JP4305003B2 - Euv光学系及びeuv露光装置 - Google Patents
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【従来の技術】
近年、半導体集積回路素子の微細化に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、従来の紫外線に代わって、これより波長の短いEUV光を使用した投影リソグラフィー技術が開発されている。この技術に使用されるEUV(極短紫外線)露光装置は、主としてEUV光源、照明光学系、マスク、投影光学系、ウエハステージ等により構成される。
【0002】
EUV光源には、放射光またはレーザープラズマ光源やDense Plasma Focus光源などが使用される。照明光学系は、斜入射ミラー、多層膜ミラー、および所定の波長のEUV光のみを反射または透過させるフィルタ等により構成され、マスク上を所望の波長のEUV光で照明する。マスクには反射型マスクが使用される。反射型マスクは、例えばEUV光を反射する多層膜上に反射率の低い部分を所定の形状に設けることによってパターンを形成したものである。このようなマスク上に形成されたパターンは、複数の多層膜ミラーで構成された投影光学系により、フォトレジストが塗布されたウエハ等の感応基板上に結像してレジストに転写される。なお、EUV光は大気に吸収されて減衰するため、その光路は全て所定の真空度に維持されている。
【0003】
EUV光の波長域では、透明な物質は存在せず、また物質表面での反射率も非常に低いため、レンズやミラーなどの通常の光学素子が使用できない。そのため、EUV光用の光学系は、反射面に斜め方向から入射したEUV光を全反射を利用して反射させる斜入射ミラーや、多層膜の各界面での反射光の位相を一致させて干渉効果によって高い反射率を得る、多層膜がコーティングされたEUVミラー等により構成されている。
【0004】
反射マスクもこのようなEUV多層膜ミラーを利用する。このようなEUV多層膜ミラーは、シリコンのL吸収端(12.3nm)の長波長側でモリブデンとシリコンからなる多層膜を用いたときに最も高い反射率が得られるが、波長13〜15nmでは入射角によらず70%程度である。シリコンのL吸収端よりも短波長側では、垂直入射で30%以上の反射率が得られる多層膜は殆ど開発されていない。多層膜ミラーの基板材料には、形状精度が高く表面粗さの小さい加工が可能な、石英や低熱膨張ガラス等のガラス材料が用いられている。
【0005】
EUV光源からはEUV光以外の紫外光、可視光が同時に放出される。これらの光は露光装置の露光精度に影響を与えたりミラーの温度を上昇させたりするので、従来の光学系においては、光路に透過型のフィルタを設けて、このフィルタで不要な光を吸収して除去していた。また、従来の光学系においてはミラー等の光学素子は、その側面等を金枠等の保持部材で保持していた。そして、光学素子が吸収した熱は熱伝導によって保持部材に伝達させ、保持部材を冷却することによって外部に逃がしていた。保持部材にはパイプを這わせて、パイプにフロリナート等の冷媒を流して冷却していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
透過型フィルタは、不要な波長の光以外に、露光に使用するEUV光も吸収する。フィルタによる吸収は数十%に達するため、露光に使用されるEUV光の光量が減少し、その結果露光装置のスループットが大幅に低減するという問題があった。
【0007】
放射光やプラズマ光源等のEUV光の光源から射出した露光波長以外の光は、多層膜ミラーによっても吸収される。透過型フィルタを使用しないと、多層膜で反射されやすい波長は、下流のミラーにまで到達し、投影光学系のミラーに吸収されて、その温度上昇につながる。投影光学系のミラーは特に高い形状精度が要求されるため、温度上昇による熱変形が問題となる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ミラーにより、露光に必要としない光を効率良く吸収させることができるEUV光学系、ミラーを効率的に冷却することができるEUV光学系、及びこれらのEUV光学系を使用したEUV露光装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、光学系を構成する複数の多層膜ミラーのうち、少なくとも1枚のミラーの分光反射率が、他のミラーの分光反射率と異なり、他のミラーが高い分光反射率を有する波長のうち露光に使用される波長以外の少なくとも1部の波長に対して、低い分光反射率を有するようにされていることを特徴とするEUV光学系(請求項1)である。
