JP4304309B2 - 毒物学および投薬予測のための動物モデル - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2002年5月30日に出願された米国仮出願番号60/384,715の利益を主張し、これはその全体において参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、細胞生物学の分野である。より詳細には、本発明は、作用物質の活性または毒性を評価するために使用され得る成熟表現型を有する組織を得るために、1種から得られ、かつ別種の宿主においてインビボでの発生を介して進歩させられる胎児組織の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
動物モデルの使用は、新しい薬物の効力および安全性の正確な評価に不可欠である。2種(通常げっ歯類(ウサギ、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等)、そしてしばしば霊長類)において実行される試験は、研究用新薬アプリケーション(IND)を出願する場合、必要とされる。げっ歯類モデルは、より安価であるが、しばしば進化論的にヒトから非常に遠く、従ってヒトの生理機能を適切に反映しないという問題を、しばしば被る。これは、効力および安全性研究の両方について、真実である。このことが、低分子薬物について持続的な問題である一方、より多くの抗体が開発されるほど、この問題は、さらにより重大となる。
【0004】
抗体は、アミノ酸の異なる配列を認識し、所定のタンパク質に対してのみでなく、特定の種に対してもまた、特異的であり得る。例えば、ラット上皮細胞接着分子(EpCAM)に対する抗体は、ラットEpCAMを認識し得るが、マウスEpCAMもヒトEpCAMも認識せず(Stephanら、Endocrinology 140:5841−5854,1999)、そして抗ヒトEpCAM抗体についてはその逆である。ラットEpCAM、マウスEpCAMおよびヒトEpCAMのタンパク質配列が、98%を超えて保存されている場合でさえ、このことは、真実である。治療的使用のためのほとんどの抗体は、ある程度の種特異性を有すると予期される。ほとんどの抗体が、げっ歯類タンパク質と反応せず、そしていくらかの抗体が、タンパク質のヒト形態について完全に特異的であり、そして同じタンパク質の非ヒト霊長類バージョンと交差反応しない。
【0005】
癌の処置のために開発された抗体は、ヒト腫瘍から得られた細胞株を免疫欠損症ラットまたはマウス(nu/nuまたはSCID)中に皮下的に注入することにより、効力について慣用的に試験される。この動物の免疫系が、ヒト細胞を攻撃しないために、ヒト細胞は、ヒト腫瘍に成長し得る。次いで、これらの腫瘍に対するモノクローナル抗体の効果は、ヒトタンパク質特異的モノクローナル抗体をマウスに投与することにより、研究され得、そして腫瘍の成長、縮小または死が、測定される。より稀には、腫瘍細胞は、腎臓被膜、よく脈管形成された領域の下で移植され得、そしてこの場所で成長し得る。これらは、「異種移植モデル(Xenograft model)」と呼ばれる。
【0006】
しかし、これらの異種移植モデルは、投与されるモノクローナル抗体が、マウスタンパク質にもラットタンパク質にも結合せず、従って抗体−標的媒介機構を介してげっ歯類宿主を害し得ないために、薬物安全性評価を実施するのに十分適合されない。次いで、モノクローナル抗体が霊長類細胞と交差反応性である場合、場合、一般に、安全性研究は、霊長類において行われなければならないか、またはI期ヒト臨床試行からのデータを待たなければならない。臨床試行より初期の段階での通常の出生後のヒト組織または成体ヒト組織におけるこれらの抗体の毒性を評価する手段を有する多くの使用が、明らかである。
【0007】
このような安全性を評価する1つの公知のアプローチが、抗体により結合される種々のヒト細胞型またはヒト組織型を決定するために、免疫組織化学を使用することである。しかし、抗体結合のみでは安全性を予測しないことが、抗体臨床試行から周知である。いくつかのモノクローナル抗体は、癌組織に結合するが、その機能に逆に影響しない、すなわち、癌細胞を破壊することも、癌細胞の増殖を減少することもない。例えば、Lewisら、Cancer Immunol Immunother 37:255−263(1993);Herlynら、J Immunol Methods 73:157−167(1984);Fendlyら、Cancer Reseasrch 50:1550−1558(1990);およびBalzerら、J Mol Med 77:699−712(1999)を参照のこと。
【0008】
さらに、正常な健康な成体から種々の組織型の組織を得ることは特に困難であり、従って、正常組織への抗体の結合の効果を決定すること、または正常組織における抗体の任意の毒性を評価することは、困難である。ヒト組織を使用するほとんどの研究が、検死解剖にて除去される組織を使用する。これらの組織は、質および疾患状態において変動し易く、そしてしばしば大きな変化を受ける。あるいは、癌のような疾患組織(例えば、ガン)に隣接しているために、外科手術の間に除去され、そして直ちに凍らされ、または保存される、組織が得られ得る。この外科的に除去された組織は、検死解剖の組織よりも生きている組織により関連しているが、疾患組織への近接および/または患者が受ける処置のために、この組織はまた、正常組織と大きく異なり得る。
【0009】
同時のヒト疾患(例えば、腫瘍)組織および正常組織に対するモノクローナル抗体、または他のタンパク質薬物もしくは低分子薬物のような作用物質の効果の直接の比較を可能にする動物モデルは、作用物質の毒性および効力を評価する際に極めて重要である。モデル動物以外の種における治療剤の投薬にわたる評価を可能にする動物モデルがまた、INDの出願を支持するのに使用される毒物学および他の研究を設計する目的のために特に有用であり得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、成熟表現型を有する正常組織および疾患組織の非ヒト動物モデルを提供する。このモデルは、正常組織および疾患組織に対する種々の作用因子の効果(例えば、毒性)を測定するために特に有用である。
【0011】
従って、1つの局面において、本発明は、以下の工程により、第1の脊椎動物由来の成熟表現型の標的正常組織および標的疾患組織の両方を有する、非ヒト脊椎動物モデルを生成するための方法である:(a)第1の動物の非成熟細胞または原型細胞から作製される非成熟標的正常組織または正常組織組み合わせ体を、前記組織の成長および成熟を支持するのに十分な場所にて第2の非ヒト脊椎レシピエント動物中に移植する工程;(b)第1の動物の標的通常組織を成熟表現型を有する組織中に発生させる工程;(c)第1の動物の標的疾患組織または疾患細胞を疾患組織の成長を支持するために十分な場所にて非ヒト脊椎動物レシピエント動物中に移植する工程;および(d)第1の動物由来の標的疾患組織または疾患細胞が成長するのを可能にする工程。
【0012】
特定の好ましい実施形態において、第1の動物由来の標的正常組織および標的疾患組織の両方が、1つの単一非ヒト脊椎動物における異なる場所中に移植される。別の実施形態において、正常標的因子および疾患標的因子は、所望される比較データに依存して、同じ種の異なる動物または異なる種の異なる動物中に移植される。好ましくはこの場合、移植は、並行して、または実行可能なほど同時に近くで、より好ましくは同日で、行われる。いくつかの実施形態において、移植された標的正常組織および移植された疾患組織の両方は、ヒト起源である。
【0013】
第2の動物中に移植される組織を有するのに適切な脊椎動物は多く、これらとしては、例えば、限定ではなく、哺乳動物および他の脊椎動物が挙げられ、マウス、ラット、トリ、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカ、ウマ、ウシ、ヒトならびにヒヒ、チンパンジーおよびサルのような非ヒト霊長類が特に好ましい。
【0014】
移植のために標的組織の宿主としてはたらく、または標的組織を受けるために選択される動物は、好ましくは免疫欠損症非ヒト脊椎動物である。この機能をはたらくのに適切な動物は多く、例としては限定なしに、哺乳動物および非哺乳動物の脊椎動物が挙げられる。特に好ましい実施形態は、望ましくは、マウス、ラット、ウサギ、カエル、トリ、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギおよび非ヒト霊長類からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、非ヒト霊長類は、ヒヒ、チンパンジー、またはサルである。本発明に従って、移植を受け、かつ移植の宿主としてはたらくために特に好ましい非ヒト脊椎動物は、免疫欠損症げっ歯類(マウスおよびラット)である。
