〜OT2は、各々、各ラッチ回路LC0〜LC2の反転出力接点OTを示す。
以下、上記各構成について、具体的に説明する。
(データラッチ部10)
データラッチ部10は、図1に示したように、デジタル信号d0〜d2のビット数(3ビット)に応じた数の、周知のラッチ回路LC0〜LC2が並列に設けられた構成を有し、図示を省略したタイミングジェネレータやシフトレジスタ等から出力されるタイミング制御信号(非反転クロック信号)CLK、(反転クロック信号)CLKに基づいて、該非反転クロック信号CLKがハイレベル(反転クロック信号CLKがローレベル)となるタイミングで、各々個別に供給される上記デジタル信号d0〜d2を同時に取り込み、非反転クロック信号CLKがローレベル(反転クロック信号CLKがハイレベル)となるタイミングで、取り込んだデジタル信号d0〜d2に基づく信号レベル(非反転レベル及び反転レベル)を出力、保持する動作(信号保持動作)を実行する。
(電流生成部20A)
図2は、本実施形態に係る電流生成供給回路に適用される電流生成部の一具体例を示す回路構成図である。
電流生成部20Aは、図2に示すように、上記データラッチ部10に取り込み保持され、所定のタイミングで非反転レベル(又は、反転レベル)として出力される出力信号d10〜d12(図1に示した非反転出力接点OT0〜OT2の信号レベル)に基づいて、後述するカレントミラー回路部22Aにおける複数の単位電流の生成状態を制御する制御信号d1a、d0a、dab、d1b、d0b(以下、便宜的に「制御信号DCA」とも総称する)を生成するデコーダ回路部(駆動電流生成手段)21Aと、定電流発生源IRAから供給される基準電流Irefに対して、各々、異なる比率の電流値を有する複数の単位電流I1a、I0a、Iab、I1b、I0b(以下、便宜的に「単位電流IUA」とも総称する)を生成するカレントミラー回路部(単位電流生成手段)22Aと、該複数の単位電流IUAのうち、上記デコーダ回路部21Aから個別に出力される制御信号DCAに基づいて、任意の単位電流を選択して合成するスイッチ回路部(駆動電流生成手段)23Aと、を備えている。
デコーダ回路部21Aは、具体的には、図2に示すように、上記データラッチ部10のラッチ回路LC1及びLC2から出力される出力信号(非反転出力信号)d11及びd12を入力とし、これらの否定論理和演算の結果を制御信号d1aとして出力するNOR回路11と、上記ラッチ回路LC0及びLC2から出力される出力信号d10及びd12を入力とし、これらの否定論理和演算の結果を制御信号d0aとして出力するNOR回路12と、ラッチ回路LC2から出力される出力信号d12を反転処理するインバータ13と、ラッチ回路LC1及びLC2から出力される出力信号d11及びd12を入力とし、これらの否定論理積演算の結果を制御信号d1bとして出力するNAND回路14と、ラッチ回路LC0及びLC2から出力される出力信号d10及びd12を入力とし、これらの否定論理積演算の結果を制御信号d0bとして出力するNAND回路15と、を備えた構成を有している。
なお、本発明に係る電流生成供給回路に適用可能なデコーダ回路部は、本実施形態に示した構成に限定されるものではなく、同等の機能を有するもの(具体的には、後述する表1に示すような論理動作を実現できるもの)であれば他の構成を有するものであってもよい。
このような構成を有するデコーダ回路部21Aにおいては、表1に示すように、NOR回路11により、入力信号となるデータラッチ部10からの出力信号d11及びd12がともにローレベル(“0”)となる場合のみ、ハイレベル(“1”)の制御信号d1aが出力され、NOR回路12により、出力信号d10及びd12がともにローレベル(“0”)となる場合のみ、ハイレベル(“1”)の制御信号d0aが出力される。
また、NAND回路14により、出力信号d11及びd12がともにハイレベル(“1”)となる場合のみ、ローレベル(“0”)の制御信号d1bが出力され、NAND回路15により、出力信号d10及びd12がともにハイレベル(“1”)となる場合のみ、ローレベル(“0”)の制御信号d0bが出力される。さらに、インバータ13により、出力信号d12がローレベル(“0”)となる場合には、ハイレベル(“1”)の制御信号dabが出力され、出力信号d12がハイレベル(“1”)となる場合には、ローレベル(“0”)の制御信号dabが出力される。
Figure 0004305085
カレントミラー回路部22Aは、具体的には、図2に示すように、定電流発生源IRAから基準電流供給線Lsを介して、基準電流Irefが供給される(引き抜かれる)電流入力接点INAと高電位電源+Vとの間に、電流路(ソース−ドレイン端子)が接続されるとともに、制御端子(ゲート端子)が接点Ngaに接続されたpチャネル型の電界効果型トランジスタ(以下、「pチャネル型トランジスタ」と略記する)からなる基準電流トランジスタTPsと、接点N1a、N0a、Nab、N1b、N0bの各々と高電位電源+Vとの間に各電流路が接続されるとともに、制御端子が上記接点Ngaに共通に接続された複数(デコーダ回路部21Aにより生成される制御信号の数に対応した5個)のpチャネル型トランジスタからなる単位電流トランジスタTP1a、TP0a、TPab、TP1b、TP0b(以下、便宜的に「単位電流トランジスタTPu」とも総称する)と、接点Nga(基準電流トランジスタTPsのゲート端子)と高電位電源+Vとの間に接続されたコンデンサ(電荷蓄積手段)CAと、を備えた構成を有している。
また、スイッチ回路部23Aは、駆動電流供給線Ldを介して、負荷が直接接続される電流出力接点OUTiと上記各接点N1a、N0a、Nab、N1b、N0bとの間に電流路が接続されるとともに、制御端子に上記デコーダ回路部21Aから個別に出力される制御信号d1a、d0a、dab、d1b、d0bが並列的に印加される複数(5個)のpチャネル型トランジスタからなるスイッチトランジスタTS1a、TS0a、TSab、TS1b、TS0b(以下、便宜的に「単位電流トランジスタTSA」とも総称する)と、を備えた構成を有している。
ここで、本実施形態に係る電流生成部20Aにおいては、特に、上述したカレントミラー回路部22Aを構成する各単位電流トランジスタTP1a、TP0a、TPab、TP1b、TP0bに流れる単位電流群I1a、I0a、Iab、I1b、I0bが、基準電流トランジスタTPsに流れる一定の基準電流Irefに対して、各々異なる所定の電流比率の電流値を有するように設定されている。
具体的には、各単位電流トランジスタTP1a、TP0aのトランジスタサイズが各々異なる比率、例えば、各単位電流トランジスタTP1a、TP0aを構成する電界効果型トランジスタにおいて、チャネル長を一定とした場合の各チャネル幅の比が、W1a:W0a=2:1になるように形成されている。ここで、W1aは、単位電流トランジスタTP1aのチャネル幅を示し、W0aは、単位電流トランジスタTP0aのチャネル幅を示す。
これにより、各単位電流トランジスタTP1a、TP0aに流れる単位電流I1a、I0a(第1の単位電流群)の電流値は、基準電流トランジスタTPsのチャネル幅をWsとすると、各々I1a=(W1a/Ws)×Iref、I0a=(W0a/Ws)×Irefに設定される。したがって、単位電流トランジスタTP1a、TP0aの各チャネル幅の比を、各々2(k=0、1、2、・・・;2=1、2、4、・・・)の関係になるように設定することにより、各単位電流I1a、I0aの電流値をα×2倍(αは基準電流トランジスタTPsのチャネル幅Ws及び単位電流トランジスタTP1a、TP0aのチャネル幅W1a、W0aにより規定される定数)で規定される比率に設定することができる。
また、各単位電流トランジスタTP1b、TP0bにおいても同様に、該トランジスタサイズが各々異なる比率、例えば、各単位電流トランジスタTP1b、TP0bを構成する電界効果型トランジスタにおいて、チャネル長を一定とした場合の各チャネル幅の比が、W1b:W0b=2:1になるように形成されている。ここで、W1bは、単位電流トランジスタTP1bのチャネル幅を示し、W0bは、単位電流トランジスタTP0bのチャネル幅を示す。
これにより、各単位電流トランジスタTP1b、TP0b、TPabに流れる単位電流I1b、I0b、Iab(第2の単位電流群)の電流値は、単位電流I1b、I0bについては、基準電流トランジスタTPsのチャネル幅をWsとすると、各々I1b=(W1b/Ws)×Iref、I0b=(W0b/Ws)×Irefに設定される。したがって、単位電流トランジスタTP1b、TP0bの各チャネル幅の比を、各々2(k=0、1、2、・・・;2=1、2、4、・・・)の関係になるように設定することにより、各単位電流I1b、I0bの電流値をβ×2倍(βは基準電流トランジスタTPsのチャネル幅Ws及び単位電流トランジスタTP1b、TP0bのチャネル幅W1b、W0bにより規定される定数)で規定される比率に設定することができる。
また、単位電流トランジスタTPabに流れる単位電流Iabの電流値は、上述した単位電流トランジスタTP1a、TP0aにより実現される電流特性(上述したデジタル信号のビット値により設定される階調レベルに対する、電流生成部20Aにより生成される負荷駆動電流の電流値特性)と、上述した単位電流トランジスタTP1b、TP0bにより実現される電流特性において、後述するように、双方の電流特性相互を円滑(滑らか、かつ、連続的に)に切り換え制御するための任意の調整値(例えば、単位電流トランジスタTP0bと同等のチャネル幅を有するように形成した場合に流れる電流値)を有するように適宜設定される。
次いで、本実施形態に係る電流生成部の制御動作について、図面及び表1を参照して詳しく説明する。
図3は、本実施形態に係る電流生成部(カレントミラー回路部及びスイッチ回路部)の等価回路を示す回路構成図であり、図4は、本実施形態に係る電流生成部により実現される電流特性(階調レベルに対する負荷駆動電流の電流値特性)を示す概略特性図である。また、図5は、本実施形態に係る電流生成部の制御動作の具体例を示すタイミングチャート及び電流特性のシミュレーション結果である。
図2に示した構成を有する電流生成部20Aは、図3に示すように、デコーダ回路部21Aから出力される2ビットの制御信号d1a、d0aに基づいてスイッチトランジスタTS1a、TS0aのオン、オフ状態を設定することにより、単位電流トランジスタTP1a、TP0aに流れる単位電流I1a、I0aを制御して、上述したα×2で規定される電流特性(図4(a)に示す第1の電流特性線S1)を実現する第1の特性回路CT1と、デコーダ回路部21Aから出力される2ビットの制御信号d1b、d0bに基づいてスイッチトランジスタTS1b、TS0bのオン、オフ状態を設定することにより、単位電流トランジスタTP1b、TP0bに流れる単位電流I1b、I0bを制御して、上述したβ×2で規定される電流特性(図4(a)に示す第2の電流特性線S2)を実現する第2の特性回路CT2と、を電流出力接点OUTiに対して並列に接続した回路構成と等価であり、これらの特性回路CT1、CT2により実現される各電流特性を用いて、図4(a)に示すように、デコーダ回路部21Aから出力される制御信号に基づいて、電流生成部20Aにより生成、出力される負荷駆動電流の電流特性を切り換え制御する。
すなわち、制御信号の信号レベルにより規定される階調レベルが、上記表1に示した階調レベルのうち、低階調領域(階調レベル“0”〜“3”)にある場合には、第2の特性回路CT2のスイッチトランジスタTS1b、TS0bはいずれもオフ状態となり、単位電流I1b、I0bは生成されず、制御信号に応じて第1の特性回路CT1により生成される各単位電流I1a、I0aにより得られる電流値を有する(すなわち、第1の電流特性線S1に基づく)負荷駆動電流IDが出力される。
一方、制御信号の信号レベルにより規定される階調レベルが、高階調領域(階調レベル“4”〜“7”;表1参照)にある場合には、第1の特性回路CT1のスイッチトランジスタTS1a、TS0aはいずれもオン状態となり、単位電流I1a、I0aに加え、制御信号に応じて第2の特性回路CT2により生成される各単位電流I1b、I0bを合成することにより得られる電流値を有する(すなわち、第2の電流特性線S2に単位電流I1a及びI0a分を合成した電流特性;図4(a)に示す電流特性線S2′に基づく)負荷駆動電流IDが出力される。