【0010】
図1を用いて本手段の作用効果を説明する。例えば、光源の波長が、露光に使用するEUV光より長い波長側で(a)に示すような連続スペクトルを有するとする。これをミラー1とミラー2の2つのミラーで反射させることを考える。(b)に示すようにミラー1とミラー2の分光反射率を異なるものとし、ミラー1が高い反射率を有する波長で、ミラー2が低い反射率を有し、ミラー2が高い反射率を有する波長で、ミラー1が低い反射率を有するようにしておく、すると、この2枚のミラーで反射された光の分光強度は(d)に示すようになり、全ての波長に対して小さくなる。よって、これらのミラーの下流側にあるミラーの熱負荷を小さくすることができる。
【0011】
これに対し、ミラー1とミラー2の分光反射率が同じで(c)に示すようになっているとすると、この2枚のミラーで反射された光の分光強度は(e)に示すようになり、高い分光強度を有する波長が残ることになる。この波長の光はさらに下流のミラーで吸収され、下流ミラーの熱変形を誘発する。
【0012】
本手段においては、(b)に示すようなミラーの組み合わせを用いることにより、他のミラーで吸収できない波長域の光を吸収し、下流側のミラーの熱負荷を減少させて、熱変形を小さくするという効果を奏する。
【0013】
(b)に示したような分光反射率とすると、ミラー1とミラー2で集中的に光の吸収が起こるので、ミラー1とミラー2の温度が上昇する。よって、これらの熱負荷が大きくなるミラーについては、十分に冷却することにより熱変形を小さくすることが好ましい。
【0014】
多層膜の分光反射率は、多層膜の光学特性によって変えることができる。例えば、多層膜の構成物質を変えるとよい。波長13nm付近のEUV光に対しては、一般的にモリブデンとシリコンを交互に堆積した多層膜が使用される。分光反射率を変えるには、例えば、モリブデンの代わりにルテニウムやロジウムを使用するとよい。これにより、モリブデンと同等のEUV光の反射率を有しつつ、他の波長の分光反射率を変えることができる。また、シリコンの代わりにシリコン化合物(例えば炭化シリコン、ホウ化シリコン等)を用いるとよい。
【0015】
また、多層膜の最表面の薄膜層の構成物質、膜厚又は密度を、他のミラーのものと変えてもよい。モリブデンとシリコンからなる多層膜の場合、最上層はシリコンにする場合が多いが、そのシリコンの膜厚を厚くしたり、密度を低くすると、EUV光以外の波長の分光反射率が変わるので好ましい。さらに最上層にシリコン以外の物質を形成してもよい。
【0016】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、熱変形の許容差が大きなミラーであることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0017】
各ミラーには設計上熱変形の許容差が決まっており、ミラーによって許容差が異なっている。分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、比較的吸収熱量が大きいため、熱変形の許容差が大きいミラーに適用すれば、熱変形が比較的大きくても、光学特性に与える影響は小さいので、冷却機構等の設計を容易にすることができる。
【0018】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、他のミラーより熱膨張率が小さなミラーであることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0019】
分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、比較的吸収熱量が大きいが、これを熱膨張率が小さなミラーに適用することにより、当該ミラーの熱変形量を抑えながら、当該ミラーに、他のミラーが吸収しない波長域の光の吸収をさせることができる。
【0020】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、前記光学系を構成する複数のミラーのうち、少なくとも2枚のミラーに温度を制御するための温度調整機構が設けられ、当該温度調整機構のうち少なくとも1つは、ミラーの温度調整形態が他の温度調整機構のものと異なることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0021】