【0015】
別の局面において、本発明は、免疫欠損症の、第2の、非ヒトレシピエントまたは宿主動物中に存在する成熟表現型を有する第1の脊椎動物種由来の標的正常組織および/または疾患組織についての組織モデルであり、ここで標的正常第1の種組織および/または標的疾患第1の種組織は、以下の生物学的系の組織からなる群から選択される:中枢神経系:脳−大脳(ニューロン、グリア等を含む灰白質および白質)および脳−小脳、眼、脳幹(脳橋、骨髄、中脳)、脊髄;内分泌腺:腎臓(副腎皮質および副腎髄質)、卵巣、膵臓(ランゲルハンス島および外分泌腺膵臓)、副甲状腺、下垂体(腺下垂体および神経下垂体)、精巣、甲状腺(濾胞上皮、傍濾胞、コロイド等);胸:胸(小葉、導管、筋上皮細胞等);造血系:脾臓、扁桃腺、胸腺、骨髄(リンパ球、単核白血球/マクロファージ、顆粒細胞、赤血球前駆体、巨核球、マスト細胞、破骨細胞、骨芽細胞)、末梢血球(好血球、リンパ球、単球、好塩基球、好酸球、赤血球、血小板);呼吸器系:肺(気管支、細気管支、肺胞等);心臓血管:心臓、血管(動脈、静脈等);胃腸:食道、胃(底)、小腸(回腸、空腸、または十二指腸)、結腸、肝臓(門脈三管、肝細胞等)、唾液腺;尿生殖器;腎臓、泌尿器、膀胱、尿管、尿道、ファローピウス管、膣、胎盤、前立腺、子宮、子宮頚;筋骨格:骨格筋;皮膚:皮膚(表皮、付属体、真皮);末梢神経;中皮細胞:胸壁、腹壁、心膜または胃腸の表面由来の管壁細胞、心臓および/または肺サンプル等。
【0016】
特定の好ましい局面において、本発明は、成熟表現型を有する標的正常ヒト組織および標的疾患ヒト組織についてのヒト組織モデルを有する免疫欠損症マウスまたはラットであり、ここで、正常ヒト組織は、肺、前立腺、腎臓、膵臓、膀胱、皮膚、肝臓、心臓、結腸、十二指腸、胃、甲状腺、唾液腺、および胸腺からなる群から選択される。
【0017】
別の局面において、本発明は、標的疾患組織に対して向けられる処置の効果を、このような処置を成熟表現型を有する標的正常組織および標的疾患組織の各々の少なくとも1つを有する、1種の免疫欠損症非ヒト脊椎レシピエント動物に適用することにより、評価するための方法であり、ここで、これらの標的組織は、レシピエント動物と異なる脊椎動物種由来であり、そして標的正常組織および標的疾患組織における処置の効果を評価する。
【0018】
特定の局面において、本発明の動物モデルは、癌のような疾患組織に対して、放射線療法、化学療法、もしくは放射線医薬品療法または放射線免疫療法のために使用される処置候補と共に、適用される候補処置を評価するために特に有用である。本発明の動物モデルはまた、新生物または腫瘍の放射線画像化、および転移の研究のために有用である。
【0019】
他の局面において、本発明は、ドナー動物由来の成熟表現型を有する標的正常組織および標的癌組織の少なくとも1つを有する免疫欠損症レシピエント動物に対して作用因子を投与することにより、標的組織に対して毒性である作用因子の投薬量を決定し、かつ正常標的組織および癌標的組織に対する作用因子の毒性効果または有害効果または逆効果のいずれかを評価するための方法である。
【0020】
別の局面において、本発明は、成熟表現型を有する標的正常組織およびドナー動物由来の感染した、疾患のまたは癌性の標的組織の両方を有する免疫不全レシピエント動物に因子を投与すること、ならびに正常組織よりも大きな程度で感染した、疾患のまたは癌性の標的組織の増殖を減少させるかまたは破壊する因子を同定することによって、正常細胞よりも大きな程度まで感染した、疾患のまたは癌性の標的細胞に対して毒性である因子を同定するための方法である。
【0021】
別の局面において、本発明は、成熟表現型を有する正常標的組織およびドナー動物由来の癌性のヒト組織の両方を有する免疫不全レシピエント動物に因子を投与すること、ならびに正常組織および疾患のまたは癌性の標的組織に対して効果的である因子の量を決定することによって、正常細胞よりも大きな程度まで疾患のまたは癌性の細胞に対して毒性の因子の有効量を決定するための方法である。
【0022】
なお他の実施形態において、動物全体に基づくスクリーニングアッセイが提供される。これらの実施形態において、本発明は、動物に投与される処置の細胞傷害特性、細胞成長抑制特性、抗菌特性、抗炎症特性または他の治療特性を試験するため、あるいは、癌、感染および/または疾患の発生を制御または阻害する際にこのような処置の活性を試験するために、本発明に従って標的組織移植片を既に受容した非ヒト宿主動物またはその一部の使用を包含する。従って、本発明の別の局面に従って、処置、薬物または他の物質をスクリーニングおよび同定または試験する方法、あるいは癌、感染および/または疾患の発生または処置に対する活性の処置は、本発明の教示に従って標的組織移植片を既に受容した非ヒト宿主動物に、この処置、薬物または関心のある他の物質を投与する工程、ならびに処置、薬物または物質を受容していない対応する動物と比較して、癌、感染および/または疾患の発生の任意の減少した発生率および減少した罹患率を検出または注意する工程、あるいは、身体機能を維持、回復または改善する際の有効性を検出または注意する工程を包含する。
【0023】
(本発明の詳細な説明)
本発明者らは、標的正常胎児組織またはヒトもしくは他の動物種由来の組織組み換え体(代表的に、正常細胞株および解剖されたラットまたはマウス間充織を使用して作製される)は、インビボで発生成熟を受け得る非ヒト動物モデルを記載する。得られるモデルは、正常および/または疾患した(例えば、癌性)標的組織の両方に対する因子の効果を評価するために使用され得る。このモデルは、ヒトモデルとして特に有利である。なぜなら、種々の器官を代表する正常成熟ヒト組織は、実験に容易に入手可能でないからである。ヒト胎児組織またはヒト前駆細胞から作製された組織組み合わせ体の使用は、容易に入手可能でない種々の成熟ヒト組織に対するアクセスを提供する。例えば、ヒト膵臓前駆細胞は、ヒト導管、腺房細胞、および島細胞を生じ得る。この非ヒト動物モデル(すなわち、異種移植片モデル)を使用して、治療的処置レジメンまたは因子の効果は、成熟ヒト膵臓細胞の3つ全ての型について容易に評価され得る。
【0024】
同様に、本発明者らは、インビボで発生成熟を受け得る胎児組織または組織組換え体が他の非ヒト脊椎動物由来である非ヒト動物を記載する。
【0025】
(I.一般的技術)
本発明の実施は、他に記載されない限り、示された、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術(当該分野の技術の範囲内である)を使用する。このような技術は、以下のような文献に完全に説明される:Molecular Cloning:A Laboratory Manual,second edition(Sambrookら,1989)Cold Spring Harbor Press;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993−8)J.Wiley and Sons;Methcds in Enzymology(Academic Press,Inc.);Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullisら,eds,,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999);Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies,a practical approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988−1989);Monoclonal antibodies:a practical approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using antibodies:a laboratory manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999);The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995);およびCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVitaら,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)。
【0026】
(II.定義)