また、図2に示した電流生成部20Aにおいて、単位電流Iabの生成を制御する構成は、図3に示すように、デコーダ回路部21Aから出力される制御信号dabに基づいてスイッチトランジスタTSabのオン、オフ状態を設定することにより、一定電流Iabの供給が制御される定電流発生源IRabを有する定電流供給回路CT3を、電流出力接点OUTiに接続した回路構成と等価であり、この定電流供給回路CT3により、上述した特性回路CT1により実現される電流特性(電流特性線S1)における階調レベル“3”と、特性回路CT2により実現される電流特性(電流特性線S2′)における階調レベル“4”に対応する出力電流(負荷駆動電流ID)の電流値相互が同一値とならないように、図4(b)に示すように、高階調領域では単位電流Iab分だけ出力電流の電流値が加算されるように設定している(電流特性線S2′S2″参照)。
そして、このような回路構成を有する電流生成部20Aにおいて、図5(a)に示すようなタイミングで、電流生成部20A(デコーダ回路部21A)への入力信号(データラッチ部10の出力信号)d10〜d12の信号レベルを、表1に示した場合と同様に時系列的に設定することにより、図5(b)に示すように、図4(b)と同様の下に凸となる1節の折れ線特性を有する電流特性が得られることがシミュレーションにより実証された。
すなわち、本実施形態に係る電流生成供給回路ILAにおいては、データラッチ部10(ラッチ回路LC0〜LC2)から並列的に出力される各出力信号d10〜d12の信号レベルに応じて、スイッチ回路部23Aのうちの、特定のスイッチトランジスタがオン動作し、該オン動作したスイッチトランジスタに接続されたカレントミラー回路部22Aの単位電流トランジスタ(TPuのいずれか1つ以上の組み合わせ)に、基準電流トランジスタTPsに流れる基準電流Irefに対して、所定比率(α×2倍、又は、β×2倍)の電流値を有する単位電流IUAが流れ、上述したように、電流出力接点OUTiにおいて、これらの単位電流の合成値となる電流値を有する負荷駆動電流IDが、高電位電源+Vから、オン状態にあるスイッチトランジスタ(TSAのいずれか)に接続された単位電流トランジスタ(TPuのいずれか)及び電流出力接点OUTi、駆動電流供給線Ldを介して、図示を省略した負荷方向に流れる。
これにより、複数ビットのデジタル信号のビット数kに応じて、2段階の電流値を有するとともに、任意の電流特性を有する負荷駆動電流ID(アナログ電流)が生成される。すなわち、本実施形態のように3ビットのデジタル信号d0〜d2を適用した場合には、各単位電流トランジスタTPuに接続されるスイッチトランジスタTSAのオン状態に応じて、2=8段階(階調)の異なる電流値を有する負荷駆動電流IDが生成され、負荷を8階調の異なる駆動状態で動作させることができる。
なお、本実施形態に係る電流生成部においては、図4、図5に示したように、電流特性が1節の折れ線特性を有する場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに多節(例えば、3節)の折れ線特性を有する電流特性が得られるように、相互に電流特性が異なる複数の特性回路を、電流出力接点に共通に接続するようにしたものであってもよい。
また、本実施形態においては、図4、図5に示したように、負荷駆動電流IDの電流特性が、低階調領域に比較して高階調領域において、電流特性線の傾きが急峻になる場合(すなわち、電流特性線が下に凸となる凹型の特性変化)について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電流生成部のカレントミラー回路部を構成する各単位電流トランジスタのチャネル幅を適宜制御する(例えば、単位電流トランジスタTP1a、TP0a側と単位電流トランジスタTP1b、TP0b側のチャネル幅を入れ替える)ことにより、低階調領域において、高階調領域に比較して電流特性線の傾きが急峻になる(すなわち、電流特性線が上に凸となる凸型の特性変化)電流特性を設定することもできる。
なお、設定される電流特性は、例えば、本実施形態の電流生成供給回路を後述する表示装置に適用して、前記図22に示したような、ディスプレイのガンマ特性を実現するために適用することができて、良好な表示品位を得ることができる効果を奏するものである。また、設定される電流特性の傾きは、要求されるガンマ特性や、負荷として用いられる発光素子の電流と発光輝度の特性に応じて、適宜設定される。
さらに、本実施形態においては、電流生成供給回路ILAに接続された負荷に対して、電流生成供給回路ILA側から負荷駆動電流IDを流し込むように電流極性を設定した構成(以下、便宜的に「電流印加方式」と記す)について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、負荷側から電流生成供給回路方向に負荷駆動電流IDを引き込むように電流極性を設定した構成(以下、便宜的に「電流シンク方式」と記す)を適用したものであってもよい。以下、電流シンク方式に対応した電流生成供給回路について、簡単に後述する。
<電流生成供給回路の第2の実施形態>
図6は、本発明に係る電流生成供給回路の第2の実施形態を示す要部構成図であり、図7は、本実施形態に係る電流生成供給回路に適用される電流生成部の一具体例を示す回路構成図である。ここで、上述した第1の実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
図6に示すように、本実施形態に係る電流生成供給回路ILBは、上述した第1の実施形態(図1参照)と同様に、複数ビットのデジタル信号d0〜d2を取り込み保持するデータラッチ部10と、データラッチ部10の非反転出力接点OT0〜OT2に接続され、該非反転出力信号d10〜d12に基づいて生成される制御信号d1c、d0c、dcd、d1d、d0dに応じて、基準電流Irefに対して所定の電流比率の電流値を有する複数の単位電流群I1c、I0c、Icd、I1d、I0dを選択的に合成して生成される負荷駆動電流IDを負荷に供給する電流生成部20Bと、を備え、該電流生成部20Bは、図7に示すように、概略、上述した第1の実施形態(図3参照)と略同様に、デコーダ回路部21B、カレントミラー回路部22B及びスイッチ回路部23Bを備えた構成を有している。ここで、本実施形態においては、電流生成部20Bに接続された定電流発生源IRBは、電流生成部20Bに基準電流Irefを流し込むように、他端側が高電位電源+Vに接続されている。
デコーダ回路部21Bは、具体的には、図7に示すように、上記データラッチ部10(ラッチ回路LC1、LC2;図1参照)から出力される出力信号(非反転出力信号)d11及びd12を入力とし、これらの論理和演算の結果を制御信号d1cとして出力するOR回路31と、データラッチ部10(ラッチ回路LC0、LC2)から出力される出力信号d10及びd12を入力とし、これらの論理和演算の結果を制御信号d0cとして出力するOR回路32と、データラッチ部10(ラッチ回路LC2)から出力される出力信号d12を反転処理して制御信号dcdとして出力するインバータ33と、データラッチ部10から出力される出力信号d11及びd12を入力とし、これらの論理積演算の結果を制御信号d1dとして出力するAND回路34と、データラッチ部10から出力される出力信号d10及びd12を入力とし、これらの論理積演算の結果を制御信号d0dとして出力するAND回路35と、を備えた構成を有している。
また、カレントミラー回路部21B及びスイッチ回路部22Bは、各回路部を構成する基準電流トランジスタTNs、単位電流トランジスタTN1c、TN0c、TNcd、TN1d、TN0d、及び、スイッチトランジスタTs1c、TS0c、TScd、TS1d、TS0dが全てnチャネル型トランジスタにより形成されている。さらに、基準電流トランジスタTNsは、電流路が定電流発生源IRBから基準電流Irefが供給される(流し込まれる)電流入力接点INBと低電位電源−Vとの間に接続されるとともに、制御端子が接点Ngbに接続され、該接点Ngbと低電位電源−Vとの間にはコンデンサCBが接続されている。
また、単位電流トランジスタTN1c、TN0c、TNcd、TN1d、TN0dは、各々、電流路が各接点N1c、N0c、Ncd、N1d、N0dと低電位電源−Vとの間に接続されるとともに、制御端子が上記接点Ngbに共通に接続され、また、スイッチングトランジスタTs1c、TS0c、TScd、TS1d、TS0dは、各々、電流路が上記各接点N1c、N0c、Ncd、N1d、N0dと電流出力接点OUTiとの間に接続されるとともに、制御端子にデコーダ回路部21Bから個別に出力される制御信号d1c、d0c、dcd、d1d、d0dが並列的に印加されるように構成されている。
ここで、本実施形態においても、カレントミラー回路部21Bを構成する各単位電流トランジスタTN1c、TN0c、TNcd、TN1d、TN0dのトランジスタサイズ(すなわち、チャネル長を一定とした場合のチャネル幅)が、基準電流トランジスタTNsを基準として、所定の比率になるように形成されるとともに、単位電流トランジスタTN1c、TN0cの電流路に流れる単位電流I1c、I0c(第1の単位電流群)が、第1の電流特性に基づく所定の電流値を有するように設定され、単位電流トランジスタTNcd、TN1d、TN0dの電流路に流れる単位電流Icd、I1d、I0d(第2の単位電流群)が、第2の電流特性に基づく所定の電流値を有するように設定されている。
これにより、本実施形態に係る電流生成供給回路ILBにおいても、データラッチ部10から出力される出力信号d10〜d12の信号レベルに応じて、スイッチ回路部22Bの特定のスイッチトランジスタがオン動作して、該オン動作したスイッチトランジスタに接続された単位電流トランジスタを介して流れる単位電流が選択的に合成されて、電流出力接点OUTi及び駆動電流供給線Ldを介して負荷駆動電流IDとして図示を省略した負荷に供給される(本実施形態においては、負荷側から電流生成供給回路方向に負荷駆動電流が流れ込む)。
したがって、上述した第1及び第2の実施形態に示した電流生成供給回路ILA、ILBにおいては、駆動電流供給線Ldを介して負荷に直接接続された電流生成部20A、20Bに、定電流発生源IRA、IRBから基準電流供給線Lsを介して信号レベルが変動しない一定の基準電流Irefを供給し、複数ビットのデジタル信号d0〜d2(データラッチ部10の出力信号d10〜d12)に基づいて、負荷を所望の駆動状態で動作させることができる電流値を有する負荷駆動電流IDを生成する構成を有していることにより、負荷駆動電流IDの生成に関連して供給される基準電流が一定電流に保持されているので、負荷駆動電流IDの電流値が微少な場合や、負荷への負荷駆動電流IDの供給時間(あるいは、負荷の駆動時間)が短く設定されている場合であっても、配線容量等の寄生容量への充放電動作に起因する信号遅延の影響を排除することができ、電流生成供給回路の動作速度の低下を抑制して、負荷をより迅速かつ的確な駆動状態で動作させることができる。
また、負荷駆動電流IDの電流値を設定するために電流生成供給回路ILA、ILBに供給される電流として一定の電流値からなる基準電流Irefを供給し、かつ、複数ビットのデジタル信号の信号レベルをそのまま適用して、カレントミラー回路により予め基準電流に対する電流比率が規定された複数の単位電流を選択的に合成して負荷駆動電流IDを生成することができるので、複数ビットのデジタル信号により指定される階調(指定階調)に対して均一化された階調特性(指定階調に対する負荷駆動電流の電流値の関係)を有する負荷駆動電流を生成することができ、比較的簡易な駆動制御方法(負荷駆動電流の生成供給動作)で、負荷を適切な駆動状態で動作させることができる。
<電流生成供給回路の第3の実施形態>
図8は、本発明に係る電流生成供給回路の第3の実施形態を示す要部構成図であり、図9は、本実施形態に係る電流生成供給回路に適用される電流生成部の一具体例を示す回路構成図である。また、図10は、本実施形態に係る電流生成部により生成される負荷駆動電流の電流特性のシミュレーション結果である。ここで、上述した各実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付して、その説明を簡略化又は省略する。