光学系を構成する複数のミラーは、必要に応じてそれぞれ冷却することが好ましい。ミラーの冷却方法には複数の方法が挙げられるが、それぞれ一長一短がある。例えば、ミラーに水冷機構を直接接合する場合などは、冷却機構を取り付けることによって、ミラーに力が加わりミラーが変形してしまうことが問題である。このような方法は、高い形状精度が求められるミラーに対しては適応が困難である。一方、ミラーが変形しないように冷却する方法としては、輻射を利用した冷却手段や、サーモトンネリング方式、ミラーに希薄なガスを拭きつける方法などが挙げられるが、このような方法は比較的冷却能力が低い。
【0022】
本手段においては、少なくとも2枚のミラーに温度を制御するための温度調整機構を設け、当該温度調整機構のうち1つはミラーの温度調整形態が他の温度調整機構のものと異なるようにしている。形状誤差が比較的許容されないミラーに対しては、ミラー変形を伴わない温度調整機構を採用し、形状誤差が比較的許容できるミラーに対しては、多少の変形を伴うが冷却能力の高い温度調整機構を採用することが好ましい。例えば、投影光学系のミラーには、前者の温度調整機構を適応し、照明光学系のミラーには、後者の冷却機構を適応するとよい。さらに、前者の冷却機構を採用したミラーは、その分光反射率を他のミラーとは異なるものとして、他のミラーでは吸収しにくい波長を吸収させるとよい。
【0023】
前記温度調整機構の形態を異ならせる方法としては、ミラーと温度調整機構との熱交換位置が異なるようにしてもよい。また、熱交換方法を異ならせてもよい。交換方法は、輻射を利用した方式、ガスをミラーに接触させる方式、液体をミラーに接触させる方式、固体をミラーに接触させる方式、サーモトンネリンング方式等を採用することができる。サーモトンネリング方式は、被温度調整部材に温度調整用部材を微小な間隔を介して配置したものであり、当該間隔が30nm以下であることが、熱伝達の面から特に好ましい。
【0024】
前記温度調整機構の形態を異ならせる方法として、熱移動方式を異ならせてもよい。熱移動方式は、熱伝導方式、電子冷却方式、ヒートパイプ方式、ガスあるいは液体を流す方式等を採用することができる。
【0025】
また、前記ヒートパイプ方式のパイプ材料に弾性率の低い材料を選択することが好ましい。このようにすると、ミラーとパイプ材料の熱膨張率が違う場合でも、これに伴う応力の発生を小さくすることができる。
【0026】
このように本手段においては、ミラーに要求される性能に応じて、これらを適宜選択して使用することにより、ミラーの熱変形を効率的に抑えることができる。
【0027】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第1の手段から第4の手段のいずれかであって、透過型フィルタを有しないことを特徴とするEUV投影光学系(請求項5)である。
【0028】
本手段においては、透過型フィルタを有しないので、露光に使用されるEUV光が吸収されることが無く、照射光量を増加させることができる。
【0029】
前記課題を解決するための第6の手段は、照明光学系と、前記第1の手段から前記第5の手段の何れかであるEUV投影光学系と、を備えるEUV光学系であって、前記分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、照明光学系のミラーであることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0030】
分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、比較的吸収熱量が大きいため、比較的形状精度誤差が許容されるミラーに適応することが好ましい。照明光学系のミラーは、投影光学系のミラーに比して熱変形の許容度が大きいので、分光反射率が他のミラーと異なるミラーを、照明光学系のミラーとすることが好ましい。又、照明光学系において広い波長域の光を吸収しておくことにより、それより下流にあり、熱変形の許容精度が厳しい投影光学系のミラーの熱変形を小さくすることができる。
【0031】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第1の手段から第6の手段のいずれかであるEUV投影光学系またはEUV光学系を具備したことを特徴とするEUV露光装置(請求項7)である。
【0032】
本手段においては、前記第1の手段から第6の手段のいずれかであるEUV投影光学系またはEUV光学系を具備しているので、それぞれの説明の欄で述べた作用効果を奏することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図2に本発明の実施の形態の例であるEUV光学系を示す。光源1には標的となるガスが導入されており、レーザ(図示せず)からのレーザ光によってプラズマ3が形成され、プラズマ3からEUV光が放出される。このEUV光はミラーC1で反射されて集光され、光源1外に照射される。このEUV光は、照明光学系を構成するミラーC2、C3、C4、C5で順次反射され、視野絞り(成形開口)4を通してレチクルLを照明する(本明細書においては、ミラーC1も照明光学系の一部として考えている)。