他に規定しない限り、本明細書中において使用される技術、表記法および他の科学用語法の全ての用語は、本発明が関係する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有することが意図される。いくつかの場合において、一般的に理解される意味を有する用語は、明瞭さおよび/または容易な参照のために本明細書中で規定され、そして本明細書中このような定義の包含は、当該分野で一般的に理解されるものに対して実施的な差異を表すように解釈される必要はない。本明細書中で記載または参照される技術および手順は、一般的に十分に理解され、当業者によって従来の方法論を使用して一般的に使用され、例えば、幅広く利用される分子クローニング方法論は、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd edition(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Yに記載される。適切な場合、市販のキットおよび試薬の使用を含む手順は、他に注記されない限り、一般的に、製造業者が規定したプロトコルおよび/またはパラメーターに従って、実行される。
【0027】
「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に配置された、少なくとも1つの抗原認識部位によって、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどのような標的に特異的に結合し得る免疫グロブリン分子である。本明細書中で使用される場合、この用語は、任意のアイソタイプ(IgA、IgG、IgE、IgD、またはIgM)のインタクトなポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、そのフラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv)、単鎖(ScFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、キメラ抗体(例えば、ヒト化抗体)、および免疫グロブリン分子の任意の他の改変された構成(必要とされる特異性の抗原認識部位を含む)を包含する。
【0028】
「モノクローナル抗体」は、均質な抗体の生成をいい、ここで、このモノクローナル抗体は、抗原の選択的な結合に関与するアミノ酸(天然および非天然)から構成される。モノクローナル抗体は、高い特異性があり、単一抗原性部位に方向付けられる。用語「モノクローナル抗体」は、任意のアイソタイプ(IgA、IgG、IgE、IgD、またはIgM)のインタクトなモノクローナル抗体および完全モノクローナル抗体だけでなく、そのフラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv)、単鎖(ScFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化モノクローナル抗体、キメラモノクローナル抗体、および免疫グロブリン分子の任意の他の改変された構成(必要とされる特異性の抗原認識部位および抗原に結合する能力を含む)を包含する。このようなフラグメントおよび改変体は、当該分野において周知であり、そしてインビトロおよびインビボの両方で調節的に使用される。本発明は、抗体の供給源または作製される(例えば、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、トランスジェニック動物などによる)様式に関して制限されることを意図しない。フラグメントまたはアナログは、組換えDNA方法を使用して、または固相合成のような合成方法によって調製され得る。
【0029】
「低分子」は、アミノ酸から作製されず、約5000ドルトン未満、好ましくは、約2500ドルトン未満の分子量を有する任意の組成物をいう。
【0030】
抗体または他の診断もしくは治療処置、物質もしくは因子の「有効量」または「十分な量」は、有利なまたは所望の結果(診断情報または予後情報の取得を含む)、臨床的結果(腫瘍のサイズの収縮(癌の文脈において、例えば、乳癌または前立腺癌)、疾患のまたは癌性の細胞増殖の遅延、疾患から生じる症状の減少、疾患を被っているヒトの生活の質の向上、疾患を処置するために必要とされる他の医薬の用量の減少、疾患の進行の遅延、および/または個体の生存の延長をもたらすのに十分な量である。有効量は、1つ以上の投与で投与され得る。本発明の目的のために、薬物、化合物または薬学的組成物の有効量は、癌性または疾患のまたは感染した細胞の増殖を減少させ(または破壊する)、そして癌性細胞の発生、または増殖または転移を直接的または間接的のいずれかで減少および/または遅延するのに十分な量である。
【0031】
「薬剤」とは、個体が曝露され得る任意のエレメントであり、そしてこの薬剤は、抗体、低分子、タンパク質、薬学的化合物(例えば、薬物)、家庭用薬品、工業用薬品、環境化学物質および他の薬品が挙げられ得るがこれらに限定されない。本発明の動物モデルにおいて試験され得る薬剤としては、免疫化学療法剤、サイトカイン、化学療法剤および放射性医薬品が挙げられるがこれらに限定されない。そして、これらの薬剤はまた、内因性または外因性の放射性薬剤および放射標識ペプチドを含み得る。当該分野において周知の方法により達成される遺伝子治療もまた、これらのモデルを使用して評価され得る。
【0032】
多くの化学療法剤が、公知である。本発明の実施における用途のために適切な薬剤は、以下から選択され得るが、これらに限定されない:アロプリノールナトリウム(allopurinol sodium)、ドラセトロンメシレート(dolasetron mesylate)、パミドロン酸二ナトリウム、エチドロネート、フルコナゾール、エポエチンアルファ、レバミゾールHCL、アミフォスチン、グラニセトロンHCL、ロイコボリンカルシウム、アルグラモスチン(sargramostin)、ドロナビノール、メスナ、フィルグラスチム、ピロカルピンHCL、オクトレオチドアセテート、デクスラゾキサン、オンダンセトロンHCL、オンダンセトロン、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、チオテパ、メルファランHCL、ナルファラン、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、メクロレタミンHCL、カルムスチン、ロムスチン、カルムスチンインプラント含有ポリフェプロサン20(polifeprosan 20 with carmustine implant)、ストレプトゾシン、ドキソルビシンHCL、ブレオマイシンサルフェート、ダウニルビシンHCL(daunirubicin HCL)、ダクチノマイシン、ダウノルビシンシトレート(daunorucbicin citrate)、イダルビシンHCL、プリマイシン(plimycin)、マイトマイシン、ペントスタチン、ミトキサントロン、バルルビシン(valrubicin)、シタラビン、フルダラビンホスフェート、フロクスウリジン、クラドリビン、メトトレキサート、メルカプチプリン(mercaptipurine)、チオグアニン、カペシタビン、メチルテストステロン、ニルタミド、テストラクトン(testolactone)、ビカルタミド、フルタミド、アナストロゾール、トレミフェンシトレート、タモキシフェン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エチニールエストラディオール、エストラディオール、エステル化エストロゲン、結合体化エストロゲン、ロイプロリドアセテート、ゴセレリンアセテート、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート、レバミゾールHCL、アルデスロイキン、イリノテカンHCL、ダカルバジン、アスパラギナーゼ、エトポシドホスフェート、ゲムシタビンHCL、トラスツズマブ、アルトレタミン、トポテカンHCL、ヒドロキシウレア、インターフェロンα−2b、ミトタン、プロカルバジンHCL、ビノレルビンタルトレート、E.coli L−アスパラギナーゼ、Erwinia L−アスパラギナーゼ、ビンクリスチンサルフェート、デニロイキンディフティトクス(denileukin diftitox)、アルデスロイキン、リツキシマブ、インターフェロンα−2a、パクリタキセル、ドセタキセル、BCG live(膀胱内)ビンブラスチンサルフェート、エトポシド、トレチノイン、テニポシド(teniposide)、ポルフィマーナトリウム、フルオロウラシル、ベタメタゾンナトリウムホスフェートおよびベタメタゾンアセテート、レトロゾール、エトポシドシトロロラムファクター(etoposide citrororum factor)、フォリン酸、ロイコウオリンカルシウム(calcium leucouorin)、5−フクオロウラシル、アドリアマイシン、サイトキサンならびにジアミノジクロロ白金(diamino dichloro platinum)。