上述した第1及び第2の実施形態においては、カレントミラー回路部を構成する単位電流トランジスタのチャネル幅の設定により、電流生成供給回路(電流生成部)により生成される負荷駆動電流の電流特性(より具体的には、2種類の電流特性を合成することにより得られる電流特性の変化(折れ線特性)が下又は上のいずれかに凸となる)が固定的に設定される場合について説明したが、本実施形態においては、特性切換信号の設定のみで、上記電流特性を可変制御できるようにした構成を有している。
具体的には、図8に示すように、本実施形態に係る電流生成供給回路ILCは、上述した第1の実施形態(図1参照)と同様に、複数ビットのデジタル信号d0〜d2を取り込み保持するデータラッチ部10と、データラッチ部10からの非反転出力信号d10〜d12、及び、図示を省略したコントローラ等の制御手段から出力される特性切換信号dsに応じて、所定の電流特性に基づく電流値を有する負荷駆動電流IDを生成して、負荷に供給する電流生成部20Cと、を備え、該電流生成部20Cは、図9に示すように、概略、上述した第1の実施形態(図3参照)と略同様に、デコーダ回路部21C、カレントミラー回路部22C及びスイッチ回路部23Cを備えた構成を有している。ここで、本実施形態においては、電流生成部20Cに接続された定電流発生源IRCは、電流生成部20Cから基準電流Irefを引き抜くように、他端側が低電位電源−Vに接続されている。なお、カレントミラー回路部22C及びスイッチ回路部23Cは、第1の実施形態に示したカレントミラー回路部22A及びスイッチ回路部23Aと同一の回路構成(図2参照)を有しているので、その説明を省略する。
デコーダ回路部21Cは、具体的には、図9に示すように、上記データラッチ部10から出力される出力信号d10、d11、d12及び特性切換信号dsを各々反転処理して、反転信号として出力するインバータ回路部41と、出力信号d10、d11、d12及び特性切換信号dsの反転信号及び非反転信号の任意の組み合わせを入力とし、各否定論理積演算の結果を論理信号として個別に出力するNAND回路部42、43、44、45と、各NAND回路部42、43、44、45における論理信号を入力とし、論理積演算の結果を制御信号d1a、d0a、d1b、d0bとして、スイッチ回路部23Cを構成する各スイッチトランジスタTS1a、TS0a、TS1b、TS0bに出力するAND回路46、47、48、49と、を備えた構成を有している。
ここで、インバータ回路部41は、各出力信号d10、d11、d12を反転処理するインバータ41a、41b、41cと、特性切換信号dsを反転処理するインバータ41sと、を有している。
また、NAND回路部42は、出力信号d11、d12及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路42aと、出力信号d11、出力信号d12の反転信号(インバータ41cの出力信号)及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路42bと、出力信号d11の反転信号(インバータ41bの出力信号)、出力信号d12及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路42cと、出力信号d11、d12及び特性切換信号dsの反転信号(インバータ41sの出力信号)を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路42dと、を有している。
また、NAND回路部43は、出力信号d10、d12及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路43aと、出力信号d10、出力信号d12の反転信号及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路43bと、出力信号d10の反転信号(インバータ41aの出力信号)、出力信号d12及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路43cと、出力信号d10、d12及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路43dと、を有している。
また、NAND回路部44は、出力信号d11、d12及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路44aと、出力信号d11、出力信号d12の反転信号及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路44bと、出力信号d10の反転信号、出力信号d12及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路44cと、出力信号d10、d12及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路44dと、を有している。
さらに、NAND回路部45は、出力信号d10、d12及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路45aと、出力信号d10、出力信号d12の反転信号及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路45bと、出力信号d10の反転信号、出力信号d12及び特性切換信号dsの反転信号を入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路45cと、出力信号d10、d12及び特性切換信号dsを入力とし、これらの否定論理積演算処理を実行するNAND回路45dと、を有している。
また、AND回路部46は、NAND回路部42(NAND回路42a〜42d)から並列的に出力される論理信号を入力とし、これらの論理積演算処理を実行し、AND回路部47は、NAND回路部43(NAND回路43a〜43d)から並列的に出力される論理信号を入力とし、これらの論理積演算処理を実行し、AND回路部48は、NAND回路部44(NAND回路44a〜44d)から並列的に出力される論理信号を入力とし、これらの論理積演算処理を実行し、AND回路部49は、NAND回路部45(NAND回路45a〜45d)から並列的に出力される論理信号を入力とし、これらの論理積演算処理を実行する。また、出力信号d12の反転信号(インバータ41cの出力信号)は、制御信号dabとして、スイッチ回路部23Cを構成するスイッチトランジスタTSabに直接出力される。
このような構成を有するデコーダ回路部21Cにおいては、表2に示すように、特性切換信号dsがローレベル(“0”)に設定されている状態では、NAND回路部42及びAND回路46により、入力信号となるデータラッチ部10からの出力信号d11及びd12がともにハイレベル(“1”)となる場合のみ、ローレベル(“0”)の制御信号d1aが出力され、NAND回路部43及びAND回路47により、出力信号d10及びd12がともにハイレベル(“1”)となる場合のみ、ローレベル(“0”)の制御信号d0aが出力される。
また、NAND回路部44及びAND回路48により、出力信号d11及びd12がともにローレベル(“0”)となる場合のみ、ハイレベル(“1”)の制御信号d1bが出力され、NAND回路部45及びAND回路49により、出力信号d10及びd12がともにローレベル(“0”)となる場合のみ、ハイレベル(“1”)の制御信号d0bが出力される。さらに、インバータ41cにより、出力信号d12がローレベル(“0”)となる場合には、ハイレベル(“1”)の制御信号dabが出力され、出力信号d12がハイレベル(“1”)となる場合には、ローレベル(“0”)の制御信号dabが出力される。
一方、特性切換信号dsがハイレベル(“1”)に設定されている状態では、NAND回路部42及びAND回路46により、入力信号となるデータラッチ部10からの出力信号d11及びd12がともにローレベル(“0”)となる場合のみ、ハイレベル(“1”)の制御信号d1aが出力され、NAND回路部43及びAND回路47により、出力信号d10及びd12がともにローレベル(“0”)となる場合のみ、ハイレベル(“1”)の制御信号d0aが出力される。
また、NAND回路部44及びAND回路48により、出力信号d11及びd12がともにハイレベル(“1”)となる場合のみ、ローレベル(“0”)の制御信号d1bが出力され、NAND回路部45及びAND回路49により、出力信号d10及びd12がともにハイレベル(“1”)となる場合のみ、ローレベル(“0”)の制御信号d0bが出力される。
すなわち、特性切換信号dsがハイレベル(“1”)に設定されている状態では、上述した第1の実施形態に示したデコーダ回路部21Aと同等の論理動作が実行される。
Figure 0004305085
このような電流生成部20Cにおける制御動作は、特性切換信号dsがハイレベル(“1”)に設定された状態では、図10(a)に示すように、上述した第1の実施形態(図5参照)と同様に、複数ビットのデジタル信号d0〜d2により指定される階調が低階調領域(階調レベル“0”〜“3”)では、比較的緩やかに変化する(特性変化の傾きが小さい)傾向を示し、高階調領域(階調レベル“4”〜“7”)では、比較的急峻に変化する(特性変化の傾きが大きい)傾向を示す電流特性、すなわち、下に凸となる折れ線特性を有する電流特性Saが得られる。
また、特性切換信号dsがローレベル(“0”)に設定された状態では、図10(b)に示すように、複数ビットのデジタル信号d0〜d2により指定される階調が低階調領域(階調レベル“0”〜“3”)では、比較的急峻に変化する(特性変化の傾きが大きい)傾向を示し、高階調領域(階調レベル“4”〜“7”)では、比較的緩やかに変化する(特性変化の傾きが小さい)傾向を示す電流特性、すなわち、上に凸となる折れ線特性を有する電流特性Sbが得られる。
したがって、本実施形態に係る電流生成供給回路ILCにおいては、特性切換信号dsの信号レベルを切り換える制御により、簡易に負荷駆動電流IDの電流特性を変更設定することができるので、例えば、電流生成供給回路に接続される負荷の特性や、表示装置に適用した場合の、要求されるガンマ特性に応じて適宜特性切換信号dsを制御して、負荷を任意の駆動特性で動作させることができる。
なお、本実施形態に係る電流生成供給回路に適用可能なデコーダ回路部は、図9に示した構成に限定されるものではなく、同等の機能を有するもの(具体的には、上述した表2に示したような論理動作を実現できるもの)であれば他の構成を有するものであってもよい。
また、上述した各実施形態に示した電流生成供給回路においては、負荷駆動電流を生成する電流生成部として、基準電流トランジスタと複数の単位電流トランジスタからなるカレントミラー回路を適用し、定電流発生源から供給される基準電流に対して所定の電流比率を有する単位電流を選択的に合成して所望の電流値を有する負荷駆動電流を生成する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上述したカレントミラー回路に替えて、相互に所定の電流比率を有する電流(単位電流)を個別に供給する複数の定電流発生源を備え、負荷の駆動状態を規定する複数ビットのデジタル信号に応じて、これらの電流を選択的に合成して任意の電流値を有する負荷駆動電流を生成するようにした構成を適用するものであってもよい。
また、上述した各実施形態に示した複数ビットのデジタル信号としては、後述するように、表示装置に所望の画像情報を表示するための表示データ(表示信号)を適用することができ、この場合において、電流生成供給回路により生成、出力される負荷駆動電流は、表示パネルを構成する各表示画素を所定の輝度階調で発光動作させるために供給される階調電流に対応する。以下、上述したような構成及び機能を有する電流生成供給回路を、データドライバに適用した表示装置について、具体的に説明する。
<表示装置の第1の実施形態>