【0034】
レチクルLに形成されたパターン部で反射されたEUV光は、視野絞り4を通り、投影光学系を構成するミラーM1、M2、M3、M4、M5、M6で順次反射され、レチクルLのパターンの像をウエハW上に結像する。投影光学系のミラーM2とM3の間には、開口絞り5が設けられ投影光学系のNAを決定している。各々のミラーは、いずれも多層膜ミラーである。
【0035】
照明光学系の最も上流にあるミラーC1およびミラーC2は、光源1に最も近い位置にあるので、ミラーに入射する光の光量も最も大きい。そのため、これらのミラーには冷却能力の高い冷却機構を設けている。すなわち、ミラーC1、C2の裏面にそれぞれ冷却パイプ6、7を固定して、冷却パイプ6、7内にフロリナート等の冷媒を流している。冷却パイプ6、7にはミラーと熱膨張率がぼぼ等しいものを使用している。
【0036】
例えば、ミラーC1、C2の材質に熱伝導率が高く熱膨張率が小さいインバーあるいはスーパーインバーを使用した場合には、冷却パイプ6、7の材質もインバーあるいはスーパーインバーにするとよい。また、ミラーC1、C2の裏面に直接冷媒が接触するようにしてもよい。例えば溝を形成した板状部材をミラーC1、C2の裏面に押し当てて、溝に冷媒を流すことによってミラーC1、C2の熱を直接冷媒に移すことができ、高い冷却効率を得ることができる。
【0037】
またミラーC1にはさらに別の冷却機構を追加している。すなわち、ガスノズル2からミラーの表面にヘリウム等の希薄ガスを拭きつけるようにしている。ガスを拭きつけることによってミラー周辺の真空度が悪くならないように、ミラーの近傍に排気システムを配置して、ガスを回収するとよい。ガスは回収したのちリサイクルしてもよい。光源がガス等のターゲットを使用する場合は、このガスと一緒に冷却ガスを回収するとよい。
【0038】
さらにミラーC1の冷却機構として輻射冷却機構を設けている。すなわち、ミラーC1からミラーC2に向かう光束の周辺に板状部材16を配置することによって、ミラーC1からの輻射熱を板状部材16で吸収できる。板状部材16は水冷等で冷却すればよい。
【0039】
ミラーC1の冷却方法は前記手法を組み合わせることが好ましい。複数の手法を組み合わせることによって、ミラーの冷却能力が向上する。
【0040】
ミラーC1とミラーC2には、他のミラーと分光反射率が異なる多層膜を形成している。すなわち、C1にはロジウムと炭化シリコンからなる多層膜を、C2にはロジウムとシリコンからなる多層膜を形成している。ミラーC2には、ミラーC1と同じような、冷却パイプ7を有する冷却機構を装着している。
【0041】
ミラーC3とミラーC4は、インテグレータとしての役割を果たしている。これらはC1、C2に比べてミラーの形状精度が厳しいため、裏面に冷却部材を直接接触させることは好ましくない。よって、裏面に板ばねを接触させて、ばねの他端をペルチェ素子8、9で冷却するようにしている。ペルチェ素子8、9自体も冷却する必要があるが、この冷却には、不図示のヒートパイプを用いている。
【0042】
ヒートパイプを照明光学系の金枠に固定する際、ペルチェ素子8、9に力が加わって、さらにその力がペルチェ素子8、9とミラーC3、C4とをつなぐ板ばねを変形させ、その結果ミラーC3、C4が変形する恐れがある。このような変形の伝達を抑制するためにヒートパイプを弾性率の低い素材で構成することが好ましい。例えばヒートパイプを金属ではなくフッ素樹脂等の樹脂で構成するとよい。
【0043】
投影光学系を構成するミラーは照明光学系のミラーに比べて桁違いに厳しい形状精度が求められる。一方、光源から発した光のほとんどは照明光学系のミラーに吸収されるため、ミラーに投入される熱エネルギーは比較的小さい。そのために投影光学系のミラーに対しては照明光学系のミラーとは異なる冷却方式を選択することが好ましい。
【0044】
本実施の形態においては、投影光学系のミラーを、全て非接触な冷却方式で冷却している。すなわち、ミラーM1、M2、M4、M6においては、ミラーの裏面にそれぞれ、冷却板10、11、13、15を近接させて、ミラー裏面と冷却板との間隔を30nm以下となるように保っている。このような極めて小さな間隔で近接させることによって、サーモトンネリング効果により高い冷却効率が得られる。
【0045】