【0033】
別の局面において、本発明は、本発明の動物モデルに放射標識された腫瘍特異的抗体を投与する工程を含む、腫瘍または新生物の放射性画像化法または放射標識抗体を用いた処置法の効力を評価する方法を提供する。この放射標識された抗体は、放射標識を含む、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であり得、好ましくは以下からなる群より選択される:Technetium−99m、Indium−111、Iodine−131、Rhenium−186、Rhenium−188、Samarium−153、Lutetium−177、Copper−64、Scandium−47、Yttrium−90。抗体の免疫反応性に支障を与えることなく、かつインビボでの分解されない治療用放射性核種(例えば、Iodine−131、Rhenium−188、Holmium−166、Samarium−153およびScandium−47)で標識されたモノクローナル抗体が、特に好ましい。当業者は、他の放射性同位体が公知であり、特定の用途に適切であり得ることを理解する。放射性画像化法は、シングルフォトンエミッションコンピュータ連動断層撮影(SPECT)、陽電子断層撮影法(PET)、コンピュータ連動断層撮影(CT)または磁気共鳴画像法(MRI)を使用して実施され得る。放射免疫画像化法によって位置づけられた転移位置のより良好な解剖学的鮮明度を可能にする比較画像法(correlative imaging)もまた、企図される。
【0034】
「個体」とは、脊椎動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。哺乳動物としては、家畜、競技用動物(sport animal)、愛玩動物、霊長類、マウスおよびラットが挙げられるが、それらに限定されない。
【0035】
本明細書中で使用される場合、「免疫不全」とは、正常な免疫応答を、先天的、後天的または誘導的に、発生させることができないことを意味する。以下でより詳細に記載されるように、個体の免疫応答レベルを正常レベルより減少させる方法は、当該分野で周知であり、かつ本発明の状況におけるこれらの使用は、当業者の通常技術の範囲である。
【0036】
本明細書中において使用される場合、「処置」とは、有益または所望される臨床的結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益または所望される臨床的結果としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:検出可能かまたは検出不可能な、症状の緩和、重篤度(extent of disease;EOD)の低減、疾患の安定化(すなわち、悪化していない)状態、疾患の進行度の遅延かまたは減速、病状の改善かまたは緩和、および(部分的かまたは完全な)寛解。「処置」はまた、その処置を受けない場合に期待される生存と比較したときの生存の長期化を意味する。本明細書中において使用される場合、用語「処置」は、予防法を含む。処置は、腫瘍または他の罹患組織の増殖の停止、検出可能な固形腫瘍または検出可能に感染もしくは罹患した組織の消失、あるいは腫瘍の転移または感染組織もしくは罹患組織の拡大における予防または縮小を含む。疾患の「緩和」は、これらの疾患のパラメーターにほとんど影響を与えないかまたは全く影響を与えないことが知られている物質と比較したときに、病状の程度および/または所望されない臨床徴候が低減し、そして/または病状の経時的な進行が遅くなるかまたは延びることを意味する。
【0037】
本明細書中において使用される場合、本発明のモデルは、疾患および障害の範囲の評価にとって有益であり、その疾患および障害としては、例えば以下が挙げられるがそれらに限定されない:貧血症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、様々な免疫機能障害および免疫不全、病原性微生物による感染症、糖尿病、多嚢胞性卵巣疾患、良性前立腺肥大、骨粗鬆症、神経変性疾患(例えば、ALS、アルツハイマー病、パーキンソン病)、筋ジストロフィ、様々な転移性および非転移性障害(例えば、黒色腫を含む様々な皮膚癌;乳癌;前立腺癌;腎臓癌;肝臓癌;肺癌;脳腫瘍ならびにグリア芽(細胞)腫を含む他の頭頚部癌;リンパ腫および白血病、循環器疾患、腎臓障害および腎臓疾患など)。
【0038】
本発明の特定の局面において、本動物モデルは、他の所望しない副作用を増大させることなく、悪心、嘔吐、食欲不振、不眠、意欲減退(decline in averall feeling)、生活活動の低下、倦怠感および抑うつの低減により評価されるような患者の生活の質(QOL)の改善をもたらす治療的処方計画の安全かつ有効な用量の決定を促進する。
【0039】
他の特定の局面において、本発明の動物モデルは、臨床医および研究者の診断的決定および予後診断的決定を支持するために使用される。これは、移植物についての患者の組織サンプルの使用またはすでに移植された組織を処置するために患者のサンプル由来の物質の使用に本発明の方法を適用することにより達成される。この移植された組織および組織処置法は、本明細書中で記載されたものと同じものであり、そして結果の評価方法は、当業者の慣用技術の範囲である。
【0040】
(III.成熟した組織表現型の動物モデルの生成)
成熟した組織表現型の動物モデルは、数個の異なる方法により生成され得る。そのレシピエント動物は、好ましくは免疫不全動物である。免疫不全でない動物は、その動物において移植される別の種由来の組織に不都合な免疫応答を増加させるので、免疫不全動物の使用は、非常に有用である。一つの実施形態において、動物は、マウスまたはラットである。免疫不全は、遺伝的交配(例えば、nu/nu、SCID、RAG、ベージュマウスまたはヌードラット、胸腺欠損マウスまたは胸腺欠損ラットなど)、遺伝子操作(例えば、遺伝的「ノックアウト」技術)を介してかまたは動物を照射もしくは化学的に免疫抑制すること(例えば、サイクロスポリンのような免疫抑制剤での処置かまたは、放射線照射もしくは免疫T細胞および免疫B細胞を破壊する別の方法を用いた処置)によりもたらされ得る。
【0041】
本発明の好ましい動物被験体は、脊椎動物である。本発明の特に好ましい動物被験体は、哺乳動物である。用語「哺乳動物」は、Mammalia綱に属する個体を意味する。本発明は、獣医の使用についてもまた意図されるが、ヒト組織への適用において特に有用である。
【0042】
レシピエント動物に移植される標的ヒトおよび他の種の組織は、天然において成熟しておらず、そして様々な供給源から由来し得る。一つの局面において、ヒト組織は、非癌性、非罹患組織(すなわち正常組織)であり、ヒト胎児組織に由来し、以下の生体系の組織が挙げられるがそれらに限定されない:中枢神経系:脳−大脳(ニューロンおよびグリアを含む灰白質および白質)および脳−小脳、眼、脳幹(橋、髄質、中脳)、脊髄;内分泌腺:副腎(皮質および髄質)、卵巣、膵臓(ランゲルハンス島および膵臓外分泌線)、副甲状腺、下垂体(腺下垂体および神経下垂体)、精巣、甲状腺(濾胞上皮、傍濾胞細胞、膠質など);胸部:胸部(小葉、管、筋上皮細胞など);造血:脾臓、扁桃、胸腺、骨髄(リンパ球、単球/マクロファージ、顆粒球、赤血球前駆細胞、巨核球、マスト細胞、破骨細胞、骨芽細胞)、末梢血液細胞(好中球、リンパ球、単球、好塩基球、好酸球、赤血球、血小板);呼吸系:肺(気管支、細気管支、肺胞など);心臓血管系:心臓、血管(動脈、静脈など);胃腸系:食道、胃(底)、小腸(回腸、空腸または十二指腸)、結腸、肝臓(門脈三管、肝細胞など)、唾液腺;尿生殖器系:腎臓、泌尿器、膀胱、尿管、尿道、卵管、膣、胎盤、前立腺、子宮、子宮頸;筋骨格系:骨格筋;皮膚:皮膚(表皮、皮膚付属器、真皮);末梢神経系:末梢神経;中皮細胞:胸壁、腹壁、心膜、または胃腸サンプル心臓サンプルおよび/または肺サンプルなどの表面由来の管壁細胞。
【0043】
移植に対して特に好ましい組織の種類は、現在、肝臓、肺、前立腺、腎臓、膵臓、心臓、結腸、十二指腸および胸腺である。胎児の組織は、移植部位に適合するのに十分小さいが、起源組織の基質成分および上皮成分の両方を含むのに十分大きい小片に切り分けられ得る。一つの実施形態において、その組織は、10mm×10mm×10mmの大きさに切り分けられる。別の実施形態において、その組織は、5mm×5mm×5mmの大きさに切り分けられる。別の実施形態において、その組織は、1mm×1mm×1mmの大きさに切り分けられる。いくつかの組み合わせ体は、多くの異なる細胞型を含む大型組織(例えば、肺)由来のすべての異なる細胞型を示すために必要とされ得る。2つかまたはいくつかの断片は、同じ腎臓被膜下に配置され得る。