図11は、本発明に係る電流生成供給回路を適用可能な表示装置の第1の実施形態を示す概略ブロック図であり、図12は、本実施形態に係る表示装置の要部構成を示す概略構成図である。ここでは、表示パネルとしてアクティブマトリクス方式に対応した表示画素を備えた構成について説明する。また、本実施形態においては、データドライバ側から表示画素に階調電流(駆動電流)を流し込むようにした電流印加方式を採用した場合について説明し、上述した第3の実施形態に示した電流生成供給回路(図8乃至図10)を適宜参照する。
図11、図12に示すように、本実施形態に係る表示装置100Aは、概略、複数の表示画素(負荷)がマトリクス状に配列された表示パネル110Aと、該表示パネル110Aの行方向に配列された表示画素群ごとに、共通に接続された走査ライン(走査線)SLa、SLbに接続された走査ドライバ(走査駆動部)120Aと、表示パネル110Aの列方向に配列された表示画素群ごとに、共通に接続されたデータライン(信号線)DL1、DL2、・・・(DL)に接続されたデータドライバ(信号駆動部)130Aと、走査ドライバ120A及びデータドライバ130Aの動作状態を制御する各種制御信号を生成、出力するシステムコントローラ140Aと、表示装置100Aの外部から供給される映像信号に基づいて、表示データやタイミング信号等を生成する表示信号生成回路150Aと、を備えて構成されている。
以下、上記各構成について説明する。
(表示パネル110A)
表示パネル110Aは、図12に示すように、各行ごとの表示画素群に対応して、各々、並列に配設された一対の走査ラインSLa、SLbと、走査ラインSLa、SLbに対して直交し、各列ごとの表示画素群に対応するように配設されたデータラインDLと、これらの直交するラインの各交点近傍に配列された複数の表示画素(図12中、画素駆動回路DCx及び有機EL素子OELからなる構成)と、を備えた構成を有している。
表示画素は、例えば、走査ドライバ120Aから走査ラインSLaを介して印加される走査信号Vsel、走査ラインSLbを介して印加される走査信号Vsel(走査ラインSLaに印加される走査信号Vselの極性反転信号;図12の符号参照)、及び、データドライバ130AからデータラインDLを介して供給される階調電流Ipixに基づいて、各表示画素における階調電流Ipixの書込動作及び発光動作を制御する画素駆動回路DCxと、該画素駆動回路DCxから供給される発光駆動電流の電流値に応じて発光輝度が制御される、周知の有機EL素子(電流駆動型の発光素子)OELと、を有して構成されている。
なお、画素駆動回路DCxに適用可能な回路構成例については後述する。また、本実施形態においては、表示画素の発光素子として、有機EL素子OELを適用した構成を示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光素子に供給される発光駆動電流の電流値に応じて所定の輝度階調で発光動作する電流駆動型の発光素子であれば、発光ダイオード等の他の発光素子を適用するものであってもよい。
(走査ドライバ120A)
走査ドライバ120Aは、図12に示すように、シフトレジスタとバッファからなるシフトブロックSBを、各行の走査ラインSLa、SLbに対応して複数段備え、システムコントローラ140Aから供給される走査制御信号(走査スタート信号SSTR、走査クロック信号SCLK等)に基づいて、シフトレジスタにより表示パネル110Aの上方から下方に順次シフトしつつ出力されるシフト信号が、バッファを介して所定の電圧レベル(選択レベル;例えば、ハイレベル)を有する走査信号Vselとして各走査ラインSLaに印加されるとともに、該走査信号Vselを極性反転した電圧レベルが走査信号Vselとして各走査ラインSLbに印加される。これにより、各行ごとの表示画素群を選択状態に設定し、データドライバ130Aから各データラインDLを介して供給される表示データに基づく階調電流Ipixを、各表示画素に書き込むように制御する。
(データドライバ130A)
データドライバ130Aは、図12に示すように、システムコントローラ140Aから供給されるデータ制御信号(後述するシフトスタート信号STR、シフトクロック信号SFC、特性切換信号Ds等)に基づいて、表示信号生成回路150Aから供給される複数ビットのデジタル信号からなる表示データD0、D1、D2を取り込んで保持し、所定の基準電流Irefに基づいて、当該表示データD0、D1、D2に対応する電流値を有する階調電流Ipixを生成して、走査ドライバ120Aにより選択状態に設定された各表示画素に、各データラインDLを介して並行して供給するように制御する。なお、データドライバ130Aの具体的な回路構成やその駆動制御動作については、詳しく後述する。
(システムコントローラ140A)
システムコントローラ140Aは、後述する表示信号生成回路150Aから供給されるタイミング信号に基づいて、少なくとも、走査ドライバ120A及びデータドライバ130Aの各々に対して、走査制御信号(上述した走査スタート信号SSTRや走査クロック信号SCLK等)及びデータ制御信号(上述したシフトスタート信号STRやシフトクロック信号SFC等)を生成して出力することにより、各ドライバを所定のタイミングで動作させて、表示パネル110Aに走査信号Vsel、Vsel及び階調電流Ipixを出力させ、画素駆動回路DCxにおける所定の制御動作(詳しくは、後述する)を連続的に実行させて、映像信号に基づく所定の画像情報を表示パネル110Aに表示させる制御を行う。
(表示信号生成回路150A)
表示信号生成回路150Aは、例えば、表示装置100Aの外部から供給される映像信号から輝度階調信号成分を抽出し、表示パネル110Aの1行分ごとに、該輝度階調信号成分を、複数ビットのデジタル信号からなる表示データD0〜D2としてデータドライバ130Aに供給する。ここで、上記映像信号が、テレビ放送信号(コンポジット映像信号)のように、画像情報の表示タイミングを規定するタイミング信号成分を含む場合には、表示信号生成回路150Aは、上記輝度階調信号成分を抽出する機能のほか、タイミング信号成分を抽出してシステムコントローラ140Aに供給する機能を有するものであってもよい。この場合においては、上記システムコントローラ140Aは、表示信号生成回路150Aから供給されるタイミング信号に基づいて、走査ドライバ120Aやデータドライバ130Aに対して供給する上記走査制御信号及びデータ制御信号を生成する。
なお、本実施形態において、表示パネル110Aとその周辺に付設されるドライバやコントローラ等の周辺回路との実装構造については、特に限定するものではないが、例えば、少なくとも、表示パネル110Aと走査トランジスタ120A、データドライバ130Aが同一の基板上に形成されているものであってもよいし、後述するデータドライバ130Aのみ、もしくは、走査ドライバ120A及びデータドライバ130Aを、表示パネル110Aとは別個に設けて電気的に接続するようにしたものであってもよい。ここで、有機EL素子を備えた表示画素からなる表示パネル110Aと、周辺回路(ドライバ等)を同一の基板上に一体的に形成する場合にあっては、例えば、周辺回路の各機能素子(トランジスタ等)を、ポリシリコン材料等を適用して形成することにより、表示画素の製造プロセスと共通化することができるとともに、回路規模を大幅に縮小することができる。
(データドライバの構成例)
次いで、上述した表示装置に適用されるデータドライバの構成について説明する。
本実施形態に係る表示装置100Aに適用されるデータドライバ130Aは、概略、図8及び図9に示した電流生成供給回路ILC(データラッチ部10、電流生成部20C)を階調電流生成回路として適用し、該階調電流生成回路が各データラインDLに対応して個別に設けられ、各々の階調電流生成回路に対して、例えば、単一の定電流発生源(定電流源)から共通の基準電流供給線を介して、一定の電流値を有する基準電流Irefが供給される(本実施例においては、基準電流Irefが引き抜かれるように供給される)ように構成されている。
本実施例に係るデータドライバ130Aは、例えば、図12に示すように、システムコントローラ140Aからデータ制御信号として供給されるシフトクロック信号SFCに基づいて、シフトスタート信号STRをシフトしつつ、所定のタイミングでシフト信号SR1、SR2、SR3、・・・(上述したタイミング制御信号CLKに相当する)を順次出力するシフトレジスタ回路131Aと、該シフトレジスタ回路131Aからのシフト信号SR1、SR2、SR3、・・・の出力タイミングに基づいて、表示信号生成回路150Aから順次供給される1行分の表示データD0〜Dq(ここでは、図8及び図9に示した電流生成供給回路ILCに入力されるデジタル信号d0〜d2に対応させて、便宜的にq=2とする)を順次取り込み、各表示画素における発光輝度に対応した階調電流Ipixを生成して、各データライン(上述した駆動電流供給線Ldに相当する)DL1、DL2、・・・に供給する階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・(上述した電流生成供給回路ILCに相当する;以下、便宜的に「階調電流生成回路PXA」とも記す)からなる階調電流生成回路群132Aと、データドライバ130Aの外部に設けられ、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・に対して、共通の基準電流供給線Lsを介して一定の電流値を有する基準電流Irefを定常的に供給する定電流発生源IRと、を備えて構成されている。
ここで、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・は、上述した電流生成供給回路ILC(図8、図9)と同等のデータラッチ部(信号保持手段)101、102、103、・・・、及び、電流生成部(単位電流生成手段、階調電流生成手段)201、202、203・・・を各々備え、システムコントローラ140Aからデータ制御信号として供給される特性切換信号Ds(上述した特性切換信号dsに相当する)に基づいて、各電流生成部201、202、203・・・に設けられたデコーダ回路部における論理動作の極性を切り換え制御(図9、図10、表2参照)することにより、表示データD0〜D2に基づく指定階調に対する階調電流Ipixの電流特性を変更設定可能なように構成されている。
なお、本実施例においては、データドライバ130Aに設けられた全ての階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・に対して、単一の定電流発生源IRから基準電流Irefが共通に供給される構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、データドライバが表示パネルに対して複数個設けられている場合には、各データドライバごとに定電流発生源を個別に備えるものであってもよく、また、単一のデータドライバ内に設けられた複数の階調電流生成回路ごとに個別の定電流発生源を備えるものであってもよい。
(表示画素の構成例)
次いで、上述した表示パネルを構成する各表示画素に適用される画素駆動回路について簡単に説明する。
図13は、本実施形態に適用される表示画素(画素駆動回路)の一実施例を示す回路構成図である。なお、ここで示す画素駆動回路は、電流印加方式を採用した表示装置に適用可能な一例を示すものにすぎず、同等の機能を有する他の回路構成を適用するものであってもよいことはいうまでもない。
図13に示すように、本実施例に係る画素駆動回路DCxは、走査ラインSLa、SLbとデータラインDLとの交点近傍に、ゲート端子が走査ラインSLaに、ソース端子及びドレイン端子が電源接点Vdd及び接点Nxaに各々接続されたpチャネル型トランジスタTr51と、ゲート端子が走査ラインSLbに、ソース端子及びドレイン端子がデータラインDL及び接点Nxaに各々接続されたpチャネル型トランジスタTr52と、ゲート端子が接点Nxbに、ソース端子及びドレイン端子が接点Nxa及び接点Nxcに各々接続されたpチャネル型トランジスタTr53と、ゲート端子が走査ラインSLに、ソース端子及びドレイン端子が接点Nxb及び接点Nxcに各々接続されたnチャネル型トランジスタTr54と、接点Nxa及び接点Nxb間に接続されたコンデンサ(保持容量)Cxと、を備えた構成を有している。ここで、電源接点Vddは、例えば、図示を省略した電源ラインを介して、高電位電源に接続され、常時、もしくは、所定のタイミングで一定の高電位電圧が印加される。