ミラー裏面と冷却板との間隔を微小な値に保つために、冷却板をピエゾステージ上に配置して、冷却板とミラー裏面との間隔を高精度に調整できるようにしている(不図示)。また、冷却板にミラー裏面との距離を測定するための静電センサ等の距離センサを設けて、フィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0046】
ミラーM3とミラーM5は、その裏面に他のミラーあるいはウエハが近接しているために、ミラーの裏面に冷却機構を配置することが困難である。そこで、ミラーの側面に、それぞれ冷却板12、14を近接させて輻射方式で冷却している。これらの冷却板12、14はペルチェ素子で冷却し、さらにペルチェ素子で発生した熱をヒートパイプで外部に放出している。
【0047】
視野絞り4は、投影光学系の無収差フィールドと同様の輪帯形状の開口を有する。視野絞り4は、交換が可能で、実効視野が調整できるようにしている。開口絞り5はミラーM2とM3の間で、光束が光学系の回転対称軸と交差する位置に配置している。開口絞り5も、開口部サイズの異なる複数の絞りを交換できるような機構を設けて、光学系の実効開口数が調整できるようにしている。これらの絞りには冷却機構を設けて、温度が所望の値以上に上昇しないように制御している。
【0048】
このように、ミラーC1とミラーC2により、他のミラーで吸収されない波長域の無駄な光を吸収するので、本実施の形態においては、透過型のフィルタを用いてない。よって、EUV光のフィルタによる吸収が無くなり、それだけ照射量を上げることができるので、露光装置のスループットを高くすることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ミラーにより効率良く露光に必要としない光を吸収させることができるEUV光学系、ミラーを効率的に冷却することができるEUV光学系、及びこれらのEUV光学系を使用したEUV露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミラーの分光反射率を異ならせることの効果を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態の例であるEUV光学系を示す図である。
【符号の説明】
1…光源、2…ガスノズル、3…プラズマ、4…視野絞り、5…開口絞り、6…冷却パイプ、7…冷却パイプ、8…ペルチェ素子、9…ペルチェ素子、10〜冷却板15…冷却板、16…板状部材、C1〜C5…ミラー、M1〜M6…ミラー、L…レチクル、W…ウエハ
Claims (7)
- 光学系を構成する複数の多層膜ミラーのうち、少なくとも1枚のミラーの分光反射率が、他のミラーの分光反射率と異なり、他のミラーが高い分光反射率を有する波長のうち露光に使用される波長以外の少なくとも一部の波長に対して、低い分光反射率を有するようにされていることを特徴とするEUV投影光学系。
- 前記分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、熱変形の許容差が大きなミラーであることを特徴とする請求項1に記載のEUV投影光学系。
- 前記分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、他のミラーより熱膨張率が小さなミラーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のEUV投影光学系。
- 前記光学系を構成する複数のミラーのうち、少なくとも2枚のミラーに温度を制御するための温度調整機構が設けられ、当該温度調整機構のうち少なくとも1つは、ミラーの温度調整形態が他のミラーの温度調整機構のものと異なることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか1項に記載のEUV投影光学系。
- 透過型フィルタを有しないことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載のEUV投影光学系。
- 照明光学系と、請求項1から請求項5の何れか1項に記載のEUV投影光学系と、を備えるEUV光学系において、
前記分光反射率が他のミラーと異なるミラーは、前記照明光学系のミラーであることを特徴とするEUV光学系。 - 請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のEUV投影光学系またはEUV光学系を具備したことを特徴とするEUV露光装置。
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