【0044】
別の実施形態において、組織の供給源は、ヒト胎児組織由来のヒト始原細胞株であり、1つ以上の成熟ヒト細胞型への始原細胞の分化および成熟を促進するように選択されたラットまたはマウス間葉により増殖および組み合わせられて、ヒト/げっ歯類組織組み合わせ体を形成する。例えば、このような組織組み合わせ体は、ヒト膵臓始原細胞(hPED)(米国特許第6,436,704号に記載のように単離および増殖される)、ヒトMullerian始原細胞(米国特許第6,416,999号に記載のように単離および増殖される)、ヒト卵巣始原細胞(WO 01/77303に記載のように単離および増殖される)またはヒト膀胱始原細胞(hBLA)(係属特許出願PCT/US03/04547に記載のような)(これら全ての教示は、本明細書中で特に参考として援用される)であり得る。例えば、ラットまたはマウス間葉により組換えられて、組織組み合わせ体を形成し得る、本発明に従う他の組織特異的ヒト始原細胞またはヒト細胞株の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:卵巣、膀胱、膵臓、肺、皮膚、腎臓、結腸、甲状腺、肝臓、心臓、精巣、および前立腺。別の実施形態において、組織供給源は、ヒト間葉由来細胞株である。さらに別の実施形態において、組織供給源は、げっ歯類間葉組織で組換えられた任意のヒト始原細胞株または適切なヒト間葉由来細胞株(例えば、ヒト膵臓始原細胞(例えば、hPED)と組み合わされた膵臓間葉(hPEM))であり得る。さらに別の実施形態において、ヒト細胞(例えば、Schwann細胞または神経上皮細胞)は、免疫不全動物への移植のために使用され得る。
【0045】
他の実施形態において、これまでの段落に記載の組織は、あるいは、始原細胞由来であるか、または他の非ヒト脊椎動物種の胎児組織または適切な細胞株由来である。
【0046】
さらに別の実施形態において、組織供給源は、コラーゲンマトリクスまたはたのマトリクス材料(例えば、血漿凝血、EHSマトリクス、Matrigelなど)において増殖された任意のヒトまたは非ヒト脊椎動物細胞株であり得る。各細胞型は、始原表現型を維持するように設計された培地中で培養される。細胞(1〜3×10)は、米国特許第6,436,704号および同第6,416,999号に記載のように適切な間葉により調製および合わせられる。
【0047】
別の局面において、標的組織は、感染しているか、罹患しているか、および/または癌性である。例えば、ヒト腫瘍または他の罹患した組織由来の細胞株が使用され得る。これらの細胞は、生検または剖検、免疫不全マウスまたはラットが保持する移植可能な腫瘍、またはヒト腫瘍から確立された不死化細胞株から得られ得るか、またはインビトロで形質転換される。
【0048】
一旦、正常細胞および/また癌性細胞および/または感染細胞および/または疾患細胞が、標的動物から得られると、標的細胞は、免疫不全動物に移植される。種々の移植部位が可能である。好ましい実施形態において、組織または組織組み合わせ体は、免疫不全動物の腎臓被膜下に移植される。一般的に、ヒト腫瘍の異種移植のためのヌードマウスの使用は、当該分野で公知である。他の実施形態において、標的組織または組織組み合わせ体は、免疫不全動物の皮下の脂肪パッド中に移植されるか、または任意の他の位置に移植され、その結果、標的組織または組織組み合わせ体が発生して成熟し得、そして延長された期間後(例えば、1ヶ月以上後)に位置し得る。別の実施形態において、上皮エレメントおよび間葉エレメントの両方を含む組織は、1mm角の片に整えられ、免疫不全動物の腎臓被膜下または脂肪パッド中へと配置される。
【0049】
一旦、組織供給源が、免疫不全動物へと移植されると、組織は、成体表現型への成熟に必要な時間量で発達される。これは、組織により異なり得るが、発生の所望の段階に到達するのに、約2〜52週、好ましくは、約4〜36週、より好ましくは、約6〜24週の範囲である。この発生の所望の段階は、胎児(10〜24週での発生)供給源由来の組織を移植することによって決定され得、そして6〜24週の範囲で発達させ、組織学および得られる組織における成熟についての特異的な既知のマーカーの発現を見る。一般的に、本発明の方法に従って、癌性組織の増殖より、正常組織の増殖および成熟にはより長い時間が必要である。
【0050】
1つの実施形態において、動物は、片方の腎臓被膜下に移植され、成熟された1〜3個の正常組織を有する。腫瘍細胞は、1つ以上の薬剤の投与の約0〜2週前に、対側の腎臓被膜に移植され得る。正常組織を一方の動物において成熟させ得、次いで、その動物を安楽死させて、組織を除去する。成熟組織は、2つ以上の等価な片へと分離され得、2つ以上のレシピエント動物に移植されて、正常ヒト組織の一致した片を有する動物を作製し得る。このことは、一方の動物がコントロールであり、他方の動物はい1つ以上の薬剤で処置されているので、有用である。腫瘍細胞は、同時に対側腎臓被膜に移植され得る。
【0051】
別の実施形態において、正常組織のみが、レシピエント動物中に移植される。これは、処置レジメンまたは治療剤(例えば、抗体)を試験して、種々の正常組織に対するその効果を決定するのに有用である。幾つかの場合において、薬剤(例えば、抗体)は、癌性細胞に対して有害な作用を有することが知られている。次いで、正常組織のみを有する動物モデルを使用して、この薬剤が用量範囲にわたって他の正常組織に対して有害な作用を有するか否かを決定し得る。
【0052】
(II.薬剤)
本明細書中で記載される動物モデルを使用して、種々の薬剤(抗体、低分子、ペプチド、ペプチド模倣物、およびタンパク質を含むが、これらに限定されない)の作用を評価し得る。使用され得る低分子は、合成化合物(例えば、FDA認可のために試験されている)が含まれ得る。使用され得るタンパク質としては、合成ペプチドおよび合成タンパク質、組換えタンパク質、ならびに天然に存在するタンパク質が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0053】
本発明の治療剤の種々の処方物は、投与のために使用され得る。幾つかの実施形態において、薬剤は、希釈することなく投与され得る。他の実施形態において、薬剤および薬学的に受容可能な賦形剤が投与され、種々の処方物中に存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤は、当該分野で公知であり、薬理学的に有効な物質の投与を容易にする比較的不活性な物質である。例えば、賦形剤は、形態または整合性を与え得るか、または希釈財として作用し得る。適切な賦形剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:安定化剤、湿潤剤および乳化剤、種々の浸透圧のための塩、被膜剤、緩衝液、および皮膚浸透増強剤。経口および非経口薬物投与のための賦形剤および処方物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition,Lippincott,Williams&Wilkins,Publishingに示されている。
【0054】
経口投与のための適切な処方物は、活性化合物の水溶性形態(例えば、水溶性の塩)の水溶液が含まれる。さらに、適切な場合、油性注入懸濁液に適切な活性化合物の懸濁液が投与され得る。適切な新油性溶媒またはビヒクルとしては、脂肪油(例えば、ゴマ油)または合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド)が挙げられる。水性注入懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質を含み得、これらとしては、例えば、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランが挙げられる。必要に応じて、懸濁液はまた、安定化剤を含み得る。リポソームもまた、細胞への送達のために薬剤をカプセル化するのに使用され得る。
【0055】
本発明に従う全身投与のための薬学的処方物は、経腸、経口または局所投与のために処方され得る。実際に、全部で3つの型の処方物を同時に使用して、活性成分の全身投与を達成し得る。
【0056】
経口投与のための適切な処方物としては、以下が挙げられる:硬ゼラチンカプセルまたは軟ゼラチンカプセル、ピル、錠剤(コーティングされた錠剤を含む)、エリキシル剤(elixir)、懸濁液、シロップまたは吸入剤およびこれらの徐放性形態。
【0057】