また、このような画素駆動回路DCxから供給される発光駆動電流により発光輝度が制御される有機EL素子OELは、アノード端子が上記画素駆動回路DCxの接点Nxcに、カソード端子が低電位電源(例えば、接地電位Vgnd)に各々接続された構成を有している。ここで、コンデンサCxは、トランジスタTr53のゲート−ソース間に形成される寄生容量であってもよいし、その寄生容量に加えてゲート−ソース間にさらに、容量素子を別個に付加するようにしたものであってもよい。
このような構成を有する画素駆動回路DCxにおける有機EL素子OELの駆動制御動作は、まず、書込動作期間において、例えば、走査ラインSLaにハイレベル(選択レベル)の走査信号Vselを印加するとともに、走査ラインSLbにローレベルの走査信号Vselを印加し、このタイミングに同期して、データドライバ130Aから、有機EL素子OELを所定の輝度階調で発光動作させるための階調電流IpixをデータラインDLに供給する。ここでは、階調電流Ipixとして、正極性の電流を供給し、データドライバ130A側からデータラインDLを介して表示画素(画素駆動回路DCx)方向に当該電流が流し込まれる(印加する)ように設定する。
これにより、画素駆動回路DCxを構成するトランジスタTr52及びTr54がオン動作するとともに、トランジスタTr51がオフ動作して、データラインDLに供給された階調電流Ipixに対応する正の電位が接点Nxaに印加される。また、接点Nxb及び接点Nxc間が短絡して、トランジスタTr53のゲート−ドレイン間が同電位に制御されることにより、トランジスタTr53がオフ動作するとともに、コンデンサCxの両端(接点Nxa及び接点Nxb間)には、階調電流Ipixに応じた電位差が生じ、該電位差に対応する電荷が蓄積され、電圧成分として保持される(充電される)。
次いで、発光動作期間において、走査ラインSLaにローレベル(非選択レベル)の走査信号Vselを印加するとともに、走査ラインSLbにハイレベルの走査信号Vselを印加し、このタイミングに同期して、データラインDLへの階調電流Ipixの供給を遮断する。これにより、トランジスタTr52及びTr54がオフ動作してデータラインDL及び接点Nxa間、並びに、接点Nxb及び接点Nxc間が電気的に遮断されることにより、コンデンサCxは、上述した書込動作において蓄積された電荷を保持する。
このように、コンデンサCxが書込動作時の階調電流Ipixに応じた充電電圧を保持することにより、接点Nxa及び接点Nxb間(トランジスタのTr53のゲート−ソース間)の電位差が保持されることになり、トランジスタTr53はオン動作する。また、上記走査信号Vsel(ローレベル)の印加により、トランジスタTr51が同時にオン動作するので、電源接点(高電位電源)VddからトランジスタTr51及びTr53を介して、有機EL素子OELに階調電流Ipix(より詳しくは、コンデンサCxに蓄積された電荷に基づく電圧成分)に応じた発光駆動電流が流れ、有機EL素子OELが所定の輝度階調で発光する。
<表示装置の駆動制御方法>
次に、上述した構成を有する表示装置の動作について、図面を参照して説明する。
図14は、本実施形態に係るデータドライバにおける制御動作の一例を示すタイミングチャートであり、図15は、本実施形態に係る表示パネル(表示画素)における制御動作の一例を示すタイミングチャートである。また、図16は、本実施形態に係る表示装置における指定階調に対する表示画素の発光特性(階調レベル−発光輝度)の一例を示す特性図である。ここでは、図12に示したデータドライバの構成に加え、図8及び図9に示した電流生成供給回路の構成も適宜参照しながら説明する。
(データドライバの制御動作)
データドライバ130Aにおける制御動作は、まず、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・に設けられたデータラッチ部101、102、103、・・・に、表示信号生成回路150Aから供給される表示データD0〜D2を取り込み保持するとともに、該表示データD0〜D2に基づく出力信号(非反転出力信号)を一定期間出力する信号保持動作と、該データラッチ部101、102、103、・・・からの出力信号に基づいて、電流生成部201、202、203、・・・により、上記表示データD0〜D2に対応する階調電流Ipixを生成して各データラインDL1、DL2、DL3、・・・を介して各表示画素(画素駆動回路DCx)に個別に供給する電流生成供給動作と、を順次設定することにより実行される。
ここで、信号保持動作においては、図14に示すように、シフトレジスタ回路131Aから順次出力されるシフト信号SR1、SR2、SR3、・・・に基づいて、上記各データラッチ部101、102、103、・・・により、各列の表示画素(すなわち、各データラインDL1、DL2、DL3、・・・)に対応して切り替わる表示データD0〜D2を順次取り込む動作が1行分連続的に実行され、該表示データD0〜D2が取り込まれたデータラッチ部101、102、103、・・・から順に、出力信号が各電流生成部201、202、203、・・・に出力される状態が、一定期間(例えば、次のハイレベルのシフト信号SR1、SR2、SR3、・・・が出力されるまでの期間)保持される。
また、電流生成供給動作においては、上記データラッチ部101、102、103、・・・から出力される出力信号に基づいて、各電流生成部201、202、203、・・・に設けられた複数のスイッチトランジスタ(図9に示したスイッチトランジスタTS1a、TS0a、TSab、TS1b、TS0b)のオン/オフ状態が制御され、オン動作したスイッチトランジスタに接続された単位電流トランジスタ(図9に示したトランジスタTP1a、TP0a、TPab、TP1b、TP0b)に流れる単位電流の合成電流が、階調電流Ipixとして各データラインDL1、DL2、DL3、・・・を介して順次供給される。
このとき、本実施例に係るデータドライバ130Aにおいては、上述したように、システムコントローラ140Aから出力される極性切換信号Dsに基づいて、各階調電流生成回路PXAの各電流生成部201、202、203、・・・に設けられたデコーダ回路部における論理動作の極性を切り換え設定することにより、単位電流トランジスタの選択状態を切り換えて、単位電流に設定された電流特性を切り換え制御することができるので、任意の電流特性を有する階調電流Ipixを生成、供給することができる。
ここで、階調電流Ipixは、例えば、全てのデータラインDL1、DL2、DL3、・・・に対して、少なくとも一定期間、並列的に供給されるように設定される。また、本実施形態においては、上述したように、基準電流Irefに対して予めトランジスタサイズにより規定された所定比率(2;k=0、1、2、3、・・・)の電流値を有する複数の単位電流を生成し、上記データラッチ部101、102、103、・・・からの出力信号に基づいて各スイッチトランジスタがオン/オフ動作することにより、所定の単位電流を選択して合成し、正極性の階調電流Ipixを生成して、データドライバ130A側からデータラインDL1、DL2、DL3、・・・方向に流し込むように該階調電流Ipixを供給する。
なお、本実施例に係るデータドライバ130Aにおいては、図12に示したように、定電流発生源IRから一定の電流値を有する基準電流Irefが供給される共通の基準電流供給線Lsに対して、複数の階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・が並列的に接続された構成を有し、図14に示したように、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・において、表示データD0〜D2に基づいて、同時に並行して各データラインDL1、DL2、DL3、・・・(表示画素)に供給する階調電流Ipixが生成されるので、基準電流供給線Lsを介して各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・に供給される電流は、定電流発生源IRにより供給される基準電流Irefそのものではなく、階調電流生成回路の数(すなわち、表示パネル110Aに配設されたデータラインDLの数に相当する;例えば、m個)に応じて、略均等分割された電流値(Iref/m)を有する電流が供給されることになる。
したがって、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・の電流生成部201、202、203、・・・を構成するカレントミラー回路部において設定される基準電流Irefに対する各単位電流の電流比率(すなわち、基準電流トランジスタに対する単位電流トランジスタのチャネル幅の比)を、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、・・・に供給される上記電流値(Iref/m)を勘案して、例えば、図9に示した回路構成における比率のm倍に設定するようにしてもよい。
また、他の構成として、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・に、例えば、シフトレジスタ回路131Aから出力されるシフト信号SR1、SR2、SR3、・・・に基づいて選択的にオン動作するスイッチ手段を設け、各電流生成部201、202、203、・・・において、表示データD0〜D2に基づいて階調電流Ipixが生成される電流生成供給動作の期間のみ、上記定電流発生源IRからの基準電流Irefをそのまま、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・に選択的に供給するようにしてもよい。
(表示パネル110の制御動作)
そして、表示パネル110A(表示画素)における制御動作は、図15に示すように、表示パネル110A一画面に所望の画像情報を表示する一走査期間Tscを1サイクルとして、該一走査期間Tsc内に、特定の走査ラインに接続された表示画素群を選択して、データドライバ130Aから供給される表示データD0〜D2に対応する階調電流Ipixを書き込み、信号電圧として保持する書込動作期間(選択期間)Tseと、該保持された信号電圧に基づいて、上記表示データに応じた発光駆動電流を有機EL素子OELに供給して、所定の輝度階調で発光動作させる発光動作期間(表示画素の非選択期間)Tnseと、を設定(Tsc=Tse+Tnse)し、各動作期間において、上述した画素駆動回路DCx(表示画素)と同等の駆動制御を実行する。ここで、各行ごとに設定される書込動作期間Tseは、相互に時間的な重なりが生じないように設定される。また、書込動作期間Tseは、少なくとも、上記データドライバ130Aにおける電流生成供給動作において、各データラインDLに階調電流Ipixを並列的に供給する一定期間を含む期間に設定される。
すなわち、表示画素への書込動作期間Tseにおいては、図15に示すように、特定の行(i行目)の表示画素に対して、走査ドライバ120Aにより走査ラインSLa、SLbを所定の信号レベルに走査することにより、データドライバ130Aにより各データラインDLに並列的に供給された階調電流Ipixを電圧成分として一斉に保持する動作を実行し、その後の発光動作期間Tnseにおいては、上記書込動作期間Tseに保持された電圧成分に基づく発光駆動電流を有機EL素子OELに継続的に供給することにより、表示データに対応する輝度階調で発光する動作が継続される。
このような一連の駆動制御動作を、図15に示すように、表示パネル110Aを構成する全ての行の表示画素群について順次繰り返し実行することにより、表示パネル一画面分の表示データが書き込まれて、各表示画素が所定の輝度階調で発光し、所望の画像情報が表示される。
この場合、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・から各データラインDL1、DL2、DL3、・・・に個別に供給される階調電流Ipixの電流特性を、特性切換信号Dsに基づいて適宜切り換え制御することができるので、例えば、図16(a)に示すように、表示データに基づいて指定される階調(階調レベル)に対する表示画素(有機EL素子)における発光輝度(すなわち、階調電流Ipixの電流値)の変化を表す発光特性を2種類(Ea、Eb)設定することができ、これらの発光特性を特性切換信号Dsのみを操作することにより簡易に切り換え設定することができる。
したがって、本実施形態に係る表示装置において、特性切換信号Dsを操作することにより、図16(a)に示すように、複数ビットのデジタル信号からなる表示データD0〜D2により指定される階調レベルが低階調となる領域(階調レベル“0”〜“3”)では、比較的緩やかに発光輝度が変化する(特性変化の傾きが小さい)傾向を示し、高階調となる領域(階調レベル“4”〜“7”)では、比較的急峻に発光輝度が変化する(特性変化の傾きが大きい)傾向を示す発光特性Ea、すなわち、下に凸となる1節の折れ線特性を有する発光特性が得られるので、図16(b)に示したようなガンマ特性曲線に良好に近似させることができ、所望の画像情報の色再現性を改善して、良好な表示品位を得ることができる。
また、本実施形態に係るデータドライバ及び表示装置によれば、各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・により各データラインDLを介して特定の行の表示画素群に供給される階調電流Ipixが、単一の定電流発生源IRから共通の基準電流供給線Lsを介して供給される一定の基準電流Iref、表示画素を比較的低い輝度階調で発光動作させる場合(階調電流Ipixの電流値が微少な場合)や、表示パネルの高精細化等に伴って表示画素への階調電流Ipixの供給時間(選択時間)が短く設定されている場合であっても、階調電流Ipixの生成に関連してデータドライバ(各階調電流生成回路PXA1、PXA2、PXA3、・・・)に供給される信号の伝達遅延の影響を排除して、データドライバの動作速度の低下を抑制することができ、表示装置における表示応答特性及び表示画質を一層向上させることができる。
<表示装置の第2の実施形態>
次に、本発明に係る電流生成供給回路を適用可能な表示装置の第2の実施形態について簡単に説明する。
(データドライバの構成例)
図17は、第2の実施形態に係る表示装置に適用されるデータドライバの実施例を示す概略構成図である。ここで、上述した実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化又は省略する。また、上述した第3の実施形態に示した電流生成供給回路(図8、図9)を適宜参照する。
本実施形態に係る表示装置に適用されるデータドライバは、概略、第3の実施形態に示した電流生成供給回路ILC(図8、図9参照)を基本構成とする階調電流生成回路が、各データラインDLに2組設けられ、所定の動作タイミングで各組の階調電流生成回路が、相補的かつ連続的に表示データの取り込み保持、階調電流の生成、供給動作を実行するように構成されている。ここで、本構成例においては、2組設けられた各階調電流生成回路群に対して、単一の定電流発生源から一定の電流値を有する負の基準電流Irefが供給される(基準電流Irefを引き抜く)ように構成されている。
本実施例に係るデータドライバ130Bは、図17に示すように、具体的には、図示を省略したシステムコントローラからデータ制御信号として供給されるシフトクロック信号SFCに基づいて、非反転クロック信号CKa及び反転クロック信号CKbを生成する反転ラッチ回路133Bと、該非反転クロック信号CKa及び反転クロック信号CKbに基づいて、サンプリングスタート信号STRをシフトしつつ、所定のタイミングでシフト信号SR1、SR2、・・・(上述したタイミング制御信号SCKに相当する;以下、便宜的に「シフト信号SR」とも記す)を順次出力するシフトレジスタ回路131Bと、該シフトレジスタ回路131Bからのシフト信号SR1、SR2、・・・の出力タイミングに基づいて、図示を省略した表示信号生成回路から順次供給される1行分の表示データD0〜D2を順次取り込み、システムコントローラからデータ制御信号として供給される特性切換信号Dsに基づいて設定される電流特性(又は、発光特性)に応じて、各表示画素における発光輝度に対応した階調電流Ipixを生成して、各データラインDL1、DL2、・・・を介して供給(印加)する2組の階調電流生成回路群132B及び132Cと、システムコントローラからデータ制御信号として供給される切換制御信号SELに基づいて、上記階調電流生成回路群132B及び132Cのいずれか一方を選択的に動作させるための選択設定信号(切換制御信号SELの非反転信号SLa及び反転信号SLb)を出力する選択設定回路134Bと、階調電流生成回路群132B及び132Cを構成する各階調電流供給回路PXB1、PXB2、・・・及びPXC1、PXC2、・・・(以下、「階調電流供給回路部PXB、PXC」とも記す)に共通の基準電流供給線Lsを介して一定の基準電流Irefを供給する(負極性の電流を供給して引き抜く)定電流発生源IRと、を備えて構成されている。
(反転ラッチ回路133B/選択設定回路134B)
本実施例に係るデータドライバ130Bに適用される反転ラッチ回路133B又は選択設定回路134Bは、概略、シフトクロック信号SFC又は切換制御信号SELが印加されると、当該信号レベルが保持されて、該信号レベルの非反転信号及び反転信号が、各々非反転出力端子及び反転出力端子から出力され、シフトレジスタ回路131Bに対して非反転クロック信号CKa及び反転クロック信号CKbとして、また、階調電流生成回路群132B(各階調電流生成回路PXB)及び132C(各階調電流供給回路部PXC)に対して非反転信号SLa及び反転信号SLb(選択設定信号)として供給する。
(シフトレジスタ回路131B)
シフトレジスタ回路131Bは、上述した反転ラッチ回路133Bから出力される非反転クロック信号CKa及び反転クロック信号CKbに基づいて、システムコントローラから供給されるシフトスタート信号STRを取り込み、所定のタイミングで順次シフトしつつ、該シフト信号SR1、SR2、・・・を階調電流生成回路群132B及び132Cを構成する各階調電流生成回路PXB、PXCに出力する。
(階調電流生成回路PXB、PXC)
図18は、本実施例に係るデータドライバに適用される階調電流生成回路の一具体例を示す構成図であり、図19は、本実施例に適用される階調電流供給回路を構成する電流生成部の一具体例を示す構成図である。ここでは、上述した代3の実施形態に示した電流生成供給回路(図8、図9)の構成と対応付けながら説明する。また、上述した実施形態と同等の構成については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略化又は省略する。
階調電流生成回路群132B、132Cを構成する各階調電流生成回路PXB、PXCは、図18に示すように、図8に示した電流生成供給回路ILCと同等の構成を有するデータラッチ部10及び電流生成部20Dと、選択設定回路134Bから出力される選択設定信号(非反転信号SLa又は反転信号SLb)に基づいて、各階調電流生成回路PXB、PXCの選択状態及び動作状態を選択的に設定する動作設定部(動作状態設定手段)ACTと、データラッチ部10に取り込み保持される表示データD0〜D2(データラッチ部10の非反転出力接点OT0〜OT2から出力される非反転出力信号d10〜d12)に基づいて、表示画素を黒表示動作等の特定の駆動状態で動作させる場合にのみ、データラインDL1、DL2、・・に対して特定電圧Vbkを印加する特定状態設定部BLKと、を備えた構成を有している。
ここで、電流生成部20Dは、図19に示すように、図9に示した電流生成部Cと同等の構成を有するデコーダ回路部21D(具体的な回路構成の図示を省略する)と、基準電流トランジスタTPs及び単位電流トランジスタTP1a、TP0a、TPab、TP1b、TP0bからなるカレントミラー回路部22Dと、スイッチトランジスタTS1a、TS0a、TSab、TS1b、TSP0bからなるスイッチ回路部22Dに加え、後述する動作設定部ACTから出力されるタイミング制御信号CLKに基づいて、電流入力接点INDと接点Ngdとの間の導通状態を制御するnチャネル型トランジスタからなるリフレッシュ制御トランジスタ(リフレッシュ手段)Tr60を備えた回路構成を有している。
すなわち、このリフレッシュ制御トランジスタTr60により、動作設定部ACTから出力されるタイミング制御信号(非反転クロック信号)CLKがハイレベルとなるタイミングにおいて、基準電流Irefに基づく電荷が接点Ngdに供給されてコンデンサCDに蓄積され、接点Ngdの電圧(すなわち、各単位電流トランジスタTP1a、TP0a、TPab、TP1b、TP0bのゲート端子に印加されるゲート電圧)が所定の一定電圧に再充電(リフレッシュ)される。なお、リフレッシュ動作については、後述する。
また、本実施例に係る階調電流生成回路PXB、PXCに適用される動作設定部ACTは、図18に示すように、選択設定回路134Bから出力される選択設定信号(非反転信号SLa又は反転信号SLb)を反転処理するインバータ64と、データラインDLが接続される出力接点Toutと電流生成部201の電流出力接点OUTiとの間に電流路が設けられ、制御端子に上記選択設定信号の反転信号(インバータ64の出力信号)が印加されるpチャネル型トランジスタからなる出力制御トランジスタTr63と、選択設定信号(非反転信号SLa又は反転信号SLb)の反転信号及びシフトレジスタ回路131Bからのシフト信号SRを入力とするNAND回路65と、該NAND回路65の論理出力を反転処理するインバータ66と、該インバータ66の反転出力をさらに反転処理するインバータ67と、基準電流Irefが供給される(基準電流供給線Lsが接続される)基準電流接点Tinsと電流生成部20Dの電流入力接点INiとの間に電流路が設けられ、制御端子に上記インバータ67の出力信号が印加されるpチャネル型トランジスタからなる電流供給制御トランジスタTr68と、を備えた構成を有している。
ここで、インバータ66の出力信号は、タイミング制御信号CLKとして、データラッチ部10の非反転入力接点CK、及び、電流生成部20Dに設けられたリフレッシュ制御トランジスタTr60に印加され、インバータ67の出力信号は、タイミング制御信号CLKとして、データラッチ部10の反転入力接点CKに印加される。また、システムコントローラ140Aから出力される極性切換信号Dsは、切換信号接点TCSを介して直接電流生成部20Dに入力される。
また、特定状態設定部BLKは、図18に示すように、データラッチ部10から出力される非反転出力信号d10〜d12を入力信号とする論理和演算回路(以下、「OR回路」と略記する)61と、該OR回路61の出力信号が制御端子(ゲート)に印加されるとともに、特定電圧Vbkを印加する電圧接点Vinと電流生成部20Dの電流出力接点OUTiとの間に電流路が設けられたpチャネル型トランジスタからなる特定電圧印加トランジスタTr62と、を備えた構成を有している。このような構成においては、OR回路61により上記データラッチ部10から出力される非反転出力信号d10〜d12の信号レベルが全て“0”となる特定状態(黒表示状態に相当する)であるか否かが判別され、該特定状態においてのみ、特定電圧印加トランジスタTr62を介して、データラインDLに特定電圧Vbkが印加される。
このような構成を有する階調電流生成回路PXB、PXCにおいては、選択設定回路134Bから動作設定部ACTに選択レベル(ハイレベル)の選択設定信号(非反転信号SLa又は反転信号SLb)が入力されると、インバータ64により信号極性が反転処理されることにより、出力制御トランジスタTr63がオン動作して、電流生成部20Dの電流出力接点OUTiが、出力制御トランジスタTr63及び出力端子Toutを介してデータラインDLに接続される。