種々の方法を使用して、薬剤を動物モデルに投与し得る。好ましい実施形態において、薬剤は、腹膜内(i.p.)に投与される。他の方法としては、経口、皮下、静脈内、被膜下投与、筋内、または組織もしくは腫瘍への直接投与が挙げられる。投与は、以下の徐放性方法論によって増強され得る:固形処方物(例えば、皮膚パッチ)またはペレットまたはカプセル化もしくはコーティングされた投薬形態、または液体の場合、適切な液体処方物によるか、または体外もしくは体内に支持されたポンピング機構による投与。
【0058】
投与される量は、種々の方法によって決定され得る。1つの実施形態において、薬剤(例えば、抗体)の用量は、薬剤を段階的に増減させ、その効果をモニタリングすることによって決定される。別の実施形態において、当業者は、用量の出発点として当該分野で記載される量を使用し、報告された量より多くおよびそれより少ない段階的な増減を使用して、効果を決定する。別の実施形態において、個体(例えば、ヒト)が処置プロトコルまたはルーチンの毎日の暴露を受ける場合に経験する生理学的な量を反映する量が使用される。
【0059】
一般的に、これらの薬剤は、注射(例えば、腹腔内、静脈内、皮下、筋肉内など)による投与のために処方されるが、他の投与形態(例えば、経口、粘膜など)もまた使用され得る。従って、本発明の治療剤は、好ましくは、薬剤学的に受容可能な賦形剤(例えば、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液など)と組み合わされる。特定の投薬レジメン(すなわち、用量、タイミングおよび繰り返し)は、特定の個体およびその個体の医療履歴に依存する。一般的に、以下の用量の任意のいずれかが使用され得る:体重1kgあたり少なくとも約50mg;体重1kgあたり少なくとも約10mg;体重1kgあたり少なくとも約3mg;体重1kgあたり少なくとも約1mg;体重1kgあたり少なくとも約750μg;体重1kgあたり少なくとも約500μg;体重1kgあたり少なくとも約250μg;体重1kgあたり少なくとも約100μg;体重1kgあたり少なくとも約50μg;体重1kgあたり少なくとも約10μg;体重1kgあたり少なくとも約1μg、またはそれより多い用量が、投与される。実験的に考慮すべき事項(例えば、半減期など)は、一般的に、用量の決定に寄与する。ヒト免疫系に適合的な薬剤(例えば、ヒト化抗体または完全なヒト抗体)が、抗体の半減期を伸ばすため、および抗体が宿主免疫系から攻撃されることを妨げるために使用され得る。投与の頻度は、治療経過にわたり決定され、調整され、そして癌性細胞の数を減少させること、癌性細胞の減少を維持すること、癌性細胞の増殖を減少すること、または転移の進展を遅らせることに基づく。あるいは、本発明の薬剤の徐放性処方物が、適切であり得る。持続的放出を達成するための種々の処方物およびデバイスが、当該分野で公知である。
【0060】
一つの実施形態において、治療的薬剤の用量は、1回以上の投与を与えられた個体において経験的に決定され得る。個体は、増分用量の治療的薬剤を受ける。治療的薬剤の効力を評価するために、特定の癌疾患状態が、例えば、以下の方法によって追跡され得る:例えば、触診または視診を介した腫瘍の大きさの直接的測定、X線または他の画像化技術による腫瘍の大きさの間接的測定、直接的な腫瘍の生検および腫瘍サンプルの顕微鏡試験によって評価された改善度、間接的腫瘍マーカー(例えば、前立腺癌についてのPSA)の測定、痛み、麻痺、会話の障害、視覚の障害、呼吸の障害または腫瘍に関する他の障害の減少、食欲の増大、あるいは、広く認められた試験によって測定される生活の質の増大または生存の延長。個体、癌の型、癌の段階、癌が個体の他の位置へ転移し始めたかどうか、および過去の処置または同時に使用されている処置に依存して、用量が変動することは当業者にとって明らかである。
【0061】
別の処方物としては、当該分野で公知の適切な送達形態(キャリア(例えば、リポソーム)が挙げられるが、これに限定されない)が挙げられる。例えば、Mahatoら,(1997)Pharm.Res.14:853−859を参照のこと。リポソーム調製物としては、サイトフェクチン、マルチラメラ(multiamellar)ビヒクルおよびユニラメラ(uniamellar)ビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
いくつかの実施形態において、1種類以上の治療的薬剤が存在し得る。このような組成物は、例えば、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、結腸癌、または乳癌に対して反応性の1種類以上の治療的薬剤を含み得る(少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、少なくとも5種類の異なる治療的薬剤を含み得る)。治療的薬剤の混合物は、当該分野でしばしば示されるように、より広範囲の個体集団を処置する際に特に有用であり得る。
【0063】
疾患の評価は、下でより詳細に考察するように、当該分野で標準的な方法(例えば、画像化方法および適切なマーカーのモニタリング)を使用して実行される。
【0064】
薬剤の投与のタイミングは、その薬剤の性質に依存する。1つの実施形態において、薬剤は、癌性細胞、癌性組織、または腫瘍の増殖を減少させるために有効な量で投与される抗体である。当業者は、過度の実験をすることなく、より高い濃度での単回の投与に対する低濃度での多数回の投与の効力を決定し得る。
【0065】
薬剤は、一回だけ、または、数週間にわたって1週間に1〜7回またはそれよりも多くの注射を必要とする計画で投与され得る。用量、投与計画、および期間は、一般的に、感染または疾患を処置する際に効果的であることが示されているものを反映する。
【0066】
(III.作用/毒性モデルの評価)
組織移植または組織組み合わせ体を含む動物モデルは、成体動物モデルの正常な成熟組織の表現型を部分的にまたは完全に発生させることが可能である。薬剤の効果(例えば、毒性)を評価するための動物モデルを作製するために、一方の腎臓被膜(kidney capsule)の下に成熟標的組織を含むこれらの動物は、次いで、反対側の腎臓被膜(または、別の部位)の下に標的の疾患細胞、感染細胞または癌性細胞を移植し得、そして、薬剤(例えば、モノクローナル抗体または他の薬物)で処置され得る。処置後、動物を屠殺し、ヒトの疾患組織、感染組織または癌性組織および正常組織の異種移植片が取り除かれ、薬剤の効果を評価するために分析される。当業者は、全体的形態、細胞的形態、壊死またはアポトーシスの量、疾患組織、感染組織または癌性組織の大きさおよび/または機能(例えば、膵臓組織についてはインスリン分泌)あるいは、正常細胞および異常細胞の機能の既知のマーカーの存在または不存在をモニタタリングすることによって、正常組織および疾患標的組織、感染標的組織または癌性標的組織の両方に対する薬剤の効果を決定し得る。例えば、Ki67抗体による染色が、組織中の分裂細胞の数を可視化するために使用され得る(Groganら,Blood 75:2714−9,1988)。治療的抗体について、癌性組織を殺すか、または腫瘍の大きさを減少させる際に有効であるが、抗体に結合される抗原を発現する対応する正常組織または他の正常組織に対する影響をほとんど、または全く有さない、抗体および抗体の用量を同定するために、動物モデルが使用され得る。
【0067】
個体に対する治療的処置レジメンの効果を評価するための方法は、処置される状態および処置方法に依存して変動し、広範囲のこのような方法が当業者に周知である。例示であって、限定ではない様式で、このような方法としては、上述のもの、そしてまた、肥大、過形成、アポトーシス性の(apoptic)死、異なるタンパク質またはステロイドの分泌、代謝活性、および形態学的変化を評価するための方法が挙げられる。
【0068】
成熟組織はまた、動物の薬剤による全身的処置、その後の標的組織の機能(例えば、「成熟」したヒト膵臓によるヒトインスリンの産生)の測定によって、低分子薬物の効果および毒性を評価するために使用され得る。この動物モデルの別の用途は、効果モデルであり、それによって、薬剤による長期(例えば、数日から数ヶ月)の処置の効果を評価するために、各腎臓中に異なる成熟組織(正常組織および疾患組織の両方)を有する動物が使用される。
【実施例】
【0069】
(実施例1 非ヒト動物モデルの作製)
正常な胎児性器官(結腸、心臓、腎臓、肝臓、肺、卵巣、および卵管)由来の組織を1mm立方の断片に切り出し、ヌードマウス(nu/nu)またはSCID免疫無防備マウスの腎臓被膜または脂肪パッド中に置いた。この組織を6〜40週間、動物中に残して、成熟組織へと発達するための時間を与えた。この動物を安楽死させ、この組織を取り出し、H&E染色および免疫組織化学的評価のために切片化した。
【0070】
図1は、一連の移植の結果を示し、この移植において、組織は4ヶ月間で成熟した。この実施例において、「パネル」という全ての言及は図1をいう。パネル1、2、3、6、7および8は腎臓被膜下への移植を示し、一方、パネル4および5は、脂肪パッド下への移植を示す。パネル1、6、7および8はヌードマウス(nu/nu)中への正常な胎児性器官の移植を示し、一方、パネル2、3、4および5はSCIDマウス中への正常な胎児性器官の移植を示す。腎臓組織、心臓組織および肝臓組織は、腎臓皮膜の下に移植された場合、発達しない(パネル3)。腎臓組織は、腎臓皮膜に置かれた場合、発達して成熟しない(示さず)が、脂肪パッド中では発達する(図4)。心臓の1mm立方の断片はこの実験(パネル5)では発達しなかったが、別のセットの実験では、腎臓皮膜の下に7ヶ月間移植した場合、心耳由来および心室由来の両方の細胞を含む心臓組織の長く薄い(0.6×2mm)断片は生存し、脂肪組織および筋肉組織の両方を発達させた。図6は、宿主マウス内での6ヶ月後の良好に発達した結腸、膵臓、心臓および前立腺を示す。解剖された胎児性肝臓組織は、脂肪パッド移植部位または腎臓被膜移植部位のいずれでも発達しなかった(パネル5)。しかし、ヒト肝臓上皮始原およびラット胎児性精嚢間葉(rSVM)を使用した組織組み合わせ体は、良好に規定された構成を有する構造体に分化した。rSVMと組合わせた精巣上皮始原細胞は、胚細胞欠損精巣に類似の菅様の管状構造体に発達した。なぜなら、精巣の生殖細胞系幹細胞が元々の培養物中に存在しないためである(図7を参照のこと)。卵管の発達は広範囲であり(パネル8)、一方、肺および卵巣(パネル6および7)は成熟したが、インビボの組織と同じ構造的発達はしなかった。しかし、7ヶ月間インビボ(腎臓被膜)で発達させられた肺組織は、成人細胞の形態(線毛上皮細胞を含む)を発達させた。免疫不全マウスは、正常な寿命よりも短いので、これらの長期の発達時間は、発達の5〜6ヶ月後に若い動物(例えば、6〜10週)へ正常な組織の断片を移植することを必要とし得る。
【0071】
(実施例2 安全性/効果モデルのための成熟組織の使用)
正常なヒト前立腺断片およびヒト膵臓断片を腎臓被膜下に置き、6週間成熟させた。この時点で、ヒト前立腺癌細胞(LnCAP)を同じ動物の対側の腎臓被膜の下に配置し、さらに1週間成長させた。LnCAP腫瘍の移植の7日後に、1匹の動物を腹腔注射により10ugm/gmのPA6抗体(抗ヒトEpCAM)で処置した。コントロール動物は、食塩水で処置した。2週間の期間にわたって4回の注射をした。この時点の最後に、動物を安楽死させ、腫瘍組織および正常組織の異種移植片を試験した。この動物の腎臓を図2に示す。図2の左側はLnCAP腫瘍を示し、一方、右側は正常組織を示す(動物内で合計9週)。上のパネルは処置した動物のものであり、一方、下のパネルはコントロール動物のものである。さらなる処置をされた動物は、正常な結腸組織を含んでいた。
【0072】
(実施例3 ヒト前立腺およびヒト結腸の成熟組織の免疫組織化学)
図2に記載した実験のヒト前立腺およびヒト結腸の成熟組織の免疫組織化学。腫瘍は抗体処置によって強い影響を受け、細胞死および出血を起こしたが、正常な組織は抗体によって影響されなかった(A〜D)。組織が抗体標的(EpCAM)を含むか否かを決定するために、組織を直接的に標識したPA6(抗ヒトEPCAM)抗体によって染色した。組織(処置したものおよび処置しなかったものの両方)が、抗体の結合を示す。成熟したヒト前立腺組織はまた、前立腺特異的抗原(PSA)(前立腺についてのマーカー)に対しても強く染色された。
【0073】
(実施例4 mPA7抗体についての安全性/効力研究)
同様の実験をヒト胎児性の膵臓組織および前立腺組織を用いて行った。膵臓組織および前立腺組織を11週間成熟させ、次いで、LnCAP前立腺腫瘍組織を対側に移植した。この動物を実施例2の中にあるように、50ug/gm×4の用量のmPA7抗体で処置した。図4Aに見られるように、この抗体処置は、腫瘍組織の消失を引き起こし、瘢痕組織のみが残った。図4B中のH&E染色した切片に示される正常な組織は、抗体処置に影響されなかった。
【0074】
(実施例5.ヒト前駆細胞およびラット胎児間葉細胞から発生した正常組織組み合わせ体)
胎児組織の全要素を使用して成体表現型に成熟させることの代替法は、げっ歯類間葉細胞と組合わせたヒト前駆細胞株を使用して、その前駆細胞から誘導されたそれらの細胞の一部が成体ヒト表現型を有する組織を誘導することである。この例を図5に示す。ここで、hBLA(ヒト膀胱上皮前駆細胞)細胞株を、ラット胎児膀胱間葉細胞と組合わせて、成体膀胱上皮表現型を有する、ラット間葉細胞およびヒト上皮細胞を含む組織モザイクを形成した。この組織を、ヒト膀胱アンブレラ細胞のマーカーであるウロプラキン(uroplakin)について染色した上部パネルに示す。同じ細胞をラット胎児精嚢間葉細胞と組み合わせ、そして6ヶ月間インビボで成熟させて、ラット間葉細胞とヒト成体前立腺上皮細胞を有する組織モザイク(下パネルにおいてヒト前立腺特異的抗原(PSA)について染色させた)を形成させた。同様に、組織組み合わせ体を、適切なラット間葉細胞と組合わせた、ヒト胎児肝臓細胞、ヒト胎児膵臓細胞(米国特許第6,436,704号を参照のこと)、またはヒト子宮/膣/ファローピウス管前駆細胞(米国特許第6,416,999号を参照のこと)を使用して、ヒト/ラットモザイク組織を作製した。
【0075】
本明細書中に記載した実施例および実施形態が単に例示目的のものであること、およびこれれらの点における種々の改変または変更が当業者によって示唆され、そして本出願および添付の特許請求の範囲の精神および目的の範囲内に含まれることが、理解される。本明細書中に引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が具体的にかつ個々に示されて参考として援用されるのと同程度に、全ての目的のためにその全体が参考として本明細書によって援用される。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、ヌード(nu/nu)(パネル1、6、7、8)またはSCID(パネル2、3、4、5)免疫無防備状態マウスの腎臓被膜(パネル1、2、3、6、7、および8)または脂肪パッド(パネル4および5)に配置され、そしてより成熟した表現型に発生し得る正常胎児器官由来の組織である場合の結果を示す。
【図2】図2は、安全性/効力モデルについての成熟組織の使用からの結果を示す。動物の腎臓を図に示す。図2の左側は、LnCAP腫瘍を示し、一方、右側は正常組織を示す。上側パネルは、処置された動物由来であり、一方、下側パネルは、コントール動物由来である。
【図3】図3は、図2に記載される実験由来のヒト前立腺成熟組織およびヒト結腸成熟組織の免疫組織化学を示す。組織はまた、直接標識したmPA6(抗ヒトEpCAM)抗体を染色した。抗ヒトEpCAM抗体mPA6は、マウスEpCAMに結合しない。
【図4】図4Aおよび4Bは、mPA7抗体での安全/効力研究の結果を示す。この抗体は、ヒトPA7抗原(CD46)に結合し、これは、正常前立腺および膵臓上皮癌および膵臓癌に存在する。この抗体は、マウス対応抗原を認識しない。
【図5】図5は、2つの異なるヒト組織組み合わせ体を示す。膀胱上皮前駆細胞株(hBLA)は、胎児膀胱間充織と組み合わせることによって、成熟膀胱上皮(上)を形成するために誘導され得る。しかし、同じ細胞は、精嚢間充織(下)と組み合わせた場合、成熟前立腺上皮を形成する。矢印は、正に染色する細胞を示す。
【図6】図6は、SCIDマウスにおける6ヶ月間成長したヒト正常胎児器官由来の十分に発達したヒト結腸、膵臓、心臓および前立腺の組織を示す。
【図7】図7は、ヒトおよびラットの精巣および肝臓のモザイク組織を示し、ここで、上皮部分は、胎児前駆細胞株由来であり、そして間質部分は、胎児ラット間充織由来である。組織は、組み換えられ、そして成熟原型を達成するために4〜10ヶ月間発生させる。

Claims (21)

  1. 共にドナー動物に由来する、該動物の腎臓被膜に、または腎臓被膜の下に成熟表現型の標的正常組織を有し、かつ該動物の対側腎臓被膜に、または対側腎臓被膜の下に標的疾患組織を有する非ヒト脊椎動物モデルを作製する方法であって、該方法が、以下:
    (a)第1のドナー動物の未成熟細胞または前駆細胞から作製された未成熟標的正常組織または正常組織の組み合わせ体を、非ヒトレシピエント脊椎動物の腎臓被膜に、または腎臓被膜の下に移植する工程;
    (b)該第1のドナー動物の標的正常組織を、成熟表現型を有する組織に発達させる工程;