このとき同時に、NAND回路65及びインバータ66、67により、シフト信号SRの出力タイミングに関わらずデータラッチ部10の非反転入力接点CKにはローレベルのタイミング制御信号(非反転クロック信号)CLKが、また、反転入力接点CK及び電流供給制御トランジスタTr68の制御端子にはハイレベルのタイミング制御信号(反転クロック信号)CLKが定常的に入力されて、データラッチ部10に保持されている表示データD0〜D2に基づく非反転出力信号d10〜d12が電流生成部20Dに供給されるとともに、電流生成部20Dへの基準電流Irefの供給が遮断される。
これにより、選択レベルの選択設定信号が入力された場合には、先のタイミングで取り込み保持した表示データD0〜D2に基づいて、データラッチ部10から出力される非反転出力信号d10〜d12に基づいて、電流生成部20Dにおいて、表示データD0〜D2に応じた階調電流Ipixが生成されて、データラインDLを介して表示画素に供給されることになり、階調電流供給回路PXB又はPXCは選択状態に設定される。
一方、選択設定回路134Bから非選択レベル(ローレベル)の選択設定信号(非反転信号SLa又は反転信号SLb)が入力されると、インバータ64により信号極性が反転処理されることにより、出力制御トランジスタTr63がオフ動作して、電流生成部20Dの電流出力接点OUTiが出力端子Tout(データラインDL)から切り離される。
このとき同時に、NAND回路65及びインバータ66、67により、シフト信号SRの出力タイミングに応じてデータラッチ部10の非反転入力接点CKにはハイレベルのタイミング制御信号CLKが、また、反転入力接点CK及び電流供給制御トランジスタTr68の制御端子にはローレベルのタイミング制御信号CLKが入力されて、データラッチ部10に表示データD0〜D2が取り込み保持されるとともに、電流生成部20Dに基準電流Irefが供給される。
これにより、非選択レベルの選択設定信号が入力された場合には、データラッチ部10において、表示データD0〜D2を取り込んで保持するものの、階調電流Ipixは生成されず、データラインDLには供給されないことになり、階調電流供給回路PXB又はPXCは非選択状態に設定される。なお、この非選択状態においては、電流生成部20Dに基準電流Irefが供給されるとともに、電流生成部20Dに設けられたリフレッシュ制御トランジスタTr60がオン動作することにより、基準電流トランジスタTPsのゲート端子(接点Ngd)の電位(コンデンサCD)が所定電圧に再充電されるリフレッシュ動作が実行される。
したがって、選択設定回路134Bにより、階調電流生成回路群132B及び132Cの各々に入力する選択設定信号(切換制御信号SELの非反転信号SLa又は反転信号SLb)の信号レベルを適宜設定することにより、2組の階調電流生成回路群132B及び132Cのいずれか一方を選択状態とするとともに、他方を非選択状態に設定することができる。
<表示装置の駆動制御方法>
次に、上述した構成を有する表示装置(データドライバ)の動作について、図面を参照して説明する。
図20は、本実施形態に係るデータドライバにおける制御動作の一例を示すタイミングチャートである。
(データドライバの制御動作)
上述したようなデータドライバ130Bにおける制御動作は、2組の階調電流生成回路群132B又は132Cのいずれか一方側に、表示データD0〜D2を取り込んで保持する信号保持動作期間においては、図20に示すように、i行目の水平選択期間(i)に非選択レベル(ローレベル)の選択設定信号を入力することにより、該水平選択期間(i)のうちの帰線期間を除く期間に、シフトレジスタ回路131Bから順次出力されるシフト信号SR1、SR2、SR3、・・・に基づいて、各データラインDL1、DL2、・・・に対応して設けられた各階調電流生成回路PXB1、PXB2、・・・又はPXC1、PXC2、・・・のデータラッチ部10に、(i+1)行目の各列の表示画素に対応して切り替わる表示データD0〜D2を順次取り込み保持する動作が1行分連続的に実行される。
また、この動作期間においては、電流生成部20D(カレントミラー回路部22D)に設けられたリフレッシュ制御トランジスタTr60、及び、動作設定部ACTに設けられた電流供給制御トランジスタTr68の双方がオン動作することにより、基準電流トランジスタTPsの電流路に基準電流Irefが流れ、該基準電流トランジスタTPsのゲート端子(接点Ngd)に基準電流Irefに応じた電荷が供給される。これにより、コンデンサCDに該電荷が蓄積(充電)され、ゲート端子の電位が所定電圧にリフレッシュされる(リフレッシュ動作)。ここで、動作設定部ACTに設けられた出力制御トランジスタTr63がオフ状態にあるため、電流生成部20Dにおける階調電流Irefの生成、及び、データラインDLへの供給は行われない。
次いで、上記取り込み保持された表示データD0〜D2に基づいて階調電流供給回路PXB又はPXCの一方側において、階調電流Irefを生成して供給する電流生成供給動作期間においては、図20に示すように、(i+1)行目の水平選択期間(i+1)に選択レベル(ハイレベル)の選択設定信号を入力することにより、該水平選択期間(i+1)のうちの帰線期間を除く期間に、出力制御トランジスタTr63がオン動作するとともに、上記リフレッシュ制御トランジスタTr60及び電流供給制御トランジスタTr68の双方がオフ動作する。
このとき、電流生成部20Dにおいて、コンデンサCDに充電された電圧成分により接点Ngdの電位は、所定の電圧に保持されるので、階調電流供給回路PXB又はPXCにおいて、上述した先のタイミングのデータ取り込み動作(i行目の水平選択期間)により取り込み保持された(i+1)行目の表示データD0〜D2に対応して、データラッチ部10から出力される反転出力信号d10〜d12に基づいて生成される制御信号d1a、d0a、dab、d1b、d0bにより、複数のスイッチトランジスタTS1a、TS0a、TSab、TS1b、TS0bのオン/オフ状態が制御され、オン動作したスイッチトランジスタに接続された単位電流トランジスタTP1a、TP0a、TPab、TP1b、TP0bに流れる単位電流が合成(選択的に合成)されて、各階調電流生成回路PXB1、PXB2、・・・又はPXC1、PXC2、・・・からデータラインDL1、DL2、・・・に階調電流Ipixとして同時(並列的)に供給される。
そして、このような信号保持動作及び電流生成供給動作を、図20に示すように、水平選択期間(1サイクル)ごとに、2組の階調電流生成回路群132B及び132Cにより同時に実行しつつ、かつ、交互に繰り返し実行するように設定することにより、例えば、一方の階調電流生成回路群132Bの非選択期間において、表示データD0〜D2を順次取り込む信号保持動作を実行しつつ、このとき同時に他方の階調電流生成回路群132Cに設定される選択期間において、先のタイミングで取り込んだ表示データD0〜D2に基づく階調電流Ipixを生成して、供給する電流生成供給動作を並行して実行することができる。
なお、本実施形態に係る表示装置においては、表示パネルの画像表示領域全域を黒表示等の特定の表示状態で駆動する場合には、表示データD0〜D2として信号レベルが全て“0”となる複数ビットのデジタル信号を入力することにより、水平選択期間のうち帰線期間を除く期間において、各階調電流生成回路PXB1、PXB2、・・・及びPXC1、PXC2、・・・のデータラッチ部10から電流生成部20D及び特定状態設定部BLK(OR回路61)に出力される非反転出力信号d10〜d12が全てローレベル(“0”)に設定される。
これにより、電流生成部20Dにおいて、単位電流I1a、I0a、Iab、I1b、I0bを選択的に合成するスイッチトランジスタTS1a、TS0a、TSab、TS1b、TS0bが全てオフ動作して階調電流Irefが生成されず、データラインDLの信号レベルが不確定状態となるが、特定状態設定部BLKに設けられた特定電圧印加トランジスタTr62を介して、例えば、表示画素における最低輝度階調での発光動作に対応した所定の黒表示電圧(特定電圧Vbk)が印加されることにより、データラインDLの信号レベルが速やかに確定して、良好な黒表示動作が実行される。
したがって、本実施形態に係るデータドライバ及び表示装置によれば、各データラインDLに対して、2組の階調電流生成回路(群)を備え、一方の階調電流生成回路により表示データを取り込み保持する信号保持動作と、他方の階調電流生成回路により階調信号を生成して出力する電流生成供給動作と、を並行して実行しつつ、かつ、該動作状態を水平選択期間ごとに交互に繰り返し実行することにより、データドライバから各表示画素に対して、表示データに適切に対応するとともに、所望の電流特性を有する階調電流を継続的に供給することができるので、データドライバの動作速度を実質的に向上させて、表示画素を所望の輝度階調で迅速に発光動作させることができ、表示装置の表示応答速度及び表示画質を一層向上させることができる。
また、2組の階調電流供給回路PXB、PXC(電流生成部20D)を構成する各単位電流トランジスタのゲート端子に印加される電位(ゲート電位)を、周期的に所定の一定電圧に再充電(リフレッシュ)することができるので、単位電流トランジスタにおける電流リーク等に起因するゲート電位の低下を抑制することができ、各単位電流トランジスタの導通状態のバラツキにより、階調電流(すなわち、表示画素の輝度階調)が不均一になる現象を抑制して、良好な階調表示動作(表示画質の向上)を実現することができる。
なお、上述した各実施形態に係る表示装置においては、データドライバ及び表示画素(画素駆動回路)として、電流印加方式に対応した構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6、図7に示したような電流生成供給回路ILBを基本要素として階調電流生成回路に適用し、表示画素側からデータドライバ方向に階調電流Ipixを引き込むように供給する電流シンク方式に対応した構成を有するものであってもよいことはいうまでもない。
本発明に係る電流生成供給回路の第1の実施形態を示す概略構成図である。 本実施形態に係る電流生成供給回路に適用される電流生成部の一具体例を示す回路構成図である。 本実施形態に係る電流生成部(カレントミラー回路部及びスイッチ回路部)の等価回路を示す回路構成図である。 本実施形態に係る電流生成部により実現される電流特性(階調レベルに対する負荷駆動電流の電流値特性)を示す概略特性図である。 本実施形態に係る電流生成部の制御動作の具体例を示すタイミングチャート及び電流特性のシミュレーション結果である。 本発明に係る電流生成供給回路の第2の実施形態を示す要部構成図である。 本実施形態に係る電流生成供給回路に適用される電流生成部の一具体例を示す回路構成図である。 本発明に係る電流生成供給回路の第3の実施形態を示す要部構成図である。 本実施形態に係る電流生成供給回路に適用される電流生成部の一具体例を示す回路構成図である。 本実施形態に係る電流生成部により生成される負荷駆動電流の電流特性のシミュレーション結果である。 本発明に係る電流生成供給回路を適用可能な表示装置の第1の実施形態を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る表示装置の要部構成を示す概略構成図である。 本実施形態に適用される表示画素(画素駆動回路)の一実施例を示す回路構成図である。 本実施形態に係るデータドライバにおける制御動作の一例を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係る表示パネル(表示画素)における制御動作の一例を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係る表示装置における指定階調に対する表示画素の発光特性(階調レベル−発光輝度)の一例を示す特性図である。 第2の実施形態に係る表示装置に適用されるデータドライバの実施例を示す概略構成図である。 本実施例に係るデータドライバに適用される階調電流生成回路の一具体例を示す構成図である。 本実施例に適用される階調電流供給回路を構成する電流生成部の一具体例を示す構成図である。 本実施形態に係るデータドライバにおける制御動作の一例を示すタイミングチャートである。 従来技術におけるデータドライバの一構成例を示す回路構成図である。 ディスプレイにおけるガンマ特性(階調レベル−輝度)の一例を示す特性図である。
符号の説明
ILA〜ILC 電流生成供給回路
IRA〜IRC、IR 定電流発生源