    (c)該第ドナー動物由来の標的の疾患組織または疾患細胞を、非ヒトレシピエント脊椎動物の対側腎臓被膜に、または対側腎臓被膜の下に移植する工程;および
    (d)該第ドナー動物由来の標的の疾患組織または疾患細胞を増殖させる工程、
    を包含する、方法。
  2. 共にドナー動物に由来する、該動物の脂肪パッドに成熟表現型の標的正常組織を有し、かつ該動物の該脂肪パッドの異なる位置または異なる脂肪パッドに標的疾患組織を有する非ヒト脊椎動物モデルを作製する方法であって、該方法が、以下:
    (a)第1のドナー動物の未成熟細胞または前駆細胞から作製された未成熟標的正常組織または正常組織の組み合わせ体を、非ヒトレシピエント脊椎動物の脂肪パッドに移植する工程;
    (b)該第1のドナー動物の標的正常組織を、成熟表現型を有する組織に発達させる工程;
    (c)該第2のドナー動物由来の標的の疾患組織または疾患細胞を、非ヒトレシピエント脊椎動物の該脂肪パッドの異なる位置または異なる脂肪パッドに移植する工程;および
    (d)該第2のドナー動物由来の標的の疾患組織または疾患細胞を増殖させる工程、
    を包含する、方法。
  3. 前記ドナー動物と前記レシピエント動物の少なくとも2つが異なる種である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記移植され標的正常組織および前記移植され標的疾患組織の両方が、ヒト起源である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記標的疾患組織が腫瘍組織である、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記移植された標的組織が、以下の群:マウス、ラット、ウサギ、トリ、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカ、ウマ、ウシ、ヒトおよび非ヒト霊長類から選択される種に由来する、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記非ヒト霊長類が、ヒヒ、チンパンジーまたはサルである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記非ヒトレシピエント脊椎動物が、免疫不全げっ歯類、ネコ、カエル、トリ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギおよび非ヒト霊長類からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記動物が、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、およびハムスターからなる群より選択される免疫不全げっ歯類である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1のドナー動物と第2のドナー動物とが同じ種のものである、請求項1または2に記載の方法。
  11. 免疫不全の非ヒトレシピエントまたは宿主動物の腎臓被膜に、もしくは腎臓被膜の下に、または脂肪パッド移植されたドナー動物由来の正常標的組織および疾患標的組織の評価のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された非ヒト脊椎動物モデルであって、少なくとも1つの標的組織が、以下の生物学系の組織:中枢神経系:脳−大脳(ニューロン、グリアなどを含む灰白質および白質)、および脳−小脳、眼、脳幹(橋、髄質、中脳)、脊髄;内分泌腺:副腎(皮質および髄質)、卵巣、膵臓(ランゲルハンス島および膵臓外分泌腺)、副甲状腺、下垂体(腺性下垂体および神経性下垂体)、精巣、甲状腺(濾胞上皮、傍濾胞細胞、膠質など);胸部:胸部(小葉、管、筋上皮細胞など);造血系:脾臓、扁桃腺、胸腺、骨髄(リンパ球、単球/マクロファージ、顆粒球、赤血球前駆細胞、巨核球、マスト細胞、破骨細胞、骨芽細胞)、末梢血細胞(好中球、リンパ球、単球、好塩球、好酸球、赤血球、血小板);呼吸器系:肺(気管支、細気管支、肺胞など);心血管系:心臓、血管(動脈、静脈など);胃腸系:食道、胃(底)、小腸(回腸、空腸または十二指腸)、結腸、肝臓(門脈三管、肝細胞など)、唾液腺;尿生殖器系:腎臓、泌尿器、膀胱、尿管、尿道、ファローピウス管、膣、胎盤、前立腺、子宮、子宮頚部;筋骨格系:骨格筋;皮膚:皮膚(表皮、付属器、真皮);末梢神経系:末梢神経;中皮細胞:胸壁、腹壁、心膜由来、または胃腸サンプル、心臓サンプルおよび/もしくは肺サンプルの表面由来の管壁細胞、など
    からなる群より選択される、非ヒト脊椎動物モデル
  12. 腎臓被膜に、もしくは腎臓被膜の下に、または脂肪パッドに移植された成熟表現型を有する標的の正常ヒト組織および疾患ヒト組織を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された免疫不全げっ歯類であって、該正常ヒト組織が、肺、前立腺、腎臓、脾臓、膀胱、皮膚、肝臓、心臓、結腸、十二指腸、胃、甲状腺、唾液腺および胸腺からなる群より選択される、免疫不全げっ歯類。
  13. 標的疾患組織に対する治療的処置の効果を評価するための方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された免疫不全非ヒトレシピエント脊椎動物に、このような処置を適用する工程、および
    (b)該標的正常組織および標的疾患組織に対する該処置の効果を評価する工程、
    を包含する、方法。
  14. 前記治療的処置が、抗体、低分子、タンパク質、薬学的化合物、家庭用薬品、工業用薬品、および環境化学物質からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、前記治療的処置が、放射線療法、化学療法または放射医薬療法、あるいは放射線免疫療法からなる群より選択される、方法。
  16. 前記治療的処置が、腫瘍の放射線画像化に有用な薬剤を投与する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  17. 標的組織に毒性である薬剤の用量を決定するための方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された免疫不全非ヒトレシピエント動物に薬剤を投与する工程、および
    (b)該正常標的組織および標的癌組織に対する該薬剤の任意の毒性効果を評価する工程、
    を包含する、方法。
  18. 正常細胞より大きな程度まで標的の疾患細胞に毒性である薬剤を、同定するための方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された免疫不全非ヒトレシピエント動物に薬剤を投与する工程、および
    (b)正常組織より大きな程度まで該疾患標的組織の増殖を減少させるかまたは破壊する薬剤を同定する工程、
    を包含する、方法。
  19. 正常細胞より大きな程度まで疾患細胞に毒性である薬剤の有効量を決定するための方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された免疫不全非ヒトレシピエント動物に薬剤を投与する工程、および
    (b)該正常標的組織および疾患標的組織に対して有効な該薬剤の量を決定する工程、
    を包含する、方法。
  20. 全動物ベースのスクリーニングアッセイであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された非ヒト宿主動物の、該動物に施された処置の細胞傷害特性、細胞増殖抑制特性、抗菌特性、抗炎症特性または他の治療的特性を試験するための使用、または癌、感染および/もしくは疾患の発症を制御もしくは阻害する際のこのような処置の活性を試験するための使用を包含する、アッセイ。
  21. 処置、薬物または他の物質を、癌、感染および/または疾患の発症またはこれらの処置に対する活性について、スクリーニングおよび同定または試験する方法であって、以下の工程:
    (a)問題の該処置、薬物または他の物質で、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法に従って作製された非ヒト宿主動物を試験する工程、および
    (b)該処置、薬物または物質で処置されていない対応する動物と比較して、癌、感染および/または疾患の発症の発生の任意の減少、および罹患率の減少を検出または観察する工程、あるいは身体機能の維持、回復または改善における効果を検出または観察する工程、を包含する、方法。
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