10 データラッチ部
20A〜20D 電流生成部
ACT 動作設定部
21A〜21D デコーダ回路部
22A〜22D カレントミラー回路部
22A〜22D スイッチ回路部
100A 表示装置
110A 表示パネル
120A 走査ドライバ
130A、130B データドライバ
132A〜132C 階調電流生成回路群

Claims (18)

  1. 負荷に所定の電流値を有する駆動電流を供給して、該負荷を所望の駆動状態で動作させる電流生成供給回路において、
    少なくとも、
    定電流源から供給される単一の基準電流が電流路に流れる単一の基準電流トランジスタと、
    前記基準電流トランジスタの制御端子に接続され、該基準電流トランジスタの前記電流路に前記基準電流を流したとき該基準電流の電流成分に応じた電荷を蓄積する一つの電荷蓄積手段と、
    制御端子が前記基準電流トランジスタの制御端子に共通に接続されて前記基準電流トランジスタとカレントミラー回路をなし、前記電荷蓄積手段に保持された電荷量に応じた単一の電圧成分に基づいて、前記基準電流に対して異なる電流比率を有する複数の単位電流を個別に生成するトランジスタサイズが各々異なる複数の単位電流トランジスタを有する単位電流生成手段と、
    前記負荷の駆動状態を設定する複数ビットのデジタル信号の各ビット値に基づいて前記単位電流を選択的に合成し、前記駆動電流として前記負荷に供給する駆動電流生成手段と、
    を備え、
    前記デジタル信号の前記各ビット値に基づく複数の階調レベルは複数の階調領域に分けられ、前記複数の単位電流トランジスタ2つ以上の所定の数の前記単位電流トランジスタからなる複数の単位電流トランジスタに分けられ、該各単位電流トランジスタ群に含まれる前記所定の数の単位電流トランジスタの各々によって生成される前記単位電流は単位電流群をなし、一つの前記単位電流群における前記各単位電流の電流値は、前記基準電流に対してC×2 (前記kは一つの単位電流トランジスタ群における各単位電流トランジスタに対応して設定される数であって、k=0、1、2、・・・に設定される。前記Cは前記各単位電流トランジスタのトランジスタサイズに基づいて設定される定数である。)の比率を有し、前記定数Cは前記複数の単位電流トランジスタ群の各々で異なる値に設定され前記駆動電流生成手段は、前記階調レベルが含まれる前記階調領域に対応して前記複数の単位電流トランジスタのうちの少なくとも一つの前記単位電流トランジスタ群によって生成される前記単位電流群の前記各単位電流を前記各ビット値に基づいて選択的に合成して前記駆動電流を生成して、前記各階調レベルに対する前記駆動電流の電流値を非線形特性とすることを特徴とする電流生成供給回路。
  2. 前記複数の階調レベルは前記階調レベルが低い領域からなる低階調領域と前記階調レベルが高い領域からなる高階調領域とに分けられ、
    前記複数の単位電流トランジスタ群は、前記定数が第1の値を有する第1の単位電流群を生成する第1の単位電流トランジスタ群と、前記定数が前記第1の値と異なる第2の値を有する第2の単位電流群を生成する第2の単位電流トランジスタ群と、を有し、
    記駆動電流生成手段は、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき前記第1の単位電流群に含まれる前記各単位電流のみを選択的に合成し、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき、前記第1の単位電流群と前記第2の単位電流群に含まれる前記各単位電流を選択的に合成することを特徴とする請求項1記載の電流生成供給回路。
  3. 前記第2の単位電流群における前記定数の値は、前記第1の単位電流群における前記定数の値より大きい値に設定されていることを特徴とする請求項2記載の電流生成供給回路。
  4. 前記第2の単位電流群における前記定数の値は、前記第1の単位電流群における全規定数の値より小さい値に設定されていることを特徴とする請求項2記載の電流生成供給回路。
  5. 前記駆動電流生成手段は、特性切換信号に基づいて、前記階調レベルに対応して選択的に合成する前記単位電流に対応する前記第1及び第2の単位電流群を変更して、前記階調レベルの増加に対する前記駆動電流の増加率を切り換える手段を備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の電流生成供給回路。
  6. 前記各単位電流トランジスタ群に含まれる前記各単位電流トランジスタは、該各単位電流トランジスタの各チャネル幅が、互いに2(k=0、1、2、3、・・・)で規定される、異なる比率に設定されていることを特徴とする請求項記載の電流生成供給回路。
  7. 前記電流生成供給回路は、前記複数ビットのデジタル信号を各ビットごとに保持する信号保持手段を備え、
    前記駆動電流生成手段は、前記信号保持手段に保持された前記デジタル信号の各ビット値に応じて、前記単位電流生成手段により生成される前記複数の単位電流を選択的に合成し、前記駆動電流として前記負荷に供給することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電流生成供給回路。
  8. 前記負荷は、前記電流生成手段から供給される前記駆動電流の電流値に応じて、所定の輝度階調で発光動作する電流駆動型の発光素子を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電流生成供給回路。
  9. 前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする請求項記載の電流生成供給回路。
  10. 少なくとも、複数の走査線及び複数の信号線が相互に直交するように配設され、該複数の走査線及び該複数の信号線の各交点に、マトリクス状に複数の表示画素が配列された表示パネルと、前記各表示画素を行単位で選択状態にするための走査信号を前記各走査線に印加する走査駆動部と、表示信号に基づく階調電流を、前記各信号線を介して前記各表示画素に供給する信号駆動部と、を備え、選択状態にある前記表示画素に対して、所定の電流値を有する前記階調電流を供給することにより、前記表示パネルに所望の画像情報を表示する表示装置において、
    前記表示画素は、前記階調電流の電流値に応じた輝度で発光動作する電流駆動型の発光素子を備え、
    前記信号駆動部は、
    前記各表示画素に対応して、前記表示信号に基づく複数ビットのデジタル信号を各ビットごとに保持する信号保持手段と、定電流源から供給される単一の基準電流が電流路に流れる単一の基準電流トランジスタと、前記基準電流トランジスタの制御端子に接続され、該基準電流トランジスタの前記電流路に前記基準電流を流したとき該基準電流の電流成分に応じた電荷を蓄積する一つの電荷蓄積手段と、制御端子が前記基準電流トランジスタの制御端子に共通に接続されて前記基準電流トランジスタとカレントミラー回路をなし、前記電荷蓄積手段に保持された電荷量に応じた単一の電圧成分に基づいて、前記基準電流に対して異なる電流比率を有する複数の単位電流を個別に生成するトランジスタサイズが各々異なる複数の単位電流トランジスタを有する単位電流生成手段と、前記信号保持手段に保持された前記デジタル信号の各ビット値に基づいて前記単位電流生成手段により生成される前記単位電流を選択的に合成し、前記表示画素に対して前記階調電流として供給する階調電流生成手段と、を有する電流生成供給回路を備え、
    前記デジタル信号の前記各ビット値に基づく複数の階調レベルは複数の階調領域に分けられ、前記複数の単位電流トランジスタ2つ以上の所定数の前記単位電流トランジスタからなる複数の単位電流トランジスタに分けられ、該各単位電流トランジスタ群に含まれる前記所定の数の単位電流トランジスタの各々によって生成される前記単位電流は単位電流群をなし、一つの前記単位電流群における前記各単位電流の電流値は、前記基準電流に対してC×2 (前記kは一つの単位電流トランジスタ群における各単位電流トランジスタに対応して設定される数であって、k=0、1、2、・・・に設定される。前記Cは前記各単位電流トランジスタのトランジスタサイズに基づいて設定される定数である。)の比率を有し、前記定数Cは前記複数の単位電流トランジスタ群の各々で異なる値に設定され前記階調電流生成手段前記階調レベルが含まれる前記階調領域に対応して前記単位電流群の少なくとも一つを選択の前記単位電流トランジスタ群によって生成される前記単位電流群の前記各単位電流を前記各ビット値に基づいて選択的に合成して前記階調電流を生成する手段を備えて、前記階調レベルに対する前記階調電流の電流値の特性が、前記階調レベルに対する前記発光素子の発光輝度の特性が所定のガンマ特性に近づくように、非線形に設定されていることを特徴とする表示装置。
  11. 前記複数の階調レベルは前記階調レベルが低い領域からなる低階調領域と前記階調レベルが高い領域からなる高階調領域とに分けられ、
    前記複数の単位電流トランジスタ群は、前記定数が第1の値を有する第1の単位電流群を生成する第1の単位電流トランジスタ群と、前記定数が前記第1の値と異なる第2の値を有する第2の単位電流群を生成する第2の単位電流トランジスタ群と、を有し、
    前記階調電流生成手段は、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき前記第1の単位電流群に含まれる前記各単位電流のみを選択的に合成し、前記階調レベルが前記階調領域に含まれるとき、前記第1の単位電流群と前記第2の単位電流群に含まれる前記各単位電流を選択的に合成することを特徴とする請求項10記載の表示装置。
  12. 前記階調電流生成手段は、特性切換信号に基づいて、前記階調レベルに対応して選択的に合成する前記単位電流に対応する前記第1及び第2の単位電流群を変更して、前記階調レベルの増加に対する前記駆動電流の増加率を切り換える手段を備えることを特徴とする請求項11記載の表示装置。
  13. 前記各単位電流トランジスタ群に含まれる前記各単位電流トランジスタは、該各単位電流トランジスタの各チャネル幅が、互いに2(k=0、1、2、3、・・・)で規定される、異なる比率に設定されていることを特徴とする請求項10記載の表示装置。
  14. 前記信号駆動部は、前記基準電流が供給される基準電流供給線を備え、前記複数の表示画素に対応する複数の前記電流生成供給回路の各々が、前記基準電流供給線に並列に接続され、該基準電流供給線を介して前記基準電流が供給されることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の表示装置。
  15. 前記信号駆動部は、少なくとも、前記信号線の各々に対して2組の前記電流生成供給回路を備え、
    一方の前記電流生成供給回路において前記信号保持手段に先のタイミングで保持した前記複数ビットのデジタル信号に基づいて、前記単位電流生成手段及び前記階調電流生成手段により生成された前記階調電流を、前記表示画素に供給する動作期間中に、他方の前記電流生成供給回路において前記信号保持手段に次の前記複数ビットのデジタル信号を保持する動作を、交互に順次繰り返し実行することを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の表示装置。
  16. 前記単位電流生成手段及び前記階調電流生成手段は、前記階調電流の信号極性を、前記表示画素側から引き込む方向に流すように設定することを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の表示装置。
  17. 前記単位電流生成手段及び前記階調電流生成手段は、前記階調電流の信号極性を、前記表示画素に流し込む方向に流すように設定することを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の表示装置。
  18. 前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする請求項10乃至17記載の表示装置。
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